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特開2018-199604SiC繊維強化セラミック複合材およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-199604(P2018-199604A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】SiC繊維強化セラミック複合材およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/80 20060101AFI20181122BHJP
   C04B 35/84 20060101ALI20181122BHJP
   C04B 35/577 20060101ALI20181122BHJP
   C04B 41/87 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   C04B35/80 600
   C04B35/84
   C04B35/577
   C04B41/87 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-105961(P2017-105961)
(22)【出願日】2017年5月29日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成29年4月18日に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のウェブサイトにて公開
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、航空エンジン耐熱部品 革新的プリフォーム成形・複合化技術の委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英生
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 孝
(57)【要約】
【課題】マトリックスがシリコンまたは反応焼結SiCであって、SiC繊維のダメージの少ないSiC繊維強化セラミック複合材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のSiC繊維強化セラミックス複合材は、マトリックスがSiまたは反応焼結SiCからなり、骨材がSiC繊維であるSiC繊維強化セラミック複合材であって、SiC繊維は、アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維である。また、本発明のSiC繊維強化セラミックス複合材の製造方法は、アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維からなる骨材を溶融シリコンに浸漬し、Siからなるマトリックスを形成するシリコン含浸工程を含む。SiC自体がアルミニウムの作用により焼結が進み緻密な結晶質の材料となり、溶融シリコンあるいは、反応焼結SiCに含まれる残留シリコンに対して高い耐食性を有し、耐熱性の高いSiC強化セラミック複合材を得ることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックスがSiまたは反応焼結SiCからなり、骨材がSiC繊維であるSiC繊維強化セラミック複合材であって、
前記SiC繊維は、アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維であるSiC繊維強化セラミック複合材。
【請求項2】
前記SiC繊維は、アルミニウムの含有量が0.05〜1.0wt%である請求項1に記載のSiC繊維強化セラミック複合材。
【請求項3】
前記SiC繊維では、アルミニウムが結晶粒界に偏在している請求項1または2に記載のSiC繊維強化セラミック複合材。
【請求項4】
アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維からなる骨材を溶融シリコンに浸漬し、Siからなるマトリックスを形成するシリコン含浸工程を含むSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法。
【請求項5】
アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維からなる骨材に炭素源を含浸する炭素源含浸工程と、
前記骨材を溶融シリコンに浸漬し、当該骨材にシリコンを含浸するとともに前記炭素源と反応させ反応焼結SiCからなるマトリックスを形成するシリコン含浸工程と、
を含むSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法。
【請求項6】
前記炭素源含浸工程では、前記骨材に炭素粉を含むスラリーを含浸した後、溶媒を揮発させる請求項5に記載のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法。
【請求項7】
