【解決手段】ピニオンシャフトに印加されたトルクを複数のトルクセンサにて検出するトルク検出装置200の故障を検出する故障診断部と、故障診断部がトルク検出装置200の故障を検出した場合に、複数のトルクセンサ203の少なくとも1つが正常である場合にトルクセンサ203にて検出可能なトルクを連続的に発生させる連続トルクを出力するように電動モータ110の駆動を制御する目標電流算出部20と、を備える。
前記故障検出部は、前記制御部が前記連続トルクを出力するように前記モータの駆動を制御した場合に前記トルク検出部が有する前記複数のトルクセンサの内のいずれのトルクセンサが故障しているかを検出する
請求項1に記載の故障検出装置。
前記故障検出部は、前記トルク検出部が有する2つのトルクセンサの内の一方のトルクセンサが故障していることを検出した場合には、前記制御部が前記連続トルクを出力するように前記モータの駆動を制御した場合に前記2つのトルクセンサの内の他方のトルクセンサが故障しているか否かを検出する
請求項1又は2に記載の故障検出装置。
前記故障検出部は、前記トルクセンサが検出する前記連続トルクに起因する振動の振幅が基準振幅未満である場合に前記トルクセンサが故障していると判断すると共に、前記基準振幅を可変とする
請求項1〜13のいずれか1項に記載の故障検出装置。
前記故障検出部は、前記トルクセンサが検出する前記連続トルクに起因する振動の周波数が基準周波数未満である場合に前記トルクセンサが故障していると判断すると共に、前記基準周波数を可変とする
請求項1〜13のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、車両の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施形態においては車両の一例としての自動車1に適用した構成を例示している。なお、
図1は、自動車1を前方から見た図である。
【0010】
ステアリング装置100は、自動車1の進行方向を変えるために運転者が操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された連結シャフト103と、この連結シャフト103と自在継手103bを介して連結されたピニオンシャフト106とを備えている。ピニオンシャフト106は、ステアリングホイール101の回転に連動して回転する。ピニオンシャフト106の下端部には、ピニオン106aが形成されている。
【0011】
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左側前輪151,右側前輪152それぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。ラック軸105に形成されたラック歯105aと、ピニオンシャフト106に形成されたピニオン106aとがラック・ピニオン機構を構成する。
【0012】
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106の捩れに基づいて、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTを検出するトルク検出装置200を備えている。トルク検出装置200は、第1トルクセンサ201と、第2トルクセンサ202とを有している。第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202は、磁歪に起因する磁気特性の変化に基づいてピニオンシャフト106の捩れに応じた操舵トルクTを検出する磁歪式のセンサであることを例示することができる。第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202による操舵トルクTの検出のために、ピニオンシャフト106の外周面に磁歪膜が形成されている。なお、第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202は、ホールIC、MR素子を用いる周知のトルクセンサであっても良い。以下、第1トルクセンサ201と第2トルクセンサ202とを総称して「トルクセンサ203」と称する場合がある。
【0013】
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギヤボックス107と、ステアリングギヤボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。減速機構111は、例えば、ピニオンシャフト106に固定されたウォームホイール(不図示)と、電動モータ110の出力軸に固定されたウォームギヤ(不図示)などから構成される。電動モータ110は、ピニオンシャフト106に回転駆動力を加えることにより、ラック軸105に左側前輪151,右側前輪152を転動させる駆動力(ラック軸力)を加える。本実施の形態に係る電動モータ110は、電動モータ110の回転角度であるモータ回転角度θmに連動した回転角度信号θmsを出力するレゾルバ120を有する3相ブラシレスモータである。
【0014】
