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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-197061(P2018-197061A)
(43)【公開日】2018年12月13日
(54)【発明の名称】車載アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20181116BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20181116BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20181116BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20181116BHJP
【FI】
   B60R11/02 A
   H01Q1/42
   H01Q1/32 Z
   H01Q1/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-102363(P2017-102363)
(22)【出願日】2017年5月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】大西 唯章
【テーマコード(参考)】
3D020
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
3D020BA13
3D020BB01
3D020BC18
3D020BD03
3D020BD05
5J046AA10
5J046AB13
5J046MA09
5J046RA03
5J047AA10
5J047AB13
5J047EB01
5J047EB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両へ安定して取り付けることができる車載アンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ素子30と、アンテナ素子30を収容するケース10と、ヨーク20,21と共にケース10に保持される磁石25と、を備えた車載アンテナ装置100であって、ケース10は、底面11aが裏側に設けられた底部11bと、底部11bの表側に延出する側壁部11cと、磁石25をヨーク20,21と共に収容可能な切欠き部13と、を有し、ヨーク20,21は、吸着面25aの反対側から磁石25を保持し、ヨーク21の所定の位置には、吸着面25aと平行な方向に突出する突出部が設けられ、切欠き部13は、底面11bから表側に向かって凹となり、切欠き部13の内壁には、突出部と係合可能な溝部が設けられ、突出部と溝部とが係合した時に、ケース10の底面11bと磁石25の吸着面25aとが略同一平面上に位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ素子と、前記アンテナ素子を収容するケースと、ヨークと共に前記ケースに保持される磁石と、を備え、前記磁石の磁力を利用して車両の取付け面に保持される車載アンテナ装置であって、
前記ケースは、前記取付け面と対向する底面が裏側に設けられた底部と、前記底部の外周部から前記底部の表側に延出する側壁部と、前記磁石を前記ヨークと共に収容可能な切欠き部と、を有し、
前記磁石は、前記取付け面と対向する吸着面を有し、
前記ヨークは、前記吸着面の反対側から前記磁石を保持し、
前記ヨークの所定の位置には、前記吸着面と平行な方向に突出する突出部が設けられ、
前記切欠き部は、前記底面から表側に向かって凹となり、
前記切欠き部の内壁には、前記突出部と係合可能な溝部が設けられ、
前記突出部と前記溝部とが係合した時に、前記ケースの底面と前記磁石の吸着面とが略同一平面上に位置するように、前記突出部と前記溝部とが配置されている、
ことを特徴とする車載アンテナ装置。
【請求項2】
前記側壁部の外周面には、前記切欠き部と繋がる開口部が設けられ、
前記ヨークは、前記磁石と共に前記開口部から前記切欠き部に挿入される、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載アンテナ装置。
【請求項3】
前記磁石は、平面視で略長方形の一対の対向面を有し、
前記一対の対向面のうちの一方が前記吸着面となり、
前記ヨークは、前記一対の対向面のうちの他方と当接する天板部と、前記天板部から前記磁石を挟み込むように前記吸着面側に延出する側板部と、を有し、
