【解決手段】 試料加熱ユニット10の周囲に配置され、内部に冷却媒体を循環し、試料加熱ユニット10から周囲に放散される熱を冷却媒体により吸熱する冷却ジャケット20と、試料加熱ユニット10および冷却ジャケット20の双方に接触して、当該試料加熱ユニット10からの熱を冷却ジャケット20に伝える熱伝導部材とを備える。熱伝導部材は、冷却ジャケット20を搭載する冷却ブロック21と、この冷却ブロック21および試料加熱ユニット10の双方に接触する熱抵抗体22とを含む。
前記熱伝導部材は、前記冷却ジャケットを搭載する冷却ブロックと、この冷却ブロックおよび前記試料加熱ユニットの双方に接触する熱抵抗体と、を含むことを特徴とする請求項1の熱分析装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された構成の示差走査熱量計では、収容室の熱を熱抵抗体を経由して冷却ブロックに伝えて放熱するだけの冷却構造のため、冷却効率が悪く迅速に冷却できない課題を有していた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、試料の周囲温度を効率的に下げることのできる熱分析装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、内部に試料を配置する測定室を備え当該試料を周囲から加熱する試料加熱ユニットと、試料加熱ユニットを冷却する冷却手段と、を含む熱分析装置において、冷却手段が、試料加熱ユニットの周囲に配置され、内部に冷却媒体を循環し、試料加熱ユニットから周囲に放散される熱を冷却媒体により吸熱する冷却ジャケットと、試料加熱ユニットおよび冷却ジャケットの双方に接触して、当該試料加熱ユニットからの熱を冷却ジャケットに伝える熱伝導部材と、を備えたことを特徴とする。
ここで、冷却ジャケットの内部を循環させる冷却媒体としては、例えば、液体窒素を気化させた窒素ガスを用いることができる。
【0007】
上記構成の本発明は、試料加熱ユニットの熱を熱伝導部材を経由して冷却ジャケットに伝えて吸熱する冷却経路に加え、試料加熱ユニットの周囲からも冷却ジャケットが吸熱するので、これら2つの冷却経路をもって試料の周囲温度を効率的に下げることができる。
【0008】
ここで、熱伝導部材は、冷却ジャケットを搭載する冷却ブロックと、この冷却ブロックおよび試料加熱ユニットの双方に接触する熱抵抗体とを含む構成とし、かつアルミナにより熱抵抗体を製作することが好ましい。
【0009】
アルミナ(AL
2O
3)は、低温領域で熱伝導率が高く、高温領域では熱伝導率が低いという特性を有している。アルミナで熱抵抗体を製作することで、試料を冷却する過程では熱抵抗体の温度が下がって熱伝導率が高くなり、いっそう効率的に試料加熱ユニットからの熱を冷却ジャケットへと伝えて冷却することができる。一方、試料を加熱している間は、熱抵抗体の温度が上がって熱伝導率が低くなり、試料加熱ユニットの冷却を抑制することができる。
【0010】
さて、特許文献1に開示された示差走査熱量計は、内部に収容室を形成するヒートシンク(2)の底部中央部とベース(31)との間にコイルバネ(43)を設け、このコイルバネ(43)の弾性力で熱抵抗体(6)に対してヒートシンク(2)を押し付ける構造となっている(同文献1の
図1を参照)。そのため、ヒートシンク(2)の底部中央部が下方へ引っ張られる結果、ヒートシンク(2)の底部外周縁部に対し反り上げるようなトルクが作用して、ヒートシンク(2)の歪みを却って増大させてしまうおそれがあった。
【0011】
そこで、本発明は、試料加熱ユニットが、試料室を形成する試料チャンバと、この試料チャンバの周囲に設けた加熱ヒータと、これらの外周を覆う外部カバーと、を含み、試料チャンバと冷却ブロックとの間に熱抵抗体を配置し、作用線が熱抵抗体および冷却ブロックの外側を通る引張力を、外部カバーにおける周方向の複数箇所に設けた作用点に作用させ、当該引張力をもって試料チャンバを熱抵抗体に押し付けるとともに、熱抵抗体を冷却ブロックに押し付ける構成とすることが好ましい。
【0012】
このように構成することで、作用線が外側を通る複数の引張力によって、試料チャンバ、熱抵抗体および冷却ブロックにおける各外周縁部の反り上がりが防止され、良好な熱伝導効率を維持することができる。
【0013】
さらに本発明は、装置の土台となるベース部材と、複数本の筒状の断熱支持棒と、当該断熱支持棒と同じ本数の断熱引張棒とを備え、ベース部材と冷却ブロックとの間に各断熱支持棒がそれぞれ軸方向に延在するように配置して、これら各断熱支持棒により冷却ブロックの下面を支持し、冷却ブロックの上面に熱抵抗体を配置するとともに、この熱抵抗体の上面に試料チャンバを配置し、外部カバーの外周面に各断熱引張棒の先端部を固定するとともに、各断熱支持棒の中空部に当該各断熱引張棒を挿通して、当該各断熱引張棒の基端部をベース部材の下方まで延ばし、各断熱引張棒の基端部を付勢部材からの弾性力をもって引っ張る構成としてもよい。
