【解決手段】水素燃焼ボイラ1は、バーナ20に接続され、バーナ20に水素ガスG1を供給する水素供給ラインL100と、水素供給ラインL100に配置され、該水素供給ラインL100の流路を開閉する第1遮断弁V11と、第1遮断弁V11の二次側における該第1遮断弁V11の近傍に接続され、水素供給ラインL100に不活性ガスG2を供給するパージラインL200と、パージラインL200に配置され、不活性ガスG2の供給量を調整する第1供給弁V31,V32と、第1遮断弁V11及び第1供給弁V31,V32の開閉を制御する制御部40と、を備え、制御部40は、バーナ20における水素ガスG1の燃焼を停止する場合に第1遮断弁V11を閉止し、第1遮断弁V11が閉止された状態においてのみ第1供給弁V31,V32を開くポストパージ制御部41を備える。
前記ポストパージ制御部は、前記バーナから前記遮断弁までの間の前記水素供給ラインの容積の4倍以上の不活性ガスを供給するように前記第1供給弁の開閉を制御する請求項1又は2に記載の水素燃焼ボイラ。
前記プレパージ制御部は、前記バーナから前記遮断弁までの間の前記水素供給ラインの容積の4倍以上の不活性ガスを供給するように前記第1供給弁の開閉を制御する請求項4に記載の水素燃焼ボイラ。
前記パージラインにおける前記オリフィスの上流側の不活性ガスの圧力は、前記バーナの最大燃焼状態において前記水素供給ラインにおける前記遮断弁の下流側に供給される水素ガスの圧力よりも高く設定される請求項7に記載の水素燃焼ボイラ。
前記水素供給ラインにおける前記パージラインとの接続位置よりも下流側に配置される流路切替弁と、前記水素供給ラインと前記パージラインとの接続位置よりも下流側、且つ前記流路切替弁よりも上流側の水素供給ラインに接続される大気開放ラインと、前記大気開放ラインに配置され、該大気開放ラインを開閉する大気開放弁と、を更に備え、
前記遮断弁上流パージ制御部は、前記流路切替弁を閉止すると共に前記大気開放弁を開放して前記水素供給ラインをパージする請求項10に記載の水素燃焼ボイラ。
前記水素供給ラインにおける前記パージラインとの接続位置よりも下流側に配置されるフレームアレスタを更に備える請求項1〜11のいずれかに記載の水素燃焼ボイラ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたボイラでは、水素供給ラインが不活性ガスによりパージされることにより、バーナ運転停止時の安全性を向上できる点で有用である。負荷側の必要蒸気量の変動に応じた蒸気を発生させる小型貫流ボイラ等では、ボイラ燃焼の発停が頻繁に起こる。ボイラ燃焼の発停の際に、適切に効率よく不活性ガスのパージを行い、ボイラ運転停止時及び起動時の安全性を向上できるボイラが求められていた。
【0007】
従って、本発明は、水素供給ラインをより効率よくパージできる水素燃焼ボイラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、バーナと、前記バーナに接続され、前記バーナに水素ガスを供給する水素供給ラインと、前記水素供給ラインに配置され、該水素供給ラインの流路を開閉する遮断弁と、前記遮断弁の下流側における該遮断弁の近傍に接続され、前記水素供給ラインに不活性ガスを供給するパージラインと、前記パージラインに配置され、不活性ガスの供給量を調整する第1供給弁と、前記遮断弁及び前記第1供給弁の開閉を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記バーナにおける水素ガスの燃焼を停止する場合に前記遮断弁を閉止し、前記遮断弁が閉止された状態においてのみ前記第1供給弁を開くポストパージ制御部を備える水素燃焼ボイラに関する。
【0009】
また、水素燃焼ボイラは、缶体を更に備え、前記バーナは、前記缶体の上端面に配置され、前記水素供給ラインは、前記バーナの上方から前記バーナに接続され、前記パージラインは、酸素よりも軽い不活性ガスを供給することが好ましい。
【0010】
また、前記ポストパージ制御部は、前記バーナから前記遮断弁までの間の前記水素供給ラインの容積の4倍以上の不活性ガスを供給するように前記第1供給弁の開閉を制御することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記バーナによる水素ガスの燃焼を開始する前に、所定時間前記第1供給弁を開いて前記パージラインから不活性ガスを供給した後該第1供給弁を閉止し、前記第1供給弁が閉止された後に前記遮断弁を開くプレパージ制御部を更に備え、
前記プレパージ制御部は、前記遮断弁が閉止された状態においてのみ前記第1供給弁の開放を許容することが好ましい。
【0012】
また、前記プレパージ制御部は、前記バーナから前記遮断弁までの間の前記水素供給ラインの容積の4倍以上の不活性ガスを供給するように前記第1供給弁の開閉を制御することが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記バーナにおける水素ガスの燃焼の異常を検知した場合に前記遮断弁を閉止する異常検知部を更に備え、前記異常検知部により前記遮断弁が閉止された後に水素ガスの燃焼が開始される場合に前記プレパージ制御部による制御を行うことが好ましい。
