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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-199921(P2018-199921A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】光環境制御システム
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/264 20060101AFI20181122BHJP
【FI】
   E06B9/264 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-104387(P2017-104387)
(22)【出願日】2017年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(72)【発明者】
【氏名】大塚 俊裕
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043BE02
2E043BE13
(57)【要約】
【課題】 室内全体をバランスのとれた適正な光環境に制御することが可能となる光環境制御システムを提供する。
【解決手段】 光環境制御システム1は、室内の窓面輝度を検知する輝度センサ12と、室内の光環境を変更するブラインド2と、予め定めた輝度の閾値及び予め定めた閾値を超える輝度の点の数を記憶する記憶部40と、輝度センサ12が検出した輝度の点のうち、記憶部40に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、記憶部40に記憶された予め定めた数より多い場合、ブラインド2を制御する制御部30と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の窓面輝度を検知する輝度センサと、
前記室内の光環境を変更するブラインドと、
予め定めた輝度の閾値及び予め定めた閾値を超える輝度の点の数を記憶する記憶部と、
前記輝度センサが検出した輝度の点のうち、前記記憶部に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、前記記憶部に記憶された予め定めた数より多い場合、前記ブラインドを制御する制御部と、
を備える
ことを特徴とする光環境制御システム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記輝度センサが検出した輝度の点のうち、前記記憶部に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、前記記憶部に記憶された予め定めた数より多い場合、前記ブラインドを制御する時間及び角度を記憶し、
前記制御部は、前記輝度センサが検出した輝度の点のうち、前記記憶部に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、前記記憶部に記憶された予め定めた数より多い場合、前記記憶部に記憶された時間及び角度に前記ブラインドを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の光環境制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の光環境を制御する光環境制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、室内の明るさ感に基づいて調光する光環境制御システムが開示されている(特許文献1参照)。また、近隣のビルの窓ガラス等に太陽光が反射して室内に入射する場合に、ブラインドを制御してグレアを防ぐ方法がある。窓面のグレアを評価する評価式としては、PGSV (Predicted Glare Sensation Vote) 等がある(非特許文献1参照)。非特許文献1に記載されたPGSVは、光源である窓面と背景の平均輝度及び光源である窓面の立体角を用いて評価するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−168333号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「Experimental Study on Discomfort Glare Caused by Windows Part 3- Development of a Method for Evaluating Discomfort Glare from a Large Light Source」日本建築学会計画系論文集,第489号,pp17-25,1996年11月,戸倉三和子,井原利枝,宿谷昌則
