【解決手段】複数のマイクロドットアクチュエータ105、110、115、120〜が透過的ディスプレイに接合され、各マイクロドットアクチュエータは部分的に又は完全に透過的である。様々な例において、マイクロドットアクチュエータは、5ミクロンから10ミクロンの間の横方向サイズを有する。マイクロドットアクチュエータは、マイクロドット電気活性ポリマー(EAP)アクチュエータ又はマイクロドット圧電セラミックアクチュエータであってもよい。
前記複数のマイクロドットアクチュエータの中の各マイクロドットアクチュエータは、電気活性ポリマー(EAP)アクチュエータ又は圧電セラミックアクチュエータを含む、請求項15に記載の携帯型コンピュータデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書にはマイクロドットアクチュエータのためのデバイス、システム及び方法の文脈で例示が記載されている。当業者であれば、以下の記載は例示目的であり、如何なる限定も意図していないことを理解するであろう。次に、添付の図面に示された例示的な実装を詳細に参照する。同じ参照記号が同じ又は同様の項目を参照するために図面及び以下の記載を通じて使用される。
【0012】
明確のため、本明細書に記載の例示の定型的な特徴の全てが示され且つ記載されているわけではない。勿論、このような実際の実装の開発において、アプリケーション及びビジネス関連の制約の遵守等の多くの実装固有の決定が開発者の特定の目的を達成するために行われなければならず、こうした特定の目的は実装ごとに又は開発者ごとに変化することが理解されるであろう。
【0013】
[マイクロドットアクチュエータを備えたアクチュエータアレイの例示]
次に
図1を参照すると、この図面は一例による例示的なアクチュエータアレイ100の2次元ビューである。この例示では、アクチュエータアレイ100は、複数のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)を有しており、表面130に対して垂直に観察した場合に、これらはアクチュエータアレイ100全体において垂直且つ水平に間隔を空けて配置され且つ表面130に接合されている。本明細書に記載のマイクロドットアクチュエータとは、10ミクロンよりも大きな寸法を持たないアクチュエータのことを言う。
【0014】
図1に示されたアクチュエータアレイ100及びマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、可視光に対して完全に透過的である。
図1では、各マイクロドットアクチュエータは、電気活性ポリマー(EAP)アクチュエータであり、
図1において破線で示されているように0.25ミクロン(250ナノメートル)の横方向サイズを有する。様々な例において、マイクロドットアクチュエータは、圧電セラミックアクチュエータ、圧電ポリマーアクチュエータ、スマート材料アクチュエータ、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0015】
図1に示された例示的なアレイにおいて、1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)が表面130と接合され得る。表面130は、透過性及び可撓性を有してもよい。一部の例では、表面130は、透過的ディスプレイ及び/又は可撓性ディスプレイであり得る。一部のこのような例では、透過的な可撓性ディスプレイ及びアクチュエータアレイ100は、共に可視光に対して透過的である。従って、一部の例では、透過的且つ可撓性表面130(透過的且つ可撓性ディスプレイ等)、アクチュエータアレイ100、及びマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、個別に及び/又は集合的に可視光に対して透過的であり、そのためマイクロドットアクチュエータを使用して透過的な作動が提供され得る。従って、このような例では、透過的なマイクロドットアクチュエータは、可視光に対する透過性を維持しながら透過的表面を作動させるために使用され得る。更に、様々な例におけるナノメートル縮尺のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、透過的且つ可撓性表面に精密且つ均一な作動を提供する。
【0016】
一部の例では、透過的マイクロドットアクチュエータは、可視光の範囲に接近する横方向サイズ(例えば、約0.75−1ミクロン)を有し、これは可視性のために光が透過面及び/又は透過的マイクロドットアクチュエータを通過することを可能にする。他の例では、透過的マイクロドットアクチュエータは、数ナノメートル(例えば、約5から10ナノメートルの間)の横方向サイズを有する。こうした例において、可視光に対して透過的であることに加えて、このような透過的マイクロドットアクチュエータは、そのナノメートル横方向サイズのおかげで透過面に精密且つ均一な作動を提供することができる。
【0017】
図1に示されたアクチュエータアレイ100は正方形である。他の例では、アクチュエータアレイ100は、正方形、長方形、円、楕円等の任意の適切な形状であり得る。
図1に示されたマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は円形である。しかしながら、「ドット」という用語は限定することを意図していない。他の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、正方形、長方形、円、楕円等の任意の適切な形状であり得る。
【0018】
図1に示されたマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、アクチュエータアレイ100における表面130全体に垂直及び水平の両方向に等しく間隔を空けて配置されている。様々な他のアクチュエータレイアウトが可能である。例えば、一部の例では、マイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、アクチュエータアレイ100全体に水平に若しくは垂直に又は両方に実質的に等しく間隔を空けて配置される。他の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータは、アクチュエータアレイ100の一部の中で互いにクラスタ化され得る。一部の例では、マイクロドットアクチュエータは、1つ以上のマイクロラインパターンを形成するように互いに整列され得る。このような例では、マイクロドットアクチュエータは、直線のマイクロライン、湾曲したマイクロライン、円形のマイクロライン、又は別の適切なマイクロラインを形成するために並んで整列され得る。
【0019】
