【実施例1】
【0030】
最初に、ベッドサイド用収容具の取付対象であるベッドテーブル及び床頭台の構成について、
図10を参照しながら説明する。その後、本発明の実施の形態に係る実施例1のベッドサイド用収容具について、
図1乃至
図6を参照しながら説明する。
図10(a)及び
図10(b)は、それぞれ従来技術に係るベッドテーブル及び床頭台の構成を説明するための斜視図である。
図10(a)に示すように、従来技術に係るベッドテーブル50は、天板部51と、この天板部51を支持する2本の支柱52,52と、この支柱52,52がそれぞれ立設される脚部53,53を備えてベッド100(
図4(b)参照)の周辺に配置される。
このうち、天板部51は、これを平面視した場合に、四角形状の側縁の端面をなす第1の端面51a、第2の端面51b、第3の端面51c及び第4の端面51dとからなり、第1の端面51aと第2の端面51bは互いに平行であるとともに、第3の端面51cと第4の端面51dは互いに平行である。さらに天板部51は、滑らかな上面51eと、下面51fを備える。
【0031】
支柱52,52は、天板部51の縁部(この場合、第1の端面51a及び第2の端面51bを意味する。)近傍を互いに間隔を空けて支持する。そして、脚部53,53は、いずれも長尺体であり、その両端部にそれぞれ設けられるキャスター53aによって、ベッドテーブル50を移動可能とする。
ベッドテーブル50を使用する際には、例えば、後段に示す
図4(b)のベッド100の両側のサイドフレーム100a,100aに支柱52,52をそれぞれ接近させ、天板部51をマットレス100bから上方へ一定間隔を空けて配置する。ベッドテーブル50の長手方向の配置位置は、ベッド100のヘッドボード100cからフットボード100dの間であれば、特に限定されない。
【0032】
図10(b)に示すように、従来技術に係る床頭台54は、テレビ (図示せず)等が載置される天板部55と、この天板部55の下方に引き出し自在に収容されるスライドテーブル56と、このスライドテーブル56の下方に配置される開閉可能な扉57を備えた箱状の収容棚であって、キャスター53aによって移動可能である。この床頭台54は、専らヘッドボード100c側(後段に示す
図4(b)を参照)に配置される。
【0033】
次に、実施例1に係るベッドサイド用収容具について、
図1を参照しながら説明する。
図1(a)及び
図1(b)は、それぞれ実施例1に係るベッドサイド用収容具の表面を示す平面図及び側面図である。なお、
図10で説明した構成要素と同一の構成要素は、
図1においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図1(a)及び
図1(b)に示すように、本実施例に係るベッドサイド用収容具1は、ベッドサイドに設置されるベッド用備品から吊り下げられるポケット部2と、このポケット部2をベッド用備品へ取り付けるための第1の取付部材3及び第2の取付部材4を備える。これらポケット部2、第1の取付部材3及び第2の取付部材4は、いずれも天然繊維や化学繊維といった柔軟性を有する布材から構成される。また、ベッド用備品は、ベッドテーブル50(
図3,9参照)及びベッド100のベッド柵101(
図4(b)参照)である。
【0034】
ポケット部2は、基体5と、この基体5に形成され、物品(図示せず)を出し入れ口6a´〜6e´を介して収容する収容部6a〜6eとからなる。この収容部6a〜6eは、例えば、それぞれペットボトル、ペン、眼鏡、飲み薬及びティッシュボックス(いずれも図示せず)が収容されるような形状及びレイアウトに構成されている。このうち、収容部6a〜6dは底部を有する袋状に形成される。しかし、収容部6eは平坦状に形成され、その表面に1対のゴム製ベルト6f,6fが横方向に間隔を空けて設けられる。この1対のゴム製ベルト6f,6fは、それぞれの両端部が収容部6eの表面に縫着されており、ゴム製ベルト6f,6fと収容部6eの表面との間に生じる空間にティッシュボックスを入れ込んで、これを収容部6eの表面に押し付けて保持するものである。