前記天板部は、前記対向面と対応するように平面視で略長方形の形状となっており、
前記側板部は、前記天板部の短手方向の両端部にそれぞれ設けられ、
前記突出部は、前記天板部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、
前記ヨークは、前記天板部の短手方向に沿って前記切欠き部に挿入され、
前記切欠き部は、前記天板部と対応するように平面視で略長方形の形状となっており、
前記溝部は、前記切欠き部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の車載アンテナ装置。
【請求項4】
前記突出部は、前記天板部の前記長手方向における当該突出部の幅が、前記ケースの内側方向に位置する程小さくなり、前記ケースの外側方向に位置する程大きくなるようなテーパ状となっている、
ことを特徴とする請求項3に記載の車載アンテナ装置。
【請求項5】
前記突出部と前記溝部とが圧接して係合している、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の車載アンテナ装置。
【請求項6】
前記ケースは、前記底部と前記側壁部とが設けられた下ケースと、前記側壁部の開口部を外側から覆うように前記下ケースに取り付けられる上ケースと、からなる、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の車載アンテナ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載アンテナ装置に関し、特に磁石の磁力を利用して車両に保持される車載アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アンテナ素子と、アンテナ素子を収容するケースと、ヨークと共にケースに取付けられる磁石とを備え、磁石の磁力を利用して車両に保持される車載アンテナ装置が実用化されている。このような従来の車載アンテナ装置として、下記の特許文献1に記載のアンテナユニット900が知られている。図8を用いて、アンテナユニット900について説明する。
【0003】
アンテナユニット900は、図8(a)に示すように、回路基板及びアンテナ本体等を収容するためのボトムカバー910とトップカバー920とからなるケースを備え、ボトムカバー910の下面に受信状態を安定させるための安定用シールド板930が取り付けられている。トップカバー920には、回路基板に接続されたケーブル940を外部に引き出すための引出口927が設けられている。
【0004】
更に、図8(b)に示すように、ボトムカバー910における環状に突設された周側部912には、側方に開口するとともに下部に一対の係止突片部913a,913bを有する挿入部913が設けられており、この挿入部913にバックヨーク952が挿着保持される。
【0005】
バックヨーク952は、長辺部952cとその両端に垂設された短辺部952a,952bとからなるコ字状とされており、このバックヨーク952の各辺952a,952b,952cで画成される空間に直方体形状のマグネット954が装着されている。
【0006】
アンテナユニット900は、バックヨーク952に装着されたマグネット954の磁力により車両に吸着保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平08−125425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
アンテナユニット900のような車載アンテナ装置では、バックヨーク952をボトムカバー910に取り付けるためのネジ等の部品を必要としない。しかしながら、挿入部913が設けられている周側部912に一対の係止突片部913a,913bが形成されているため、挿入部913に挿入されたバックヨーク952内のマグネット954の下側の面と、アンテナユニット900が取り付けられる車両の取付け面との間に、一対の係止突片部913a,913bそれぞれの厚さ分だけ隙間ができてしまう。その結果、マグネット954と取付け面との間の磁力が弱くなり、アンテナユニット900の車両への取付けが不安定になってしまうという問題があった。
【0009】
