特開2018-199589(P2018-199589A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-199589SiC繊維/SiC複合材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-199589(P2018-199589A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】SiC繊維/SiC複合材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/80 20060101AFI20181122BHJP
【FI】
   C04B35/80 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-103989(P2017-103989)
(22)【出願日】2017年5月25日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「平成29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)革新的構造材料「高速基材製造プロセス技術の開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願」
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 修一
(72)【発明者】
【氏名】高木 俊
(72)【発明者】
【氏名】川口 章秀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英生
(72)【発明者】
【氏名】外薗 裕樹
(57)【要約】
【課題】SiC繊維の浸食を抑制でき、高温で長期間使用可能となるよう、シリコン残留量を少なくできるSiC繊維/SiC複合材の製造方法を提供する
【解決手段】本発明のSiC繊維/SiC複合材の製造方法は、SiC繊維からなる骨材に、炭素粉を含む接着樹脂を含浸して含浸体を形成する樹脂含浸工程と、含浸体を放置し接着樹脂を硬化させる硬化工程と、含浸体を熱硬化性樹脂の発泡体に埋設する埋設工程と、含浸体を前記発泡体とともに焼成し炭化させる焼成工程と、発泡体を取り除き、SiC繊維からなる骨材と炭素のマトリックスとからなる焼成体を得る離型工程と、焼成体に、溶融シリコンを含浸するシリコン含浸工程と、を含む。焼成体にシリコンを含浸しているので、残留シリコンの少ないSiC/SiC複合材を提供できるため、SiC繊維の浸食を抑制でき、高温で長期間使用可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiC繊維からなる骨材と、反応焼結SiCのマトリックスとからなるSiC/SiC複合材の製造方法であって、
前記SiC繊維からなる骨材に、炭素粉を含む接着樹脂を含浸して含浸体を形成する樹脂含浸工程と、
前記含浸体を放置し前記接着樹脂を硬化させる硬化工程と、
前記含浸体を熱硬化性樹脂の発泡体に埋設する埋設工程と、
前記含浸体を前記発泡体とともに焼成し炭化させる焼成工程と、
前記発泡体を取り除き、前記SiC繊維からなる骨材と炭素のマトリックスとからなる焼成体を得る離型工程と、
前記焼成体に、溶融シリコンを含浸するシリコン含浸工程と、
を含むSiC/SiC複合材の製造方法。
【請求項2】
前記発泡体は、フェノール樹脂からなる請求項1に記載のSiC/SiC複合材の製造方法。
【請求項3】
前記埋設工程は、発泡させた未硬化の前記熱硬化性樹脂に前記含浸体を埋設した後、当該熱硬化性樹脂を硬化させることにより、前記含浸体を前記発泡体に固定する請求項1または2に記載のSiC/SiC複合材の製造方法。
【請求項4】
前記接着樹脂は、さらにSiC粉を含む請求項1から3のいずれか1項に記載のSiC/SiC複合材の製造方法。
【請求項5】
前記接着樹脂は、2液型の接着樹脂である請求項1から4のいずれか1項に記載のSiC/SiC複合材の製造方法。
【請求項6】