また、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述したトルク検出装置200からの出力信号が入力される。また、制御装置10には、自動車1に搭載される各種の機器を制御するための信号を流す通信を行うネットワーク(CAN)を介して、自動車1の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170からの出力信号vなどが入力される。
【0015】
以上のように構成されたステアリング装置100は、トルク検出装置200が検出した操舵トルクTに基づいて電動モータ110を駆動し、電動モータ110の駆動力(発生トルク)をピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵をアシストする。このように、電動モータ110は、運転者のステアリングホイール101の操舵に対してアシスト力を付与する。
【0016】
{制御装置}
次に、制御装置10について説明する。
図2は、制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
制御装置10には、上述した第1トルクセンサ201から出力される第1トルク検出信号TS1、第2トルクセンサ202から出力される第2トルク検出信号TS2、車速センサ170からの車速Vcに対応する車速信号vなどが入力される。
【0017】
そして、制御装置10は、電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流Itを算出(設定)する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを備えている。
また、制御装置10は、第1トルクセンサ201から出力される第1トルク検出信号TS1又は第2トルクセンサ202から出力される第2トルク検出信号TS2に基づいて操舵トルクに応じた値を出力すると共にトルク検出装置200の故障を診断する出力部80を備えている。
【0018】
〔目標電流算出部〕
目標電流算出部20は、仮の目標電流である仮目標電流Itfを決定する仮目標電流決定部25と、出力部80がトルク検出装置200の故障を検出したか否かに応じて故障検出電流Ifを決定する故障検出電流決定部28と、最終的に電動モータ110に供給する目標電流Itを決定する最終目標電流決定部29とを備えている。
なお、目標電流算出部20には、出力部80から出力される後述するトルク信号Td、車速Vcに応じた車速センサ170からの出力信号などが入力される。
【0019】
仮目標電流決定部25は、トルク信号Tdと、車速センサ170からの出力信号vとに基づいて仮目標電流Itfを決定する。操舵トルクTがプラスである場合には仮目標電流Itfはプラス、操舵トルクTがマイナスである場合には仮目標電流Itfはマイナスとすることを例示することができる。なお、不感帯領域を設定することもできる。また、仮目標電流Itfは、操舵トルクTの絶対値が同じである場合には、車速Vcが低速であるほど仮目標電流Itfの絶対値が大きくなる。
【0020】
故障検出電流決定部28については後で詳述する。
最終目標電流決定部29は、出力部80から第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が共に故障している旨の情報を取得していない場合には、仮目標電流決定部25にて決定された仮目標電流Itfと、故障検出電流決定部28にて決定された故障検出電流Ifとを加算した値を最終的な目標電流Itとして決定する。他方、最終目標電流決定部29は、出力部80から第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が共に故障している旨の情報を取得した場合には、目標電流Itをゼロとして決定する。
【0021】
目標電流算出部20は、仮目標電流決定部25、故障検出電流決定部28及び最終目標電流決定部29が、所定期間(例えば1ミリ秒)毎に出力部80や車速センサ170等の各種センサからの出力値を取得すると共に各処理を行い、所定期間毎に目標電流Itを算出する。
出力部80は、所定期間(例えば1ミリ秒)毎にトルク検出装置200からの出力値を取得すると共に各処理を行い、所定期間毎にトルク信号Tdやトルク検出装置200が故障している旨の信号等を出力する。
【0022】
ここで、ピニオンシャフト106の捩れ量が0の状態を中立状態(中立位置)とし、中立状態(中立位置)からのステアリングホイール101の右回転時におけるピニオンシャフト106の捩れが変化する方向をプラス(操舵トルクTがプラス)とする。また、中立状態からのステアリングホイール101の左回転時におけるピニオンシャフト106の捩れが変化する方向をマイナス(操舵トルクTがマイナス)とする。
そして、基本的に、トルク検出装置200にて検出された操舵トルクTがプラスであるときに、電動モータ110を右回転方向に回転させるように仮目標電流Itfが算出され、その仮目標電流Itfが流れる方向をプラスとする。つまり、基本的に、操舵トルクTがプラスのときに仮目標電流決定部25はプラスの仮目標電流Itfを決定し、電動モータ110を右回転方向に回転させる方向のトルクを発生させる。操舵トルクTがマイナスのときに仮目標電流決定部25はマイナスの仮目標電流Itfを決定し、電動モータ110を左回転方向に回転させる方向のトルクを発生させる。
