特開2018-195363(P2018-195363A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-195363ディスク装置用サスペンションの配線部材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-195363(P2018-195363A)
(43)【公開日】2018年12月6日
(54)【発明の名称】ディスク装置用サスペンションの配線部材
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/60 20060101AFI20181109BHJP
   G11B 21/21 20060101ALI20181109BHJP
   H05K 1/05 20060101ALI20181109BHJP
【FI】
   G11B5/60 P
   G11B21/21 D
   H05K1/05 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-98229(P2017-98229)
(22)【出願日】2017年5月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 幸恵
【テーマコード(参考)】
5D042
5D059
5E315
【Fターム(参考)】
5D042NA01
5D042PA01
5D042TA07
5D059AA01
5D059BA01
5D059CA03
5D059DA26
5D059DA36
5D059EA05
5E315AA03
5E315BB05
5E315BB16
5E315CC03
5E315DD15
5E315GG03
5E315GG22
(57)【要約】
【課題】接続面積が大きいサイドパッドを有するディスク装置用サスペンションの配線部材を提供する。
【解決手段】ディスク装置用サスペンションの配線部材24は、メタルベース23と、絶縁層40と、導体41と、カバー層43とを含んでいる。配線部材24の側部に、電子部品との電気的な接続をなすための端子部50Aが形成されている。端子部50Aは、絶縁層40の側部に形成された厚肉部51と、導体41の一部で厚肉部51に重なる延長部52とを含んでいる。延長部52は、厚肉部51の側面51aに沿うサイドパッド部53を有している。サイドパッド部53の側面は、導体41の厚さ方向に延びるサイドパッド61をなしている。サイドパッド61の厚さ方向の長さT4は、導体41の厚さT1よりも大きい。メタルベース23の先端23bとサイドパッド部53との間には、厚肉部51の一部からなるサイドパッド絶縁部70が形成されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク装置用サスペンションの配線部材であって、
メタルベースと、
前記メタルベース上に形成された電気絶縁材料からなる絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された導体と、
前記導体を覆う電気絶縁材料からなるカバー層と、
端子部とを有し、
前記端子部は、
前記絶縁層の側部に形成された厚肉部と、
前記厚肉部に重なる前記導体の延長部と、
前記延長部の一部で前記厚肉部の側面に沿って前記導体の厚さ方向に延びるサイドパッド部と、
前記厚肉部の一部からなり、前記メタルベースの先端と前記サイドパッド部との間を電気的に絶縁するサイドパッド絶縁部と、
を具備したことを特徴とするディスク装置用サスペンションの配線部材。
【請求項2】
前記サイドパッド部の側面に、金めっき層によって覆われたサイドパッドを有したことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置用サスペンションの配線部材。
【請求項3】
前記カバー層に開口が形成され、前記開口の内側に前記導体と導通する上面パッドを備えたことを特徴とする請求項2に記載のディスク装置用サスペンションの配線部材。
【請求項4】
前記端子部が、前記厚肉部と、前記厚肉部に重なる第1の導体と、前記第1の導体に重なる中間絶縁層と、前記中間絶縁層に重なる第2の導体と、前記第1の導体および前記第2の導体に導通しかつ前記第1の導体および第2の導体の厚さ方向に延びる前記サイドパッド部とを有したことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置用サスペンションの配線部材。
【請求項5】
前記厚肉部が外側に向かって階段状に高さが小さくなる段部を有し、これら段部に沿って前記サイドパッド部が階段状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスク装置用サスペンションの配線部材。
【請求項6】
ディスク装置用サスペンションの配線部材であって、
