特開2018-197830(P2018-197830A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-197830(P2018-197830A)
(43)【公開日】2018年12月13日
(54)【発明の名称】発光機能を備えた透明パネル
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20181116BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20181116BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20181116BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20181116BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20181116BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20181116BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20181116BHJP
   F21Y 107/70 20160101ALN20181116BHJP
   F21Y 109/00 20160101ALN20181116BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20181116BHJP
【FI】
   G02F1/13 505
   H01L33/58
   G02F1/13357
   G02F1/1333
   F21V19/00 170
   F21V19/00 150
   F21V9/10 400
   F21S2/00 481
   F21S2/00 482
   F21Y107:70
   F21Y109:00
   F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-103288(P2017-103288)
(22)【出願日】2017年5月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】特許業務法人 山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 宙人
(72)【発明者】
【氏名】半谷 明彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 功三郎
(72)【発明者】
【氏名】伊村 司
(72)【発明者】
【氏名】多田 励起
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
2H391
3K013
3K244
5F142
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088FA10
2H088GA10
2H088HA02
2H088HA03
2H088HA28
2H189AA04
2H189AA17
2H189AA32
2H189AA35
2H189AA64
2H189AA70
2H189AA72
2H189CA11
2H189CA36
2H189DA04
2H189FA31
2H189LA03
2H189LA05
2H189LA07
2H189LA20
2H189MA15
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB42
2H391CA10
2H391CA24
2H391CA34
2H391CB32
2H391CB43
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA13
3K244AA06
3K244BA11
3K244BA14
3K244BA18
3K244BA21
3K244BA26
3K244BA27
3K244BA39
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA19
3K244GA02
3K244GA20
3K244HA03
3K244HA04
3K244JA03
5F142AA84
5F142BA02
5F142CA11
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD16
5F142CD17
5F142CD49
5F142CG03
5F142DB16
5F142GA21
5F142GA28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外光に対して透明な状態と、点発光状態と、面発光状態とを切り換えることのできるパネルを提供する。
【解決手段】LEDダイ1と、LEDダイ1が搭載されたLED用光透過性基板2と、LED用光透過性基板2の表面に設けられ、LEDダイ1に接合された配線パターン3と、LED用光透過性基板2に積層された光拡散パネル20とを有する発光機能を備えた透明パネルが提供される。光拡散パネル20は、一対の液晶用光透過性基板21,22と、一対の液晶用光透過性基板21,22に挟まれた液晶層23と、液晶用光透過性基板21,22に配置された透明導電膜24,25とを含み、透明状態と光拡散状態とを切り替え可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDダイと、前記LEDダイが搭載されたLED用光透過性基板と、前記LED用光透過性基板の表面に設けられ、前記LEDダイに接合された配線パターンと、前記LED用光透過性基板に積層された光拡散パネルとを有し、
前記光拡散パネルは、一対の液晶用光透過性基板と、前記一対の液晶用光透過性基板に挟まれた液晶層と、前記液晶用光透過性基板に配置された透明導電膜とを含み、透明状態と光拡散状態とを切り替え可能であることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項2】
前記配線パターンは導電性粒子を含有することを特徴とする、請求項1に記載の発光機能を備えた透明パネル。
【請求項3】
前記配線パターンは、導電性粒子を焼結したものであることを特徴とする、請求項1あるいは2に記載の発光機能を備えた透明パネル。
【請求項4】
前記配線パターンは、導電性粒子を電磁波によって焼結したものであることを特徴とする、請求項3に記載の発光機能を備えた透明パネル。
【請求項5】
前記導電性粒子は、金属あるいは金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項1,2,3および4のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネル。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記LEDダイは、電磁波焼結により前記配線パターンに接合されていることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記LED用光透過性基板は、前記LEDダイを搭載していない面が前記光拡散パネルに固定されていることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記LED用光透過性基板には、前記LEDダイを埋め込むように封止樹脂層がさらに搭載され、前記封止樹脂層の表面は、前記光拡散パネルに固定されていることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記LED用光透過性基板は、前記液晶用光透過性基板を兼用し、一方の面が前記液晶層と接し、他方の面に前記LEDダイが搭載されていることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記光拡散パネルを2以上含むことを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項11】
請求項10に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記複数の光拡散パネルの透明導電膜は、それぞれ複数の領域に分割され、当該領域ごとに電圧を印加可能な構造であることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項12】
