特開2018-199396(P2018-199396A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オートネットワーク技術研究所の特許一覧
<>
  • 特開2018199396-タイヤ空気圧検出システム 図000003
  • 特開2018199396-タイヤ空気圧検出システム 図000004
  • 特開2018199396-タイヤ空気圧検出システム 図000005
  • 特開2018199396-タイヤ空気圧検出システム 図000006
  • 特開2018199396-タイヤ空気圧検出システム 図000007
  • 特開2018199396-タイヤ空気圧検出システム 図000008
  • 特開2018199396-タイヤ空気圧検出システム 図000009
  • 特開2018199396-タイヤ空気圧検出システム 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-199396(P2018-199396A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】タイヤ空気圧検出システム
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/00 20060101AFI20181122BHJP
   B60C 23/04 20060101ALI20181122BHJP
   B60C 23/02 20060101ALI20181122BHJP
   G01L 17/00 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   B60C23/00 Z
   B60C23/04 N
   B60C23/02 B
   G01L17/00 301P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-104516(P2017-104516)
(22)【出願日】2017年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 彰規
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA12
2F055BB20
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF34
2F055GG49
(57)【要約】
【課題】検出装置がNullポイントに位置する場合であっても、該検出装置から空気圧情報を取得できるタイヤ空気圧検出システムを提供する。
【解決手段】
車両のタイヤの空気圧情報を要求する要求信号を発信する複数の発信装置と、前記要求信号に応じてタイヤの空気圧を検出し、空気圧情報を含む応答信号を発信する検出装置と、前記応答信号を受信して前記空気圧情報を取得する取得装置とを含むタイヤ空気圧検出システムで、前記一の発信装置が前記検出装置に前記要求信号を発信し、斯かる一の発信装置の前記要求信号に対する応答信号が前記取得装置にて受信されない異常の場合、前記他の発信装置が前記一の発信装置の前記要求信号より高い出力レベルの高出力要求信号を発信する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のタイヤの空気圧情報を要求する要求信号を発信する複数の発信装置と、前記要求信号に応じてタイヤの空気圧を検出し、空気圧情報を含む応答信号を発信する検出装置と、前記応答信号を受信して前記空気圧情報を取得する取得装置とを含むタイヤ空気圧検出システムであって、
前記複数の発信装置は、
前記検出装置に前記要求信号を発信する一の発信装置と、
該一の発信装置の前記要求信号に対する応答信号が前記取得装置にて受信されない異常の場合、前記一の発信装置の前記要求信号より高い出力レベルの高出力要求信号を発信する他の発信装置と
を含むタイヤ空気圧検出システム。
【請求項2】
前記タイヤは複数であり、
前記検出装置は各タイヤに設けられており、
前記異常の場合を除く通常の場合、
前記一の発信装置は何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信して前記応答信号を返信させ、
前記他の発信装置は、前記一つの検出装置を除く他の検出装置に前記要求信号を発信して前記応答信号を返信させる請求項1に記載のタイヤ空気圧検出システム。
【請求項3】
前記タイヤは複数であり、
各タイヤには前記検出装置が設けられており、
前記異常の場合を除く通常の場合、
前記一の発信装置は何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信して前記応答信号を返信させ、
前記他の発信装置は前記車両の室内に配置されている請求項1に記載のタイヤ空気圧検出システム。
【請求項4】
前記タイヤは複数であり、
各タイヤには前記検出装置が設けられており、
前記異常の場合を除く通常の場合、
前記一の発信装置は何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信して前記応答信号を返信させ、
前記他の発信装置は車両内収納部に配置されている請求項1に記載のタイヤ空気圧検出システム。
【請求項5】
前記応答信号は該応答信号を発信する検出装置の識別情報を含み、
各タイヤに設けられた複数の検出装置の識別情報を記憶している記憶部と、
前記高出力要求信号に対する複数の応答信号が受信された場合、前記記憶部の前記識別情報に基づいて、前記一つの検出装置からの応答信号を特定する特定部と
を備える請求項2から4の何れか一つに記載のタイヤ空気圧検出システム。
【請求項6】
前記応答信号は該応答信号を発信する検出装置の識別情報を含み、
前記複数の発信装置は前記通常の場合における前記要求信号の送信先の検出装置に夫々対応して配置され、
前記一の発信装置の前記要求信号に対する応答信号が受信されない場合、前記他の発信装置に、前記送信先の検出装置に前記要求信号を夫々発信するよう発信指示を行う発信指示部と、
前記発信指示に応じて発信された要求信号に対する応答信号から前記識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記高出力要求信号に対する複数の応答信号が受信された場合、取得された識別情報に基づいて、前記一つの検出装置からの応答信号を特定する特定部と
を備える請求項2に記載のタイヤ空気圧検出システム。
【請求項7】
前記他の発信装置は2つ以上であり、
複数の他の発信装置は順次前記高出力要求信号の発信を行う請求項1から6の何れか一つに記載のタイヤ空気圧検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に設けられたタイヤの空気圧を検出し、検出した空気圧が異常であった場合、使用者に警告等を発するタイヤ空気圧監視システム(TPMS : Tire Pressure Monitoring System)がある。タイヤ空気圧監視システムは、各タイヤに設けられた検出装置と、車体に配された監視装置とを備える。検出装置は、タイヤの空気圧を検出し、検出して得られた空気圧情報を含む信号をUHF帯の電波を用いて無線送信する。監視装置は、各検出装置から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて各タイヤの空気圧を検出する。監視装置は、各検出装置から送信された信号に含まれた空気圧情報に基づき各タイヤの空気圧をインジケータに表示し、又はタイヤの空気圧に異常があった場合、タイヤの空気圧異常をインジケータに表示して警告を発する。