メタルベースと、
前記メタルベース上に形成された電気絶縁材料からなる絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された導体と、
前記導体を覆う電気絶縁材料からなるカバー層と、
端子部とを有し、
前記端子部は、
前記導体の端部の面上に配置され前記導体の厚さ方向に延びるサイドパッド部材と、
前記絶縁層の一部からなり、前記メタルベースの先端と前記サイドパッド部材との間を電気的に絶縁するサイドパッド絶縁部と、
を具備したことを特徴とするディスク装置用サスペンションの配線部材。
【請求項7】
前記サイドパッド部材の側面に、金めっき層によって覆われたサイドパッドを有したことを特徴とする請求項6に記載のディスク装置用サスペンションの配線部材。
【請求項8】
前記カバー層に開口が形成され、前記開口の内側に前記導体と導通する上面パッドを備えたことを特徴とする請求項7に記載のディスク装置用サスペンションの配線部材。
【請求項9】
前記端子部が、前記導体を覆う中間絶縁層と、前記中間絶縁層を厚さ方向に貫通し前記サイドパッド部材と共通の金属からなるビア部とを有したことを特徴とする請求項6に記載のディスク装置用サスペンションの配線部材。
【請求項10】
前記端子部が、前記絶縁層と、前記絶縁層に重なる第1の導体と、前記第1の導体に重なる中間絶縁層と、前記中間絶縁層に重なる第2の導体と、前記第1の導体および前記第2の導体に導通しかつ前記第1の導体および第2の導体の厚さ方向に延びる前記サイドパッド部材とを有したことを特徴とする請求項6に記載のディスク装置用サスペンションの配線部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスク装置用サスペンションの配線部材に係り、特にサイドパッドを備えた配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に、ハードディスク装置(HDD)が使用されている。ハードディスク装置は、スピンドルを中心に回転する磁気ディスクと、ピボット軸を中心に旋回するキャリッジなどを含んでいる。キャリッジのアームに、ディスク装置用サスペンションが設けられている。
【0003】
ディスク装置用サスペンションは、ロードビーム(load beam)と、ロードビームに重ねて配置されるフレキシャ(flexure)などを有している。フレキシャの先端付近に形成されたタング部に、磁気ヘッドを構成するスライダが取付けられている。スライダには、データの読取りあるいは書込み等のアクセスを行なうための素子(トランスジューサ)が設けられている。これらサスペンションとスライダなどによってヘッドジンバルアセンブリが構成されている。
【0004】
前記フレキシャは、要求される仕様に応じて様々な形態のものが実用化されている。例えば配線付フレキシャ(flexure with circuit member)は、薄いステンレス鋼板からなるメタルベースと、このメタルベース上に形成されたポリイミド等の電気絶縁材料からなる絶縁層と、この絶縁層上に形成された銅からなる複数の導体を含んでいる。これら導体の少なくとも一部は、スライダに配置された素子(例えばMR素子)に接続されている。
【0005】
サスペンションの多機能化に伴い、フレキシャに配置される導体の数が増加している。導体を電子部品の端子に接続する手段として、超音波誘導加熱による接合や、はんだを用いる接合が知られている。はんだによって端子同士を接合する場合、一般的には上下方向の接合、すなわち一方の端子の面の上方から他方の端子の面を厚さ方向に重ね、接合する方法が知られている。これに対し導体の側面方向からの接続は、導体の厚さが小さいこともあって、十分な接続面積を得ることができず、接続の信頼性に問題があった。
【0006】
特許文献1と特許文献2には、導体の先端に折曲げ部を形成し、この折曲げ部をスライダの端子に接続することが記載されている。特許文献3には、導体の先端に形成された折曲げ部を熱アシスト用素子の端子に接続することが記載されている。特許文献4には、導体の先端にめっきによって高さ調整用めっき部を形成し、この高さ調整用めっき部をスライダの端子に接続することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−182141号公報
【特許文献2】米国特許明細書第5892637号
【特許文献3】特開2016−15194号公報