請求項10に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記複数の光拡散パネルの透明導電膜は、前記光拡散パネルごとに面積が異なることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項13】
請求項10に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記LEDダイを搭載した前記LED用光透過性基板は、2枚の前記光拡散パネルの間に挟まれていることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項14】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記光拡散パネルに積層された液晶表示デバイスをさらに有し、
前記液晶表示デバイスは、一対の液晶用光透過性基板と、前記一対の液晶用光透過性基板に挟まれた液晶層と、前記液晶用光透過性基板に配置された透明導電膜および偏光層を含み、前記液晶表示デバイスには、前記LEDダイから発せられ、前記光拡散パネルを通過した光が入射することを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項15】
請求項14に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記光拡散パネルは、前記LEDダイが搭載されたLED用光透過性基板の両面にそれぞれ配置され、それぞれの前記光拡散パネルに、前記液晶表示デバイスが積層されていることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記複数のLEDダイは、間隔をあけて縦横に配列して配置されていることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項17】
請求項16に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記配線パターンはそれぞれ、縦方向の配線パターンと、横方向の配線パターンとを含み、前記縦方向の配線パターンと横方向の配線パターンとが交差する位置あるいはその近傍に前記LEDダイが配置され、前記複数のLEDダイに個別に電流を供給可能であることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項18】
請求項1ないし17のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記配線パターンは、幅に対する厚みの比率(=厚み/幅)が1/100以上であることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【請求項19】
請求項1ないし18のいずれか1項に記載の発光機能を備えた透明パネルであって、前記配線パターンは、前記光透過性基板の表面に直接固着していることを特徴とする発光機能を備えた透明パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を内蔵し、拡散状態の異なる光を照射できる透明パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
出射光の拡散状態を任意に変化させることができる光源装置が、特許文献1に開示されている。この光源装置は、高分子分散液晶層を透明基板で挟んだ液晶パネルの下面に、蛍光灯の点光源またはLEDパネル等の面光源を配置した構造であり、液晶パネルに印加する電圧を変化させることにより、液晶パネルが光源からの光を拡散する度合を変化させる構造である。
【0003】
一方、特許文献2には、点光源からの光をミラーで反射して液晶パネル(液晶散乱板)に照射し、液晶パネルを通過した光を、フレネルレンズで集光して検査対象の基板に照射する基板検査用の光源装置が開示されている。この光源装置は、液晶パネルに印加する電圧を制御することにより、液晶パネルを透明状態または不透明状態に切り替える。液晶パネルが透明状態では点光源照明が検査対象基板に照射され、不透明状態では散乱光による面光源照明が検査対象基板に照射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−176295号公報
【特許文献2】特開2007−85781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および2の光源装置はいずれも、拡散状態の異なる光を照射することができるが、液晶パネルと光源とが別体であるため、液晶パネルとは別に別途、光源や反射ミラーを配置する必要がある。
【0006】
本発明の目的は、光源を内蔵しながら、外光に対して透明な状態と、点発光状態と、面発光状態とを切り換えることのできるパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によれば、LEDダイと、LEDダイが搭載されたLED用光透過性基板と、LED用光透過性基板の表面に設けられ、LEDダイに接合された配線パターンと、LED用光透過性基板に積層された光拡散パネルとを有する発光機能を備えた透明パネルが提供される。光拡散パネルは、一対の液晶用光透過性基板と、一対の液晶用光透過性基板に挟まれた液晶層と、液晶用光透過性基板に配置された透明導電膜とを含み、透明状態と光拡散状態とを切り替え可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光源を内蔵しながら、外光に対して透明な状態と、点発光状態と、面発光状態とを切り換えることのできる、発光機能を備えた透明パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの(a)断面図、(b)上面図。
図2】(a)〜(d)第1の実施形態の透明パネルの光源デバイスの製造工程を示す断面図。
図3】第2の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの(a)断面図、(b)上面図。
図4】第3の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図。
図5】第4の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図。
図6】第4の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの別の例の断面図。
図7】第5の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの(a)断面図、(b−1)〜(b−3)出射光束の強度分布を示す説明図。
図8】第5の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの(a)断面図、(b−1)〜(b−3)出射光束の強度分布を示す説明図。
図9】第6の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図。
図10】第7の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図。
図11】第8の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図。
図12】第8の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの別の例の断面図。
図13】第8の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの別の例の断面図。
図14】第8の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの別の例の断面図。
図15】(a)第8の実施形態の発光機能を備えた透明パネルを用いた車両用交通信号灯器の斜視図、(b)従来の車両用交通信号灯器の斜視図。
図16】第9の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの光源デバイス10の上面図。
図17】第9の実施形態の発光機能を備えた透明パネルのA−A断面図。
図18】第10の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの(a)断面図、(b−1)〜(b−4)上面の発光パターンの例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態の光源内蔵型発光デバイスについて図面を用いて説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
