【解決手段】本発明の一形態に係る表示標識灯は、光出射部材と、光源と、保持部材と、を有する。上記光出射部材は、光出射部と、柱状の導光部と、を有する。上記光出射部は、支持体の第1の主面に取り付け可能に構成される。上記導光部は、上記光出射部に接続された第1の端部と、上記第1の端部とは反対側の第2の端部と、を有し、上記支持体を貫通する。上記光源は、前記第2の端部に対向する。上記保持部材は、上記第1の主面とは反対側の第2の主面に取り付け可能に構成された本体部と、上記本体部に設けられ上記第2の端部に係止する第1の係止部と、上記光源を保持する保持部と、を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開閉表示灯を車両の内面に取り付ける方法としては、車体に長角穴を開け、取付け用のネジ座等を用いて固定する方法が知られている。しかしながら、このような方法では作業が大掛かりとなり、車体に対する加工負荷が大きくなる課題がある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、車両の内面に取り付ける際に作業が大掛かりにならず、車体に対する加工負荷を軽減可能な表示標識灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る表示標識灯は、光出射部材と、光源と、保持部材と、を有する。
上記光出射部材は、光出射部と、柱状の導光部と、を有する。
上記光出射部は、支持体の第1の主面に取り付け可能に構成される。
上記導光部は、上記光出射部に接続された第1の端部と、上記第1の端部とは反対側の第2の端部と、を有し、上記支持体を貫通する。
上記光源は、前記第2の端部に対向する。
上記保持部材は、上記第1の主面とは反対側の第2の主面に取り付け可能に構成された本体部と、上記本体部に設けられ上記第2の端部に係止する第1の係止部と、上記光源を保持する保持部と、を有する。
【0007】
この構成によれば、支持体に形成された取付け孔を介して保持部材が光出射部材を保持し、当該保持部材が光源も保持する。
【0008】
つまり、上記表示標識灯の光出射部材及び光源は、車両に取付け孔を形成する簡単な施工だけで車両に取り付けられる。換言すると、本発明では、表示標識灯を車両に取り付ける上で必要とされる施工が、車両に取付け孔を形成する加工に限定される。
【0009】
従って、本発明により、車両に取り付ける際に作業が大掛かりにならず、車体に対する加工負荷を軽減可能な表示標識灯を提供することができる。
【0010】
上記第2の端部は、上記導光部の短手方向に突出する凸部を有し、
上記第1の係止部は、上記凸部に係止可能に構成された第1の突起部を有してもよい。
これにより、凸部が第1の突起部に係止することで、光出射部材が保持部材に保持される。
【0011】
上記光源は、回路基板と、上記回路基板上に設けられた発光素子とを有し、
上記保持部は、上記回路基板を貫通し、上記回路基板に係止可能に構成された第2の係止部を有してもよい。
これにより、回路基板が第2の係止部に係止することで、光源が保持部材に保持される。
【0012】
上記回路基板は、上記第2の係止部に挿通される貫通孔を有し、
上記第2の係止部は、上記貫通孔の径外方へ突出し、上記回路基板に係止する第2の突起部を有してもよい。
これにより、光源の導光部から離間する方向への移動が阻止され、光源をより強固に位置決めすることが可能となる。
【0013】
上記光源は、複数の発光素子を有し、
上記光出射部材は、上記複数の発光素子各々に対向する複数の導光部を有し、
上記保持部材は、上記複数の導光部各々に係止する複数の第1の係止部を有してもよい。
これにより、装置構成を複雑にせずに、所望とする光度を確保することが可能となる。
【0014】
上記光出射部と上記保持部材との間に設けられたスペーサをさらに具備してもよい。
これにより、支持体の厚みや導光部の長手方向の寸法に依存せずに、支持体に対して光出射部材と保持部材とを位置決めすることが可能となる。
【0015】
上記保持部材は、カバー部をさらに有してもよい。上記カバー部は、上記本体部に接続され、上記第2の主面側から上記光源及び上記本体部を覆う。
