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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-197053(P2018-197053A)
(43)【公開日】2018年12月13日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20181116BHJP
   F21S 41/00 20180101ALI20181116BHJP
   F21S 43/00 20180101ALI20181116BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20181116BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20181116BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20181116BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20181116BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20181116BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20181116BHJP
【FI】
   B60Q1/04 E
   F21S8/12 263
   F21S8/12 268
   F21S8/12 251
   F21W101:10
   F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-102033(P2017-102033)
(22)【出願日】2017年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 真也
【テーマコード(参考)】
3K243
3K339
【Fターム(参考)】
3K243AA08
3K243AC06
3K243BA09
3K243BB11
3K243BC09
3K243BE08
3K243CB08
3K243CB18
3K243CD02
3K339AA02
3K339BA01
3K339BA02
3K339BA12
3K339BA22
3K339CA01
3K339DA05
3K339GB01
3K339HA01
3K339HA04
3K339HA05
3K339HA06
3K339KA01
3K339KA06
3K339KA22
3K339KA29
3K339LA16
3K339MC43
(57)【要約】
【課題】 高照度の範囲を変化させることができる車両用灯具を提供する。
【解決手段】 車両用灯具2は、投影レンズ3、レンズホルダ4、本体筒5、底蓋6、第1〜第4励起光源11〜14、第1〜第4光偏向器15a〜15d、第1〜第4補正ミラー17a〜17d、及び蛍光体18を備える。中心部からずれた位置における照度が最も高く、端部に向かうにつれて徐々に照度が低くなり、両端では照度0となるように、第1〜第4励起光源11〜14の駆動を制御する。制御装置19は、(1/8)T及び(7/8)Tでの照度が最も高くなるように制御する。これにより、ハイビーム用配光パターンHPの中心から左にずれた部分が、高照度範囲となる。
【選択図】 図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向及び左右方向に延びる所定配光パターンを形成する車両用灯具であって、
光を照射する複数の光源と、
前記複数の光源から照射された複数の光を反射する複数の光偏向ミラーと、
前記複数の光偏向ミラーで前記複数の光を偏向すること、又は前記複数の光偏向ミラーによる前記複数の光の反射方向を変更することにより、前記複数の光を左右方向において同じ長さで上下方向において長さが異なる走査範囲で走査する複数の光偏向器と、
前記複数の光偏向器により走査された複数の光により前記所定配光パターンを形成する光学系と、
前記複数の光偏向器の駆動を制御し、前記複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更可能な制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
上下方向及び左右方向に延びる所定配光パターンを形成する車両用灯具であって、
光を照射する複数の光源と、
前記複数の光源から照射された複数の光を反射する複数の光偏向ミラーと、
前記複数の光偏向ミラーで前記複数の光を偏向すること、又は前記複数の光偏向ミラーによる前記複数の光の反射方向を変更することにより、前記複数の光を左右方向において所定の長さ以上で上下方向において長さが異なる走査範囲で走査する複数の光偏向器と、
前記複数の光偏向器により走査された複数の光により前記所定配光パターンを形成する光学系と、
前記複数の光偏向器の駆動を制御し、前記複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更可能な制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用灯具において、