図1に示された例では、表面130は、アクチュエータアレイ100と同じサイズ又は略同じサイズである。しかしながら、他の例では、表面130は、アクチュエータアレイ100よりも大きい。例えば、表面130は5’’×5’’であってもよく、アクチュエータアレイ100は1’’×1’’であってもよい。別の例示として、表面130は4’’×8’’であってもよく、多くのアクチュエータアレイが表面130全体に配置されてもよく、ここで各アクチュエータアレイは0.5’’×1’’である。他の例では、任意の他の適切なサイズの表面130及びアクチュエータアレイ100が使用され得る。一部の例では、表面130は、可視光に対して部分的に又は完全に透過的である。一部の例では、表面130は可撓性を有する。複数の例において、表面130は、液晶(LCD)ディスプレイ又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ等のディスプレイである。
【0020】
図1に示されたアクチュエータアレイ100及びマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は可視光に対して完全に透過的であるが、他の例では、アクチュエータアレイ100及びマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、可視光に対して少なくとも部分的に透過的である。例えば、アクチュエータアレイ100及び/又は1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、アクチュエータアレイ100及びマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)を有する携帯型コンピュータデバイスのユーザに対して少なくとも部分的に視覚的に透過的であり得る。
【0021】
図1に示されたマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)の各々は電気活性ポリマー(EAP)アクチュエータである。他の例では、マイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)の各々は、圧電ポリマーアクチュエータ、圧電セラミックアクチュエータ、スマート材料アクチュエータ、別の適切なアクチュエータ、又はこれらの組み合わせであり得る。更なる例では、アクチュエータのこうしたタイプの組み合わせがアクチュエータアレイ100を編成してもよい。
【0022】
図1に示されたマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)の各々は、0.25ミクロン(250ナノメートル)の横方向サイズを有する。
図1では、マイクロドットアクチュエータの各々は円形であり、各マイクロドットアクチュエータの横方向サイズはアクチュエータの直径(即ち、
図1において0.25ミクロン)である。マイクロドットアクチュエータが異なる形状を有する(即ち、マイクロドットアクチュエータが円形ではない)他の例では、マイクロドットアクチュエータの横方向サイズはアクチュエータの左右交互幅又は左右交互長である。一部の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、1ミクロン(1,000ナノメートル)より小さな横方向サイズを有する。一部の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、5ナノメートルより大きな横方向サイズを有する。一部の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、5ナノメートルから0.5ミクロン(500ナノメートル)の間の横方向サイズを有する。一部の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、10ナノメートルから380ナノメートルの間の横方向サイズを有する。一部の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、14ナノメートルから300ナノメートルの間の横方向サイズを有する。
【0023】
図1に示されたアクチュエータアレイ100及びマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、様々な適切なやり方で製造され得る。例えば、一例では、アクチュエータアレイ100及び/又は1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、ソフトリソグラフィを使用して製造され得る。別の例示として、アクチュエータアレイ100及び/又は1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(105、110、115、120等)は、スクリーン印刷を使用して製造され得る。
【0024】
次に
図2を参照すると、この図面は、一例による(表面130等の)標的表面に対してマイクロドットアクチュエータ(マイクロドットアクチュエータ105、110、115、120等)を製造する例示的な方法200を示す。方法200を説明するに際し、
図1,2,3及び4を参照する。
図3は、一例による例示的な圧電セラミックマイクロドットアクチュエータを示す。そして、
図4は、一例による例示的な電気活性ポリマー(EAP)マイクロドットアクチュエータを示す。他の例では、
図4のマイクロドットアクチュエータは、EAPマイクロドットアクチュエータであり得る。
【0025】
図2に示された方法200はブロック210で開始し、ナノスケール電極が標的表面に付着される。複数の例において、標的表面は、
図1における表面130に対して本明細書で検討された1つ以上の表面であり得る。例えば、標的表面は、可撓性表面、透過面、ディスプレイ(LCD又はOLEDディスプレイ等)、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0026】
標的表面に付着されたナノスケール電極の各々は、本明細書で検討された1つ以上のマイクロドットに対応する横方向サイズを有し得る。例えば、ナノスケール電極は、250ナノメートルの横方向サイズを有してもよい。ナノスケール電極は、様々な例において数ナノメートル(例えば、約5から10ナノメートルの間)から500ナノメートルの間の横方向サイズを有し得る。ナノスケール電極は、任意の半導体又は銅、アルミニウム、金又は銀等の他の導電性材料であり得る。複数の例において、ナノスケール電極は、それぞれ
図3及び4に示された電極350a、350b及び/又は450に関して本明細書で検討された1つ以上の材料を含む。
【0027】
ナノスケール電極は、標的表面全体において又は標的表面の(複数の)特定領域に付着され得る。例えば、ナノスケール電極は、
