【解決手段】基板にプラズマ処理をする基板処理装置の前記基板が収容される処理室内に設置するリング状部材32の製造方法であって、一のシリコン部材34の一の突き合わせ面と、他のシリコン部材36の他の突き合わせ面とが、突き合わされるように配置する工程と、前記一の突き合わせ面と前記他の突き合わせ面とを光加熱により加熱し、一の突き合わせ面の表面のシリコンと他の突き合わせ面の表面のシリコンとを融解し、一の突き合わせ面と他の突き合わせ面との間にシリコン融解物が流れ込むようにする工程と、前記一の突き合わせ面と前記他の突き合わせ面とを冷却し、前記シリコン融解物を結晶化させてシリコン接着部を形成し、一のシリコン部材32と他のシリコン部材34とを前記シリコン接着部を介して接合する工程とを含むことを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
1.第1実施形態
(1)全体構成
図1に示すドライエッチング装置10は、処理室としての真空チャンバー12と、上部電極板14と、基台16とを備える。真空チャンバー12は、略円筒形状で、内部に、円筒状の側壁で囲まれた処理空間31を有する。真空チャンバー12の側壁の内面は、側壁部材13で覆われている。真空チャンバー12の上壁の上部電極板14の周囲の内面は、上壁部材17で覆われている。側壁部材13及び上壁部材17は、真空チャンバー12のプラズマに曝される内壁を保護するための環状の部材であり、シリコンで形成されている。
【0014】
真空チャンバー12は、真空チャンバー12内を高さ方向に仕切るバッフル板25が設けられている。バッフル板25で仕切られた真空チャンバー12内の下側には排気空間26、上側には処理空間31が形成されている。バッフル板25は、エッチングガスの逆流防止のための保護部材であり、シリコンで形成されている。バッフル板25は、環状の本体を有し、本体に厚さ方向に貫通した流通路27を有する。本図に示すように、バッフル板25は、真空チャンバー12内の高さ方向の略中央に設けられている。
【0015】
上部電極板14は、円板状の部材であり、真空チャンバー12内の上部に固定されている。上部電極板14の周縁部は、保護リング20で覆われている。上部電極板14と保護リング20の間には、石英で形成されたシールドリング21が設けられている。保護リング20は、上部電極板14周辺に発生するプラズマから真空チャンバー12の内壁を保護するための部材であり、シリコンで形成されている。保護リング20は、接地される場合もある。本図の場合、保護リング20は、真空チャンバー12内側の表面が、シールドリング21よりも突出していると共に、上壁部材17と同じ高さである。上部電極板14は、厚さ方向に貫通した複数の貫通穴15を有する。上部電極板14は、図示しない高周波電源が電気的に接続されている。上部電極板14は、ガス供給管24が接続されている。
【0016】
ガス供給管24から供給されたエッチングガスは、上部電極板14の貫通穴15から真空チャンバー12内へ流れ込む。真空チャンバー12内へ流れ込んだエッチングガスは、流通路27を通じて排気空間26へ流れ込み、排出口28から外部に排出される。
【0017】
基台16は、真空チャンバー12内のバッフル板25の上側である処理空間31内に設置されており、その周囲はグラウンドリング30で囲まれている。グラウンドリング30はシリコンで形成されており、接地されている。基台16上には、フォーカスリング18が設けられている。フォーカスリング18は、シリコンで形成され、ウエハ22の周縁を支持する凹部19が内側の全周に渡って形成されている。フォーカスリングには、エッチング処理中のプラズマを安定にするための電圧を印加する電源が電気的に接続されている。フォーカスリング18の周囲には、フォーカスリング18の側面を保護するカバーリング23を設けてもよい。カバーリング23は、石英で形成され、フォーカスリング18の周縁を支持する凹部33が内側の全周に渡って形成されている。
【0018】
ドライエッチング装置10は、上部電極板14を通じてエッチングガスが供給され、高周波電源から高周波電圧が印加されると、上部電極板14とウエハ22の間でプラズマを生じる。このプラズマによってウエハ22表面がエッチングされる。
【0019】