【非特許文献2】「昼光利用における窓面と壁面の好ましい輝度対比に関する研究 その4 ブラインド利用時における窓面輝度の扱いについて」,加藤未佳,外4名,日本建築学会大会学術講演梗概集,pp.563-564,2014年
【非特許文献3】「不快グレアの対比効果と総量効果」,岩田利枝,外2名,日本建築学会環境系論文集,第618号,pp.1-7,2007年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、PGSVは、窓面の輝度の扱いを平均値としているため、不均一な反射光に対しては適切な評価ができない。
【0006】
本発明は、高輝度光のグレア評価を行い、必要な時のみブラインド制御をすることにより、適正な光環境に制御することが可能となる光環境制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる光環境制御システムは、
室内の窓面輝度を検知する輝度センサと、
前記室内の光環境を変更するブラインドと、
予め定めた輝度の閾値及び予め定めた閾値を超える輝度の点の数を記憶する記憶部と、
前記輝度センサが検出した輝度の点のうち、前記記憶部に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、前記記憶部に記憶された予め定めた数より多い場合、前記ブラインドを制御する制御部と、
を備える
ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる光環境制御システムは、
前記記憶部は、前記輝度センサが検出した輝度の点のうち、前記記憶部に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、前記記憶部に記憶された予め定めた数より多い場合、前記ブラインドを制御する時間及び角度を記憶し、
前記制御部は、前記輝度センサが検出した輝度の点のうち、前記記憶部に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、前記記憶部に記憶された予め定めた数より多い場合、前記記憶部に記憶された時間及び角度に前記ブラインドを制御する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる一実施形態の光環境制御システムによれば、高輝度光のグレア評価を行い、必要な時のみブラインド制御をすることにより、適正な光環境に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の光環境制御システムを示す。
図2】本実施形態の光環境制御システムの輝度センサの映像を示す。
図3】ブラインド角度と光の透過率の関係の一例を示す。
図4】本実施形態のブラインドの特性式のグラフを示す。
図5】本実施形態の光環境制御システムの制御部に用いる第1実施形態の適正輝度バランスを示す。
図6】本実施形態の光環境制御システムの制御部に用いる第1実施形態の適正輝度バランス領域を示す。
図7】本実施形態の光環境制御システムの制御部に用いる第1実施形態の制御フローチャートを示す。
図8】本実施形態の光環境制御システムの制御部に用いるグレア判定制御フローチャートを示す。
図9】本実施形態の光環境制御システムの制御部に用いる輝度と点の個数の関係の一例を示す。
図10】本実施形態の光環境制御システムの制御部に用いる第2実施形態の適正輝度バランスを示す。
図11図10の領域(5)を細分化した状態を示す。
図12】第2実施形態の光環境制御に用いるブラインド角度と照明調光率の制御に対する窓面輝度平均値と壁面輝度平均値の変化を示す。
図13】本実施形態の光環境制御システムの制御部に用いる第2実施形態の制御フローチャートを示す。
図14】第2実施形態の制御フローチャートのブラインド・照明制御のサブルーチンを示す。
図15】第2実施形態の制御に用いる窓面輝度平均値と壁面輝度平均値の関係による視環境状態を示す。
図16】第2実施形態の制御に用いる領域(5)内の窓面輝度平均値と壁面輝度平均値の関係による視環境状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明にかかる光環境制御装置、光環境制御システム及び光環境制御方法の一実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の光環境制御システム1を示す。
【0013】
本実施形態の光環境制御システム1では、変更部としてのブラインド2は、窓面51の内側に隣接して、天井面52から床面53に向かって吊り下げられている。ブラインド2は、手動又は状況に応じて自動的に高さ、すなわちブラインド2の下端部の天井面52からの距離を変更することが可能である。また、使用しない場合には、ブラインド2はすべて天井面52の側へ引き上げておくことが可能である。
【0014】
