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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-197162(P2018-197162A)
(43)【公開日】2018年12月13日
(54)【発明の名称】用紙仕分け装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/36 20060101AFI20181116BHJP
【FI】
   B65H31/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-103236(P2017-103236)
(22)【出願日】2017年5月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】樋口 武士
【テーマコード(参考)】
3F054
【Fターム(参考)】
3F054AA01
3F054AC01
3F054BA02
3F054BG13
3F054DA07
(57)【要約】
【課題】用紙仕分け装置において、ずらし量を安定させた用紙仕分けを簡単な制御で行う。
【解決手段】用紙仕分け装置1は、用紙が載置される排紙台10と、この排紙台10へ搬送される用紙の搬送方向Tにおける先端に接触する突き当て部30と、搬送方向Tに交差する幅方向Wにおける用紙の位置を規制するサイドフェンス(右側フェンス21及び左側フェンス22)と、を備え、突き当て部30は、用紙の先端に接触することにより用紙の向きを当該用紙の表面と平行な面内で傾かせる接触位置P1と、当該接触位置P1から退避した退避位置P2と、に移動する接触部32を有し、サイドフェンス(21,22)は、接触部32に接触せず排紙台10に載置される第1の位置と、接触部32に接触して向きが傾けられて排紙台10に載置される第2の位置と、の両方の幅方向Wにおける位置を規制する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙が載置される排紙台と、
前記排紙台へ搬送される前記用紙の搬送方向における先端に接触する突き当て部と、
前記搬送方向に交差する幅方向における前記用紙の位置を規制するサイドフェンスと、
を備え、
前記突き当て部は、前記用紙の前記先端に接触することにより前記用紙の向きを当該用紙の表面と平行な面内で傾かせる接触位置と、当該接触位置から退避した退避位置と、に移動する接触部を有し、
前記サイドフェンスは、前記接触部に接触せず前記排紙台に載置される第1の位置と、前記接触部に接触して向きが傾けられて前記排紙台に載置される第2の位置と、の両方の前記幅方向における位置を規制する、
ことを特徴とする用紙仕分け装置。
【請求項2】
前記接触部は、前記幅方向において前記用紙の中心よりも一方側にずれた位置で前記用紙の先端に接触し、
前記用紙仕分け装置は、前記第1の位置よりも前記搬送方向における後方側で且つ前記第2の位置よりも前記幅方向における前記一方側に配置され前記第2の位置での前記用紙の向きを保持する保持部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1記載の用紙仕分け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙仕分けを行う用紙仕分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷後の用紙仕分けを行うため、複数の仕分けトレイを備えた後処理装置や、指定枚数の用紙毎にテープを介在させる装置(テープソータ)が知られているが、後処理装置の大型化やテープという消耗品の発生といった問題が生じる。
【0003】
一方、用紙仕分けを行う用紙仕分け装置として、用紙が突き当てられる突き当てフェンスや、用紙が載置される排紙台が移動することによって、用紙を搬送方向にずらすように仕分けを行う用紙仕分け装置が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。例えば、排紙台が上下動するとともに突き当てフェンスが搬送方向に移動することによって、用紙を搬送方向にずらすように仕分けを行う用紙仕分け装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