【0003】
ところで、従来のタイヤ空気圧監視システムは、監視装置と検出装置との間の通信方式において、車両走行時に検出装置が自発的に空気圧情報を含む信号を送信する自発的送信方式を採用するシステムと、監視装置からの要求に応じて検出装置が空気圧情報を含む信号を送信する非自発的送信方式を採用するシステムとの2通りがある。
【0004】
自発的送信方式においては、各タイヤの検出装置は、タイヤが回転している場合、自発的に空気圧情報、自装置の識別情報及び車両の識別情報を含む信号を定期的に監視装置へ送信する。監視装置は、タイヤ位置に対応付けられた識別情報と、前記信号に含まれる識別情報とを照合することによって、いずれのタイヤに空気圧異常が発生したかを認識することができる。
【0005】
非自発的送信方式においては、監視装置は、各タイヤ位置近傍にそれぞれ配された複数のLF(Low Frequency)送信アンテナから、検出した空気圧の送信を要求する要求信号を各検出装置へ個別に送信する。各検出装置は、要求信号に応じて検出した空気圧、前記自装置の識別情報及び車両の識別情報を含む信号を監視装置に送信する。
【0006】
検出装置との間に通信ができないいわゆるNullポイントが存在する。検出装置が斯かるNullポイントに位置する場合は、検出装置が送信した信号が監視装置側にて受信できず、又は、検出装置への前記要求信号が斯かる検出装置にて受信できない。
【0007】
一方、特許文献1においては、検出装置が、送信する信号を重複して複数のフレームとし、各フレームを互いに間隔をおいて送信し、各フレームに該フレームの送信時における検出装置の回転位置(回転角度)情報を含め、監視装置側では、複数のフレームのうち受信されたものの受信情報に基づいて、検出装置の送信時における回転位置を推定することによって、検出装置の車輪位置(車両に対するタイヤの取り付け位置)をより精度良く判定することができるタイヤ空気圧モニター装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012−240615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1のタイヤ空気圧モニター装置は、検出装置がNullポイントに位置することによって斯かる検出装置が送信した信号が監視装置側にて受信できない問題を解決できるのみである。すなわち、検出装置がNullポイントに位置することから、LF送信アンテナから検出装置に送信する前記要求信号を斯かる検出装置にて受信できないことによって当該検出装置が空気圧情報を含む信号を送信しないという問題については解決できない。
【0010】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検出装置がNullポイントに位置することにより、LF送信アンテナが検出装置に送信する前記要求信号を斯かる検出装置にて受信できない場合であっても、該検出装置に空気圧情報を含む信号を送信させ、斯かる検出装置から空気圧情報を取得できるタイヤ空気圧検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本態様に係るタイヤ空気圧検出システムは、車両のタイヤの空気圧情報を要求する要求信号を発信する複数の発信装置と、前記要求信号に応じてタイヤの空気圧を検出し、空気圧情報を含む応答信号を発信する検出装置と、前記応答信号を受信して前記空気圧情報を取得する取得装置とを含むタイヤ空気圧検出システムであって、前記複数の発信装置は、前記検出装置に前記要求信号を発信する一の発信装置と、該一の発信装置の前記要求信号に対する応答信号が前記取得装置にて受信されない異常の場合、前記一の発信装置の前記要求信号より高い出力レベルの高出力要求信号を発信する他の発信装置とを含む。
【0012】
なお、本願を、このような特徴的な処理部を備えるタイヤ空気圧検出システムとして実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとするタイヤ空気圧検出方法又は発信方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。また、本願を、タイヤ空気圧検出システムの一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、タイヤ空気圧検出システムを含む他のシステムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0013】
上記の態様によれば、検出装置がNullポイントに位置することにより、斯かる検出装置にて前記要求信号を受信できない場合であっても、該検出装置に空気圧情報を含む信号を送信させ、斯かる検出装置から空気圧情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システムの要部構成の一例を示す概念図である。
図2】実施形態1に係る監視装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る制御部の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】実施形態1に係る記憶部に記憶された識別情報テーブルの一例を示す概念図である。
図5】実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システムにおけるタイヤ空気圧検出処理の手順を示すフローチャートである。
図6】実施形態4に係る制御部の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。
図7】実施形態4に係るタイヤ空気圧検出システムにおけるタイヤ空気圧検出処理の手順を示すフローチャートである。
図8】実施形態5に係るタイヤ空気圧検出システムにおけるタイヤ空気圧検出処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列挙して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0016】
(1)本発明の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムは、車両のタイヤの空気圧情報を要求する要求信号を発信する複数の発信装置と、前記要求信号に応じてタイヤの空気圧を検出し、空気圧情報を含む応答信号を発信する検出装置と、前記応答信号を受信して前記空気圧情報を取得する取得装置とを含むタイヤ空気圧検出システムであって、前記複数の発信装置は、前記検出装置に前記要求信号を発信する一の発信装置と、該一の発信装置の前記要求信号に対する応答信号が前記取得装置にて受信されない異常の場合、前記一の発信装置の前記要求信号より高い出力レベルの高出力要求信号を発信する他の発信装置とを含む。
【0017】