【0014】
また、水素燃焼ボイラは、前記パージラインに配置されるオリフィスを更に備え、前記パージラインにおける前記オリフィスの下流側の不活性ガスの圧力は、前記バーナの最小燃焼状態において前記水素供給ラインにおける前記遮断弁の下流側に供給される水素ガスの圧力よりも低く設定されることが好ましい。
【0015】
また、前記パージラインにおける前記オリフィスの上流側の不活性ガスの圧力は、前記バーナの最大燃焼状態において前記水素供給ラインにおける前記遮断弁の下流側に供給される水素ガスの圧力よりも高く設定されることが好ましい。
【0016】
また、水素燃焼ボイラは、前記パージラインに配置され、不活性ガスの圧力を検知する圧力検知部を更に備え、前記制御部は、前記圧力検知部により検知された不活性ガスの圧力が所定値よりも低下した場合に前記バーナによる水素ガスの燃焼を停止することが好ましい。
【0017】
また、水素燃焼ボイラに接続する水素供給ラインには水素燃焼ボイラの上流側に燃料元弁が設けられ、水素燃焼ボイラは、前記パージラインから分岐して、前記燃料元弁の下流側近傍で前記水素供給ラインに接続される分岐パージラインと、前記分岐パージラインに配置され、該分岐パージラインを開閉する第2供給弁と、を更に備え、前記制御部は、前記燃料元弁から前記遮断弁の間を不活性ガスでパージする場合に、前記燃料元弁が閉止された状態においてのみ前記水素供給ラインをパージ可能にする遮断弁上流パージ制御部を更に備えることが好ましい。
【0018】
また、水素燃焼ボイラは、前記水素供給ラインにおける前記パージラインとの接続位置よりも下流側に配置される流路切替弁と、前記水素供給ラインと前記パージラインとの接続位置よりも下流側、且つ前記流路切替弁よりも上流側の水素供給ラインに接続される大気開放ラインと、前記大気開放ラインに配置され、該大気開放ラインを開閉する大気開放弁と、を更に備え、大気開放ラインと、前記大気開放ラインに配置され、該大気開放ラインを開閉する大気開放弁と、を更に備え、前記遮断弁上流パージ制御部は、前記流路切換弁を閉止すると共に前記大気開放弁を開放して前記水素供給ラインをパージすることが好ましい。
【0019】
また、水素燃焼ボイラは、前記水素供給ラインにおける前記パージラインとの接続位置よりも下流側に配置されるフレームアレスタを更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、水素供給ラインをより効率よくパージできる水素燃焼ボイラを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の各実施形態に係る水素燃焼ボイラ1について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る水素燃焼ボイラ1について、
図1を参照して説明する。
第1実施形態の水素燃焼ボイラ1は、水素ガスG1を燃料として用いるボイラである。水素燃焼ボイラ1は、例えば貫流ボイラであり、この水素燃焼ボイラ1では、水素ガスG1を供給するラインから缶体10に配置されたバーナ20に水素ガスG1が供給される。バーナ20の燃焼停止時及びバーナ20の燃焼開始時のそれぞれにおいて、水素ガスG1を供給するラインに残留する水素ガスG1は、不活性ガスG2によりパージされる。以下、バーナ20の燃焼停止時のパージをポストパージといい、バーナ20の燃焼開始時のパージをプレパージという。また、後述する燃料元弁V13から第1遮断弁V11の間に滞留する水素ガスG1のパージを遮断弁上流パージという。
【0024】
水素燃焼ボイラ1は、
図1に示すように、缶体10と、バーナ20と、送風機30と、制御部40と、を備える。また、この水素燃焼ボイラ1は、水素供給ラインL100と、パージラインL200と、分岐パージラインL250と、空気供給ラインL300と、を備える。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の総称である。
【0025】
缶体10は、下部ヘッダ、複数の水管、上部ヘッダ(いずれも図示せず)、及び燃焼室B等を含んで構成され、この缶体10に供給される水を加熱して蒸気を生成する。
【0026】
バーナ20は、缶体10の上部に配置される。バーナ20は、缶体10の燃焼室Bで水素ガスG1を燃焼させる。
送風機30は、バーナ20に燃焼用の空気(燃焼用空気A1)を供給する。
制御部40は、水素燃焼ボイラ1の燃焼を制御する。制御部40の詳細については後述する。
【0027】
水素供給ラインL100は、水素ガスG1を燃料としてバーナ20に供給する。より具体的には、水素供給ラインL100は、下流側がバーナ20の上方からバーナ20に接続され、上流側が水素ガスG1を供給する供給源(図示せず)に接続される。
【0028】
