特開2018-197952(P2018-197952A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大成建設株式会社の特許一覧 ▶ ネットワーク・アライアンス株式会社の特許一覧

特開2018-197952建設余剰資材広域認定制度運用システム
<>
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000003
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000004
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000005
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000006
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000007
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000008
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000009
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000010
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000011
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000012
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000013
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000014
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000015
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000016
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000017
  • 特開2018197952-建設余剰資材広域認定制度運用システム 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-197952(P2018-197952A)
(43)【公開日】2018年12月13日
(54)【発明の名称】建設余剰資材広域認定制度運用システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20181116BHJP
   B65F 5/00 20060101ALI20181116BHJP
【FI】
   G06Q50/08
   B65F5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-102305(P2017-102305)
(22)【出願日】2017年5月24日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】512064985
【氏名又は名称】ネットワーク・アライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100122954
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 善太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 理弘
(72)【発明者】
【氏名】竹尾 健一
(72)【発明者】
【氏名】廣木 正行
(72)【発明者】
【氏名】茂木 章
(72)【発明者】
【氏名】石本 幸司
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 洋介
【テーマコード(参考)】
3E025
5L049
【Fターム(参考)】
3E025AA04
3E025CA01
3E025DE11
3E025EA02
3E025EA10
5L049CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】広域認定制度の利用性を高めるシステムを提供する。
【解決手段】複数の建設資材に関する広域認定制度を対象とする建設余剰資材広域認定制度運用システムであって、建設作業所から発生する建設余剰資材を品目別に収容し、情報コードが付された余剰資材回収台車を複数の建材メーカーが広域認定制度で共通に指定した運搬者が回収して拠点施設に集める作業所回収と、拠点施設から各建材メーカーが、広域認定制度で個別に指定した運搬者が納入する拠点回収とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の建設資材に関する広域認定制度を対象とする建設余剰資材広域認定制度運用システムであって、
建設作業所から発生する建設余剰資材を品目別に収容し、情報コードが付された余剰資材回収台車を複数の建材メーカーが広域認定制度で共通に指定した運搬者が回収して拠点施設に集める作業所回収と、拠点施設から各建材メーカーが、広域認定制度で個別に指定した運搬者が納入する拠点回収とを備えた、建設余剰資材広域認定制度運用システムであって、
インターネット回線と建設作業所端末、建材メーカー端末、拠点施設端末、作業所回収者端末、認定運搬者端末及び管理サーバを備えており、
管理サーバは、情報コードに基づいて、作業所回収及び拠点回収をコントロールするものであり、
作業所回収は、複数の建設資材に関する広域認定制度に共通に指定した運搬者であること、及び、拠点施設が指定した運搬者であることを判定して、回収を行い、
拠点回収は、個別の広域認定制度に対応する品目の建設余剰資材について、指定した認定運搬者であることを判定して、搬出を行うことを特徴とする建設余剰資材広域認定制度運用システム。
【請求項2】
作業所回収は、建設作業所端末から入力された回収予約情報に基づいて、近隣の建設作業所の回収台車情報を組み合わせて、回収スケジュールが決定され、当該スケジュールに基づいて回収を行うことを特徴とする請求項1記載の建設余剰資材広域認定制度運用システム。
【請求項3】
回収台車に付される情報コードには、少なくとも回収台車識別情報、製造者情報が表示され、
建設作業所端末から、建設作業所固有の情報、回収希望日時、品目名、建材メーカー名、回収台車数を入力し、
管理サーバは、建設作業所端末から入力された作業所固有の情報、回収希望日時、品目名、建材メーカー名、回収台車数を集計し作業所回収可否判定を行い、
回収予約された品目の建材メーカーが共通に指定している運搬者である作業所回収者の端末へ作業所回収スケジュールを出力して指示し、
作業所回収者は、回収台車を車輌に積み込む際に、作業所回収者端末から回収台車に付された情報コードを読み取り、読み取られた回収台車識別情報が指定を受けている各建材メーカーの品目と一致することを確認し、
管理者は、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、建設作業所別、建材メーカー別、工事業者別に集計し、
拠点施設は、拠点施設端末から、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、対象品目の広域認定品目対応の拠点回収者端末に拠点回収スケジュールを指示し、