図1に示されるように、マトリクスパターンで付着され得る。一部の例では、ナノスケール電極は、標的表面の特定領域内に付着される。例えば、ナノスケール電極の第1の集団が標的表面の第1の領域に付着され、ナノスケール電極の第2の集団が標的表面の第2の領域に配置され得る。様々な例において、ナノスケール電極は、(複数の)任意の適切な領域に及び/又は(複数の)任意の適切なパターンで付着され得る。
【0028】
一例では、標的表面上に付着された1つ以上のナノスケール電極は、
図3に示されるように、非導電性材料350cにおいて導電性櫛歯電極350a及び350bを備えたフィルムレイヤ350等の櫛歯電極を有するフィルムレイヤである。一例では、標的表面上に付着された1つ以上のナノスケール電極は、
図4に示されている電極450等の電極である。
【0029】
ブロック210においてナノスケール電極が標的表面上に付着されると、方法200はブロック220に進む。ブロック220において、(複数の)ナノスケール圧電性材料及び/又は(複数の)スマート材料が、ブロック210において付着されたナノスケール電極上に付着される。複数の例において、(複数の)圧電性材料は、1つ以上の圧電性ポリマー及び/又は1つ以上の圧電性セラミックであってもよい。一例では、ブロック210からのナノスケール電極上に付着された1つ以上のナノスケール圧電性材料は、
図3に示されるように、その間にエポキシ樹脂330bが有る複数の整列圧電マクロファイバ330aを備えたシート300である。一部の例では、ブロック210からのナノスケール電極上に付着された1つ以上のナノスケールスマート材料は、
図4に示されるように、電気活性ポリマー(EAP)430である。
【0030】
ブロック220において(複数の)ナノスケール圧電性材料及び/又は(複数の)スマート材料がナノスケール電極上に付着されると、方法200はブロック230に進む。ブロック230において、ナノスケール電極は、ブロック220において付着された(複数の)圧電性材料及び/又はスマート材料上に付着される。
【0031】
ブロック230において付着されたナノスケール電極は、ブロック210において付着されたナノスケール電極を模倣し得る。例えば、ブロック230において付着されたナノスケール電極は、ブロック210において付着されたナノスケール電極の横方向サイズに対応する横方向サイズを有し得る。様々な例において、ブロック230におけるナノスケール電極は、本明細書で検討された1つ以上のマイクロドットに対応する横方向サイズを有し得る。別の例示として、ナノスケール電極の各々は、様々な例において5ナノメートルから500ナノメートルの間の横方向サイズを有し得る。ナノスケール電極は、任意の半導体又は銅、アルミニウム、金又は銀等の他の導電性材料であり得る。複数の例において、ナノスケール電極は、それぞれ
図3及び4に示された電極310a、310b、410及び/又は450に関して本明細書で検討された1つ以上の材料を含む。
【0032】
一例では、(複数の)圧電性材料及び/又は(複数の)スマート材料上に付着された1つ以上のナノスケール電極は、
図3に示されるように、非導電性材料310cにおいて導電性櫛歯電極310a及び310bを備えたフィルムレイヤ310等の櫛歯電極を有するフィルムレイヤである。一例では、(複数の)圧電性材料及び/又はスマート材料上に付着された1つ以上のナノスケール電極は、
図4に示されている電極450等の電極である。様々な例において、ナノスケール電極は、(複数の)任意の適切な領域に及び/又は(複数の)任意の適切なパターンで付着され得る。
【0033】
図2における方法200を再び参照すると、一部の例では、マイクロドットアクチュエータのためのポーリング機構が要求されてもよい。例えば、一部の例では、ポーリング機構は、PZT−5圧電性セラミック等の圧電性材料の電気双極子を整列させるために使用され得る。このような例では、ブロック230においてナノスケール電極が(複数の)圧電性材料及び/又は(複数の)スマート材料上に付着されると、方法200はブロック240に進む。ブロック240において、例えば、圧電セラミック材料又は圧電ポリマー材料の電気双極子を整列させるために電圧及び/又は電界が印加される。例えば、圧電性マイクロドットアクチュエータを分極処理するために特定の電圧及び/又は特定の電界がその場で(即ち、現場で)電極に印加され得る。複数の例において、方法200に従って作成されたマイクロドットアクチュエータは、均一且つ一貫したフィードバックを提供することができる。複数の例において、方法200に従って作成されたマイクロドットアクチュエータは、表面の透過性を少なくとも部分的に又は完全に維持しながら透過面を作動させるために使用させ得る。
【0034】
様々な例において、
図2に示された方法200において付着された1つ以上の電極、(複数の)圧電性材料、及び/又は(複数の)スマート材料が、スクリーン印刷技術を使用して付着される。一部の例では、
図2に示された方法200において付着された1つ以上の電極、(複数の)圧電性材料、及び/又は(複数の)スマート材料が、ソフトリソグラフィを使用して付着される。
【0035】
一部の例では、ナノスケール電極、(複数の)圧電性材料及び/又は(複数の)スマート材料は、製造されたマイクロドットアクチュエータの各々が個別に作動されるように付着される。一部の例では、ナノスケール電極、(複数の)圧電性材料及び/又は(複数の)スマート材料は、2つ以上のマイクロドットアクチュエータが集団として作動されるように付着される。例えば、一例では、アクチュエータアレイにおける全てのマイクロドットアクチュエータが、集団として同時に作動され得る。他の例では、アクチュエータアレイにおける全てのマイクロドットアクチュエータではなく、アクチュエータアレイにおける2つ以上のマイクロドットアクチュエータが、集団として同時に作動され得る。
【0036】
次に
図3を参照すると、この図面は一例によるマイクロドット圧電セラミックアクチュエータの一例を示す。マイクロドット圧電セラミックアクチュエータは、マイクロドットマクロファイバコンポジット(MFC)に関して本明細書では記載されている。しかしながら、様々な例において、マイクロドットアクチュエータは、任意の適切な圧電セラミックアクチュエータであり得る。
【0037】
図3において、マイクロドットMFCアクチュエータ300は、フィルムレイヤ310を有する。フィルムレイヤ310は、導電性櫛歯電極310a及び310bをその間に備えた非導電性材料310cを有する。
図3において、フィルムレイヤ310の第2の側は、シート330の第1の側に直接的に接合される。本明細書で用いられる「直接的に接合される」とは、中間レイヤ無しで接合されることを言う。例えば、フィルムレイヤ310の第2の側は、フィルムレイヤ310とシート330との間に中間レイヤが無いように接着剤を使用してシート300の第1の側に直接的に接合され得る。
【0038】