【0014】
試料加熱ユニット、熱抵抗体および冷却ブロックは、それぞれ熱膨張率が異なるために、加熱と冷却を繰り返した際にそれぞれの変形量が相違する。そこで、上述した構成とすることにより、熱膨張率が異なる各構成要素の変形が生じたときにも、付勢部材からの弾性力をもって柔軟に対応して相互間の位置ずれを許容することで、内部応力の蓄積を抑制し、各構成要素の損傷を防止することができる。
【0015】
また、ベース部材と冷却ブロックとの間に各断熱支持棒がそれぞれ軸方向に延在するように配置することで、ベース部材を冷却ブロックから離間させて冷却ブロックの熱をベース部材に伝えにくくすることができる。
【0016】
ここで、断熱支持棒と断熱引張棒はステンレスで製作することが好ましい。ステンレスは、金属材料のなかでも熱伝導率が小さい。よって、断熱支持棒と断熱引張棒をステンレスで製作することにより、大きな強度を保持しつつ、冷却ブロックや試料加熱ユニットの熱をベース部材へいっそう伝えにくくすることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、試料加熱ユニットの熱を熱伝導部材を経由して冷却ジャケットに伝えて吸熱する冷却経路に加え、試料加熱ユニットの周囲からも冷却ジャケットが吸熱するので、これら2つの冷却経路をもって試料の周囲温度を効率的に下げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明を示差走査熱量計に適用した実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、示差走査熱量計に限定されるものではなく、試料を加熱および冷却して測定する各種熱分析装置に適用できることは勿論である。
【0020】
図1〜
図3は、本実施形態に係る示差走査熱量計(熱分析装置)の構成を示している。
本実施形態に係る示差走査熱量計は、測定室11aの内部に配置した試料(示差走査熱量計においては被測定試料と標準試料)を加熱するための試料加熱ユニット10と、当該試料の周囲を冷却するための冷却手段とを備えている。
【0021】
試料加熱ユニット10は、試料チャンバ11と、加熱ヒータ12と、外部カバー13とを含んでいる。
試料チャンバ11は、銀(Ag)等の熱伝導率の高い金属材料で構成した容器である。この試料チャンバ11の内部が測定室11aを形成している。試料チャンバ11は上面が開口しており、被測定試料を入れた試料ホルダS1と標準試料を入れたた試料ホルダS0が、その上面開口部から試料チャンバ11の内部へそれぞれ収容され、あらかじめ設定してある測定位置に配置される(
図1参照)。
【0022】
試料チャンバ11の上面開口部は、蓋14が着脱自在となっており、測定に際しては当該上面開口部を蓋14で閉塞して測定室11a内を密閉する。蓋14も、試料チャンバ11と同様に、銀(Ag)等の熱伝導率の高い金属材料で構成してある。
【0023】
図には示されないが、試料チャンバ11の内底部には、被測定試料と標準試料の温度差を検出するための温度差検出手段が設けてある。この温度差検出手段としては、例えば、熱電対が用いられる。さらに、試料チャンバ11には、測定室11a内の温度を測定するための温度測定手段(例えば、熱電対)も設置されている。
【0024】
加熱ヒータ12は、試料チャンバ11の外周に配設され、測定室11a内の被測定試料と標準試料を周囲から加熱する。
外部カバー13は、加熱ヒータ12の外周(すなわち、試料チャンバ11の外周でもある)を覆い、加熱ヒータ12から放出された熱の外部への放散を抑制する。本実施形態において、この外部カバー13は、ステンレス(SUS)で製作してある。ステンレスは、他の金属材料に比べて熱伝導率が小さく断熱性に優れているため、上述した用途の外部カバー13に適している。
【0025】
次に、冷却手段は、冷却ジャケット20と、冷却ブロック21と、熱抵抗体22とを含んでいる。
冷却ジャケット20は、熱伝導率の高い金属材料(例えば、アルミニウム合金やニッケル合金)を用いて円環状に製作してあり、その内部には、冷却媒体を循環させるための冷媒流路20aが形成してある(
図1参照)。本実施形態では、冷媒流路20aに循環させる冷却媒体として、液体窒素(LN
2)を気化させた窒素ガスを用いている。
【0026】