前記接着樹脂は、ユリア樹脂、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂である請求項5に記載のSiC/SiC複合材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiC繊維/SiC複合材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SiC繊維/SiC複合材は、耐熱性、耐酸化性を有し、高強度の素材であるので、高温炉用部材、半導体製造装置など様々な分野で使用が期待されている。近年では、ジェットエンジン用部品などへの適用も検討されている。
【0003】
特許文献1は、繊維強化セラミックマトリックス複合材プリフォームを溶浸処理する方法であって、(a)プリフォームを溶融シリコン浴中に浸漬するステップと、(b)前記プリフォームを所定の時間前記浴内にそのまま置いておくステップと、(c)前記プリフォームを前記浴から引き出すステップと、(d)前記プリフォームを冷却するステップと、を含むことが記載されている。
【0004】
上記溶浸処理する方法において、繊維強化CMCプリフォームは、該プリフォームを溶融シリコン浴中に浸漬することによって溶浸される。1つの例示的な実施形態では、部品は、真空及び/又は不活性雰囲気炉内で黒鉛ホルダにより吊り下げられる。ホルダ及びCMCプリフォームは溶融シリコン浴中に下ろされ、溶融シリコン浴中で溶融シリコンが、CMCプリフォームの表面を濡らし、部品に浸透する。この浸漬処理はCMCプリフォームを溶浸するのに必要な時間を著しく短縮するので、溶融シリコンがプリフォームを浸食することになる可能性が減少することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−206431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記に記載された発明は、溶融シリコン液中にプリフォームを浸漬するので、マトリックス部分にはシリコンが多く残留する。このため、高温に長期間曝されると残留する金属シリコンがSiC繊維を浸食し、高温での安定性が低下してしまう。
【0007】
前記課題を鑑み、本発明では、SiC繊維の浸食を抑制でき、高温で長期間使用可能となるよう、シリコン残留量を少なくできるSiC繊維/SiC複合材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するためのSiC繊維/SiC複合材の製造方法は、以下のものを含む。
(1)SiC繊維からなる骨材と、反応焼結SiCのマトリックスとからなるSiC/SiC複合材の製造方法であって、前記SiC繊維からなる骨材に、炭素粉を含む接着樹脂を含浸して含浸体を形成する樹脂含浸工程と、前記含浸体を放置し前記接着樹脂を硬化させる硬化工程と、前記含浸体を熱硬化性樹脂の発泡体に埋設する埋設工程と、前記含浸体を前記発泡体とともに焼成し炭化させる焼成工程と、前記発泡体を取り除き、前記SiC繊維からなる骨材と炭素のマトリックスとからなる焼成体を得る離型工程と、前記焼成体に、溶融シリコンを含浸するシリコン含浸工程と、を含む。
【0009】
本発明のSiC/SiC複合材の製造方法によれば、樹脂含浸工程で炭素粉を含む接着樹脂を含浸して含浸体を形成し、接着樹脂を放置して硬化させているので、反応生成物、モノマーなど揮発性の高い成分が発泡しにくく、含浸された炭素粉を流出させることがない。このため、SiC繊維からなる骨材の空隙により多くの炭素粉を含む接着樹脂を充填することができる。
【0010】
また、本発明のSiC/SiC複合材の製造方法によれば、埋設工程で含浸体を熱硬化性樹脂の発泡体に埋設している。このため、含浸体は、軟らかく支持された状態となり、後の焼成の過程で含浸体自身の収縮に合わせて発泡体も変形することができるうえに重力以外の力が外部から伝わりにくいので、精度よく所定の形状のSiC/SiC複合材を容易に得ることができる。また、発泡体に埋設されているので接着樹脂が炭化して形状を保持する能力が低下しても変形しにくくすることができる。
【0011】
さらに、含浸体を発泡体とともに焼成し炭化させているので、バインダ成分が少なくても外力により変形しにくくでき、焼成体の気孔を少なくすることができる。
【0012】