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、車両へ安定して取り付けることができる車載アンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の車載アンテナ装置は、アンテナ素子と、前記アンテナ素子を収容するケースと、ヨークと共に前記ケースに保持される磁石と、を備え、前記磁石の磁力を利用して車両の取付け面に保持される車載アンテナ装置であって、前記ケースは、前記取付け面と対向する底面が裏側に設けられた底部と、前記底部の外周部から前記底部の表側に延出する側壁部と、前記磁石を前記ヨークと共に収容可能な切欠き部と、を有し、前記磁石は、前記取付け面と対向する吸着面を有し、前記ヨークは、前記吸着面の反対側から前記磁石を保持し、前記ヨークの所定の位置には、前記吸着面と平行な方向に突出する突出部が設けられ、前記切欠き部は、前記底面から表側に向かって凹となり、前記切欠き部の内壁には、前記突出部と係合可能な溝部が設けられ、前記突出部と前記溝部とが係合した時に、前記ケースの底面と前記磁石の吸着面とが略同一平面上に位置するように、前記突出部と前記溝部とが配置されている、という特徴を有する。
【0011】
このように構成された車載アンテナ装置は、車両の取付け面と対向するケースの底面と磁石の吸着面とが略同一平面上に位置するので、磁石の吸着面と車両の取付け面との間に隙間ができ難くなる。その結果、車両へ安定して取り付けることができる。
【0012】
また、上記の構成において、前記側壁部の外周面には、前記切欠き部と繋がる開口部が設けられ、前記ヨークは、前記磁石と共に前記開口部から前記切欠き部に挿入される、という特徴を有する。
【0013】
このように構成された車載アンテナ装置は、側壁部の外周面に設けられた開口部からヨークを磁石と共に切欠き部に挿入することで、磁石とヨークとを切欠き部に収容し易くなる。
【0014】
また、上記の構成において、前記磁石は、平面視で略長方形の一対の対向面を有し、前記一対の対向面のうちの一方が前記吸着面となり、前記ヨークは、前記一対の対向面のうちの他方と当接する天板部と、前記天板部から前記磁石を挟み込むように前記吸着面側に延出する側板部と、を有し、前記天板部は、前記対向面と対応するように平面視で略長方形の形状となっており、前記側板部は、前記天板部の短手方向の両端部にそれぞれ設けられ、前記突出部は、前記天板部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、前記ヨークは、前記天板部の短手方向に沿って前記切欠き部に挿入され、前記切欠き部は、前記天板部と対応するように平面視で略長方形の形状となっており、前記溝部は、前記切欠き部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられている、という特徴を有する。
【0015】
このように構成された車載アンテナ装置は、金属板等に曲げ加工を加えることで容易にヨークを形成することができ、ヨークの加工が簡単である。また、ヨークの天板部側に突出部を設けることによって、磁石の吸着面側の障害物を無くすことができ、ケースの底面と磁石の吸着面とを略同一平面上に位置させ易くなる。また、ヨークが天板部の短手方向に沿って切欠き部に挿入され、溝部が切欠き部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられているので、ヨークを切欠き部に挿入し易くなり、突出部と溝部とを係合させ易くなる。
【0016】
また、上記の構成において、前記突出部は、前記天板部の前記長手方向における当該突出部の幅が、前記ケースの内側方向に位置する程小さくなり、前記ケースの外側方向に位置する程大きくなるようなテーパ状となっている、という特徴を有する。
【0017】
このように構成された車載アンテナ装置は、突出部がテーパ状となっているため、ヨークを切欠き部に更に挿入し易くなると共に、ヨークを切欠き部から抜け難くすることができる。
【0018】
また、上記の構成において、前記突出部と前記溝部とが圧接して係合している、という特徴を有する。
【0019】
このように構成された車載アンテナ装置は、ヨークと切欠き部とが圧接によって係合しているので、磁石とヨークとをより強固に保持することができる。
【0020】
また、上記の構成において、前記ケースは、前記底部と前記側壁部とが設けられた下ケースと、前記側壁部の開口部を外側から覆うように前記下ケースに取り付けられる上ケースと、からなる、という特徴を有する。
【0021】
このように構成された車載アンテナ装置は、上ケースが下ケースの開口部を外側から覆うので、ヨークの抜けを防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の車載アンテナ装置は、車両の取付け面と対向するケースの底面と磁石の吸着面とが略同一平面上に位置するので、磁石の吸着面と車両の取付け面との間に隙間ができ難くなる。その結果、車両へ安定して取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態における車載アンテナ装置の分解斜視図である。