そして、基体5は、第1の取付部材3及び第2の取付部材4の少なくともいずれか一方を介してベッドテーブル50(
図10(a)参照)及びベッド柵101(
図4(b)参照)へ取り付けられる。
【0035】
より詳細には、基体5は、第1の取付部材3及び第2の取付部材4を介してベッドテーブル50へ取り付けられる場合(前述した(2)の方法に相当する。)と、第2の取付部材4のみを介してベッド柵101へ取り付けられる場合(前述した(3)の方法に相当する。)がある。
これは、第1の取付部材3は、ベッドテーブル50の天板部51へ取り付けられ、第2の取付部材4は、第1の取付部材3に接続可能又はベッド柵101に取り付け可能であることによる。
具体的には、第1の取付部材3は、ベッドテーブル50の天板部51を被覆するクロス7である。このクロス7は、天板部51に固定される固定部8と、この固定部8と異なる位置に設けられる接続部9とを備える。接続部9は、クロス7の表面7a側に設けられる。
【0036】
次に、第2の取付部材4について、
図2を参照しながら、説明する。
図2(a)乃至
図2(c)は、それぞれ実施例1に係るベッドサイド用収容具を構成する接続部材の側面図、
図2(a)におけるA方向矢視図及び
図2(a)におけるB方向矢視図である。なお、
図1及び
図10で説明した構成要素と同一の構成要素は、
図2においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図2(a)乃至
図2(c)に示すように、第2の取付部材4は、一面4a及び他面4bを有する平面状をなし、第2の取付部材4の一端4cは一面4aに設けられる第1の係着手段10を介して接続部9に係着される。同時に一端4cの他面4bに第2の係着手段11が設けられる。さらに、第2の取付部材4の他端4dは、第2の係着手段11へ分離可能に係着される第3の係着手段12が一面4aに設けられる。
なお、接続部9と、第1乃至第3の係着手段10〜12は、いずれも点ファスナである。そして、第2の取付部材4の他端4dは、基体5上縁の縫着部5aにおいて、基体5と分離不能に縫着される。
【0037】
続いて、実施例1に係るベッドサイド用収容具の第1の使用状態について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、実施例1に係るベッドサイド用収容具の第1の使用状態を示す斜視図である。なお、
図1、
図2及び
図10で説明した構成要素と同一の構成要素は、
図3においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、天板部51が、これを平面視した場合に、四角形状の側縁の端面をなす第1の端面51a、第2の端面51b、第3の端面51c及び第4の端面51dとからなり、第1の端面51aと第2の端面51bは互いに平行であるとともに、第3の端面51cと第4の端面51dは互いに平行である場合に、固定部8は、第1の端面51aに掛止される湾曲部Wである。この湾曲部Wは、第1の端面51aを挿入可能な袋状に形成されたものである。このとき、接続部9は、第2の端面51bに沿って配置される。
したがって、固定部8が第1の端面51aに掛止されるとともに、接続部9に第2の取付部材4が接続されることによって、クロス7が天板部51を被覆すると同時に、ポケット部2が第2の端面51bから吊り下げられる。
【0038】
さらに、実施例1に係るベッドサイド用収容具の第2の使用状態について、
図4を参照しながら説明する。
図4(a)は実施例1に係るベッドサイド用収容具を構成する第2の取付部材の側面図であり、
図4(b)は実施例1に係るベッドサイド用収容具の第2の使用状態を示す斜視図である。なお、
図1乃至
図3、及び
図10で説明した構成要素と同一の構成要素は、
図4においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図4(a)及び
図4(b)に示すように、第2の取付部材4の第1の係着手段10が接続部9(