また、用紙の表面に接触させた回転体を回転させることで、用紙を傾ける用紙仕分け装置が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−168541号公報
【特許文献2】特開2005−132516号公報
【特許文献3】特開平9−235066号公報
【特許文献4】特開2013−220893号公報
【特許文献5】特開2000−26013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、用紙を搬送方向にずらすように仕分けを行う用紙仕分け装置は、突き当てフェンスから搬送方向における後方への用紙の跳ね返りなどによって、仕分けのずらし量が安定しない。特に、排紙台の載置面が搬送方向にかけて水平面に対して傾斜している場合には、仕分けのずらし量がより一層安定しない。更には、排紙台を上下動させる用紙仕分け装置は、用紙仕分け装置の大型化やコストアップ、更には制御の複雑化を招く。
【0007】
また、用紙の表面に回転体を接触させ、回転体を回転させる用紙仕分け装置は、仕分けの際に印刷動作を途中で止める必要があるために印刷効率がダウンしたり制御が複雑になったりすること、次の用紙が来るために回転体が用紙を保持できないこと、このように用紙を保持できないために傾けた用紙が用紙の剛性で元に戻りずらし量が安定しないこと、回転体が印刷面に接触するために印刷面が汚れることなどの問題がある。
【0008】
本発明の目的は、ずらし量を安定させた用紙仕分けを簡単な制御で行うことができる用紙仕分け装置を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様では、用紙仕分け装置は、用紙が載置される排紙台と、前記排紙台へ搬送される前記用紙の搬送方向における先端に接触する突き当て部と、前記搬送方向に交差する幅方向における前記用紙の位置を規制するサイドフェンスと、を備え、前記突き当て部は、前記用紙の前記先端に接触することにより前記用紙の向きを当該用紙の表面と平行な面内で傾かせる接触位置と、当該接触位置から退避した退避位置と、に移動する接触部を有し、前記サイドフェンスは、前記接触部に接触せず前記排紙台に載置される第1の位置と、前記接触部に接触して向きが傾けられて前記排紙台に載置される第2の位置と、の両方の前記幅方向における位置を規制する。
【発明の効果】
【0010】
前記態様によれば、ずらし量を安定させた用紙仕分けを簡単な制御で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態に係る用紙仕分け装置を搬送方向における前方側から見た斜視図である。
図2】一実施の形態に係る用紙仕分け装置を搬送方向における後方側から見た斜視図である。
図3】一実施の形態における用紙の仕分けを説明するための平面図(その1)である。
図4】一実施の形態における用紙の仕分けを説明するための平面図(その2)である。
図5】一実施の形態における仕分けが行われた用紙を示す斜視図である。
図6】一実施の形態における制御装置を説明するためのブロック図である。
図7】一実施の形態における用紙の仕分けを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る用紙仕分け装置について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、一実施の形態に係る用紙仕分け装置1を搬送方向Tにおける前方側から見た斜視図である。
【0014】
図2は、一実施の形態に係る用紙仕分け装置1を搬送方向Tにおける後方側から見た斜視図である。
【0015】
図3及び図4は、本実施の形態における用紙Sの仕分けを説明するための平面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、用紙仕分け装置1は、排紙台10と、サイドフェンスの一例である右側フェンス21及び左側フェンス22と、突き当て部30と、を備える。また、用紙仕分け装置1は、図2に示す保持部40と、図6に示す接触部駆動用モータ50と、を更に備えるとよい。
【0017】