図2】車載アンテナ装置を示す斜視図である。
図3】車載アンテナ装置の裏面を示す平面図である。
図4】車載アンテナ装置の内部の構造を示す斜視図である。
図5】ヨークの構造を示す斜視図及びヨークの裏面を示す平面図である。
図6】ケースへのヨークの取付け説明図である。
図7】車載アンテナ装置の構造を示す断面図である。
図8】従来例に係るアンテナユニットの正面図及びヨークの取付け説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[実施形態]
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態である車載アンテナ装置100は、例えば、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)やITS(Intelligent Transport Systems:高度交通情報システム)等に用いられる車載アンテナ装置である。本発明の車載アンテナ装置の用途については、以下説明する実施形態に限定されるものではなく適宜変更が可能である。尚、本明細書では、各図面に対する説明の中で便宜上、右側、左側、後側、前側、上側、下側と記載している場合があるが、これらは、それぞれ各図面内で+X側、−X側、+Y側、−Y側、+Z側、−Z側を示すものであり、製品の設置方向や使用時の方向をこれらに限定するものではない。
【0025】
最初に、図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態における車載アンテナ装置100の構成について説明する。図1は、車載アンテナ装置100の分解斜視図であり、図2は、車載アンテナ装置100を示す斜視図であり、図3は、車載アンテナ装置100の裏面を示す平面図である。また、図4は、車載アンテナ装置100の内部の構造を示す斜視図である。尚、図4においては、内部の構造を示すため、上ケース12を除いて表示している。
【0026】
車載アンテナ装置100は、図1に示すように、回路基板35と、アンテナ素子30と、アンテナ素子30を回路基板35に接続する接続ピン33と、回路基板35及びアンテナ素子30を収容する、下ケース11と上ケース12とから成るケース10と、2個の磁石25と、この磁石25が収納されるヨーク20,21と、ケーブル40と、を備え、磁石25の磁力を利用して車両の屋根の上等の取付け面に吸着保持される車載アンテナ装置である。
【0027】
車両の屋根の上等に取り付けられる車載アンテナ装置100は、図2及び図3に示すように、ケース10の内部にアンテナ素子30が収容され、アンテナ素子30によって受信した信号が、ケーブル40によって車両内に搭載された通信装置(図示せず)に伝送される。ケーブル40は、車両に形成された通過孔等を介して車両内に取り込まれる。
【0028】
ケース10の上ケース12は、平面視で略正方形の直方体形状をしており、内部に下ケース11を収容するための領域を有している。下ケース11も、図4に示すように、平面視で略正方形の直方体形状をしており、内部にアンテナ素子30を収容するための領域を有している。
【0029】
下ケース11及び上ケース12は、合成樹脂によって形成されており、下ケース11と上ケース12とは、強嵌合によって一体化される。尚、上ケース12は、アンテナ素子30と外部とを通信可能とするため、合成樹脂によって形成されている必要があるが、下ケース11は、アルミニウム等の金属で形成されていても良い。
【0030】
ケース10の下ケース11は、図2及び図3に示すように、前述した取付け面と対向する底面11aが裏側、すなわち下側(−Z側)に設けられた底部11bと、底部11bの外周部から底部11bの表側、すなわち上側(+Z側)に延出する側壁部11cと、を有している。
【0031】
図3に示すように、下ケース11の底面11aは、車載アンテナ装置100の裏面の大部分を占めており、上ケース12は、上ケース12の下端部12aが底面11aの周囲を囲むように形成されている。尚、車載アンテナ装置100では、図2に示すように、上ケース12の下端部12aと下ケース11の底面11aは、略同一平面上に位置しているが、上ケース12の下端部12aが、下ケース11の底面11aよりも、僅か上になっていても良い。以下、下ケース11の底面11aを、ケース10の底面10aと称する場合もある。