建材メーカー端末は、回収量を入力すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の建設余剰資材広域認定制度運用システム。
【請求項4】
回収台車のID情報は、回収台車が空荷になったことが入力されると、管理サーバは回収台車のIDを更新することを特徴とする請求項3記載の建設余剰資材広域認定制度運用システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載された建設余剰資材広域認定制度運用システムを用いて、広域認定された建設余剰資材を回収する方法であって、
第1ステップ:回収台車にIDが付与されていない場合は建設作業所端末から管理サーバに回収台車IDコードを付与し、受けた後に回収台車IDを申請し、建材メーカー端末から広域認定された情報を管理サーバに登録する工程、
第2ステップ:建設作業所端末から建設会社名、住所、作業所名、工事業者名を管理サーバに登録する工程、
第3ステップ:建設作業所端末から広域認定対象の建設余剰資材の回収台車の識別コード、工事業者名を入力し、回収希望日を入力する工程、
第4ステップ:管理サーバは回収可否判定を行い、回収スケジュールを管理して作業所回収者端末、作業所端末に出力する工程、
第5ステップ:回収者が近隣の建設作業所を巡回して、回収対象の回収台車のコードを回収者端末から照会して、広域認定品目と認定された建設余剰資材の回収台車を回収して、拠点施設に搬入する工程、
第6ステップ:拠点施設において、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、広域認定品目別に回収台車を集積するとともに、建設作業所別、建材メーカー別、工事業者別に集計し、
拠点施設端末から、対象の広域認定品目に対応する指定運搬者端末に拠点回収スケジュールを出力し、
第7ステップ:特定品目に対応する指定運搬者は拠点から広域認定対象の建設余剰資材を回収し、荷卸し地に搬入し、建材メーカー端末から受け入れ量を入力することを特徴とする広域認定された建設余剰資材を回収する方法。
【請求項6】
第6ステップ又は第7ステップで回収台車が空荷になった情報を受けて、管理サーバは回収台車のID情報をクリアするか更新することを特徴とする請求項5記載の建設余剰資材を回収する方法。
【請求項7】
回収台車は、作業所から回収するトラックの荷台に合わせて規格化されたサイズとすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建設余剰資材広域認定制度運用システム又は請求項5又は6記載の建設余剰資材を回収する方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設作業所から発生する廃棄物の広域処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に従って処理することが制定されている。
廃棄物の内容に拘らず、建設作業所から発生する廃棄物については、原則として廃棄物処理法の厳しい適用を受ける。
具体的には、収集運搬を委託する際にも廃棄物処理法に基づく許可が必要となり、建設系のマニフェストの発行管理や最終処分の確認等が義務付けられる。また、自治体の行政区域にまたがる収集・運搬や処理に関して各行政の許可を取得することが必要とされた。
製品が廃棄物となったものであって、当該廃棄物の処理を当該製品の製造、加工、販売等の事業を行う者(=製造事業者)が都道府県の区域を越えて広域的に行うことにより、当該廃棄物の減量やリサイクル、その他の適正な処理が確保されることを目的として、廃棄物処理業に関する法制度の適用が緩和される環境大臣の認定による特例制度として広域認定制度が作られた。
広域認定制度とは、製造事業者等が、環境大臣の認定を受けて、自社製品が廃棄物となったもの(製品端材等)を広域的に回収し、製品原料等にリサイクル又は適正処理をする制度で、平成15年の法改正により創設され、平成15年12月1日から施行されている。認定を受けるのは製造、加工、販売等の事業を行う者であり、自社製品の配送会社とともに認定を受けることにより収集運搬・処分とも処理業の許可が不要となる。
広域認定制度に基づく再生、その手続としての「再生」処理は、認定を受けた製造事業者等又はその事業者から委託を受けた者が行う。収集運搬は、認定に含まれる認定運送業者が行うか、収集運搬業許可を有する処理業者が行う。
一般的には、排出事業者と認定を受けた製造事業者等とで基本契約を締結し、作業所ごとに覚書等を取り交わすことにより、処理委託契約締結となる。廃棄物処理法ではこの制度により処理委託する場合は、「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」の交付が不要とされている。しかし、前述の収集運搬許可業者に収集運搬を委託する場合には、産業廃棄物処理委託の締結、マニフェストの交付は必要である。
【0003】
廃棄物の一般的な回収に関する提案はいくつか存在し、建設作業所から発生する廃材の管理について、特許文献1(特開2005−301451号公報)には、作業所管理者端末が、廃棄物容器に収容された資材に係る廃棄物に関する廃棄物実績情報を入力すると、入力した廃棄物実績情報を廃棄物容器に装着された電子タグに書き込むと共に、廃棄物管理装置に送信し、廃棄物管理装置が、廃棄物実績情報を建設作業所管理者端末から受信すると、受信した廃棄物実績情報を記憶すると共に、受信した廃棄物実績情報と回収指示とを輸送業者端末に送信する廃棄物管理システムであって、住宅等の建物を建築する場合に、各建築工程において専門工事業者が排出した廃棄物を正確に管理することができると共に、当該廃棄物のリサイクル率を高め、さらに当該廃棄物に係る物流全体のコストと建物建築に係るコストとを低減させることができる廃棄物管理システム及び廃棄物管理方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−301451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、広域認定制度の利用性を高めるシステムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は小口の作業所も回収に参加できるように個別の広域認定の枠を越えて、複数の品目、複数の製造事業者の余剰資材を作業所から相積みして回収できることを実現したものである。また、建材メーカーには、まとめて搬入できるようにしたものである。全体の作業効率が向上し、作業所の管理業務、建材メーカーの管理業務を軽減し、通行する運搬車輌も減少し、作業所近隣の交通緩和を実現する発明である。
なお、本明細書に記載する建材メーカーは、広域認定されている製造事業者に相当する。
本発明の主な構成要素は次のとおりである。
1.複数の建設資材に関する広域認定制度を対象とする建設余剰資材広域認定制度運用システムであって、
建設作業所から発生する建設余剰資材を品目別に収容し、情報コードが付された余剰資材回収台車を複数の建材メーカーが広域認定制度で共通に指定した運搬者が回収して拠点施設に集める作業所回収と、拠点施設から各建材メーカーが、広域認定制度で個別に指定した運搬者が納入する拠点回収とを備えた、建設余剰資材広域認定制度運用システムであって、
インターネット回線と建設作業所端末、建材メーカー端末、拠点施設端末、作業所回収者端末、認定運搬者端末及び管理サーバを備えており、
管理サーバは、情報コードに基づいて、作業所回収及び拠点回収をコントロールするものであり、
作業所回収は、複数の建設資材に関する広域認定制度に共通に指定した運搬者であること、及び、拠点施設が指定した運搬者であることを判定して、回収を行い、
