【解決手段】この液晶表示装置100は、表示セル1と、表示セル1の表示面1aとは反対側の面1bに光を出射する複数のLED光源4と、LED光源4とは異なるレーザ光源5aと、レーザ光源5aから出射された光を表示面1aとは反対側の面1bに走査する走査ミラー部5bと、を備える。
前記第2光源は、前記第1光源により光が照射されている領域のうちの所定の領域において、前記第1光源から出射された光に光を重畳するように走査される、請求項1に記載の液晶表示装置。
前記第2光源から出射される光の光量を変化させながら、前記第2光源から出射される光を前記第1光源から出射される光に重畳させるように構成されている、請求項2に記載の液晶表示装置。
前記表示面に対して垂直な方向から見て、前記表示面の外周に沿って設けられ、前記第2光源から出射された光を前記表示面とは反対側の面に向けて反射させる反射部をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
前記表示部と前記第1光源との間に設けられ、前記第2光源から出射された光を前記表示部側に向ける導光部材をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
前記第1光源は前記表示部に対向するように配置される直下型のLED光源を含み、前記第2光源はレーザ光源を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1に記載されるような従来のローカルディミング制御可能な光源装置において、ローカルディミング制御における輝度制御の緻密性を向上させるためには、ローカルディミング制御における分割領域をさらに細分化することが必要である。また、各々の分割領域において所定の数の光源を配置する必要があるため、ローカルディミング制御における分割領域をさらに細分化する場合には、光源の個数を増加させる必要がある。すなわち、上記特許文献1に記載されている光源装置において、ローカルディミング制御における分割領域をさらに細分化するためには、赤色LED、青色LED、および、緑色レーザダイオードのそれぞれの個数を増加させる必要がある。このため、ローカルディミング制御において、分割領域をさらに細分化して、輝度制御の緻密性を向上させるために、部品点数が増加するという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ローカルディミング制御において、部品点数の増加を抑制しながら、輝度制御の緻密性を向上させることが可能な液晶表示装置および光源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の局面による液晶表示装置は、表示部と、表示部の表示面とは反対側の面に光を出射する複数の第1光源と、第1光源とは異なる第2光源と、第2光源から出射された光を表示面とは反対側の面に走査する走査部と、を備える。
【0009】
この発明の第1の局面による液晶表示装置は、上記のように、第2光源から出射された光を表示面とは反対側の面において走査する走査部を備えることによって、第2光源から出射される光を走査することにより、表示面とは反対側の面の所定の領域に光を照射することができる。その結果、第1光源の数を増加させることなく、第2光源から出射される光により表示部内の所定の領域を局所的に照射することができる。すなわち、第1光源の数を増加させることなく、輝度制御が可能な領域を細分化することができる。これにより、部品点数の増加を抑制しながら、輝度制御の緻密性を向上させることができる。
【0010】
上記第1の局面による液晶表示装置において、好ましくは、第2光源は、第1光源により光が照射されている領域のうちの所定の領域において、第1光源から出射された光に光を重畳するように走査される。このように構成すれば、第2光源から照射される光により、第1光源によって照射されている領域内の所定の領域において光を重畳させることができるので、第1光源によって照射されている領域内において輝度を局所的に大きくすることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、第2光源から出射される光の光量を変化させながら、第2光源から出射される光を第1光源から出射される光に重畳させるように構成されている。このように構成すれば、所定の領域を走査している際に第2光源の光量を変化させてローカルディミング制御を行いながら、所定の領域の輝度を容易に大きくすることができる。
【0012】
上記第1の局面による液晶表示装置において、好ましくは、第2光源と走査部とを含む走査型光源部は、複数設けられている。このように構成すれば、単一の走査型光源部により走査する場合に比べて、表示面とは反対側の面の全面をすみやかに走査することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、表示部は、略長方形形状を有し、表示部に対して垂直な方向から見て、複数の走査型光源部の各々は、略長方形形状の表示部の対向する一対の辺の近傍にそれぞれ設けられている。このように構成すれば、複数の走査型光源部の各々が表示部の対向する一対の辺の近傍にそれぞれ設けられていることによって、互いに対向する方向から走査型光源部の光を走査することができる。その結果、一対の辺の一方に設けられている走査型光源部により、表示部の中心に対して一対の辺の他方側(または一方側)の表示部内を走査させ、一対の辺の他方に設けられている走査型光源部により、表示部の中心に対して一対の辺の一方側(または他方側)の表示部内を走査させることができる。これにより、複数の走査型光源部の各々が走査する領域の大きさを略同じにすることができるので、複数の走査型光源部のいずれかに過度な負担がかかるのを抑制することができる。なお、「一対の辺の近傍」とは、一対の辺の位置そのものと、一対の辺の位置の付近との両方を含む意味である。