前記制御手段は、前記複数の光偏向器により走査された光の最高照度を高くする場合には、前記複数の光偏向器のうちの他より走査範囲が狭い前記光偏向器の左右方向の走査範囲を狭くするように制御することを特徴とする車両用灯具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具において、
前記制御手段は、
前記複数の光偏向器により走査された複数の光の照射パターンを、左右方向にシフトすることで、前記複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更し、
左右方向にシフトされた前記照射パターンのうち、前記所定配光パターンを形成する範囲の左右方向の一端から飛び出した一方の端部は削除し、左右方向にシフトされた前記照射パターンの他方の側端から前記所定配光パターンを形成する範囲の他端までの部分は、左右方向にシフトされた前記照射パターンの他方の側端の照度で照射するように制御することを特徴とする車両用灯具。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具において、
前記制御手段は、
前記複数の光偏向器により走査された複数の光の照射パターンを、左右方向にシフトすることで、前記複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更し、
左右方向にシフトされた前記照射パターンのうち、前記所定配光パターンを形成する範囲の左右方向の一端から飛び出した一方の端部は削除し、左右方向にシフトされた前記照射パターンの他方の側端から前記所定配光パターンを形成する範囲の他端までの部分は、光を照射しないように制御することを特徴とする車両用灯具。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具において、
走行シチュエーションに応じた複数の前記所定配光パターンを記憶した記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された複数の前記所定配光パターンの中から1つを読み出して、読み出した前記所定配光パターンに基づいて制御することを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を走査する光偏向器を備える車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車両用灯具として、レーザ等の光源からの光をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の光偏向器によって走査して、蛍光板に二次元像を描画し、この二次元像を配光パターンとして前方に投影するものがある。このような車両用灯具として求められる光量は、1個の光源からの光では足りないため、複数の光源を用いている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の車両用灯具では、3個の光源から、3個の光偏向器の光偏向ミラーに向けて光を照射し、この状態で光偏向ミラーを回転して走査することで、3つの配光パターンを形成している。そして、3つの配光パターンの一部を重ね合わせることで、中央部が高照度、端部が低照度となるような車両用灯具として好ましい配光パターンを得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−138735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用灯具では、中央部を高照度にすることはできるが、中央部からずれた位置を高照度にすることができない。
【0006】
本発明は、高照度の範囲を変化させることができる車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用灯具は、上下方向及び左右方向に延びる所定配光パターンを形成する車両用灯具であって、光を照射する複数の光源と、前記複数の光源から照射された複数の光を反射する複数の光偏向ミラーと、前記複数の光偏向ミラーで前記複数の光を偏向すること、又は前記複数の光偏向ミラーによる前記複数の光の反射方向を変更することにより、前記複数の光を左右方向において同じ長さで上下方向において長さが異なる走査範囲で走査する複数の光偏向器と、前記複数の光偏向器により走査された複数の光により前記所定配光パターンを形成する光学系と、前記複数の光偏向器の駆動を制御し、前記複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更可能な制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、制御手段により、複数の光を左右方向において同じ長さで上下方向において長さが異なる走査範囲で走査する複数の光偏向器の駆動を制御することで、複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更することができる。
【0009】