【0023】
〔制御部〕
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部(不図示)と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部(不図示)と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部(不図示)とを有している。
モータ駆動制御部は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流Itと、モータ電流検出部にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部(不図示)と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部(不図示)とを有している。
【0024】
フィードバック制御部は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流Itとモータ電流検出部にて検出された実電流Imとの偏差を求める偏差演算部(不図示)と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部(不図示)とを有している。
PWM信号生成部は、フィードバック制御部からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号を出力する。
【0025】
モータ駆動部は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部は、モータ駆動部に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出する。
【0026】
〔出力部〕
出力部80は、第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202の故障を診断する故障診断部83を備えている。また、出力部80は、故障診断部83による故障診断結果に基づいて、第1トルクセンサ201から出力された第1トルク検出信号TS1か、第2トルクセンサ202から出力された第2トルク検出信号TS2かを、トルク信号Tdとして用いるのを切り替える切替部85を備えている。
【0027】
《故障診断部》
故障診断部83には、第1トルクセンサ201から出力される第1トルク検出信号TS1、第2トルクセンサ202から出力される第2トルク検出信号TS2が入力される。そして、故障診断部83は、第1トルク検出信号TS1及び第2トルク検出信号TS2に基づいて、第1トルクセンサ201又は第2トルクセンサ202が故障しているか否かを診断する。また、故障診断部83は、第1トルクセンサ201が故障している場合には、第2トルク検出信号TS2に基づいて第2トルクセンサ202が故障しているか否かを診断する。また、故障診断部83は、第2トルクセンサ202が故障している場合には、第1トルク検出信号TS1に基づいて第1トルクセンサ201が故障しているか否かを診断する。故障診断方法については後で詳述する。
【0028】
《切替部》
切替部85は、故障診断部83が第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が故障していないと判断している場合には、その旨の信号と共に、第1トルクセンサ201から出力される第1トルク検出信号TS1を、トルク信号Tdとして出力する。
また、切替部85は、第2トルクセンサ202が故障していると故障診断部83が判断している場合には、その旨の信号と共に、第1トルクセンサ201から出力される第1トルク検出信号TS1を、トルク信号Tdとして出力する。
また、切替部85は、第1トルクセンサ201が故障していると故障診断部83が判断している場合には、その旨の信号と共に、第2トルクセンサ202から出力される第2トルク検出信号TS2を、トルク信号Tdとして出力する。
また、切替部85は、故障診断部83が第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が共に故障していると判断している場合には、その旨の信号を出力する。
【0029】
〔故障診断〕
以下、故障診断部83が行う故障診断について説明する。
図3は、第1トルク検出信号TS1,第2トルク検出信号TS2の出力範囲を示す図である。以下、第1トルク検出信号TS1と第2トルク検出信号TS2とをまとめて「トルク検出信号TS」と称する場合もある。
第1トルク検出信号TS1は、
図3に示すように、操舵トルクTの右方向への大きさが増加するのに伴って上昇すると共に、最大電圧VHiと最小電圧VLoとの間で変化する。第2トルク検出信号TS2は、
図3に示すように、操舵トルクTの左方向への大きさが増加するのに伴って上昇すると共に、最大電圧VHiと最小電圧VLoとの間で変化する。最大電圧VHiは4.5V、最小電圧VLoは0.5Vであることを例示することができる。
【0030】
図4は、トルク検出装置200の故障検出範囲を示す図である。
トルク検出装置200に故障が生じた場合には、