排紙台10には、後述する突き当てフェンス31に先端が接触した用紙Sが載置される図3に示す第1の位置(第1の用紙S1)と、後述する接触部32に先端が接触して向きが傾けられた用紙Sが載置される図4に示す第2の位置(第2の用紙S2)と、に用紙Sが載置される。以下、第1の位置の用紙Sを第1の用紙S1とし、第2の位置の用紙Sを第2の用紙S2として説明する。これらの第1の用紙S1及び第2の用紙S2は、図5に示すように、ユーザが設定する枚数で交互に積載されるように仕分けられている。なお、第2の用紙S2の向きの傾きは、第2の用紙S2の表面(印刷面)と平行な面内での傾きである。
【0018】
右側フェンス21及び左側フェンス22は、用紙Sの排紙台10への搬送方向Tに交差する幅方向Wにおける用紙Sの位置を規制する。詳しくは後述するが、右側フェンス21及び左側フェンス22は、第1の用紙S1及び第2の用紙S2の両方の幅方向Wにおける位置を規制する。
【0019】
右側フェンス21は、搬送方向Tに向かって用紙Sの右側において、例えば、排紙台10から上方に突出するように設けられている。また、右側フェンス21は、切り欠き21aと、傾斜部21bと、軸支部21cと、を有する。
【0020】
切り欠き21aは、底面側(排紙台10側)に開口し、幅方向Wに右側フェンス21を貫通するように設けられている。また、切り欠き21aは、図4に示すように、搬送方向Tにおける第2の用紙S2の前方側及び右側の一部が挿入されることで、第2の用紙S2の向きが傾くのを許容する。また、右側フェンス21は、切り欠き21aに第2の用紙S2の一部が挿入された状態で、切り欠き21aの搬送方向Tにおける後端及び前端において第2の用紙S2の幅方向W及び搬送方向Tにおける位置を規制する(図4の符号C3−1,C3−2参照)。なお、搬送方向Tにおける前方とは、用紙Sが進む方向(下流側)であり、搬送方向Tにおける後方とは、用紙Sが進む方向とは反対方向(上流側)である。
【0021】
傾斜部21bは、右側フェンス21の搬送方向Tにおける後端に設けられ、用紙Sを受け入れやすくするために左側フェンス22とは遠ざかるように傾斜した板状部分である。なお、傾斜部21bの下端は、排紙台10よりも上方に位置する。
【0022】
図1に示すように、軸支部21cは、右側フェンス21の搬送方向Tにおける前端から前方に突出するように上下一対に設けられ、後述する接触部32の回動軸32dを回動可能に支持する。
【0023】
左側フェンス22は、搬送方向Tに向かって用紙Sの左側において、例えば、排紙台10から上方に突出するように設けられている。また、左側フェンス22は、傾斜部22aを有する。この傾斜部22aは、左側フェンス22の搬送方向Tにおける後端に設けられ、用紙Sを受け入れやすくするために右側フェンス21とは遠ざかるように傾斜した板状部分である。なお、傾斜部22aの下端は、排紙台10よりも上方に位置する。
【0024】
図3に示すように、搬送方向Tにおいて、右側フェンス21が第1の用紙S1をガイド可能な領域の長さL1(傾斜部21b及び軸支部21cを除く長さ)は、第1の用紙S1の長さとほぼ同一である。一方、搬送方向Tにおいて、左側フェンス22が第1の用紙S1をガイド可能な領域の長さL2(傾斜部22aを除く長さ)は、長さL1よりも短い。このように、左側フェンス22の上記長さL2が右側フェンス21の上記長さL1よりも短くなっていることで、左側フェンス22が第1の用紙S1の搬送方向Tにおける後方左側をガイドしない。そのため、図4に示すように、左側フェンス22は、第2の用紙S2の後方側及び左側の一部に干渉しないことで、第2の用紙S2の向きが傾くのを許容する。また、左側フェンス22は、傾斜部22aの根元部分である屈曲部分(搬送方向Tにおける前端)において第2の用紙S2の幅方向W及び搬送方向Tにおける位置を規制する(図4の符号C3−3参照)。
【0025】
なお、右側フェンス21及び左側フェンス22は、右側フェンス21の切り欠き21aと、左側フェンス22の上記長さL2が右側フェンス21の上記長さL1よりも短いこととによって、第2の用紙S2の幅方向W及び搬送方向Tにおける位置を規制しているが、これらはあくまで一例にすぎず、例えば、右側フェンス21に切り欠き21aが設けられるのに代えて、切り欠き21aに相当する位置で空間が生じるように互いに分離した複数の部材が右側フェンス21として機能してもよいし、或いは、左側フェンス22の長さL2を短くするのに代えて、左側フェンス22に切り欠きを設けてもよい。
【0026】