本実施形態に係るリング状部材は、シリコン製部品としての、上記フォーカスリング18、保護リング20、グラウンドリング30、側壁部材13、上壁部材17、バッフル板25に適用可能である。リング状部材は、上記シリコン製部品に限定されない。リング状部材は、ドライエッチング装置10の真空チャンバー12内に設置され、電圧が印加され、又は接地されるシリコン製部品になる電極用リング、及び上記以外のシリコン製部品になる保護材用リングに適用することができる。リング状部材は、内径が290mm以上、外径は800mm以下程度とすることができる。
【0020】
一例としてフォーカスリング18用の部材となる本実施形態に係るリング状部材について以下説明する。
図2に示すように、リング状部材32は、複数(本図の場合、3個)の第1シリコン部材34,36,38を備える。なお、以下の説明において、複数の第1シリコン部材34,36,38を特に区別しない場合、総称してシリコン部材と呼ぶ。シリコン部材は、円弧状であり、長手方向の端面である突き合わせ面37において、シリコン接着部(本図には図示しない)を介して一方向に接合することにより、リング状に一体化されている。シリコン部材は、単結晶でも多結晶でもよく、その製造方法、純度、結晶方位等において限定されない。シリコン部材の大きさは、特に限定されないが、例えば、厚さ1mm以上100mm以下、幅10mm以上100mm以下程度とすることができる。
【0021】
図3に示すように、シリコン部材同士の突き合わせ面37には、シリコン接着部39Aが設けられている。
図3には、第1シリコン部材34,36の間の突き合わせ面37を示している。
【0022】
シリコン部材が単結晶の場合、シリコン接着部39Aは、突き合わせ面37で接するシリコン部材の端面の結晶性を引き継いだ単結晶シリコンが一体化されている。本図の場合、シリコン接着部39Aは、シリコン部材34の端面の結晶性を引き継いだ単結晶シリコンからなる一のシリコン接着部と、シリコン部材36の端面の結晶性を引き継いだ単結晶シリコンからなる他のシリコン接着部とが一体化されている。すなわち一のシリコン接着部の結晶方位は、シリコン部材34の端面の結晶方位と同一であり、他のシリコン接着部の結晶方位は、シリコン部材36の端面の結晶方位と同一である。
【0023】
(2)製造方法
次にリング状部材32を製造する方法について説明する。まずシリコン部材に対し表面処理をする。具体的には、シリコン部材の表面を研削及び研磨などにより加工し、好ましくは鏡面にする。シリコン部材の表面を、弗酸と硝酸の混合液などによりエッチングしてもよい。混合液としてはJIS規格H0609に規定の化学研磨液(弗酸(49%):硝酸(70%):酢酸(100%)=3:5:3)などを用いることができる。
【0024】
続いて、3個の第1シリコン部材34,36,38をリング状に並べる。第1シリコン部材34,36,38同士の突き合わせ面37の間のシリコン接着部39Aは、突き合わせ面37近傍のシリコンを加熱して融解して形成する。第1シリコン部材34,36,38をリング状に並べた際の突き合わせ面の間の隙間は、0mm〜1mmであるのが好ましい。シリコンは融解すると体積が減少する。例えば第1シリコン部材34,36の間の隙間が1mmを超えると、第1シリコン部材34の端面のシリコン融解物と、第1シリコン部材36の端面のシリコン融解物が接触しない。そのため第1シリコン部材34の端面のシリコン接着部と第1シリコン部材36の端面のシリコン接着部は、一体化するように接合されない。
【0025】
隙間が1mm以下の場合、表面張力により、第1シリコン部材34の端面のシリコン融解物と、第1シリコン部材36の端面のシリコン融解物が接触し、毛細管現象により、隙間に第1シリコン部材34の端面のシリコン融解物と、第1シリコン部材36の端面のシリコン融解物が流れ込む。そのため第1シリコン部材34の端面のシリコン接着部と第1シリコン部材36の端面の端面のシリコン接着部は、原子レベルで一体化され接合される。
【0026】
加熱方法は光加熱により行うことができる。光加熱は、加熱部位を容易に移動でき、かつ供給する電力に応じて加熱量を変化させることが容易であり、例えば各種ランプ、レーザーが使用される。
【0027】
本実施形態の場合、