図4に示した故障検出範囲に入る。トルク検出装置200の故障としては、回路の固着故障、断線、信号異常故障であることを例示することができる。
第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が共に正常に作動している場合、第1トルク検出信号TS1と第2トルク検出信号TS2とを合計した合計電圧Vtは、常に所定電圧(VHi+VLo)になる(
図4の実線参照)。
【0031】
故障診断部83は、第1トルク検出信号TS1と第2トルク検出信号TS2とを合計した合計電圧Vtが、所定電圧(VHi+VLo)を中心とする所定範囲内である場合には第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202は正常であり、トルク検出装置200は正常であると診断する。他方、故障診断部83は、合計電圧Vtが、所定範囲から外れた場合に、第1トルクセンサ201又は第2トルクセンサ202が故障しており、トルク検出装置200は故障していると診断する。所定範囲は、
図4に示すように、所定電圧(VHi+VLo)より低い下限基準値VL以上であって、所定電圧(VHi+VLo)より高い上限基準値VH以下の領域であることを例示することができる。
【0032】
故障検出電流決定部28は、出力部80から第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が故障していない旨の信号を取得した場合(トルク検出装置200が故障した旨の信号を取得していない場合)には、故障検出電流Ifをゼロとする。他方、出力部80から第1トルクセンサ201又は第2トルクセンサ202が故障している旨の信号を取得した場合には、電動モータ110が振動を発生する強制振動発生電流を故障検出電流Ifとして決定する。強制振動発生電流は、正弦波状に正と負の値に周期的に変化する値であることを例示することができる。
【0033】
以上のように構成された制御装置10において、トルク検出装置200が正常である場合、すなわち第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202のいずれも正常である場合には、故障検出電流決定部28が故障検出電流Ifをゼロとする。その結果、目標電流算出部20は、仮目標電流決定部25にて決定された仮目標電流Itfを最終的な目標電流Itとして決定する。
一方、トルク検出装置200が故障している場合、すなわち第1トルクセンサ201と第2トルクセンサ202の少なくともいずれかが故障している場合には、故障検出電流決定部28が強制振動発生電流を故障検出電流Ifとして決定する。その結果、目標電流算出部20は、仮目標電流決定部25にて決定された仮目標電流Itfに故障検出電流If(強制振動発生電流)を加算した電流を最終的な目標電流Itとして決定する。
以下では、制御装置10が、トルク検出装置200が正常である場合に行う電動モータ110の駆動制御を「通常制御」と称し、トルク検出装置200が故障している場合に行う電動モータ110の駆動制御を「故障時制御」と称す。
【0034】
故障時制御において、仮目標電流Itfに故障検出電流Ifを加算すると、故障検出電流If(強制振動発生電流)相当分の電動モータ110の駆動トルクによりピニオンシャフト106が周期的に捩れる。そのため、トルクセンサ203が正常である場合には、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを検出する。他方、トルクセンサ203が故障している場合には、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを検出できない。
かかる事項に鑑み、出力部80の故障診断部83は、トルクセンサ203から取得する信号が、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを反映している場合には、トルクセンサ203は正常であると判断し、反映していない場合には故障していると判断する。
【0035】
図5(a)は、故障時制御実行中の目標電流Itを示す図である。
図5(b)及び
図5(c)は、トルクセンサ203から出力されるトルク検出信号TSの一例を示す図である。
図5(a)では、故障時制御実行中において、仮目標電流Itfがゼロである場合、つまり目標電流Itが故障検出電流If(強制振動発生電流)と等しい場合を例示している。
図5(b)は、トルクセンサ203が、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを反映している場合のトルク検出信号TSの一例を示す図である。
図5(c)は、トルクセンサ203が、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを反映していない場合のトルク検出信号TSの一例を示す図である。
【0036】