図3参照)と分離される場合に、マットレス100bを備えるベッド100のサイドフレーム100aによって支持されるベッド柵101の横フレーム101aに、第2の係着手段11を内側に、かつ第3の係着手段12を外側にした状態で、第2の取付部材4を巻回することができる。このとき、第2の係着手段11と第3の係着手段12が係着し合うことで、ポケット部2のみが横フレーム101aから吊り下げられる。なお、板状のヘッドボード100c及びフットボード100dが、それぞれベッド柵101と同様に柵状であった場合には、ポケット部2をこれらから吊り下げることもできる。
【0039】
実施例1に係るベッドサイド用収容具1においては、
図3に示すように、クロス7が固定部8によって第1の端面51aに掛止される場合、第2の取付部材4を介し、ポケット部2が天板部51を支持体としてベッドテーブル50の側面に沿って吊り下げられる。したがって、収容部6a〜6eに収容された物品はベッドテーブル50の側面に沿って保持される。
また、
図4に示すように、ポケット部2が第2の取付部材4のみによってベッド柵101から吊り下げられるとき、収容部6a〜6eに収容された物品は、ベッド柵101の側面に沿って保持される。
このとき、クロス7は、天板部51を被覆したままでも良いし、また天板部51から取り外されても良い。
【0040】
以上説明したように、本実施例に係るベッドサイド用収容具1によれば、ポケット部2をベッドテーブル50又はベッド柵101のいずれにも、取り付けることができる。しかも、ベッドテーブル50又はベッド柵101間の移動は、第1乃至第3の係着手段10〜12の係着を解除したり、係着させる相手を変更して再度係着させるという簡易な操作によって可能になることから、使い勝手が極めて良好である。
また、クロス7は、ポケット部2と同時の他、単独で取り扱うことができるので、例えば、クロス7のみを洗濯したい場合に、収容部6a〜6eに収容された物品を取り出す必要がないので、常にクロス7の清潔さを維持することができる。
さらに、ポケット部2をベッドテーブル50又はベッド柵101のいずれに取り付けた場合であっても、収容部6a〜6eの出し入れ口6a´〜6e´を介して物品を直接視認可能であるから、目的の物品を瞬時に取り出すことができる。
【0041】
また、クロス7は、湾曲部Wによって天板部51の第1の端面51aに掛止されることから、クロス7の着脱が容易であるとともに、収容部6a〜6eに収容された物品が第2の端面51bの下方へずり下がることを防止できる。すなわち、湾曲部Wとポケット部2が互いに相乗効果を発揮し、ベッドサイド用収容具1全体のずれを確実に防止することができる。
さらに、ベッドサイド用収容具1によれば、ポケット部2が天板部51の側面から吊り下げられることから、マットレス100b上の患者の膝等がポケット部2に衝突することがない。そのため、ストレスなくベッドサイド用収容具1を使用することができる。
このように、ベッドサイド用収容具1は、ベッド上における負担を軽減し、利便性を向上することができるので、病院の入院患者や介護施設の入居者が利用するのに最適である。また、今後、高齢化社会に伴い入院患者等が一層増加することから、多くのベッドサイド用収容具1の導入を期待できる。
【0042】
続いて、実施例1に係る第1及び第2の変形例について、
図5を参照しながら詳細に説明する。
図5(a)及び
図5(b)は、それぞれ実施例1の第1の変形例に係るベッドサイド用収容具を構成する第2の取付部材の側面図及びその使用状態を示す側面図である。なお、
図1乃至
図4、及び
図10で説明した構成要素と同一の構成要素は、
図5においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図5(a)に示すように、実施例1の第1の変形例に係るベッドサイド用収容具1aにおいては、第2の取付部材4の他端4dに設けられる第3の係着手段12が、一面4aではなく他面4bに設けられる。ベッドサイド用収容具1aにおけるこの他の構成は、実施例に係るベッドサイド用収容具1と同様である。
したがって、