図4に示す装置を用いることができる。本図に示す装置は、少なくとも一つの、ランプ42及び当該ランプ42が出射する光を集光する集光部としての楕円ミラー44を備える。ランプ42としては、赤外線結晶成長装置に一般的に用いられるキセノンランプやハロゲンランプを用いることができる。出力としては1〜30kW程度のものが好ましい。レーザーとしては、波長780〜1600nmの赤外線レーザーを用いることができる。さらに、取り扱いの容易さおよび光源の寿命の観点から、半導体レーザーを複数モジュール化した波長780〜980nm、出力200〜400W程度のパッケージタイプの光源を用いることが好ましい。
【0028】
加熱は、突き合わせ面37の外側からであればよく、シリコン部材に対して垂直方向には限られず、斜めからであってもよい。
【0029】
集光領域は、通常直径10〜30mm程度である。集光領域は、ランプ42の発光位置を楕円ミラー44の焦点からずらすことにより、30〜100mm程度に広がる。集光領域が広がることにより、加熱範囲をひろげることができる。集光領域を、突き合わせ面37のリング状部材32における上面の全域に亘って走査させて加熱するのが好ましい。
【0030】
まず、楕円ミラー44の焦点位置とランプ42の発光部の位置を合致させるようランプ位置を調整し、シリコン部材の上面の高さを楕円ミラー44のもう一つの焦点位置になるように調整することにより、照射位置での楕円ミラー44の広がりを約3mmとする。この状態で、楕円ミラー44を突き合わせ面37の位置に合わせランプ42のパワーを上げる。加熱を開始すると、突き合わせ面37の上面側が融解してシリコン融解物が生成する。具体的には、ランプ定格の60%で上面が解け始める(表面温度が1420℃と推定される)、ランプ定格の90%で突き合わせ面37の間に、突き合わせ面37で接するシリコンが融解しシリコン融解物が毛細管現象により流れ込んで突き合わせ面37の間の一部を塞ぐ。この状態で、楕円ミラー44を突き合わせ面37に沿って一定の速度、例えば5mm/分の速度で走査することにより、突き合わせ面37の間を融解シリコンで埋め、塞ぐことができる。楕円ミラー44を突き合わせ面37の外縁のうち、リング状部材32における上面側に亘って走査させて加熱する。加えてリング状部材の下面側において突き合わせ面37を同様の方法により加熱してもよい。
【0031】
次いで、融解した突き合わせ面37の上面を冷却し、シリコン融解物をシリコン部材の結晶に従って結晶化させる。具体的にはシリコン融解物が固まり始めるランプ定格の60%まで2分でランプ42のパワーを下げ、その状態で5分保持する。このときの表面温度は1400℃〜1415℃である。シリコン融解物は、突き合わせ面37で接するシリコン部材の端面の結晶性を引き継いだシリコン接着部39Aとなる。シリコン接着部39Aは、シリコン部材が単結晶の場合、一方のシリコン部材の端面の結晶性を引き継いだ単結晶シリコンからなる一のシリコン接着部と、他方のシリコン部材の端面の結晶性を引き継いだ単結晶シリコンからなる他のシリコン接着部が一体化される。
【0032】
上記の手順によって、全ての突き合わせ面37において、シリコン接着部39Aを同様に形成することにより、第1シリコン部材34,36,38同士を接合し、リング状部材32を形成することができる。
【0033】
上記のようにして得られたリング状部材32は、機械加工により内側の全周に渡って凹部を形成することにより、フォーカスリング18となり得る。
【0034】
リング状部材32は、シリコン製部品の外径より小さいウエハ用シリコン結晶インゴットから切り出した3個以上のシリコン部材を組み合わせて製造することができる。したがってリング状部材32は、シリコン製部品の外径より大きいウエハ用シリコン結晶インゴットを用いる必要がないので、その分コストを低減することができる。
【0035】
本実施形態に係るリング状部材32は、突き合わせ面37がシリコン接着部39Aにより接合されているので、真空チャンバー12内においてプラズマが照射されても、真空チャンバー12内が汚染されることがない。
【0036】
(3)変形例
本実施形態の場合、突き合わせ面37で接する端面のシリコンを融解し、シリコン接着部39Aを形成する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。