これにより、回路基板に異物等が混入、付着することが抑制され、回路基板が剥き出しなることに伴う不具合が解消される。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、車両の内面に取り付ける際に作業が大掛かりにならず、車体に対する加工負荷を軽減可能な表示標識灯を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係る表示標識灯100が車両1に取り付けられた状態の一例を示す図である。また、
図2は表示標識灯100の分解図であり、
図3は
図2のA−A線の断面図である。なお、以下の図においてX軸,Y軸及びZ軸方向は相互に直交する3軸方向である。
【0020】
<表示標識灯の構成>
表示標識灯100は、
図1に示すように、例えば鉄道等の車両のドア近傍に設置される開閉表示灯(開閉予告灯)である。表示標識灯100は、
図2及び
図3に示すように、光出射部材110と、光源120と、保持部材130と、を有する。
【0021】
[光出射部材]
光出射部材110は、光出射部111と導光部112とを有する。
【0022】
(光出射部)
光出射部111は板状形状を有し、支持体Sの第1主面S1に対向する。光出射部111は、支持体Sに取り付け可能に構成される。
【0023】
ここで、本実施形態の支持体Sとは、
図1に示すように、例えばドアエンジン等が収容されている筐体Bの一部であり、開閉ドア2の鉛直上方に設けられたキセ板である。
【0024】
支持体Sには
図2及び
図3に示すように、第1主面S1と、第1主面S1とは反対側の第2主面S2とを連通させる取付け孔H1が、Y軸方向に所定の間隔を空けて複数形成されている。取付け孔H1の形状や数は、特に限定されず、導光部112の形状や数に対応して適宜決定可能である。
【0025】
光出射部111は、第1主面S1に対向する対向面111aとその反対側の光出射面111bとを有する。対向面111aは第1主面S1に当接する平坦な面である(
図10参照)。
【0026】
図4は、光出射部111をZ軸方向から見た平面図である。本実施形態において光出射部111の周縁部は、対向面111a側から光出射面111bに向かって、光出射部111のY軸方向の寸法D1を漸少させ、Y軸方向に互いに対向するテーパー面T1を有する。また、光出射部111のX軸方向の寸法D2を漸少させ、X軸方向に互いに対向するテーパー面T2を有する。
【0027】
光出射面111bは、導光部112を介して伝送された光を外部へ照射する。光出射面11bには
図2に示すように、拡散部111cが設けられてもよい。これにより、光出射部111は、導光部112を介して入射した光源120(発光素子122)由来の照明光を、光出射面111bの面内において拡散させることが可能となる。
【0028】
拡散部111cは、例えばプリズム状に加工することにより形成された複数の凸部から構成される。なお、拡散部111cの加工形状はプリズム状に限定されず、球状又は格子状等その種類は問わない。また、拡散部111cはプリズム加工が施されたプリズムシート等であってもよい。
【0029】
光出射部111の形状は典型的には矩形状であり、X軸方向の寸法D1が約70mm、Y軸方向の寸法D2が約20mmである。また、Z軸方向の厚みD3は、約5mmである。なお、光出射部111の形状は矩形状に限定されず、例えば三角や円形、あるいは楕円形状等その種類は問わない。
【0030】
光出射部111の材料としては、透明性あるいは透光性を有する材料、典型的にはメタクリル樹脂(PMMA)が採用されるが、これに限られず、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂又はガラス材料等が採用されてもよい。
【0031】
(導光部)
導光部112は円柱状に構成され、第1端部112aと第2端部112bとを有する。第1端部112aは、光出射部111の対向面111aに接続されている。第2端部112bはZ軸方向(光源120が照明光を出射する方向)に光源120(発光素子122)に対向する。第2端部112bは、光源120からの出射光が入射する光入射部として機能する。
【0032】
本実施形態では、第1端部112aは光源120(発光素子122)と接触していてもよい。この場合、第1端部112aは、例えば光透過性のある接着剤を介して光源120(発光素子122)に接合される。これにより、第1端部112aと光源120との間に空気層が介在することを回避できるので、第1端部112aから導光部112内部への光源光の入射効率が高められる。