第1の実施形態の発光機能を備えた透明パネルは、図1(a)、(b)に断面図と上面図を示したように、LEDダイ1と、LEDダイ1が搭載されたLED用光透過性基板2と、LED用光透過性基板2の表面に設けられ、LEDダイ1に接合された配線パターン3を備えた光源デバイス10と、LED用光透過性基板に積層された光拡散パネル20とを備えて構成される。
【0012】
光拡散パネル20は、一対の液晶用光透過性基板21,22と、一対の液晶用光透過性基板21,22に挟まれた液晶層23と、液晶用光透過性基板21,22に配置された透明導電膜24,25とを含む。透明導電膜24,25から液晶層23に印加する電圧より、液晶層23の液晶分子の配列状態を変化させ、光を拡散する状態と透明な状態とを切り替えることができる。
【0013】
配線パターン3は、光透過基板の表面に銅箔等の金属物質を貼り付けた後にエッチング法等で所望の配線形状にし、必要に応じてめっき付けしたパターンや、導電性粒子とエポキシやシリコーンなどの熱硬化性物質を含んだインクを光透過基板上に形成し、熱などを印加して所望の配線形状に硬化したパターンや、導電性粒子と溶媒や分散剤を含有したインクを光透過基板上に形成し、熱や電磁波によって所望の配線形状に焼結したパターンなどを用いることができる。なお、ここでいう電磁波とは、紫外光、可視光、赤外光、マイクロ波の波長域のものを含む。
【0014】
LED用光透過性基板2は、LEDダイ1を搭載していない面が光拡散パネル20に固定されている。LEDダイ1は、光透過性基板2に向けて光を出射するように搭載されている。LED用光透過性基板2と光拡散パネル20の液晶用光透過性基板22とは密着しており、図1のように透明な接着層5や粘着層で貼り合わせた構造でもよいし、ネジ等を用いて機械的に固定されていてもよい。
【0015】
また、LEDダイ1の周囲には、透明な封止樹脂層4が配置されていてもよい。
【0016】
LEDダイ1は、パッケージ化されていないベアチップであり、数ミリ角程度以下の微小な大きさである。このような微小なLEDダイ1に電流を供給する配線パターン3は微細であるため、LEDダイ1と配線パターン3が外光を遮蔽する面積は極小さく、外光はそれ以外の領域においてLED用光透過性基板2を透過し、光拡散パネル20に入射する。
【0017】
光拡散パネル20の液晶層23を透明状態にする電圧が、透明導電膜24,25により液晶層23に印加されている場合、外光は、LED用光透過性基板2を透過し、光拡散パネル20の液晶用光透過性基板22、液晶層23および液晶用光透過性基板21を順に透過する。よって、液晶層23が光を透過する状態で、かつ、LEDダイ1が発光していない場合、本実施形態の透明パネルは透明であり、外光を透過する。
【0018】
なお、光拡散パネル20の液晶層23に電圧印加しない状態で液晶層23が透明状態である時も同様に透明パネルは透明であり、外光を透過する。
【0019】
液晶層23が透明な状態で、LEDダイ1を発光させた場合、LEDダイ1から発光された光は、発光時の広がり角をほぼ保った状態でLED用光透過性基板2を透過し、さらに、液晶用光透過性基板22、液晶層23および液晶用光透過性基板21を順に透過する。よって、液晶層23が光を透過する状態で、かつ、LEDダイ1を発光させた場合、本実施形態の透明パネルは、LEDダイ1の発光がほぼそのままの広がり角で光拡散パネル20の上面から外部に向かって照射する点発光光源となる。
【0020】
一方、光拡散パネル20の液晶層23が光を拡散する状態となるように透明導電膜24,25により電圧が印加されている場合、LEDダイ1を発光させると、LEDダイ1から発せられた光は、発光時の広がり角をほぼ保った状態でLED用光透過性基板2および液晶用光透過性基板22を透過した後、液晶層23に入射する。入射した光は、液晶層23において拡散されることにより液晶層23の光拡散度合に応じた面積まで広げられ、液晶用光透過性基板21を透過して出射される。液晶層23の光拡散の度合は、液晶層23の厚さや液晶分子の配向度合に依存する。よって、液晶層23が光を拡散する状態で、かつ、LEDダイ1を発光させた場合、本実施形態の透明パネルは、液晶層23の拡散度合に応じて所定の面積まで広げた光束を、光拡散パネル20の上面から外部に向かって照射する面発光光源となる。
【0021】
なお、電圧を印加しないで光拡散パネル20の液晶層23が光を拡散する状態となる場合も同様に面発光光源となる。
【0022】
このように、本実施形態の発光機能を備えた透明パネルは、光源を内蔵した構造でありながら、透明な状態と、点発光光源の状態と、面発光光源の状態の3つの態様をとることができる。
【0023】
また、本実施形態の透明パネルは、ガラスやフィルムのような液晶用光透過性基板21,22で液晶層23を挟み込んだ光拡散パネル20を用いることによって、点光源であるLEDダイ1を搭載したLED用光透過性基板2を光拡散パネル20に密着させた構造であっても均一な面発光を放出することが可能である。
【0024】
また、本実施形態では、光透過性基板2にLEDダイ1を実装した光源デバイス10を、光拡散パネル20に粘着や接着などの所望の方法を使用して直接貼り付けた構造をもつため、光源デバイス10と光拡散パネル20との間における光のロスを低減でき、光取り出し量の低下を抑制できる。
【0025】
また、光拡散パネル20の液晶層23において拡散された光の一部は、光源デバイス10側にも拡散されるが、本実施形態では、光源デバイス10の光透過性基板2の一部に配線パターン3が配置されているため、その反射特性により、光源デバイス10側に拡散された拡散光の一部を、再度光拡散パネル20に入射させることができる。よって、光のロスをより低減でき、光取り出し量の低下を抑制できる。
【0026】
また、光源デバイス10のLED用光透過性基板2としては、例えば25〜100μm厚さの薄い基板を用いることができ、そのような薄い基板2であっても本実施形態のように電磁波焼結によりLEDダイ1を実装できるため、光源デバイス10を薄型化することができる。よって、LEDダイ1を内蔵した透明パネルでありながら薄型化することができる。
【0027】
また、本実施形態の透明パネルは、光源デバイス10と光拡散パネル20が密着しているため、光源デバイス10のLEDダイ1および配線パターン3が発する熱によって、光拡散パネル20を温めることができる。よって、低温時であっても光拡散パネル20の液晶の応答速度低下を抑制でき、点光源状態と面光源状態とのスイッチング速度低下を抑制できる。
【0028】
また、本実施形態の透明パネルは、例えば配線パターン3が電磁波焼結した導電性粒子によって構成されている。このため、配線パターン3の形成時には、電磁波を集束して、LED用光透過性基板2上の配線パターン3を形成すべき箇所に配置した導電性粒子に照射することが可能で、LED用光透過性基板2の全面に熱を印加する必要が無い。このため、配線パターン3の形成時の加熱領域が、集束された電磁波のスポット径程度と極めて局所的になり、局所的な熱を周囲のLED用光透過性基板2に熱伝導させ、空気中に放熱することができる。この手法で実施すると、LED用光透過性基板2の温度上昇を抑制することができ、LED用光透過性基板2にダメージを与えることなく、配線パターン3を形成することができる。したがって、LED用光透過性基板2として樹脂等も用いることができる。
【0029】
また、電磁波焼結では、必要に応じて熱による焼結と組み合わせることで配線の幅に対する厚さの比(アスペクト比)が大きく、電気的に低抵抗な、微細な配線パターン3を形成することができるため、配線パターン3がLED用光透過性基板2を覆う面積を小さくすることが出来る。配線パターン3が外光やLEDダイ1からの光を遮蔽する面積を小さくすることができ、LED用光透過性基板2の透明性を維持することができる。特に、配線パターン3は、幅よりも厚さの方が大きいことが望ましい。これにより、配線パターン3が表示体5を覆う面積を小さくすることができるとともに、電気的に低抵抗にできる。
【0030】
配線パターン3の幅に対する厚みの比率は、厚み/幅=1/100以上であることが望ましく、厚み/幅=5/100以上であるとより望ましく、厚み/幅=10/100以上である場合には特に望ましい。また、配線パターン3に大電流を供給する場合は、厚み/幅=20/100以上であることが望ましい。
【0031】