【0014】
上記走査型光源部が複数設けられている液晶表示装置において、好ましくは、複数の走査型光源部は、共通の基台上に配置されている。このように構成すれば、複数の走査型光源部が配置された基台を取り付けることによって、2つの走査型光源部を同時に取り付けることができるので、走査型光源部の取り付けにおける作業効率を向上させることができる。また、2つの走査型光源部を個別に取り付ける場合に比べて、2つの走査型光源部の間において取り付け位置のずれが生じるのを抑制することができる。
【0015】
上記第1の局面による液晶表示装置において、好ましくは、表示面に対して垂直な方向から見て、表示面の外周に沿って設けられ、第2光源から出射された光を表示面とは反対側の面に向けて反射させる反射部をさらに備える。このように構成すれば、第2光源から出射された光が、表示面の外周に沿って設けられる反射部によって反射されることにより、表示面の外周側への光の漏れを抑制しながら、表示面とは反対側の面に光を照射することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、第1光源から放射された光を表示部側に反射させる反射シートをさらに備え、反射部は、反射シートの外周縁近傍が表示部側に折り曲げられることにより形成されている。このように構成すれば、元々備えられている反射シートを用いて反射部を形成することができるので、部品点数の増加を抑制することができる。なお、「外周縁近傍」とは、外周縁の位置の付近を意味する。
【0017】
上記第1の局面による液晶表示装置において、好ましくは、表示部と第1光源との間に設けられ、第2光源から出射された光を表示部側に向ける導光部材をさらに備える。このように構成すれば、導光部材により、第2光源から出射された光を、第2光源から比較的離間した領域に容易に照射することができる。
【0018】
上記第1の局面による液晶表示装置において、好ましくは、第1光源は表示部に対向するように配置される直下型のLED光源を含み、第2光源はレーザ光源を含む。ここで、レーザ光源から出射される光は、LED光源から出射される光に比べて、比較的指向性が高い。したがって、レーザ光源を含む第2光源により走査することによって、輝度制御の緻密性を容易に大きくすることができる。
【0019】
この発明の第2の局面による光源装置において、好ましくは、複数の第1光源と、第1光源とは異なる第2光源と、第2光源から出射された光を走査する走査部と、を備える。
【0020】
この発明の第2の局面による光源装置では、上記のように、第2光源から出射された光を走査する走査部を備えることによって、第2光源から出射される光を所定の領域において走査することができる。その結果、第1光源の数を増加させることなく、第2光源から出射される光により所定の領域を局所的に照射することができる。これにより、部品点数の増加を抑制しながら、輝度制御の緻密性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、ローカルディミング制御において、部品点数の増加を抑制しながら、輝度制御の緻密性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
まず、
図1〜
図7を参照して、第1実施形態による液晶表示装置100および光源装置200の構成について説明する。なお、
図2〜
図7は概略図であって、簡略化のため、説明に不要な部材は図示を省略している。
【0025】
(液晶表示装置の構成)
図1に示すように、液晶表示装置100は、表示面1aを含む表示セル1を備える。表示セル1は、略長方形形状を有している。また、液晶表示装置100には、表示セル1を収容するフロントキャビネット(前側筐体)2およびリアキャビネット(後側筐体)3とが設けられている。なお、表示セル1は、特許請求の範囲の「表示部」の一例である。
【0026】
図2に示すように、液晶表示装置100(光源装置200)は、複数のLED光源4と、レーザ光源5aと、を備える。また、液晶表示装置100は、LED光源4から放射された光を表示セル1側(Y1方向側)に反射させる反射シート6を備える。なお、表示セル1と反射シート6との間には、各種光学シートが設けられているが、簡略化のため、図示を省略する。なお、LED光源4およびレーザ光源5aは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1光源」および「第2光源」の一例である。
【0027】
ここで、第1実施形態では、複数のLED光源4の各々は、表示セル1に対向するように配置される直下型の光源である。すなわち、複数のLED光源4は、表示セル1の表示面1aとは反対側の面1bに光を出射する。