他の例では、フィルムレイヤ310の第2の側は、シート330の第1の側に間接的に接合される。本明細書で用いられる「間接的に接合される」とは、中間レイヤが有る接合のことを言う。例えば、他のフィルムレイヤがフィルムレイヤ310の第2の側とシート330の第1の側との間に有るように、フィルムレイヤ310の第2の側が(
図3には示されていない)別のフィルムレイヤに直接的に接合されてもよく、シート330の第1の側がこの他のフィルムレイヤに直接的に接合されてもよく、これはフィルムレイヤ310がシート330に間接的に接合されることの一例である。
【0039】
図3において、シート330は、その間にエポキシ樹脂330bを備えた複数の整列圧電マクロファイバ330aを有する。この図面では、シート330は、フィルムレイヤ310とフィルムレイヤ350との間に直接的に接合されている。この例示では、シート330の第1の側は、フィルムレイヤ310の第2の側と直接的に接合され、及びシート330の第2の側は、フィルムレイヤ350の第1の側と直接的に接合されている。他の例では、シート330の第1の側は、フィルムレイヤ310の第2の側と間接的に接合され、及び/又はシート330の第2の側は、フィルムレイヤ350の第1の側と間接的に接合されている。例えば、他のフィルムレイヤがフィルムレイヤ310の第2の側とシート330の第1の側との間に有るように、フィルムレイヤ310の第2の側が(
図3には示されていない)別のレイヤに直接的に接合されてもよく、シート330の第1の側もこの他のレイヤに接合されてもよい。別の例示として、他のレイヤがシート330の第2の側とシート350の第1の側との間に有るように、シート330の第2の側が(
図3には示されていない)別のレイヤに直接的に接合されてもよく、シート350の第1の側もこの他のレイヤに直接的に接合されてもよい。
【0040】
マイクロドットMFCアクチュエータ300におけるフィルムレイヤ350は、導電性櫛歯電極350a及び350bをその間に備えた非導電性材料350cを有する。導電性櫛歯電極350aは、導電性櫛歯電極310aを模倣し得る。同様に、導電性櫛歯電極350bは、導電性櫛歯電極310bを模倣し得る。
【0041】
複数の例において、導電性櫛歯電極310a、310b、350a及び/又は350bは、限定されないが、銅、金、銀、別の導電性材料、又はこれらの組み合わせを含む任意の適切な導電性材料から作られる。複数の例において、非導電性材料310c及び/又は350cは、限定されないが、ポリイミドを含む任意の適切な非導電性材料から作られる。ポリイミドは、例えば、カプトンであってもよい。1つ以上の整列圧電マクロファイバ330aは、限定されないが、PZT−5圧電性セラミック等の圧電性材料を含む任意の適切なファイバから作られる。任意の適切な接合材料が接合のために使用され得る。例えば、DP−460エポキシ、ウレタン、アクリル、別の適切な接合材料、又はこれらの組み合わせが様々な例において使用されてもよい。ある障害において、エポキシ305c、315c、325c、330b、335b、345c及び/又は355cは、DP−460エポキシである。
【0042】
図3では、マイクロドットMFCアクチュエータ300は、30ナノメートルの幅及び300ナノメートルの長さを有する。他の例では、マイクロドットMFCアクチュエータ300は、任意の数の適切な長さ又は幅を有し得る。例えば、マイクロドットMFCアクチュエータは、1ミクロン(1,000ナノメートル)よりも小さな幅及び1ミクロン(1,000ナノメートル)よりも小さな長さを有し得る。一部の例では、マイクロドットMFCアクチュエータ300は、5ナノメートルよりも大きな幅及び5ナノメートルよりも大きな長さを有する。一部の例では、マイクロドットMFCアクチュエータは、5ナノメートルから0.5ミクロン(500ナノメートル)の間の幅及び5ナノメートルから0.5ミクロン(500ナノメートル)の間の長さを有する。一部の例では、マイクロドットMFCアクチュエータは、10ナノメートルから380ナノメートルの間の幅及び長さを有する。一部の例では、マイクロドットMFCアクチュエータは、14ナノメートルから300ナノメートルの間の長さ及び幅を有する。
【0043】
一部の例では、マイクロドットMFCアクチュエータは、表面と接合され得る。例えば、フィルムレイヤ350の第2の側は、一例において表面と接合され得る。表面はマイクロドットMFCアクチュエータよりも遥かに大きく、多数のマイクロドットMFCアクチュエータが本明細書に記載の表面に接合され得る。例えば、
図1は、表面に接合される多数のマイクロドットアクチュエータを有する表面を示す。表面は、透過性及び可撓性を有し得る。一部の例では、表面は、透過的ディスプレイ及び/又は可撓性ディスプレイであり得る。複数の例において、透過的な可撓性ディスプレイ及びマイクロドットMFCアクチュエータは、可視光に対して透過的である。このようにして、一部の例では、透過的且つ可撓性表面(透過的且つ可撓性ディスプレイ等)及びマイクロドットMFCアクチュエータは、個別に及び/又は集合的に可視光に対して透過的であり、そのためマイクロドットMFCアクチュエータを使用して透過的な作動が提供され得る。複数の例において、透過的なマイクロドットMFCアクチュエータは、可視光に対する透過性を維持しながら透過的表面を作動させるために使用され得る。更に、様々な例におけるナノメートル縮尺のマイクロドットMFCアクチュエータは、透過的且つ可撓性表面に精密且つ均一な作動を提供する。
【0044】
次に
図4を参照すると、この図面は一例によるマイクロドット電気活性ポリマー(EAP)アクチュエータの一例を示す。
図4では、マイクロドットEAPアクチュエータ400は、第1の電極410及び第2の電極450に接合される電気活性ポリマー430を有する。この例示では、電気活性ポリマー430の第1の側は、第1の電極410の第2の側に接合され、及び電気活性ポリマー430の第2の側は、第2の電極450の第1の側に接合されている。他の例では、電気活性ポリマー430は、第1の電極410及び第2の電極450に間接的に接合され得る。
【0045】
第1の電極410及び/又は第2の電極450は、限定されないが、銅、金、銀、別の導電性材料、又はこれらの組み合わせを含む任意の適切な導電性材料から作られる。電気活性ポリマー430は、限定されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアセチレン、イオン性ポリマー金属複合材料、別の電気活性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む任意の適切な電気活性ポリマーであり得る。一部の例では、1つ以上の圧電セラミック材料及び/又は1つ以上のスマート材料が、電気活性ポリマー430の代わりに使用されてもよい。こうした例において、マイクロドットアクチュエータ400は、マイクロドットEAPアクチュエータの代わりにマイクロドット圧電アクチュエータ又はマイクロドットスマート材料であり得る。一部の例では、1つ以上の圧電セラミック材料及び/又は1つ以上のスマート材料が、電気活性ポリマー430に加えて使用され得る。