【特許文献4】特開2012−221539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1,2,3の接続部は、導体の端部に折曲げ部を形成し、この折曲げ部を端子に接続している。しかし折曲げ部の形状精度が悪いと、電子部品との接続不良が生じる可能性がある。しかも微小な導体の端部に折曲げ部を正確に形成することは技術的に難しく、手間もかかるという問題がある。特許文献4に記載されている接続部は、導体の先端に高さ調整用めっき部を設けていて、メタルベースの先端がこの高さ調整用めっき部の近くまで延びている。このため、例えば溶融はんだを接合部に吹付ける接合方法(solder jet bonding)が採用された場合、はんだの一部が金属支持基板に付着する可能性があり、はんだブリッジ等の電気的なショートの原因となる懸念があった。
【0009】
従って本発明の目的は、接続面積が大きく、かつ、はんだ等の導電接合材がメタルベースに付着することを抑制できるサイドパッドを備えたディスク装置用サスペンションの配線部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施形態は、ディスク装置用サスペンションの配線部材であって、例えばステンレス鋼からなるメタルベースと、前記メタルベース上に形成されたポリイミド等の電気絶縁材料からなる絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体と、前記導体を覆う電気絶縁材料からなるカバー層と、端子部とを有し、前記端子部は、前記絶縁層の側部に形成された厚肉部と、前記厚肉部に重なる前記導体の延長部と、前記延長部の一部で前記厚肉部の側面に沿って前記導体の厚さ方向に延びるサイドパッド部と、前記厚肉部の一部からなり前記メタルベースの先端と前記サイドパッド部との間を電気的に絶縁するサイドパッド絶縁部とを具備している。
【0011】
他の実施形態の配線部材は、メタルベースと、前記メタルベース上に形成された電気絶縁材料からなる絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体と、前記導体を覆う電気絶縁材料からなるカバー層と、端子部とを有し、前記端子部は、前記導体の端部の面上に配置され前記導体の厚さ方向に延びるサイドパッド部材と、前記絶縁層の一部からなり、前記メタルベースの先端と前記サイドパッド部材との間を電気的に絶縁するサイドパッド絶縁部とを具備している。サイドパッド部材は、例えばニッケルめっきによって所定の厚さに形成され、めっきプロセスの仕様に応じてサイドパッド部材の厚さを変更することが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本実施形態の配線部材によれば、接続面積が大きいサイドパッドを介して電子部品との接続をなすことができる。しかもサイドパッドに供給されるはんだ等の導電接合材がメタルベースに付着することをサイドパッド絶縁部によって抑制することができる。また端子部にサイドパッドが設けられているため、限られた小さなスペースの端子部に、より多くの配線を接続することが可能となり、端子密度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ディスク装置の一例を示す斜視図。
図2図1に示されたディスク装置の一部の断面図。
図3】同ディスク装置のサスペンションの一例を示す斜視図。
図4】第1の実施形態に係る配線部材を備えたサスペンションの一部と電子部品を示す斜視図。
図5図4に示されたサスペンションの一部と電子部品との分解斜視図。
図6図4に示されたサスペンションの一部と電子部品の平面図。
図7図6に示されたサスペンションの一部と電子部品を反対側から見た底面図。
図8図7中のF8−F8線に沿う配線部材の接続部を模式的に示す断面図。
図9図8に示された配線部材の端子部の断面図。
図10】第2の実施形態に係る端子部と電子部品との接続部の断面図。
図11】第3の実施形態に係る端子部と電子部品との接続部の断面図。
図12】第4の実施形態に係る端子部と電子部品との接続部の断面図。
図13】第5の実施形態に係る端子部の断面図。
図14】第6の実施形態に係る端子部の断面図。
図15】第7の実施形態に係る端子部の断面図。
図16】第8の実施形態に係る端子部の断面図。
図17】第9の実施形態に係る端子部の断面図。
図18】第10の実施形態に係る端子部の断面図。
図19】第11の実施形態に係る端子部の断面図。
図20】第12の実施形態に係る端子部の断面図。
図21】第13の実施形態に係る端子部の断面図。
図22】第14の実施形態に係る端子部の断面図。
図23】第15の実施形態に係る端子部の断面図。
図24】第16の実施形態に係る端子部の断面図。
図25】第17の実施形態に係る端子部の断面図。
図26】第18の実施形態に係る端子部の断面図。
図27】第19の実施形態に係る端子部の断面図。
図28】第20の実施形態に係る端子部の断面図。
図29】第21の実施形態に係る端子部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に第1の実施形態に係るディスク装置用サスペンションの配線部材について、図1から図9を参照して説明する。