ブラインド2は、同じく変更部を構成する複数のスラット3を有する。複数のスラット3は、それぞれ角度が変更可能に形成されている。本実施形態では、ブラインド2の角度、すなわち、スラット3の角度を変更することで、窓面からの日射量を調整する。なお、本実施形態では、ブラインド2の角度という場合、最上位置のスラット3の角度とするが、全てのスラット3の平均角度をブラインド2の角度としてもよい。また、本実施形態のブラインド制御システム1は、室内に取り付けるブラインド2に適用しているが、外付けブラインド又は2枚のガラスの間に設置するダブルスキン内ブラインドにも適用可能である。
【0015】
変更部としての照明4は、天井面52に並べて取り付けられる。照明4は、調光率を調整できることが好ましい。照明4は、アンビエント照明でも、タスク照明でもよい。
【0016】
図2は、本実施形態の光環境制御システム1の輝度センサ12の映像を示す。
【0017】
輝度センサ12は、図2に示すように、窓面51及び窓面51の周囲の壁面54が測定範囲となるように設定される。本実施形態の輝度センサ12は、輝度カメラであって、室内の輝度、特に窓面51及び窓面51の周囲の壁面54の輝度を測定する。
【0018】
図1に示した制御部30は、ブラインド2の角度及び照明4の調光率のうち少なくとも1つを制御する装置である。なお、本実施形態のブラインド制御装置30は、一般のブラインド2に適用することが可能である。
【0019】
本実施形態の制御部30は、直射日光検知部11から取得した窓面への直射日光の状態と、輝度センサ12から取得した窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値と、を用いて、ブラインド2の角度及び照明4の調光率のうち少なくとも1つを制御する。
【0020】
図1に示した記憶部40は、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値が予め定めた所望の関係となる後述する適正輝度バランス領域を記憶する。また、グレア判定制御のために、予め定めた輝度の閾値、予め定めた輝度の点の数、及び、ブラインド2を予め定めた角度に制御する予め定めた時間を記憶する。
【0021】
ここで、窓面輝度とブラインド角度の関係について説明する。
【0022】
図3は、ブラインド角度と光の透過率の関係の一例を示す。
【0023】
図1に示した光環境制御システム1は、ブラインド2の角度を制御することで光の透過率を変化させることができる。したがって、ブラインド2の角度を制御することで室内の明るさを制御することが可能となる。
【0024】
現在の窓面輝度平均値をL1、目標とする窓面輝度平均値をL2とする。ブラインド角度αと光の透過率Tの関係は、T=f (α)であって、その逆関数は、α=g (T)である。現在の光の透過率T1は、現在のブラインド角度α1及びブラインド角度αと光の透過率Tの関係式T=f (α)から算出される。目標とする窓面輝度L2とするための光の透過率T2は、現在の光の透過率T1に対して、L2/L1を掛けることにより求められる。そして、求められたT2をブラインド角度αと光の透過率Tの逆関数α=g (T)に代入すると、目標とするブラインド角度α2が求められる。
【0025】
ブラインド角度αと光の透過率Tの関係式T=f (α)は、ブラインド2のスラット3の幅及び反射率等によって変化するブラインド特性式から求められる。すなわち、ブラインド特性式は、ブラインド2毎に異なるものであって、1つ1つのスラット3の寸法又は材料等から求められる。
【0026】
図4は、本実施形態のブラインド2の特性式のグラフを示す。
【0027】
ブラインド特性式は、図4に示した太陽のプロファイル角度毎のブラインド角度αと光の透過率Tの関係を求めたものである。
【0028】
例えば、本実施形態のブラインド2では、図4に示すように、直射日光が無い場合、菱形を近似した実線の関係から特性式を求める。また、太陽のプロファイル角度が30°の場合、正方形を近似した破線の関係から特性式を求める。さらに、太陽のプロファイル角度が40°の場合、三角形を近似した一点鎖線の関係から特性式を求め、太陽のプロファイル角度が50°の場合、×印を近似した二点鎖線の関係から特性式を求める。
【0029】
次に、第1実施形態の光環境制御について説明する。第1実施形態の光環境制御は、ブラインド2を制御し、窓面輝度平均値を変化させることで、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値のバランスを変化させる。窓面輝度平均値と壁面輝度平均値のバランスは、予め設定した適正輝度バランスに近づくように制御する。
【0030】
ここで、適正輝度バランスについて説明する。
【0031】
図5は、本実施形態の光環境制御システムの制御部30に用いる第1実施形態の適正輝度バランスを示す。
【0032】