【0028】
具体的には、LED光源4は、マトリクス状(
図4参照)に配置されている。なお、複数のLED光源4の各々は、反射シート6上に配置されている。なお、反射シート6に複数の孔を設けるとともに、上記複数の孔を介して反射シート6から複数のLED光源4のそれぞれを表示セル1側(Y1方向側)に露出するように構成されていてもよい。
【0029】
液晶表示装置100は、複数のLED光源4の各々を独立して制御することにより、ローカルディミング制御が可能に構成されている。
【0030】
ここで、第1実施形態では、
図2に示すように、液晶表示装置100(光源装置200)は、レーザ光源5aから出射された光を面1bにおいて走査する走査ミラー部5b(たとえば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー、ポリゴンミラー、または、ガルバノミラーなど)を備える。具体的には、1つのレーザ光源5aと、1つの走査ミラー部5bとは一対に構成されている。すなわち、液晶表示装置100には、一対のレーザ光源5aおよび走査ミラー部5bを含む、走査型レーザ光源ユニット5が設けられている。なお、走査型レーザ光源ユニット5には、レーザ光源5aおよび走査ミラー部5bに加えて、図示しない光学系が設けられている。なお、走査ミラー部5bおよび走査型レーザ光源ユニット5は、それぞれ、特許請求の範囲の「走査部」および「走査型光源部」の一例である。
【0031】
また、第1実施形態では、走査型レーザ光源ユニット5は、複数(第1実施形態では、2つ)設けられている。具体的には、Y方向において、複数の走査型レーザ光源ユニット5の各々は、略等しい高さ位置に設けられている。
【0032】
また、第1実施形態では、
図3に示すように、レーザ光源5aは、LED光源4により光が照射されている領域のうちの所定の領域において、LED光源4から出射された光に光を重畳するように走査される。具体的には、レーザ光源5aは、走査ミラー部5bにより、表示セル1の全範囲を走査される。すなわち、2つのレーザ光源5aの各々は、表示セル1の全範囲の半分ずつ(
図5参照)を走査される。なお、
図3では、LED光源4に対して、レーザ光源5aがY1方向側に配置され、走査ミラー部5bがY2方向側に配置されているが、配置位置はこれに限られない。
【0033】
また、第1実施形態では、LED光源4から出射される光の光量を変化させずに、レーザ光源5aから出射される光の光量を変化させながら、レーザ光源5aから出射される光をLED光源4から出射される光に重畳させるように構成されている。具体的には、レーザ光源5aを走査中に、レーザ光源5aから出射される光が所定の領域に照射されているタイミングでレーザ光源5aの光量が増加される。また、レーザ光源5aから出射される光が上記の所定の領域以外に照射されているタイミングでは、レーザ光源5aから出射される光の光量は低減(またはゼロに)される。なお、上記の所定の領域は、レーザ光源5aの制御部(図示せず)によって選択される。たとえば、制御部により、複数のLED光源4のうち光量が比較的大きいLED光源4に対応する領域が選択されてもよい。また、制御部により選択される領域が1つでも複数であってもよい。
【0034】
また、第1実施形態では、
図5に示すように、表示セル1に対して垂直な方向(Y方向)から見て、2つの走査型レーザ光源ユニット5の各々は、略長方形形状の表示セル1の対向する一対の辺の近傍にそれぞれ設けられている。具体的には、表示セル1に対して垂直な方向(Y方向)から見て、2つの走査型レーザ光源ユニット5の各々は、表示セル1の外側に配置されている。詳細には、Y方向から見て、レーザ光源5a(
図2参照)および走査ミラー部5b(
図2参照)の各々は、表示セル1とオーバーラップしないように配置されている。なお、走査ミラー部5bは、対となるレーザ光源5aに対して、表示セル1側に配置(
図3参照)されている。
【0035】
また、第1実施形態では、表示セル1に対して垂直な方向(Y方向)から見て、2つの走査型レーザ光源ユニット5は、それぞれ、表示セル1の一対の長辺のうちの一方の長辺1cの近傍、および、一対の長辺のうちの他方の長辺1dの近傍に配置されている。具体的には、2つの走査型レーザ光源ユニット5は、それぞれ、長辺1cの略中央、および、長辺1dの略中央に配置されている。また、長辺1cの近傍の走査型レーザ光源ユニット5から出射される光は、表示セル1の下側(Z2方向側)の領域を走査され、長辺1dの近傍の走査型レーザ光源ユニット5から出射される光は、表示セル1の上側(Z1方向側)の領域を走査される。なお、長辺1cの近傍の走査型レーザ光源ユニット5から出射される光が、表示セル1の上側(Z1方向側)の領域を走査され、長辺1dの近傍の走査型レーザ光源ユニット5から出射される光が、表示セル1の下側(Z2方向側)の領域を走査されていてもよい。
【0036】
また、第1実施形態では、2つの走査型レーザ光源ユニット5は、共通の基台7上に配置されている。具体的には、長辺1cの近傍の走査型レーザ光源ユニット5のレーザ光源5aと走査ミラー部5b、および、長辺1dの近傍の走査型レーザ光源ユニット5のレーザ光源5aと走査ミラー部5bの各々が、共通の基台7に配置されている。