以上の水素供給ラインL100には、フレームアレスタ50と、遮断弁としての第1遮断弁V11と、第2遮断弁V12と、流量調整弁V21と、燃料元弁V13と、第1大気開放部110と、が配置される。
フレームアレスタ50は、水素供給ラインL100に配置され、後述するパージラインL200との接続位置よりも下流側に配置される。フレームアレスタ50は、バーナ20から水素供給ラインL100に発生した逆火の上流側への進行を防止する。
【0029】
第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12は、水素供給ラインL100におけるフレームアレスタ50よりも上流側に配置される。第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12は、電磁弁により構成され、水素供給ラインL100の流路を開閉する。本実施形態において、第2遮断弁V12は、第1遮断弁V11よりも上流側に配置される。また、第2遮断弁V12は、第1遮断弁V11の近傍に配置される。
【0030】
流量調整弁V21は、水素供給ラインL100において、第2遮断弁V12の上流側に配置される。具体的には、流量調整弁V21は、第1遮断弁V11の上流側に配置される。流量調整弁V21は、水素供給ラインL100を流れる水素ガスG1の流量を調整する。流量調整弁V21は、例えば、ガスガバナにより構成される。
【0031】
燃料元弁V13は、流量調整弁V21の上流側に配置される。本実施形態では、燃料元弁V13は、水素燃焼ボイラ(の外部)の上流側近傍に配置され、手動弁により構成され、水素供給ラインL100の流路を開閉する。
【0032】
第1大気開放部110は、燃料元弁V13の上流側に配置される。第1大気開放部110は、大気開放ラインL500と、この大気開放ラインL500に配置される第1大気開放弁V51と、を備える。第1大気開放部110は、第1大気開放弁V51を開放して、燃料元弁V13よりも上流側の水素供給ラインL100の不活性ガスパージ及び水素置換を行う。
【0033】
パージラインL200は、水素供給ラインL100を介して缶体10に不活性ガスG2を供給するラインである。パージラインL200の上流側は不活性ガスG2の供給源60に接続され、下流側は、水素供給ラインL100における第1遮断弁V11とフレームアレスタ50との間に接続される。本実施形態では、パージラインL200は第1遮断弁V11の近傍に接続される。
不活性ガスG2としては、窒素、ヘリウム、ネオン等の酸素よりも比重の軽いガスが用いられ、本実施形態では、不活性ガスG2として窒素が用いられる。
【0034】
以上のパージラインL200には、第1供給弁V31,V32と、オリフィス70と、が配置される。
第1供給弁V31,V32は、電磁弁により構成され、パージラインL200の流路を開閉して、不活性ガスG2の供給量を調整する。
【0035】
オリフィス70は、パージラインL200における第1供給弁V32よりも下流側に配置される。オリフィス70は、パージラインL200を流れる不活性ガスG2を絞り、下流側に流れる不活性ガスG2の圧力を下げる。
【0036】
以上のパージラインL200からは、水素供給ラインL100における第1遮断弁V11の下流側に供給される水素ガスG1の圧力よりも高い圧力の不活性ガスG2が供給される。即ち、パージラインL200におけるオリフィス70の上流側の不活性ガスG2の圧力は、バーナ20の最大燃焼状態において水素供給ラインL100における第1遮断弁V11の下流側に供給される水素ガスG1の圧力よりも高くなるように設定される。
【0037】
また、パージラインL200におけるオリフィス70の下流側の不活性ガスG2の圧力は、バーナ20の最小燃焼状態において、水素供給ラインL100における第1遮断弁V11の下流側に供給される水素ガスG1の圧力よりも低くなるように設定される。これにより、オリフィス70の下流側における不活性ガスG2の圧力は、水素供給ラインL100における第1遮断弁V11の下流側の水素ガスG1の圧力と、第1遮断弁V11の逆耐圧との和よりも低くなる。
【0038】
分岐パージラインL250は、パージラインL200から分岐するラインである。分岐パージラインL250は、パージラインL200をバイパスして缶体10に不活性ガスG2を供給するラインである。分岐パージラインL250は、水素供給ラインL100を介して流量調整弁V21、第2遮断弁V12、及び第1遮断弁V11を経由してバーナ20に流れる不活性ガスG2を供給する。分岐パージラインL250は、パージラインL200から分岐して、燃料元弁V13の下流側近傍で水素供給ラインL100に接続される。具体的には、分岐パージラインL250の上流側は、第1供給弁V31と供給源60との間のパージラインL200に接続され、下流側は、燃料元弁V13(ボイラ外に設けられる手動弁)の下流側直近に設けられる。本実施形態では、分岐パージラインL250の下流側は、水素供給ラインL100における流量調整弁V21の上流側に接続される。
【0039】
以上の分岐パージラインL250には、第2供給弁V33が配置される。