適正輝度バランスは、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値のバランスを考慮して設定した式であって、室内に在室する人が快適に感じるバランスであることが好ましい。適正輝度バランスC1は、例えば、非特許文献2に記載された以下のような75%許容壁面輝度等の指標を用いればよい。
log10(Lwall) = 0.77log10(Lwindow)+1.05log10ρ+0.09 (1)
ただし、
Lwall:75%許容壁面輝度、
Lwindow:窓面輝度平均値、
ρ:ブラインドの反射率、
である。
【0033】
例えば、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値のバランスが、所定の壁面輝度平均値に対して窓面輝度平均値が75%許容壁面輝度よりも低い領域Bにある場合、図5に示す矢印BC1のように窓面輝度平均値を上げて、75%許容壁面輝度となるようにブラインド2を開ける。また、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値のバランスが、所定の壁面輝度平均値に対して窓面輝度平均値が75%許容壁面輝度よりも高い領域Aにある場合、図5に示す矢印AC1のように窓面輝度平均値を下げて、75%許容壁面輝度となるようにブラインド2を閉める。
【0034】
このように、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値が適正輝度バランスに近づくようにブラインド2を制御するので、室内全体をバランスのとれた適正な光環境に制御することが可能となる。したがって、室内に在室する人は、室内の光環境を快適に感じることができる。
【0035】
図6は、本実施形態の光環境制御システムの光環境制御装置に用いる第1実施形態の適正輝度バランス領域を示す。
【0036】
例えば、図6に示すように、75%許容壁面輝度に対して、所定の許容範囲を設け、適正輝度バランス領域Cを設定してもよい。この場合、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値のバランスが、所定の壁面輝度平均値に対して窓面輝度平均値が適正輝度バランス領域Cよりも低い領域Bにある場合、図6に示す矢印BCのように窓面輝度平均値を上げて、予め定めた適正輝度バランス領域C内となるようにブラインド2を開ける。また、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値のバランスが、所定の壁面輝度平均値に対して窓面輝度平均値が適正輝度バランス領域Cよりも低い領域Bにある場合、図6に示す矢印ACのように窓面輝度平均値を下げて、予め定めた適正輝度バランス領域内となるようにブラインド2を閉める。
【0037】
このように、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値が適正輝度バランス領域に存在するようにブラインド2を制御するので、室内全体をバランスのとれた適正な光環境に制御することが可能となる。したがって、室内に在室する人は、室内の光環境を快適に感じることができる。
【0038】
なお、第1実施形態の光環境制御では、75%許容壁面輝度C1を指標として用いたが、これに限らず、他の指標を用いても良い。
【0039】
図7は、本実施形態の光環境制御システム1の制御部30に用いる第1実施形態の制御フローチャートを示す。
【0040】
第1実施形態の光環境制御は、ブラインド2の角度を制御する。まず、ステップ1で、窓面に直射日光が入射しているか否かを判定する(ST1)。
【0041】
ステップ1において、窓面に直射日光が入射している場合、ステップ2で、予め記憶している太陽のプロファイル角に対応したブラインド特性式を選択する(ST2)。その後、ステップ4へ進む。
【0042】
ステップ1において、窓面に直射日光が入射していない場合、ステップ3で、予め記憶している直射日光が入射していない場合のブラインド特性式を選択する(ST3)。その後、ステップ4へ進む。
【0043】
続いて、ステップ4で、輝度ファイルを読み込む(ST4)。輝度ファイルの読み込みは、図2に示した輝度センサ12の映像から、窓面輝度及び壁面輝度の分布を一時的に記憶することである。
【0044】
次に、ステップ5で、グレア判定制御を実行する(ST5)。
【0045】
図8は、本実施形態の光環境制御システムの制御部に用いるグレア判定制御フローチャートを示す。図9は、本実施形態の光環境制御システムの制御部に用いる輝度と点の個数の関係の一例を示す。
【0046】
グレア判定制御において、制御部30は、まず、ステップ21で、輝度センサ12が検出した輝度の点のうち、記憶部40に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、記憶部40に記憶された予め定めた数より多いか否かを判定する(ST21)。本実施形態の光環境制御システムは、窓面にカメラを向けて輝度分布を計測する。例えば、カメラの解像度がVGA (Video Graphic Array) の場合、640×480の輝度値のマトリックスが一回の計測により生成される。この輝度値のマトリックスを解析することでグレア評価を行う。