冷却媒体は、被測定試料および標準試料を冷却しながら熱分析するときに、冷媒流路20aへ供給される。一方、被測定試料および標準試料を加熱して熱分析するときには、冷媒流路20aへの冷却媒体の供給は停止する。
【0027】
冷却ブロック21は、冷却ジャケット20と同様に、熱伝導率の高い金属材料(例えば、アルミニウム合金やニッケル合金)で円盤状に製作してある。
熱抵抗体22は、アルミナ(Al
2O
3)により円筒形状に製作してある。なお、熱抵抗体22を、アルミナで製作したことによるメリットは後述する。
【0028】
本実施形態では、
図1に示すように、試料チャンバ11の底面に熱抵抗体22の上端面を面接触させるとともに、熱抵抗体22の下端面を冷却ブロック21の上面に面接触させてある。さらに、冷却ブロック21の上面周縁部に冷却ジャケット20の下面を面接触させた状態で、冷却ブロック21に冷却ジャケット20を搭載してある。
したがって、高温状態にある試料チャンバ11からの熱は、熱抵抗体22から冷却ブロック21を経由して冷却ジャケット20に伝わり、冷媒流路20aを循環する冷却媒体に吸収される。すなわち、熱抵抗体22と冷却ブロック21は、試料加熱ユニット10(具体的には、試料チャンバ11)と冷却ジャケット20の双方に接触して、試料加熱ユニット10からの熱を冷却ジャケット20に伝える熱伝導部材として機能する。
【0029】
また、冷却ブロック21に搭載した冷却ジャケット20は、
図1に示すように、試料加熱ユニット10の外周に配置される。この配置によって、試料加熱ユニット10から周囲に放散される熱は、冷却ジャケット20の内周面から冷媒流路20aを循環する冷却媒体へと伝えられ、冷却媒体に吸収される。
【0030】
このように、本実施形態に係る示差走査熱量計に組み込まれた冷却手段は、試料加熱ユニット10の熱を熱抵抗体22から冷却ブロック21を経由して冷却ジャケット20に伝えて吸熱する冷却経路に加え、試料加熱ユニット10の周囲からも冷却ジャケット20が吸熱するので、これら2つの冷却経路をもって試料の周囲温度を効率的に下げることができる。
さらに、試料加熱ユニット10の周囲に冷却ジャケット20を配置することで、試料の周囲にこもった熱も冷却ジャケット20で効率的に吸収することができるので、試料の周囲温度を均等に下げることが可能となる。
【0031】
上述したとおり、熱抵抗体22はアルミナで製作してある。アルミナ(AL
2O
3)は、低温領域で熱伝導率が高く、高温領域では熱伝導率が低いという特性を有している。
図4は、金属材料の温度と熱伝導率の関係を示すグラフである。同図に示すように、鉄(Fe)やニッケル(Ni)と比較しても、アルミナ(Al
2O
3)は、低温領域で熱伝導率が高く、高温領域では熱伝導率が低いという特性が顕著に現れている。
【0032】
さて、被測定試料および標準試料を加熱しながら熱分析を行うときは、加熱ヒータ12によって試料チャンバ11が加熱されて高温になるため、熱抵抗体22は試料チャンバ11から伝わってきた熱により高温となる。したがって、アルミナで製作した熱抵抗体22は、熱伝導率は低くなって、断熱効果を奏するようになる。
試料を加熱しながら熱分析を行うときは、できる限り試料チャンバ11の熱を逃がさない方が、測定室11a内の温度環境が安定し、試料の温度制御が容易になって好ましい。高温領域で断熱効果を奏するアルミナで製作した熱抵抗体22は、この条件に適合する。
【0033】
一方、被測定試料および標準試料を冷却しながら熱分析を行うときは、試料加熱ユニット10が冷却ジャケット20により冷却されるため、試料チャンバ11は低温になり、これに伴い熱抵抗体22の温度も低下していく。したがって、アルミナで製作した熱抵抗体22は、熱伝導率が高くなって熱を伝えやすくなる。よって、試料チャンバ11からの熱を冷却ブロック21へ円滑に伝えて、効率的に試料加熱ユニット10を冷却できるようになる。
【0034】
このように、アルミナで製作した熱抵抗体22は、被測定試料および標準試料を、加熱しながら熱分析を行うときと、冷却しながら熱分析を行うときのいずれにも好適に機能するというメリットがある。
【0035】
次に、上述した試料加熱ユニット10、冷却ジャケット20、熱抵抗体22および冷却ブロック21の支持構造と組立方法について説明する。
図1および
図2に示すように、ベース部材30が装置の土台を形成しており、このベース部材30の上面に、複数本の断熱支持棒31が直立した状態に配設してある。試料加熱ユニット10、冷却ジャケット20、熱抵抗体22および冷却ブロック21の各構成要素は、これらの断熱支持棒31で下側から支持されている。
【0036】
組立に際しては、
図3に示すように、ベース部材30の上面に複数本(