前記炭素源含浸工程では、前記骨材に炭素前駆体を含浸した後、硬化および炭素化させる請求項5または6に記載のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法。
【請求項8】
前記炭素源含浸工程の前に、前記SiC繊維の表面を洗浄する洗浄工程を有する請求項5から7のいずれか1項に記載のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法。
【請求項9】
前記SiC繊維は、アルミニウムの含有量が 0.05〜1.0wt%である請求項4から8のいずれか1項に記載のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法。
【請求項10】
前記SiC繊維では、アルミニウムが結晶粒界に偏在している請求項4から9のいずれか1項に記載のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiC繊維強化セラミック複合材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SiC繊維/SiC複合材は、耐熱性、耐酸化性を有し、高強度の素材であるので、高温炉用部材、半導体製造装置など様々な分野で使用が期待されている。近年では、ジェットエンジン用部品などへの適用も検討されている。
【0003】
特許文献1は、繊維強化セラミックマトリックス複合材プリフォームを溶浸処理する方法であって、(a)プリフォームを溶融シリコン浴中に浸漬するステップと、(b)前記プリフォームを所定の時間前記浴内にそのまま置いておくステップと、(c)前記プリフォームを前記浴から引き出すステップと、(d)前記プリフォームを冷却するステップと、を含むことが記載されている。
【0004】
上記溶浸処理する方法において、繊維強化CMCプリフォームは、該プリフォームを溶融シリコン浴中に浸漬することによって溶浸される。1つの例示的な実施形態では、部品は、真空及び/又は不活性雰囲気炉内で黒鉛ホルダにより吊り下げられる。ホルダ及びCMCプリフォームは溶融シリコン浴中に下ろされ、溶融シリコン浴中で溶融シリコンが、CMCプリフォームの表面を濡らし、部品に浸透する。この浸漬処理はCMCプリフォームを溶浸するのに必要な時間を著しく短縮するので、溶融シリコンがプリフォームを浸食することになる可能性が減少することが記載されている。
【0005】
すなわち上記発明では、溶融シリコンへの浸漬時間を短縮することによって、繊維強化CMCプリフォームを構成するSiC繊維へのダメージを小さくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−206431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の発明は、SiC繊維の溶融シリコンへの浸漬時間を短縮し、溶融シリコンによるダメージを軽減しようとするものであって、溶融シリコンによる劣化が本質的に抑制されているわけではない。マトリックスがシリコンそのものである場合、溶融シリコンを反応に使用する反応焼結SiCである場合には、マトリックス形成の際に溶融シリコンがSiC繊維を劣化させてしまう問題がある。
【0008】
本発明では、マトリックスがシリコンまたは反応焼結SiCであって、SiC繊維のダメージの少ないSiC繊維強化セラミック複合材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための本発明のSiC繊維強化セラミック複合材は、以下のものを含む。
(1)本発明のSiC繊維強化セラミック複合材マトリックスがSiまたは反応焼結SiCからなり、骨材がSiC繊維であるSiC繊維強化セラミック複合材であって、前記SiC繊維は、アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維である。
【0010】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材によれば、アルミニウムは焼結助剤として内部に含まれ、SiC自体はアルミニウムの作用により焼結が進み緻密な結晶質の材料となっている。骨材はアルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維であり、アルミナ(Al)を含有するSiC繊維も含まれる。このため、溶融シリコンあるいは、反応焼結SiCに含まれる残留シリコンに対して耐食性を有し、耐熱性の高いSiC強化セラミック複合材を得ることができる。
【0011】
また、反応焼結SiCは、焼結SiCの一種であり、SiC粉末とカーボン粉末の混合成形体に高温で溶融したSiを含浸させ、カーボンとSiとを反応させて生成しているため、熱伝導率が良く、吸熱、急冷によく耐える耐熱衝撃性に優れている。
【0012】
(2)前記SiC繊維は、アルミニウムの含有量が0.05〜1.0wt%である