故障検出電流決定部28が故障検出電流Ifを基準値If0としたときの基準時間から所定期間T1経過後の、トルクセンサ203から出力されるトルク検出信号TSの値が基準範囲外である場合に、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の捩れを反映していると考え、故障診断部83は、トルクセンサ203は正常であると判断する。他方、所定期間T1後の、トルク検出信号TSの値が基準範囲内である場合に、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の捩れを反映していないと考え、故障診断部83は、トルクセンサ203は故障していると判断する。なお、故障検出電流Ifの基準値If0は、予め定められた値であることを例示することができる。また、車速Vcに応じて基準範囲を変動させても良い。また、操舵角速度に応じて基準範囲を変動させても良い。
【0037】
また、減速機構111や、ピニオンシャフト106及びラック軸105の質量などから定まる電動モータ110の駆動トルクのピニオンシャフト106への伝達係数が小さいほど、ピニオンシャフト106が捩れ易くなる。それゆえ、伝達係数が小さいほどトルクセンサ203からのトルク検出信号TSは小さくなる。かかる事項に鑑み、伝達係数が小さいほど基準範囲を小さくするなど、伝達係数に応じて基準範囲を変動させることを例示することができる。
【0038】
また、伝達係数が小さいほど、電動モータ110の駆動トルクがピニオンシャフト106の捩れへ伝達されるまでの時間が長くなる(応答が遅くなる)。それゆえ、伝達係数が小さいほど所定期間T1を長くするなど、伝達係数に応じて所定期間T1を変動させることを例示することができる。ただし、所定期間T1は予め定められていても良い。
【0039】
次に、フローチャートを用いて、制御装置10が行うアシスト制御処理の手順について説明する。
図6は、制御装置10が行うアシスト制御処理の手順を示すフローチャートである。
制御装置10は、このアシスト制御処理を、例えば予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
制御装置10は、トルク検出装置200が故障しているか否かを判断する(S601)。これは、故障診断部83が、上述した故障診断を行うことにより判断する処理である。トルク検出装置200が故障していない場合(S601でNo)、上述した通常制御を行う(S602)。
【0040】
他方、トルク検出装置200が故障している場合(S601でYes)、第1トルクセンサ201、第2トルクセンサ202のどちらが故障しているかを特定するべく、上述した強制振動発生電流を故障検出電流Ifとして決定する(S603)。その後、第1トルクセンサ201から出力された第1トルク検出信号TS1が、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを反映しているか否かを判断する(S604)。そして、反映している場合(S604でYes)、第2トルクセンサ202が故障していると確定し(S605)、第2トルクセンサ202が故障していると確定した場合にONにされる第2トルクセンサ故障フラグをONとする(S606)。
【0041】
一方、第1トルクセンサ201から出力された第1トルク検出信号TS1が、強制振動発生電流に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを反映していない場合(S604でNo)、第1トルクセンサ201が故障していると確定し(S607)、第1トルクセンサ201が故障していると確定した場合にONにされる第1トルクセンサ故障フラグをONとする(S608)。
【0042】
次に、フローチャートを用いて、制御装置10が行うトルクセンサ故障時制御処理の手順について説明する。
図7は、制御装置10が行うトルクセンサ故障時制御処理の手順を示すフローチャートである。
制御装置10は、第1トルクセンサ故障フラグ又は第2トルクセンサ故障フラグがONとなった後、このトルクセンサ故障時制御処理を、例えば予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
【0043】
制御装置10は、正常と考えられるトルクセンサ203(第1トルクセンサ故障フラグがONである場合には第2トルクセンサ202、第2トルクセンサ故障フラグがONである場合には第1トルクセンサ201)から出力されたトルク検出信号TSが、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを反映しているか否かを判断する(S701)。反映している場合には(S701でYes)、本処理の実行を終了する。
他方、反映していない場合には(S701でNo)、正常と考えられるトルクセンサ203が故障したと判断し(S702)、第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が共に故障しているので、電動モータ110の駆動を停止してアシストを停止する(S703)。
【0044】
