特開2018-200159(P2018-200159A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-200159(P2018-200159A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】流量制御装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20181122BHJP
【FI】
   F24F13/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-106263(P2017-106263)
(22)【出願日】2017年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】三枝 隆晴
(72)【発明者】
【氏名】羽場 照芳
(72)【発明者】
【氏名】高井 宗則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 清彦
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080AA05
(57)【要約】
【課題】製造コストを低く抑えることが可能な流量制御装置を提供する。
【解決手段】上流空調機3からの空気が流れるダクト11を備える。ダクト11内に設置されたオリフィスリング21(中空構造の板)を備える。オリフィスリング21の中空部24に重なる板状に形成され、オリフィスリング21と平行になる状態で稼働するプレート22を備える。プレート22を稼働させるアクチュエータ23(駆動部)を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流空調機からの空気が流れるダクトと、
前記ダクト内に設置された中空構造の板と、
前記板の中空部に重なる板状に形成され、前記板と平行になる状態で稼働するプレートと、
前記プレートを稼働させる駆動部と、
を備えた流量制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の流量制御装置において、
前記駆動部は、直動式のリニアアクチュエータによって構成されていることを特徴とする流量制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の流量制御装置において、
前記板の中空部は、円形の開口形状であり、
前記プレートは、円板状に形成されていることを特徴とする流量制御装置。
【請求項4】
請求項3記載の流量制御装置において、
前記ダクトの一端はチャンバーに接続されることを特徴とする流量制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載の流量制御装置において、
前記プレートは、前記板より前記気体が流れる方向の下流側に配置され、
前記駆動部は、前記固定壁部に支持されて前記プレートより前記気体が流れる方向の下流側に配置されていることを特徴とする流量制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体の流量を制御する流量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気体の流量を制御する流量制御装置としては、ベンチュリバルブと呼ばれているものがある。このベンチュリバルブは、応答性がよいとともに、大流量の気体が流れても騒音が小さいものである。このため、この種のベンチュリバルブは、特許文献1に記載されているようにヒュームフードの局所排気ダクトに設けられたり、製造施設や研究室、病院などで給気、一般排気あるいは局所排気を行うダクトに設けられることが多い。
【0003】
一般的なベンチュリバルブは、空気通路を形成するベンチュリと、このベンチュリの中心を軸とするコーンとを備えている。コーンの上流側半部は、半球状に形成され、下流側半部は、ベンチュリ部の周壁と相似に形成されている。このコーンは、シャフトに支持され、往復することにより流量を増減させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−52414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ベンチュリバルブは、特性や応答性が優れる反面、ベンチュリやコーンの外形が流線形に成形されているから、設計や製造に時間が長く必要になるために、製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、製造コストを低く抑えることを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明に係る流量制御装置は、上流空調機からの空気が流れるダクトと、前記ダクト内に設置された中空構造の板と、前記板の中空部に重なる板状に形成され、前記板と平行になる状態で稼働するプレートと、前記プレートを稼働させる駆動部とを備えているものである。
【0008】
本発明は、前記流量制御装置において、前記駆動部は、直動式のリニアアクチュエータによって構成されていてもよい。
【0009】
本発明は、前記流量制御装置において、前記板の中空部は、円形の開口形状であり、
前記プレートは、円板状に形成されていてもよい。
【0010】
本発明は、前記流量制御装置において、前記ダクトの一端はチャンバーに接続されてもよい。
【0011】
本発明は、前記流量制御装置において、前記プレートは、前記板より前記気体が流れる方向の下流側に配置され、前記駆動部は、前記固定壁部に支持されて前記プレートより前記気体が流れる方向の下流側に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る流量制御装置においては、プレートが駆動部によって稼働されて板に接近することにより流量が減少し、プレートが板から離間することによって流量が増大する。この流量制御装置は、板の中空部が実質的にベンチュリバルブのベンチュリ部を構成し、プレートが実質的にベンチュリバルブのコーンを構成する。