【0037】
また、第1実施形態では、基台7は、金属製である。たとえば、基台7は、アルミニウムまたは鉄などにより成形されている。
【0038】
(比較例)
(走査型レーザ光源ユニットなし)
図6(a)に示すように、従来のように走査型レーザ光源ユニット5(
図3参照)が設けられていない液晶表示装置(光源装置)においては、LED光源4のみにより表示セル1に光が照射されている。この場合、
図6(b)に示すように、複数(
図6(a)では3つ)のLED光源4によって、表示セル1内の複数の分割領域Bのうち、たとえば3個×4個の分割領域Bの範囲(斜線部の範囲)において、他の領域に対して輝度が大きくなるように制御可能である。
【0039】
(走査型レーザ光源ユニットあり)
また、
図7(a)に示すように、走査型レーザ光源ユニット5が設けられている液晶表示装置100(光源装置200)においては、LED光源4およびレーザ光源5aの各々により表示セル1に光が照射されている。この場合、
図7(b)に示すように、複数(
図6(a)では3つ)のLED光源4から出射される光にレーザ光源5aから出射される光が重畳されることによって、表示セル1内の複数の分割領域Bのうち、たとえば1個×2個の分割領域Bの範囲(斜線部の範囲)において、他の領域に対して輝度を大きくするように制御可能である。なお、上記の輝度を大きくすることが可能な領域の範囲は一例であってこれに限られない。すなわち、走査型レーザ光源ユニット5(レーザ光源5a)を設けることによって、輝度制御を緻密化することが可能である。
【0040】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0041】
第1実施形態では、上記のように、表示セル1と、表示セル1の表示面1aとは反対側の面1bに光を出射する複数のLED光源4と、LED光源4とは異なるレーザ光源5aと、レーザ光源5aから出射された光を表示面1aとは反対側の面1bに走査する走査ミラー部5bと、を備えるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、レーザ光源5aから出射される光を走査することにより、表示面1aとは反対側の面1bの所定の領域に光を照射することができる。その結果、LED光源4の数を増加させることなく、レーザ光源5aから出射される光により表示セル1内の所定の領域を局所的に照射することができる。すなわち、LED光源4の数を増加させることなく、輝度制御が可能な領域をさらに細分化することができる。これにより、部品点数の増加を抑制しながら、輝度制御の緻密性を向上させることができる。
【0042】
また、第1実施形態では、上記のように、レーザ光源5aが、LED光源4により光が照射されている領域のうちの所定の領域において、LED光源4から出射された光に光を重畳するように走査されるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、レーザ光源5aから照射される光により、LED光源4によって照射されている領域内の所定の領域において光を重畳させることができるので、LED光源4によって照射されている領域内において輝度を局所的に大きくすることができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、レーザ光源5aから出射される光の光量を変化させながら、レーザ光源5aから出射される光をLED光源4から出射される光に重畳させるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、所定の領域を走査している際にレーザ光源5aの光量を変化させてローカルディミング制御を行いながら、所定の領域の輝度を容易に大きくすることができる。
【0044】
また、第1実施形態では、上記のように、レーザ光源5aと走査ミラー部5bとを含む走査型レーザ光源ユニット5が、複数設けられるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、単一の走査型レーザ光源ユニット5により走査する場合に比べて、表示面1aとは反対側の面1bの全面をすみやかに走査することができる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、表示セル1に対して垂直な方向から見て、複数の走査型レーザ光源ユニット5の各々が、略長方形形状の表示セル1の対向する一対の辺の近傍にそれぞれ設けられるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、複数の走査型レーザ光源ユニット5の各々が表示セル1の対向する一対の辺の近傍にそれぞれ設けられていることによって、互いに対向する方向から走査型レーザ光源ユニット5の光を走査することができる。その結果、一対の辺の一方に設けられている走査型レーザ光源ユニット5により、表示セル1の中心に対して一対の辺の他方側(または一方側)の表示セル1内を走査させ、一対の辺の他方に設けられている走査型レーザ光源ユニット5により、表示セル1の中心に対して一対の辺の一方側(または他方側)の表示セル1内を走査させることができる。