本発明のSiC/SiC複合材の製造方法によれば、こうして得られた焼成体にシリコンを含浸しているので、残留シリコンの少ないSiC/SiC複合材を提供することができる。
【0013】
さらに本発明のSiC/SiC複合材の製造方法は、以下の態様であることが好ましい。
【0014】
(2)前記発泡体は、フェノール樹脂からなる。
【0015】
フェノール樹脂の発泡体は、フェノールフォームとして知られている。フェノール樹脂は、不活性雰囲気下の炭化収率が高いので、焼成が完了するまで骨材を支持し、変形を防止することができる。
【0016】
(3)前記埋設工程は、発泡させた未硬化の前記熱硬化性樹脂に前記含浸体を埋設した後、当該熱硬化性樹脂を硬化させることにより、前記含浸体を前記発泡体に固定する。
【0017】
発泡させた未硬化の前記熱硬化性樹脂に前記含浸体を埋設した後、当該熱硬化性樹脂を硬化させるので、含浸体の形状を維持しつつ一緒に収縮し、変形させることなく、精度よく焼成することができる。
【0018】
(4)前記接着樹脂は、さらにSiC粉を含む。
【0019】
SiC粉は、シリコン含浸工程でシリコンと反応しないので、体積収縮を起こさない。SiC粉が入っていることによって反応収縮を抑えることができ、変形量を少なくすることができる。
【0020】
(5)前記接着樹脂は、2液型の接着樹脂である。
【0021】
2液型の接着樹脂は、加熱することなく常温で硬化させることができ、反応生成物等による発泡が起きないので含浸体の空隙により多くの炭素粉あるいはSiC粉を充填することができる。
【0022】
(6)前記接着樹脂は、ユリア樹脂、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂である。
【0023】
これらの接着樹脂は2液型の接着樹脂であり、加熱することなく常温で硬化させることができ、反応生成物等の発泡が起きないので含浸体の空隙により多くの炭素粉あるいはSiC粉を充填することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のSiC/SiC複合材の製造方法によれば、樹脂含浸工程で炭素粉を含む接着樹脂を含浸して含浸体を形成し、接着樹脂を放置して硬化させているので、反応生成物、モノマーなど揮発性の高い成分が発泡しにくく、含浸された炭素粉を流出させることがない。このため、SiC繊維からなる骨材の空隙により多くの炭素粉を含む接着樹脂を充填することができる。
【0025】
また、本発明のSiC/SiC複合材の製造方法によれば、埋設工程で含浸体を熱硬化性樹脂の発泡体に埋設している。このため、含浸体は、軟らかく支持された状態となり、後の焼成の過程で含浸体自身の収縮に合わせて発泡体も変形することができるうえに重力以外の力が外部から伝わりにくいので、精度よく所定の形状のSiC/SiC複合材を容易に得ることができる。また、発泡体に埋設されているので接着樹脂が炭化して形状を保持する能力が低下しても変形しにくくすることができる。
【0026】
さらに、含浸体を発泡体とともに焼成し炭化させているので、バインダ成分が少なくても外力により変形しにくくでき、焼成体の気孔を少なくすることができる。
【0027】
本発明のSiC/SiC複合材の製造方法によれば、こうして得られた焼成体にシリコンを含浸しているので、残留シリコンの少ないSiC/SiC複合材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】SiC/SiC複合材の製造プロセスを示し、(a)は本発明の実施形態のSiC/SiC複合材の製造プロセスの一例を示すフローチャート図、(b)はSiC繊維織物の例を示す概念図、(c)はSiC繊維からなる骨材または含浸体を示す概念図、(d)は埋設工程の概念図、(e)はシリコン含浸工程の概念図である。
図2】実施例1のSiC繊維からなる骨材に含浸体を形成させた状態を示す写真で、(a)は斜め方向からの写真、(b)は側面からの写真である。
図3】実施例2のSiC繊維からなる骨材に含浸体を形成させた状態を示す写真で、(a)は斜め方向からの写真、(b)は側面からの写真である。
【0029】
(発明の詳細な説明)