図5(b)に示すように、ベッド柵101の横フレーム101aに、第2の係着手段11と第3の係着手段12を対向させた状態で、第2の取付部材4を巻回することができる。このとき、第2の係着手段11と第3の係着手段12が係着し合うことで、ポケット部2のみが横フレーム101aから吊り下げられる。
【0043】
そして、実施例1に係る第3の変形例について、
図6を参照しながら詳細に説明する。
図6(a)は実施例1の第2の変形例に係るベッドサイド用収容具を構成する第2の取付部材の側面図であり、
図6(b)は第3の変形例に係るベッドサイド用収容具を構成する第2の取付部材の側面図である。なお、
図1乃至
図5、及び
図10で説明した構成要素と同一の構成要素は、
図6においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図6(a)に示すように、実施例1の第2の変形例に係るベッドサイド用収容具1bにおいては、接続部13が、クロス7の裏面7b側に設けられる。また、
図2に示したのと同様に、第2の取付部材4の一端4cには、第1の係着手段14が一面4aに設けられるとともに、第2の係着手段15が他面4bに設けられる。
さらに、他端4dには、第3の係着手段16が一面4aに設けられるとともに、第4の係着手段17が他面4bに設けられる。この第4の係着手段17は、基体5の上縁に設けられる第5の係着手段18に分離可能に係着される。なお、接続部13と、第1乃至第5の係着手段14〜18は、いずれも面ファスナである。
【0044】
したがって、接続部13と第1の係着手段14の係着を解除後に、ベッド柵101の横フレーム101aに、第2の係着手段15を内側に、かつ第3の係着手段16を外側にした状態で、第2の取付部材4を巻回し、第2の係着手段15と第3の係着手段16が係着し合うことで、
図4(a)に示したのと同様に、ポケット部2のみが横フレーム101aから吊り下げられる。
ベッドサイド用収容具1bにおけるこの他の構成及び作用は、実施例1に係るベッドサイド用収容具1と同様である。
【0045】
図6(b)に示すように、実施例1の第3の変形例に係るベッドサイド用収容具1cにおいては、第3の係着手段16は、第2の取付部材4の他面4bに設けられる。ベッドサイド用収容具1cにおけるこの他の構成は、実施例1の第2の変形例に係るベッドサイド用収容具1bと同様である。
したがって、接続部13と第1の係着手段14の係着を解除後に、横フレーム101aに、第2の係着手段15と第3の係着手段16を対向させた状態で、第2の取付部材4を巻回することができる。
ベッドサイド用収容具1cにおけるこの他の作用は、実施例1の第2の変形例に係るベッドサイド用収容具1bと同様である。
【0046】
以上述べたように、実施例1の第1乃至第3の変形例に係るベッドサイド用収容具1a〜1cによれば、第1乃至第3の係着手段14〜16等の種類や配置を変化させた場合であっても、クロス7又はベッド柵101のいずれに対してもポケット部2を取り付けることができる。特に、第2及び第3の変形例に係るベッドサイド用収容具1b,1cによれば、接続部13と、第1乃至第3の係着手段14〜16等が面ファスナであるため、より手軽にポケット部2をクロス7又は第2の取付部材4へ取り付け又は取り外し可能である。
ベッドサイド用収容具1a〜1cにおけるこの他の効果は、実施例1に係るベッドサイド用収容具1と同様である。
【実施例2】
【0047】
本発明の実施の形態に係る実施例2のベッドサイド用収容具について、
図7(a)及び
図7(b)を参照しながら説明する。
図7(a)及び
図7(b)は、それぞれ実施例2に係るベッドサイド用収容具の平面図及びその変形例の平面図である。なお、
図1乃至
図6、及び
図10で説明した構成要素と同一の構成要素は、
図7(a)及び
図7(b)においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図7(a)に示すように、実施例2に係るベッドサイド用収容具19においては、クロス20は、天板部51の上面を被覆する被覆部20bと、天板部51の第3の端面51cと第4の端面51d(