拠点回収は、個別の広域認定制度に対応する品目の建設余剰資材について、指定した認定運搬者であることを判定して、搬出を行うことを特徴とする建設余剰資材広域認定制度運用システム。
2.作業所回収は、建設作業所端末から入力された回収予約情報に基づいて、近隣の建設作業所の回収台車情報を組み合わせて、回収スケジュールが決定され、当該スケジュールに基づいて回収を行うことを特徴とする1.記載の建設余剰資材広域認定制度運用システム。
3.回収台車に付される情報コードには、少なくとも回収台車識別情報、製造者情報が表示され、
建設作業所端末から、建設作業所固有の情報、回収希望日時、品目名、建材メーカー名、回収台車数を入力し、
管理サーバは、建設作業所端末から入力された作業所固有の情報、回収希望日時、品目名、建材メーカー名、回収台車数を集計し作業所回収可否判定を行い、
回収予約された品目の建材メーカーが共通に指定している運搬者である作業所回収者の端末へ作業所回収スケジュールを出力して指示し、
作業所回収者は、回収台車を車輌に積み込む際に、作業所回収者端末から回収台車に付された情報コードを読み取り、読み取られた回収台車識別情報が指定を受けている各建材メーカーの品目と一致することを確認し、
管理者は、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、建設作業所別、建材メーカー別、工事業者別に集計し、
拠点施設は、拠点施設端末から、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、対象品目の広域認定品目対応の拠点回収者端末に拠点回収スケジュールを指示し、
建材メーカー端末は、回収量を入力すること、
を特徴とする1.又は2.記載の建設余剰資材広域認定制度運用システム。
4.回収台車のID情報は、回収台車が空荷になったことが入力されると、管理サーバは回収台車のIDを更新することを特徴とする3.記載の建設余剰資材広域認定制度運用システム。
5.1.〜4.のいずれかに記載された建設余剰資材広域認定制度運用システムを用いて、広域認定された建設余剰資材を回収する方法であって、
第1ステップ:回収台車にIDが付与されていない場合は建設作業所端末から管理サーバに回収台車IDコードを付与し、受けた後に回収台車IDを申請し、建材メーカー端末から広域認定された情報を管理サーバに登録する工程、
第2ステップ:建設作業所端末から建設会社名、住所、作業所名、工事業者名を管理サーバに登録する工程、
第3ステップ:建設作業所端末から広域認定対象の建設余剰資材の回収台車の識別コード、工事業者名を入力し、回収希望日を入力する工程、
第4ステップ:管理サーバは回収可否判定を行い、回収スケジュールを管理して作業所回収者端末、作業所端末に出力する工程、
第5ステップ:回収者が近隣の建設作業所を巡回して、回収対象の回収台車のコードを回収者端末から照会して、広域認定品目と認定された建設余剰資材の回収台車を回収して、拠点施設に搬入する工程、
第6ステップ:拠点施設において、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、広域認定品目別に回収台車を集積するとともに、建設作業所別、建材メーカー別、工事業者別に集計し、
拠点施設端末から、対象の広域認定品目に対応する指定運搬者端末に拠点回収スケジュールを出力し、
第7ステップ:特定品目に対応する指定運搬者は拠点から広域認定対象の建設余剰資材を回収し、荷卸し地に搬入し、建材メーカー端末から受け入れ量を入力することを特徴とする広域認定された建設余剰資材を回収する方法。
6.第6ステップ又は第7ステップで回収台車が空荷になった情報を受けて、管理サーバは回収台車のID情報をクリアするか更新することを特徴とする5.記載の建設余剰資材を回収する方法。
7.回収台車は、作業所から回収するトラックの荷台に合わせて規格化されたサイズとすることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の建設余剰資材広域認定制度運用システム又は5.又は6.記載の建設余剰資材を回収する方法。
【発明の効果】
【0007】
1.本発明は、広域認定制度に基づいて各社別に認定を受けている回収手続きを、相積みして、回収効率を高めることができる広域認定制度運用システムを実現した。
2.本発明では、作業所回収をする場合、回収者が対象の余剰資材に関する広域認定の指定を受けていることと、拠点施設の認定を受けていることの2つの条件を判定することにより、回収許可を与えて、広域指定されている複数種類の余剰資材を近隣の作業所から相積みして効率的に回収できるようにした。拠点施設では、集められた各種の余剰資材を分別して集約するので大量化できる。
拠点施設からの回収は、特定の種類の広域認定の指定を受けている回収者であることを判定して回収許可を与える。これにより、拠点施設で大量化された余剰資材を効率的に建材メーカー側に搬入できる。特定の種類の広域認定の指定を受けている回収者は、生産資材を工場などから出荷を担当する運搬者であり、出荷搬送量は大量であり、大型のトラックが使われる。この大型のトラックを拠点からの回収に使うことにより、効率化を図ることができる。
従来は、特定の広域認定を受けた回収者の大型トラックが作業所への新品の搬入と、使い残しの余剰資材を搬出することの両方を担っており、回収とトラックの積み荷は少量であり、非効率である。また、作業所では品目別、建材メーカー別に回収が行われることとなり、頻繁に行われるのでその度に担当者が対応せざるをえず、作業効率が悪い。搬出対応は頻繁であるが、個別の保存期間は長くなり、多くの種類の管理が必要で、保管スペースを要する。
本発明では、作業所回収を相積みすることができ、作業所の管理業務、保管スペースを省スペース化できる。作業所では運搬の非効率と管理業務の煩雑化のため、広域認定品でも産業廃棄物としてしまうこともあり、広域認定制度の活用が進まない要因の一つである。
本発明は、拠点施設を設け、作業所回収をダブル判定することにより、広域認定の法的条件をクリアするとともに、相積みを可能にして、作業所の管理業務の軽減、回収者の回収効率が向上する。拠点からの回収も大量化されるので、回収トラックも効率化され、搬入される建材メーカーも搬入回数が減るので管理業務が減少する。
3.余剰資材は、回収台車単位で規格化された単位で、作業所保管から拠点施設での管理がなされるので、管理業務効率化、システム化で扱いやすくい。また、拠点回収は建材メーカー側の受け入れ都合が良ければ、回収台車を使用することができ、一気通貫の余剰資材の管理が可能となる。
4.回収台車は、トラックの荷台に過不足なく積み込めるように、サイズを決めており、積み荷の効率が良い。また、作業所からの回収は、作業所から回収可能数を回収台車の個数とトラックの大きさによって配車スケジュールを立てることができ、容易である。
また、個々の余剰資材の形は様々で一定しないが、規格サイズの回収台車を使用することにより、一定の形状となり、取り扱いが容易である。作業所や拠点施設での管理も容易である。
5.回収台車は空荷になった時点で、IDコードがクリアされるが、IDコードに付随する属性がクリアされ、再利用に供される。なお、ワンウェイユースとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本システムの概念を示す図。(a)本システム概念、(b)従来の工期認定制度の概念を示す図。
図2】建設余剰資材広域認定制度運用システムの構成概要を示す図。
図3】建設余剰資材回収に関するフローの概略を示す図。
図4】具体的な機器構成例を示す図。
図5】具体的な機器構成例を示す図。