第2供給弁V33は、電磁弁により構成され、分岐パージラインL250の流路を開閉して、分岐パージラインL250から水素供給ラインL100に供給される不活性ガスG2の供給量を調整する。即ち、第2供給弁V33は、電磁弁で構成され、分岐パージラインL250の流路を開閉して、分岐パージラインL250から流量調整弁V21、第2遮断弁V12、及び第1遮断弁V11に供給される不活性ガスG2の供給量を調整する。
【0040】
空気供給ラインL300は、バーナ20に燃焼用空気A1を供給する。空気供給ラインL300の上流側は、送風機30に接続される。また、空気供給ラインL300の下流側は、バーナ20に接続される。
【0041】
制御部40は、第1遮断弁V11,第2遮断弁V12、第1供給弁V31,V32、及び第2供給弁V33の開閉を制御する。また、制御部40は、送風機30の起動及び停止を制御する。制御部40は、ポストパージ制御部41と、プレパージ制御部42と、遮断弁上流パージ制御部44と、を備える。
【0042】
ポストパージ制御部41は、バーナ20における水素ガスG1の燃焼を停止する場合に、水素供給ラインL100をパージする。
プレパージ制御部42は、バーナ20による水素ガスG1の燃焼を開始する前に、水素供給ラインL100をパージする。
【0043】
遮断弁上流パージ制御部44は、燃料元弁V13から第1遮断弁V11の間の水素供給ラインL100をパージする。より具体的には、遮断弁上流パージ制御部44は、送風機30を起動し缶体10内の換気を行うと共に、分岐パージラインL250の水素供給ラインL100への接続位置と、パージラインL200の水素供給ラインL100への接続位置との間の水素供給ラインL100をパージする。
遮断弁上流パージ制御部44の動作については後述する。
【0044】
次に、水素燃焼ボイラ1の動作について説明する。
バーナ20における水素ガスG1の燃焼を停止する場合、ポストパージ制御部41によるポストパージが実施される。まず、ポストパージ制御部41は、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止する。第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12が閉止されることで、水素供給ラインL100が閉止され、バーナ20への水素ガスG1の供給が停止される。
【0045】
次いで、ポストパージ制御部41は、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12が閉止された後に第1供給弁V31,V32を所定時間開放して、ポストパージを実施する。本実施形態では、ポストパージ制御部41は、第1遮断弁V11(及び第2遮断弁V12)が閉止された状態においてのみ第1供給弁V31,V32の開放を許容する。これにより、ポストパージを行う場合に水素ガスG1が誤ってバーナ20に供給されることを防げる。
【0046】
第1供給弁V31,V32が開放されることで、不活性ガスG2の供給源60からパージラインL200を通じて水素供給ラインL100に不活性ガスG2が供給される。水素供給ラインL100に供給された不活性ガスG2は、フレームアレスタ50を通り、バーナ20から噴出する。バーナ20から噴出した水素ガスG1は、空気供給ラインL300からバーナ20に供給される燃焼用空気A1と共に、缶体10の燃焼室Bからパージされる。
【0047】
ここで、ポストパージ制御部41は、バーナ20の吹き出し口から第1遮断弁V11までの間の水素供給ラインL100の内容積の4倍以上の不活性ガスG2を供給するように第1供給弁V31,V32の開閉を制御する。本実施形態において、ポストパージ制御部41は、所定時間第1供給弁V31,V32を開放することで、所定量の不活性ガスG2を水素供給ラインL100に供給する。不活性ガスG2が水素供給ラインL100の容積の4倍以上、水素供給ラインL100に供給されることで、水素供給ラインL100に残留する水素ガスG1は、1%以下に希釈される。水素ガスG1が1%以下に希釈されることで、水素供給ラインL100に残留する水素ガスG1の濃度が可燃範囲(4%〜75%)から外れる。
【0048】
ポストパージ制御部41は、水素供給ラインL100をパージラインL200から供給される不活性ガスG2によりパージした後に、第1供給弁V31,V32を閉止する。次いで、ポストパージ制御部41は、送風機30を停止して、バーナ20による水素ガスG1の燃焼停止動作を終了する。
【0049】
次に、バーナ20による水素ガスG1の燃焼を開始する場合、プレパージ制御部42によるプレパージが実施される。まず、プレパージ制御部42は、送風機30を起動して、空気供給ラインL300からバーナ20に燃焼用空気A1の供給を開始する。次いで、プレパージ制御部42は、第1供給弁V31,V32を開放する。第1供給弁V31,V32が開放されることで、不活性ガスG2の供給源60からパージラインL200を通じて水素供給ラインL100に不活性ガスG2が供給される。水素供給ラインL100に供給された不活性ガスG2は、フレームアレスタ50を通り、バーナ20から噴出する。本実施形態では、ポストパージ制御部41は、第1遮断弁V11(及び第2遮断弁V12)が閉止された状態においてのみ第1供給弁V31,V32の開放を許容する。これにより、ポストパージを行う場合に水素ガスG1が誤ってバーナ20に供給されることを防げる。