【0013】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材のSiC繊維は、アルミニウムの含有量が0.05wt%以上であるので、SiCの焼結を進行させ、溶融シリコンに対して耐食性の高いSiC繊維強化セラミック複合材を得ることができる。またアルミニウムの含有量が1.0wt%以下であるので、高温でSiC繊維中にアルミニウムが固溶し、冷却とともに結晶粒界にアルミニウムが析出するので、緻密な組織のSiC繊維を得ることができる。
【0014】
(3)前記SiC繊維では、アルミニウムが結晶粒界に偏在している。
【0015】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材のSiC繊維は、焼結助剤としてアルミニウムを含有しているが、焼結後、冷却の過程で多結晶の結晶粒界で固溶範囲を外れ、アルミニウムの含有量が高くなる。すなわち、結晶粒界には、薄い安定なアルミニウムの濃度の高い障壁が形成された状態となり、溶融シリコンによる侵食を防ぐ働きを有していると考えられる。このため、SiC繊維は溶融シリコンに対する高い耐食性を有していると考えられる。
【0016】
前記課題を解決するための本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法は、以下のものを含む。
【0017】
(4)本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法は、アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維からなる骨材を溶融シリコンに浸漬し、Siからなるマトリックスを形成するシリコン含浸工程を含む。
【0018】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法によれば、アルミニウムは焼結助剤として内部に含まれ、SiC自体はアルミニウムの作用により焼結が進み緻密な結晶質の材料となっている。このため、溶融シリコンあるいは、反応焼結SiCに含まれる残留シリコンに対して高い耐食性を有し、耐熱性の高いSiC強化セラミック複合材を得ることができる。
【0019】
(5)本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法は、アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維からなる骨材に炭素源を含浸する炭素源含浸工程と、前記骨材を溶融シリコンに浸漬し、当該骨材にシリコンを含浸するとともに前記炭素源と反応させ反応焼結SiCからなるマトリックスを形成するシリコン含浸工程と、を含む。
【0020】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法によれば、アルミニウムは焼結助剤として内部に含まれ、SiC自体はアルミニウムの作用により焼結が進み緻密な結晶質の材料となっている。このため、溶融シリコンあるいは、反応焼結SiCに含まれる残留シリコンに対して高い耐食性を有し、耐熱性の高いSiC強化セラミック複合材を得ることができる。
【0021】
(6)前記炭素源含浸工程では、前記骨材に炭素粉を含むスラリーを含浸した後、溶媒を揮発させる。
【0022】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法によれば、前記炭素源含浸工程で、前記骨材に炭素粉を含むスラリーを含浸した後、溶媒を揮発させているので、後のシリコン含浸工程でシリコンをさらに含浸させることができ、反応焼結SiCの炭素源を骨材の内部に効率よく供給することができる。また、シリコンは融点が1410℃であるので溶融シリコンと炭素源とは接触してすぐに反応することができ、溶融シリコンを含浸することにより反応焼結SiCを得ることができる。
【0023】
(7)前記炭素源含浸工程では、前記骨材に炭素前駆体を含浸した後、硬化および炭素化させる。
【0024】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法によれば、前記骨材に液状の炭素前駆体を含浸した後、硬化および炭素化させるので、細かな隙間まで効率よく炭素源を供給することができる。
【0025】
(8)前記炭素源含浸工程の前に、前記SiC繊維の表面を洗浄する洗浄工程を有する。
【0026】
SiC繊維は、通常複数本束ねて1本のストランドとして用いられる。複数本のSiC繊維を束ねるため、樹脂などのサイジング剤が塗布されている。サイジング剤には、潤滑作用があるため、相互の摩擦による断線を防止する効果もある。
【0027】
サイジング剤は、繊維を束ねるバインダーとしての役割を担っている。サイジング剤はSiC繊維どうしを互いに接合しているため、サイジング剤が残っている限りSiC繊維間に十分な炭素源を供給することができない。また、サイジング剤は、十分な炭化収率が得られないことが多く、焼成しても十分炭素が残留せず、炭素源の少ない領域を形成してしまう。特に水溶性のサイジング剤を用いる場合には、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールなどの酸素を多く含有する有機物などが用いられ、十分な炭化収率が得られない。