本発明の車両用灯具は、上下方向及び左右方向に延びる所定配光パターンを形成する車両用灯具であって、光を照射する複数の光源と、前記複数の光源から照射された複数の光を反射する複数の光偏向ミラーと、前記複数の光偏向ミラーで前記複数の光を偏向すること、又は前記複数の光偏向ミラーによる前記複数の光の反射方向を変更することにより、前記複数の光を左右方向において所定の長さ以上で上下方向において長さが異なる走査範囲で走査する複数の光偏向器と、前記複数の光偏向器により走査された複数の光により前記所定配光パターンを形成する光学系と、前記複数の光偏向器の駆動を制御し、前記複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更可能な制御手段と、を備えることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、制御手段により、複数の光を左右方向において所定の長さ以上で上下方向において長さが異なる走査範囲で走査する複数の光偏向器の駆動を制御することで、複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更することができる。
【0011】
さらに、前記制御手段は、前記複数の光偏向器により走査された光の最高照度を高くする場合には、前記複数の光偏向器のうちの他より走査範囲が狭い前記光偏向器の左右方向の走査範囲を狭くするように制御することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、複数の光偏向器のうちの他より走査範囲が狭い記光偏向器の左右方向の走査範囲を狭くすることで、複数の光偏向器により走査された光の最高照度を高くすることができる。
【0013】
また、前記制御手段は、前記複数の光偏向器により走査された複数の光の照射パターンを、左右方向にシフトすることで、前記複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更し、左右方向にシフトされた前記照射パターンのうち、前記所定配光パターンを形成する範囲の左右方向の一端から飛び出した一方の端部は削除し、左右方向にシフトされた前記照射パターンの他方の側端から前記所定配光パターンを形成する範囲の他端までの部分は、左右方向にシフトされた前記照射パターンの他方の側端の照度で照射するように制御することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、照射パターンを左右方向にシフトすることで、複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更することができる。
【0015】
さらに、前記制御手段は、前記複数の光偏向器により走査された複数の光の照射パターンを、左右方向にシフトすることで、前記複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更し、左右方向にシフトされた前記照射パターンのうち、前記所定配光パターンを形成する範囲の左右方向の一端から飛び出した一方の端部は削除し、左右方向にシフトされた前記照射パターンの他方の側端から前記所定配光パターンを形成する範囲の他端までの部分は、光を照射しないように制御することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、照射パターンを左右方向にシフトすることで、複数の光偏向器により走査された光の左右方向における最高照度となる範囲を変更することができる。
【0017】
また、走行シチュエーションに応じた複数の前記所定配光パターンを記憶した記憶手段を備え、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された複数の前記所定配光パターンの中から1つを読み出して、読み出した前記所定配光パターンに基づいて制御することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、走行シチュエーションに応じた所定配光パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態の車両用灯具を示す斜視図。
図2】車両用灯具を示す上下方向の断面図。
図3】車両用灯具を示す左右方向の断面図。
図4図2におけるIII−III線断面図。
図5】車両用灯具の構成を示すブロック図。
図6】上光偏向器を示す斜視図。
図7】ミアンダ構造を有する圧電アクチュエータの動作を説明する図。
図8】仮想鉛直スクリーンSにおける走査範囲を示す概略図。
図9】中心部を高照度範囲とした場合の上下光偏向器で走査された光を示す概略図。
図10】高照度範囲を中心部からずらした状態の照度を示す概略図。
図11】中心部からずれた位置を高照度範囲とした場合の上下光偏向器で走査された光を示す概略図。
図12】第2実施形態の仮想鉛直スクリーンSにおける走査範囲を示す概略図。
図13】第2実施形態の高照度範囲を中心部からずらした状態の照度を示す概略図。
図14】第2実施形態の中心部からずれた位置を高照度範囲とした場合の上下光偏向器で走査された光を示す概略図。
図15】配光パターンデータを左方向にシフトする実施形態のシフト前後の光を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