突き当て部30は、突き当てフェンス31と、接触部32と、を有する。突き当てフェンス31及び接触部32は、排紙台10へ載置される用紙Sの先端(前端)に接触する。
【0027】
突き当てフェンス31は、例えば、幅方向Wにおける用紙Sの中心において、排紙台10から上方に突出するように設けられている。
【0028】
接触部32は、本体平面部32aと、先端屈曲部32bと、弾性部32cと、回動軸32dと、を有する。
【0029】
本体平面部32aは、例えば矩形板状を呈する。本体平面部32aの一端側には、回動軸32dが設けられている。
【0030】
先端屈曲部32bは、本体平面部32aのうち回動軸32dが設けられた一端側とは反対の他端側から屈曲するように設けられている板状部分である。これにより、本体平面部32a及び先端屈曲部32bは、平面視においてL字形状を呈する。
【0031】
弾性部32cは、接触による用紙Sの先端へ加わる衝撃を和らげるために、先端屈曲部32bの先端(本体平面部32a側とは反対側)に設けられている。弾性部32cの一例としては、スポンジやゴムが挙げられる。
【0032】
回動軸32dは、上述の右側フェンス21の軸支部21cによって回動可能に支持されている。また、回動軸32dは、後述する図6に示す接触部駆動用モータ50の駆動によって回動する。
【0033】
接触部32は、回動軸32dを中心に回動することで、弾性部32cにおいて用紙Sの先端に接触(図4の符号C2参照)することにより排紙台10に載置される用紙(第2の用紙S2)の向きを傾かせる接触位置P1(図4参照)と、この接触位置P1から退避した退避位置P2(図3参照)と、に移動する。接触部32は、回動軸32dが右側フェンス21の軸支部21cに軸支されているため、接触位置P1において、用紙Sの先端のうち右側(幅方向Wにおいて用紙の中心よりも一方側にずれた位置の一例)で用紙Sに接触する。なお、図1及び図2では、接触位置P1にある接触部32を破線で示す。
【0034】
また、接触部32が退避位置P2にあるとき、突き当てフェンス31が用紙(第1の用紙S1)の先端に接触(図3の符号C1参照)する。ここで、用紙Sは、突き当てフェンス31又は接触部32に接触する高さと同一高さの位置において例えば印刷装置の排出ローラによって排出されることで搬送方向Tに水平に搬送されるか、或いは、上記の接触する高さよりも上方において例えば印刷装置の排出ローラから排出されることで斜め下方に搬送される。
【0035】
なお、本実施の形態では、接触部32は、回動軸32dを中心に回動するが、例えば直線状に接触位置P1と退避位置P2とに移動してもよいため、回動する構成に限定されない。また、本実施の形態では、接触部32が本体平面部32a、先端屈曲部32b、弾性部32c、及び回動軸32dを有する例について説明しているが、接触部32は、接触位置P1及び退避位置P2に移動し、接触位置P1において用紙Sの先端に接触することで用紙Sの向きを傾かせるものであれば、形状も限定されない。
【0036】
また、本実施の形態では、接触部32が右側フェンス21(軸支部21c)に設けられる例について説明しているが、接触部32は、左側フェンス22や突き当てフェンス31や排紙台10などの他の部材に設けられていてもよい。また、突き当てフェンス31が例えば回動して第2の用紙S2の向きを傾かせる位置に移動することにより、第1の用紙S1の先端のみならず第2の用紙S2の先端にも接触してもよい。この場合、突き当てフェンス31が接触部として機能することになる。
【0037】
保持部40は、第1の用紙S1よりも搬送方向Tの後方側で且つ第2の用紙S2よりも右側(幅方向Wにおいて用紙の中心よりも、接触部32が用紙Sに接触する側)に配置され、第2の用紙S2の傾けられた向きを保持する(図4の符号C3−4参照)。また、保持部40は、第1の用紙S1の搬送方向Tにおける後方側の位置を規制する。保持部40は、排紙台10から上方に突出するように設けられている。
【0038】
なお、保持部40は、排紙台10から上方に突出するように設けられているが、用紙仕分け装置1が配置される印刷装置等と一体に設けられていてもよいし、右側フェンス21などの他の部材に設けられていてもよい。
【0039】
図6に示す接触部駆動用モータ50は、接触部32の回動軸32dを回動させることによって、接触部32を接触位置P1及び退避位置P2に移動させる。
【0040】