上記の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムにあっては、前記一の発信装置が前記検出装置に前記要求信号を発信し、斯かる一の発信装置の前記要求信号に対する応答信号が前記取得装置にて受信されない異常の場合、前記他の発信装置が前記一の発信装置の前記要求信号より高い出力レベルの高出力要求信号を発信する。
これによって、前記他の発信装置と前記検出装置との間にいわゆるクロストークが生じ、斯かる検出装置は前記他の発信装置からの高出力要求信号に応じて応答信号を発信するので、前記取得装置が該応答信号を受信して空気圧情報を取得できる。
【0018】
(2)本発明の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムは、前記タイヤは複数であり、前記検出装置は各タイヤに設けられており、前記異常の場合を除く通常の場合、前記一の発信装置は何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信して前記応答信号を返信させ、前記他の発信装置は、前記一つの検出装置を除く他の検出装置に前記要求信号を発信して前記応答信号を返信させる。
【0019】
上記の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムにあっては、通常の場合、前記一の発信装置は何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信し、前記他の発信装置は、前記一つの検出装置を除く他の検出装置に前記要求信号を発信する。しかし、前記一の発信装置が前記何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信し、斯かる一つの検出装置からの応答信号が前記取得装置にて受信されない異常の場合、前記他の発信装置の何れかが前記高出力要求信号を発信して、前記一つの検出装置とのクロストークを生じさせる。これによって、前記一つの検出装置が応答信号を発信し、前記取得装置が斯かる応答信号に含まれている空気圧情報を取得できる。
【0020】
(3)本発明の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムは、前記タイヤは複数であり、各タイヤには前記検出装置が設けられており、前記異常の場合を除く通常の場合、前記一の発信装置は何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信して前記応答信号を返信させ、前記他の発信装置は前記車両の室内に配置されている。
【0021】
上記の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムにあっては、通常の場合、前記一の発信装置は何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信する。しかし、前記一の発信装置が前記何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信し、斯かる一つの検出装置からの応答信号が前記取得装置にて受信されない異常の場合、前記車両の室内に配置されている前記他の発信装置が前記高出力要求信号を発信して、前記一つの検出装置とのクロストークを生じさせる。これによって、前記一つの検出装置が応答信号を発信し、前記取得装置が斯かる応答信号に含まれている空気圧情報を取得できる。
【0022】
(4)本発明の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムは、前記タイヤは複数であり、各タイヤには前記検出装置が設けられており、前記異常の場合を除く通常の場合、前記一の発信装置は何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信して前記応答信号を返信させ、前記他の発信装置は車両内収納部に配置されている。
【0023】
上記の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムにあっては、通常の場合、前記一の発信装置は何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信する。しかし、前記一の発信装置が前記何れか一つの検出装置に前記要求信号を発信し、斯かる一つの検出装置からの応答信号が前記取得装置にて受信されない異常の場合、前記車両内収納部に配置されている前記他の発信装置が前記高出力要求信号を発信して、前記一つの検出装置とのクロストークを生じさせる。これによって、前記一つの検出装置が応答信号を発信し、前記取得装置が斯かる応答信号に含まれている空気圧情報を取得できる。
【0024】
(5)本発明の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムは、前記応答信号は該応答信号を発信する検出装置の識別情報を含み、各タイヤに設けられた複数の検出装置の識別情報を記憶している記憶部と、前記高出力要求信号に対する複数の応答信号が受信された場合、前記記憶部の前記識別情報に基づいて、前記一つの検出装置からの応答信号を特定する特定部とを備える。
【0025】
上記の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムにあっては、前記高出力要求信号によって複数の検出装置とのクロストークが生じ、複数の応答信号が受信された場合、前記特定部が、前記記憶部の前記識別情報に基づいて、前記複数の応答信号から前記一つの検出装置からの応答信号を特定する。これによって、前記取得装置が斯かる応答信号に含まれている空気圧情報を取得できる。
【0026】
(6)本発明の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムは、前記応答信号は該応答信号を発信する検出装置の識別情報を含み、前記複数の発信装置は前記通常の場合における前記要求信号の送信先の検出装置に夫々対応して配置され、前記一の発信装置の前記要求信号に対する応答信号が受信されない場合、前記他の発信装置に、前記送信先の検出装置に前記要求信号を夫々発信するよう発信指示を行う発信指示部と、前記発信指示に応じて発信された要求信号に対する応答信号から前記識別情報を取得する識別情報取得部と、前記高出力要求信号に対する複数の応答信号が受信された場合、取得された識別情報に基づいて、前記一つの検出装置からの応答信号を特定する特定部とを備える。
【0027】
上記の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムにあっては、前記一の発信装置の前記要求信号に対する応答信号が受信されない異常の場合、前記発信指示部が前記他の発信装置に対して発信指示を行い、前記識別情報取得部は前記発信指示に応じて発信された要求信号に対する応答信号から前記識別情報を取得する。以降前記高出力要求信号によって複数の検出装置とのクロストークが生じ、複数の応答信号が受信された場合、前記特定部は、前記識別情報取得部によって取得された識別情報に基づいて、前記複数の応答信号から前記一つの検出装置からの応答信号を特定する。これによって、前記取得装置が斯かる応答信号に含まれている空気圧情報を取得できる。
【0028】