また、電磁波焼結では、必要に応じて熱による焼結と組み合わせることで微細な配線パターン3を形成できるため、パッケージ化されていないLEDダイ1を配線パターン3に直接接合することができる。よって、小さなLEDダイ1を内蔵するパネルを形成することができるため、LEDダイ1が外光を遮蔽する面積を低減でき、多くの外光が透過できる透明パネルを提供できる。また、光源を内蔵する透明パネルでありながら、パネルの厚さを薄型化できる。
【0032】
なお、LEDダイ1は、配線パターン3上に、新たに塗布等により配置した導電性粒子を含有する物質等で接合しても良い。
【0033】
このとき、LEDダイ1は、電磁波焼結により配線パターンに接合されていることが望ましい。電磁波焼結により、LED用光透過性基板2の温度上昇を抑制しつつ、LEDダイ1を配線パターン3に接合することができる。
【0034】
なお、配線パターン3に使用する導電性粒子含有インク材料が吸収する波長であって、かつ、LED用光透過性基板2が透過する波長の電磁波を用いることにより、配線パターン3を形成する際に電磁波を集束させることなく照射して微細な配線パターン3を形成することも可能である。この場合も、LED用光透過性基板2は、電磁波を透過するため、全体に電磁波を照射しても、LED用光透過性基板2自身の電磁波吸収による温度上昇は生じず、配線パターン3の部分のみ加熱することが可能である。
【0035】
また、LEDダイ1と配線パターン3との接合を電磁波焼結により行った場合、LED用光透過性基板2が湾曲し、歪応力が加わっても、接合部に破断や剥離を生じにくく、耐久性を高めることができる。
【0036】
また、配線パターン3がLEDダイ1の発光時の発熱を熱伝導して効率よくLED用光透過性基板2に伝導することができるため、LEDダイ1の放熱性能を高めることができる。
【0037】
なお、図1(a)では、配線パターン3を、LED用光透過性基板2のLEDダイ1の搭載面に形成した例を示しているが、配線パターン3の一部は、LED用光透過性基板2の逆側の面に配置してもよい。
【0038】
上述してきた構成において、LED用光透過性基板2は、光を透過する基板であることが望ましく、その材質としては、ガラス、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミドなどを用いることができる。LED用光透過性基板2の厚さは、一例として25〜100μmである。
【0039】
配線パターン3は、光透過基板の表面に銅箔等の金属物質を貼り付けた後にエッチング法等で所望の配線形状にし、必要に応じてめっき付けしたパターンや、導電性粒子とエポキシやシリコーンなどの熱硬化性物質を含んだインクを光透過基板上に形成し、熱などを印加して所望の配線形状に硬化したパターンや、導電性粒子と溶媒や分散剤を含有したインクを光透過基板上に形成し、熱や電磁波によって焼結させたものを用いることができる。導電性粒子は、Au、Ag、Cu、Pd、ITO、Ni、Pt、Feなどの導電性金属および導電性金属酸化物のうちの1つ以上を用いることができる。電磁波による焼結では効率的に行うため、導電性粒子を含むインクの電磁波吸収特性を高める事が望ましく、導電性粒子の一部または全部がナノサイズ形状となっていることが望ましい。含まれる粒子サイズは一例として10〜150nmである。
【0040】
LEDダイ1としては、視認性向上に適した所望の波長の光を発するものを用いる。
【0041】
<<発光機能を備えた透明パネルの製造方法>>
<光源デバイス10の製造方法>>
つぎに、第1の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの製造方法を説明する。まず、光源デバイス10の製造工程を図2(a)〜(d)を用いて説明する。ここでは、配線パターン3を、導電性粒子と溶媒や分散剤を含んだインクを電磁波である光を用いて焼結する例について説明する。
【0042】
まず、図2(a)のように、導電性粒子と絶縁材料とが分散された溶液(インク)、もしくは、絶縁材料層で被覆された導電性粒子が分散された溶液を用意し、これをLED用光透過性基板2の表面に所望の形状で塗布する。塗布方法は、インクジェット、ディスペンス、フレキソ、グラビア、グラビアオフセット、スクリーン印刷手法などの方法を用いる事が可能である。これにより、LED用光透過性基板2の表面に、絶縁材料で被覆された導電性粒子の膜121を形成する。必要に応じて膜121を加熱し、溶媒を蒸発させて乾燥させる。膜121内には、導電性ナノ粒子が分散され、導電性ナノ粒子の周囲は絶縁材料で覆われた状態である。よって、本工程では、絶縁材料で完全に導電性ナノ粒子を覆っている場合には膜121は非導電性であるが、絶縁材料で覆わない部分も有する場合には導電性を有する。すなわち絶縁材料の種類、添加量によって導電性をコントロール可能となる。なお、膜121の形状は、形成すべき配線パターン3の形状になるように塗布してもよいし、一様な膜であってもよい。一様な膜である場合、配線パターン3以外の領域は、後工程で除去する。
【0043】
形成した未焼結の膜121の微粒子を焼結させるため、電磁波を照射することで局所的に配線部のみ加熱し、微粒子を焼結させる。電磁波は、フラッシュランプの様な光のパルス波、レーザー光の様な連続波、マイクロ波の様な長波長の電磁波を用いることができる。ここでは、まず、図2(b)のように、LEDダイ1を、その電極31aが膜121に接触するように、未焼結の配線パターン3に搭載する。つぎに、図2(c)、(d)のように、LED用光透過性基板2を透過させて光束12を膜121に照射する。この方法では、例えば配線パターン3の形成と、LEDダイ1と配線パターン3との接続とを、光束12の照射により同時にまたは連続して行うことができる。具体的には、図2(c)のように、LED用光透過性基板2の、膜121が形成されていない側から光束12を電極31aとLED用光透過性基板2の間の領域に照射して、膜121の導電性粒子を電磁波焼結し、電極接続領域となる配線パターン3を形成する。さらに、図2(d)のように、光束12を照射し、他の配線パターン3も形成する。形成順序は、他の配線パターンを形成した後にLEDダイ1の電極接続領域となる配線パターン3を形成しても良い。
【0044】
また、配線パターン3形成後、配線パターン3と電極31aの間に未焼結の導電性粒子含有インクをさらに塗布し、LEDダイ1の電極31aを搭載した後、さらに光束12を照射することで電極接続領域を形成することも可能である。
【0045】
膜121の光束12が照射された領域は、導電性粒子が光のエネルギーを吸収して温度が上昇する。これにより、導電性粒子は、その粒子を構成する材料のバルクの融点よりも低い温度で溶融するとともに、導電性粒子の温度上昇に伴い、周囲の絶縁材料層は多くが蒸発し、一部が残存した場合で軟化する。そのため、溶融した導電性ナノ粒子は、隣接する粒子と直接融合するか、もしくは、軟化した絶縁材料層を突き破って隣接する粒子と融合する。これにより、導電性粒子同士が焼結され、LED用光透過性基板2の上面に導電性の配線パターン3が形成される。このとき、溶融した導電性粒子は、LED用光透過性基板2に固着する。特に、LED用光透過性基板2の膜121が形成されていない側の面から光束12を照射することにより、LED用光透過性基板2と配線パターン3の界面の固着強度を高めることができる。
【0046】
なお、上述のように、膜121の光束12の照射を受けた領域の導電性粒子は、光を照射することにより温度が上昇し、この熱は、導電性粒子の焼結に用いられるとともに、周囲の膜121、LED用光透過性基板2に伝導し、放熱される。よって、膜121のうち光束12の照射を受けた領域のみ、もしくは、その光束12の照射を受けた領域とその近傍領域のみが、導電性粒子が焼結される温度に到達し、その外側領域の膜121やLED用光透過性基板2の温度は、それらを構成する材料を溶融させたり変質させたりする温度には到達しない。すなわち、本実施形態では、膜121の一部領域のみに光束12を照射することにより、LED用光透過性基板2の温度上昇を抑制することができ、LED用光透過性基板2の電磁波焼結による変形や歪、白濁等の変質を防止することができる。また、LED用光透過性基板2がフレキシブルである場合にはそのフレキシブル性を維持することができる。
【0047】