図6】管理サーバの構成の例を示す図
図7】作業所回収予約及び調整工程の概要例を示す図。
図8】作業所回収工程の概要例を示す図。
図9】拠点回収工程の概要例を示す図。
図10】広域認定されている建材メーカー工場荷降ろし工程の概要例を示す図。
図11】予約カレンダー例と積載可否判定の例を示す図。
図12】回収対象回収台車の照合と回収可否判定の例を示す図。
図13】拠点化回収例と回収台車入力情報の例を示す図。
図14】産業廃棄物処理法に基づく広域認定制度の概略を示す図。
図15】回収トラックと回収台車のサイズ関係を示す図。
図16】回収トラックと回収台車のサイズ関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、建設作業所から発生する各種の広域認定された建設資材の回収効率を向上させ、産業廃棄物となる量を減少させ、資材のリサイクルを促進する。
廃棄物処理法で規定されているマニフェストの作成や地域制限などを緩和した広域認定制度であるが、建設作業所での普及が進まず、建築資材の回収効率は向上せず、余剰資材が産業廃棄物として処理される割合も高いままである。これは、都市部での既存ビルの更新時期に入っており、狭隘な環境中で建て替える場合、廃棄物を長期間管理するスペースもないことや人手不足もあって管理業務の制限などの要因にもよる。
本発明は図1(a)に示す回収概念を実現するシステムを構築することにより、建設資材のリサイクル率を高め、再資源化を促進し、埋め立て処分される廃棄物の量を減らすことができる。また、作業所、回収車輌、建材メーカーの管理業務を軽減し、車輌効率を向上させることにより、回収にかかわる全般の業務量の軽減と省エネルギー化と作業所周辺のトラックの交通量を減少させることを実現するものである。
すなわち、本発明は、図1(b)では個別の品目、建材メーカーごとに運搬しているのに対し、廃棄物処理法の規定の枠内で図1(a)に示す作業所から複数品目、複数建材メーカーを相積みして回収し、拠点施設からは大型のトラックでまとめて運搬することを実現するシステムである。
これにより、作業所からスケジュールを決めて複数品目をまとめて回収することができるので、作業所管理が軽減し、回収を促進する。出入りするトラック量が減り、建設現場周辺のトラックの交通量が減る。拠点からの回収は大型トラックにまとめることができるので、建材メーカーへの搬入回数も減り、建材メーカーの管理業務も減る。
そして、利便性を高めることにより、広域認定制度を活用する建設資材の種類を増加させ、建設余剰資材にかかわる業務量の軽減とリサイクルを向上させるものである。
【0010】
現在、建設資材関係で広域認定制度を利用している主な品目と製造事業者は次のとおりであり、建築余剰資材の回収、再生は進んでいない。
(1)石膏ボード:吉野石膏(株)、(2)石膏ボード:チヨダウーテ(株)、(3)岩綿吸音板:大建工業(株)、(4)軽量気泡コンクリート:旭化成建材(株)、(5)軽量気泡コンクリート:クリオン(株)、(6)軽量気泡コンクリート:住友金属鉱山シボレックス(株)、(7)ロックウール:JFEロックファイバー(株)、(8)グラスウール:マグ・イゾベール(株)、(9)グラスウール:パラマウント硝子工業(株)、(10)グラスウール:旭ファイバーグラス(株)、(11)ケイ酸カルシウム板:日本インシュレーション(株) 、(12)ケイ酸カルシウム板:(株)エーアンドエーマテリアル、(13)ビニル系床材:インテリアフロア工業会、(14)木質系ボード:大倉工業(株)、(15)木質系ボード:日本ノボパン工業(株)、(16)発泡ポリスチレン:積水化成品工業(株)、(17)発泡ポリスチレン:(株)JSP、(18)ユニットバス及び回収台車材:(株)LIXIL、(19)タイルカーペット:(株)タジマ。
【0011】
本発明は、これらの複数の建設資材に関する広域認定制度を対象とする建設余剰資材広域認定制度運用システムである。
建設作業所から発生する複数の建材メーカーが生産した余剰資材を品目別、建材メーカー別に回収台車にまとめられ、情報コードが付される余剰資材回収台車を複数の建材メーカーが、広域認定制度で共通に指定した運搬者が回収して拠点施設に集める作業所回収と、拠点施設から各建材メーカーが、広域認定制度で個別に指定した運搬者が納入する拠点回収とを備えた、建設余剰資材広域認定制度運用システムである。
建設余剰資材広域認定制度運用システムは、インターネット回線と建設作業所端末、建材メーカー端末、拠点施設端末、作業所回収者端末、拠点回収者端末及び管理サーバを備えている。
【0012】
管理サーバは、情報コードに基づいて、建設作業所回収及び拠点回収をコントロールする。
このコントロールでは、作業所端末から入力された作業所固有の情報、回収希望日時、品目名、建材メーカー名、回収台車数を集計し作業所回収可否判定を行い、拠点施設が指定している運搬者であって、回収予約された品目の建材メーカーが共通に指定している運搬者に作業所回収スケジュールを指示する。
また、管理サーバは、拠点施設端末から、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、対象品目の広域認定品目対応の拠点回収者端末に拠点回収スケジュールを指示する。
【0013】
建設作業所では、端末から、回収台車のID取得などを行い、建設作業所固有の情報、回収希望日時、品目名、建材メーカー名、回収台車数などを入力する。
建設作業所固有の情報には、建設会社名、建設作業所名、住所などが含まれる。さらに、工事業者名を含むことがある。建設資材の調達は、工事業者管理の場合があるので、必要に応じて工事業者名が追加される。
【0014】
作業所回収は、前記複数の建設資材に関する広域認定制度に共通に指定した運搬者であること、及び、拠点施設が指定した運搬者あることを判定して、回収を行う。
また、作業所回収は、建設作業所端末から入力された回収予約情報に基づいて、近隣の建設作業所の情報を組み合わせて、回収スケジュールが決定され、該スケジュールに基づいて回収を行う。
作業所回収者は、回収台車を車輌に積み込む際に、作業所回収者端末から回収台車に付された情報コードを読み取り、読み取られた回収台車識別情報が指定を受けている各建材メーカーの品目と一致することを確認する。一致しない場合は、回収することはできない。
【0015】
拠点回収は、前記複数の建設資材に関する広域認定制度における個別の広域認定制度が指定した運搬者に対応する品目の建設余剰資材であることを判定して、搬出を行う。
拠点施設は、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、建設作業所別、建材メーカー別、工事業者別に集計する。
拠点施設端末から、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、管理サーバは、対象品目の広域認定品目対応の拠点回収者端末に拠点回収スケジュールを指示する。
建材メーカー端末では、回収量を入力する。
管理サーバは実績管理、月例報告などの報告を関係端末に送り、回収台車が空になったら回収台車のIDコード、付属情報などをクリアする。
【0016】
基本的な管理情報として次のようなものを備えている。
余剰資材の回収台車に付される情報コードには、少なくとも回収台車識別情報、建材メーカー情報が表示されている。
回収台車識別情報には、回収台車ごとの個別識別情報、作業所名、施工業者名が含まれ、この識別情報に後付で属性が紐付けされ、管理される。
製造者情報には、品目名、建材メーカー名、(これによって、広域認定制度登録品目か判別でき、最終荷卸し地も指定される)が含まれる。
【0017】
この建設余剰資材広域認定制度運用システムを用いて、広域認定された建設余剰資材は、次の工程に従って回収される。