(7)本発明の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムは、前記他の発信装置は2つ以上であり、複数の他の発信装置は順次前記高出力要求信号の発信を行う。
【0029】
上記の一態様に係るタイヤ空気圧検出システムにあっては、何かの理由で高出力要求信号に対する応答信号が受信できない場合が生じ得るので、複数の他の発信装置が順次に前記高出力要求信号の発信を行う。
【0030】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧検出システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0031】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システムの要部構成の一例を示す概念図である。実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システム5は、車両Cの車体に適宜設けられた監視装置1(取得装置)と、車両Cに設けられた複数のタイヤ3のホイールそれぞれに設けられた検出装置2とを備える。実施形態1のタイヤ空気圧検出システム5では、監視装置1が各検出装置2と、単方向又は双方向の無線通信を行うことにより、各タイヤ3の空気圧を取得し、後述する報知装置4は取得した空気圧に応じて報知を行う。監視装置1には、各タイヤ3に設けられた複数の検出装置2と無線通信を行う複数のLF送信アンテナ14aが接続されている。例えば、LF送信アンテナ14aは検出装置2毎に対応して、その検出装置2近傍に配置されている。検出装置2は対応するLF送信アンテナ14aから送信される信号を受信できる範囲内に配置されている。各LF送信アンテナ14aは、いわゆるクロストークが発生しない範囲内で、対応する検出装置2とのみ無線通信できるよう、信号の出力レベルを設定している。
【0032】
実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システム5は2つの通信モードにて、タイヤの空気圧を検出することが出来る。一つは、検出装置2が自発的に空気圧の検出結果(以下、空気圧情報と言う。)を監視装置1に送信する自発的送信モードであり、その他は、監視装置1からの要求に応じて検出装置2が空気圧情報を監視装置1に送信する非自発的送信モードである。以下においては、タイヤ空気圧検出システム5が非自発的通信モードを用いて、空気圧情報を検出するものとして説明する。
【0033】
非自発的通信モードにおいて、監視装置1は、各タイヤ3の空気圧情報を要求する要求信号を、各LF送信アンテナ14a(発信装置)からLF帯の電波によって対応する夫々の検出装置2へ発信する。各検出装置2は、対応するLF送信アンテナ14aからの要求信号に応じて、タイヤ3の空気圧を検出し、検出して得られた空気圧情報及び自装置の識別情報を含む応答信号をUHF(Ultra High Frequency)帯の電波により監視装置1へ送信する。
【0034】
一方、監視装置1は、RF受信アンテナ13aを備え、各検出装置2から送信された応答信号を、RF受信アンテナ13aを介して受信する。監視装置1は、後述するように、車両Cにおいてタイヤ3が設けられる位置(以下、タイヤ位置と言う。)と、該タイヤ位置のタイヤ3に設けられた検出装置2の識別情報との関係を記憶しているため、前記応答信号に含まれる識別情報を用いて、各タイヤ3の空気圧情報を特定することができる。なおLF帯及びUHF帯は無線通信を行う際に用いる電波帯域の一例であり、必ずしもこれに限定されない。
【0035】
監視装置1には通信線を介して報知装置4が接続されており、監視装置1は取得した空気圧情報を報知装置4へ送信する。報知装置4は監視装置1から送信された空気圧情報を受信し、各タイヤ3の空気圧を運転者に報知する。例えば、報知装置4はタイヤ3の空気圧が所定の閾値未満である場合、運転者に警告を発する。
【0036】
図2は、実施形態1に係る監視装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。監視装置1は、該監視装置1の各構成部の動作を制御する制御部11を備える。制御部11には、記憶部12、車載受信部13、車載送信部14、計時部15、車内通信部16及び入力部17が接続されている。
【0037】
制御部11は、例えば少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース等を有するマイコンである。
【0038】
図3は実施形態1に係る制御部11の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。制御部11はCPU111、ROM112、RAM113の他に、特定部114とを有している。
【0039】
制御部11のCPU111は入出力インタフェースを介して記憶部12、車載受信部13、車載送信部14、計時部15、車内通信部16及び入力部17に接続している。CPU111は、ROM112に予め格納されている制御プログラムをRAM113上にロードして実行することによって、上述した各構成部の制御を行ない、実施形態1に係るタイヤ空気圧検出処理等を実行する。
【0040】
特定部114は、前記要求信号の発信に応じて、応答信号が受信された場合、斯かる応答信号に含まれている空気圧情報がどのタイヤ位置のタイヤ3の空気圧情報か、すなわちどの検出装置2からの応答信号であるかを特定する。例えば、特定部114は、前記応答信号に含まれている識別情報を、後述する記憶部12の識別情報テーブルと照合することにより、どのタイヤ位置のタイヤ3の空気圧情報か特定する。また、特定部114は、後述する高出力要求信号の発信に応じて、複数の応答信号が受信された場合においても、記憶部12の識別情報テーブルと照合することにより、夫々の応答信号の空気圧情報がどのタイヤ位置のタイヤ3の空気圧情報か特定する。
【0041】
記憶部12は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)(登録商標)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。また、記憶部12は識別情報テーブルを記憶している。
【0042】
図4は、実施形態1に係る記憶部12に記憶された識別情報テーブルの一例を示す概念図である。前記識別情報テーブルには、複数のタイヤ位置(位置情報)と、該タイヤ位置のタイヤ3に設けられた検出装置2の識別情報とを対応付けられている。図4に示す例では、車両Cにおける右前、右後、左後及び左前の各タイヤ位置に、対応する検出装置2の識別情報A、B、C及びDがそれぞれ対応付けられている。更に、記憶部12には、各検出装置2に対応付けられたLF送信アンテナ14aが記憶されていても良い。
【0043】
一方、4つのタイヤの摩耗状態を均一にするために、車両の前後のタイヤを相互に交換するタイヤローテーションが一般的に行われている。このようにタイヤの位置が変更された場合、監視装置1は、前記識別情報テーブルを更新する必要がある。これに対しては、各検出装置2を介して対応するタイヤ3の位相角情報を取得し、該位相角情報を各タイヤ3の車輪速の測定結果と照合することにより対応できる。以下、詳しく説明する。
【0044】