【0028】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材によれば、あらかじめSiC繊維を洗浄しサイジング剤を取り除いているので、SiC繊維が開繊され効率よく炭素源をSiC繊維間に供給することができる。
【0029】
(9)前記SiC繊維は、アルミニウムの含有量が0.05〜1.0wt%である。
【0030】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法のSiC繊維は、アルミニウムの含有量が0.05wt%以上であるので、SiCの焼結を進行させ、溶融シリコンに対して耐食性の高いSiC繊維強化セラミック複合材を得ることができる。またアルミニウムの含有量が1.0wt%以下であるので、高温でSiC繊維中にアルミニウムが固溶し、冷却とともに結晶粒界にアルミニウムが析出するので、緻密な組織のSiC繊維を得ることができる。
【0031】
(10)前記SiC繊維では、アルミニウムが結晶粒界に偏在している。
【0032】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材のSiC繊維は、焼結助剤としてアルミニウムを含有しているが、焼結後、冷却の過程において結晶粒界でアルミニウムが析出してくるようになる。すなわち、結晶粒界には、薄いアルミニウムの濃度の高い障壁が形成された状態となり、溶融シリコンによる侵食を防ぐ働きを有していると考えられる。このため、SiC繊維は溶融シリコンに対する高い耐食性を有していると考えられる。
【発明の効果】
【0033】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材によれば、アルミニウムは焼結助剤として内部に含まれ、SiC自体はアルミニウムの作用により焼結が進み緻密な結晶質の材料となっている。このため、溶融シリコンあるいは、反応焼結SiCに含まれる残留シリコンに対して耐食性を有し、耐熱性の高いSiC強化セラミック複合材を得ることができる。
また、本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法によれば、アルミニウムは焼結助剤として内部に含まれ、SiC自体はアルミニウムの作用により焼結が進み緻密な結晶質の材料となっている。このため、溶融シリコンあるいは、反応焼結SiCに含まれる残留シリコンに対して高い耐食性を有し、耐熱性の高いSiC強化セラミック複合材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明のSiC繊維強化セラミックス複合材の反応試験用の試料を作成するために行うシリコン含浸工程用の配置写真。
図2図1の反応試験における加熱条件を示すグラフ。
図3】本発明の実施例1と比較するための比較例1および比較例2の走査顕微鏡による写真を示す表。
図4】実施例、比較例1および比較例2に用いた試料の物性等を示す表。
図5】本発明のSiC繊維強化セラミック複合材に用いられる結晶性のSiC繊維と溶融シリコンとの反応メカニズムを示す模式図であり、(a)は結晶質のSiC繊維を溶融したシリコンに浸漬した直後の状態を示す模式図、(b)は浸漬後、時間が経過した状態を示す模式図。
図6】実施例2のSiC繊維強化セラミック複合材を示す模式図。
【0035】
(発明の詳細な説明)
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材は、マトリックスがSiまたは反応焼結SiCからなり、骨材がSiC繊維であるSiC繊維強化セラミック複合材であって、SiC繊維は、アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維である。
【0036】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材によれば、アルミニウムは焼結助剤として内部に含まれ、SiC自体はアルミニウムの作用により焼結が進み緻密な結晶質の材料となっている。アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維であり、アルミニウムは固溶したAl、Al、AlSi、Alなどの形態で結晶粒界に高い濃度で含有していると考えられる。このため、溶融シリコンあるいは、反応焼結SiCに含まれる残留シリコンに対して耐食性を有し、耐熱性の高いSiC強化セラミック複合材を得ることができる。
【0037】
また、反応焼結SiCは、焼結SiCの一種であり、SiC粉末とカーボン粉末の混合成形体に高温で溶融したSiを含浸させ、カーボンとSiとを反応させて生成しているため、熱伝導率が良く、吸熱、急冷によく耐える耐熱衝撃性に優れている。
【0038】
SiC繊維は、アルミニウムの含有量が0.05〜1.0wt%である。