図1に示すように、車両用灯具2は、投影レンズ3と、投影レンズ3を保持するレンズホルダ4と、レンズホルダ4の後端部に取り付けられた本体筒5と、本体筒5の後側の開口を塞ぐ底蓋6とを備える。本実施形態では、車両用灯具2は、例えば車両のヘッドライトとして用いられる。
【0021】
図2及び図3に示すように、車両用灯具2は、第1〜第4励起光源11〜14と、第1〜第4励起光源11〜14からの励起光を二次元的(水平方向及び垂直方向)に走査する第1〜第4光偏向器15a〜15dとを備える。第1〜第4励起光源11〜14及び第1〜第4光偏向器15a〜15dは、詳しくは後述する制御装置19(図5参照)により駆動が制御される。なお、図2においては、第1,第4励起光源11,14及び第1,第4光偏向器15a,15dのみ図示し、第2,第3励起光源12,13及び第2,第3光偏向器15b,15cは省略している。また、図3においては、第2,第3励起光源12,13及び第2,第3光偏向器15b,15cのみ図示し、第1,第4励起光源11,14及び第1,第4光偏向器15a,15dは省略している。
【0022】
また、車両用灯具2は、第1〜第4光偏向器15a〜15dにより走査された光の歪み(詳しくは後述する)を補正する第1〜第4補正ミラー17a〜17dと、第1〜第4補正ミラー17a〜17dにより補正された光により所定配光パターンに対応する二次元像が描画される蛍光体18(投影体)とを備える。蛍光体18に描画された二次元像は、投影レンズ3により前方に投影される。
【0023】
第1〜第4励起光源11〜14、第1〜第4光偏向器15a〜15d、第1〜第4補正ミラー17a〜17d、蛍光体18は、本体筒5の内部に配置され、固定部材(図示せず)により固定されている。なお、本体筒5の外周面に放熱用のフィンを設けてもよい。
【0024】
第1励起光源11は、例えば、励起光として青色域(例えば、発光波長が450nm)のレーザ光を放出するレーザダイオード(LD)等の半導体発光素子11aと、半導体発光素子11aからの光を集光(例えばコリメート)する集光レンズ11bとを備える。
【0025】
各励起光源12〜14は、第1励起光源11と同様に、半導体発光素子12a、13a、14aと、集光レンズ12b、13b、14bとを備える。なお、各半導体発光素子11a〜14aは、近紫外域(例えば、発光波長が405nm)のレーザ光を放出するレーザダイオード等の半導体発光素子であってもよい。また、各半導体発光素子11a〜14aは、LEDであってもよい。さらに、RGBで混色させたレーザ光を照射するレーザ照射器でもよい。
【0026】
図2に示すように、第1励起光源11は、詳しくは後述する第1光偏向器15aの光偏向ミラー20の回転中心に向けてレーザ光を照射する。第4励起光源14は、詳しくは後述する第4光偏向器15dの光偏向ミラー20の回転中心に向けてレーザ光を照射する。また、図3に示すように、第2励起光源12は、詳しくは後述する第2光偏向器15bの光偏向ミラー20の回転中心に向けてレーザ光を照射する。第3励起光源13は、詳しくは後述する第3光偏向器15cの光偏向ミラー20の回転中心に向けてレーザ光を照射する。
【0027】
図4に示すように、第1〜第4励起光源11〜14は、正面視において90°ピッチで離れて配置されている。
【0028】
図2及び図3に示すように、第1〜第4光偏向器15a〜15dにより走査された光は、第1〜第4補正ミラー17a〜17dに入射する。この第1〜第4光偏向器15a〜15dにより走査された光は、光の光偏向ミラー20への入射角と、光偏向ミラー20の回転軸との影響により歪んでいる。
【0029】
第1〜第4補正ミラー17a〜17dは、第1〜第4光偏向器15a〜15dにより走査された光の歪みを補正して反射するものであり、反射面が湾曲されている。
【0030】
蛍光体18は、第1〜第4光偏向器15a〜15dにより二次元的に走査され、第1〜第4補正ミラー17a〜17dにより補正されたレーザ光を受けて、当該レーザ光の少なくとも一部を異なる波長の光に変換するものであり、外形が矩形形状の板状(又は層状)で形成されている。蛍光体18は、投影レンズ3の焦点近傍に配置されている。なお、図2及び図3では、蛍光体18の厚みを誇張して描いている。
【0031】
例えば、各励起光源11〜14の半導体発光素子11a〜14aとして、青色域のレーザ光を放出するレーザダイオード(LD)を用いる場合、蛍光体18としては、青色域のレーザ光によって励起されて黄色光を発光するものが用いられる。蛍光体18には、第1〜第4光偏向器15a〜15dにより二次元的に走査された後に、第1〜第4補正ミラー17a〜17dによって補正された青色域のレーザ光により、所定配光パターンに対応する二次元像が白色の像として描画される。二次元像が白色の像として描画されるのは、青色域のレーザ光が照射された場合、蛍光体18は、これを透過(通過)する青色域のレーザ光と青色域のレーザ光による発光(黄色光)との混色による白色光(疑似白色光)を放出することによるものである。
【0032】