第1ステップ:建材メーカー端末から広域認定(広域認定内容;建材メーカー、品目、指定運搬者、回収地、処理方法など制度による認定事項)された情報を管理サーバに登録する工程。
第2ステップ:建設作業所端末から建設会社名、住所、作業署名、工事業者名を管理サーバに登録する工程、
第3ステップ:使用する回収台車のIDコードの取得あるいは回収台車の固有IDを読み取る、前処理を行う。建設作業所端末から広域認定対象の建設余剰資材の回収台車の識別コード、工事社名を入力し、回収希望日を入力する工程、
第4ステップ:回収スケジュール調整工程、管理サーバは作業所からの入力を受けて、回収エリア内で回収ルートと回収量を調整して、回収スケジュールを策定して、回収者と作業所へ通知する。
第5ステップ:回収者が近隣の建設作業所を巡回して、回収対象の回収台車のコードを回収者端末から照会して、広域認定品目と認定された建設余剰資材の回収台車を回収して、拠点施設に搬入する工程、
第6ステップ:拠点施設において、受け入れた回収台車識別情報に基づいて、広域認定品目別に回収台車を集積するともに、建設作業所別、建材メーカー別、工事業者別に集計し、拠点施設端末から、対象の広域認定品目に対応する指定運搬者端末に拠点回収スケジュールを出力する工程。
第7ステップ:特定品目に対応する指定運搬者は拠点から広域認定対象の建設余剰資材を回収し、荷卸し地に搬入し、建材メーカー端末から受け入れ量を入力する工程。
【0018】
本発明で使用される回収台車は、作業所から回収するトラックの荷台に合わせて規格化されたサイズとすると回収効率向上に寄与する。
例えば、4トントラックの大きさを基準として、積み込める回収台車の個数を決める。4トントラックは、都市部でも容易に通行することができ、建設作業所付近の交通渋滞のリスクが少なく、作業所への出入りも容易である。
【0019】
本発明は、本システムに参加する個別の広域認定されている建設余剰資材を取り扱う資格と拠点施設からの取り扱い資格の双方を持つ運送者に作業所回収の資格を与えることとして、回収トラックに相積みできるようにしている。その確認として、作業所回収時に、両資格を持っていることを判定することとしている。
拠点回収資格の要件として参加広域認定の資格者とすることを今後認められることがあれば、この両資格認定は、拠点施設からの資格認定で満たすとして、判定することも可能である。
拠点施設からの回収は個別の広域認定によって許可された回収者が行うこととして、建材メーカー側の負担と煩雑さは発生せず、むしろまとめ搬入により搬入回数は減り、負担の軽減になる。
本システムでは、建設余剰資材の取り扱いを、規格化された回収台車によって行うことにより、不揃いの余剰資材を企画された形状として取り扱うことが可能となり、数量管理、トレーサビリティー管理が容易となる。
【0020】
1.システム構成
建設余剰資材広域認定制度運用システムは、インターネット回線と建設作業所端末、建材メーカー端末、拠点施設端末、作業所回収者端末、拠点回収者(広域認定の指定運搬者)端末及び管理サーバがつながっている。
実質的には、作業所回収と拠点回収とは分離されているので、別々の処理システムで管理され、管理サーバで統合される。
作業所回収システムは、建設作業所端末、作業所回収者端末、拠点施設端末と管理サーバがインターネット回線でつながっている。
拠点回収システムは、広域認定を受けている建材メーカー端末と拠点施設端末と管理サーバがインターネット回線でつながっている。
発生した建設余剰資材の流れと建材メーカーに搬入された数量の管理とフィードバックは、管理サーバで統合され、各関係端末に配信される。
管理サーバは、スケジュール調整を行い、回収日時と回収量を建設作業所端末と作業所回収者端末へ出力する。
作業所は、建設作業所端末から、回収希望日、余剰資材品目、建材メーカー、数量(回収台車数)を入力して予約する。
管理サーバは、配車可能なトラックを選択し、回収可能日を選定し、予約数量を演算して、回収ルートとスケジュールを決定し、配信する。
回収ルートは、あらかじめ回収するエリアと回収可能日を決めて、エリアに近い回収者のトラックを指定するなど、合理性をもって、仮スケジュールを決め、作業所端末は、回収可能日から選択して予約すると演算作業は複雑にならない。また、回収可能日が決まっていると、作業所と回収者の計画も立てやすい。
拠点回収は、拠点施設に特定の品目の建設余剰資材が溜まった時点で、拠点回収者端末へ回収指示を出し、拠点回収者から回収日の回答を得て、建材メーカー端末へ搬入日と搬入量を通知する。回収台車が空荷になった段階で、回収台車に付与された属性をクリアするか更新して再利用に供する。
作業所回収及び拠点回収時には、それぞれの資格要件を認定し、回収台車の情報を読み込み、スケジュールに決められた品目と数量と照合する。
したがって、複数の建設作業所から発生する余剰資材を相積みして、回収することができ、小規模作業所でも対応可能となり、回収が促進される。拠点回収は、建材メーカー出荷用に使用している大型のトラックの帰り車を利用して、輸送することができ輸送効率が上がり、建材メーカー搬入もまとめられて、搬入回数が減る。
本発明で使用される回収者はいずれも広域認定を受けており、現状の法規制をクリアした上で相積みを実現している。
【0021】
本システムの機器構成は、管理サーバ、端末で構成される。
管理サーバは、回収演算、作業用データベース、登録データベース、スケジュール管理、実績管理、照合管理などを保有する。
端末は、それぞれの参加者に端末がある。建設作業所端末、拠点施設端末、拠点回収者端末、建材メーカー端末、作業所回収者端末、携帯端末などがある。
【0022】
2.建設作業所
建設作業所は、例えば、ビル建設、道路建設、地下鉄建設、鉄道建設、河川改修など各地で行われており、同じ建設会社系列や他社建設会社など多種多様である。廃棄物処理法が適用されると、それぞれの建設作業所の責任で処理をする必要があり、近隣の同じ建設会社の建設作業所でもそれぞれ契約し手配することとなる。
建設作業所では、作業スケジュール、進捗状況によって、発生する廃棄物の種類、進入できる車輌の種類、時間などの制約がある。
本発明では、広域認定された複数の品目を対象とするものである。
したがって、建設作業所の端末から、住所、広域認定された余剰資材の品目、数量、利用可能な車輌種類、引き渡し可能な日時などの情報があらかじめ入力され、データベースに基礎データとして格納される。回収台車単位で回収がなされるので、作業所では、回収台車について、利用に関する情報を入力する。入力情報は、作業所名、品目名、工事業者名、建材メーカー名などである。
【0023】
3.建設余剰資材の種類
廃棄物の種類は、既存ビルなどから発生する物、新規建設に伴い発生する物など多岐多様である。
例えば、段ボール、電線くず、プラスチック、金属くず、設備機器、容器、木くずなどがある。設備機器は、ポンプ、配電盤、発電機、ボイラー、モーター、給湯器など、解体作業に伴って発生する副産物、建設工事に伴って発生する端材、仮設設備の搬出機材、包装品など様々である。
本発明では、これら多様な廃棄物のうち広域認定された建材メーカーの品目を対象とする。現時点では、先に挙げた20種類ほどであるが、広域認定品目が増えれば、それらも対象となる。現状では、広域認定で回収対象となるのは、新規に利用された建材の端材などが中心である。
【0024】
4.回収台車
回収台車は、規格化されたサイズであり、特に、回収トラックの荷台に合わせたサイズに製作することにより、回収トラックに積み込める個数が決まり、管理や運搬効率が良い。例えば、ある程度まとまった余剰資材が発生する建設作業所は、4トン車程度は通行でき、また、大型車輌ではないので近隣の交通迷惑も重大ではない。