本発明のSiC繊維/SiC複合材の製造方法は、SiC繊維からなる骨材と、反応焼結SiCのマトリックスとからなるSiC/SiC複合材の製造方法であって、SiC繊維からなる骨材に、炭素粉を含む接着樹脂を含浸して含浸体を形成する樹脂含浸工程と、含浸体を放置し接着樹脂を硬化させる硬化工程と、含浸体を熱硬化性樹脂の発泡体に埋設する埋設工程と、含浸体を発泡体とともに焼成し炭化させる焼成工程と、発泡体を取り除き、SiC繊維からなる骨材と炭素のマトリックスとからなる焼成体を得る離型工程と、焼成体に、溶融シリコンを含浸するシリコン含浸工程と、を含む。
【0030】
本発明のSiC/SiC複合材の製造方法によれば、樹脂含浸工程で炭素粉を含む接着樹脂を含浸して含浸体を形成し、接着樹脂を放置して硬化させているので、反応生成物、モノマーなど揮発性の高い成分が発泡しにくく、含浸された炭素粉を流出させることがない。このため、SiC繊維からなる骨材の空隙により多くの炭素粉を含む接着樹脂を充填することができる。また、発泡体に埋設されているので接着樹脂が炭化して形状を保持する能力が低下しても変形しにくくすることができる。
【0031】
接着樹脂の硬化は、反応生成物、モノマーなど揮発性の高い成分が発泡しにくいよう、50℃以下で行われることが好ましい。50℃以下であれば発泡を起こりにくくすることができる。また、接着樹脂の硬化は、10℃以上で行われることが好ましい。10℃以上であれば、硬化に要する時間を短くすることができる。
【0032】
また、本発明のSiC/SiC複合材の製造方法によれば、埋設工程で含浸体を熱硬化性樹脂の発泡体に埋設している。このため、含浸体は、軟らかく支持された状態となり、後の焼成の過程で含浸体自身の収縮に合わせて発泡体も変形することができるうえに重力以外の力が外部から伝わりにくいので、精度よく所定の形状のSiC/SiC複合材を容易に得ることができる。
【0033】
さらに、含浸体を発泡体とともに焼成し炭化させているので、バインダ成分が少なくても外力により変形しにくくでき、焼成体の気孔を少なくすることができる。
【0034】
本発明のSiC/SiC複合材の製造方法によれば、こうして得られた焼成体にシリコンを含浸しているので、残留シリコンの少ないSiC/SiC複合材を提供することができる。
【0035】
さらに本発明のSiC/SiC複合材の製造方法は、以下の態様であることが好ましい。
【0036】
発泡体は、フェノール樹脂からなる。
【0037】
フェノール樹脂の発泡体は、フェノールフォームとして知られている。フェノール樹脂は、不活性雰囲気下の炭化収率が高いので、焼成が完了するまで骨材を支持し、変形を防止することができる。
【0038】
埋設工程は、発泡させた未硬化の熱硬化性樹脂に含浸体を埋設した後、当該熱硬化性樹脂を硬化させることにより、含浸体を発泡体に固定する。
【0039】
発泡させた未硬化の熱硬化性樹脂に含浸体を埋設した後、当該熱硬化性樹脂を硬化させるので、含浸体の形状を維持しつつ一緒に収縮し変形させることなく、精度よく焼成することができる。
【0040】
接着樹脂は、さらにSiC粉を含む。
【0041】
SiC粉は、シリコン含浸工程でシリコンと反応しないので、体積収縮を起こさない。SiC粉が入っていることによって反応収縮を抑えることができ変形量を少なくすることができる。
【0042】
接着樹脂は、2液型の接着樹脂である。
【0043】
2液型の接着樹脂は、加熱することなく常温で硬化させることができ、反応生成物等の発泡が起きないので含浸体の空隙により多くの炭素粉あるいはSiC粉を充填することができる。
【0044】
接着樹脂は、ユリア樹脂、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂である。
【0045】
これらの接着樹脂は2液型の接着樹脂であり、加熱することなく常温で硬化させることができ、反応生成物等の発泡が起きないので含浸体の空隙により多くの炭素粉あるいはSiC粉を充填することができる。
【0046】
SiC繊維と反応焼結SiCとの間には界面層が形成さていることが望ましい。具体的には、界面層はSiC繊維の表面を覆うように形成されていることが望ましい。界面層は例えばBN、熱分解炭素などSiCと異質の材料を使用することが望ましい。BN、熱分解炭素の界面層は、例えばCVD法で形成することができる。界面層の形成は骨材を形成する前、後のどちらで行ってもよい。