なお、上述した実施形態において、制御装置10(故障診断部83)は、故障検出電流決定部28が強制振動発生電流を故障検出電流Ifとして決定しているときに、トルクセンサ203から出力されたトルク検出信号TSが、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを反映していない場合にはそのトルクセンサが故障していると判断しているが(例えば、S605、S607、S702)、特にかかる態様に限定されない。例えば、制御装置10(故障診断部83)は、トルクセンサ203から出力されたトルク検出信号TSが、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを予め定められた期間(例えば1秒間)に亘って反映していない場合にそのトルクセンサが故障していると判断しても良い。また、制御装置10(故障診断部83)は、予め定められた期間に亘って反映していないのを、予め定められた回数(例えば3回)継続した場合にそのトルクセンサが故障していると判断しても良い。
【0045】
以上説明したように、第1の実施形態に係るステアリング装置100は、操舵トルクTを検出するトルク検出部の一例としてのトルク検出装置200と、トルク検出装置200の故障を検出する故障検出部の一例としての故障診断部83とを備えている。また、ステアリング装置100は、故障診断部83がトルク検出装置200の故障を検出した場合に、トルクセンサ203が正常である場合にトルクセンサ203にて検出可能なトルクの一例としての、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の周期的な捩れを生じさせるトルクを連続的に発生させる連続トルクを出力するようにモータの駆動を制御する制御部の一例としての目標電流算出部20を備える。
また、故障診断部83と、目標電流算出部20とを備える制御装置10は、トルク検出装置200の故障を検出する故障検出装置の一例である。
【0046】
そして、以上のように構成された第1の実施形態に係るステアリング装置100においては、トルク検出装置200が故障した場合(第1トルクセンサ201又は第2トルクセンサ202が故障した場合)、故障検出電流決定部28が強制振動発生電流を故障検出電流Ifとして決定すると共に、故障診断部83がトルクセンサ203から出力されるトルク検出信号TSに基づいて故障診断を行う。これにより、ステアリング装置100は、第1トルクセンサ201、第2トルクセンサ202のどちらが故障したかを確定することができる。そして、どちらのトルクセンサが故障したかを確定した後も、正常なトルクセンサに故障が生じたか否か診断することができる。つまり、正常なトルクセンサが一つである場合においても、このトルクセンサが正常に動作することを判断できる。それゆえ、正常なトルクセンサから出力されるトルク検出信号TSは信頼できる値である。このように、第1の実施形態に係るステアリング装置100によれば、第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202の2つのトルクセンサの内の一方のトルクセンサが故障した後も、正常な他方のトルクセンサから出力されるトルク検出信号TSに基づいて電動モータ110のアシスト制御を継続することができる。その結果、一方のトルクセンサが故障した後にアシスト制御を停止する構成や操舵角θsに基づいてアシスト制御を行う構成に比べて、より精度高く運転者の負担を低減させることができる。
【0047】
また、故障検出電流決定部28が、ピニオンシャフト106の周期的な捩れを生じさせるトルクを連続的に発生させるように電動モータ110の駆動を制御することで、ステアリングホイール101に伝達されるトルクも連続的なものになる。その結果、ステアリングホイール101に生じるトルクが間欠的なものである場合に比べて、操舵フィーリングはよい。
【0048】
以上のように構成された第1の実施形態に係るステアリング装置100において、故障検出電流決定部28は、故障検出電流Ifである強制振動発生電流の周波数を5Hz以上にすると良い。周波数を5Hz以上にすることで、故障検出電流If(強制振動発生電流)相当分の電動モータ110の駆動トルクによりピニオンシャフト106が周期的に捩れることに起因してステアリングホイール101が5Hz以上の周波数で振動する。ステアリングホイール101が5Hz以上の周波数で振動すると、ステアリングホイール101を握っている運転者は、ステアリングホイール101の振動を感じることが可能となる。その結果、運転者は、トルク検出装置200が故障していることを把握することが可能となる。
【0049】
言い換えれば、本実施の形態に係る制御装置10は、トルク検出装置200が故障した場合に、故障検出電流決定部28が5Hz以上の周波数の強制振動発生電流を故障検出電流Ifとして決定するので、運転者にステアリングホイール101の振動を感知させ、トルク検出装置200が故障していることを把握させることできる。つまり、本実施の形態に係る制御装置10は、トルク検出装置200が故障した場合に、ステアリングホイール101の振動を用いて、運転者にトルク検出装置200が故障していることを報知することができる。
なお、ステアリングホイール101の振動の周波数が高くなると、操舵フィーリングが悪化するおそれがあることから、強制振動発生電流の周波数は30Hz以下であることが好ましい。
【0050】