【0039】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材のSiC繊維は、アルミニウムの含有量が0.05wt%以上であるので、SiCの焼結を進行させ、溶融シリコンに対して耐食性の高いSiC繊維強化セラミック複合材を得ることができる。またアルミニウムの含有量が 1.0wt%以下であるので、高温でSiC繊維中にアルミニウムが固溶し、冷却とともに結晶粒界にアルミニウムが析出するので、緻密な組織のSiC繊維を得ることができる。
【0040】
SiC繊維では、アルミニウムが結晶粒界に偏在している。
【0041】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材のSiC繊維は、焼結助剤としてアルミニウムを含有しているが、焼結後、冷却の過程で多結晶の結晶粒界で固溶範囲を外れ、アルミニウムの含有量が高くなる。すなわち、結晶粒界には、薄いアルミニウムの濃度の高い障壁が形成された状態となり、溶融シリコンによる侵食を防ぐ働きを有していると考えられる。このため、SiC繊維は溶融シリコンに対する高い耐食性を有していると考えられる。
【0042】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法は、アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維からなる骨材を溶融シリコンに浸漬し、Siからなるマトリックスを形成するシリコン含浸工程を含む。
【0043】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法によれば、アルミニウムは焼結助剤として内部に含まれ、SiC自体はアルミニウムの作用により焼結が進み緻密な結晶質の材料となっている。このため、溶融シリコンあるいは、反応焼結SiCに含まれる残留シリコンに対して高い耐食性を有し、耐熱性の高いSiC強化セラミック複合材を得ることができる。
【0044】
アルミニウムを含有する結晶質のSiC繊維からなる骨材に炭素源を含浸する炭素源含浸工程と、骨材を溶融シリコンに浸漬し、当該骨材にシリコンを含浸するとともに炭素源と反応させ反応焼結SiCからなるマトリックスを形成するシリコン含浸工程と、を含む。
【0045】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法によれば、アルミニウムは焼結助剤として内部に含まれ、SiC自体はアルミニウムの作用により焼結が進み緻密な結晶質の材料となっている。このため、溶融シリコンあるいは、反応焼結SiCに含まれる残留シリコンに対して高い耐食性を有し、耐熱性の高いSiC強化セラミック複合材を得ることができる。
【0046】
炭素源含浸工程では、骨材に炭素粉を含むスラリーを含浸した後、溶媒を揮発させる。
【0047】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法によれば、炭素源含浸工程で、骨材に炭素粉を含むスラリーを含浸した後、溶媒を揮発させているので、後のシリコン含浸工程でシリコンをさらに含浸させることができ、反応焼結SiCの炭素源を骨材の内部に効率よく供給することができる。また、シリコンは融点が1410℃であるので溶融シリコンと炭素源とは接触してすぐに反応することができ、溶融シリコンを含浸することにより反応焼結SiCを得ることができる。
【0048】
炭素源含浸工程では、骨材に炭素前駆体を含浸した後、硬化および炭素化させる。
【0049】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法によれば、骨材に液状の炭素前駆体を含浸した後、硬化および炭素化させるので、細かな隙間まで効率よく炭素源を供給することができる。
【0050】
炭素源含浸工程の前に、SiC繊維の表面を洗浄する洗浄工程を有する。
【0051】
SiC繊維は、通常複数本束ねて1本のストランドとして用いられる。複数本のSiC繊維を束ねるため、樹脂などのサイジング剤が塗布されている。サイジング剤には、潤滑作用があるため、相互の摩擦による断線を防止する効果もある。
【0052】
サイジング剤は、繊維を束ねるバインダーとしての役割を担っている。サイジング剤はSiC繊維どうしを互いに接合しているため、サイジング剤が残っている限りSiC繊維間に十分な炭素源を供給することができない。また、サイジング剤は、SiC繊維の表面を汚し、炭素源の浸透性を低下させる上に、十分な炭化収率が得られないことが多く、焼成しても十分炭素が残留せず、炭素源の少ない領域を形成してしまう。特に水溶性のサイジング剤を用いる場合には、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールなどの酸素を多く含有する有機物などが用いられ、十分な炭化収率が得られない。
【0053】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材によれば、あらかじめSiC繊維を洗浄しサイジング剤を取り除いているので、SiC繊維が開繊され効率よく炭素源をSiC繊維間に供給することができる。
【0054】
SiC繊維は、アルミニウムの含有量が 0.05〜1.0wt%である。