【0032】
車載アンテナ装置100では表示していないが、ケース10の底面10aに、車載アンテナ装置100の機種名等を記載した厚さの薄いシートが貼付されていても良い。ケース10の底面10aにシートを貼付することにより、車両の取付け面が傷付けられることを防止することができる。
【0033】
回路基板35は、図4に示すように、下ケース11の底部11bの表側の中央部付近に配置されている。アンテナ素子30は、この回路基板35の上に実装されていると共に、接続ピン33を介して回路基板35上の電子回路(図示せず)に接続されている。
【0034】
尚、車載アンテナ装置100では、アンテナ素子30として、GPS(全地球測位システム)用の受信アンテナを想定しているが、アンテナ素子30が、例えば、ITS(高度交通情報システム)用のアンテナ素子等、他の用途のアンテナ素子であっても良く、その場合には、電子回路からアンテナ素子に送信用の電気信号が印加されても良い。また、ケース10内に種類の異なる複数のアンテナ素子が収容されていても良い。
【0035】
ケース10には、更に、図3及び図4に示すように、磁石25がヨーク20,21と共に保持されている。すなわち、磁石25はヨーク20,21に保持され、ヨーク20,21が、ケース10を構成する下ケース11の所定の位置に保持されている。尚、ヨーク20,21の下ケース11への保持構造については、この後、詳細に説明する。
【0036】
次に、図3乃至図7を参照して、ヨーク20,21の下ケース11への保持構造について説明する。図5は、磁石25に取り付けられたヨーク20の構造を示しており、図5(a)は、そのヨーク20の斜視図であり、図5(b)は、ヨーク20の裏面を示す平面図である。尚、図5に示すヨークとしては、ヨーク20,21のうち、図4における下ケース11の右側(+X側)に挿入されるヨーク20を代表として示しており、ヨーク21は省略している。また、図6は、ケース10へのヨーク20の取付け説明図であり、図6(a)は、ケース10へのヨーク20の取付け前の説明用斜視図であり、図6(b)は、ケース10へのヨーク20の取付け後の説明用斜視図である。更に、図7は、車載アンテナ装置100の内部の構造を示す、図2におけるA−A線から見た場合の断面図である。
【0037】
磁石25は、図1に示すように、平面視で略長方形の一対の対向面を有する略直方体形状となっている。本実施形態では、一対の対向面は略直方体形状の磁石25の下面25b(−Z側)と上面25c(+Z側)とであり、そのうちの一方、すなわち磁石25の下面25bが、車両の取付け面と対向する吸着面25aとなっている。そして、この吸着面25aと車両の取付け面との間の磁力によってケース10の底面10aが車両の取付け面に吸着保持される。
【0038】
ヨーク20は、例えば、鉄等の材質でできた軟磁性体の金属板に曲げ加工を加えて形成される。ヨーク20は、図1図5(a)、図5(b)に示すように、磁石25の上面25cと当接する天板部20bと、天板部20bから磁石25を挟み込むように吸着面25a側に延出する側板部20cと、を有している。天板部20bは、磁石25の上面25cと対応するように平面視で略長方形の形状をしている。側板部20cは、天板部20bの短手方向(X方向)の両端部にそれぞれ設けられており、天板部20bと側板部20cとで磁石25を挟み込むように磁石25を保持すると共に、磁石25とヨーク20とが磁力によって吸着して一体化するようになっている。尚、この構造は、図4における下ケース11の左側(−X側)に挿入されるヨーク21においても同様である。
【0039】
天板部20bの長手方向(Y方向)の両端部には、水平方向(Y方向)に突出する突出部20aがそれぞれ設けられている。突出部20aは、図5(b)に示すように、天板部20bの長手方向の+Y側及び−Y側の両端部それぞれにおいて、−X側に行く程、幅(Y方向の長さ)が小さくなり、+X側に行く程、幅が大きくなるようなテーパ状となっている。
【0040】
尚、ヨーク21も、図1に示すように天板部21bと側板部21cとを有し、天板部21bの長手方向(Y方向)の両端部にそれぞれ突出部21aが、設けられているが、ヨーク21は、図4に示すように下ケース11の左側(−X側)に挿入される。そして、ヨーク21における突出部21aは、図3に示すように、ヨーク20の場合とは逆に、ヨーク21の長手方向の+Y側及び−Y側の両端部それぞれにおいて、+X側に行く程、幅が小さくなり、−X側に行く程、幅が大きくなるようなテーパ状となる。即ち、ヨーク21の形状は、ヨーク20の形状に対して、ケース10の裏面の中心点C0を通るY軸方向の線B−Bを中心線とした線対称の形状となっている。