【0046】
図4では、マイクロドットEAPアクチュエータ400は、0.3ミクロン(300ナノメートル)の直径を有する。他の例では、マイクロドットEAPアクチュエータ400は、任意の数の適切な直径、長さ及び/又は幅を有し得る。例えば、マイクロドットEAPアクチュエータは、1ミクロン(1,000ナノメートル)よりも小さな幅及び1ミクロン(1,000ナノメートル)よりも小さな長さを有し得る。別の例示として、マイクロドットEAPアクチュエータは、1ミクロン(1,000ナノメートル)よりも小さな直径を有し得る。一部の例では、マイクロドットEAPアクチュエータ400は、5ナノメートルよりも大きな幅及び5ナノメートルよりも大きな長さを有する。一部の例では、マイクロドットEAPアクチュエータ400は、5ナノメートルよりも大きな直径を有する。一部の例では、マイクロドットEAPアクチュエータは、5ナノメートルから0.5ミクロン(500ナノメートル)の間の幅及び5ナノメートルから0.5ミクロン(500ナノメートル)の間の長さを有する。一部の例では、マイクロドットEAPアクチュエータは、5ナノメートルから0.5ミクロン(500ナノメートル)の間の直径を有する。一部の例では、マイクロドットEAPアクチュエータは、10ナノメートルから380ナノメートルの間の長さ及び幅を有する。一部の例では、マイクロドットEAPアクチュエータは、14ナノメートルから400ナノメートルの間の長さ及び幅を有する。一部の例では、マイクロドットEAPアクチュエータは、10ミクロンよりも小さな長さ、幅及び/又は直径を有する。
【0047】
一部の例では、マイクロドットEAPアクチュエータは、表面と接合され得る。例えば、第2の電極450の第2の側は、一例において表面と接合され得る。表面はマイクロドットMFCアクチュエータよりも大きく、多数のマイクロドットEAPアクチュエータが本明細書に記載の表面に接合され得る。例えば、
図1は、表面に接合される多数のマイクロドットアクチュエータを有する表面を示す。表面は、透過性及び可撓性を有し得る。一部の例では、表面は、透過的ディスプレイ及び/又は可撓性ディスプレイであり得る。複数の例において、透過的な可撓性ディスプレイ及びマイクロドットEAPアクチュエータは、可視光に対して透過的である。このようにして、一部の例では、透過的且つ可撓性表面(透過的且つ可撓性ディスプレイ等)及びマイクロドットEAPアクチュエータは、個別に及び/又は集合的に可視光に対して透過的であり、そのためマイクロドットEAPアクチュエータを使用して透過的な作動が提供され得る。複数の例において、透過的なマイクロドットEAPアクチュエータは、可視光に対する透過性を維持しながら透過的表面を作動させるために使用され得る。更に、様々な例におけるナノメートル縮尺のマイクロドットEAPアクチュエータは、透過的且つ可撓性表面に精密且つ均一な作動を提供する。
【0048】
次に
図5を参照すると、この図面は、一例によるマイクロドットアクチュエータ(518、520、522)を備えた透過面516を有する例示的なコンピュータデバイス500のコンポーネントを示す。コンピュータデバイス500は、例えば、スマートフォン、ファブレット、タブレット、Eリーダ、携帯型ゲームデバイス、携帯型医療デバイス、ウェアラブルデバイス(例えば、アームストラップ、リストバンド、アンクルブレスレット、腕時計等)を含んでもよい。コンピュータデバイス500は
図5において単一のデバイスとして示されているが、他の例では、コンピュータデバイス500は複数のデバイスを含んでもよい。
【0049】
例示のコンピュータデバイス500は、バス506を介して他のハードウェアとインターフェース接続されるプロセッサ502を含む。RAM、ROM又はEEPROM等の任意の適切な有形の(及び非一時的な)コンピュータ可読媒体を含み得るメモリ504が、コンピュータデバイス500の動作を構成するプログラムコンポーネントを具現化してもよい。例えば、メモリ504は、プロセッサ502によって実行されるように構成される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを含み得る。1つ以上のソフトウェアアプリケーションは、1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(518、520、522)を使用してコンピュータデバイス500に触覚フィードバックを提供させるように構成され得る。
【0050】
一部の例では、コンピュータデバイス500は、1つ以上のネットワークインターフェースデバイス510、入力/出力(I/O)インターフェースコンポーネント512、及び追加の記憶装置514を更に備えてもよい。
【0051】
ネットワークインターフェースデバイス510は、ネットワーク接続を容易にする1つ以上の任意のネットワークコンポーネントを表し得る。限定されないが、例示には、イーサネット(登録商標)、USB、IEEE1394等の有線インターフェース、及び/又はIEEE802.11、ブルートゥース(登録商標)等の無線インターフェース、又は携帯電話ネットワークにアクセスするための無線インターフェース(例えば、CDMA、GSM(登録商標)、UMTS又は他の移動通信ネットワーク)が含まれる。
【0052】
I/Oコンポーネント512は、1つ以上のディスプレイ、キーボード、カメラ、マウス、スピーカ、マイクロホン、ボタン、ジョイスティック、及び/又はデータの入力又は出力に使用される他のハードウェア等のデバイスへの接続を容易にするために使用されてもよい。追加の記憶装置514は、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、強誘電性RAM(F−RAM)、磁気、光学、又はコンピュータデバイス500に含まれ若しくはプロセッサ502に結合される他の記憶媒体等の不揮発性記憶装置を表す。
【0053】
コンピュータデバイス500は、透過面516を含む。
図5に示される例では、透過面516は、コンピュータデバイス500に統合される。他の例では、コンピュータデバイス500は、透過面516から分離していてもよい。透過面516は、可視光に対して透過的である任意の表面を表す。複数の例において、透過面516は可撓性表面であり得る。一部の例では、透過面516はディスプレイであってもよい。例えば、透過面516は、液晶(LCD)ディスプレイ又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイであってもよい。一部の例では、透過面516は薄い可撓性表面であり得る。例えば、透過面516がディスプレイである様々な例では、ディスプレイは、薄い可撓性ディスプレイであり得る。
【0054】