また、例えば、回収台車は、キャスター付きとして、移動整理がし易く、収納部は折り畳み可能として、リサイクル利用、未使用時の保存スペースの削減ができるようにするのが望ましい。回収台車はワンウェイユースとすることも可能であり、ボックス形状でも利用される。回収台車のサイズに応じて、可能な収納量に対する品目別の重量も決まるので、回収台車数を回収重量に換算することが可能である。
4トン車を想定(図15参照)すると、荷台は約2100*6200mm程度であるので回収台車サイズは800(w)*1100(l)*1700(h)とすると、12個積載可能となる。重量換算は、例えば、石膏ボードは約450kg/台、グラスウールは、約45kg/台である。
また、さらに小さな2トン車を想定(図16参照)すると、荷台は約1600*3000mm程度であるので回収台車サイズは600(w)*800(l)とすると、8個積載可能となる。このサイズは、前記4トン車では21個積載可能となる。
この回収台車には、回収台車識別情報(ID)が付けられている。さらに、利用に応じて回収台車ごとの、作業所名、施工業者名、品目名、建材メーカー名などが含まれ、さらにこの識別情報に回収記録などが後付でその属性が紐付けされ、管理される。この回収台車は、拠点施設では、空荷になった回収台車の属性をクリアして、再利用する場合は作業所へ再配布する。クリア内容は、回収台車のIDを残すことも削除することも含まれる。回収台車のIDを削除する場合は、作業所で使用する最初に、回収台車ID取得申請を行い、管理サーバからIDの通知を受け、QRコードなどのIDタグを印刷して、回収台車に貼付する。また、IDを残す場合は、RFIDやバーコードなどを利用し、空荷情報によって、管理サーバは、属性をクリアする。回収台車をワンウェイユースにする場合は、IDはクリアされる。
製造者情報には、品目名、建材メーカー名、(これによって、広域認定制度登録品目か判別でき、最終荷卸し地も指定される)が含まれる。
【0025】
5.建材メーカー
本発明では、建材メーカーは、広域認定制度を利用している製造事業者である。現行の廃棄物処理法では、マニフェストや地域制限の緩和など受けるためには、広域認定を受ける必要があるので、法令上対象製造事業者は限定される。本発明によって利便性が向上して、広域認定利用建材メーカーが増加することが見込まれ、廃棄物処理法の理念が普及することが期待される。
本発明では、建設資材を対象としているので、広域認定制度で使用されている製造事業者を建材メーカーとして表すこととする。
【0026】
6.作業所回収者(回収車輌)
作業所回収者は、輸送トラックを用いて、建設作業所から拠点施設まで広域認定された建設余剰資材の運送を担当する者である。
提供できる車輌の種類、月日、時間、運送単価、運転手、運行可能な範囲等を入力する。
作業所回収者は、個別の広域認定制度の認定と拠点施設の認定の2つの認定資格を備える必要がある。
提供する車輌は、副産物専用の車輌、あるいは、他の用途との兼用も可能である。例えば、主に、午前中に配送が終了し、午後は空きになる車輌、あるいは、定期搬送便で片道は積荷があるが他の片道は空荷になるような車輌。工場と倉庫など特定のルートを搬送しているトラック便では、空荷になる時間と場所が一定になるので、副産物を回収する場所が空荷になる場所に近いと、利用性が良い。
本システムでは、広域認定された品目別に搬送するよりも、運搬費を軽減することができる。
なお、広域認定制度では、受け入れ量に応じて費用が作業所の負担となり、また、輸送費用も作業所の負担となる。本システムは、少なくとも輸送費用の軽減が可能となる。
【0027】
7.拠点施設
拠点施設は、中間施設であって、作業所回収者がこの施設に建設作業所から相積みした建設余剰資材を持ち込んで、この中間施設で品目別に集約してまとめて、拠点回収者が建材メーカー側へ搬出する機能を果たす。
本発明は、中間施設を設けることで、作業所に小口に点在する建設余剰資材を相積みすることができ、作業所では、多品目をまとめ搬出が可能となり、搬出回数が減り、管理業務が軽減される。拠点回収では、品目別にまとめられるので、建材メーカー出荷用の大型トラックの帰り車などを利用して、大口搬出が可能となり、運送効率が高くなり、建材メーカーへの搬入回数が減り、建材メーカー側の管理業務が減る。
拠点施設では、作業所からの回収量と建材メーカーへの搬出量が把握されるので、物流の管理ができ、作業所への回収量報告、建材メーカーへの搬出量報告ができ、これをそれぞれの施設では、出荷量、入荷量として取り扱う、あるいは、それぞれの施設の記録と照合して確認することができる。回収された回収台車が空荷になった段階で、拠点施設などのクリア情報に基づいて管理サーバ属性をクリアして、再利用に供される。
本システムでは、拠点施設から作業所回収者を認定し、回収資格を与える。作業所回収者は、広域認定制度上、個別の広域認定で求められた運搬者になる必要があるので、2つの資格を持つこととなる。本システムでは、この2つの資格を確認することにより、作業所回収ができるように設定し、誤って広域認定のみの運搬者が回収することがないようにしている。拠点回収では、品目別の広域認定資格を確認して搬出する。
拠点施設は、一つでも良いが、複数設置することもでき、地域別など適宜必要に応じて設置する。
【0028】
8.拠点回収者(拠点回収車輌)
拠点回収者は、拠点回収を行う運搬者であって、個別の広域認定で登録された運搬者である。拠点施設から建材メーカーへの運送は、特定品目の広域認定に従って運送することとし、誤って相積みすることがないようにし、また、建材メーカーは従来の広域認定制度のままの運用ができる。
【0029】
9.データベース
大きなデータベース構成としては、作業用データベース、登録データベースを備えている。
作業用データベースには、さらに回収者データベース、回収台車データベース、工事業者データベースなどを備える。
登録データベースには、広域認定データベース、システム参加者データベースなどを備える。作業用データベースには、さらに回収者データベース、回収台車データベース、工事業者データベースなどを備える。
登録データベースには、広域認定データベース、システム参加者データベースなどを備える。
【0030】
10.各データベース
作業用データベースに含まれる回収者データベース、回収台車データベース、工事業者データベースは次のように内容である。
回収者データベースには、回収者に関わる事項が登録されている。回収者名、提供する車輌の種類、大きさ、回収可能範囲、回収可能日時などである。課金システムを備える場合は、運搬単価、取引口座なども登録される。
回収台車データベースには、個々の回収台車の固有識別番号(ID)が登録されている。また、回収台車には、さらに、利用に応じて、作業所名、収容される余剰資材名、回収日時、回収者名などが付加されていく。空荷になった回収台車は、属性がクリアされて、再利用に供される。
工事業者データベースには、工事業者名、業種、品目、建設作業所名などである。課金システムを備える場合は、取引口座なども登録される。
登録データベースに含まれる広域認定データベース、システム参加者データベースは次のような内容である。
広域認定データベースには、個々の広域認定内容から、適宜必要な事項が取り出される。
例えば、品目名、建材メーカー名、運搬者名、搬入地などである。
システム参加者データベースには、建設会社に関する事項、作業所に関する事項、建材メーカーに関する事項、作業所回収者に関する事項、拠点回収者に関する事項、工事業者に関する事項、拠点施設に関する事項などが含まれる。これらに関する会社名、住所、担当者、進入制限車輌などが登録される。
【0031】
11.実行管理データベース