【0033】
また、導光部112は、光出射部111と一体的又は別体的に形成されてもよいが、生産性の観点から一体的に形成されていることが好ましい。光出射部111及び導光部112は、典型的には同一の透明プラスチック材料で一体成形された成形部品で構成される。
【0034】
さらに、導光部112は
図3に示すように、Y軸方向に所定の間隔を空けて光出射部111に複数設けられる。ここで、導光部112は、取付け孔H1と光源120(発光素子122)とZ軸方向に対向するように対向面111aに設けられる。なお、導光部112の数は、発光素子122の数に応じて適宜決定され、本実施形態では2本である。
【0035】
本実施形態の導光部112は、光源120(発光素子122)が光出射部111側に出射した照明光を、内部で全反射させながら光出射部111へ誘導する機能を有する。これにより、光出射部111に向けて必要光度の照明光を効率良く導くことができ、光源120の光の利用効率を向上させることが可能となる。
【0036】
図5は、導光部112の拡大図である。導光部112は
図5に示すように、凸部112cが一体的に形成されている。凸部112cは、導光部112の第2端部112bにおける周面に連続的に形成され、当該周面から導光部112の径外方へ突出している。
【0037】
凸部112cは、導光部112のZ軸方向上端から対向面111aに向かって直径を漸増させるテーパー面F1と、テーパー面F1に接続され、Z軸方向に平行な平面F3と、平面F3に接続され、導光部112の直径をZ軸方向上端側から対向面111aに向かって漸少させるテーパー面F2とを有する。
【0038】
図6は、導光部112の拡大図であり、凸部112cが採り得る他の形態を示す図である。本実施形態の凸部112cは、同図に示すように、曲面から構成されてもよい。
【0039】
この場合、凸部112cはその断面形状において、導光部112の第2端部112bから外周面に向かって連続する曲面から構成される。この曲面は、曲率半径R1を有する円の一部を構成する円弧とすることができる。曲率半径R1は特に限定されず、例えば0.5mm程度である。
【0040】
なお、上記曲面は、一定の曲率で構成される場合に限られず、曲率半径の異なる複数の円弧を含んでもよい。この場合、曲面の曲率半径R1は、例えば0.5〜1.5mmの範囲内に設定される。
【0041】
導光部112の直径D4は7〜8mm程度である。また、導光部112の凸部112cを含む最大径D5は、後述する第1係止部133の最小内径D11(
図9参照)より大きければ特に限定されず、本例では8〜9mm程度である。
【0042】
導光部112は、典型的にはアクリル樹脂(PMMA)から構成されるが、これに限られず、上記で列挙した材料から構成されてもよい。また、導光部112は光出射部111と同一の材料から構成されてもよく、異なる材料から構成されてもよい。
【0043】
導光部112は、典型的には円柱形状であるが、これに限られず、例えば三角柱や矩形柱等その種類は問わない。
【0044】
[光源]
図7は、光源120をZ軸方向から見た平面図である。光源120は、回路基板121と発光素子122とを有する。
【0045】
(回路基板)
回路基板121はY軸方向の両端において、表裏面を連通させる複数の貫通孔H2を有する。貫通孔H2の数は、後述する保持部134の数に応じて適宜決定され、本実施形態では2つである。また。回路基板121は、主面S4に設けられたコネクタCを介して配線Lに接続される(
図10参照)。
【0046】
回路基板121は、典型的にはプリント基板である。プリント基板の種類は特に限定されず、例えば、リジット基板等が採用される。
【0047】
(発光素子)
発光素子122は、
図3に示すように、支持体Sの第2主面S2に対向する回路基板121の主面S3に複数実装される。発光素子122は導光部112の第2端部112bにZ軸方向に対向し、第2主面S2側から第2端部112bに向かって照明光を出射可能に構成される。
【0048】
発光素子122は、例えばLED(Light Emitting Diode)素子とすることができる。この場合、LED素子の種類は特に限定されず、例えば砲弾タイプやFLUXタイプ、あるいは、表面実装タイプ(SMD)やCOB(Chip On Board)タイプ等が採用されてもよい。