図3では4本)の断熱支持棒31を直立した状態に配設し、これらの断熱支持棒31の上端に冷却ブロック21を配置する。次に、冷却ブロック21の上面中央部に熱抵抗体22を配置して、さらに熱抵抗体22の上端面に試料チャンバ11(加熱ヒータ12を含む)を配置する。
【0037】
ここで、外部カバー13には、外周面における周方向の複数箇所(
図3では4箇所)に、断熱引張棒32の上端部があらかじめ接合してある。各断熱引張棒32は、外部カバー13の外周面からそれぞれ下方へ直線上に延出している。
【0038】
試料チャンバ11の外周に外部カバー13を被せる。外部カバー13の上端縁部は内側へ屈曲して引掛部13aを形成しており、この引掛部13aを試料チャンバ11の上部フランジ部11bに引っ掛けて係合する。加熱ヒータ12は、外部カバー13によって外周が被覆され、外側への熱の放散が抑制される。
【0039】
冷却ブロック21とベース部材30には、断熱引張棒32を挿通するための透孔21a、30aが複数箇所に形成してある。また、複数本の断熱支持棒31は、円筒状(管状)に形成してあり、その中空部31aは断熱引張棒32が挿通できる内径となっている。断熱引張棒32を挿通するための透孔21a、30aは、断熱支持棒31の中空部と連通する位置にそれぞれ形成されている(
図1参照)。
なお、外部カバー13における断熱引張棒32の接合箇所は、これら透孔21a、30aの形成箇所や断熱支持棒31の配設位置に対応して設定してある。
【0040】
次に、外部カバー13の外周面から下方へ延出する複数本の断熱引張棒32の基端部を、冷却ブロック21の透孔21aから挿入し、断熱支持棒31の中空部31aを通して、ベース部材30の透孔30aから同部材30の下面側へ抜き出す。
【0041】
ベース部材30の下面側に抜き出した断熱引張棒32の基端部には雄ねじ形成してある。各断熱引張棒32の基端部にコイルばね33(付勢部材)を嵌め、雄ねじにナット34を螺合して、ベース部材30とナット34との間で、コイルばね33を圧縮する。
これにより、コイルばね33の弾性力が断熱引張棒32を介して外部カバー13に引張力として作用し、外部カバー13がこの弾性力をもって、試料チャンバ11、熱抵抗体22および冷却ブロック21を、断熱支持棒31の上端に押し付ける。このようにして、断熱支持棒31の上端と外部カバー13の引掛部13aとの間に、これら試料チャンバ11、熱抵抗体22および冷却ブロック21の各構成要素が組み付けられる。
【0042】
上述した構成とすれば、作用線(断熱引張棒32の軸線に一致)が熱抵抗体22および冷却ブロック21の外側を通る引張力(コイルばね33の弾性力)を、外部カバー13における周方向の複数箇所に設けた作用点(断熱引張棒32の接合箇所)に作用させ、当該引張力をもって試料チャンバ11を熱抵抗体22に押し付けるとともに、熱抵抗体22を冷却ブロック21に押し付けるので、試料チャンバ11、熱抵抗体22および冷却ブロック21における各外周縁部の反り上がりが防止され、良好な熱伝導効率を維持することができる。
【0043】
また、加熱と冷却を繰り返した際に、試料チャンバ11、熱抵抗体22および冷却ブロック21は熱膨張率の違いからそれぞれ違った変形量で膨張または収縮する。しかし、上述した構成とすることにより、コイルばね33の弾性力をもって柔軟に対応して相互間の位置ずれが許容される。そのため、試料チャンバ11、熱抵抗体22および冷却ブロック21に内部応力が蓄積せず、これらの構成要素の損傷を防止することができる。
【0044】
また、ベース部材30と冷却ブロック21との間に断熱支持棒31を軸方向に延在して配置することで、ベース部材30と冷却ブロック21とが離間し、冷却ブロック21の熱がベース部材30に伝わりにくくなる。すなわち、断熱支持棒31は、ベース部材30を断熱する機能を有している。
【0045】
ここで、断熱支持棒31と断熱引張棒32は、ともにステンレス管で製作してある。既述したとおり、ステンレス(SUS)は、他の金属材料に比べて熱伝導率が小さく断熱性に優れている。しかも、内部が空洞をした管状部材とすることで、横断面積が小さくなり、軸方向への熱伝導がさらに抑制され、冷却ブロック21の熱がベース部材30に伝わりにくくなる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、断熱引張棒32の基端部を弾性力をもって引っ張る付勢部材としては、コイルばね33に限定されず、ゴム部材など弾性力を付与する公知の各種部材を適用することができる。
また、外部カバー13は、試料チャンバ11と加熱ヒータ12の外周を覆うとともに、断熱引張棒32からの引張力を試料チャンバ11へ伝えることができれば、図に示した形状に限定されるものではない。