図2(c)、(d)の工程では、形成される配線パターン3が多孔質(ポーラス)となるように形成することが望ましい。すなわち、隣接する導電性粒子同士は、全体が完全に溶融して混ざりあうのではなく、接触する界面で焼結され、焼結後の導電性粒子間の少なくとも一部に空孔を形成するような温度で電磁波焼結することが望ましい。例えば、光束12として、レーザー光を用い、通過するLED用光透過性基板2を溶融させない程度の照射強度で膜121に照射することにより、光束12が照射された膜121の領域に短時間に比較的大きなエネルギーを投入でき、導電性粒子を加熱して溶融させ焼結できるとともに、レーザー光の光束12の照射を停止することにより、周囲の膜121やLED用光透過性基板2への熱伝導により速やかに冷却することができるため、多孔質の配線パターンを形成することができる。言い換えると、膜121をレーザー光の光束12で焼結するときに、膜121が適切な温度になるように、光束12の照射強度を調節することで、多孔質の配線パターン3を形成できる。具体例としては、LED用光透過性基板2として、延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(融点250℃程度、耐熱温度150℃程度)を用い、LED用光透過性基板2の形状が維持されるようにレーザー光の光束12の強度を調整してLED用光透過性基板2の裏面から膜121に照射し、膜121の導電性粒子を焼結した場合、多孔質の配線パターン3を形成することができる。
【0048】
配線パターン3が多孔質である場合には、上述したように、配線パターン3自体が追随性(可撓性)を有するため、フレキシブルなLED用光透過性基板2を変形させた場合にも、それに伴って配線パターン3が追随するため、配線パターン3がLED用光透過性基板2からはがれにくく、ひび割れ等も生じにくい。よって、断線の生じにくい、フレキシブルな基板2を提供することができる。
【0049】
なお、図2(c)、(d)の工程において、膜121へ照射する際の光束12の形状は、マスクを通過させることにより配線パターン3の形状に整形してから照射してもよいし、照射スポットが円形や矩形の光束12を走査させて配線パターン3を描いてもよい。
【0050】
LEDダイ1を保護するために、LEDダイ1の周囲に封止樹脂層4を設ける場合には、未硬化の封止樹脂を所望の方法でLEDダイ1の周囲に充填してから熱やUVなど所望の方法で硬化させる。また、LEDダイ1を挟んで、光透過性基板2と対向するように別の光透過性基板を配置し、2枚の光透過性基板の間隙に毛細管現象や真空注入技術により樹脂を充填させた後、所望の方法で硬化させることも可能である。封止樹脂層3としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等の光透過性の樹脂材料を用いる。
【0051】
以上の工程により、配線パターン3とLEDダイ1が搭載されたLED用光透過性基板2、すなわち光源デバイス10を製造できる。
【0052】
図2の製造工程において、光束12は、LED用光透過性基板2の膜121が設けられている側の面から照射することももちろん可能である。この場合、LEDダイ1を搭載する電極の接続部分には電磁波焼結を使用できないが、他の配線パターン3は焼結できるため、電極接続部と配線パターン形成の工程をパラレルに実施することも可能である。
【0053】
なお、照射する光束12の波長は、膜121に含まれる導電性粒子に吸収される波長を用いる。照射する光は、紫外、可視、赤外いずれの光であってもよいし、マイクロ波であってもよい。例えば導電性粒子として、Ag、Cu、Au、Pdなどを用いた場合、400〜600nmの可視光を用いることができる。
【0054】
光を照射していない膜121の領域がある場合は、焼結が生じないため、この後の工程で除去する。例えば、有機溶媒等を用いて膜121を除去することが可能である。また、追加して光を照射したり、加熱をしたりすることによって、膜121を焼結させることもできる。
【0055】
配線パターン3を形成する工程で用いる導電性微粒子を含むインクとは、1μm以下のナノサイズ導電性粒子と絶縁材料とが分散された溶液、もしくは、絶縁材料層で被覆された導電性粒子が分散された溶液である。導電性粒子は、Au、Ag、Cu、Pd、ITO、Ni、Pt、Feなどの導電性金属および導電性金属酸化物のうちの1つ以上を用いることができる。導電性粒子の粒子径は、1μm未満のナノ粒子のみであってもよいし、1μm未満のナノ粒子と1μm以上のマイクロ粒子とが混合されていてもよい。溶液の溶媒は、有機溶媒や水を用いる。溶媒には、分散性を向上させる添加剤(ポリマー成分等)を添加し、また固着力を向上させるために樹脂成分(エポキシやシリコーン、ウレタンなど)を添加しても良い。
【0056】
膜121に少なくとも含有される絶縁材料、または、膜121の導電性粒子を被覆する絶縁材料としては、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、および、アクリル樹脂などの有機材料、ならびに、SiO、Al、TiOなどの無機材料、また有機と無機のハイブリット材料のうちの1以上を用いることができる。また、膜121において導電性粒子を被覆する絶縁材料層の好ましい厚みは導電性のコントロールによって異なるが、例えば絶縁性を有する場合は1nm〜10μm程度であることが好ましい。
【0057】
配線パターン3の大きさは、例えば1μm以上、厚みは、1nm〜50μm程度に形成することが可能である。また、配線パターン3の電気抵抗率は、10−4Ω・cm以下であることが望ましく、特に、10−6Ω・cmオーダーの低抵抗であることが望ましい。
【0058】
<光拡散パネル20の製造方法>
液晶用光透過性基板21,22としては、光を透過する基板、例えば、ガラス、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)等を用いることができる。透明導電膜24,25は、ITO(Indium Tin Oxide)などの金属酸化物を用いた透明導電材料で形成するか、または、Ag、Cuなどの導電性金属のメッシュ配線で形成する。また、液晶用光透過性基板21,22の液晶層23側の面には、配向膜としてポリイミド系材料で形成された膜を配置する。液晶用光透過性基板21,22の間隙を維持しつつその周囲を封止する封止樹脂層26は、エポキシ、シリコーン、アクリル系樹脂等により形成する。
【0059】
液晶用光透過性基板21,22として、例えば片面が研磨処理され、その表面にSiO2アンダーコートが施され、さらに、ITO製の透明導電膜24,25が成膜されたガラス(青板ガラス)を用意する。そして、透明導電膜24,25を所望のパターンに加工する。例えばフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程によって加工する。必要に応じて、ITO製の透明導電膜24,25の一部表面上にSiO2等の絶縁層を形成しても良い。透明導電膜24,25を金属メッシュ配線で形成する場合は、液晶用光透過性基板21,22上に形成された金属膜の上にマスクを配置し、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程によってメッシュ状に加工することにより、金属メッシュ配線の透明導電膜24,25を形成してもよい。また、金属メッシュ配線を形成する金属膜を、所望のパターンで液晶用光透過性基板21,22上に直接塗布して形成してもよい。塗布方法は、インクジェット、ディスペンス、フレキソ、グラビア、グラビアオフセット、スクリーン印刷手法などの方式を用いる事が可能である。この方法により、メッシュ状の金属膜を直接形成することも可能である。なお塗布する前に、液晶用光透過性基板21,22と金属膜との密着性を向上させるための表面処理を行ってもよい。例えば、プラズマ処理、UV処理、カップリング処理等で表面処理を施す。
【0060】
ガラス基板21,22を必要に応じてアルカリ溶液等で洗浄後、配向膜材料をフレキソ印刷法などで塗布した後、クリーンオーブン内にて所望の温度、時間にて焼成し、配向膜を形成する。
【0061】
つぎに、綿製ラビング布を用い、基板21,22の配向膜にラビング処理を必要に応じて施す。ラビング処理は、必ずしも施さなくてもよい。一方の基板には、例えば乾式散布法にて所望の粒径のガラスもしくはプラスチックスペーサー(ギャップコントロールボール)を全面散布する。他方の基板の縁には、所望の粒径のロッド状ガラスもしくはプラスチックスペーサーが混入した製熱硬化型シール材(封止樹脂26)をディスペンサーなどで所望のパターンに塗布する。その後、両側基板を電極面が対向するようにして貼り合わせ、熱圧着などでシール材を硬化させて封止樹脂26を形成し、空セルを完成させる。なお、ここでは、液晶層23の厚さ保持のためギャップコントロールボールを用いたが、あらかじめ透明導電膜24,25上に樹脂製の柱状スペーサーを形成しておいてもよい。
【0062】
形成した空セルの基板21,22間の間隙に、例えば液晶材料を真空注入法によって注入した後、プレス処理をしながら封止し、所望の温度と時間にて焼成する。これにより、液晶セルが形成される。