【0049】
回路基板121上に実装される発光素子122の数は特に限定されず、本実施形態では4つであり、1つの導光部112に対して2つずつ対向する。発光素子122が出射する照明光の色も特に限定されず、表示標識灯100の仕様及び用途に応じて適宜決定され、例えば白色、黄色、緑色、青色、赤色又は橙色等であってもよい。
【0050】
[保持部材]
保持部材130は、本体部131とカバー部132とを有する。
【0051】
(本体部)
本体部131は支持体Sと光源120との間に配置され、支持体Sの第2主面S2に対向する。本体部131は、台座部131aと、第1係止部133と、保持部134とを有する。
【0052】
台座部131aは、周面を有する浅皿形状に形成され、切欠き131bと、受け部131cとを有する。切欠き131bは、光源120側から第2主面S2側に向かって、台座部131aのY軸方向側面に形成される。切欠き131bは、後述するカバー部132に形成された切欠き132bと保持部材130の貫通孔を構成する。
【0053】
本実施形態では、コネクタCに接続された配線Lが、切欠き131b,132bとで構成される保持部材130の貫通孔を介して、本体部131とカバー部132とで区画された保持部材130の収容空間から外部に引き出される(
図10参照)。
【0054】
受け部131cは、台座部131aの周面に形成され、台座部131aの周面から外側に突出する。受け部131cは、台座部131aの周面に一体的に形成されており、表示標識灯100を組み立てた際のカバー部132の受け部として機能する(
図10参照)。
【0055】
台座部131aは典型的にはABS樹脂から構成されるが、これに限られず、例えばトリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂又はアクリル樹脂等から構成されてもよい。なお、台座部131aは、透明であってもよいし、不透明であってもよい。
【0056】
第1係止部133は、発光素子122とZ軸方向に対向する位置において複数設けられ、台座部131aの底部と一体的に形成される。第1係止部133の数は特に限定されず、導光部112の数に応じて適宜決定可能であり、本実施形態では2つである。
【0057】
第1係止部133は、支持体Sの第2主面S2に対向する本体部131の主面S5から、光源120側へ突出する円筒形状に構成される。第1係止部133の内壁面133c(壁部133aの内壁面133c)には、光源120側のZ軸方向上端において、Z軸周りに第1突起部133bが一体的に形成されている。
【0058】
図8は本体部131の第1係止部133及び保持部134周辺の拡大断面図であり、
図9は第1係止部133をZ軸方向から見た平面図である。
【0059】
第1突起部133bは第1係止部133の径内方へ突出し、第1係止部133の内径を上端部から主面S3に向かって漸少させるテーパー面F4と、テーパー面F4に接続され、Z軸方向に平行な平面F5と、平面F5に接続され、第1係止部133の内径を平面F5から主面S6に向かって漸増させるテーパー面F6とを有する。
【0060】
本実施形態の第1係止部133には、
図8及び
図9に示すように、Z軸方向に沿って上端部から主面S5にかけて複数の切欠きRが形成されている。これらの切欠きRは、
図9に示すように、X及びY軸方向に相互に対向している。
【0061】
このため、第1係止部133は、Z軸周りに間欠的且つ一体的に台座部131aに形成された複数の壁部133aからなる構成となる。壁部133aは第1係止部133の周方向に4つ形成され、第1突起部133bを有し、本体部131の主面S5から光源120側へ突出している。
【0062】
第1係止部133に形成される切欠きRは、第1突起部133bの径外方への所望とする弾性力が得られる数、幅、深さに形成される。また、切欠きRの形状は
図8に示すような矩形状に限定されず、三角状等その種類は問わない。
【0063】
第1係止部133の内径D7は、導光部112の最大径D5と同程度かそれ以上である。第1係止部133の最小内径D11(一軸方向に互いに対向する平面F5間の距離)は、導光部112の最大径D5よりも小さい。