ただし、故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するステアリングホイール101の振動の振幅が小さければ操舵フィーリングの悪化は小さい。そのため、強制振動発生電流の振幅が小さければ周波数は30Hzより大きくても良い。故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因する電動モータ110の振動の周波数が20Hzより大きくなると、運転者は、音が発生していることに気づくことが可能となる。その結果、運転者は、トルク検出装置200が故障していることを音に基づいて把握することが可能となる。
なお、電動モータ110の振動の周波数が高くなると、耳障りな音となることから、強制振動発生電流の周波数は7000Hz(7kHz)以下であることが好ましい。より好ましくは4000Hz(4kHz)以下であると良い。
【0051】
目標電流算出部20が、例えば1ミリ秒毎に目標電流Itを算出するのであれば、500Hzにて正と負の値に周期的に変化する強制振動発生電流を加算した目標電流Itとすることが可能になる。強制振動発生電流の周波数を7000Hz(7kHz)とする場合には、目標電流算出部20が、0.07ミリ秒毎に目標電流Itを算出すれば良い。
【0052】
なお、上述した実施形態においては、最終目標電流決定部29は、出力部80から第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が共に故障している旨の情報を取得した場合には、目標電流Itをゼロとして決定するが、特にかかる態様に限定されない。例えば、最終目標電流決定部29は、出力部80から第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が共に故障している旨の情報を取得した場合には、目標電流Itを、直前の値からゼロまで漸減しても良い。
また、目標電流算出部20は、出力部80から第1トルクセンサ201及び第2トルクセンサ202が共に故障している旨の情報を取得した場合には、操舵角算出部73が算出した操舵角θsに基づいて目標電流Itを算出しても良い。
【0053】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るステアリング装置100は、第1の実施形態に係るステアリング装置100に対して、トルクセンサ203が故障検出電流If(強制振動発生電流)に起因するピニオンシャフト106の捩れを反映しているか否か(トルクセンサが故障しているか否か)を故障診断部83が診断する故障診断手法が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0054】
図8は、第2の実施形態に係る故障診断手法を示す図である。
第2の実施形態に係る故障診断部83は、予め定められた基準期間T2におけるトルクセンサから出力されるトルク検出信号TSの振幅Aに基づいてトルクセンサの故障を診断する。例えば、故障診断部83は、基準期間T2におけるトルク検出信号TSの振幅Aが予め定められた基準振幅A0以上である場合にトルクセンサは正常であると判断し、基準期間T2におけるトルク検出信号TSの振幅Aが基準振幅A0未満である場合にトルクセンサは故障していると判断すると良い。
【0055】
トルク検出信号TSの振幅Aに基づいて診断する場合、車速Vcが小さいほどトルクセンサからのトルク検出信号TSは大きくなることから、車速Vcが小さいほど基準振幅A0を大きくするなど、車速Vcに応じて基準振幅A0を変動させると良い。また、伝達係数が小さいほどトルクセンサからのトルク検出信号TSは小さくなることから、伝達係数が小さいほど基準振幅A0を小さくするなど、伝達係数に応じて基準振幅A0を変動させると良い。ただし、基準振幅A0は予め定められていても良い。
【0056】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係るステアリング装置100は、第1の実施形態に係るステアリング装置100に対して、故障診断部83が診断する故障診断手法が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0057】
図9は、第3の実施形態に係る故障診断手法を示す図である。
第3の実施形態に係る故障診断部83は、予め定められた基準期間T3におけるトルクセンサから出力されるトルク検出信号TSの周波数f(=1/Tts)に基づいてトルクセンサの故障を診断する。例えば、故障診断部83は、基準期間T3におけるトルク検出信号TSの周波数fが予め定められた基準周波数以上である場合にトルクセンサは正常であると判断し、基準期間T3におけるトルク検出信号TSの周波数fが基準周波数未満である場合にトルクセンサは故障していると判断すると良い。
トルク検出信号TSの周波数fに基づいてトルクセンサの故障を診断する場合、伝達係数が小さいほどトルクセンサからのトルク検出信号TSの応答は遅くなることから、伝達係数が小さいほど基準周波数を小さくするなど、伝達係数に応じて基準周波数を変動させると良い。ただし、基準周波数は予め定められていても良い。
【0058】
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係るステアリング装置100は、第1の実施形態に係るステアリング装置100に対して、故障検出電流決定部28が決定する強制振動発生電流の波形が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