図10(a)参照)にそれぞれ直交する方向X(すなわち、クロス20の短手方向に相当する。)へ延設されることで、天板部51の下面において互いに連結可能な一対の連結片20a,20aが形成される。この一対の連結片20a,20aは、被覆部20bが天板部51を被覆する際に、天板部51の第2の端面51b寄りとなるよう、クロス20の長手方向Yの中央部から離れた位置に形成される。
また、固定部21は、湾曲部Wの代わりに、一対の連結片20a,20aにそれぞれ設けられ、かつ互いに係合可能な係合部K,Kである。なお、係合部K,Kは、それぞれ面ファスナである。
【0048】
したがって、クロス20は、一対の連結片20a,20aがX方向に沿って天板部51を周回し、かつ係合部K,K同士が係合することで、天板部51に固定される。ベッドサイド用収容具19におけるこの他の構成及び作用は、実施例1に係るベッドサイド用収容具1と同様である。
【0049】
次に、
図7(b)に示すように、実施例2の変形例に係るベッドサイド用収容具19aにおいては、一対の連結片20a,20aは、被覆部20bが天板部51を被覆する際に、天板部51の長手方向の中央部に位置するよう、クロス20の長手方向Yの中央部付近に形成される。
さらに、第2の取付部材4は、クロス20の長手方向Yの中央部から離れた被覆部20bの両端面に形成されるので、ポケット部2をこれら両端面の少なくともいずれか一方に接続することができる。ベッドサイド用収容具19aにおけるこの他の構成及び作用は、実施例2に係るベッドサイド用収容具19と同様である。
【0050】
以上説明したように、実施例2及びその変形例に係るベッドサイド用収容具19,19aによれば、クロス20は、X方向に沿って天板部51を周回し、かつ係合部K,K同士が係合することで、天板部51へ固定されるので、ベッドサイド用収容具19,19a全体のずれを、実施例1のベッドサイド用収容具1よりも一層確実に防止することができる。また、支柱52の本数や天板部51に対する設置位置に対応できるよう、一対の連結片20a,20aを被覆部20bに対して変化させたものを製造することで、様々な構成のベッドテーブル50にベッドサイド用収容具19,19aを取 り付けることができる。
【実施例3】
【0051】
本発明の実施の形態に係る実施例3のベッドサイド用収容具について、
図8(a)及び
図8(b)を参照しながら説明する。
図8(a)及び
図8(b)は、それぞれ実施例3に係るベッドサイド用収容具を構成するクロスの斜視図及び
図8(a)におけるC方向矢視図である。なお、
図1乃至
図7、及び
図10で説明した構成要素と同一の構成要素は、
図8(a)及び
図8(b)においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図8(a)及び
図8(b)に示すように、実施例3に係るベッドサイド用収容具22においては、ベッドテーブル50が、天板部51の縁部(例えば、第2の端面51b)近傍の一箇所を支持する1本の支柱52を備える場合に、クロス23は、支柱52の周囲を締め付け可能な伸縮性の開口部24を備える袋状に形成されることで、その内部へ開口部24を介して天板部51を収容可能である。
また、固定部25は、開口部24の周辺に設けられ、支柱52を挟持する挟持部材である。具体的には、固定部25は、開口部24を拡張及び縮小可能に、開口部24に沿って取り付けられた環状のゴム状体である。
さらに、第2の取付部材4が接続される接続部26が、開口部24の周辺に設けられている。
【0052】
したがって、ベッドサイド用収容具22においては、固定部25を伸展させて開口部24を拡張させた場合に、クロス23が天板部51を収容可能、又はクロス23を天板部51から取り外し可能である。また、クロス23の内部へ天板部51を収容した場合では、固定部25を収縮させて開口部24を縮小させ、かつ支柱52を挟持することで、クロス23が天板部51に固定される。そして、接続部26が、開口部24の周辺に設けられていることから、第2の取付部材4を介してクロス23と連結されるポケット部2が、天板部51を支持体として吊り下げられる。
ベッドサイド用収容具22におけるこの他の構成及び作用は、実施例1に係るベッドサイド用収容具1と同様である。