なお、ここでは空セルを形成してから真空注入する方式について説明したが、液晶滴下工法(ODF工法)等の他の方法を用いることも可能である。例えば、ODF公報は、一方の基板にシール材と液晶材を形成しておき、もう一方の基板を貼り合わせながらプレス処理、熱処理、UV処理などで液晶セルを形成する。
【0063】
最後に、液晶セルの透明導電膜24,25の電極取り出し端子にリードフレームを取り付ける。以上により、光拡散パネル20が完成する。なお、リードフレームは、この後の光拡散パネル20と光源デバイス10との貼り合わせ後に取り付けてもよい。
【0064】
<光源デバイスと光拡散パネルの貼り合わせ工程>
光源デバイス10もしくは光拡散パネル20の一方もしくは両方に、光透過性樹脂層を形成し、両者を貼りあわせる。所望の硬化条件・軟化条件になるように熱してから貼りあわせてもよい。光透過性樹脂層としては、エポキシ、アクリル、シリコーン、ポリカーボネート、ポリスチレン、PET、PEN、ポリイミドなどを用いることができる。光透過性樹脂層の形成方法としては、塗布法や印刷法の他、光源デバイス10と光拡散パネル20とを微小な間隙をあけて対向させ、毛細管現象や真空注入技術により間隙内に樹脂を充填した後、必要に応じで樹脂を所望の方法で硬化させる方法を用いることができる。
【0065】
樹脂硬化で貼りあわせる以外の方法としては、光透過性を有する粘着性フィルムを光源デバイス10もしくは光拡散パネル20のどちらか一方もしくは両方に貼った後、この粘着性フィルムによって光源デバイス10と光拡散パネル20とを貼りあわせてもよい。
【0066】
上記貼りあわせ工程は、バッチ式で行ってもよいし、光源デバイス10および光拡散パネル20の光透過性基板2,21,22が、いずれも可撓性を持つ場合には、ラミネート方式や、ロール・トゥ・ロール方式で行ってもよい。
【0067】
光源デバイス10と光拡散パネル20の固定は、光透過性樹脂を用いる方法以外の方法を用いることも可能である。例えば、光透過性ではない樹脂を用い、デバイスの周囲部、もしくは微細なエリアで接着することにより光源デバイス10と光拡散パネル20の固定を行っても良い。また、ネジ止めやカシメ、フックなどでの嵌合により機械的に光源デバイス10と光拡散パネル20の固定を行ってもよい。
【0068】
<第2の実施形態>
第2の実施形態の発光機能を備えた透明パネルについて、図3(a)、(b)を用いて説明する。図3(a)、(b)は、第2の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図および正面図である。
【0069】
図3(a)のように、本実施形態では、光源デバイス10の向きが第1の実施形態とは逆であり、封止樹脂層4の表面が光拡散パネル20に密着し、固定されている。LEDダイ1の発光方向も第1の実施形態とは逆であり、封止樹脂層4の表面に向かって光を発するようにLED用光透過性基板2に搭載されている。封止樹脂層4の材料を使って光拡散パネル20に密着しても良いし、光源デバイス作製後に封止樹脂層4の表面に接着層などを設けて密着しても良く、また、ネジ止めやカシメ、フックなどでの嵌合により機械的に行ってもよい。
【0070】
本実施形態の発光機能を備えた透明パネルの他の構成および動作は、第1の実施形態と同様であり、外光に対して透明な状態と、点発光状態と、面発光状態とを切り替え可能である。
【0071】
<第3の実施形態>
第3の実施形態の発光機能を備えた透明パネルについて、図4を用いて説明する。図4は、第3の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図である。
【0072】
図4のように、本実施形態では、LED用光透過性基板2が、液晶用光透過性基板22を兼用している。兼用の光透過性基板2(22)は、一方の面が液晶層23と接し、他方の面にLEDダイ1および配線パターン3が搭載されている。他の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0073】
本実施形態の発光機能を備えた透明パネルは、第1の実施形態と同様の作用および効果を達成できる他、LED用光透過性基板2と液晶用光透過性基板22とが兼用されているため、第1の実施形態の透明パネルよりも薄型化できるというメリットがある。また、材料コストも低減できる。
【0074】
本実施形態の発光機能を備えた透明パネルを製造する方法としては、兼用の光透過性基板2(22)に、図2(a)〜(d)の工程により配線パターン3とLEDダイ1を搭載した後、LEDダイ1を搭載してない側の面に配向膜を形成し、光拡散パネル20を組み立てる工程を行えばよい。
【0075】
この方法に限られず、別の製造工程とすることも可能である。まず、LEDダイ1を搭載する前に、兼用の光透過性基板2(22)を用いて、光拡散パネル20を組み立てる。その後、光透過性基板2(22)の表面に、図2(a)〜(d)の工程により配線パターン3とLEDダイ1を搭載する。このとき、図2(c)の工程において、光束12を照射する際には、透明導電膜24,25から電圧を印加して液晶層23を透明にした状態で、透明な光拡散パネル20を通して光束12を照射して電磁波焼結を行えばよい。これにより、基板2(22)を通して配線パターン3に電磁波を照射し焼結することができる。なお、電圧を印加しない状態で液晶層が透明な状態となる場合は、電圧を印加しないで電磁波による焼結を実施する事が出来る。
【0076】
<第4の実施形態>
第4の実施形態の発光機能を備えた透明パネルについて、図5を用いて説明する。図5は、第4の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図である。
【0077】
図5のように、本実施形態では、光拡散パネル20が液晶層を2層含む構造であることが第1の実施形態とは異なっている。2層の液晶層23−1と23−2との間には、液晶用光透過性基板27が配置されている。また、透明導電膜24−1,25−1が液晶層23−1を挟むように、透明導電膜24−2,25−2が液晶層23−2を挟むように、それぞれ配置されている。
【0078】
光源デバイス10は、第1の実施形態と同様に、LED用光透過性基板2が光拡散パネル20に密着するように配置されている。
【0079】
本実施形態では、液晶層23−1,23−2を2層にし、透明導電膜24−1,25−1および透明導電膜24−2,25−2から電圧を印加して、両者を光拡散状態にすることにより、LEDダイ1が発した光を2段階に拡散することができるため、より均一な面発光を実現できる。また、液晶層を1層のままとして層厚を2倍にすることで、2層にした場合と同様の拡散光の均一性が得られるが、透明導電膜から印加する駆動電圧が高くなる。本実施形態では、液晶層を2層にすることにより、駆動電圧を高くすることなく、拡散光の均一性を向上させることができるというメリットがある。
なお、電圧を印加しないで液晶層が透明な構成の場合は、液晶層を1層のままとして層厚を2倍にすると透明にするときの駆動電圧が高くなってしまう。
【0080】
他の構成および効果は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0081】
なお、光源デバイス10に搭載するLEDダイ1の数は、1個に限られるものではなく、図6のように2以上搭載することも可能である。LEDダイ1の数を複数にすることにより、1個の場合よりも、広い面積に均一に拡散された光を照射することができる。
【0082】
なお、本実施形態の透明パネルの光源デバイス10の向きを、第2の実施形態の図3のように逆向きにし、封止樹脂層4の上面を光拡散パネル20に密着させる構成にしてもよい。
【0083】
<第5の実施形態>
第5の実施形態の発光機能を備えた透明パネルを、図7図8を用いて説明する。図7(a)および図8(b)はそれぞれ、第5の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図であり、図7(b)および図8(b)は、光拡散パネル20から出射される光束の強度分布を示す正面図である。
【0084】
第5の実施形態では、光拡散パネル20が2以上(ここでは3層)の液晶層23−1〜23−3を含み、それぞれの液晶層を挟むように透明導電膜24−1、25−1〜24−3、25−3が配置されている。
【0085】
本実施形態では、液晶層23−1〜23−3にそれぞれ配置された透明導電膜24−1、25−1〜24−3、25−3の大きさを異ならせている。これにより、透明導電膜が印加する駆動電圧により、拡散状態と透明状態とが切り換えられる領域を液晶層23−1〜23−3ごとに異ならせている。