一方、半導体発光素子11a〜14aとして、近紫外域のレーザ光を放出するレーザダイオード(LD)を用いる場合、蛍光体18としては、近紫外域のレーザ光によって励起されて赤、緑、青の3色の光を発光するものが用いられる。蛍光体18には、第1〜第4光偏向器15a〜15dにより二次元的に走査された後に、第1〜第4補正ミラー17a〜17dによって補正された近紫外域のレーザ光により、所定配光パターンに対応する二次元像が白色の像として描画される。二次元像が白色の像として描画されるのは、近紫外域のレーザ光が照射された場合、蛍光体18は、近紫外域のレーザ光による発光(赤、緑、青の3色の光)の混色による白色光(疑似白色光)を放出することによるものである。なお、近紫外のレーザ光により、青色の蛍光体と黄色の蛍光体とを励起させて白色光を放出させてもよい。
【0033】
投影レンズ3は、4枚のレンズ3a〜3dからなり、各レンズ3a〜3dは、レンズホルダ4に保持されている。各レンズ3a〜3dは、像面が平面になるように収差(像面湾曲)が補正され、且つ色収差が補正されている。この場合、蛍光体18は、平板形状のものが用いられ、像面(平面)に沿って配置される。
【0034】
投影レンズ3の焦点は、蛍光体18近傍に位置している。この投影レンズ3により、一枚の凸レンズを用いる場合と比べ、所定配光パターンに対する収差の影響を除去することができる。また、蛍光体18が平板形状であるため、蛍光体18が曲面形状である場合と比べ、その製造が容易となる。さらに、蛍光体18が平板形状であるため、蛍光体18が曲面形状である場合と比べ、二次元像の描画が容易となる。
【0035】
なお、投影レンズ3は、像面が平面になるように収差(像面湾曲)が補正されていない1枚の非球面レンズからなる投影レンズとして構成されていてもよい。この場合、蛍光体18は、像面湾曲に対応して湾曲した形状のものが用いられ、像面湾曲に沿って配置される。
【0036】
投影レンズ3は、蛍光体18に描画された二次元像を前方に投影して、車両用灯具2に正対した仮想鉛直スクリーンS(車両用灯具2の前方約25mの位置に配置されている)上に、所定配光パターンとして、例えばハイビーム用配光パターンHPを形成する。
【0037】
第1〜第4光偏向器15a〜15dは、第1〜第4励起光源11〜14の集光レンズ11b〜14bで集光された励起光を水平方向及び垂直方向に走査する。
【0038】
図5に示すように、第1〜第4励起光源11〜14、第1〜第4光偏向器15a〜15dは、車両用灯具2を統括的に制御する制御装置19に接続され、制御装置19により駆動が制御される。
【0039】
第1〜第4光偏向器15a〜15dは、例えば、MEMSスキャナである。光偏向器の駆動方式には大別して圧電方式、静電方式、電磁方式があるが、いずれの方式であってもよい。本実施形態では、圧電方式の光偏向器を代表して説明する。
【0040】
図6に示すように、第1光偏向器15aは、2軸型光偏向器であり、半導体プロセスやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用して作製され、一定の方向から入射する光を回転するマイクロミラーとしての光偏向ミラー20で反射し、反射光(レーザ光)として出射する。
【0041】
第1光偏向器15aは第1支持部21を備え、この第1支持部21は、光偏向ミラー20、半環状圧電アクチュエータ23a,23b、及びトーションバー24a,24b等からなる。第1励起光源11からのレーザ光は光偏向ミラー20で反射され、反射光(レーザ光)が第1補正ミラー17a、蛍光体18及び投影レンズ3を介して仮想鉛直スクリーンS上を走査する。
【0042】
このとき、制御装置19は、第1光偏向器15a及び第1励起光源11に制御信号を送信する。当該制御信号により第1光偏向器15aの半環状圧電アクチュエータ23a,23bが駆動され、半環状圧電アクチュエータ23a,23bと結合したトーションバー24a,24bがねじれることで、光偏向ミラー20を回動させる。また、当該制御信号により、各励起光源11,12において、レーザ光のオン・オフ及び輝度が制御される。
【0043】
本実施形態では、2軸直交座標系において、円形の光偏向ミラー20の中心を通る水平方向の回転軸をX軸、垂直方向の回転軸をY軸と定義する。また、図6においては、X軸を左右方向、Y軸を上下方向、光偏向ミラー20の厚み方向を前後方向としている。
【0044】
第1光偏向器15aは矩形環状の第2支持部22を備え、この第2支持部22の中央に第1支持部21が配設されている。また、第1支持部21の中心を通るY軸に対して線対称に、蛇腹状の圧電アクチュエータ31a,31bが配設され、第1支持部21の辺部下端及び第2支持部22と結合している。なお、図5では、第1,第2支持部21,22及び圧電アクチュエータ31a,31bをまとめてMEMSと称している。
【0045】
圧電アクチュエータ31a,31bは、複数のカンチレバーを長手方向が隣り合う向きに並べて、上下方向端部で折り返して直列結合したミアンダ構造に形成されている。詳細は後述するが、上記制御信号により圧電アクチュエータ31a,31bを駆動させることで、第1支持部21が水平方向、すなわち、図中の光偏向ミラー20の中心を通るX軸線回りを往復回動する。
【0046】
また、上述したように、半環状圧電アクチュエータ23a,23bを駆動させることにより、光偏向ミラー20がトーションバー24a,24bの軸と一致し、図中の光偏向ミラー20の中心を通るY軸線回りを往復回動する。
【0047】
この結果、第1光偏向器15aは、レーザ光を光偏向ミラー20で反射する際、光を第1光偏向器15aの前方に出射して、さらにX軸方向とY軸方向の2方向に走査することができる。