検出装置2にタイヤ位相角センサを設けることによって各タイヤ3の位相角を検出できる。前記タイヤ位相角センサは、タイヤ3のホイールに設けられ、タイヤ3の回転に係る位相角を検出する。前記タイヤ位相角センサは、例えば加速度センサを有する。タイヤ3が回転した場合、前記タイヤ位相角センサの位置が変化し、加速度センサが受ける重力の向きが変化する。前記タイヤ位相角センサは、当該重力の向きを検出することによって、斯かるタイヤ3の位相角を検出する。検出装置2は検出された位相角を位相角情報として応答信号に含んで発信する。
一方、車両Cには車輪速センサを設け、タイヤ3の車輪速を検出する。前記車輪速センサが検出した車輪速情報に基づいて、各タイヤ3の車輪速を取得することができる。
例えば、制御部11は、受信した応答信号に含まれる位相角情報に基づいて、該位相角情報の送信元の検出装置2に対応するタイヤ3の車輪速を算出する。所定の時間間隔で検出された異なる複数時点におけるタイヤ3の位相角を得ることによって、所定の時間間隔及び各時点における位相角の情報に基づいて、タイヤ3の車輪速を求めることが可能である。
【0045】
そして、制御部11は、前記車輪速センサを介して取得したタイヤ3の車輪速と、算出された各タイヤ3の車輪速とを照合し、互いに車輪速が近似する組み合わせを求めることによって、位相角情報の送信元の検出装置2に対応するタイヤ位置(タイヤ)を認識することができる。このようにして、制御部11は、各応答信号に含まれる識別情報と、タイヤ位置との対応関係を特定し、識別情報テーブルを更新する。
【0046】
車載受信部13には、RF受信アンテナ13aが接続されている。車載受信部13は、検出装置2からRF帯の電波を用いて送信された信号(例えば、応答信号)を、RF受信アンテナ13aを介して受信する。車載受信部13は、受信した信号を復調し、復調された信号を制御部11に出力する。搬送波としては300MHz〜3GHzのUHF帯を使用するが、この周波数帯に限定するものでは無い。
【0047】
車載送信部14には、検出装置2に前記要求信号を発信するLF送信アンテナ14a(発信装置)と、車両Cの室内に設けられ、室内の乗客が所持する携帯機への信号送信に用いられる室内LF送信アンテナ14b(発信装置)と、車両内の収納部に設けられ、室外の携帯機への信号送信に用いられる収納部LF送信アンテナ14c(発信装置)とが接続されている。収納部LF送信アンテナ14cは例えば、車両Cのトランクの内側又は外側に設けられる。車載送信部14は制御部11から出力された信号をLF帯の信号に変調し、変調された信号を複数のLF送信アンテナ14a、室内LF送信アンテナ14b又は収納部LF送信アンテナ14cから発信させる。搬送波としては30kHz〜300kHzのLF帯を使用するが、この周波数帯に限定するものでは無い。
夫々のLF送信アンテナ14aは近傍の検出装置2に対応付けられ、後述する異常の場合を除く通常の場合、斯かる検出装置2に前記要求信号を送信して前記応答信号を返信させる。上述したように、LF送信アンテナ14aは信号の出力レベルが制限されており、各LF送信アンテナ14aからの要求信号が近傍の各検出装置2にのみ届くように配置されている。すなわち、各LF送信アンテナ14aは要求信号の送信先である検出装置2に対応して配置されている。
【0048】
計時部15は、例えばタイマ、リアルタイムクロック等により構成され、制御部11の指示に従って計時を開始し、計時結果を制御部11に与える。
【0049】
車内通信部16は、CAN(Controller Area Network)又はLIN(Local Interconnect Network)等の通信プロトコルに従って通信を行う通信回路であり、報知装置4に接続されている。車内通信部16は、制御部11の指示に従って、タイヤ3の空気圧に係る情報を報知装置4へ送信する。
【0050】
報知装置4は、例えば、車内通信部16から送信されたタイヤ3の空気圧に係る情報を画像又は音声によって報知する表示部又はスピーカを備えたオーディオ機器、インスツルメントパネルの計器に設けられた表示部等である。表示部は液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ等である。例えば、報知装置4は、車両Cに設けられた各タイヤ3の空気圧情報を表示する。また、タイヤ3の空気圧が所定の閾値未満である等の異常が発生した場合、その旨を表示する。
【0051】
入力部17には、イグニッションスイッチ6の操作状態に応じたイグニッションスイッチ信号(以下、IGスイッチ信号と言う。)が入力され、制御部11は、入力部17に入力したIGスイッチ信号に基づいて、イグニッションスイッチ6の操作状態を認識することができる。
【0052】
一方、各LF送信アンテナ14aが対応する検出装置2に要求信号を発信したものの、斯かる検出装置2が当該要求信号を受信することが出来ない場合がある。検出装置2がいわゆるNullポイントに位置している場合、このような問題が生じる。しかし、実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、このような問題を解決できるように構成されている。
【0053】
図5は、実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システム5におけるタイヤ空気圧検出処理の手順を示すフローチャートである。以下、説明の便宜上、イグニッションスイッチ6がオフ状態からオン状態になった場合、監視装置1の制御部11が以下の処理を実行するものとする。
【0054】
CPU111は、所要の検出タイミングであるか否かを判定する(ステップS101)。検出タイミングは、例えば所定の時間間隔毎に到来する時点であり、CPU111は計時部15を参照して検出タイミングを計ることができる。また、検出タイミングは、タイヤ空気圧検出処理の開始後にある1回の所定タイミングであっても良いし、複数回であっても良い。検出タイミングでないと判定した場合(ステップS101:NO)、CPU111はタイヤ空気圧検出処理を終了する。
【0055】
一方、検出タイミングであると判定した場合(ステップS101:YES)、CPU111は、各LF送信アンテナ14aに要求信号を発信するよう指示する。CPU111の指示に応じて、各LF送信アンテナ14aは対応する検出装置2に要求信号を発信する(ステップS102)。要求信号の発信は、各LF送信アンテナ14aが同時的に行ってもよく、所定の順序にて行っても良い。
斯かる要求信号に応じて検出装置2が応答信号を発信した場合、RF受信アンテナ13aによって受信される。
【0056】
次いでCPU111は全ての検出装置2から応答信号が受信されたか否かを判定する(ステップS103)。斯かる判定は、例えば、CPU111がRF受信アンテナ13aを監視し、含まれている識別情報が異なる4つの応答信号を受信したか判定することにより行われる。
【0057】
CPU111によって全ての検出装置2から応答信号が受信されたと判定された場合(ステップS103:YES)、特定部114は、受信された応答信号に含まれる識別情報と、前記識別情報テーブルに登録された識別情報とを照合する。これによって、特定部114は応答信号に含まれた空気圧情報がどのタイヤ位置(タイヤ3)の空気圧情報であるかを決定する。
【0058】
そして、CPU111は、決定した各タイヤ位置の空気圧情報を報知装置4へ出力する。報知装置4は、斯かる空気圧情報を運転者に報知する(ステップS108)。