制御装置100は、制御部101と、ROM(Read only memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、を有する。制御装置100は、用紙仕分け装置1に備えられていてもよいし、用紙仕分け装置1が配置される印刷装置等の他の装置の制御装置が兼用するものであってもよい。
【0041】
制御部101は、プロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit)を有し、制御プログラムを読み出して実行する。また、制御部101は、用紙Sの仕分け設定がされている場合に、仕分けを行うタイミングで接触部駆動用モータ50を稼動させ、接触部32を接触位置P1又は退避位置P2に移動させる。また接触部32の移動は駆動モータだけでなく、例としてソレノイドといった別の駆動手段によるものであっても良い。
【0042】
ROM102は、例えば、制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリである。なお、ROM102として、フラッシュメモリ等の、電力供給の停止に対して記憶データが不揮発性であるメモリを使用してもよい。
【0043】
RAM103は、例えば、制御部101が各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリである。
【0044】
以下、用紙Sの仕分けについて、上述の説明と重複する事項については適宜省略しながら説明する。
【0045】
図7は、用紙Sの仕分けを説明するためのフローチャートである。
まず、図6に示す制御部101は、接触部32を退避位置P2へ移動させる(ステップS1)。或いは、接触部32が既に退避位置P2にあるときには、制御部101は、接触部32を退避位置P2のまま待機させる。
【0046】
接触部32が退避位置P2にあるとき、印刷装置等から排出される用紙Sの先端は、図3に示すように、突き当てフェンス31に接触する。このように、接触部32に接触せず突き当てフェンス31に接触した用紙Sは、そのまま落下し、図3に示す第1の位置(第1の用紙S1)において排紙台10に載置される。
【0047】
制御部101は、設定枚数である所定数の印刷が完了した後(ステップS2:YES)、仕分け印刷を行う設定がされているかを判定する(ステップS3)。仕分け印刷を行う設定がされていない場合(ステップS3:NO)、図7に示す処理が終了する。
【0048】
一方、仕分け印刷を行う設定がされている場合(ステップS3:YES)、制御部101は、接触部32を退避位置P2から接触位置P1へ移動させる(ステップS4)。
【0049】
接触部32が接触位置P1にあるとき、印刷装置等から排出される用紙Sの先端は、図4に示すように、接触部32に接触し、向きが傾けられる。このように、接触部32に接触して向きが傾けられた用紙Sは、図4に示す第2の位置(第2の用紙S2)において排紙台10に載置される。
【0050】
なお、図4に示すように、用紙Sの先端が接触部32に接触した後には、用紙Sは、接触により向きが傾いた状態を右側フェンス21(符号C3−1,C3−2)と左側フェンス22(符号C3−3)と保持部40(符号C3−4)とにより保持されながら、排紙台10上に落下する。例えば、用紙Sは、右側フェンス21の2点(符号C3−1,C3−2)及び保持部40の1点(符号C3−4)のうちのいずれか2点と、左側フェンス22(符号C3−3)との合計3点に接触し、向きを保持される。
【0051】
制御部101は、所定数の印刷が完了した後(ステップ5:YES)、再び仕分け印刷を行う設定がされているかを判定する(ステップS6)。仕分け印刷を行う設定がされていない場合(ステップS6:NO)、図7に示す処理が終了する。
【0052】
一方、仕分け印刷を行う設定がされている場合(ステップS6:YES)、制御部101は、接触部32を退避位置P2へ移動させる処理(ステップS1)から上述の処理を繰り返すことになる。
【0053】