【0064】
本実施形態の第1係止部133の最小内径D11は、導光部112の最大径D5よりも小さければ特に限定されないが、導光部112の直径D4と同程度であることが好ましい。
【0065】
第1係止部133は、典型的には台座部131aを構成する材料と同一の材料から構成されるが、これに限られず、異なる種類の材料から構成されてもよい。
【0066】
保持部134は、回路基板121の貫通孔H2とZ軸方向に対向する位置において複数設けられ、台座部131aと一体的に形成される。保持部134の数は特に限定されず、貫通孔H2の数に応じて適宜決定可能であり、本実施形態では2つである。
【0067】
本実施形態の保持部134は、柱状部134aと、第2係止部134bとから構成される。
【0068】
柱状部134aは、台座部131aの主面S6から光源120側へ突出する円柱である。勿論、柱状部134aは円柱に限定されず、三角柱や矩形柱等その種類は問わない。
【0069】
第2係止部134bは、Y軸方向に所定の間隔を空けて柱状部134aに一体的に形成され、柱状部134aからZ軸方向に突出する一対の板状部から構成される。
【0070】
第2係止部134bのY軸方向の寸法D9(板状部間のY軸方向における最大距離)は、特に限定されないが、回路基板121の貫通孔H2の内径D6と同程度であることが好ましい。
【0071】
本実施形態の第2係止部134bは、
図8に示すように、第2突起部134cを有する。第2突起部134cは、第2係止部134bのZ軸方向上端部近傍において、第2係止部134bを構成する板状部と一体的に形成されている。
【0072】
第2突起部134cは、貫通孔H2の径外方へ突出している。ここで、Y軸方向における第2突起部134c間の距離D10(第2係止部134bのY軸方向の最大寸法)は、回路基板121の貫通孔H2の内径H6よりも大きい。
【0073】
第2係止部134bを構成する板状部の数は、
図8に示す数に限定されず、適宜決定可能であり、2つ以上であってもよい。また、保持部134は、典型的には台座部131aを構成する材料と同一の材料から構成されるが、これに限られず、異なる材料から構成されてもよい。
【0074】
(カバー部)
カバー部132は、光源120よりZ軸方向上方に配置され、支持体Sの第2主面S2に対向する。カバー部132は、光源120側に向かって開口する収容空間132dを有する筐体として構成される。
【0075】
カバー部132は、本体部131に形成された切欠き131bとZ軸方向に対向する位置において、Y軸方向側面に切欠き132bを有する。この切欠き132bは、
図2に示すように、上記Y軸方向側面の下端部から上端部に向かって形成されている。
【0076】
本実施形態のカバー部132は、ヒンジHを介して本体部131に接続されている。ここで、ヒンジHの一端はカバー部132と一体的に接続され、他端が本体部131に挿入されている。カバー部132及びヒンジHは、典型的には同一の材料で一体成形された成形部品で構成される。
【0077】
カバー部132は、第2主面S2側から光源120及び本体部131を覆うことができる(
図10参照)。これにより、カバー部132は、収容空間132aと、本体部131の収容空間131dとで光源120を収容する空間を区画することが可能となる。
【0078】
従って、回路基板121に異物等が混入、付着することが抑制され、回路基板121が剥き出しになることに伴う不具合が解消される。
【0079】
カバー部132は典型的には、台座部131aを構成する材料と同一の材料から構成されるが、これに限られず、異なる材料から構成されてもよい。
【0080】
<取り付け方法>
次に、表示標識灯100を支持体Sに取り付ける方法について説明する。
図10は、表示標識灯100の断面図であり、表示標識灯100を支持体Sに取り付けた状態を示す図である。なお、表示標識灯100を支持体Sに取り付ける方法は、以下で説明する方法に限定されるものではない。
【0081】
先ず、回路基板121の貫通孔H2に主面S3側から第2係止部134bを挿通させ、回路基板121を第2係止部134bに係止させる。
【0082】
ここで、本実施形態の第2係止部134bは弾性変形可能に構成されている。これにより、第2係止部134bは、貫通孔H2の径内方に変形可能となる。従って、貫通孔H2に第2係止部134bを挿通させる際に、第2係止部134bに加えられる応力が貫通孔H2の径内方へ逃げやすくなる。