これにより、複数の走査型レーザ光源ユニット5の各々が走査する領域の大きさを略同じにすることができるので、複数の走査型レーザ光源ユニット5のいずれかに過度な負担がかかるのを抑制することができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、表示セル1に対して垂直な方向から見て、複数の走査型レーザ光源ユニット5の各々が、表示セル1の一対の辺の近傍で、かつ、表示セル1の外側に配置されるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、複数の走査型レーザ光源ユニット5によりLED光源4からの光が遮られるのをさらに抑制することができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、走査型レーザ光源ユニット5が、2つ設けられており、表示セル1に対して垂直な方向から見て、2つの走査型レーザ光源ユニット5が、それぞれ、表示セル1の一対の長辺のうちの一方の長辺1cの近傍、および、一対の長辺のうちの他方の長辺1dの近傍に配置されるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、2つの走査型レーザ光源ユニット5が、それぞれ、表示セル1の一対の長辺のうちの一方の長辺1cの近傍、および、一対の長辺のうちの他方の長辺1dの近傍に配置されていることによって、表示セル1の長辺が延びる方向において、液晶表示装置100の装置外形が大きくなるのを抑制することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、2つの走査型レーザ光源ユニット5が、それぞれ、一対の長辺のうちの一方の長辺1cの略中央、および、一対の長辺のうちの他方の長辺1dの略中央に配置されるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、2つの走査型レーザ光源ユニット5の一方側および他方側に対する走査ミラー部5bの走査角度が略等しく(略対称)になるので、走査ミラー部5bの制御を容易に行うことができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、2つの走査型レーザ光源ユニット5が、共通の基台7上に配置されるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、2つの走査型レーザ光源ユニット5が配置された基台7を取り付けることによって、2つの走査型レーザ光源ユニット5を同時に取り付けることができるので、走査型レーザ光源ユニット5の取り付けにおける作業効率を向上させることができる。また、2つの走査型レーザ光源ユニット5を個別に取り付ける場合に比べて、2つの走査型レーザ光源ユニット5の間において取り付け位置のずれが生じるのを抑制することができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、基台7が、金属製の基台を含むように、液晶表示装置100を構成する。これにより、走査型レーザ光源ユニット5の放熱を容易に行うことができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、直下型の光源としてLED光源4を用いるとともに、走査される光源としてレーザ光源5aを用いるように、液晶表示装置100を構成する。ここで、レーザ光源から出射される光は、LED光源から出射される光に比べて、比較的指向性が高い。したがって、レーザ光源5aにより走査することによって、輝度制御の緻密性を容易に大きくすることができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、複数のLED光源4と、LED光源4とは異なるレーザ光源5aと、レーザ光源5aから出射された光を走査する走査ミラー部5bと、を備えるように、光源装置200を構成する。これにより、レーザ光源5aから出射される光を所定の領域において走査することができる。その結果、LED光源4の数を増加させることなく、レーザ光源5aから出射される光により所定の領域を局所的に照射することができる。これにより、部品点数の増加を抑制しながら、輝度制御の緻密性を向上させることができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、
図8を参照して、第2実施形態による液晶表示装置300および光源装置400の構成について説明する。この第2実施形態における液晶表示装置300では、走査型レーザ光源ユニット5から出射された光が直接表示セル1を照射する第1実施形態とは異なり、走査型レーザ光源ユニット15から出射された光は、反射部8に反射されてから表示セル1に照射されている。なお、
図8は概略図であって、簡略化のため、説明に不要な部材は図示を省略している。
【0054】
(液晶表示装置の構成)
図8に示すように、液晶表示装置300(光源装置400)は、2つの走査型レーザ光源ユニット15を備える。また、液晶表示装置300は、LED光源4から放射された光を表示セル1側(Y1方向側)に反射させる反射シート16を備える。なお、走査型レーザ光源ユニット15は、第1実施形態の走査型レーザ光源ユニット5と同様の構成であり、走査型レーザ光源ユニット5と同様の位置に配置されている。なお、走査型レーザ光源ユニット15は、特許請求の範囲の「走査型光源部」の一例である。