【0050】
ここで、プレパージ制御部42は、バーナ20から第1遮断弁V11までの間の水素供給ラインL100の容積の4倍以上の不活性ガスG2を供給するように第1供給弁V31,V32の開閉を制御する。本実施形態において、プレパージ制御部42は、第1供給弁V31,V32を所定時間開放することで、所定量の不活性ガスG2を水素供給ラインL100に供給する。プレパージ制御部42は、水素供給ラインL100をパージラインL200から供給される不活性ガスG2によりパージした後に、第1供給弁V31,V32を閉止する。
【0051】
次いで、プレパージ制御部42は、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を開放する。第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12が開放されることで、水素供給ラインL100が開放され、バーナ20への水素ガスG1の供給が開始される。これにより、プレパージ制御部42は、バーナ20による水素ガスG1の燃焼開始動作を終了する。
【0052】
遮断弁上流パージは、例えば、水素燃焼ボイラ1を据え付けた場合や、水素燃焼ボイラ1の水素供給ラインL100の全部或いは一部を分解又は取り外してメンテナンスを行った場合に水素供給ラインL100に滞留する空気を排出して不活性ガスG2に置換する目的、及び水素供給ラインL100のメンテナンスを行う場合や、水素燃焼ボイラ1を長期間停止する場合に水素供給ラインL100に滞留する水素ガスG1を排出し不活性ガスG2に置換する目的で実行される。
具体的には、まず、遮断弁上流パージ制御部44は、燃料元弁V13の閉止を確認する。燃料元弁V13の閉止が確認されることで、水素供給ラインL100のうち、燃料元弁V13よりも下流側への水素ガスG1の供給の停止が確認される。
【0053】
次いで、遮断弁上流パージ制御部44は、送風機30を起動して缶体10内の換気を行うと共に、第2遮断弁V12、及び第1遮断弁V11を開放する。これにより、燃料元弁V13と第1遮断弁V11との間に滞留する水素ガスG1は、フレームアレスタ50を通過してバーナ20に移動可能になる。次いで、遮断弁上流パージ制御部44は、第2供給弁V33を開放する。これにより、不活性ガスG2は、供給源60から、パージラインL200、分岐パージラインL250、及び水素供給ラインL100を通過してバーナ20に供給される。これにより、燃料元弁V13と第1遮断弁V11との間に滞留する水素ガスG1は、不活性ガスG2と共に、バーナ20から噴出する。したがって、水素供給ラインL100のうち、燃料元弁V13よりも下流側は、不活性ガスG2によりパージされる。遮断弁上流パージ制御部44は、所定時間の経過の後に第2供給弁V33及び第1遮断弁V11、第2遮断弁V12を閉止する。これにより、遮断弁上流パージ制御部44は、遮断弁上流パージを終了する。
【0054】
以上説明した第1実施形態の水素燃焼ボイラ1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)水素燃焼ボイラ1を、バーナ20と、バーナ20に水素ガスG1を供給する水素供給ラインL100と、水素供給ラインL100に配置される第1遮断弁V11と、第1遮断弁V11の下流側における第1遮断弁V11の近傍に接続され水素供給ラインL100に不活性ガスG2を供給するパージラインL200と、パージラインL200に配置され不活性ガスG2の供給量を調整する第1供給弁V31,V32と、を含んで構成した。これにより、バーナ20から第1遮断弁V11までの水素供給ラインL100の水素ガスG1を不活性ガスG2によりパージすることで、水素ガスG1が空気と混合して可燃範囲に入ることを防止できるので、バーナ20の点火時に逆火現象が発生することを防止できる。また、水素供給ラインL100における第1遮断弁V11の下流側の近傍にパージラインL200を接続した。これにより、第1遮断弁V11の直近から不活性ガスG2を供給することができる。従って、バーナ20から第1遮断弁V11までの水素供給ラインL100に残存する水素ガスG1を効率よくパージできる。
また、水素燃焼ボイラ1を、ポストパージ制御部41を含んで構成し、ポストパージ制御部41に、バーナ20による水素ガスG1の燃焼を開始する前に、所定時間第1供給弁V31,V32を開いてパージラインL200から不活性ガスG2を供給させ、その後第1供給弁V31,V32を閉止させ、第1供給弁V31,V32が閉止された状態においてのみ第1遮断弁V11の開放を許容させた。これにより、ポストパージを行う場合に水素ガスG1が誤って供給されることを防げる。よって、水素燃焼ボイラ1の安全性をより向上させられる。