【0083】
特に、第2係止部134bはテーパー面F7を有するため、貫通孔H2の周縁がテーパー面F7に当接する。これにより、テーパー面F7が貫通孔H2に第2係止部134bを挿通する際の逃げ面として機能し、上記効果がより顕著となる。
【0084】
即ち、本実施形態では、第2係止部134bが弾性変形可能であり、且つ、テーパー面F7を有することにより、貫通孔H2に第2係止部134bを挿通させやすくなる。ゆえに、表示標識灯100の組立性が向上する。
【0085】
また、第2係止部134bが回路基板121に係止している状態においては、第2突起部134cが回路基板121の主面S4に当接し、貫通孔H2の内周面が第2係止部134bを構成する板状部によりY軸方向に押圧される。
【0086】
これにより、第2突起部134cが貫通孔H2の周縁に引っ掛かるだけではなく、第2係止部134bが貫通孔H2の内周面を径外方へ常に付勢するものとなる(
図12参照)。従って、光源120の導光部112から離間する方向への移動が阻止され、保持部134に光源120がより強固に位置決めされるものとなる。
【0087】
次に、第2係止部134bに回路基板121が係止している保持部材130を、発光素子122が支持体Sの取付け孔H1とZ軸方向に対向するように、支持体Sの第2主面S2に載置する。次いで、対向面111aが第1主面S1に当接するまで、第1係止部133に導光部112を挿通させ、凸部112cを第1係止部133に係止させる。
【0088】
本実施形態では、光出射部111の対向面111aが支持体Sの第1主面S1に当接し、本体部131の主面S5が支持体Sの第2主面S2に当接する位置において、第1突起部133bと凸部112cとが係合するように設計されている。
【0089】
これにより、支持体Sに保持部材130と光出射部材110が当接している状態が維持され、支持体Sに対して保持部材130と光出射部材110がガタツキなく保持されるものとなる。また、支持体Sの第1主面S1と光出射部111の対向面111aとの間の隙間がなくなるため、当該隙間に異物等が混入することが防止される。
【0090】
本実施形態の複数の壁部133aは、弾性変形可能に構成されている。これにより、複数の壁部133aは、互いに離間する方向に放射状に変形可能となる。従って、第1係止部133に導光部112を挿通させる際に、第1係止部133に加えられる応力が第1係止部133の径外方へ逃げやすくなる。従って、第1係止部133に導光部112を挿通させやすくなり、表示標識灯100の組立性が向上する。
【0091】
特に、第1突起部133bはテーパー面F6を有するため、主面S5側から第1係止部133に導光部112を挿通させる際に、凸部112cのテーパー面F1がテーパー面F6に当接する。これにより、テーパー面F6が第1係止部133に導光部112を挿通する際の逃げ面として機能するため、上記効果がより顕著となる。
【0092】
また、凸部112cが第1係止部133に係止している状態においては、凸部112cのテーパー面F2と第1突起部133bのテーパー面F4とが当接し、第1突起部133bの平面F5が凸部112c近傍の導光部112の外周面を挟圧している(
図12参照)。
【0093】
これにより、凸部112cが第1突起部133bに引っ掛かるだけではなく、導光部112が第1係止部133にY軸方向に挟圧される。従って、導光部112の光源120から離間する方向への移動が阻止され、より強固に光出射部材110が保持部材130に保持される。よって、保持部材130から光出射部材110が抜け落ちることが防止される。
【0094】
<表示標識灯の他の構成>
図11は、表示標識灯100の他の構成を示す断面図であり、表示標識灯100を支持体Sに取り付けた状態を示す図である。
図12は、
図11の第1及び第2係止部133,134b周辺の拡大断面図である。
【0095】
支持体Sに取り付けられた状態の表示標識灯100では、導光部112が第1係止部133を挿通し、導光部112の凸部112cが第1係止部133に係止している。これにより、第1係止部133に導光部112が支持される。つまり、保持部材130が光出射部材110を支持するものとなる。