【0047】
具体的に、本実施形態の光環境制御システムのグレア評価は、図9に示すような輝度の閾値Tlを設定し、輝度値のマトリックスのうち輝度の閾値Tlを超える点の数が予め定めた点の数Tnよりも多いか否かを判定する。
【0048】
ステップ21において、予め定めた閾値を超える輝度の点が予め定めた数より多い場合、ステップ22で、制御部30は、記憶部40に記憶された予め定めた時間、予め定めた角度にブラインド2を制御する(ST22)。その後、制御部30の工程は、図7に示したフローチャートのステップ6に進む。
【0049】
ステップ21において、予め定めた閾値を超える輝度の点が予め定めた数より少ない場合、制御部30の工程は、図7に示したフローチャートのステップ6に進む。
【0050】
所定の位置の窓面に発生する高輝度のグレアは、太陽の高度及び方位等で表される位置から計算することにより、年間のある時期の特定の時刻に発生する。したがって、グレアの発生から所定の時間経過すれば、グレアの問題はなくなる場合が多い。そこで、ブラインド2を制御する時間及び角度は、このグレアの問題がなくなる時間及び角度を計算することで決定すればよい。
【0051】
このように、本実施形態の光環境制御システムによれば、通常制御の前に高輝度光のグレア評価を行い、必要な時のみブラインド制御をすることにより、適正な光環境に制御することが可能となる。また、本実施形態の光環境制御システム1によれば、高輝度のグレアが発生する時のみグレア判定制御をすることができ、ブラインド2が閉じられた時の閉塞感を短い時間にすることが可能となる。
【0052】
次に、ステップ6で、窓面輝度及び壁面輝度の平均値、並びに、窓面輝度の最大値を算出する(ST6)。窓面輝度及び壁面輝度の平均値は、ステップ4において読み込んだ窓面輝度及び壁面輝度を、窓面及び壁面のそれぞれの画素数で割ることによって算出する。
【0053】
続いて、ステップ7で、窓面輝度の最大値が予め定めた第1の値よりも高いか否かを判定する(ST7)。ここでは、窓面が眩しすぎるか否かを判定する。第1の値は、例えば5000カンデラ程度に設定すればよい。
【0054】
ステップ7において、窓面輝度の最大値が予め定めた第1の値よりも高い場合、ステップ8で、ブラインド特性式を用いて、窓面輝度が予め定めた第1の値となる角度に、ブラインド2を閉める(ST8)。その後、光環境制御を終了する。
【0055】
ステップ7において、窓面輝度の最大値が予め定めた第1の値よりも低い場合、ステップ9で、窓面輝度平均値に対する壁面輝度平均値が予め定めた適正輝度バランスよりも低いか否かを判定する(ST9)。
【0056】
ステップ9において、窓面輝度平均値に対する壁面輝度平均値が予め定めた適正輝度バランスよりも低い場合、ステップ10で、ブラインド特性式を用いて、窓面輝度平均値を上げて、予め定めた適正輝度バランスに近づけるようにブラインド2を開ける(ST10)。その後、光環境制御を終了する。
【0057】
ステップ9において、窓面輝度平均値に対する壁面輝度平均値が予め定めた適正輝度バランスよりも低くない場合、ステップ11で、窓面輝度平均値に対する壁面輝度平均値が予め定めた適正輝度バランスよりも高いか否かを判定する(ST11)。
【0058】
ステップ11において、窓面輝度平均値に対する壁面輝度平均値が予め定めた適正輝度バランスよりも高い場合、ステップ12で、ブラインド特性式を用いて、窓面輝度平均値を下げて、予め定めた適正輝度バランスに近づけるようにブラインド2を閉める(ST12)。その後、光環境制御を終了する。
【0059】
ステップ11において、窓面輝度平均値に対する壁面輝度平均値が予め定めた適正輝度バランスよりも高くない場合、ブラインド2を開閉せず、そのまま光環境制御を終了する。
【0060】
このように、第1実施形態の光環境制御によれば、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値が適正輝度バランス領域に存在するようにブラインド2を制御するので、室内全体をバランスのとれた適正な光環境に制御することが可能となる。したがって、室内に在室する人は、室内の光環境を快適に感じることができる。
【0061】
次に、本実施形態の光環境制御システム1の制御部30に用いる第2実施形態の光環境制御について説明する。第2実施形態の光環境制御は、ブラインド2及び照明を制御し、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値を変化させることで、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値のバランスを変化させる。窓面輝度平均値と壁面輝度平均値のバランスは、予め設定した適正輝度バランスに近づくように制御する。