図1に示すディスク装置(HDD)1は、ケース2と、スピンドル3を中心に回転するディスク4と、ピボット軸5を中心に旋回するキャリッジ6と、キャリッジ6を旋回させるためのポジショニング用モータ7とを有している。ケース2は、図示しない蓋によって密閉される。
【0015】
図2はディスク装置1の一部を模式的に示す断面図である。キャリッジ6にアーム8が設けられている。アーム8の先端部に、ディスク装置用サスペンション10(これ以降は単にサスペンション10と称す)が取付けられている。サスペンション10の先端部に、磁気ヘッドを構成するスライダ11が設けられている。ディスク4が高速で回転することにより、ディスク4とスライダ11との間にエアベアリングが形成される。ポジショニング用モータ7によってキャリッジ6が旋回すると、サスペンション10がディスク4の径方向に移動することにより、スライダ11がディスク4の所望トラックまで移動する。サスペンション10とスライダ11とによって、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA:Head Gimbal Assembly)12が構成されている。
【0016】
図3にヘッドジンバルアセンブリ12の一例が示されている。ヘッドジンバルアセンブリ12の構成要素であるサスペンション10は、ベースプレート18と、ロードビーム20と、配線付きフレキシャ21などを備えている。フレキシャ21はロードビーム20の長手方向に沿って設けられている。ロードビーム20の基部20aは、ベースプレート18と重なっている。ロードビーム20は、ベースプレート18を介してアーム8(図1図2に示す)に固定される。
【0017】
図4にサスペンション10の先端部とスライダ11とが示されている。図5は、サスペンション10とスライダ11とが互いに分離された状態の斜視図である。図6は、サスペンション10の先端部とスライダ11を一方側から見た平面図、図7はサスペンション10の先端部とスライダ11を反対側から見た底面図である。
【0018】
フレキシャ21は、ロードビーム20よりも薄いステンレス鋼の板からなるメタルベース23と、メタルベース23に沿って形成された配線部材(circuit member)24などを含んでいる。図6に示されるように配線部材24はメタルベース23に沿って配置され、メタルベース23の長手方向に延びている。
【0019】
メタルベース23は、ステンレス鋼の板をエッチングすることにより所定の輪郭を有する形状に形成されている。メタルベース23は、レーザ溶接等によってロードビーム20に固定されている。メタルベース23の一部にタング部25が形成されている。タング部25にスライダ11が搭載されている。タング部25はメタルベース23の厚さ方向に弾性的に撓むことができる。
【0020】
スライダ11の一例は、スライダ本体11aと、電子部品26とを含んでいる。電子部品26の一例は熱アシスト装置であるが、目的に応じてそれ以外の電子部品であってもよい。電子部品26の側面に端子28が設けられている。メタルベース23には、電子部品26を挿入する開口30が形成されている。
【0021】
スライダ本体11aの端部には、例えばMR素子等の記録/再生用の素子31(図5に模式的に示す)が配置されている。これらの素子31によって、ディスク4の記録面に対するデータの書込みあるいは読取り等のアクセスが行なわれる。スライダ本体11aの端面に複数の端子35が設けられている。
【0022】
ロードビーム20の先端付近にディンプル38(図3に示す)が形成されている。ディンプル38の凸側の面の先端がタング部25に接した状態において、タング部25が揺動可能に支持される。タング部25は、ローリング方向Rとピッチング方向Pなどに揺動することができる。
【0023】
図8は、図7中のF8−F8線に沿う断面図であり、配線部材24の一部が模式的に表わされている。配線部材24は、メタルベース23の一方の面23aに沿って形成された絶縁層40と、電子部品26の端子28に接続される一対の導体41と、スライダ11の端子35に接続される複数の導体42(図6に示す)と、導体41,42を覆うカバー層43とを含んでいる。電子部品26の端子28が、はんだ等の導電材料からなる導電接合材49を介して、配線部材24の端子部50Aに接続されている。
【0024】
図9は、端子部50Aの断面を模式的に表わしている。図9中の矢印Zは、配線部材24の厚さ方向(導体41の厚さ方向)である。導体41は銅からなり、めっきプロセスによって絶縁層40の一方の面40aに沿って形成されている。導体41の厚さT1(図9に示す)の一例は、それぞれ10μmである。絶縁層40とカバー層43とは、ポリイミド等の電気絶縁材料からなる。絶縁層40の厚さT2は、例えば10μmである。