【0055】
(2)水素燃焼ボイラ1を、缶体10を含んで構成し、バーナ20を缶体10の上端面に配置した。また、水素供給ラインL100を、バーナ20の上方からバーナ20に接続し、更にパージラインL200から、酸素よりも軽い不活性ガスG2を供給させた。これにより、バーナ20及び水素供給ラインL100を缶体10よりも上部に位置させられるので、水素供給ラインL100における第1遮断弁V11からバーナ20までの間を酸素よりも軽い不活性ガスG2によって満たした場合に、不活性ガスG2が缶体10の内部に存在する酸素と置換されてしまうことを抑制できる。よって、水素供給ラインL100への酸素の混入を防止できる。
【0056】
(3)ポストパージ制御部41に、バーナ20から第1遮断弁V11までの間の水素供給ラインL100の容積の4倍以上の不活性ガスG2を供給するように第1供給弁V31,V32の開閉を制御させた。これにより、バーナ20における水素ガスG1の燃焼が停止された場合に、水素供給ラインL100に残存する水素ガスG1を好適にパージできる。
【0057】
(4)水素燃焼ボイラ1を、プレパージ制御部42を含んで構成し、プレパージ制御部42に、バーナ20による水素ガスG1の燃焼を開始する前に、所定時間第1供給弁V31,V32を開いてパージラインL200から不活性ガスG2を供給させ、その後第1供給弁V31,V32を閉止させ、第1供給弁V31,V32が閉止された後に第1遮断弁V11を開かせた。また、第1供給弁V31,V32が閉止された状態においてのみ第1遮断弁V11の開放を許容させた。これにより、バーナ20を着火する前に水素供給ラインL100をパージでき、また、プレパージを行う場合に水素ガスG1が誤って供給されることを防げる。よって、水素燃焼ボイラ1の安全性をより向上させられる。
【0058】
(5)プレパージ制御部42に、バーナ20の吹き出し口から第1遮断弁V11までの間の水素供給ラインL100の内容積の4倍以上の不活性ガスG2を供給するようにの開閉を制御させた。これにより、バーナ20から第1遮断弁V11までの間に残留する水素ガスG1の濃度を十分に低下させることができ、より安全にバーナ20を点火することができる。
【0059】
(6)水素燃焼ボイラ1を、パージラインL200に配置されるオリフィス70を含んで構成し、パージラインL200におけるオリフィス70の下流側の不活性ガスG2の圧力を、バーナ20の最小燃焼状態において水素供給ラインL100における第1遮断弁V11の下流側に供給される水素ガスG1の圧力よりも低く設定した。これにより、パージラインL200から供給される不活性ガスG2により第1遮断弁V11が下流側から開いてしまうことを防止できる。
【0060】
(7)パージラインL200におけるオリフィス70の上流側の不活性ガスG2の圧力を、バーナ20の最大燃焼状態において水素供給ラインL100における第1遮断弁V11の下流側に供給される水素ガスG1の圧力よりも高く設定した。これにより、パージラインL200に水素ガスG1が逆流してしまうことを防止できる。
【0061】
(8)水素燃焼ボイラ1を、パージラインL200から分岐して、燃料元弁V13の下流側近傍で水素供給ラインL100に接続される分岐パージラインL250と、分岐パージラインL250を開閉する第2供給弁V33と、を含んで構成した。また、制御部40を、燃料元弁V13から第1遮断弁V11の間を不活性ガスでパージする場合に、燃料元弁V13が閉止された状態においてのみ水素供給ラインL100をパージ可能とする遮断弁上流パージ制御部44を含んで構成した。これにより、燃料元弁V13と第1遮断弁V11との間を不活性ガスG2で置換できる。よって、水素燃焼ボイラ1を据え付けた場合や、水素燃焼ボイラ1の水素供給ラインL100の全部或いは一部を分解又は取り外してメンテナンスを行った場合に水素供給ラインL100に滞留する空気を排出して不活性ガスG2に置換できる。また水素供給ラインL100のメンテナンスを行う場合や、水素燃焼ボイラ1を長期間停止する場合に水素供給ラインL100に滞留する水素ガスG1を含む気体を排出し不活性ガスG2に置換できる。その結果、水素燃焼ボイラ1の安全性を高めることができる。
【0062】
(9)水素燃焼ボイラ1を、水素供給ラインL100におけるパージラインL200との接続位置よりも下流側に配置されるフレームアレスタ50を含んで構成した。これにより、水素供給ラインL100にバーナ20から逆火が発生した場合であっても、フレームアレスタ50で逆火が阻止されるので、パージラインL200の接続位置まで逆火が到達することを抑制できる。したがって、逆火によるパージラインL200の損傷を抑制でき、安全性を向上することができる。また、フレームアレスタ50よりも上流側の水素供給ラインL100から不活性ガスG2がバーナ20に向けて供給される。したがって、フレームアレスタ50の内部及び下流側の水素供給ラインL100に滞留する水素ガスG1をバーナ20から外部に拡散させることができる。これにより、フレームアレスタ50の破損やゴミつまり等により、フレームアレスタ50の逆火防止能力が低下した場合であっても、逆火を低減させることができ、安全性を向上できる。更には、フレームアレスタ50の上流側から不活性ガスG2がバーナ20に向けて流されることで、バーナ20から水素供給ラインL100の上流側に向かうほど水素ガスG1の濃度が低くなる。これにより、フレームアレスタ50まで逆火が到達する可能性を低くすることができ、逆火によるフレームアレスタ50の焼損を抑制できる。