以上説明した本実施の形態では、用紙仕分け装置1は、用紙Sが載置される排紙台10と、排紙台10へ搬送される用紙Sの搬送方向Tにおける先端に接触する突き当て部30と、搬送方向Tに交差する幅方向Wにおける用紙Sの位置を規制するサイドフェンスの一例である右側フェンス21及び左側フェンス22と、を備え、突き当て部30は、用紙S(第2の用紙S2)の先端に接触することにより用紙Sの向きを当該用紙Sの表面と平行な面内で傾かせる接触位置P1と、当該接触位置P1から退避した退避位置P2と、に移動する接触部32を有し、右側フェンス21及び左側フェンス22は、接触部32に接触せず排紙台10に載置される第1の位置(第1の用紙S1)と、接触部32に接触して向きが傾けられて排紙台10に載置される第2の位置(第2の用紙S2)と、の両方の幅方向Wにおける位置を規制する。これにより、第2の用紙S2(第2の位置の用紙S)が第1の用紙S1(第1の位置の用紙S)に対して向きが傾いた状態で排紙台10に載置されるため、搬送方向Tにずらした位置で用紙Sが仕分けされる場合と比較して、第2の用紙S2として載置される用紙Sが接触部32に接触しても、第1の用紙S1側に接近する方向には跳ね返らない。また、右側フェンス21及び左側フェンス22が第1の用紙S1と第2の用紙S2との両方の幅方向Wにおける位置を規制する。これらによって、第1の用紙S1と第2の用紙S2とに用紙Sをずらす量が安定する。また、第1の用紙S1と第2の用紙S2との仕分けを行うための制御が、接触部32を接触位置P1と退避位置P2とに移動させる制御で足りる。したがって、本実施の形態によれば、ずらし量を安定させた用紙仕分けを簡単な制御で行うことができる。更には、接触部32が第2の用紙S2として排紙台10に載置される用紙Sの先端に接触するため、用紙の表面に接触する回転体を用いて用紙仕分けを行う場合と比較して、仕分けする用紙1枚ごとに回転体を退避させる必要がないために印刷等の効率のダウンや制御の複雑化や用紙を保持できない状況が生じるのを回避することができるとともに、用紙Sの印刷面が汚れるのを回避することができる。
【0054】
また、本実施の形態では、接触部32は、幅方向Wにおいて用紙Sの中心よりも右側(一方側の一例)にずれた位置で用紙S(第2の用紙S2)の先端に接触し、用紙仕分け装置1は、第1の位置(第1の用紙S1)よりも搬送方向Tにおける後方側で且つ第2の位置(第2の用紙S2)よりも幅方向Wにおける右側(接触部32が用紙Sに接触する側)に配置され第2の位置での用紙S(第2の用紙S2)の向きを保持する保持部40を更に備える。これにより、第2の用紙S2の向きを保持することができることができるため、ずらし量をより一層安定させた用紙仕分けを行うことができる。
【0055】
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0056】
[付記1]
用紙が載置される排紙台と、
前記排紙台へ搬送される前記用紙の搬送方向における先端に接触する突き当て部と、
前記搬送方向に交差する幅方向における前記用紙の位置を規制するサイドフェンスと、
を備え、
前記突き当て部は、前記用紙の前記先端に接触することにより前記用紙の向きを当該用紙の表面と平行な面内で傾かせる接触位置と、当該接触位置から退避した退避位置と、に移動する接触部を有し、
前記サイドフェンスは、前記接触部に接触せず前記排紙台に載置される第1の位置と、前記接触部に接触して向きが傾けられて前記排紙台に載置される第2の位置と、の両方の前記幅方向における位置を規制する、
ことを特徴とする用紙仕分け装置。
【0057】
[付記2]
前記接触部は、前記幅方向において前記用紙の中心よりも一方側にずれた位置で前記用紙の先端に接触し、
前記用紙仕分け装置は、前記第1の位置よりも前記搬送方向における後方側で且つ前記第2の位置よりも前記幅方向における前記一方側に配置され前記第2の位置での前記用紙の向きを保持する保持部を更に備える、
ことを特徴とする付記1記載の用紙仕分け装置。
【符号の説明】
【0058】
1 用紙仕分け装置
10 排紙台
21 右側フェンス
21a 切り欠き
21b 傾斜部
21c 軸支部
22 左側フェンス
22a 傾斜部
30 突き当て部
31 突き当てフェンス
32 接触部
32a 本体平面部
32b 先端屈曲部
32c 弾性部
32d 回動軸
40 保持部
50 接触部駆動用モータ
100 制御装置
101 制御部
102 ROM
103 RAM
P1 接触位置
P2 退避位置
S 用紙
S1 第1の用紙
S2 第2の用紙
T 用紙の搬送方向
W 用紙の幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7