【0013】
板とプレートは、それぞれ板材料によって形成することができる。
したがって、本発明によれば、製造コストを低く抑えることが可能な流量制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る流量制御装置を使用した空調システムの部屋側端部を示す斜視図である。図1は、ダクトおよび流量制御装置のパイプの一部を破断した状態で描いてある。
図2】吹出口VAVの断面図である。
図3】流量制御装置の断面図である。図3は、プレートが中間に位置付けられている状態を示す。
図4】流量制御装置の断面図である。図4は、プレートが全開に位置付けられている状態を示す。
図5】流量制御装置を上流側から見た断面図である。図5の破断位置は、図2中にV−V線によって示す。
図6】中間開度にあるバタフライバルブを通過した空気が流れる方向を模式的に示す断面図である。
図7】全開状態のバタフライバルブを通過した空気が流れる方向を模式的に示す断面図である。
図8】流量制御装置の他の実施の形態を示す断面図である。
図9】流量制御装置の他の実施の形態を示す断面図である。
図10】流量制御装置の他の実施の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る流量制御装置(VAV: Variable Air Volume)の一実施の形態を図1ないし図7によって詳細に説明する。この実施の形態においては、本発明を吹出口VAVの流量制御装置に適用する例について説明する。
【0016】
吹出口VAV1は、図1において下部につながる部屋2の空調を行うためのものである。吹出口VAV1は、上流空調機3から空調空気が送られる上流ダクト4と、この上流ダクト4の下流端に後述する流量制御装置(以下においては単にVAVという)5を介して接続されたチャンバー6などを備えている。
【0017】
この実施の形態による上流ダクト4は、図2に示すように、天井裏7に水平に設置されている。
チャンバー6は、箱状に形成されている。VAV5の下流端は、このチャンバー6の一側部に接続されている。チャンバー6の下端には、ダクト部材8が接続されている。ダクト部材8は、天井壁9に取付けられている。
【0018】
このダクト部材8の下端部であって室内空間Sの天井部となる部位には、空調空気(以下、単に空気という)を室内空間Sに供給する吹出口10が設けられている。空気は、上流ダクト4からVAV5の内部を通ってチャンバー6に流入し、ダクト部材8内を下方に流れ、吹出口10から部屋2内に供給される。以下においては、空気が流れる方向の下流側を単に「下流側」といい、空気が流れる方向の上流側を単に「上流側」という。
【0019】
VAV5は、図1および図2に示すように、上流ダクト4と同径の円筒状のダクト11と、このダクト11の中に収容された後述する複数の部品とによって構成されている。ダクト11は、上流ダクト4とチャンバー6とにそれぞれ取付けられている。このダクト11は、円筒状の上流ダクト4と同一軸線上に位置している。
【0020】
ダクト11内に収容された複数の部品とは、ダクト11内の上流部に位置するオリフィスリング21と、その下流側に位置する円板状のプレート22と、更に下流側に位置するアクチュエータ23である。この実施の形態においては、オリフィスリング21が本発明でいう「中空構造の板」に相当する。また、アクチュエータ23が本発明でいう「駆動部」に相当する。
【0021】
オリフィスリング21は、円環板状に形成されており、ダクト11の内周に隙間なく固定されている。
プレート22は、円板状に形成されており、アクチュエータ23に支持されている。
【0022】
このように円板状のプレート22がダクト11内に設けられることにより、図5に示すように、空気の流れる方向から見てプレート22がオリフィスリング21とは同心円状となる。この実施の形態によるプレート22の外径Dは、オリフィスリング21の内径より僅かに小さい。詳述すると、この実施の形態によるプレート22は、オリフィスリング21の中空部24に挿入可能な大きさであって、プレート22とオリフィスリング21との間のクリアランスが可及的小さくなるような大きさに形成されている。なお、プレート22の外径Dは、オリフィスリング21の内径より大きくてもよい。
【0023】
アクチュエータ23は、オリフィスリング21に支持用ブラケット25を介して支持されている。支持用ブラケット25は、プレート22の上方と下方とにおいてオリフィスリング21に固定されている。アクチュエータ23は、この支持用ブラケット25の端部に固定されている。
【0024】
この実施の形態によるアクチュエータ23は、直動式のリニアアクチュエータによって構成されており、本体23aと、この本体23aを貫通する軸23bとを備えている。上述したプレート22は、この軸23bの端部に固定されている。
【0025】
このアクチュエータ23は、目標位置にプレート22を位置付ける。アクチュエータ23が動作することにより、プレート22がオリフィスリング21に近接した全閉位置と、オリフィスリング21から下流側に離間した全開位置との間に位置付けられる。これにより、全閉位置と全開位置の間で、相当する流量の制御が可能となる。
【0026】
オリフィスリング21を通る空気の流量は、オリフィスリング21とプレート22との距離が変わることにより変化する。すなわち、プレート22が閉位置から下流側に移動することによって、オリフィスリング21を通る空気の流量が次第に増大し、プレート22が閉位置に向けて移動することによって、オリフィスリング21を通る空気の流量が次第に減少する。