【0063】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る水素燃焼ボイラ1Aについて、
図2を参照して説明する。第2実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第2実施形態の水素燃焼ボイラ1Aは、異常停止した後に燃焼を開始する場合に限り、プレパージを実施する。本実施形態では、バーナ20の異常燃焼又は不活性ガスG2の圧力低下で、バーナ20による水素ガスG1の燃焼の開始にインターロックをかけた場合を例として説明する。
【0064】
第2実施形態に係る水素燃焼ボイラ1Aは、
図2に示すように、圧力検知部80及びバーナ監視部90を備える点、並びに、制御部40Aが異常検知部43を備える点で、主として第1実施形態と異なる。
【0065】
圧力検知部80は、パージラインL200に配置され、不活性ガスG2の圧力を検知する。圧力検知部80は、第1供給弁V31よりも上流側に配置され、第1供給弁V31よりも上流側の不活性ガスG2の圧力を検知する。本実施形態では、圧力検知部80は、例えば、圧力スイッチであり、第1供給弁V31よりも上流側を流れる不活性ガスG2の圧力が所定の圧力よりも低下した場合に、圧力が低下したことを示す異常信号を後述する異常検知部43に送る。
【0066】
バーナ監視部90は、例えば、炎検知器により構成され、バーナ20における水素ガスG1の燃焼を監視する。バーナ監視部90は、バーナ20における水素ガスG1の燃焼に異常が発生した場合(例えば、燃焼指示が出ている状態において炎検知をしなくなった場合)に、燃焼に異常が発生したことを示す異常信号を後述する異常検知部43に送る。
【0067】
異常検知部43は、バーナ20における水素ガスG1の燃焼の異常を検知した場合に第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止する。より具体的には、異常検知部43は、バーナ監視部90から異常信号を取得した場合に、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止する。
また、異常検知部43は、不活性ガスG2の圧力低下を検知した場合に第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止する。より具体的には、異常検知部43は、圧力検知部80から異常信号を取得した場合に、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止する。
そして、異常検知部43は、異常信号に基づいてバーナ20における水素ガスG1の燃焼を停止した状態でインターロックをかける。即ち、異常検知部43は、バーナ20による水素ガスG1の燃焼の自動開始にインターロックをかける。
【0068】
プレパージ制御部42は、インターロックが解除された場合に、プレパージを実施する。
【0069】
次に、水素燃焼ボイラ1Aの動作について説明する。
水素燃焼ボイラ1Aの運転中に、水素ガスG1の異常燃焼をバーナ監視部90が検知した場合、バーナ監視部90は、異常信号を異常検知部43に送る。異常検知部43は、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止してバーナ20への水素ガスG1の供給を停止する。また、異常検知部43は、水素ガスG1の供給を停止した状態で、バーナ20による水素ガスG1の燃焼の自動開始にインターロックをかける。
【0070】
プレパージ制御部42は、インターロックが解除されたか否かを判断する。プレパージ制御部42は、インターロックが解除された場合にプレパージを実施する。
【0071】
以上説明した第2実施形態の水素燃焼ボイラ1Aによれば、以下のような効果を奏する。
(10)制御部40Aを、異常検知部43を含んで構成し、制御部40Aに、異常検知部43により第1遮断弁V11が閉止された後に水素ガスG1の燃焼が開始される場合にプレパージ制御部42による制御を行わせた。これにより、バーナ20による水素ガスG1の燃焼が正常に停止された場合には、燃焼停止時のポストパージのみを行い、異常検知により燃焼が停止された場合には、ポストパージだけでなく燃焼開始前にプレパージも行わせられる。よって、より安全にバーナ20を点火することができる。
【0072】