【0059】
一方、全ての検出装置2から応答信号が受信されなかったと判定した場合(ステップS103:NO)、CPU111はその応答信号が受信されなかった検出装置2を特定する(ステップS104)。すなわち、CPU111は受信した各応答信号に含まれた識別情報を前記識別情報テーブルに登録された識別情報と照合して、その応答信号が受信されなかった検出装置2(以下、不受信検出装置2と言う。)の識別情報を特定できる。この場合、前記不受信検出装置2がNullポイントに位置していると推測できる。不受信検出装置2がNullポイントに位置している場合、対応するLF送信アンテナ14aからの要求信号を受信できないので、不受信検出装置2は応答信号を発信しない。従って、車載受信部13(RF受信アンテナ13a)は不受信検出装置2からの応答信号を受信できないという異常が発生する。
【0060】
この際、CPU111は、高出力要求信号を発信する一つのLF送信アンテナ14a(他の発信装置)を決定する(ステップS105)。上述したように、不受信検出装置2が特定できるので、CPU111は、斯かる不受信検出装置2に対応するLF送信アンテナ14a(一の発信装置)を除いた他のLF送信アンテナ14aから一つのLF送信アンテナ14aを決定する。詳しくは、CPU111は、4つのタイヤ3に係る検出装置2のなかで不受信検出装置2を除く他の検出装置2に対応するLF送信アンテナ14aから一つのLF送信アンテナ14aを決定する。これに限るものでなく、CPU111は、不受信検出装置2に最も近いLF送信アンテナ14aを決定しても良い。
また、CPU111はステップS105で決定された決定LF送信アンテナ14aに高出力要求信号を発信するよう指示する。前記高出力要求信号は、対応関係にあるLF送信アンテナ14a及び検出装置2間のみで要求信号の発信を行うために使われる出力レベルより高い出力レベルを有し、対応関係にない他の検出装置2にまで届く程度の通信範囲を有する。すなわち、高出力要求信号は、対応関係にない他の検出装置2とのクロストークを発生させる程度の出力レベルを有する。
【0061】
CPU111の指示に応じて、前記決定LF送信アンテナ14aは高出力要求信号を発信する(ステップS106)。決定LF送信アンテナ14aが発信する高出力要求信号は、前記不受信検出装置2を含む複数の検出装置2によって受信されるので、前記不受信検出装置2を含む複数の検出装置2とのクロストークが生じる。従って、前記高出力要求信号に応じて、前記複数の検出装置2が応答信号を発信する。よって、RF受信アンテナ13aは前記複数の検出装置2から複数の応答信号を受信する。
【0062】
特定部114は、RF受信アンテナ13aを介して受信された前記複数の検出装置2からの応答信号に含まれる識別情報と、前記識別情報テーブルに登録された識別情報とを照合する。これによって、特定部114は前記不受信検出装置2からの応答信号を特定する(ステップS107)。従って、前記不受信検出装置2からの応答信号に含まれた空気圧情報が取得できる。
【0063】
以上の処理によって、全ての検出装置2からの応答信号が受信され、特定部114は、受信された応答信号に含まれる識別情報と、前記識別情報テーブルに登録された識別情報とを照合する。これによって、特定部114は応答信号に含まれた空気圧情報がどのタイヤ位置(タイヤ3)の空気圧情報であるかを決定する。以降、CPU111は、処理をステップS108に進める。
【0064】
以上のように、実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、所定の検出装置2がNullポイントに位置している場合であっても、Nullポイントに位置している検出装置2から応答信号を受信して空気圧情報を取得することが出来る。
【0065】
(実施形態2)
実施形態2に係るタイヤ空気圧検出システム5は、実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システム5と同様の構成を有している。しかし、高出力要求信号を発信するLF送信アンテナ14aを決定する処理において相違する。
【0066】
実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、図5のステップS105にて、不受信検出装置2を除く他の検出装置2に対応するLF送信アンテナ14aから、高出力要求信号を発信する一つのLF送信アンテナ14aが決定された。
【0067】
これに対し、実施形態2に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、高出力要求信号を発信するLF送信アンテナ14aとして、車両Cの室内に設けられ、室内の乗客が所持する携帯機への信号送信に用いられる室内LF送信アンテナ14bが決定される。
【0068】
すなわち、実施形態2に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、所定の検出装置2がNullポイントに位置している場合、車両Cの室内に設けられた室内LF送信アンテナ14bが高出力要求信号を発信し、前記不受信検出装置2を含む複数の検出装置2とのクロストークを生じさせる。前記高出力要求信号に応じて、前記複数の検出装置2が応答信号を発信するので、RF受信アンテナ13aによって前記複数の検出装置2から複数の応答信号が受信される。
この際、特定部114は、RF受信アンテナ13aを介して受信された前記複数の検出装置2からの応答信号に含まれる識別情報と、前記識別情報テーブルに登録された識別情報とを照合して、前記不受信検出装置2からの応答信号を特定する。これによって、Nullポイントに位置している検出装置2からの空気圧情報を取得することが出来る。
【0069】
(実施形態3)
実施形態3に係るタイヤ空気圧検出システム5は、実施形態1,2に係るタイヤ空気圧検出システム5と同様の構成を有している。しかし、高出力要求信号を発信するLF送信アンテナ14aを決定する処理において相違する。
【0070】
実施形態1に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、図5のステップS105にて、不受信検出装置2を除く他の検出装置2に対応するLF送信アンテナ14aから、高出力要求信号を発信する一つのLF送信アンテナ14aが決定された。
また、実施形態2に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、高出力要求信号を発信するLF送信アンテナ14aとして、室内LF送信アンテナ14bが決定された。
【0071】
これに対し、実施形態3に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、高出力要求信号を発信するLF送信アンテナとして、車両内の収納部に設けられ、室外の携帯機への信号送信に用いられる収納部LF送信アンテナ14cが決定される。収納部LF送信アンテナ14cは、例えば、車両Cのリアバンパに設けられている。
【0072】