コンピュータデバイス500において、透過面516は1つ以上のタッチセンサ508を有する。この例示では、透過面516は、タッチセンサ面である。一部の例では、1つ以上のタッチセンサ508は、オブジェクトが透過面516に接触する場合にタッチ領域におけるタッチを検出するように構成され、それに応じて1つ以上のタッチセンサ508はプロセッサ502によって使用される適切なデータを提供する。任意の適切な数、タイプ、又は配置のセンサが使用され得る。例えば、抵抗性及び/又は容量性のセンサが、透過面516に組み込まれて、タッチの場所及び圧力、速さ、及び/又は方向等の他の情報を決定するために使用されてもよい。別の例示として、タッチ位置を決定するために、透過面516のビューを備える光学センサが使用されてもよい。一部の例では、透過面516は、任意のタッチセンサ508を有さず、こうした例において、透過面516はタッチセンサ式ではない。
【0055】
他の例では、タッチセンサ508は、LED(Light Emitting Diode)検出器を含んでもよい。例えば、一部の例では、透過面516は、ディスプレイの側部に取り付けられるLED指検出器を含んでもよい。一部の例では、プロセッサ502は、単一のタッチセンサ508と通信する。他の例では、プロセッサ502は複数のタッチセンサ508、例えば、第1のタッチスクリーン及び第2のタッチスクリーンに関連付けられるタッチセンサと通信する。タッチセンサ508は、ユーザ相互作用を検出し、ユーザ相互作用に基づいて、プロセッサ502に信号を送信するように構成される。一部の例では、タッチセンサ508は、ユーザ相互作用の複数の態様を検出するように構成されてもよい。例えば、タッチセンサ508は、ユーザ相互作用の速さ及び圧力を検出してもよい。
【0056】
コンピュータデバイス500において、透過面516は、マイクロドットアクチュエータ(518、520、522)を有する。複数の例において、マイクロドットアクチュエータは、所定のパターンで透過面516全体に有る。例えば、マイクロドットアクチュエータは、マトリクスパターンで表面全体に有ってもよい。一部の例では、マイクロドットアクチュエータは、透過面516の様々な領域に有ってもよい。例えば、マイクロドットアクチュエータ518は、(透過面の底部中心等)透過面516の一領域に有ってもよく、マイクロドットアクチュエータ520は、(透過面の中央左部等)透過面516の別の領域に有ってもよく、マイクロドットアクチュエータ522は、(透過面の中央右部等)透過面516の更に別の領域に有り得る。この例示では、マイクロドットアクチュエータ(518、520及び522)は、透過面516において非隣接している。様々な例において、マイクロドットアクチュエータ(518、520及び522)の各々は、透過面516内の任意の適切な場所に設置され得る。一部の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータは、1つ以上の他のマイクロドットアクチュエータに隣接している。他の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータは、1つ以上の他のマイクロドットアクチュエータに非隣接している。
【0057】
コンピュータデバイス500において、マイクロドットアクチュエータ(518、520及び522)は、I/O512及びバス506を介してプロセッサ502と通信する。他の例では、プロセッサ502は、プロセッサ502と直接的に通信するか又はバス506を介してプロセッサと間接的に通信する。複数の例において、プロセッサ502は、各マイクロドットアクチュエータを個別に制御する。例えば、プロセッサ502は、特定のマイクロドットアクチュエータに信号を送信して、そのマイクロドットアクチュエータを作動させる。この例示では、プロセッサ502は、(複数の)こうしたマイクロドットアクチュエータを作動させるための1つ以上の信号を1つ以上のマイクロドットアクチュエータに送信し得る。一部の例では、プロセッサ502は、一群のマイクロドットアクチュエータに信号を送信する。例えば、プロセッサ502は、透過面516の特定領域内の一群のマイクロドットアクチュエータに信号を送信し得る。一部の例では、プロセッサ502は、一群のマイクロドットアクチュエータを作動させるための単一の信号を一群のマイクロドットアクチュエータに送信し得る。他の例では、プロセッサ502は、こうしたマイクロドットアクチュエータを作動させるための1つ以上の信号を透過面516の特定領域内のマイクロドットアクチュエータに送信し得る。
【0058】
1つ以上のマイクロドットアクチュエータ(518、520、522)は、
図1に関して先に検討されたマイクロドットアクチュエータ(105、110、115又は120)、
図1に関して先に検討されたマイクロドットアクチュエータ(105、110、115又は120)を有するアクチュエータアレイ100、
図3に関して先に検討されたマクロファイバコンポジット(MFC)マイクロドットアクチュエータ、
図4に関して先に検討された電気活性ポリマー(EAP)マイクロドットアクチュエータ、別の圧電セラミックアクチュエータ、別の圧電アクチュエータ、スマートゲルアクチュエータ、又はこれらの組み合わせ等の任意の適切なマイクロドットアクチュエータであり得る。一部の例では、1つ以上のマイクロドットアクチュエータは、
図2に関して先に記載された方法200に従って製造され得る。
【0059】
上記のように、一部の例では、コンピュータデバイス500は、透過面516及びディスプレイを組み合わせたタッチ可能ディスプレイを含んでもよい。透過面516は、ディスプレイ外部又はディスプレイのコンポーネント上の1つ以上の材料レイヤに対応してもよい。他の例では、コンピュータデバイス500の特定の構成によっては、透過面516はディスプレイを含まなくてもよい(そうでない場合、ディスプレイに対応する)。
【0060】
コンピュータデバイス500は、1つ以上の追加のセンサ540も備える。(複数の)センサ540は、プロセッサ502にセンサ信号を送信するように構成される。一部の例では、(複数の)センサ540は、例えば、カメラ、湿度センサ、周辺光センサ、ジャイロスコープ、GPSユニット、加速度計、距離センサ又は深度センサ、バイオリズムセンサ、又は温度センサを含んでもよい。
図5に示された例ではセンサ540がコンピュータデバイス500の内部に有るように描かれているが、一部の例では、センサ540はコンピュータデバイス500の外部に有ってもよい。例えば、一部の例では、1つ以上のセンサ540が、ゲームシステムを含むコンピュータデバイス500で使用されるゲームコントローラに関係付けられてもよい。一部の例では、プロセッサ502は単一のセンサ540と通信してもよく、他の例では、プロセッサ502は複数のセンサ540と通信してもよい。一部の例では、センサ540は、コンピュータデバイス500から遠隔に有るが、プロセッサ502に通信可能に結合されてもよい。