図5に示すように、突き合わせ面上に、単結晶又は多結晶のシリコン片40を置き、当該シリコン片40を融解してシリコン接着部39Bを形成してもよい。シリコン片40を用いない場合、突き合わせ面37の上面側のシリコンが融解して、突き合わせ面37の間に流れ込むことにより、突き合わせ面37の上面が凹む場合がある。シリコン片40を用いてシリコン接着部39Bを形成することにより、シリコン接着部39Bが形成された後の突き合わせ面37の上面55が、凹むことを防止することができる(
図6)。シリコン片40は、突き合わせ面37の間の体積と、同じ体積であることが好ましい。
【0037】
2.第2実施形態
次に第2実施形態に係るリング状部材について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
図7に示すリング状部材46は、第1リング体35と、第2リング体47とを備える。本図に示す第1リング体35は、第1シリコン部材41,43,45を備え、上記第1実施形態のリング状部材32に比べ幅が小さい点のみが異なる。第2リング体47は、複数(本図の場合3個)の第2シリコン部材48,50,52を備える。第2シリコン部材48,50,52は、説明の便宜上、符号を変えているが、第1シリコン部材41,43,45と同じである。第1リング体35と第2リング体47は、シリコン部材同士の突き合わせ面49が円周方向にずれた状態で接合面54において同軸上に重ねられている。
【0038】
図8Aには第1シリコン部材41,43の間の突き合わせ面49、
図8Bには第2シリコン部材48,52の間の突き合わせ面49を示している。図中矢印の向きは、リング状部材46の半径方向の外側向きを示す。
【0039】
第1シリコン部材41,43の間の突き合わせ面49には、第1シリコン接着部51が形成されている(
図8A)。第1リング体35と第2リング体47の間の接合面54には、第2シリコン接着部53が形成されている。第2シリコン部材48,52の間の突き合わせ面49には、第1シリコン接着部が設けられていない(
図8B)。
【0040】
このようにして第1シリコン接着部51は、第1シリコン部材41,43,45同士の突き合わせ面49の間、及び第1リング体35と第2リング体47の接合面54の間を塞いでいる。
【0041】
次に、本実施形態のリング状部材46の製造方法について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の工程については適宜説明を省略する。まず表面処理後の3個の第2シリコン部材48,50,52をリング状に並べる。次いで、第2シリコン部材48,50,52の上面に3個の第1シリコン部材41,43,45を置く。第1シリコン部材41,43,45は、先に配置された第2シリコン部材48,50,52に対し、長手方向の長さの半分だけずらして配置する。上記のようにして、第2シリコン部材48,50,52上に、第1シリコン部材41,43,45が積まれた状態となる。
【0042】
次に、第1シリコン部材34,36,38側から加熱して、第1シリコン部材41,43,45同士の突き合わせ面49の間にシリコンの融解物を生成し、第1シリコン接着部51を形成する。加熱条件、冷却条件は、上記第1実施形態と同様とすることができる。
【0043】
次いで、第1リング体35及び第2リング体47の間の接合面54の間のシリコンを加熱して融解する。融解したシリコンは、毛細管現象により水平方向である接合面54の間に流れ込み、第2シリコン接着部53を形成する。
【0044】
本実施形態のリング状部材46は、突き合わせ面49の間に第1シリコン接着部51、及び、接合面54の間が第2シリコン接着部53で接合されているので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
本実施形態の場合、突き合わせ面49で接する端面のシリコンを融解し、第1シリコン接着部51を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。上記
図5に示したように、突き合わせ面上にシリコン片40を置き、当該シリコン片40を融解して第1シリコン接着部を形成してもよい。
【0046】
本実施形態の場合、上記第1実施形態のリング状部材32に比べ幅が小さい場合について説明したが、本発明はこれに限らない。第1リング体と第2リング体の間の接合面を十分な機械的強度を持つように接合できれば、リング状部材の幅は適宜選択することができる。