【0086】
具体的には、図7(a)の例では、透明導電膜はいずれも円形であり、LEDダイ1に最も近い液晶層23−3の透明導電膜24−3、25−3が最も小さく、LEDダイ1から離れるにつれ、透明導電膜24−2、25−2および透明導電膜24−1、25−1が順次大きくなるように構成されている。
【0087】
電圧を印加した時に液晶層が透明となる構成とした場合は、これにより、LEDダイ1に最も近い液晶層23−3の透明導電膜24−3、25−3から液晶層23−3を光拡散状態とする電圧を供給し、他の液晶層23−2,23−1の透明導電膜24−2、25−2、24−1、25−1から、液晶層23−2,23−1を透明状態とする電圧を供給した場合には、LEDダイ1から発せられた光束は、液晶層23−3の透明導電膜のあるエリア(24−3、25−3)のみで拡散されるため、図7(b−3)のように、光束径の拡散光が光拡散パネル20の上面から出射される。
【0088】
一方、LEDダイ1に近い2層の液晶層23−3、23−2を光拡散状態とするように透明導電膜24−3、25−3、24−2、25−2からそれぞれ電圧を供給し、LEDダイ1から最も遠い液晶層23−1を透明状態とするように透明導電膜24−1、25−1から電圧を供給した場合には、LEDダイ1から発せられた光束は、液晶層23−3の透明電極エリア(24−3、25−3)および液晶層23−2の透明電極エリア(24−2、25−2)の2層で拡散されるため、図7(b−2)のように図7(b−1)よりも光束径の大きな拡散光が光拡散パネル20の上面から出射される。
【0089】
さらに、3層すべての液晶層23−1〜23−3の透明導電膜24−1、25−1〜24−3、25−3からそれぞれ液晶層23−1〜23−3を光拡散状態とする電圧を供給した場合、LEDダイ1から発せられた光束は、3層の液晶層23−1〜23−3の透明電極エリア(24−1、25−1〜24−3、25−3)エリアで拡散されるため、図7(b−1)のように図7(b−2)よりもさらに大きな光束径の拡散光が光拡散パネル20の上面から出射される。
【0090】
このように、本実施形態では、拡散状態と透明状態とが切り換えられる領域を液晶層23−1〜23−3ごとに異ならせることにより、液晶層ごとに拡散状態とするか透明状態とするかを切り替えることで、出射される光束径を変化させることができる。
【0091】
また、LEDダイ1に最も近い液晶層23−3の透明導電膜24−3、25−3の大きさを、LEDダイ1から発せられる光束径より小さくことにより、中央部が拡散され、周辺部が拡散されていない、強度分布がグラデーションとなった光束を出射させることができる。液晶層23−2、23−1の透明導電膜の大きさを設計することにより、より複雑なグラデーションの光束を出射させることができる。これにより、発せられる光束のデザイン性の向上が期待できる。
【0092】
図7(a)の例では、3層の液晶層23−1〜23−3の透明導電膜24−1、25−1〜24−3、25−3をいずれもLEDダイ1の光軸を中心に配置したが、この配置に限られるものではない。
【0093】
図8(a)は、いずれも矩形で、大きさの異なる透明導電膜24−1、25−1〜24−3、25−3を液晶層23−1〜23−3の片側に寄せて配置した例である。図8(b−1)は、図8(a)の液晶層23−3の透明電極エリア(24−3、25−3)のみを拡散状態とするように透明導電膜24−3、25−3から電圧を印加した場合の出射光束である。図8(b−2)は、液晶層23−2の透明電極エリア(24−2、25−2)および23−3の透明電極エリア(24−3、25−3)を拡散状態とするように透明導電膜24−2、25−2、24−3、25−3から電圧を印加した場合の出射光束である。図8(b−3)は、3層すべての液晶層23−1〜23−3の透明電極エリア(24−1、25−1〜24−3、25−3)を拡散状態とするように透明導電膜24−1、25−1〜24−3、25−3から電圧を印加した場合の光拡散パネル20から出射光束である。
【0094】
<第6の実施形態>
第6の実施形態の発光機能を備えた透明パネルを、図9を用いて説明する。図9(a)は、第6の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図である。
【0095】
本実施形態では、各液晶層23−1〜23−3の透明導電膜24−1、25−1〜24−3、25−3が、いずれも面内方向に3分割されている。これにより、3分割された領域ごとに液晶層23−1〜23−3を拡散状態にするか透明状態にするかを選択することができるため、第5の実施形態よりもさらに複雑に光束径や強度分布のグラデーションを設計した光を出射することができる。
【0096】
本実施形態では、複数の液晶層構造としているが、単一の液晶層構造とすることも可能である。例えば、第一の実施形態の構造において、拡散状態のエリアを分けるように構成する。
【0097】
<第7の実施形態>
第7の実施形態の液晶デバイスを、図10を用いて説明する。図10は、第7の実施形態の液晶デバイスの断面図である。
【0098】
図10のように、本実施形態の液晶デバイスは、第1の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの光拡散デバイスの表面に、液晶表示パネル50を密着させて搭載した構造である。第1の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの光拡散デバイスは、液晶表示パネル50の光源として動作する。
【0099】
液晶表示パネル50は、広く知られた構造であるため、ここでは簡単に説明する。液晶表示パネル50は、液晶層51を光透過性基板52,53で挟んだ構成である。液晶層51は前述の液晶層23とは異なる機能を果たすものであり、通常は液晶層23とは別の材料で構成される。光透過性基板52,53の液晶層51に接する面には、透明導電膜54,55が備えられている。透明導電膜54,55は、表示すべき内容に応じて、パターニングされている。光透過性基板52、53の外側の面に偏光層56,57が配置されている。これにより、透明導電膜54,55から液晶層51に電圧を印加することにより、偏光層57を通過した偏光を、偏光層56を通過する向きの偏光に変化させるように液晶分子を配列させた場合には、その透明導電膜54,55の領域は「明」表示となる。逆に、透明導電膜54,55から液晶層51に電圧を印加することにより、偏光層57を通過した偏光が、偏光層56を通過しない向きの偏光として出射するように液晶分子を配列させた場合には、その透明導電膜54,55の領域は「暗」表示となる。
【0100】
なお、液晶層に電圧を印加したときに偏光層57を通過した偏光が、偏光層56を通過する向きの偏光として出射するように液晶分子を配列させた場合には、上述の「暗」「明」表示は逆となる。
【0101】
光拡散パネル20および光源デバイス10は、第1の実施形態で説明したように、透明状態と、点発光状態と、面発光状態に切り替え可能であるため、外光を液晶表示パネル50に入射させる状態と、点発光の照明を入射させる状態と、面発光の照明を入射させる状態とに切り替え可能である。よって、液晶表示パネル50は、それぞれの照明光の状態に応じて、異なる態様で表示を行うことができる。
【0102】
また、光拡散パネル20および光源デバイス10を密着させた第1の実施形態の透明パネルは、従来のバックライトと比較して薄型であるので、液晶表示デバイスを薄型化することができる。
【0103】
第7の実施形態の光拡散パネル20および液晶表示パネル50を光源デバイス10の上面だけでなく、下面、あるいは上面および下面の両面に形成することもできる。
【0104】
光拡散パネル20の全面、あるいは少なくとも一部に液晶表示パネル50を配置することにより、透明状態、点発光状態、面発光状態、遮光状態の少なくとも4パターンの状態を切り替え可能である。
【0105】
また、光源デバイス10の上面には、光拡散パネル20および液晶表示パネル50を搭載し、光源デバイス10の下面には液晶表示パネル50のみを搭載することもできる。この場合、光源デバイス10の下面側の液晶表示パネル50を制御することで、所望のときに下面側への光を遮光できるようになる。
【0106】
<第8の実施形態>
第8の実施形態の透明パネルを、図11を用いて説明する。図11は、第8の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図である。
【0107】