【0061】
コンピュータデバイス500は、プロセッサ502と通信する触覚出力デバイス544を更に含む。触覚出力デバイス544は、触覚信号に応答して触覚効果を出力するように構成される。一部の例では、触覚出力デバイス544は、例えば、振動、知覚される摩擦係数の変化、シミュレートされるテクスチャ、温度の変化、ストロークの感覚、電気触覚効果、又は表面変形(例えば、コンピュータデバイス500に関係付けられる表面の変形)を含む触覚効果を出力するように構成される。本明細書には単一の触覚出力デバイス544が示されているが、一部の例では、触覚効果を生ずるために連続して又は同時に作動され得る同じ又は異なるタイプの複数の触覚出力デバイス544を含んでもよい。
【0062】
図5に示される例では、触覚出力デバイス544は、コンピュータデバイス500の内部に有る。他の例では、触覚出力デバイス544は、コンピュータデバイス500から遠隔に有るが、例えば、
図3に示されるように、プロセッサ502に通信可能に結合されてもよい。例えば、触覚出力デバイス544は、コンピュータデバイス500の外部に有り、イーサネット、USB、IEEE1394等の有線インターフェース、及び/又はIEEE802.11、ブルートゥース、又はラジオインターフェース等の無線インターフェースを介してコンピュータデバイス100と通信してもよい。
【0063】
一部の例では、触覚出力デバイス544は、振動を含む触覚効果を出力するように構成されてもよい。一部のこのような例では、触覚出力デバイス544は、圧電アクチュエータ、電気モータ、電磁アクチュエータ、音声コイル、形状記憶合金、電気活性ポリマー、ソレノイド、偏心回転質量モータ (ERM)又は線形共振アクチュエータ(LRA)の1つ以上を含んでもよい。
【0064】
一部の例では、触覚出力デバイス544は、例えば、触覚信号に応じてコンピュータデバイス500の表面に沿って知覚される摩擦係数を調節する触覚効果を出力するように構成されてもよい。一部のこのような例では、触覚出力デバイス544は、超音波アクチュエータを含んでもよい。超音波アクチュエータは、圧電材料を含んでもよい。超音波アクチュエータは、所定の超音波周波数、例えば、20kHzで振動して、透過面516の表面において知覚される係数を増加又は減少してもよい。
【0065】
一部の例では、触覚出力デバイス544は、静電気引力を使用して、例えば、静電アクチュエータを使用することによって、触覚効果を出力してもよい。触覚効果は、シミュレートされるテクスチャ、シミュレートされる振動、ストロークの感覚、又はコンピュータ装置500に関係付けられる表面(透過面516)における知覚される摩擦係数の変化を含んでもよい。一部の例では、静電アクチュエータは、導電レイヤ及び絶縁レイヤを含んでもよい。導電レイヤは、任意の半導体又は銅、アルミニウム、金又は銀等の他の導電性材料であってもよい。絶縁レイヤは、ガラス、プラスチック、ポリマー、又は任意の他の絶縁性材料であってもよい。更に、プロセッサ502は、導電レイヤに電気信号、例えば、AC信号を加えることにより静電アクチュエータを動作させてもよい。一部の例では、高電圧増幅器がAC信号を生成してもよい。電気信号は、導電レイヤと触覚出力装置544に近接する又は接触するオブジェクト(例えば、ユーザの指又はスタイラス)との間に容量結合を生成してもよい。一部の例では、オブジェクトと導電レイヤとの間の引力レベルの変化は、ユーザによって知覚される触覚効果を変化させることができる。
【0066】
また、コンピュータデバイス500は前面カメラ534も含む。例えば、
図5に示された前面カメラ534は、ユーザによってコンピュータデバイス500が使用されるときに、コンピュータデバイス500のユーザの方に向く又は面する。前面カメラ534は、映像信号をプロセッサ502に伝達するように構成される。一部の例では、プロセッサ502は、バス506を介して前面カメラ534と通信する。
【0067】
また、コンピュータデバイス500は後面カメラ540も含む。例えば、
図5に示された後面カメラ540は、ユーザによってコンピュータデバイス500が使用されるときに、コンピュータデバイス500のユーザから離れた方に向く又は面する。後面カメラ540は、映像信号をプロセッサ502に伝達するように構成される。一部の例では、プロセッサ502は、バス506を介して後面カメラ540と通信する。
【0068】
次に
図6Aを参照すると、この図面は、非マイクロドットアクチュエータの例示的な変位場を示す。この例示では、5’’×5’’の表面が1’’×1’’の非マイクロドットアクチュエータ(1’’×1’’の非マイクロドットMFCアクチュエータ等)を使用して作動されている。
図6Aに示されたように単一のアクチュエータを使用する代わりに、同じ5’’×5’’の表面が多数のマイクロドットアクチュエータを使用して作動され得る。一部の例では、マイクロドットアクチュエータを有するアクチュエータアレイのサイズは、単一の非マイクロドットアクチュエータのサイズ(
図6Aにおいて、1’’×1’’)に相当する。この例示では、アクチュエータアレイは、5ナノメートルから1ミクロンの間の横方向サイズを有する多数のマイクロドットアクチュエータを有し得る。一部の例では、マイクロドットアクチュエータは、マイクロドットアクチュエータが可視光に対して透過的であるように横方向サイズを有し得る。複数の例において、アクチュエータアレイは、5ナノメートルから10ミクロンの間の横方向サイズを有する1つ以上のアクチュエータを有してもよい。
【0069】
図6B及び6Cに示された例示的な変位は、18個の小型アクチュエータを有するアクチュエータアレイの例示的な変位場を示す。18個の小型アクチュエータを有するアクチュエータアレイは、
図6Aで使用された1’’×1’’の非マイクロドットアクチュエータのサイズに相当する。
図6A及び6Bに見て取れるように、
図6B及び
図6Cで使用されるアクチュエータアレイの全体サイズ、及び
図6Aで使用される非マイクロドットアクチュエータはサイズが匹敵するとしても(例えば、両者のサイズは1’’×1’’である)、
図6A及び6Bで使用される小型アクチュエータは、
図6Aで使用される非マイクロドットアクチュエータよりも大きな表面積を作動させることができる。
【0070】
小型アクチュエータを使用してアクチュエータアレイの全表面積を一定に保ちながらより大きな表面積を作動させる原理は、様々な例によるマイクロドットアクチュエータに拡張され得る。例えば、
図6B及び6Cに示された変位に使用される18個のアクチュエータのみを使用する代わりに、1’’×1’’のアクチュエータアレイがアクチュエータアレイ全体にマイクロドットアクチュエータのマトリクスを有し得る。この例示では、各マイクロドットアクチュエータは、応用によっては5ナノメートルから10ミクロンの範囲の任意の数の適切なサイズであり得る。一部の例では、アクチュエータアレイ及びアレイに使用される各マイクロドットアクチュエータは、半透明又は可視光に対して完全に透過的であり得る。一部の例では、アクチュエータアレイ及びマイクロドットアクチュエータは、