【0053】
以上説明したように、実施例3に係るベッドサイド用収容具22によれば、固定部25を伸展又は収縮させて開口部24を拡張又は縮小させるという簡単な手順により、クロス23を手早く天板部51に固定又は取り外しすることができる。前者のとき、固定部25が支柱52を挟持するので、クロス23がずれ動いてポケット部2が下降したり、傾斜したりすることを防止できる。したがって、安定的に収容部6a〜6eに収容した物品を保持可能である。
ベッドサイド用収容具22におけるこの他の効果は、実施例1に係るベッドサイド用収容具1と同様である。
【実施例4】
【0054】
本発明の実施の形態に係る実施例4のベッドサイド用収容具について、
図9を参照しながら説明する。
図9(a)及び
図9(b)は、それぞれ実施例4に係るベッドサイド用収容具の斜視図及びその使用状態を示す斜視図である。なお、
図1乃至
図8、及び
図10で説明した構成要素と同一の構成要素は、
図9においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図9(a)に示すように、実施例4に係るベッドサイド用収容具27においては、実施例1に係るベッドサイド用収容具1における第1の取付部材3が、第1の取付部材28へ置換されたものである。この第1の取付部材28は、基体5を天板部51に固定するゴム製ベルトであって、その両端が基体5へ縫着されている。
図9(b)に示すように、このような構成のベッドサイド用収容具27においては、第1の取付部材28を床頭台54のスライドテーブル56に掛止すると、ポケット部2の基体5がスライドテーブル56から吊り下げられる。また、第1の取付部材28をスライドテーブル56から取り外した後、第2の取付部材4をベッド柵101に巻回すると、基体5がベッド柵101から吊り下げられる。
ベッドサイド用収容具27におけるこの他の構成及び作用は、実施例1に係るベッドサイド用収容具1と同様である。
【0055】
以上説明したように、実施例4に係るベッドサイド用収容具27によれば、第1の取付部材28をスライドテーブル56に掛止又は第2の取付部材4をベッド柵101に巻回させることにより、ベッドサイド用収容具27をスライドテーブル56とベッド柵101の間で自在に移動させることができる。また、第1の取付部材28は、安価かつ容易に入手可能なゴム製ベルトであるため、実施例1に係るベッドサイド用収容具1よりも、製造コストを抑制することができる。
ベッドサイド用収容具27におけるこの他の効果は、実施例1に係るベッドサイド用収容具1と同様である。
【0056】
なお、本発明のベッドサイド用収容具1,1a〜1cは本実施例に示すものに限定されない。例えば、クロス7の代わりに、天板部51の第2の端面51bを挟持するクランプが使用されても良い。また、第2の取付部材4は、布材以外にも柔軟性を有する合成樹脂材で形成されても良い。さらに、クロス7は、湾曲部Wと接続部9が備えられる限り、長方形以外の多角形状や円形状、だ円形状に形成されても良い。そして、収容部6eは、側壁にティッシュペーパーを1枚ずつ取り出し可能なスリットが形成された、底部を有する袋状に形成されても良い。
【0057】
次に、本発明のベッドサイド用収容具19,19aも本実施例に示すものに限定されない。例えば、係合部K,Kは、それぞれ面ファスナ以外に、点ファスナや紐状体、又はワンタッチで係合可能なバックルが使用されても良い。
さらに、本発明のベッドサイド用収容具22も本実施例に示すものに限定されない。例えば、クロス23の内側に、シリコンやゴムによるエンボス加工がなされてクロス23の滑り止め作用が発揮される他、固定部25は環状のゴム状体である以外に、布製の紐状体や金属製の支柱52に吸着されるマグネットが使用されても良い。
そして、本発明のベッドサイド用収容具27も本実施例に示すものに限定されない。例えば、第1の取付部材28は、弾性を有するゴム製ベルトの代わりに、布製の紐状体や弾性を有しないプラスチック製や金属製のチェーン、又はスライドテーブル56を挟持するクランプがそれぞれ適切な方法で基体5に対し取り付けられても良い。