【0055】
ここで、第2実施形態では、液晶表示装置300は、表示セル1に対して垂直な方向(Y方向)から見て、表示セル1の外周に沿って設けられる反射部8を備える。反射部8は、走査型レーザ光源ユニット15に含まれるレーザ光源5aから出射された光を表示面1aとは反対側の面1bに向けて反射させる。具体的には、反射部8は複数(第2実施形態では2つ)設けられている。また、表示セル1に対して垂直な方向(Y方向)から見て、2つの反射部8は、それぞれ、略長方形形状の表示セル1の対向する一対の短辺1eおよび短辺1fに沿うように設けられている。
【0056】
また、第2実施形態では、反射部8は、反射シート16の外周縁近傍が表示セル1側(Y1方向側)に折り曲げられることにより形成されている。すなわち、反射シート16と反射部8とは、同一の部材により一体的に形成されている。また、表示セル1に対して垂直な方向(Y方向)から見て、2つの反射部8は、それぞれ、短辺1eおよび短辺1fの近傍に配置されている。
【0057】
具体的には、2つの反射部8の各々は、表示セル1が延びる平面(XZ平面)に対して、交差する方向に折り曲げられている。たとえば、Z方向から見て、表示セル1と反射部8とのなす角度は約90度である。なお、表示セル1と反射部8とのなす角度は90度以外の角度であってもよい。また、反射部8自体が、折れ曲がり形状または湾曲形状を有していてもよい。
【0058】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0059】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0060】
第2実施形態では、上記のように、表示セル1の外周に沿って設けられ、レーザ光源5aから出射された光を表示面1aとは反対側の面1bに向けて反射させる反射部8を備えるように、液晶表示装置300を構成する。これにより、レーザ光源5aから出射された光が、表示セル1の外周に沿って設けられる反射部8によって反射されることにより、表示セル1の外周側への光の漏れを抑制しながら、表示面1aとは反対側の面1bに光を照射することができる。
【0061】
また、第2実施形態では、上記のように、反射部8が、反射シート16の外周縁近傍が表示セル1側に折り曲げられることにより形成されるように、液晶表示装置300を構成する。これにより、元々備えられている反射シート16を用いて反射部8を形成することができるので、部品点数の増加を抑制することができる。
【0062】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0063】
[第3実施形態]
次に、
図9を参照して、第3実施形態による液晶表示装置500および光源装置600の構成について説明する。この第3実施形態における液晶表示装置500では、走査型レーザ光源ユニット5から出射された光が直接表示セル1を照射する第1実施形態とは異なり、走査型レーザ光源ユニット25から出射された光は、導光板9を介して表示セル1に照射されている。なお、
図9は概略図であって、簡略化のため、説明に不要な部材は図示を省略している。
【0064】
(液晶表示装置の構成)
図9に示すように、液晶表示装置500(光源装置600)は、単一の走査型レーザ光源ユニット25を備える。走査型レーザ光源ユニット25は、表示セル1に対して垂直な方向(Y方向)から見て、略長方形形状の表示セル1の長辺1cの近傍で、かつ、外側に設けられている。また、表示セル1に対して垂直な方向(Y方向)から見て、走査型レーザ光源ユニット25は、長辺1cの略中央に配置されている。なお、走査型レーザ光源ユニット25は、上記第1実施形態の走査型レーザ光源ユニット5と同様の構成である。なお、走査型レーザ光源ユニット25は、特許請求の範囲の「走査型光源部」の一例である。
【0065】
ここで、第3実施形態は、液晶表示装置500は、表示セル1とLED光源4との間に設けられる導光板9を備える。導光板9は、レーザ光源5aから出射された光を表示セル1側に向ける。具体的には、導光板9は、表示セル1と対向するように設けられている。また、走査型レーザ光源ユニット25は、導光板9のZ1方向側に設けられている。なお、Y方向において、導光板9と走査型レーザ光源ユニット25とは略同じ高さ位置に配置されている。詳細には、走査型レーザ光源ユニット25から出射された光は、Z1方向側から導光板9に入り、導光板9を通った後に表示セル1の所定の領域に照射される。なお、導光板9は、特許請求の範囲の「導光部材」の一例である。
【0066】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0067】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0068】
第3実施形態では、上記のように、表示セル1とLED光源4との間に設けられ、レーザ光源5aから出射された光を表示セル1側に向ける導光板9を備えるように、液晶表示装置500を構成する。これにより、導光板9により、レーザ光源5aから出射された光を、レーザ光源5aから比較的離間した領域に容易に照射することができる。