【0025】
端子部50Aは、絶縁層40(ベースポリイミド)の側部に形成された厚肉部51と、導体41の一部で厚肉部51の一部を覆う延長部52と、カバー層43の延長部43aとを含んでいる。厚肉部51は、絶縁層40の側部に長さL1(図9に示す)にわたり形成されている。厚肉部51の厚さT3は、例えば20〜100μmである。厚肉部51の厚さT3は、絶縁層40の厚肉部51以外の厚さT2よりも大きい。
【0026】
導体41の延長部52の先端側(配線部材24の側面)に、サイドパッド部53が形成されている。サイドパッド部53は、めっきプロセスによって導体41の延長部52と一体に形成されている。サイドパッド部53は、厚肉部51の側面51aに沿って導体41の厚さ方向(図9に矢印Zで示す方向)に延びている。サイドパッド部53は金めっき層60によって覆われている。
【0027】
金めっき層60の一例は、厚さ0.12〜2.0μmの下地ニッケル層と、下地ニッケル層上に形成された厚さ0.5〜1.5μmの金めっきとを含んでいる。金めっき層60によってサイドパッド部53の酸化が防止され、かつ、サイドパッド部53の電気抵抗を小さくすることができる。
【0028】
サイドパッド部53の端面は、電子部品26との電気的接続をなすためのサイドパッド61をなしている。図8に示されるように、サイドパッド部53は、電子部品26の端子28に導電接合材49を介して電気的に接続されている。導電接合材49の一例は、サイドパッド61と電子部品26の端子28との間に供給された“はんだ”である。
【0029】
図9に示されるように、サイドパッド61の厚さ方向の長さT4は導体41の厚さT1よりも十分大きい。サイドパッド61は、厚肉部51の側面51aに沿って導体41の厚さ方向(厚肉部51の厚さ方向)に延びている。導体41の厚さT1は例えば10μmと小さいが、サイドパッド61の厚さ方向の長さT4は、電子部品26との接続をなすのに十分な大きさ(例えば50μm以上)とすることができ、大きな接続面積を確保することができた。このため接続不良を防止することが可能となり、従来のパッド(上下方向の接合)とサイドパッドとの組み合わせも可能となった。
【0030】
またこの端子部50Aは、厚肉部51の一部からなるサイドパッド絶縁部70を有している。サイドパッド絶縁部70は、メタルベース23の先端23bから絶縁距離G(図9に示す)にわたって延出している。サイドパッド絶縁部70によって、サイドパッド部53とメタルベース23の先端23bとの間に、電気絶縁に必要な絶縁距離Gが確保されている。適正な絶縁距離Gが確保されたことにより、はんだブリッジ等の電気的なショートの原因を回避することができる。しかも厚肉部51を備えたことにより、端子部50Aの強度を大きくすることができた。
【0031】
図10は第2の実施形態に係る端子部50Aと電子部品26との接続部を示している。端子部50Aの構成は図9に示された実施形態と共通である。図10に示す接続位置のアライメントでは、電子部品26の下面側に設けられた端子28とサイドパッド61とが、互いに導電接合材49を介して電気的に接続されている。
【0032】
図11は第3の実施形態に係る端子部50Aと電子部品26との接続部を示している。端子部50Aの構成は図9に示された実施形態と共通である。図11に示す接続位置のアライメントでは、電子部品26の上面側に設けられた端子28とサイドパッド61の上部とが、互いに導電接合材49を介して電気的に接続されている。
【0033】
図12は第4の実施形態に係る端子部50Aと電子部品26との接続部を示している。端子部50Aの構成は図9に示された実施形態と共通である。図12に示す接続位置のアライメントでは、電子部品26の上面側に設けられた端子28とサイドパッド61の下部とが、互いに導電接合材49を介して電気的に接続されている。このように接続位置のアライメントを電子部品26との相対的な位置に応じて選択することが可能であり、選択の自由度が大きいという利点もある。
【0034】
図13は第5の実施形態に係る端子部50A´を示している。厚肉部51を覆うカバー層43に開口43bが形成されている。開口43bの内側には、金めっき層60aで覆われた上面パッド62が形成されている。本実施形態の端子部50A´は、サイドパッド61を電子部品に接続することもできるし、上面パッド62を電子部品に接続することもできる。それ以外の構成は図12に示された端子部50Aと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0035】
図14は第6の実施形態に係る端子部50Bを示している。この端子部50Bは、絶縁層40(ベースポリイミド)の側部に形成された厚肉部51と、厚肉部51に重なる第1の導体41の延長部52と、延長部52に重なる中間絶縁層80と、中間絶縁層80に重なる第2の導体90と、カバー層43とを含んでいる。第2の導体90の先端側にサイドパッド部53が形成されている。サイドパッド部53は厚肉部51の側面51aに沿って導体41,90の厚さ方向に延びている。