電動モータ110に振動を発生させるための強制振動発生電流としては、正と負の値に周期的に変化する値であれば第1の実施形態で述べた正弦波状に限定されない。
【0059】
図10(a)〜
図10(c)は、強制振動発生電流の波形の他の例を示す図である。
電動モータ110に振動を発生させるための強制振動発生電流の波形は、
図10(a)に示すように矩形波状でも良い。
また、強制振動発生電流の波形は、
図10(b)に示すように三角波状でも良い。
また、強制振動発生電流の波形は、
図10(c)に示すようにのこぎり波状でも良い。
図10(a)〜
図10(c)に示した波形の強制振動発生電流であっても、トルクセンサからのトルク検出信号TSに基づいて、故障診断部83は、これらの強制振動発生電流に起因するピニオンシャフト106の捩れを反映しているか否か(トルクセンサが故障しているか否か)を精度高く診断することができる。
【0060】
<第5の実施形態>
第5の実施形態に係るステアリング装置100は、制御装置10が、運転者にトルク検出装置200が故障していることを報知する態様を、トルク検出装置200が故障した後の(故障診断部83がトルク検出装置200の故障を検出した後の)経過時間に応じて変える機能を備えている。
【0061】
制御装置10は、ステアリングホイール101の振動を用いてトルク検出装置200が故障していることを報知する際に、トルク検出装置200が故障した後の経過時間が所定時間を越えた場合には、所定時間を越える前よりも振動を大きくしても良い。振動を大きくすることで、トルク検出装置200が故障していることをより確度高く運転者に報知することが可能となる。振動を大きくするために、制御装置10は、故障検出電流If(強制振動発生電流)の振幅を大きくすることを例示することができる。また、制御装置10は、故障検出電流If(強制振動発生電流)の周波数を小さくすることで振動を大きくしても良い。
また、制御装置10は、ステアリングホイール101の振動を用いてトルク検出装置200が故障していることを報知する際に、トルク検出装置200が故障した後の経過時間が長くなるほど振動を大きくするようにしても良い。
【0062】
制御装置10は、電動モータ110の振動の音に基づいてトルク検出装置200が故障していることを報知する際に、トルク検出装置200が故障した後の経過時間が所定時間を越えた場合には、所定時間を越える前よりも音を大きくしても良い。音を大きくすることで、トルク検出装置200が故障していることをより確度高く運転者に報知することが可能となる。音を大きくするために、制御装置10は、故障検出電流If(強制振動発生電流)の振幅を大きくすることを例示することができる。
また、制御装置10は、電動モータ110の振動の音に基づいてトルク検出装置200が故障していることを報知する際に、トルク検出装置200が故障した後の経過時間が長くなるほど振動を大きくするようにしても良い。
【0063】
なお、第1の実施形態〜第5の実施形態に係るステアリング装置100の特徴点を互いに組み合わせても良い。
また、第1の実施形態〜第5の実施形態に係るトルク検出装置200は、2つのトルクセンサを備えるがトルクセンサの数は2つに限定されない。例えば、3つ以上のトルクセンサを備える構成であっても、上述した制御装置10により、3つ以上のトルクセンサの内のいずれのトルクセンサが故障しているかを特定することができると共に、正常なトルクセンサが一つとなった場合においても、このトルクセンサが正常動作していることを判断できる。また、1つのトルクセンサを備える構成であっても、上述した制御装置10により、このトルクセンサが正常動作していることを判断できる。
前記故障検出部は、前記制御部が前記連続トルクを出力するように前記モータの駆動を制御した場合に前記トルク検出部が有する前記複数のトルクセンサの内のいずれのトルクセンサが故障しているかを検出する
請求項1に記載の故障検出装置。
前記故障検出部は、前記トルク検出部が有する2つのトルクセンサの内の一方のトルクセンサが故障していることを検出した場合には、前記制御部が前記連続トルクを出力するように前記モータの駆動を制御した場合に前記2つのトルクセンサの内の他方のトルクセンサが故障しているか否かを検出する
請求項1又は2に記載の故障検出装置。
前記故障検出部は、前記トルクセンサが検出する前記連続トルクに起因する振動の振幅が基準振幅未満である場合に前記トルクセンサが故障していると判断すると共に、前記基準振幅を可変とする
請求項1〜11のいずれか1項に記載の故障検出装置。
前記故障検出部は、前記トルクセンサが検出する前記連続トルクに起因する振動の周波数が基準周波数未満である場合に前記トルクセンサが故障していると判断すると共に、前記基準周波数を可変とする
請求項1〜11のいずれか1項に記載の故障検出装置。
かかる目的のもと、本発明は、回転軸に印加されたトルクを複数のトルクセンサにて検出するトルク検出部の故障を検出する故障検出部と、前記故障検出部が前記トルク検出部の故障を検出した場合に、前記複数のトルクセンサの少なくとも1つが正常である場合に前記トルクセンサにて検出可能なトルクを連続的に発生させる連続トルクを出力するようにモータの駆動を制御する制御部と、を備え