【0048】
第2支持部22の下方には、電極パッド32a〜32e(以下、電極パッド32という)と、電極パッド33a〜33e(以下、電極パッド33という)とが配設されている。電極パッド32,33は、圧電アクチュエータ31a,31b及び半環状圧電アクチュエータ23a,23bの各電極に駆動電圧を印加できるように電気的に接続されている。
【0049】
なお、圧電アクチュエータ31a,31bの部分がなくても光偏向器として機能させることができる。この場合、第1支持部21の部分が支持体の役割を果たし、光偏向ミラー20がY軸線回りを往復回動する1軸型光偏向器を構成する。
【0050】
次に、図7を参照して、圧電アクチュエータ31aを例に動作を説明する。上述したように、第1光偏向器15aは、圧電アクチュエータ31a,31bを動作させることにより、光偏向ミラー20のX軸線回りの往復回動を可能としている。
【0051】
図7Aは、第1光偏向器15aを表側から見たとき、左側に配設される圧電アクチュエータ31aを切り出した図である。圧電アクチュエータ31aは、圧電カンチレバーを4つ並べた形状であり、第1支持部21から離れた方より順に、圧電カンチレバー31a(1)、31a(2)、31a(3)、31a(4)である。
【0052】
例えば、圧電アクチュエータ31aにおいて、奇数番目の圧電カンチレバー31a(1)、31a(3)に第1の電圧を印加する。また、偶数番目の圧電カンチレバー31a(2)、31a(4)に、第1の電圧とは逆位相の第2の電圧を印加する。
【0053】
このように電圧を印加することで、図7Bに示すように、奇数番目の圧電カンチレバー31a(1)、31a(3)を図7B中の上方向に屈曲変位させ、偶数番目の圧電カンチレバー31a(2)、31a(4)を図7B中の下方向に屈曲変位させることができる。
【0054】
圧電アクチュエータ31bは、圧電アクチュエータ31aと同様に4個の圧電カンチレバーから構成され、第1支持部21に近い方より順に、1番目,2番目,3番目,4番目の圧電カンチレバーであり、奇数番目の2個の圧電カンチレバーを図6中の後側に屈曲変位させ、偶数番目の2個の圧電カンチレバーを図6中の前側に屈曲変位させることができる。
【0055】
これにより、光偏向ミラー20の図6中の下側(トーションバー24b側)より光偏向ミラー20の図6中の上側(トーションバー24a側)が図6中の後側になる(上側が図7中のU方向に動く)ように、光偏向ミラー20を変位させることができる。
【0056】
また、奇数番目の圧電カンチレバー31a(1)、31a(3)に第2の電圧を印加し、偶数番目の圧電カンチレバー31a(2)、31a(4)に、第1の電圧を印加することで、光偏向ミラー20の図6中の上側(トーションバー24a側)より光偏向ミラー20の図6中の下側(トーションバー24b側)が図6中の後側になるように、光偏向ミラー20を変位させることができる。これらの制御を連続して行うことで、光偏向ミラー20をX軸線回りに回動(揺動)させることができる。
【0057】
第2〜第4光偏向器15b〜15dは、第1光偏向器15aと同様に構成されており、その詳細な説明を省略する。
【0058】
第1の電圧、第2の電圧の印加方法として、サインカーブや櫛歯上に変化する逆位相の電圧を、奇数番目の圧電カンチレバーと、偶数番目の圧電カンチレバーに印加する方法がある。また、カンチレバーを上下方向に交互に屈曲させる場合に限らず、上下のいずれかの屈曲と屈曲しない状態とを交互に繰り返してもよい。
【0059】
車両用灯具2を駆動して、仮想鉛直スクリーンS上にハイビーム用配光パターンHPを形成する場合、先ず、制御装置は、第1〜第4励起光源11〜14、第1〜第4光偏向器15a〜15dに向けて制御信号を送信する。
【0060】
制御信号により、第1〜第4励起光源11〜14からレーザ光が出力され、且つ、第1〜第4光偏向器15a〜15dが駆動して各々の光偏向ミラー20が、X軸周り及びY軸周りに回動する。
【0061】
図2に示すように、第1励起光源11から出力されたレーザ光は、第1光偏向器15aの光偏向ミラー20の回転中心に入射して、回動する光偏向ミラー20により水平方向及び垂直方向に走査される。図6に示す光偏向ミラー20の楕円状の点線が、第1励起光源11から出力されたレーザスポットを示している。
【0062】
図2及び図3に示すように、第2〜第4励起光源12〜14から出力されたレーザ光は、第2〜第4光偏向器15b〜15dの光偏向ミラー20の回転中心に入射して、回動する光偏向ミラー20により水平方向及び垂直方向に走査される。
【0063】
図8Aに示すように、第1励起光源11から照射されたレーザ光は、第1光偏向器15a、第1補正ミラー17a、蛍光体18及び投影レンズ3を介して仮想鉛直スクリーンSの実線で示す第1走査範囲SR1で走査される(二次元像が投影される)。
【0064】
図8Bに示すように、第2励起光源12から照射されたレーザ光は、第2光偏向器15b、第2補正ミラー17b、蛍光体18及び投影レンズ3を介して仮想鉛直スクリーンSの実線で示す第2走査範囲SR2で走査される。第2走査範囲SR2は、水平方向が第1走査範囲SR1と同じ長さで、垂直方向が第1走査範囲SR1より短い範囲となっている。第2走査範囲SR2は、第1走査範囲SR1に含まれるように重なっている。
【0065】