【0036】
第1の導体41と第2の導体90とは、サイドパッド部53を介して互いに電気的に短絡している。厚肉部51の厚さT3は、絶縁層40の厚肉部51以外の厚さT2よりも大きい。サイドパッド部53は、金めっき層60によって覆われている。サイドパッド部53の側面に、導体41,90の厚さ方向に延びるサイドパッド61が形成されている。サイドパッド61の長さT5は、導体41の厚さT1よりも十分大きいため、大きな接続面積が確保されている。それ以外の構成は図9に示された端子部50Aと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0037】
前記端子部50B(図14)は、第1の導体41と第2の導体90とが互いに中間絶縁層80を介して厚さ方向に積層されている。このような積層構造は、インターリーブ回路部(interleaved circuit)に適用することができる。本実施形態の端子部50Bは、インターリーブ回路部において、第1の導体41と第2の導体90の先端が互いにサイドパッド61を介して電気的に短絡されている。サイドパッド61を用いた短絡構造によれば、導体41,90の長手方向の途中をビア部を介して短絡させる場合と比較して、インターリーブ回路部をより長くすることができる。このため電気特性を良くすることが可能である。この点については、以下に説明する図15図16図17に示す端子部50C,50D,50Eも同様の効果を期待できる。
【0038】
図15は第7の実施形態に係る端子部50Cを示している。サイドパッド61の近傍のカバー層43に開口43bが形成されている。開口43bの内側には、金めっき層60aで覆われた上面パッド62が形成されている。本実施形態の端子部50Cは、サイドパッド61を電子部品に接続することもできるし、上面パッド62を電子部品に接続することもできる。それ以外の構成は図14に示された端子部50Bと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0039】
図16は第8の実施形態に係る端子部50Dを示している。この端子部50Dは、図14に示された端子部50Bと同様に、絶縁層40(ベースポリイミド)の側部に形成された厚肉部51と、厚肉部51に沿う第1の導体41の延長部52と、第1の導体41に重なる中間絶縁層80と、中間絶縁層80に重なる第2の導体90と、カバー層43とを含んでいる。第2の導体90は、第1の導体41の延長部52と電気的に導通している。第2の導体90の先端にサイドパッド部53が形成されている。サイドパッド部53は第1の導体41の延長部52と第2の導体90とに導通している。サイドパッド部53は、厚肉部51の端面と延長部52の端面に沿って導体41の厚さ方向に延びている。サイドパッド部53の側面に、金めっき層60によって覆われたサイドパッド61が形成されている。本実施形態の端子部50Dも、サイドパッド61の長さT6を十分大きくすることができ、広い接続面積を確保することができる。それ以外の構成は図14に示された端子部50Bと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図17は第9の実施形態に係る端子部50Eを示している。サイドパッド61の近傍のカバー層43に開口43bが形成されている。開口43bの内側には、金めっき層60aで覆われた上面パッド62が形成されている。このためサイドパッド61を電子部品に接続することもできるし、上面パッド62を電子部品に接続することもできる。それ以外の構成は図16に示された端子部50Dと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0041】
図18は第10の実施形態に係る端子部50Fを示している。絶縁層40の側部に設けられた厚肉部51は、外側に向かって次第に高さが小さくなる階段状の複数の段部40cを有している。これら段部40cに沿って、階段状のサイドパッド部53とサイドパッド61とが形成されている。それ以外の構成は図9に示された端子部50Aと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0042】
図19は第11の実施形態に係る端子部50Gを示している。この端子部50Gはサイドパッド部材100を有している。サイドパッド部材100は、導体41の端部の面41a上に、めっきプロセスによって長さM1にわたって形成されている。サイドパッド部材100は金属(例えばニッケル)からなり、金めっき層60によって覆われている。サイドパッド部材100の厚さM2は例えば20〜100μmであり、導体41の厚さT1(例えば10μm)よりも大きい。サイドパッド部材100の厚さM2は、めっきプロセスの仕様に応じて調整することが可能である。