【0069】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0071】
たとえば、上記第1実施形態では、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)がそれぞれ、一対の長辺(長辺1cおよび長辺1d)の近傍に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図10に示すように、液晶表示装置101(光源装置201)では、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)がそれぞれ、短辺1eおよび短辺1fの近傍に配置されている。なお、上記第2実施形態においても、同様に、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット15)がそれぞれ、短辺1eおよび短辺1fの近傍に配置されていてもよい。なお、上記第3実施形態においては、同様に、走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット25)が、一対の長辺のうちの他方(長辺1d)、短辺1e、または、短辺1fの近傍に配置されていてもよい。なお、
図10は概略図であって、簡略化のため、説明に不要な部材は図示を省略している。
【0072】
また、上記第1実施形態では、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)がそれぞれ、一対の長辺の略中央(長辺1cの略中央および長辺1dの略中央)に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図11に示すように、液晶表示装置102(光源装置202)では、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)がそれぞれ、一対の長辺の端部(長辺1cの端部および長辺1dの端部)に配置されている。なお、上記第2実施形態においても、同様に、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット15)がそれぞれ、一対の長辺の端部(長辺1cの端部および長辺1dの端部)の近傍に配置されていてもよい。なお、上記第3実施形態においては、同様に、走査型レーザ光源ユニット25が、一対の長辺のうちの他方(長辺1d)の端部、短辺1eの端部、または、短辺1fの端部に配置されていてもよい。なお、
図11は概略図であって、簡略化のため、説明に不要な部材は図示を省略している。
【0073】
また、上記第1実施形態では、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)がそれぞれ、一対の長辺の近傍(長辺1cの近傍および長辺1dの近傍)に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図12に示すように、液晶表示装置103(光源装置203)では、4つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)のうちの一方の2つが、一対の長辺のうちの一方(長辺1c)の近傍に配置され、4つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)のうちの他方の2つが、一対の長辺のうちの他方(長辺1d)の近傍に配置されている。この場合、対向して設けられる2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)が共通の基台7にそれぞれ配置されている。また、X1方向側の2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)により、表示部(表示セル1)のX1方向側の半面が走査され、X2方向側の2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)により、表示部(表示セル1)のX2方向側の半面が走査される。なお、長辺1cの近傍の2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)、および、長辺1dの近傍の2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)が共通の基台7にそれぞれ配置されていてもよいし、4つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5)が共通の基台7に配置されていてもよい。なお、
図12は概略図であって、簡略化のため、説明に不要な部材は図示を省略している。
【0074】