プレート22が図3に示すように全閉位置と全開位置との間の中間位置に位置している状態においては、空気は概ね二点鎖線の矢印で示すように流れる。すなわち、空気は、オリフィスリング21の中空部24で絞られ、オリフィスリング21とプレート22との間の開口部を通って下流側に流れる。
【0027】
一方、プレート22が図4に示すように全開位置に位置している状態においては、空気は概ね破線の矢印で示すように流れる。すなわち、空気は、オリフィスリング21の中空部24で絞られ、オリフィスリング21とプレート22との間を、図3に示した状態よりも広い開口部を通って下流側に流れる。
VAV5からチャンバー6に流入した空気の流線は、プレート22の位置にかかわらず大きく異なることはない。なお、このVAV5の代わりにバタフライバルブを用いた場合は、図6および図7に示すように、開度に応じてチャンバー6に流入した空気の流線が大きく異なる。
【0028】
図6は、バタフライバルブ31の角度が60°となる状態を示し、図7は、バタフライバルブ31が全開になった状態を示す。バタフライバルブ31を使用すると、バタフライバルブ31が傾斜する分だけ空気が一方に偏るから、中間開度時と全開時とで下流側の空気流の状態が大きく異なってしまう。これに対して、この実施の形態によるVAV5を使用することにより、空気流量が変化したとしてもチャンバー6内の流線は乱れにくくなるため、部屋2に流れる空気の風向が偏ることなく、空気の流量を変えることが可能になる。
【0029】
オリフィスリング21とプレート22は、それぞれ板材料によって形成することができる。このため、このVAV5は、ベンチュリ部やコーンなどの部品を流線形に部品を形成しなければならないベンチュリバルブと較べると簡単に製造することが可能である。
したがって、この実施の形態によれば、製造コストを低く抑えることが可能な流量制御装置を提供することができる。
【0030】
この実施の形態によるアクチュエータ23は、直動式のリニアアクチュエータによって構成されている。
このため、アクチュエータ23をダクト11内に収容できるから、外形がコンパクトな流量制御装置を提供することができる。
【0031】
この実施の形態によるオリフィスリング21は、円形に開口部を有するように形成されている。プレート22は、円板状に形成されている。
このため、ダクト11内の空気がオリフィスリング21の中空部24によって周方向において略均等に絞られ、オリフィスリング21とプレート22との間の環状の空間を通って周方向において略均等に拡張される。空気が絞られるときと拡張されるときの空気の状態は、プレート22の位置が変化しても大きく変化することはない。
【0032】
この実施の形態によるダクト11の一端はチャンバー6に接続されている。このため、この実施の形態によるVAV5は、空調システムの吹出口VAV1に簡単に組付けることができる。
【0033】
この実施の形態によるプレート22は、オリフィスリング21より下流側に配置されている。アクチュエータ23は、オリフィスリング21に支持されてプレート22より下流側に配置されている。
この実施の形態においては、流体通路15を流れる空気に対してプレート22が仕切りとして作用し、この仕切りの背面側にアクチュエータ23が配置される。このため、空気がアクチュエータ23に直接当たって流れる方向が変えられることが少ない。この結果、VAV5の下流側で空気の流れる方向が大きく変化することがなく、空気の流量を変えることが可能になる。
【0034】
(他の実施の形態)
アクチュエータとプレートの位置は、図8図10に示すように、流量制御部の下流側に必要なスペースの広さに応じて適宜変更することができる。
図8に示すアクチュエータ23は、オリフィスリング21より上流側に配置されている。プレート22は、オリフィスリング21より下流側に配置されている。この構成を採ることにより、図1図5に示した実施の形態を採る場合よりオリフィスリング21とチャンバー6との間の距離がアクチュエータ23の設置スペース分だけ短縮される。
【0035】
図9に示すアクチュエータ23は、オリフィスリング21より下流側に配置されている。プレート22は、オリフィスリング21より上流側に配置されている。この構成を採ることにより、図1図5に示した実施の形態を採る場合よりオリフィスプレート21とチャンバとの間の距離がプレート22の設置スペース分だけ短縮される。
【0036】
図10に示すアクチュエータ23とプレート22は、いずれもオリフィスリング21より上流側に配置されている。アクチュエータ23はプレート22より上流側に位置している。この構成を採ることにより、上述した各実施の形態を採る場合と較べてオリフィスリング21とチャンバー6との間の距離がプレート22とアクチュエータ23の設置スペース分だけ短縮される。
【0037】
上述した実施の形態においては、本発明を空調システムに組込まれる流量制御装置に適用する例を示した。しかし、本発明に係る流量制御装置は、このような限定にとらわれることはなく、製造施設、研究室、病院などにおいて給気、排気、換気などを行う流体通路に設けることができる。
【0038】
また、上述した実施の形態に示す上流ダクト4およびダクト11と、オリフィスリング21およびプレート22は、空気の流れる方向から見てそれぞれ円形に形成されている。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはない。上流ダクト4およびダクト11は多角形もしくは楕円に形成することができる。また、オリフィスリング21の中空部24とプレート22の形状は、空気の流れる方向から見て例えば多角形もしくは楕円でもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…吹出口VAV、7…VAV、8…チャンバー、14…ダクト、21…オリフィスリング(中空構造の板)、22…プレート、23…アクチュエータ(駆動部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10