【0055】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の製造方法のSiC繊維は、アルミニウムの含有量が0.05wt%以上であるので、SiCの焼結を進行させ、溶融シリコンに対して耐食性の高いSiC繊維強化セラミック複合材を得ることができる。またアルミニウムの含有量が1.0wt%以下であるので、高温でSiC繊維中にアルミニウムが固溶し、冷却とともに結晶粒界にアルミニウムが析出するので、緻密な組織のSiC繊維を得ることができる。
【0056】
SiC繊維では、アルミニウムが結晶粒界に偏在している。
【0057】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材のSiC繊維は、焼結助剤としてアルミニウムを含有しているが、焼結後、冷却の過程において結晶粒界でアルミニウムが析出してくるようになる。すなわち、結晶粒界には、薄いアルミニウムの濃度の高い障壁が形成された状態となり、溶融シリコンによる侵食を防ぐ働きを有していると考えられる。このため、SiC繊維は溶融シリコンに対する高い耐食性を有していると考えられる。
【0058】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材は、さらにSiC繊維の表面に界面層を有していることが好ましい。界面層を有していると、マトリックスと骨材であるSiC繊維との一体化を防止し、複合材としての性質を発揮することができる。
【0059】
界面層としては、特に限定されないが、窒化ホウ素を用いることが好ましい。窒化ホウ素は、シリコンと反応しにくい上に、6方晶であるので、層間剥離がおきやすく、マトリックスとSiC繊維との一体化を効果的に防止することができる。どのような方法で界面層を形成してもよいが、例えば、CVI法、前駆体法などのほか、界面層となる物質の微粒子を含浸して、SiC繊維の表面に付着させてもよい。
【0060】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材を構成するSiC繊維の太さは特に限定されない。例えば、3〜30μmであることが好ましい。SiC繊維の太さが3μm以上であると、SiCの結晶粒の大きさに比べて十分に大きく結晶粒界が欠陥の元になりにくくすることができる。SiC繊維の太さが30μm以下であると、SiC繊維が曲げられたときに繊維表面に大きな力が加わりにくくすることができるので、SiC繊維を高強度にすることができる。
【0061】
SiC繊維は、1本ずつの繊維で用いてもよいが、複数本を束ねて1本のストランドとして使用してもよい。複数本のSiC繊維を束ねて使用することにより、織布、ブレーディング体、フィラメントワインディング体などの形態でSiC繊維強化セラミック複合材の基材を容易に形成することができる。
【0062】
1本のストランドを構成するSiC繊維の本数は特に限定されない。例えば1本が100〜10000本のSiC繊維で構成されているストランドを利用することができる。ストランドを構成するSiC繊維の数が100本以上であると、効率よく基材を形成することができる。また、ストランドを構成するSiC繊維の数が10000本以下であると、ストランド間にできる空隙の大きさを小さくすることができるので、気孔の少ない基材を得ることができる。
【0063】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材の基材は、どのような形態でもよく、特に限定されない。例えば、SiC繊維のストランドを用いた場合には、織布、フィラメントワインディング体、ブレーディング体などを形成することができ、SiC繊維を短く切断し単線で用いる場合には、不織布、抄造体、マットなどを形成することができる。
【0064】
本発明のSiC/SiC複合材に用いる炭素源としては、固体、液状のどちらでも利用することができる。
【0065】
固体の炭素源としては、特に限定されないがカーボンブラック、カーボンナノチューブ、コークス粉、黒鉛粉などが利用できる。また、炭素源に加えてSiCの粉を同時に含浸してもよい。SiCの粉は、溶融するのみでSiと反応しないので、反応による変形を少なくすることができる。炭素源として固体を利用する場合には、平均粒子径が10nm〜5μmの粒子であることが好ましい。平均粒子径が10nm以上であると、静電気によって粒子間に発生する静電気の反発力の影響を小さくし、充填する際の密度を大きくすることができ、効率よく炭素源を骨材の隙間に供給することができる。また、平均粒子径が5μm以下であると、SiC繊維の隙間に侵入しやすくことができるので、効率よく骨材の隙間に炭素源を供給することができる。
【0066】
固体の炭素源を用いる場合には、液体中に分散させスラリーとすることにより、容易にSiC繊維の隙間に炭素源を供給することができる。
【0067】
液状の炭素源としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、フラン樹脂、ピッチ、タールなどが利用できる。液状の炭素源が高分子である場合、溶媒に希釈する、高温で軟化させるなどの方法で流動性を確保して使用する。
【0068】