すなわち、実施形態3に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、所定の検出装置2がNullポイントに位置している場合、車両Cのリアバンパに設けられた収納部LF送信アンテナ14cが高出力要求信号を発信し、前記不受信検出装置2を含む複数の検出装置2とのクロストークを生じさせる。前記高出力要求信号に応じて、前記複数の検出装置2が応答信号を発信するので、RF受信アンテナ13aによって前記複数の検出装置2から複数の応答信号が受信される。
この際、特定部114は、RF受信アンテナ13aを介して受信された前記複数の検出装置2からの応答信号に含まれる識別情報と、前記識別情報テーブルに登録された識別情報とを照合して、前記不受信検出装置2からの応答信号を特定する。これによって、Nullポイントに位置している検出装置2からの空気圧情報を取得することが出来る。
【0073】
(実施形態4)
実施形態1〜3に係るタイヤ空気圧検出システム5は、記憶部12が前記識別情報テーブルを記憶しており、前記高出力要求信号に応じて、複数の検出装置2から複数の応答信号が受信された場合、前記識別情報テーブルに基づいて、不受信検出装置2からの応答信号を特定した。
【0074】
これに対し、実施形態4においては、記憶部12が前記識別情報テーブルを記憶しておらず、各タイヤ3とLF送信アンテナ14aとの位置関係を記憶している。
【0075】
図6は実施形態4に係る制御部11の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。制御部11は、CPU111と、ROM112と、RAM113と、特定部114とを有しており、更に発信指示部115と、識別情報取得部116とを有している。
【0076】
発信指示部115は、所定の検出装置2(不受信検出装置2)がNullポイントに位置していることから、斯かる不受信検出装置2が要求信号を受信できない異常の場合、各タイヤ3に係る検出装置2のなかで前記不受信検出装置2を除く他の検出装置2に対応する複数のLF送信アンテナ14aに対し、発信指示を行う。斯かる発信指示は、夫々LF送信アンテナ14aに対応する各検出装置2に要求信号を発信する指示である。
【0077】
識別情報取得部116は、発信指示部115からの発信指示に応じて、不受信発信装置2に対応するLF送信アンテナ14aを除く他のLF送信アンテナ14aから発信された要求信号に対する応答信号を受信し、受信された複数の応答信号から前記識別情報を取得する。すなわち、識別情報取得部116は、前記発信指示に応じて不受信検出装置2以外の検出装置2が発信した応答信号から識別情報を取得する。
特定部114は、高出力要求信号に対する複数の応答信号が受信された場合、識別情報取得部116によって取得された識別情報に基づいて、斯かる不受信検出装置2からの応答信号を特定する。
【0078】
図7は、実施形態4に係るタイヤ空気圧検出システム5におけるタイヤ空気圧検出処理の手順を示すフローチャートである。以下、説明の便宜上、イグニッションスイッチ6がオフ状態からオン状態になった場合、監視装置1の制御部11が以下の処理を実行するものとする。なお、実施形態1の図5と同一の処理に対しては、詳しい説明を省略する。
【0079】
CPU111は、所要の検出タイミングであるか否かを判定する(ステップS201)。検出タイミングでないと判定した場合(ステップS201:NO)、CPU111はタイヤ空気圧検出処理を終了する。
【0080】
一方、検出タイミングであると判定した場合(ステップS201:YES)、CPU111は、各LF送信アンテナ14aに要求信号を発信するよう指示する。CPU111の指示に応じて、各LF送信アンテナ14aは対応する検出装置2に要求信号を発信する(ステップS202)。要求信号の発信は、各LF送信アンテナ14aが所定の順次にて行われる。斯かる要求信号に応じて検出装置2が応答信号を発信した場合、RF受信アンテナ13aによって受信される。
【0081】
次いでCPU111は全ての検出装置2から応答信号が受信されたか否かを判定する(ステップS203)。例えば、夫々のLF送信アンテナ14aが所定の順次にて要求信号の発信を行い、CPU111は各要求信号を発信する都度応答信号の受信を確認する。
【0082】
CPU111によって全ての検出装置2から応答信号が受信されたと判定された場合(ステップS203:YES)、特定部114は、要求信号の発信順序、及び、各タイヤ3とLF送信アンテナ14aとの位置関係に基づいて、応答信号に含まれた空気圧情報がどのタイヤ位置(タイヤ3)の空気圧情報であるかを決定する。
【0083】
そして、CPU111は、決定した各タイヤ位置の空気圧情報を報知装置4へ出力する。報知装置4は、斯かる空気圧情報を運転者に報知する(ステップS209)。
【0084】
一方、夫々のLF送信アンテナ14aが所定の順次にて要求信号の発信を行い、特定のLF送信アンテナ14aから要求信号の発信後に、応答信号の受信が確認されなかった場合、CPU111は、全ての検出装置2から応答信号が受信されなかったと判定する(ステップS203:NO)。すなわち、前記特定のLF送信アンテナ14aに対応する検出装置2がNullポイントに位置しており、該検出装置2が前記不受信検出装置2である。
【0085】
この際、発信指示部115は前記不受信検出装置2を除く他の検出装置2に対応する複数のLF送信アンテナ14aに対し、夫々に対応する各検出装置2に要求信号を発信するよう発信指示を行う(ステップS204)。発信指示部115からの発信指示に応じて、不受信発信装置2に対応するLF送信アンテナ14aを除く他のLF送信アンテナ14aから要求信号が発信される。斯かる要求信号に応じて、夫々検出装置2が応答信号を発信し、斯かる応答信号は、RF受信アンテナ13aを介して受信される。識別情報取得部116は、受信された複数の応答信号から、該応答信号の発信元の検出装置2を表す前記識別情報を取得する(ステップS205)。取得された識別情報は記憶部12又はRAM113に記憶される。このような処理によって、不受信検出装置2を除く他の検出装置2の識別情報を取得できる。
【0086】
次いで、CPU111は、一つのLF送信アンテナ14a(他の発信装置)を決定する(ステップS206)。上述したように、不受信検出装置2が特定できるので、CPU111は、斯かる不受信検出装置2に対応するLF送信アンテナ14a(一の発信装置)を除いた他のLF送信アンテナ14aから一つのLF送信アンテナ14aを決定する。詳しくは、CPU111は、4つのタイヤ3に係る検出装置2のなかで不受信検出装置2を除く他の検出装置2に対応するLF送信アンテナ14aであって、不受信検出装置2に最も近いLF送信アンテナ14aを決定する。これに限るものでなく、CPU111は、4つのタイヤ3に係る検出装置2のなかで不受信検出装置2を除く他の検出装置2に対応する一つのLF送信アンテナ14aを決定しても良い。
また、CPU111はステップS206にて決定された決定LF送信アンテナ14aに高出力要求信号を発信するよう指示する。
【0087】
CPU111の指示に応じて、前記決定LF送信アンテナ14aは高出力要求信号を発信する(ステップS207)。決定LF送信アンテナ14aが発信する高出力要求信号は前記不受信検出装置2を含む複数の検出装置2とのクロストークを生じさせるので、前記高出力要求信号に応じて、前記複数の検出装置2が応答信号を発信する。よって、RF受信アンテナ13aは前記複数の検出装置2から同時的に複数の応答信号を受信する。
【0088】