【0041】
下ケース11の所定の位置には、図6(a)に示すように、磁石25が保持されたヨーク20を収容可能な切欠き部13が設けられている。切欠き部13は、下ケース11の底面11aの外周部付近から表側、すなわち上側(+Z側)に向かって凹となるように切り欠かれた部分であり、下ケース11の+X側の側端部に設けられている。そして、切欠き部13は、ヨーク20の天板部20bと対応するように、平面視で略長方形の形状をしている。また、側壁部11cの外周面の切欠き部13と対応する位置には、切欠き部13と繋がる開口部13bが設けられている。また、切り欠き部13の内壁の所定の位置には、底面11aと平行な方向、すなわち水平方向(Y方向)に沿って凹となる溝部13aが設けられている。本実施形態では、溝部13aは、開口部13bの上端部付近から下ケース11の内側に向かって延びる凹溝である。
【0042】
ヨーク20は、図6(a)に示すように、磁石25を保持した状態で開口部13bから切欠き部13に挿入されて、図6(b)に示すように保持される。また、下ケース11の−X側の側端部にも、切欠き部13が形成されており、磁石25が保持されたヨーク21が、ヨーク20と同様に、切欠き部13に挿入されて保持される。
【0043】
前述したように、ヨーク20,21には、水平方向(Y方向)に凸となる突出部20a,21aが設けられている。ヨーク20,21の突出部20a,21aは、下ケース11の切欠き部13に設けられている溝部13aに係合する。
【0044】
当該ヨーク20,21の突出部20a,21aと切欠き部13の溝部13aとは圧接して係合するように、突出部20a,21aの厚さと溝部13aの溝幅とが適切に設定されている。そして、切欠き部13とヨーク20,21とが圧接によって係合するので、磁石25が保持されたヨーク20,21を下ケース11内に、より強固に保持することができる。
【0045】
更に、ヨーク20,21の突出部20a,21aは、前述したように、テーパ状となっている。ヨーク20の突出部20aは、その−X側の幅が小さくなっており、図6(a)に示すように、幅が小さくなっている側が先に切欠き部13へ挿入され、幅が大きくなっている+X側が後から切欠き部13へ挿入され、図6(b)及び図3に示すように、係合して保持される。
【0046】
また、ヨーク21の突出部21aは、その+X側の幅が小さくなっており、幅が小さくなっている側が、先に切欠き部13へ挿入され、幅が大きくなっている−X側が後から切欠き部13へ挿入され、図3に示すように、係合して保持される。
【0047】
言い換えれば、ヨーク20,21の突出部20a,21aは、ヨークの20,21の長手方向(Y方向)における当該突出部20a,21aの幅が、ケース10の内側方向に位置する程小さくなり、ケース10の外側方向に位置する程大きくなるようなテーパ状となっている。このような構造によって、ヨーク20,21の、下ケース11の切欠き部13への挿入性を良くすることができると共に、ヨーク20,21を切欠き部13から抜け難くすることができる。
【0048】
ヨーク20,21が挿入された下ケース11に上ケース12が取り付けられる前には、図6(b)に示すように、ヨーク20が下ケース11の切欠き部13の開口部13bから露出した状態となっているが、その後、上ケース12が下ケース11を覆うように取り付けられる。従って、図7に示すように、下ケース11の右側及び左側にある切欠き部13の開口部13bが上ケース12によって塞がれる。このように、上ケース12が下ケース11の開口部13bを外側から覆うので、ヨーク20,21の抜けを防止することができる。
【0049】
そして、ヨーク20,21は、図3及び図7に示すように、車載アンテナ装置100の裏側に位置する下ケース11の底部11bに磁石25と共に嵌め込まれた状態となる。
【0050】
前述したように、下ケース11の底面11aが車両の取付け面と対向して取付け面に保持されるケース10の底面10aとなっている。また、磁石25の下面25bが、車両の取付け面と対向して取付け面との間で磁力を発生させる吸着面25aとなっている。
【0051】