【0062】
図10は、本実施形態の光環境制御システムの光環境制御装置に用いる第2実施形態の適正輝度バランスを示す。図11は、図10の領域(5)を細分化した状態を示す。
【0063】
第2実施形態の光環境制御では、図10に示すように、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値の関係が領域(1) 〜領域(9) の9つの領域に分けられる。予め設定した適正輝度バランス領域Cは領域(5)とする。領域(5)では、図11に示すように、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値の関係がさらに9つの領域に分けられる。予め設定した適正輝度バランスC2は、領域(5)−4、領域(5)−5及び領域(5)−6に配置される。
【0064】
図12は、第2実施形態の光環境制御に用いるブラインド角度と照明調光率の制御に対する窓面輝度平均値と壁面輝度平均値の変化を示す。
【0065】
第2実施形態の光環境制御では、ブラインド角度と照明調光率を制御する。ブラインド角度の制御は、窓面輝度に大きく影響を与えるが、壁面輝度にも影響を与える。照明調光率は、壁面輝度に影響を与えるが、窓面輝度にはほとんど影響を与えない。
【0066】
例えば、図12に示したB1の開状態からB2の閉状態にブラインドを閉めると、窓面輝度平均値は低くなり、壁面輝度平均値も低くなる。図12に示したL1の明状態からL2の暗状態に照明調光率を低くすると、壁面輝度平均値が低くなり、窓面輝度平均値はわずかに低くなる。
【0067】
逆に、図12に示したB2の閉状態からB1の開状態にブラインドを開けると、窓面輝度平均値は高くなり、壁面輝度平均値も高くなる。図12に示したL2の暗状態からL1の明状態に照明調光率を高くすると、壁面輝度平均値が高くなり、窓面輝度平均値はわずかに高くなる。
【0068】
図12の影響を踏まえて、第2実施形態の光環境制御では、以下の基本方針に基づいて制御を行う。
a)窓面輝度はブラインド角度によって調整する。
b)壁面輝度は照明調光率によって微調整する。
c)照明調光率は、省エネルギを図るため、なるべく設定照度以下とする。
d)予め記憶している太陽の位置、現在時刻から計算される太陽の位置及び窓面方位に応じて、直射光があるモードと直射光が無いモードを設定する。
e)直射日光検知部11から取得した窓面への直射日光の状態を検知する。
【0069】
図13は、本実施形態の光環境制御システム1の制御部30に用いる第2実施形態の制御フローチャートを示す。図14は、第2実施形態の制御フローチャートのブラインド・照明制御のサブルーチンを示す。
【0070】
まず、ステップ31で、現在が昼間か否かを判定する(ST31)。昼間か否かの判定は、予め記憶してある日付に対応する太陽の位置から計算して求める。
【0071】
ステップ31において、現在が昼間ではなく、夜の場合、ステップ32で、夜間モードを選択する(ST32)。夜間モードは、以下の様な制御が考えられる。(1)明るさ感に配慮してブラインドを閉として窓面の輝度を上げる。(2)眺望の確保のためにブラインドを開とする。(3)明るさ確保のために照明を予め定めた所定の条件とする。なお、これらの制御に限らず、他の制御を設定してもよい。その後、制御を終了する。
【0072】
続いて、ステップ33で、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値をそれぞれ算出する(ST33)。窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値は、第1実施形態と同様に輝度カメラ11から算出する。
【0073】
続いて、ステップ34で、視環境状態を予め定めた所定の領域に当てはめる(ST34)。視環境状態は、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値の割合で決定する。
【0074】
続いて、ステップ35で、ブラインド角度及び照明調光率を検知する。(ST35)。ブラインド角度は、全開を0°(水平)、全閉を90°とする。
【0075】
図15は、第2実施形態の制御に用いる窓面輝度平均値と壁面輝度平均値の関係による視環境状態を示す。
【0076】
例えば、図15に示すように、窓面輝度平均値が予め定めた許容最大値Lfhよりも大きく、壁面輝度平均値が予め定めた許容最大値Lwhよりも大きい場合、部屋全体が眩しいと感じる領域(3)にポイントされる。その時点で検知したブラインド角度は20°、照明調光率は80%である。
【0077】
また、図15に示すように、窓面輝度平均値が予め定めた許容最小値Lflよりも小さく、壁面輝度平均値が予め定めた許容最小値Lwlよりも小さい場合、部屋全体が暗いと感じる領域(7)にポイントされる。その時点で検知したブラインド角度は20°、照明調光率は40%である。