実行管理データベースには、回収実績管理、経費管理、運賃管理などが含まれる。
回収実績管理は、回収した品目に関する事項である。回収日時、回収品目、回収数量、回収作業所、作業所回収者などの項目を備える。
経費管理と運賃管理は、課金を行う場合に必要となる項目である。
回収毎に発生する経費や運賃に関する項目を備えることとなる。広域認定制度では、建材メーカーと建設作業所の間で清算されるので、それを維持するか検討して、本システムに取り込むことを検討する。
運賃管理は、運送を担当した会社と建設作業所の間で清算されるので、その維持関係を勘案して本システムに取り込むか検討する。
【0032】
12.報告業務
報告業務には、建設作業所報告、建材メーカー報告、運送者報告などが含まれる。
それぞれの報告は、月単位などの期間を決めて、実務管理DBに記録されている情報に基づいて実績が集計されて、報告される。
【0033】
13.スケジュール管理
スケジュール管理には、作成されたスケジュールに基づいて進められる回収作業に関する項目が記録される。
手配機能には、作成されたスケジュールに基づいて、配車に関する項目が記録される。
【実施態様】
【0034】
建設余剰資材広域認定制度運用システムの実施態様について説明する。
本システムの概念を図1(a)に示す。
複数の広域認定が本システムに含まれており、複数の建材メーカーが生産する製品(品目)が本発明では取り扱われることとなる。
建設作業所では、これらの多数の品目の製品が使用され、建設余剰資材が発生する。
これらの多品目の建設余剰資材を作業所回収者が相積みして、建設作業所から拠点施設まで運送する。
拠点施設では、品目別に集約する。
特定の品目について、拠点施設からその品目を生産した建材メーカー(搬入先指定が処分者である場合もある)へ搬入する。
このシステムによって、図1(b)に示す従来の個別の広域認定で完結していた制度縛りから、多数の広域認定制度が相乗りできることにして、作業所回収、拠点回収の運送効率を上げ、建設作業所と建材メーカーの管理を軽減し、建設余剰資材の運送回数(距離減)を減らして環境負荷を低減する制度を構築した。
【0035】
[システム構成]
建設余剰資材広域認定制度運用システムの構成概要を図2に示す。
建設作業所1、拠点施設2、作業所回収者3及び管理サーバ4が拠点回収に関してインターネットなどの通信ネットワーク7(71)を介して接続されている。また、拠点回収については、拠点施設2、建材メーカー5、指定運搬者(拠点回収者)6及び管理サーバ4がインターネットなどの通信ネットワーク7(72)を介して接続されている。
システムイメージとしては、作業所回収と拠点回収は別々に管理されるので、ネットワークとしては別々に成立するので、イメージ図では、2つのネットワークで示しているが、実際の構成は、物流が一貫しており、管理サーバで統合管理されるので、1つにまとめることは可能である。
建設作業所1には、各所に点在する建設作業所a、b、c、・・の多数の作業が存在し、各作業所から工事の進捗にしたがって様々な建設余剰資材が発生し回収台車に積み込み、回収台車のIDと収納品目が各端末から入力されて登録される。そして、回収希望日を端末から入力する。
【0036】
管理サーバ4は、建設作業所1から入力された余剰資材に関する情報を回収台車データベースに蓄積する。回収スケジュール案を作成して、建設作業所端末、作業所回収者端末、拠点施設端末へ出力する。それぞれの了解の下に、回収スケジュールを決定し、各端末へ出力する。このスケジュールに基づいて作業者回収者は、各建設作業所を巡回して回収台車を回収して、拠点施設2は搬入する。
拠点施設2では、品目別に回収台車を用いて集約し、十分な量がまとまった認定品目を管理サーバに登録する。
管理サーバ4は、拠点施設からの登録情報に基づいて、認定品目の広域認定で指定されている指定運搬者の端末へ回収指示を出力する。
指定運搬者は、納品帰りなどの空荷のトラックを用いて、拠点施設から、回収する。この回収は、回収台車を用いることもできるが、受け入れ施設側の事情で、別形態とすることも可能である。積み込み確認は、回収台車の識別番号を用いて行うので、搬出記録は回収台車の属性を使用して行うことができる。
管理サーバは、回収台車の空荷情報に基づいて、回収台車の属性を更新する。旧データは、終了され保存データ化される。回収台車は、新たなIDを付与するか、あるいは固有IDを維持しつつ内容がクリアされ、再利用可能となる。
管理サーバでは、実績管理が行われ、実績報告を作成し、定期的あるいは求めに応じて、出力される。
管理サーバ4では、作業所回収時、拠点回収時には、回収用トラックの運転手は携帯端末をもっており、回収対象台車、作業所、回収資格などを入力する。管理サーバは、これらの入力にもとづいて、資格判定とスケジュールに基づく品目であることを確認して、回収許可を出す。
【0037】
[回収フロー]
建設余剰資材回収に関するフローの概略を図3に示す。
各地の建設作業所110から発生した余剰資材A・・の品目と数量を登録するステップ120、回収スケジュールを作成する工程121に基づいて回収車輌が指定され131、作業所回収ステップ130が行われる。この作業所回収ステップでは回収判定132が行われる。作業所回収された余剰資材は、拠点施設に持ち込まれ、拠点施設作業ステップ140で認定品目別に集約される工程と集約情報が登録され、認定品目に関する拠点回収者へ回収指示が出される。
拠点回収者は、指定車輌を拠点に派遣する工程151を行って、拠点回収ステップ150が行われる。この拠点回収では回収判定152が行われる。
広域認定されている認定品目を回収した指定車輌は建材メーカーの指定場所へ搬入する建材メーカー搬入ステップ160を行う。
【0038】
[機器構成]
具体的な機器構成例を図4図5に示す。
本建設余剰資材広域認定制度運用システムは、管理サーバと建設会社・建設作業所端末、作業所回収者端末、拠点施設端末、拠点回収者端末、建材メーカー端末、携帯端末、管理サーバが通信ネットワークに連結されて構成されている。
管理サーバには、回収演算器、作業用データベース、登録データベース、スケジュール管理、実績管理、報告管理を行う機能を備えている。回収演算器は、建設余剰資材を回収するスケジュールを作成する機能、作業所回収及び拠点回収において資格判定を行う機能、回収実績を作成する機能を備えている。作業用データベースは、回収車DB、回収台車DB、工事業者DBを備えている。登録データベースは、本システムに参加するメンバーを登録する参加者に関する基礎データベースであって、参加者DB、広域認定DBを備えている。
各参加者には、端末及び携帯端末が備えられている。
その他、管理サーバは、回収実行処理に関する機能であるスケジュール管理、実績管理、報告管理機能を備えている。
スケジュール管理には、スケジュール管理、手配機能が含まれている。実績管理には、回収実績管理、必要に応じて、経費管理、運賃管理を備えている。報告管理には、作業所報告、建材メーカー報告、回収を担当した運送者報告を備えている。
管理サーバの構成の例を図4に示す。
【0039】
各端末が備えている機能を図5に示す。
各参加者には、端末が備えられており、各種の入力機能を利用して、発生する建設余剰資材の登録、回収品目などの登録、運搬用車輌名・ドライバーなどを登録する登録機能、回収希望日の登録と、決定された回収スケジュールの表示、実績報告・確認などが各端末から行われる。携帯端末は、回収車輌が携帯し、回収スケジュールの表示、回収先である建設作業所への入所許可・積み込み確認、荷降ろし地への入所許可・搬入確認、回収終了報告などを行う。携帯端末を利用して、携帯端末を利用して、資格照合、物流に用いられる回収台車の照合、空荷情報などが入力される。