そして、車載アンテナ装置100では、ヨーク20,21の突出部20a,21aと切欠き部13の溝部13aとが係合した時に、図7に示すように、ケース10の底面10aである下ケース11の底面11aと磁石25の吸着面25aとが略同一平面上に位置するように、ヨーク20,21の突出部20a,21aと切欠き部13の溝部13aとが配置されている。尚、ケース10の底面10aと磁石25の吸着面25aとが略同一平面上に位置する状態には、底面10aの高さ位置と吸着面25aの高さ位置とが完全に一致している場合だけでなく、各部材の加工時の寸法ばらつき等に伴い、底面10aの高さ位置と吸着面25aの高さ位置とが僅かにずれている場合や、底面10a又は吸着面25aのどちらか一方に薄いシートを貼付したことにより、底面10aの高さ位置と吸着面25aの高さ位置とが僅かにずれている場合等も含まれる。
【0052】
従って、車載アンテナ装置100を車両の取付け面に取り付けた場合、車両の取付け面に対するケース10の底面10aと磁石25の吸着面25aとが略同一平面上に位置するので、磁石25の吸着面25aと車両の取付け面との間に隙間ができ難くなる。そして、通常、磁石25の吸着面25aと車両の取付け面との間の間隔が小さい程、磁石25の吸着面25aと車両の取付け面との間に発生する磁力は大きくなるので、車載アンテナ装置100を車両へ安定して取り付けることができるようになる。
【0053】
尚、前述したように、ケース10の底面10aを車両の取付け面に直接接触させず、ケース10の底面10aに車載アンテナ装置100の機種名等を記載したシートを貼付することも考えられるが、その場合、そのシートの厚さを、磁石25の磁力を低下させることのないように十分薄くすることによって、シートの厚さによる影響を受けないようにすることができる。
【0054】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0055】
車載アンテナ装置100は、車両の取付け面に対するケース10の底面10aと磁石25の吸着面25aとが略同一平面上に位置するので、磁石25の吸着面25aと車両の取付け面との間に隙間ができ難くなる。その結果、車両へ安定して取り付けることができる。
【0056】
また、側壁部11cの外周面11dに設けられた開口部13bからヨーク20,21を磁石25と共に切欠き部13に挿入することで、磁石25とヨーク20,21とを切欠き部13に収容し易くなる。
【0057】
また、ヨーク20,21は、磁石の上面25cと当接する天板部20b,21bと、天板部20b,21bから磁石25を挟み込むように吸着面25a側に延出する側板部20c,21cと、を有し、天板部20b,21bは、磁石25の上面25cと対応するように平面視で略長方形の形状となっている。このようなヨーク20,21は、金属板等に曲げ加工を加えることで容易にヨークを形成することができ、ヨークの加工が簡単である。また、ヨーク20,21の天板部20b,21b側に突出部20a,21aを設けることによって、磁石25の吸着面25a側の障害物を無くすことができ、ケース10の底面10aと磁石25の吸着面25aとを同一平面上に位置させ易くなる。また、ヨーク20,21が天板部20b,21bの短手方向に沿って切欠き部13に挿入され、溝部13aが切欠き部13の長手方向の両端部にそれぞれ設けられているので、ヨーク20,21を切欠き部13に挿入し易くなり、突出部20a,21aと溝部13aとを係合させ易くなる。
【0058】
また、突出部20a,21aがテーパ状となっているため、ヨーク20,21を切欠き部13に挿入し易くなると共に、ヨーク20,21を切欠き部13から抜け難くすることができる。
【0059】
また、切欠き部13とヨーク20,21とが圧接によって係合しているので、磁石25が収納されたヨーク20,21をより強固に保持することができる。
【0060】
また、上ケース12が下ケース11の開口部13bを側方から覆うので、ヨーク20,21の抜けを防止することができる。
【0061】
以上説明したように、本発明の車載アンテナ装置は、車両の取付け面に対するケースの接触面と磁石の吸着面とが略同一平面上に位置するので、磁石の吸着面と車両の取付け面との間に隙間ができることがない。その結果、車両へ安定して取り付けることができる。
【0062】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 ケース
10a 底面
11 下ケース
11a 底面
11b 底部
11c 側壁部
11d 外周面
12 上ケース
12a 下端部
13 切欠き部
13a 溝部
13b 開口部
20 ヨーク
20a 突出部
20b 天板部
20c 側板部
21 ヨーク
21a 突出部
25 磁石
25a 吸着面
25b 上面
25c 下面
30 アンテナ素子
33 接続ピン
35 回路基板
40 ケーブル
100 車載アンテナ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8