【0043】
本実施形態の端子部50Gは、導体41の先端の面41a上にサイドパッド部材100が配置されたことにより、導体41の厚さ方向に長さM3(例えば20μm以上)のサイドパッド61を設けることができた。導体41の厚さT1は小さいが、サイドパッド61は十分な大きさの接続面積を確保することができる。またメタルベース23の先端23bとサイドパッド部材100の後面101との間に、絶縁距離Gを有するサイドパッド絶縁部110が形成されている。このためサイドパッド61に供給される導電接合材(はんだ)がメタルベース23に付着することによる“はんだブリッジ”をサイドパッド絶縁部110によって抑制できる。それ以外の構成は図9に示された端子部50Aと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0044】
図20は第12の実施形態に係る端子部50Hを示している。サイドパッド部材100の近傍のカバー層43に開口43bが形成されている。開口43bの内側には、金めっき層60aで覆われた上面パッド62が形成されている。それ以外の構成は図19に示された端子部50Gと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0045】
図21は第13の実施形態に係る端子部50Jを示している。この端子部50Jは、絶縁層40と、導体41と、中間絶縁層80と、導体41の端部の面41a上に配置されたサイドパッド部材100と、中間絶縁層80を貫通するビア部81と、カバー層43とを有している。導体41の端面とサイドパッド部材100とが金めっき層60で覆われている。サイドパッド部材100とビア部81とは、互いに共通の金属(例えばニッケル)からなる。サイドパッド部材100の厚さM2は、導体41の厚さT1(例えば10μm)よりも大きい。導体41の先端側に、導体41の厚さT1の2倍以上の長さM3のサイドパッド61が形成されている。またメタルベース23の先端23bとサイドパッド部材100の後面101との間に、絶縁距離Gを有するサイドパッド絶縁部110が形成されている。このためサイドパッド61に供給される導電接合材(はんだ)がメタルベース23に付着することを抑制できる。ビア部81によって端子部50Jの強度を向上させることもできる。
【0046】
図22は第14の実施形態に係る端子部50Kを示している。サイドパッド部材100の近傍のカバー層43に開口43bが形成されている。開口43bの内側には、サイドパッド部材100と共通の金属からなる導体100aが形成されている。ビア部81はサイドパッド部材100と共通の金属からなる。開口43bの内側に配置された導体100aの表面が金めっき層60aで覆われ、上面パッド62が形成されている。それ以外の構成は図21に示された端子部50Jと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図23は第15の実施形態に係る端子部50Lを示している。この端子部50Lは、絶縁層40の先端側に形成されたサイドパッド絶縁部110と、導体41と、中間絶縁層80と、中間絶縁層80を貫通するビア部81と、カバー層43と、導体41の端部の面41a上に配置されたサイドパッド部材100とを有している。ビア部81とサイドパッド部材100とは、例えばニッケルからなる。導体41の端面とサイドパッド部材100とが金めっき層60によって覆われている。本実施形態の端子部50Lも、導体41とサイドパッド部材100の厚さ方向に延びるサイドパッド61が形成されているため、大きな接続面積を確保することができる。それ以外の構成は、図21に示された端子部50Jと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0048】
図24は第16の実施形態に係る端子部50Mを示している。サイドパッド61の近傍のカバー層43に開口43bが形成されている。開口43bの内側に、サイドパッド部材100と一体の導体100aが設けられている。導体100aの表面が金めっき層60aで覆われ、上面パッド62が形成されている。それ以外の構成は図23に示された端子部50Lと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0049】