図1に関して本明細書で検討されたアクチュエータアレイ、及び/又は
図1、3、4及び5に関して本明細書で検討されたマイクロドットアクチュエータ等の任意の適切なアクチュエータアレイ及びマイクロドットアクチュエータであり得る。一部の例では、アクチュエータアレイ及び/又はマイクロドットアクチュエータは、
図2に関して本明細書で検討された方法200に従って製造され得る。
【0071】
次に
図7を参照すると、この図面は、一例による所定のマイクロドットアクチュエータに沿ってマイクロファイバ(740、745、750等)を備えたマイクロドットアクチュエータ(720、725、730等)を有する例示的なディスプレイ710を示す。ディスプレイ710は、
図5に示されたスマートフォン500等のコンピュータデバイス又は本明細書に記載の別のコンピュータデバイスの一部であり得る。
図7に示されたマイクロドットアクチュエータ(720、725、730等)は、本明細書に記載の1つ以上のマイクロドットアクチュエータであり得る。
【0072】
図7において、マイクロドットアクチュエータ(720、725、730等)はアクチュエータアレイを形成する。マイクロドットアクチュエータは、複数の行において整列され、各行内で間隔を空けて配置される。この例示では、マイクロファイバ(740、745、750等)は、各行においてマイクロドットと共に整列する。様々な例において、1つ以上のマイクロドットと共にマイクロファイバを使用することは、ディスプレイ710の触覚性能を改善することができる。
【0073】
本明細書に記載のデバイス、システム及び方法の一部の例は様々な機械で実行するソフトウェアに関して記載されているが、方法及びシステムは、例えば、様々な方法を特別に実行するためのフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field−programmable gate array;FPGA)等の特別に構成されたハードウェアとして実装されてもよい。例えば、例示は、デジタル電子回路で、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア若しくはこれらの組み合わせで実装され得る。一例では、デバイスは、1つ又は複数のプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、プロセッサに結合されるランダム・アクセス・メモリ(random access memory;RAM)等のコンピュータ可読媒体を備える。プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能プログラム命令を実行する。例えば、画像を編集するための1つ以上のコンピュータプログラムを実行する。このようなプロセッサは、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(digital signal processor;DSP)、特定用途向け集積回路(application−specific integrated circuit;ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array;FPGA)、及び状態機械を含む。このようなプロセッサは、PLC、プログラマブル割り込みコントローラ(programmable interrupt controller;PIC)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device;PLD)、プログラマブルROM(programmable read−only memory;PROM)、電気的プログラマブルROM(electronically programmable read−only memory;EPROM又はEEPROM)、又は他の類似のデバイス等のプログラマブルコンピュータデバイスを更に備えてもよい。
【0074】
このようなプロセッサは、媒体、例えば、プロセッサによって実行されると、プロセッサによって遂行又は支援される本明細書に記載のステップをプロセッサに実行させることができる命令を記憶し得るコンピュータ可読記憶媒体を備え又はこれと通信してもよい。コンピュータ可読媒体の例は、限定されないが、プロセッサ、例えばウェブサーバのプロセッサにコンピュータ可読命令を提供することができる電子、光学、磁気又は他の記憶デバイスを含んでもよい。媒体の他の例は、限定されないが、フロッピーディスク、CD−ROM、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、構成プロセッサ、全ての光学媒体、全ての磁気テープ若しくは他の磁気媒体、又はコンピュータプロセッサが読み取り可能な任意の他の媒体を含む。記載されたプロセッサ及び処理は、1つ以上の構造内に有ってもよく、1つ以上の構造を通じて分散されてもよい。プロセッサは、本明細書に記載の1つ以上の方法(又は方法の一部)を実行するためのコードを備えてもよい。
【0075】
本明細書に開示の方法の例は、コンピュータデバイスの動作で実行されてもよい。上記の例において提示されたブロックの順序は変化し得る。例えば、ブロックは、最順序付けされ、結合され、及び/又は小ブロックに分割され得る。所定のブロック又は処理が並列に行われ得る。従って、本明細書に開示の方法のステップは特定の順番で示され且つ記載されているが、他の例は同じ、追加の又は少ないステップを含んでもよい。一部の例は、異なる順番で又は並列にステップを実行してもよい。一部の例では、本明細書に記載の方法における1つ以上のステップは選択的であってもよい。
【0076】
一部の例の上記の説明は、例示及び説明のためにのみ示されているのであって、網羅的であること又は開示された厳密な形態に本開示を限定することは意図されていない。その多くの修正及び適合が、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく当業者には明らかであろう。
【0077】
本明細書における一例又は実装への言及は、特定の機能、構造、操作、又は例と関連して記載される他の特徴が本開示の少なくとも1つの実装に含まれ得ることを意味する。本開示は、このように記載された特定の例又は実装に制限されない。明細書の様々な場所における「一例では」又は「ある例において」、「一実装では」又は「ある実装において」という句又はこれらの変形の出現は、必ずしも同じ例又は実装への言及ではない。任意の特定の機能、構造、操作、又は一例若しくは実装に関連する本明細書に記載の他の特徴は、他の機能、構造、操作、又は任意の他の例若しくは実装に関して記載された他の特徴と組み合わされてもよい。