(11)水素燃焼ボイラ1Aを、パージラインL200に配置され不活性ガスG2の圧力を検知する圧力検知部80を含んで構成した。そして、制御部40Aに、圧力検知部80により検知された不活性ガスG2の圧力が所定値よりも低下した場合にバーナ20による水素ガスG1の燃焼を停止させた。これにより、バーナ20から第1遮断弁V11までの間の水素供給ラインL100を不活性ガスG2によりパージできないおそれがある場合に、バーナ20の運転を停止することができる。よって、不活性ガスG2が不足する状態で水素燃焼ボイラ1Aを運転することを防止でき、水素燃焼ボイラ1Aを安全に運転することができる。
【0073】
以上、本発明の水素燃焼ボイラの好ましい各実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0074】
例えば、上記実施形態において、パージラインL200を第1遮断弁V11の下流側の近傍に接続したが、これに制限されない。例えば、パージラインL200を、フレームアレスタ50よりも下流側の水素供給ラインL100に接続してもよい。これにより、パージに用いる不活性ガスG2の消費量を抑制することができる。
【0075】
また、上記実施形態において、フレームアレスタ50を水素供給ラインL100に配置したが、これに制限されない。即ち、フレームアレスタ50を含まない構成とすることもできる。この場合、パージラインL200は、第1遮断弁V11の下流側であれば、いずれの位置に接続されてもよい。
【0076】
また、上記第2実施形態において、圧力検知部80として圧力スイッチを例示したが、これに制限されない。例えば、水素燃焼ボイラ1は、パージラインL200に配置される流量計を備え、異常検知部43は、流量計によって計測される不活性ガスG2の流量が所定量よりも低下した場合に、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止することもできる。
【0077】
また、上記実施形態において、オリフィス70に替わり所定の圧損を有する第1供給弁V31,V32とすることもできる。この場合、第1供給弁V31と第1供給弁V32の圧損は同じでもよいし、どちらかが大きくてもよい。
【0078】
また、上記各実施形態では、燃料元弁V13を手動弁により構成したが、これに限らない。即ち、燃料元弁をエア駆動弁により構成してもよい。この場合、遮断弁上流パージ制御部は、燃料元弁の開閉状態を電気的に確認してもよい。
【0079】
また、上記各実施形態において、水素燃焼ボイラ1は、
図3に示すように、バーナ部の上流側に第2大気開放部120を備えてもよい。第2大気開放部120は、水素供給ラインL100におけるフレームアレスタ50よりも下流側に配置される流路切替弁V14と、フレームアレスタ50よりも下流側、且つ流路切替弁V14よりも上流側の水素供給ラインL100に接続される大気開放ラインL400と、大気開放ラインL400に配置され、大気開放ラインL400を開閉する大気開放弁としての第2大気開放弁V15とを備える。
第2大気開放部120は、送風機30を起動して缶体10内の換気を行うことなく、不活性ガスG2と、不活性ガスG2によりパージされた気体(水素ガスG1、空気又はこれらの混合気体)を大気中に放出可能とする。
【0080】
流路切替弁V14は、電磁弁により構成され、水素供給ラインL100を流通してバーナ20側に流れる気体の流路を開閉することで、気体の流路をバーナ20側又は大気開放ラインL400側に切り替える。
大気開放ラインL400は、水素供給ラインL100からガスを大気中に放出可能なラインである。大気開放ラインL400は、例えば、不活性ガスG2と、不活性ガスG2によりパージされた水素ガスG1を大気中に放出可能なラインである。
第2大気開放弁V15は、電磁弁により構成され、大気開放ラインL400を開閉する。
【0081】
次に、流路切替弁V14、大気開放ラインL400、及び第2大気開放弁V15を用いた動作について説明する。
この場合、遮断弁上流パージ制御部44は、流路切替弁V14を閉止(ボイラ運転中は開放)すると共に、第2大気開放弁V15を開放する。これにより、缶体10を経由することなく、水素供給ラインL100に滞留する気体(水素ガス、空気又はこれらの混合気体)、及びパージ用の不活性ガスG2を大気開放ラインL400から大気に放出できる。したがって、水素供給ラインL100のパージ(例えば、第1供給弁V31,V32及び第2供給弁V33を開放すると共に、第1遮断弁V11、及び第2遮断弁V12を開放し、燃料元弁V13よりも下流側の水素供給ラインL100のパージ)を実施できるので、送風機30を駆動させることなく水素供給ラインL100をパージできる。
【0082】
尚、本変形例では、流路切替弁V14及び第2大気開放弁V15を用いて、不活性ガスG2によりパージされた気体の放出先をバーナ20側又は大気開放ラインL400側に切り替えたが、これに限らない。即ち、水素供給ラインL100と大気開放ラインL400との接続部分に三方弁を配置し、遮断弁上流パージ制御部44によりこの三方弁を制御してパージされた気体の流路を切り替えてもよい。