【0096】
また、第2係止部134bにおいては、回路基板121の貫通孔H2を挿通し、回路基板121が第2係止部134bに係止している。これにより、回路基板121が本体部131よりZ軸方向上方において第2係止部134bに保持される。つまり、保持部134が光源120を保持するものとなる。
【0097】
ここで、本実施形態の本体部131は、台座部131aと、第1係止部133と、保持部134との一体物として構成される。即ち、光出射部材110と光源120とが同一部品(本体部131)に保持される。これにより、光出射部材110と、光源120と、保持部材130のみで表示標識灯100の装置構成を完結させることができ、部品点数の削減が可能となる。
【0098】
また、本実施形態の表示標識灯100は、典型的には支持体Sと保持部材130との間に設けられたスペーサ140を有する。これにより、凸部112cと第1突起部133bとの係止点と対向面111aとの間の距離を、当該係止点と第1主面S1との間の距離と同一にすることができる。
【0099】
この構成により、支持体Sがスペーサ140と光出射部111により挟圧され、第1係止部133が凸部112cとスペーサ140により挟圧される。よって、支持体SのZ軸方向の厚みや、導光部112のZ軸方向の寸法に依存せずに、支持体Sに対して光出射部材110と保持部材130とを位置決めすることが可能となる。
【0100】
スペーサ140は支持体Sと保持部材130との間の隙間を充填可能であれば、その種類は特に限定されず、例えば合成樹脂や金属材料からなるものであってもよい。
【0101】
なお、本実施形態のスペーサ140は、典型的には弾性材料からなるゴムシートである。この場合、当該ゴムシートとして、例えばポリブタンジエン系、ニトリル又はクロロプレン系材料からなるゴムシートが採用される。
【0102】
<作用>
従来、鉄道等の車両において、開閉ドア近傍に取り付けられる表示標識灯(開閉予告灯)を取り付ける方法として、車体に孔を開け、取付け用のネジ座を用いて固定する方法が知られている。
【0103】
しかしながら、このような方法では、作業が大掛かりとなり、手間がかかる。また、車体に表示標識灯を取り付けるにはドリルを用いた施工だけではなく、更なる追加工が必要となるため、車体に対する加工負荷が大きくなってしまう課題がある。
【0104】
これに対し、本実施形態の表示標識灯100は、
図10に示すように、支持体Sに形成された取付け孔H1を介して光出射部材110が保持部材130に保持され、この保持部材130が光源120を保持する構成となっている。
【0105】
つまり、本実施形態の表示標識灯100の光出射部材110及び光源120は、車両1(支持体S)に取付け孔H1を形成する簡単な施工だけで、車両1(支持体S)に取り付けられる。
【0106】
換言すると、本実施形態では、表示標識灯100を車両1に取り付ける上で必要とされる施工が、車両1に取付け孔H1を形成する加工に限定される。従って、従来のようにネジ座を用意する必要がなくなり、車両1に取り付けられる際の手間を軽減することができる。また、車両1に対する加工が取付け孔H2の形成に限定されるため、車体に与える加工負荷が最小限に抑えられる。
【0107】
以上のことから、車両1に取り付ける際に作業が大掛かりにならず、車体に対する加工負荷を軽減可能な表示標識灯100を提供することができる。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
【0109】
例えば、上記実施形態の表示標識灯100は、導光部112に形成された凸部112cが第1係止部133に係止する構成であるがこれに限られず、導光部112に形成された凹部が第1係止部133に係止する構成であってもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、スペーサ140が保持部材130と支持体Sとの間に設けられるがこれに限られず、支持体Sと光出射部111との間に設けられてもよい。
【0111】
さらに、以上の実施形態では、表示標識灯として、開閉表示灯(開閉予告灯)を例に挙げて説明したが、これに限られず、屋内外に設置される各種照明器具等にも本発明は適用可能である。また、上記表示標識灯は、室内の壁や天井に設置された照明器具として使用されてもよい。