また、液状の炭素源と、固体の炭素源を混合して炭素源としたり、SiCの粉をさらに加えてもよい。液体の炭素源が入っているので流動性がよく、さらに固体の炭素源が入っているので炭化収率を高くすることができる。コプナ樹脂は、液状の樹脂に黒鉛粉が混入されているので、固体と液状の炭素源の混合物である。SiCの粉を同時に加えた場合には、反応する炭素源の量を少なくすることができるので、反応に伴う変形を少なくすることができる。
【0069】
液状の炭素源を使用した場合には、硬化させた後、炭素化する。硬化および炭素化の条件は使用する炭素前駆体の特性に応じて適宜設定することができる。
【0070】
液状の炭素源に溶媒が含まれる場合には、例えば50〜120℃の温度で乾燥し、溶媒を乾燥させる。液状の炭素源が熱硬化性樹脂の場合、例えば80〜200℃の温度に保持して、樹脂の重合を進行させる。水などの副生成物があると、発泡し樹脂が流出してしまうので、発泡しないよう温度上昇を適宜調整することが好ましい。
【0071】
本発明のSiC/SiC複合材に用いるSiC繊維は、あらかじめ炭素源含浸工程の前に、SiC繊維の表面を洗浄する洗浄工程を有することが好ましい。
【0072】
SiC繊維は、通常複数本束ねて1本のストランドとして用いられる。複数本のSiC繊維を束ねるため、樹脂などのサイジング剤が塗布されている。サイジング剤には、潤滑作用があるため、相互の摩擦による断線を防止する効果もある。
【0073】
サイジング剤は、繊維を束ねるバインダーとしての役割を担っている。サイジング剤はSiC繊維どうしを互いに接合しているため、サイジング剤が残っている限りSiC繊維間に十分な炭素源を供給することができない。また、サイジング剤は、SiC繊維の表面を汚し、炭素源の浸透性を低下させる上に、十分な炭化収率が得られないことが多く、焼成しても十分炭素が残留せず、炭素源の少ない領域を形成してしまう。特に水溶性のサイジング剤を用いる場合には、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールなどの酸素を多く含有する有機物などが用いられ、十分な炭化収率が得られない。
【0074】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材によれば、あらかじめSiC繊維を洗浄しサイジング剤を取り除いているので、SiC繊維が開繊され効率よく炭素源をSiC繊維間に供給することができる。
【0075】
洗浄工程は、どのような方法で行ってもよい。溶媒での溶解、薬品による分解、熱による分解など特に限定されない。
【0076】
例えば、溶媒で溶解する場合には、適宜親溶媒を選択して洗浄する。溶媒としては、水のほか、アセトン、アルコール類、エーテル類、エステル類などの溶媒などが利用できる。薬品で分解する場合には、例えば酸化剤を用いて分解させてもよい。酸化剤としては、クロム酸混液、次亜塩素酸、過酸化水素などが利用できる。また、SiC繊維は、耐酸化性に優れているので、火炎にさらす、炉に入れるなどの方法でサイジング剤を熱分解させてもよい。この場合、雰囲気は、大気中でもよいし、不活性ガス雰囲気中でもよい。
【0077】
(発明を実施するための形態)
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材について、実施例1、実施例1と比較する比較例1、2、及び実施例2を作成した。作成方法の基本は実施例1で説明する。
【0078】
<実施例1>
実施例1では、多結晶SiC繊維を用い洗浄工程、シリコン含浸工程の順で製造される。尚、比較例1および比較例2も同様の製造である。
【0079】
<洗浄工程>
SiC繊維として、宇部興産株式会社製チラノSA(登録商標)の織布を用いた。チラノSA繊維は、焼結助剤としてアルミニウムが添加された多結晶SiC繊維である。織布を40mm×30mmのサイズに切断して用いた。SiC繊維は、サイジング剤として樹脂が塗布されているので、60℃の熱水への15分の浸漬を5回繰り返した後、120℃の熱風乾燥で2時間乾燥した。この処理により、SiC繊維の表面のサイジング剤が除去され、SiC繊維がバラバラに解された。
【0080】
<シリコン含浸工程>
次に、図1に示す通り、黒鉛ルツボ1の中にサイジング剤が除去されたSiC繊維の織布2を置き、さらにシリコン3をその上に置いた。1450℃まで真空下で加熱し、60分間保持し、冷却した。加熱条件は図2に示すグラフの通りである。この操作により、SiC繊維のクロスにシリコンが含浸され、SiC繊維強化セラミック複合材が得られた。
【0081】
そして、黒鉛ルツボ1からSiC繊維の織布2を取り出し、観察のためエポキシ樹脂で固化後、CP加工(イオンミリング)により断面観察用の試料を作成した。断面観察は、比較のため、シリコン含浸工程前およびシリコン含浸工程後の試料を走査顕微鏡(SEM)で行った。また、シリコン含浸工程後をさらに詳細に見るため拡大写真での観察も行った。
【0082】
<比較例1>