図25は第17の実施形態に係る端子部50Nを示している。この端子部50Nは、絶縁層40の先端側に形成されたサイドパッド絶縁部110と、導体41と、中間絶縁層80と、中間絶縁層80を貫通するビア部81と、カバー層43と、導体41と導通するサイドパッド部材100と、ビア部81と共通の金属からなる導体81aとを有している。サイドパッド部材100は金めっき層60によって覆われている。サイドパッド部材100とビア部81とは、例えばニッケルからなる。サイドパッド部材100は、導体41,81aの厚さ方向に延びている。このため導体41の先端側に長さT7のサイドパッド61が形成されている。よって本実施形態の端子部50Nも大きな接続面積を確保することができる。それ以外の構成は図21に示された端子部50Jと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0050】
図26は第18の実施形態に係る端子部50Pを示している。この端子部50Pは、絶縁層40の先端側に形成されたサイドパッド絶縁部110と、第1の導体41と、中間絶縁層80と、第2の導体90と、カバー層43と、金めっき層60によって覆われたサイドパッド部材100とを有している。サイドパッド部材100は、導体41,90の厚さ方向に延びている。第1の導体41と第2の導体90とは、サイドパッド部材100を介して互いに電気的に短絡している。サイドパッド部材100の側面にサイドパッド61が形成されている。
【0051】
前記端子部50P(図26)は、第1の導体41と第2の導体90とが互いに中間絶縁層80を介して厚さ方向に積層されている。このような積層構造は、インターリーブ回路部(interleaved circuit)に適用することができる。本実施形態の端子部50Pは、インターリーブ回路部において、第1の導体41と第2の導体90の先端が互いにサイドパッド61を介して電気的に短絡されている。サイドパッド61を用いた短絡構造によれば、導体41,90の長手方向の途中をビア部を介して短絡させる場合と比較して、インターリーブ回路部をより長くすることができる。このため電気特性を良くすることが可能である。この点については、以下に説明する図27図28図29に示す端子部50Q,50R,50Sも同様の効果を期待できる。
【0052】
図27は第19の実施形態に係る端子部50Qを示している。サイドパッド部材100の近傍のカバー層43に開口43bが形成されている。開口43bの内側には、金めっき層60aによって覆われた上面パッド62が形成されている。このためサイドパッド61を電子部品に接続することもできるし、上面パッド62を電子部品に接続することもできる。それ以外の構成は図26に示された端子部50Pと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図28は第20の実施形態に係る端子部50Rを示している。この端子部50Rは、絶縁層40の先端側に形成されたサイドパッド絶縁部110と、第1の導体41と、中間絶縁層80と、第2の導体90の端部90aと、延長部43aを有するカバー層43と、サイドパッド部材100などによって構成されている。サイドパッド部材100は、第1の導体41と第2の導体90とに電気的に導通している。サイドパッド部材100が金めっき層60によって覆われ、サイドパッド部材100の側面にサイドパッド61が形成されている。この端子部50Rのサイドパッド61も大きな接続面積を確保することができ、電子部品との確実な電気的接続をなすことができる。
【0054】
図29は第21の実施形態に係る端子部50Sを示している。サイドパッド部材100の近傍のカバー層43に開口43bが形成されている。開口43bの内側には、金めっき層60aで覆われた上面パッド62が形成されている。このためサイドパッド61を電子部品に接続することもできるし、上面パッド62を電子部品に接続することもできる。それ以外の構成は図28に示された端子部50Rと共通であるため、両者に共通の箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0055】
なお本発明を実施するに当たり、配線部を有するサスペンションの具体的な構成をはじめとして、配線部の端子部を構成する導体の延長部、絶縁層、サイドパッド部やサイドパッド部材等の形状を、必要に応じて種々に変更して実施できることは言うまでもない。また端子部に接続される電子部品の種類も問わない。
【符号の説明】
【0056】
1…ディスク装置、10…サスペンション、11…スライダ、12…ヘッドジンバルアセンブリ、20…ロードビーム、21…フレキシャ、23…メタルベース、24…配線部材、26…電子部品、28…端子、40…絶縁層、41,42…導体、43…カバー層、43a…延長部、43b…開口、49…導電接合材、50A〜50S…端子部、51…厚肉部、51a…厚肉部の側面、52…延長部、53…サイドパッド部、60…金めっき層、61…サイドパッド、70…サイドパッド絶縁部、80…中間絶縁層、81…ビア部、100…サイドパッド部材、110…サイドパッド絶縁部、G…絶縁距離。
図1
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