【0047】
SiC粉および炭素粉の望ましい平均粒子径は、100nm〜5μmである。平均粒子径が100nm以上であると、接着樹脂中の固形分の比率が多くても流動性を確保でき、容易に含浸することができる。平均粒子径が5μm以下であると骨材の隙間に容易に侵入することができる。
【0048】
(発明を実施するための形態)
骨材の形態は特に限定されない。例えばクロス、フィラメントワインディング体、ブレーディング体、抄造体、マットなどが利用できる。クロスとしては、平織、綾織、朱子織、3D織などが利用できる。
骨材は樹脂含浸工程の前までに最終的な形態になっていることが好ましい。樹脂含浸工程の前までに最終的な形状になっていると形状が出来上がってから変形させることがないので内部応力がたまらず、製造途中で変形してしまうことを防止できる。
骨材を目的の形状にするためには例えばプレスなどの方法で後から目的の形状にする方法、また型の表面に形成するなど最初から目的の形状にする方法が利用できる。
【0049】
(発明を実施するための形態)
<実施例1>
実施例1では、含浸する接着樹脂をエポキシ樹脂:SiC粉:炭素粉が2:1:1となるように調整した。SiC粉の平均粒子径は1μm、炭素粉の平均粒子径は0.28μmであった。
【0050】
SiC繊維は、11μmの太さの非晶質の宇部興産株式会社製チラノZMI(登録商標)を用い、1本のストランドあたり800本で構成されている。平織りのクロスを骨材としてもちいた。チラノZMIは、Si−Zr−C−O繊維に相当し、金属としてZr(ジルコニウム)を含んでいる。
【0051】
図1(a)は、実施例のSiC/SiC複合材の製造プロセスの一例を示すフローチャート図である。上述した様なSiC繊維を準備し(ステップS1)、SiC繊維の織物を作成する(ステップS2)。図1(b)はSiC繊維織物の例を示し、平織、朱子織等の織りこみ手法により織物が作成される。織りこみ手法は特に限定はされない。その後、SiC繊維織物のSiC繊維の表面に、BNを被覆し界面層を形成する。(ステップS3)さらに、SiC繊維織物を、成型型を用いて成形し、図1(c)に示すようなL字の形状となるようにSiC繊維からなる骨材1を成形する(ステップS4)。
【0052】
その後、上述した樹脂含浸工程により、SiC繊維からなる骨材1に、炭素粉およびSiC粉を含む接着樹脂を含浸して含浸体2を形成する(ステップS5)。次に、上述した硬化工程により、含浸体2を放置し接着樹脂を硬化させる(ステップS6)。次に、上述した埋設工程により、図1(d)に示すように、含浸体2を熱硬化性樹脂の発泡体3に埋設する(ステップS7)。
【0053】
次に、上述した焼成工程により、含浸体2を発泡体3とともに焼成し炭化させる(ステップS8)。次に、上述した離型工程により、発泡体3を取り除き、SiC繊維からなる骨材と、炭素およびSiCのマトリックスとからなる焼成体4を得る(ステップS9)。最後に、上述したシリコン含浸工程により、図1(e)に示すように、焼成体4を溶融シリコン炉5の溶融シリコンに浸し、焼成体4に、溶融シリコンを含浸する(ステップS10)。
図2は実施例1のSiC繊維からなる骨材に含浸体を形成させた状態を示す写真で、(a)は斜め方向からの写真、(b)は側面からの写真である。
<実施例2>
【0054】
実施例2では、樹脂含浸工程において含浸する接着樹脂をエポキシ樹脂:SiC粉が2:1となるように調整し、他の工程は実施例1と同様に実施した。
【0055】
図3は実施例2のSiC繊維からなる骨材に含浸体を形成させた状態を示す写真で、(a)は斜め方向からの写真、(b)は側面からの写真である。
【0056】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明のSiC繊維/SiC複合材の製造方法は、ガスタービン、ジェットエンジンのブレード、シュラウドなどの耐熱部品、原子炉用部品、高温炉における装置部品など、SiC繊維の浸食を抑制でき、高温で長期間使用可能な要望する分野に適合可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 骨材
2 含浸体
3 発泡体
4 焼成体
5 溶融シリコン炉
図1
図2
図3