これらの、端末及び運用会社に備えられた端末には、照会機能なども適宜備えられる。
【0040】
本実施態様の業務フローを図7〜10に示す。
各業務フローで示される入力・調整事項は一例であって、設定優先順位など適宜設計される。作業所回収を行う前段階として、作業所は、使用する回収台車のIDを読み込むか、使用申請を管理サーバに行って、回収台車IDを取得して、印刷など必要行為を行って、回収台車にIDコードを貼付して、回収台車の利用を開始する。
1.作業所回収予約・調整工程
この工程では、作業所から回収予約を受け、回収スケジュール調整を行う。
作業所回収予約及び調整工程の概要例を図7に示す。また、予約カレンダー例と積載可否判定の例を図11に示す。
【0041】
(1)作業所端末からの入力事項
予約受付機能を利用
a.管理サーバが回収可能日時を自動判定して回収可能日を出力
例えば、回収可能日の表示ルールは、次のようにする。
・配車車輌を決定して回収可能数量を特定する。
・一定規模以上の作業所が優先予約
・中小規模作業所は残予約可能日から選択
・積載可能量から残予約可能量を管理:回収用車輌の積載能力によって設定
b.品目、建材メーカー、数量を選択して、回収予約を入力
予約カレンダーに可能な日時だけが表示されるので、作業所は予約カレンダーから希望日時を選択して、回収予約をする。
(2)回収スケジュールの作成、通知
管理サーバは、巡回回収ルートの調整を行い、回収スケジュールを策定して、作業所改修端と作業所端末へ出力する。
効率的な回収ルートを選定する手段として、近隣地域を回収エリアとして設定して、そのエリア内で例えば、次のようにしてスケジュールを策定する。
・回収エリアごとに回収可能作業所を抽出
・回収予測時間を計算
・最短ルートを回収スケジュールとして提示
【0042】
2.作業所回収工程
回収台車にはIDが付与され、個体管理される。回収資格判定後、回収台車を読み取りデータ入力して、車輌に積み込む。スケジュールに従って巡廻回収して多品目を相積みする。使用する端末によって作業所回収者が特定され、その属性もDBから把握される。資格判定は、車輌携帯端末で、回収代車のIDを読み込んで、管理サーバは回収者を特定し、入力情報に基づいて、資格判定と回収台車確認をして、積み込み許可情報を携帯端末に出力する。
作業所回収工程の概要例を図8に示す。また、回収対象回収台車の照合と回収可否判定の例を図12に示す。
【0043】
(1)回収台車ごとにIDコードが添付されている(回収台車ID)
・RFID、バーコードなどによる個体管理
作業所では、回収台車ごとに収容する品目、建材メーカー、工事業者などの情報を端末から入力して、回収台車の属性を付加する。
(2)回収資格判定
作業所は、車輌携帯端末によって、回収台車積み込み許可されたことをもって、資格判定されたことを確認する。あるいは、携帯端末を利用して、回収車輌が広域認定されていることと拠点認定を受けていることを照合して、確認することもできる。
(3)品目受入可否判定
作業所回収車輌の搭乗者(運転手)は、携帯端末を利用して、回収スケジュールに登録されている回収台車であることを照合し確認して車輌に積み込む。
・IDコード読み取り時にデータを送信し、運搬可能であること、回収対象品(m)であることをDBと照合
・DBに登録されている品目、回収業者情報が作業所の回収台車に添付されているコード情報と一致するかを判定する。
(4)実績データ管理
送信されたデータは回収実績として管理サーバに保管される。
【0044】
3.拠点施設処理工程
拠点施設は、回収台車を受け入れ、携帯端末を使用して、回収台車IDを読み込み、管理サーバは、受け入れ情報を付与してDBに反映する。管理サーバは、品目別の収集量を累積する。拠点施設端末から、品目別の蓄積情報を確認して、一定量になったら、拠点回収者端末へ、管理サーバを通して回収指示を送信する。
拠点施設では、回収台車を品目別に集合管理して管理する。拠点回収の形態は回収台車を用いるかあるいは建材メーカーの事情に沿うか適宜決定される。
回収台車を拠点回収に使用しない場合は、拠点回収が終了した時点で、回収台車のIDは更新される。また、建材メーカーが回収台車を利用しても、建材メーカーが回収台車のIDコードを利用しない場合も、回収台車のIDは拠点回収車輌に積み込まれた段階で、更新することができる。建材メーカーが回収台車を管理に利用する場合は、建材メーカーから受け入れ情報を管理サーバが受信したことをもって、回収台車のIDを更新することができる。
更新にあたって、回収実績情報として旧データはDBに反映される。
【0045】
4.拠点回収工程
拠点回収工程の概要例を図9に示す。また、拠点化回収例と回収台車入力情報の例を図13に示す。
(1)各車輌に運搬業者のコードを添付
RFID、バーコードなどによる車輌管理がなされ、拠点施設では、携帯端末を利用して車輌IDを読取り、管理サーバで指定回収者であることを照合判定して送信する。
(2)読込データとDBの照合
コード読み取り時にデータを送信し、DBと照合
管理サーバは、DBに登録されている建材メーカー指定の運搬会社に属する車輌であること回収台車のIDの属性情報である品目と建材メーカーが一致するかを判定する。
(3)実績データ管理
送信されたデータは、拠点回収実績として保管される。
【0046】
5.建材メーカー受け入れ工程
建材メーカーでは、回収台車単位で入力するか、あるいは、リサイクル重量管理を行うために、搬入重量を計測して入力するなど管理形態によって、受け入れ管理は異なることとなる。広域認定されている建材メーカー工場荷降ろし工程の概要例を図10に示す。
(1)回収台車で管理する場合は、建材メーカー端末(携帯端末)で回収台車IDを読み込み、必要であれば重量を計測して入力し、作業所ごとの重量データを入力する。
各地の作業所から発生した余剰資材を混載して、搬入された場合は、作業所ごとの搬入実績の管理情報として、拠点施設での積み込み情報を利用することもできる。
この作業所ごとの搬入データは、経費精算情報として必要になる。経費精算を本システムに含む場合は、建材メーカーから費用の入力がなされ、経費処理システムで処理されることとなる。
(2)実績データ管理
送信されたデータは管理サーバで処理実績としてDBに反映される。
【0047】
廃棄物処理法の枠内で、広域認定された多品目の建設廃棄物を相積みして作業所から回収し、大口化して建材メーカーへ大量搬入することを実現するために、物流単位を回収台車としてトレーサビリティー性を確保したこと、作業所回収確認事項として広域認定の指定と拠点施設の認定のダブル要件を課したこと、拠点施設を設けて中間施設として集約大口化したこと、拠点回収確認事項として広域認定を要件としたこと、そしてこれらをシステム化した。
本実施形態により、多品目の広域認定対象の建材が、建材メーカーに回収される割合が向上することにより、資源循環が促進される。加えて、中小の建築作業所の廃棄物管理業務と建材メーカーの受け入れ業務が減少し、作業所及び建材メーカーに出入りする車輌も減ることで、付近の交通緩和、省エネルギーに貢献する。
【符号の説明】
【0048】
1 建設作業所
2 拠点施設
3 作業所回収者
4 管理サーバ
5 建材メーカー
6 指定運搬者(拠点回収者)
7 通信ネットワーク

110 建設作業所
120 余剰資材の品目と数量を登録するステップ
121 回収スケジュールを作成する工程
130 作業所回収ステップ
131 回収車輌が指定されるステップ
132 回収判定
140 拠点施設作業ステップ
150 拠点回収ステップ
151 指定車輌を拠点に派遣する工程
152 回収判定
160 建材メーカー搬入ステップ

A 余剰資材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16