【0078】
続いて、ステップ36で、ブラインド及び照明を制御する。(ST36)。ブラインド及び照明の制御は、図14に示した4つのパターンに分けられる。
【0079】
図14(a)は、照明調光率を高くする制御を示す。まず、ステップ41で、壁面輝度平均値Lwが許容最小値Lwlよりも大きいか否かを判定する(ST41)。ステップ31において、壁面輝度平均値Lwが許容最小値Lwlよりも大きい場合、制御を終了する。
【0080】
ステップ41において、壁面輝度平均値Lwが許容最小値Lwl以下の場合、ステップ42で、照明調光率を高くする(ST42)。すなわち、室内の照明を明るくする。例えば、図12におけるL2からL1の状態にする。その後、ステップ41に戻る。
【0081】
図14(b)は、照明調光率を低くする制御を示す。まず、ステップ51で、壁面輝度平均値Lwが許容最大値Lwhよりも小さいか否かを判定する(ST51)。ステップ51において、壁面輝度平均値Lwが許容最大値Lwhよりも小さい場合、制御を終了する。
【0082】
ステップ51において、壁面輝度平均値Lwが許容最大値Lwh以上の場合、ステップ52で、照明調光率を低くする(ST52)。すなわち、室内の照明を暗くする。例えば、図12におけるL1からL2の状態にする。その後、ステップ51に戻る。
【0083】
図14(c)は、ブラインド角度を大きくする制御を示す。まず、ステップ61で、窓面輝度平均値Lfが許容最小値Lflよりも大きいか否かを判定する(ST61)。ステップ61において、窓面輝度平均値Lfが許容最小値Lflよりも大きい場合、制御を終了する。
【0084】
ステップ61において、窓面輝度平均値Lfが許容最小値Lfl以下の場合、ステップ62で、ブラインド角度を大きくする(ST62)。すなわち、室内に光を入れて明るくする。例えば、図12におけるB2からB1の状態にする。その後、ステップ61に戻る。
【0085】
図14(d)は、ブラインド角度を小さくする制御を示す。まず、ステップ71で、窓面輝度平均値Lfが許容最大値Lfhよりも小さいか否かを判定する(ST71)。ステップ71において、窓面輝度平均値Lfが許容最大値Lfhよりも小さい場合、制御を終了する。
【0086】
ステップ71において、窓面輝度平均値Lfが許容最大値Lfh以上の場合、ステップ72で、ブラインド角度を小さくする(ST72)。すなわち、室内に光を入れず暗くする。例えば、図12におけるB1からB2の状態にする。その後、ステップ71に戻る。
【0087】
以下の表1は、図10に示した領域(5)以外の状態からの制御方法を示す。
【表1】
【0088】
ここで、Aは照明調光率が予め定めた所定の調光率以上の場合、Bは照明調光率が予め定めた所定の調光率より小さい場合を示す。また、L1は図14(a)に示す制御、L2は図14(b)に示す制御、B1は図14(c)に示す制御、B2は図14(d)に示す制御、をそれぞれ実行する。以下、表2についても同様である。
【0089】
例えば、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値が図15における領域(3)の状態の場合であって、照明調光率が予め定めた所定の調光率以上の場合、表1の領域(3)のAの制御を実行する。すなわち、まず、図14(b)に示した照明の制御を実行し、80%の照明調光率を60%に下げる。照明調光率を下げるので、主に壁面輝度平均値が低くなる。続いて、図14(c)に示したブラインドの制御を実行し、20°のブラインド角度を40°に閉鎖する。ブラインド角度を閉鎖側にするので、主に窓面輝度平均値が低くなる。すると、図15に示したように、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値が領域(5)内に収束する。つまり予め設定した適正輝度バランスC2に近づくように制御される。
【0090】
また、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値が図15における領域(7)の状態の場合、表1の領域(7)の制御を実行する。すなわち、まず、図14(a)に示した照明の制御を実行し、40%の照明調光率を60%に上げる。照明調光率を上げるので、主に壁面輝度平均値が高くなる。続いて、図14(d)に示したブラインドの制御を実行し、70°のブラインド角度を60°に開放する。ブラインド角度を開放側にするので、主に窓面輝度平均値が高くなる。すると、図15に示したように、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値が領域(5)内に収束する。つまり予め設定した適正輝度バランスC2に近づくように制御される。
【0091】