第2シリコン部材48,52の間の突き合わせ面49には、第1シリコン接着部を設けていない場合について説明したが、本発明はこれに限らない。第2シリコン部材48,52の間の突き合わせ面49に第1シリコン接着部を設けてもよい。
【0047】
3.第3実施形態
次に第2実施形態に係るリング状部材について説明する。
図9に示すリング状部材56は、複数(本図の場合、3個)の第1シリコン部材58,60,62と、第1シリコン部材58,60,62同士を跨ぐ位置に埋め込まれた複数(3個)の埋込みシリコン部材64Aとを備える。埋込みシリコン部材64Aは、リング状部材56のプラズマが照射される側と反対側、本図の場合、下面側に設けられる。
【0048】
埋込みシリコン部材64Aは、シリコン部材と同じ材料で形成されるのが好ましい。埋込みシリコン部材64Aの四隅は、R加工されているのが好ましい。埋込みシリコン部材64Aは、四隅がR加工されていることにより、欠けなどの損傷を防止することができる。Rは、3mm以上であるのが好ましい。
【0049】
埋込みシリコン部材64Aは、下面が、シリコン部材の下面と略同じ高さとなるように形成されるのが好ましい。埋込みシリコン部材64Aの厚さは、シリコン部材の厚さの20〜80%が好ましく、40〜60%がより好ましい。
【0050】
埋込みシリコン部材64Aは、矩形の板状部材からなり、平面視においてリング状部材56から突出しない大きさであるのが好ましい。埋込みシリコン部材64Aの長手方向の長さは、リング状部材56の外周長さの2〜10%であるのが好ましい。
【0051】
より具体的なシリコン部材のサイズは、内周直径340mm、外周直径420mm、厚み4mmのリングを、3分割した大きさとすることができる。埋込みシリコン部材64Aは、長さ60mm、幅25mm、4隅に5mmのR加工を施した厚さ2mmとすることができる。シリコン部材の下面に形成される穴は、シリコンの小片の形状に対応した形状とし、深さは2mmとする。この場合、埋込みシリコン部材64Aの厚さはシリコン部材の厚さの50%、埋込みシリコン部材64Aの長手方向の長さはリング状部材56の外周長さの5%である。
【0052】
図10に示すように、シリコン部材の下面には、長手方向の端部に、底面を有する穴が形成されている。
図10には、第1シリコン部材58,60の間の突き合わせ面63Aを示している。埋込みシリコン部材64Aは、当該穴に埋め込まれる。第1シリコン部材58,60,62同士の突き合わせ面63Aの間には、第1シリコン接着部68が設けられている。埋込みシリコン部材64Aの周縁と、第1シリコン部材58,60,62の穴内面との間には、第2シリコン接着部70が設けられている。
【0053】
本実施形態に係る突き合わせ面における第1シリコン接着部68は、上記第1実施形態と同様の方法により、形成することができる。第2シリコン接着部70は、シリコン部材の下面側から埋込みシリコン部材64Aの周縁と第1シリコン部材58,60,62の穴内面の近傍のシリコンを、上記第1実施形態と同様の方法で加熱して、シリコンの融解物を生成することで、形成することができる。
【0054】
本実施形態のリング状部材56は、埋込みシリコン部材64Aを設けたことにより、シリコン部材同士の間の接合面積を大きくすることができるので、機械的強度をより大きくすることができる。また、リング状部材56は、突き合わせ面63Aの間が第1シリコン接着部68で接合されていることにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
埋込みシリコン部材64Aは、矩形状である必要はなく、例えば、
図11に示すように、長円形状の埋込みシリコン部材64B(
図11A)、円弧状の埋込みシリコン部材64C(
図11B)でもよい。また埋込みシリコン部材64B,64Cの長手方向端部は、同図に示すように、半円形状でもよい。
【0056】
本実施形態の場合、突き合わせ面63Aで接する端面のシリコンを融解し、第1シリコン接着部68を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。
図5に示したように、突き合わせ面上にシリコン片40を置き、当該シリコン片40を融解して第1シリコン接着部を形成してもよい。