なお、上記第2実施形態においても、同様に、4つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット15)のうちの一方の2つが、一対の長辺のうちの一方(長辺1c)の近傍に配置され、4つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット15)のうちの他方の2つが、一対の長辺のうちの他方(長辺1d)の近傍に配置されていてもよい。なお、上記第3実施形態においても、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット25)が、一対の長辺のうちの他方(長辺1d)、短辺1e、または、短辺1fの近傍に配置されていてもよい。
【0075】
また、上記第3実施形態では、単一の導光部材(導光板9)が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図13に示すように、液晶表示装置501(光源装置601)では、3つに分割されている導光部材(導光板19)が設けられている。この場合、導光部材(導光板19)の各々のZ1方向側に、走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット25)が設けられる。なお、3つに分割されている導光部材(導光板19)に対して、単一の走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット25)のみが設けられる構成であってもよい。なお、
図13は概略図であって、簡略化のため、説明に不要な部材は図示を省略している。なお、導光板19は、特許請求の範囲の「導光部材」の一例である。
【0076】
また、上記第2実施形態では、反射部8が、反射シート16の外周縁近傍が表示部(表示セル1)側に折り曲げられることにより形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、反射ミラーなどの別部材を設けることにより、走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット15)から出射される光を反射させてもよい。
【0077】
また、上記第2実施形態では、表示部(表示セル1)に対して垂直な方向(Y方向)から見て、2つの反射部8が、それぞれ、略長方形形状の表示部(表示セル1)の対向する一対の短辺1eおよび短辺1fに沿うように設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、表示部(表示セル1)に対して垂直な方向(Y方向)から見て、表示部(表示セル1)の4辺全てに沿うように反射部8が設けられていてもよい。
【0078】
また、上記第1〜第3実施形態では、1つの第2光源(レーザ光源5a)と、1つの走査部(走査ミラー部5b)とが一対に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5(15、25))において、第2光源(レーザ光源5a)または走査部(走査ミラー部5b)のうちの少なくとも一方が複数設けられていてもよい。
【0079】
また、上記第1〜第3実施形態では、走査部(走査ミラー部5b)が、対となる第2光源(レーザ光源5a)に対して、表示部(表示セル1)側に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2光源(レーザ光源5a)が、対となる走査部(走査ミラー部5b)に対して、表示部(表示セル1)側に配置されていてもよい。
【0080】
また、上記第1〜第3実施形態では、表示部(表示セル1)に対して垂直な方向(Y方向)から見て、走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5(15、25))が表示部(表示セル1)の外側に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、表示部(表示セル1)に対して垂直な方向(Y方向)から見て、走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5(15、25))が表示部(表示セル1)に重なるように配置されていてもよい。
【0081】
また、上記第1〜第3実施形態では、第2光源は、レーザ光源である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2光源が、LED光源であってもよい。
【0082】
また、上記第1〜第3実施形態では、第1光源(LED光源4)が、マトリクス状に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1光源(LED光源4)は、線状に配置されていてもよい。
【0083】
また、上記第1および第2実施形態では、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5(15))が、Y方向において、略同じ高さ位置に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、2つの走査型光源部(走査型レーザ光源ユニット5(15))が、Y方向において、互いに異なる高さ位置に設けられていてもよい。
【0084】
また、上記第2実施形態では、反射部8が設けられる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、反射部8と上記第3実施形態の導光部材(導光板9(19))とを組み合わせた構成であってもよい。