図8Cに示すように、第3励起光源13から照射されたレーザ光は、第3光偏向器15c、第3補正ミラー17c、蛍光体18及び投影レンズ3を介して仮想鉛直スクリーンSの実線で示す第3走査範囲SR3で走査される。第3走査範囲SR3は、水平方向が第1走査範囲SR1及び第2走査範囲SR2と同じ長さで、垂直方向が第1走査範囲SR1及び第2走査範囲SR2より短い範囲となっている。第3走査範囲SR3は、第1走査範囲SR1及び第2走査範囲SR2の両方に含まれるように重なっている。
【0066】
図8Dに示すように、第4励起光源14から照射されたレーザ光は、第4光偏向器15d、第4補正ミラー17d、蛍光体18及び投影レンズ3を介して仮想鉛直スクリーンSの実線で示す第4走査範囲SR4で走査される。第4走査範囲SR4は、水平方向が第1〜第3走査範囲SR1〜SR3と同じ長さで、垂直方向が第1〜第3走査範囲SR1〜SR3より短い範囲となっている。第4走査範囲SR4は、第1〜第3走査範囲SR1〜SR3の全てに含まれるように重なっている。なお、同じとは、僅かに違うものも含む。
【0067】
仮想鉛直スクリーンSにおいて、第1〜第4走査範囲SR1〜SR4はそれぞれ重なっている。
【0068】
図8Eに示すように、第1〜第4走査範囲SR1〜SR4の重なりにより、仮想鉛直スクリーンSにおけるハイビーム用配光パターンHPは、単一の光が走査される領域P1と、2つの光が走査される領域P2と、3つの光が走査される領域P3と、4つの光が走査される領域P4とに分けられる。本実施形態では、走査される光の数が多いほど重ね合わせることができる光も多くなるため、光度を高くすることができる。すなわち、4つの光が走査される領域P4の光度を最も高くすることができる。
【0069】
図8Fに示すように、ハイビーム用配光パターンHPの左右方向における照度は、左右方向中心部が最も高照度で、左右端部に向かうにつれて照度が低くなるように設定されている。制御装置19に接続されたメモリ41(図5参照)には、走行シチュエーションに応じた複数のハイビーム用配光パターンHPのデータが記憶されている。制御装置19は、走行シチュエーションに応じて、メモリ41に記憶された複数のハイビーム用配光パターンHPのデータの中から1つを読み出して、読み出したハイビーム用配光パターンHPのデータに基づいて制御を行う。
【0070】
制御装置19は、ハイビーム用配光パターンHPの中心付近における照度が最も高く、端部に向かうにつれて徐々に照度が低くなり、両端では照度0(光を出力させない)となるように、第1〜第4励起光源11〜14の駆動を制御する。
【0071】
図9に示すように、本実施形態では、制御装置19は、第1〜第4光偏向器15a〜15dの1往復走査時間をTとした場合に、(1/4)T及び(3/4)Tでの照度が最も高くなるように、第1〜第4励起光源11〜14の駆動を制御する。図9に示す第1,第2光偏向器15a,15bで走査された光と第3,第4光偏向器15c,15dで走査された光とが組み合わさって、図8Fに示す光となる。
【0072】
図10に示すように、詳しくは後述するAFS(Adaptive Front-Lighting System)を実行する場合や、走行シチュエーションによっては、高照度範囲が中心部から左右方向(例えば左方向)にずれたハイビーム用配光パターンHPを形成することがある。この場合には、高照度範囲を設ける部分に応じて、中心部からずれた位置における照度が最も高く、端部に向かうにつれて徐々に照度が低くなり、両端では照度0(光を出力させない)となるように、第1〜第4励起光源11〜14の駆動を制御する。この制御では、図11に示すように、制御装置19は、(1/8)T及び(7/8)Tでの照度が最も高くなるように、第1〜第4励起光源11〜14の駆動を制御する。これにより、ハイビーム用配光パターンHPの中心から左方向にずれた部分が、高照度範囲となる(図10参照)。
【0073】
[第2実施形態]
図12図14に示す実施形態では、第3走査範囲SR3a及び第4走査範囲SR4aは、水平方向及び垂直方向が第1走査範囲SR1a及び第2走査範囲SR2aより短い範囲となっている。第1走査範囲SR1a及び第2走査範囲SR2aは、第1実施形態の第1走査範囲SR1及び第2走査範囲SR2と同じである。なお、上記実施形態と同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0074】
図12A図12Dに示すように、第4走査範囲SR4aは、水平方向が第3走査範囲SR3aと同じ長さで、垂直方向が第1〜第3走査範囲SR1a〜SR3aより短い範囲となっている。第3走査範囲SR3a及び第4走査範囲SR4aは、水平方向の長さが、AFSに必要な長さ(所定の長さ=水平方向の走査角度±20°以上)以上である。なお、AFSとは、自動車のヘッドライトに設けられるものであり、走行中のコーナリング時においてステアリング操舵方向に光軸を向け、進行する方向に光を照射することで視認性向上を図るものである。第3走査範囲SR3a及び第4走査範囲SR4aの水平方向の長さが極端に短い場合には、左右方向において最高照度となる範囲を変えてもステアリング操舵方向に光軸を向けることができない。これを防止するために、第3走査範囲SR3a及び第4走査範囲SR4aの水平方向の長さを、AFSに必要な長さ以上に規定している。