比較例1では、SiC繊維として非晶質の宇部興産株式会社製チラノZMI(登録商標)を用いた以外は、実施例1と同様にSiC繊維強化セラミック複合材を製造した。チラノZMIは、Si−Zr−C−O繊維に相当し、金属としてZr(ジルコニウム)を含んでいる。ZrはOと強く結合するので、高温でSiC繊維を劣化させるSiO、COへの分解反応を抑制し、耐熱温度を高くすることができると効果がある。
【0083】
<比較例2>
比較例2では、SiC繊維として非晶質のNGSアドバンストファイバー株式会社製Hi-Nicalon TypeS(登録商標)を用いた以外は、実施例1と同様にSiC繊維強化セラミック複合材を製造した。Hi-Nicalon TypeSは、製造段階でOの混入する酸素による不融化処理を行わず、Oの含有量を少なくした上に、金属元素を添加しておらず、実質的に金属元素を含有していない。このため、金属元素を含有していなくても高温でSiC繊維を劣化させるSiO、COへの分解反応を抑制し、耐熱温度を高くすることができると効果がある。
【0084】
図3は、走査顕微鏡で撮影した各SiC繊維強化セラミック複合を示した表であり、列は左から実施例1(チラノSA)、比較例1(チラノZMI)、比較例2(Hi-Nicalon TypeS)、行は上から順にシリコン含浸工程の前、シリコン含浸工程の後、シリコン含浸工程の後(拡大写真)、である。実施例1では、結晶質のSiC繊維4がシリコン含浸工程の前に用意され、シリコン含浸工程の後において、結晶質のSiC繊維4と溶融したシリコン3が反応している。一方、比較例1および2では、非晶質のSiC繊維4aがシリコン含浸工程の前に用意され、シリコン含浸工程の後において、非晶質のSiC繊維4aと溶融したシリコン3が反応している。
【0085】
実施例1、比較例1および比較例2で用いた試料の元素量および物性等は、図4の表に記載してある。
なお、元素分析は、SiC繊維を並べの表面を蛍光X線により行った。
装置:Rigaku ZSX100e
X線源:縦型Rh管、分析面積φ20mm
出力 :30kV、120mA(C,Si、Al)
50kV、72mA(Zr)
分光結晶:RX60(C)
PET(Al,Si)
Zr(LiF)
【0086】
実施例1、比較例1、2の走査顕微鏡写真(図3)を比較すると、実施例1のSiC繊維は、シリコン含浸後も元の円形の断面形状を保持していたが、比較例1、2では、溶融シリコンによってSiC繊維が侵食し、いびつな形状に変化していた。すなわち、非晶質のSiC繊維では、SiCの純度に関わらず溶融シリコンに浸食されたが、結晶質のSiC繊維では溶融シリコンに対して、耐食性を備えていることが確認された。実施例1は、内部の結晶粒界にアルミニウムが偏在しているので、アルミニウムが障壁となって溶融シリコンによる浸食を食い止めたと考えられる。
【0087】
図5に模式的に示すように、多結晶のSiC繊維は、繊維の内部にAl含有量の多い結晶粒界が存在し、障壁となることにより溶融シリコンによる損傷を防止していると考えられる。すなわち、図5(a)に示すように、結晶質のSiC繊維4にはアルミニウムを含有した結晶粒界5が存在し、溶融したシリコン3に浸漬した直後の状態を示す。浸漬後、時間が経過しても、図5(b)に示すように、耐食性の高い結晶粒界5が溶融したシリコン3の浸食を防止している。
【0088】
<実施例2>
実施例2では、実施例1に対して、SiC繊維に界面層を形成し、マトリックスは反応焼結SiCとした点が異なる。製造方法では、界面層形成工程と炭素源含浸工程が加わっている。すなわち、洗浄工程、界面層形成工程、炭素源含浸工程、シリコン含浸工程の順で製造される。図6に本実施例のSiC繊維強化セラミック複合材の模式図を示す。本実施例では、骨材としての結晶質のSiC繊維4と、マトリックスとしての反応焼結SiC7に加え、結晶質のSiC繊維4の表面に、窒化ホウ素等からなる界面層6が形成されており、マトリックスと骨材との一体化を効果的に防止している。
【0089】
界面層形成工程では、窒化ホウ素の粉末を水に分散させて、SiC繊維からなる骨材に含浸したのち乾燥させ、SiCの表面に付着させることができる。
【0090】
炭素源含浸工程では、炭素源として黒鉛粉を使用し、黒鉛の微粉末を含有するスラリーを含浸したのち、溶媒を揮発させてSiC繊維の隙間にSiCマトリックスの炭素源を供給する。
【0091】
次にシリコン含浸工程で、シリコンを含浸することによりSiC繊維の隙間に含浸された炭素源と反応させ、反応焼結SiCを得ることができる。
【0092】
実施例2では、骨材であるSiC繊維と、マトリックスである反応焼結SiCとが同一材質であるので、窒化ホウ素が界面層に存在していることにより一体化を防止することができている。
【0093】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明のSiC繊維強化セラミック複合材は、残留シリコンに対して耐食性を有し、耐熱性の高いことを要求する高温炉用部材、半導体製造装置、ジェットエンジン用部品などの分野に適合可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 黒鉛ルツボ
2 SiC繊維の織布
3 シリコン
4 結晶質のSiC繊維
5 結晶粒界
6 界面層
7 反応焼結SiC
図1
図2
図3
図4
図5
図6