特定部114は、RF受信アンテナ13aを介して受信された、前記複数の検出装置2からの応答信号に含まれる識別情報と、ステップS205に取得された不受信検出装置2を除く他の検出装置2の識別情報とを照合する。この際、識別情報が照合できない一つの応答信号(以下、照合不可応答信号と言う。)が存在する。特定部114は前記照合不可応答信号を前記不受信検出装置2からの応答信号として特定する(ステップS208)。これによって、前記不受信検出装置2からの応答信号に含まれた空気圧情報が取得できる。以降、CPU111は、処理をステップS209に進める。
【0089】
以上のように、実施形態4に係るタイヤ空気圧検出システム5においては、所定の検出装置2がNullポイントに位置している場合であって、かつタイヤ3の位置と検出装置2との対応関係が不明である場合においても、Nullポイントに位置している検出装置2から応答信号を受信して空気圧情報を取得することが出来る。
【0090】
なお、実施形態4は、以上の記載に限るものでない。ステップS206にて、CPU111が、4つのタイヤ3に係る検出装置2のなかで不受信検出装置2を除く他の検出装置2に対応するLF送信アンテナ14aの何れかを決定するのでなく、室内LF送信アンテナ14b又は収納部LF送信アンテナ14cを決定するように構成しても良い。
【0091】
実施形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0092】
(実施形態5)
実施形態5に係るタイヤ空気圧検出システム5は、実施形態4に係るタイヤ空気圧検出システム5と同様の構成を有するが、高出力要求信号を発信するLF送信アンテナ14aの決定において、相違する。以下、詳しく説明する。
【0093】
図8は、実施形態5に係るタイヤ空気圧検出システム5におけるタイヤ空気圧検出処理の手順を示すフローチャートである。以下、説明の便宜上、イグニッションスイッチ6がオフ状態からオン状態になった場合、監視装置1の制御部11が以下の処理を実行するものとする。
また、記憶部12は、各タイヤ3(検出装置2)とLF送信アンテナ14aとの位置関係を記憶している。例えば、記憶部12は、4つのタイヤ3に対して、1番〜4番のLF送信アンテナ14aが夫々対応付けられている。
【0094】
図8のステップS301〜305での処理は、図7のステップS201〜205での処理と同じであり、詳しい説明を省略する。また、図8のステップS312での処理は、図7のステップS209での処理と同じであり、詳しい説明を省略する。
【0095】
ステップS305にて不受信検出装置2を除く他の検出装置2の識別情報を取得した後、CPU111は「N」に1を代入し(ステップS306)、N番LF送信アンテナ14aを指定する(ステップS307)。すなわち、現在「N」は1であるので、高出力要求信号を発信するLF送信アンテナ14aとして、CPU111は1番LF送信アンテナ14aを指定する。
また、CPU111はステップS307にて指定された指定LF送信アンテナ14aに高出力要求信号を発信するよう指示する。
【0096】
CPU111の指示に応じて、前記指定LF送信アンテナ14aは高出力要求信号を発信する(ステップS308)。指定LF送信アンテナ14aが発信する高出力要求信号は前記不受信検出装置2を含む複数の検出装置2とのクロストークを生じさせるので、前記高出力要求信号に応じて、前記複数の検出装置2が応答信号を発信する。よって、RF受信アンテナ13aは前記複数の検出装置2から同時的に複数の応答信号を受信する。
【0097】
特定部114は、RF受信アンテナ13aを介して受信された、前記複数の検出装置2からの応答信号に含まれる識別情報と、ステップS305にて取得された不受信検出装置2を除く他の検出装置2の識別情報とを照合する。この際、識別情報が照合できない照合不可応答信号が存在するので、特定部114は前記照合不可応答信号を前記不受信検出装置2からの応答信号として特定することができる。特定部114によって前記不受信検出装置2からの応答信号の特定ができた場合、前記不受信検出装置2から空気圧情報が取得できる。特定部114は前記不受信検出装置2からの応答信号の特定を行い、特定結果をCPU111に通知する。
【0098】
CPU111は、特定部114からの通知に基づいて、前記不受信検出装置2からの応答信号が特定できたか否かを判定する(ステップS309)。CPU111は、前記不受信検出装置2からの応答信号が特定できたと判定した場合(ステップS309:YES)、処理をステップS312に進める。
【0099】
一方、例えば、依然として前記不受信検出装置2から応答信号が受信されていないような場合、CPU111は、前記不受信検出装置2からの応答信号が特定できなかったと判定し(ステップS309:NO)、引き続き、現在の「N」が4であるか否かを判定する(ステップS310)。
【0100】
CPU111は、現在の「N」が4でないと判定した場合(ステップS310:NO)、「N」に1を加算して新たな「N」とする(ステップS311)。以降、処理は、再びステップS307に戻る。CPU111によって前記不受信検出装置2からの応答信号が特定できたと判定されない限り、ステップS307〜311の処理は「N」が4になるまで繰り返し行われる。
すなわち、特定部114によって前記不受信検出装置2からの応答信号が特定できるまで、1番LF送信アンテナ14aから4番LF送信アンテナ14aまで、順次、高出力要求信号の発信を行う。
【0101】
一方、CPU111は、ステップS310にて、現在の「N」が4であると判定した場合(ステップS310:YES)、処理を終了する。例えば、1番LF送信アンテナ14aから4番LF送信アンテナ14aまで、順次、高出力要求信号の発信(クロストーク)を行ったものの、前記不受信検出装置2からの応答信号が受信できなかった場合、処理は終了する。
【0102】
以上のように、実施形態5に係るタイヤ空気圧検出システム5においても、所定の検出装置2がNullポイントに位置している場合であって、かつタイヤ3の位置と検出装置2との対応関係が不明である場合においても、Nullポイントに位置している検出装置2から応答信号を受信して空気圧情報を取得することが出来る。
【0103】
なお、実施形態5は、以上の記載に限るものでない。ステップS307にて、CPU111が、1番LF送信アンテナ14aから4番LF送信アンテナ14aの何れかを指定するのでなく、室内LF送信アンテナ14b又は収納部LF送信アンテナ14cを指定するように構成しても良い。
【0104】
なお、上述した特定部114、発信指示部115及び識別情報取得部116は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、CPU111が所定のプログラムを実行することにより、ソフトウェア的に構築されてもよい。
【0105】
開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0106】
1 監視装置
2 検出装置
3 タイヤ
5 タイヤ空気圧検出システム
12 記憶部
14a LF送信アンテナ
14b 室内LF送信アンテナ
14c 収納部LF送信アンテナ
114 特定部
115 発信指示部
116 識別情報取得部
C 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8