【0075】
図12Eに示すように、ハイビーム用配光パターンHPは、単一の光が走査される領域P1と、2つの光が走査される領域P2と、3つの光が走査される領域P3と、4つの光が走査される領域P4とに分けられる。
【0076】
図12Fに示すように、ハイビーム用配光パターンHPの左右方向における照度は、左右方向中心部が最も高照度で、左右端部に向かうにつれて照度が低くなるように設定されている。本実施形態のハイビーム用配光パターンHPにおける最高照度は、第1実施形態のハイビーム用配光パターンHPにおける最高照度よりも高い。
【0077】
制御装置19は、第1実施形態の図9と同じように、ハイビーム用配光パターンHPの中心付近における照度が最も高く、端部に向かうにつれて徐々に照度が低くなり、両端では照度0(光を出力させない)となるように、第1〜第4励起光源11〜14の駆動を制御する。
【0078】
本実施形態では、制御装置19は、(1/4)T及び(3/4)Tでの照度が最も高くなるように、第1〜第4励起光源11〜14の駆動を制御する。
【0079】
図13に示すように、AFSを実行する場合や、走行シチュエーションによっては、高照度範囲が中心部から左右方向(例えば左方向)にずれたハイビーム用配光パターンHPを形成することがある。この場合には、高照度範囲を設ける部分に応じて、中心部からずれた位置における照度が最も高く、端部に向かうにつれて徐々に照度が低くなり、両端では照度0(光を出力させない)となるように、第1〜第4励起光源11〜14の駆動を制御する。
【0080】
本実施形態では、第1,第2光偏向器15a,15bで走査された光(第1,第2励起光源11,12から出力された光)と、第3,第4光偏向器15c,15dで走査された光(第3,第4励起光源13,14から出力された光)とは、左右方向の走査範囲が異なり、走査を開始してから、高照度範囲を設ける部分に光が到達するまでの時間が異なる。
【0081】
図14に示すように、制御装置19は、第1,第2光偏向器15a,15bで走査された光(第1,第2励起光源11,12から出力された光)は、(1/8)T及び(7/8)Tでの照度が最も高くなるように第1,第2励起光源11,12の駆動を制御する。また、制御装置19は、第3,第4光偏向器15c,15dで走査された光(第3,第4励起光源13,14から出力された光)は、(1/16)T及び(15/16)Tでの照度が最も高くなるように第3,第4励起光源13,14の駆動を制御する。これにより、ハイビーム用配光パターンHPの中心から左方向にずれた部分が、高照度範囲となる(図13参照)。
【0082】
なお、上記第1実施形態と上記第2実施形態とを組み合わせて実施してもよい。この実施形態では、通常時は第1実施形態とし、ハイビーム用配光パターンHPの中心部の照度を高くしたい場合には、第2実施形態に切り換える。
【0083】
また、図15に示すように、設定されたハイビーム用配光パターンHPを形成するために生成した配光パターンデータを、左右方向(例えば、左方向)にシフトすることで、配光パターンを変化するようにしてもよい。この実施形態では、左方向にシフトし、ハイビーム用配光パターンHPの左端からはみ出した部分の配光パターンデータは削除し、配光パターンデータの右端からハイビーム用配光パターンHPの右端までは、配光パターンデータの右端データを使用するように新たなデータを作成する。
【0084】
また、配光パターンデータの右端からハイビーム用配光パターンHPの右端までは、照度0を使用するようにしてもよい。
【0085】
なお、光偏向器の数や、1個の光偏向器に光を照射する励起光源の数は適宜変更可能である。
【0086】
上記実施形態では、複数の光の走査範囲の一部を重複させているが、重複させないようにしてもよい。
【0087】
上記実施形態では、1つの光学系で仮想鉛直スクリーンに光を照射しているが、これに限らず、複数の光学系からの光を仮想鉛直スクリーンで重ね合わせるようにしてもよい。この場合、光学系の少なくとも1つが上記実施形態のように、単独の光偏向器で複数の光源からの光を異なる範囲で走査するようになっていればよい。
【0088】
上記実施形態では、励起光源を用いているが、光源の色そのものを照射するような光源を用いてもよい。この場合、蛍光体(投影体)は不要となり、光源からの光がそのまま照射される。また、蛍光体に代えて、透光性の拡散板を用いてもよい。さらに、光源は、1つのまとまった光線を照射すればよく、例えば、ファイバで光を導くようにしてもよい。ファイバに導く光は、RGBで混色された白色光でもよい。
【符号の説明】
【0089】
2…車両用灯具、3…投影レンズ(光学系)、4…レンズホルダ、5…本体筒、6…底蓋、11〜14…第1〜第4励起光源、11a〜14a…半導体発光素子、11b〜14b…集光レンズ、15a〜15d…第1〜第4光偏向器、17a〜17d…第1〜第4補正ミラー、18…蛍光体、19…制御装置(制御手段)、20…光偏向ミラー、21,22…第1,第2支持部、23a,23b…半環状圧電アクチュエータ、24a、24b…トーションバー、31a,31b…圧電アクチュエータ、32a〜32e…電極パッド、33a〜33e…電極パッド、41…メモリ(記憶手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15