第8の実施形態の透明パネルは、第1の実施形態の透明パネルの光源デバイス10の両面に光拡散パネル20を配置した構造である。このような構造において、LEDダイ1として両面発光型のものを用いることにより、LEDダイ1の発する光を透明パネルの両面から上方および下方にそれぞれ出射することができる。
【0108】
すなわち、透明状態と、点発光状態と、面発光状態とを切り替え可能であるとともに、両面をそれぞれ点発光状態にするか面発光状態にするかを選択可能である。すなわち、上方の光拡散パネル20を拡散状態とし、下方の光拡散パネル20を透明状態とした場合には、上方が面発光状態、下方が点発光状態となる。同様に、上方が点発光状態、下方が面発光状態とすることも可能である。
【0109】
また、上方及び下方の光拡散パネル20を両方透明状態とし、LEDダイ1を発光させない場合には、透明パネルは、外光を透過する透明状態となる。
【0110】
図11の構造では、光源デバイス10の封止樹脂層4を挟んで、上下の構造が同じになるように、封止樹脂層4に接するように光透過性基板111を配置し、透明な接着層112を介して下方の光拡散パネル20を接着した構造である。
【0111】
ただし、本実施形態は、図11の構造に限定されるものではなく、図12のように、未硬化の封止樹脂層4の接着力を利用して、下方の拡散デバイス20を接着した後、封止樹脂層4を硬化させることにより、封止樹脂層4に直接下方の拡散デバイス20を接着した構造にしてもよい。
【0112】
また、図13に示したように、第2の実施形態と同様に、上方の光拡散パネル20の光透過性基板22に、光源デバイス10の光透過性基板2を兼用させる構造としてもよい。
【0113】
さらに、図14に示したように、上方の光拡散パネル20の光透過性基板22に、光源デバイス10の光透過性基板2を兼用させ、かつ、下方の光拡散パネル20の光透過性基板21を光源デバイス10の封止樹脂層4に直接接着した構造にしてもよい。
【0114】
第8の実施形態の両面発光可能な透明パネルを、車両用交通信号灯器150の光源151,152,153として用いた例を図15(a)に示す。本実施形態の透明パネルは、単一構造でありながら、両面から発光することができる。よって、従来の図15(b)の信号灯器のように、2台の信号灯器を背中合わせで配置する必要がなく、信号灯器の薄型化が可能である。
【0115】
<第9の実施形態>
第9の実施形態の透明パネルを、図16図17を用いて説明する。図16は、第9の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの光源デバイス10の上面図(ただし、封止樹脂層4は除去した状態)である。図17(a),(b)は、図16のAAおよびBB位置での透明パネルの断面図である。
【0116】
第9の実施形態の透明パネルの光源デバイス10は、LEDダイ1は、間隔をあけて縦横に配列して、マトリクス状に配置されている。
【0117】
マトリクス状に配置された複数のLEDダイ1の任意のLEDダイ1を個別点灯可能にするために、配線パターン3は、縦方向の配線パターン3−1と、横方向の配線パターン3−2とを含む。縦方向の配線パターン3−1と横方向の配線パターン3−2とが交差する位置にLEDダイ1が配置され、複数のLEDダイ1に個別に電流を供給可能である。
【0118】
光源デバイス10の封止樹脂層4の表面上には、図17(a)、(b)のように、第2の実施形態と同様に、光拡散パネル20が密着するように固定されている。
【0119】
このような構造により、所望の位置の1以上のLEDダイ1を発光させることができるため、所望のパターンや文字等の表示内容を表す発光を行うことができる。よって、光拡散パネル20を透明状態とするか拡散状態とするかを切り替えることにより、所望の内容を点発光状態または面発光状態で逐次表示する二次元ディスプレイを透明パネルにより実現できる。
【0120】
このとき、図17に示したように、LEDダイ1から上方に出射された光のうち、液晶層23を透過した光171は、液晶層23の状態に応じてそのまま、もしくは、拡散されて、光拡散パネル20の上面から出射される。一方、LEDダイ1の側面から出射された光や、液晶層23や透明導電膜25で反射された光は、光源デバイス10側に戻るが、その一部は、配線パターン3−1,3−2で反射され、再び液晶層23に入射して、光拡散パネル20の上面から出射される。
【0121】
このように、本実施形態の透明パネルは、配線パターン3−1,3−2により、光拡散パネル20で反射された光の一部を反射して再び光拡散パネル20に入射させることができるため、LEDダイ1の出射光の光取り出し効率を向上させることができる。
【0122】
なお、LEDダイ1を消灯し、光拡散パネル20を透明状態とすることにより、透明パネル全体を透明状態とすることもできる。
【0123】
<第10の実施形態>
第10の実施形態の透明パネルを、図18(a),(b)を用いて説明する。図18(a)は、第10の実施形態の発光機能を備えた透明パネルの断面図であり、図18(b−1)〜(b−4)は、透明パネルの光拡散パネル20の上面の発光パターン例である。
【0124】
図18(a)のように、本実施形態の透明パネルは、第1の実施形態と同様の構成であるが、透明導電膜24,25は、図18(b−1)〜(b−4)に示したように、所定の文字を示す領域24a、25aと、その周囲の領域24b、25bとに分割されている。
【0125】
所定の文字を示す領域24a、25aに、液晶層23を拡散状態にする電圧を印加し、その周囲の領域24b、25bに液晶層23を透明状態にする電圧を印加した場合、LEDダイ1の発光が拡散する領域24a、25aが面発光状態、その周囲が点発光状態となるため、図18(b−1)、(b−3)の表示となる。逆に、所定の文字を示す領域24a、25aに、液晶層23を透明状態にする電圧を印加し、その周囲の領域24b、25bに液晶層23を拡散状態にする電圧を印加した場合、LEDダイ1の発光が拡散する領域24b、25bが面発光状態となり、文字を示す領域24a、25aが点発光状態となるため、図18(b−2)、(b−4)の表示となる。
【0126】
また、LEDダイ1を消灯し、光拡散パネル20を透明状態とすることにより、透明パネル全体を透明状態とすることができる。
【0127】
図18(a)には、光源デバイス10がLEDダイ1が1つのみ備える例を記載しているが、本実施形態は、この構成に限られるものではない。例えば、複数のLEDダイ1を光源デバイス10に配置する構成や、さらには、複数のLEDダイ1を光源デバイス10の発光面に万遍なく配置する構成としてもよい。
【0128】
また、図1,3〜7,9〜14,17に示された実施形態についても前述の図18(a)の場合と同様に、LEDダイ1の個数は1つあるいは2つに限られず、複数のLEDダイ1を光源デバイス10の発光面に万遍なく配置する構成としてもよい。
【0129】
上述してきた各実施形態の透明パネルおよび液晶デバイスは、透明状態と面発光状態と点発光状態とを切り替え可能であるため、自動車のフロントガラスやリアガラスに用いることにより、通常の状態では透明であり、必要に応じて、面発光もしくは点発光で表示を行うことができる。よって、フロントガラスに表示を行うヘッドアップディスプレイや、緊急時に後続車両にリアガラス上で所定の表示を行う構造を実現できる。
【0130】
また、これら以外にも、照明機器(点発光/面発光照明、フレキシブル照明、自動車用照明(インテリア、エクステンション)など)、表示機器(シースルーディスプレイ、ウェアラブルディスプレイ、ヘッドアップディスプレイなど)、演出機器(遊技機器(パチンコ)用の演出照明・表示など)等に好適に用いることができる。
【0131】
なお、本実施形態の透明プレートを適用する装置が、透明プレートの透明状態を必要とせず、点発光状態と面発光状態とが切り替え可能であればよい場合には、図3(a)のLED用光透過性基板2として、不透明なものを用いることも可能である。
【符号の説明】
【0132】
1…LEDダイ、2…LED用光透過性基板、3…配線パターン、4…封止樹脂層、5…接着層、10…光源デバイス、20…光拡散パネル、21、22…液晶用光透過性基板、23…液晶層、24,25…透明導電膜、26…封止樹脂、50…液晶表示パネル、51…液晶層、52、53…光透過性基板、54,55…透明導電膜、56,57…偏光層、58…封止樹脂、111…光透過性基板、112…接着層、150…車両用交通信号灯器、151,152,153…光源

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
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図18