このように、第2実施形態の光環境制御によれば、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値が適正輝度バランス領域に存在するようにブラインド2及び照明4を制御するので、室内全体をさらにバランスのとれた適正な光環境に制御することが可能となる。したがって、室内に在室する人は、室内の光環境を快適に感じることができる。
【0092】
図16は、第2実施形態の制御に用いる領域(5)内の窓面輝度平均値と壁面輝度平均値の関係による視環境状態を示す。
【0093】
以下の表2は、図11に示した領域(5)の状態での制御方法を示す。
【表2】
【0094】
例えば、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値が図16における領域(5)−1の状態の場合、表1の領域(5)−1の制御を実行する。すなわち、まず、図14(c)に示したブラインドの制御を実行し、80°のブラインド角度を40°に開放する。ブラインド角度を開放側にするので、主に窓面輝度平均値が高くなる。続いて、図14(b)に示した照明の制御を実行し、80%の照明調光率を45%に下げる。照明調光率を下げるので、主に壁面輝度平均値が低くなる。すると、図16に示したように、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値が領域(5)−5内に収束する。つまり予め設定した適正輝度バランスC2に近づくように制御される。
【0095】
また、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値が図16における領域(5)−3の状態の場合、表2の領域(5)−3の制御を実行する。すなわち、図14(b)に示した照明の制御を実行し、80%の照明調光率を45%に下げる。照明調光率を下げるので、主に壁面輝度平均値が低くなる。すると、図16に示したように、窓面輝度平均値及び壁面輝度平均値が領域(5)−6内に収束する。つまり予め設定した適正輝度バランスC2に近づくように制御される。
【0096】
このように、第2実施形態の光環境制御によれば、窓面輝度平均値と壁面輝度平均値が適正輝度バランスに近づくようにブラインド2及び照明4を制御するので、室内全体をさらにバランスのとれた適正な光環境に制御することが可能となる。したがって、室内に在室する人は、室内の光環境を快適に感じることができる。
【0097】
なお、本実施形態で予め設定された適正輝度バランスは、75%許容壁面輝度に限らず、グレア評価指標としてのDGI,PGSV,DGP等を用いても良い(非特許文献3参照)。これらの評価指標を用いる場合の適正輝度バランスは、それぞれ不快だと感じ始める指標値を閾値とすればよい。
【0098】
以上、本実施形態の光環境制御システム1は、室内の窓面輝度を検知する輝度センサ12と、室内の光環境を変更するブラインド2と、予め定めた輝度の閾値及び予め定めた閾値を超える輝度の点の数を記憶する記憶部40と、輝度センサ12が検出した輝度の点のうち、記憶部40に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、記憶部40に記憶された予め定めた数より多い場合、ブラインド2を制御する制御部30と、を備える。したがって、本実施形態の光環境制御システム1によれば、室内全体をバランスのとれた適正な光環境に制御することが可能となる。
【0099】
また、本発明にかかる光環境制御システムでは、記憶部40は、輝度センサ12が検出した輝度の点のうち、記憶部40に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、記憶部40に記憶された予め定めた数より多い場合、ブラインド2を制御する時間及び角度を記憶し、制御部30は、輝度センサ12が検出した輝度の点のうち、記憶部40に記憶された予め定めた閾値を超える輝度の点の数が、記憶部40に記憶された予め定めた数より多い場合、記憶部40に記憶された時間及び角度にブラインド2を制御する。したがって、本実施形態の光環境制御システム1によれば、高輝度のグレアが発生する時のみグレア判定制御をすることができ、ブラインド2が閉じられた時の閉塞感を短い時間にすることが可能となる。
【0100】
なお、この実施形態によって本発明は限定されるものではない。すなわち、実施形態の説明に当たって、例示のために特定の詳細な内容が多く含まれるが、当業者であれば、これらの詳細な内容に色々なバリエーションや変更を加えてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…光環境制御システム、2…ブラインド(変更部)、3…スラット(変更部)、4…照明(変更部)、11…直射日光検知部、12…輝度センサ、30…制御部、40…記憶部、51…窓面、52…天井面、53…床面、54…壁面
図1
図2
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