ところで、燃費の向上及び排出ガス性能の向上を目的として、燃焼室の中の希薄混合気を、自己着火によって燃焼させる圧縮自己着火式エンジンが知られている。この燃焼は、酸素と燃料の化学反応による自己着火現象に大きく依存するため、筒内温度や濃度などの状態量に対する感度が高い。エンジンの負荷、又は、燃焼室内の温度が比較的高い場合には急峻な燃焼によって騒音が発生しやすい。逆に、エンジンの負荷、又は、燃焼室内の温度が低い場合には、燃焼効率の低下による燃費の悪化を招く。エンジンの負荷、又は、燃焼室内の温度が低すぎると最悪の場合、燃焼変動が大きくなり過ぎて失火に至る。圧縮自己着火燃焼は安定燃焼が可能となる状態量の範囲が狭いという特徴がある。従って圧縮自己着火式エンジンにおいて、燃費の良い安定燃焼を実現するためには、燃焼室内の状態量を正確に推定しかつ制御する必要がある。
従来のエンジン制御においては、事前に行う定常試験により得られる制御マップと、補正マップとを用いて、目標運転条件に対する、各種のデバイスの操作量を決定する手法をとってきた。圧縮自己着火式エンジンにおいては、内部EGR(Exhaust Gas Recirculation)によって燃焼室の中の状態量を制御する手法が有望視されている。定常運転時と過渡運転時とでは操作量が同じであっても、内部EGRの組成及び割合が異なる場合がある。定常マップ及び補正マップを用いた従来のマップ制御によって、路上での様々な運転条件に対応するには限界がある。また、圧縮自己着火式エンジンの制御に従来のマップ制御を適用しようとすると、過渡運転も含めた事前実験を行う必要があるが,過渡運転の条件が膨大になってしまうという問題もある。
ここに開示する技術はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮自己着火式エンジンの、新たな制御システムを提供することにある。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
具体的に、ここに開示する技術は、圧縮自己着火式エンジンの制御装置に係る。この制御装置は、サイクル毎に、燃焼室の中の混合気を自己着火によって燃焼させるよう構成されたエンジンと、前記エンジンに取り付けられかつ、前記燃焼室の中への新気及び既燃ガスの導入を調整することによって、前記燃焼室の中を所望の状態にするよう構成された状態量設定デバイスと、前記エンジンに取り付けられかつ、前記燃焼室の中に供給する・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る