【解決手段】電子機器10は、携帯用情報機器12及びアクセサリ機器14のうちの少なくとも一方に設けられ、当該電子機器10が所定の安定姿勢にあるか否かを検出する状態検出器と、携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思があるか否かを検出する意思検出器と、状態検出器の出力を用いて当該電子機器10が安定姿勢にあることが検出され、且つ意思検出器の出力を用いて携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思があることが検出された場合に、連結機構16を動作させる制御部22とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る電子機器について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は、第1の実施形態に係る電子機器10を正面上方から見下ろした構成図である。
図2Aは、
図1に示す電子機器10の側面図である。
図2Bは、
図2Aに示す電子機器10の携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外した状態を示す側面図である。
【0024】
図1、
図2A及び
図2Bに示すように、電子機器10は、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とを備える。携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とは連結機構16を介して着脱可能である。
【0025】
携帯用情報機器12は、タッチパネル式の液晶表示部からなるディスプレイ18を筐体20の前面20aに備えたタブレット型PCである。携帯用情報機器12は、その内部に基板、演算装置及びメモリ等の各種電子部品を収納している。これら演算装置やメモリは、連結機構16の駆動制御を含む携帯用情報機器12の各種処理を行う制御部22を構成する。なお、制御部22は、例えば中央演算装置であるCPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0026】
携帯用情報機器12は、アクセサリ機器14と連結せずに単独でも使用可能である。本開示の場合、携帯用情報機器12は、筐体20の下面20bがアクセサリ機器14に対する装着面となる。本開示は、携帯用情報機器12としてタブレット型PCを例示するが、携帯用情報機器12はスマートフォンや携帯用ゲーム機等、各種端末装置でもよい。
【0027】
アクセサリ機器14は、筐体24の上面24aにキーボード26及びタッチパッド27を備えるキーボード装置である。アクセサリ機器14は、上面24a後端部の連結面24bに携帯用情報機器12の下面20bが着脱可能に連結される。
【0028】
以下、
図1、
図2A及び
図2Bに示すようにアクセサリ機器14に連結された携帯用情報機器12のディスプレイ18をユーザが視認している状態を基準とし、手前側を前、奥側を後、幅方向で左方を左、右方を右、上方を上、下方を下と呼んで説明する。
【0029】
連結機構16は、アクセサリ機器14に設けられた第1磁石(第1吸引体)30と、携帯用情報機器12に設けられた第2磁石(第2吸引体)32と、アクセサリ機器14に設けられ、第1磁石30を移動させる移動部34とを備える。
【0030】
連結機構16は、制御部22によって移動部34が駆動制御される。移動部34は、第1磁石30と第2磁石32との間の吸引力が比較的大きくなる(本開示では最大)となるロック位置と、第1磁石30と第2磁石32との間に反発力が発生するアンロック位置と、第1磁石30と第2磁石32との間の吸引力が比較的小さくなる(ロック位置よりも小さくなる)ハーフロック位置とに、第1磁石30を移動させる。
【0031】
図3Aは、移動部34の構成例を示す平面図である。
図3Bは、
図3Aに示す状態から移動部34を動作させた状態を示す平面図である。
図4は、移動部34の一部を拡大した斜視図である。
【0032】
図1に示すように、移動部34は、筐体24内の後端部の左右側寄りとなる位置にそれぞれ設けられている。左右の移動部34は、同一構造又は左右対称構造でよいため、
図3A及び
図3Bでは左側の移動部34のみを例示している。
図3A、
図3B及び
図4に示すように、移動部34は、スライドベース36と、スライド部材38と、形状記憶合金40とを有する。
【0033】
スライドベース36は、左右方向に延びたプレート状部材であり、筐体24の内部の底面に固定される。スライドベース36は、その両端側にスライド軸ピン36a,36bがそれぞれ突設されている。スライド軸ピン36a,36bは、軸部の上端部に拡径した円板を設けた側面視略T字状のピンである。スライドベース36は、一端側(
図3A中で左側)にブロック状に膨出したストッパ36cを有する。
【0034】
スライド部材38は、左右方向に延びたプレート状部材であり、スライドベース36の上面上で左右方向にスライド可能に支持されている。スライド部材38は、一端側に左右方向に延びたU字状の凹部38aが設けられ、他端側に左右方向に延びた長孔38bが設けられている。凹部38aには、一方のスライド軸ピン36aの軸部が摺動可能に挿通される。長孔38bには、他方のスライド軸ピン36bの軸部が摺動可能に挿通される。スライド部材38は、スライド軸ピン36a,36bのガイド作用下にスライドベース36の上面上で左右方向にスライド可能である。凹部38aのスライド軸ピン36aに対向する壁面と、スライド軸ピン36aとの間には、コイルばね42が架けわたされている。コイルばね42は、スライド部材38がスライド軸ピン36aから離間する方向(
図3A中で右方向)にスライド部材38を常時付勢している。
【0035】
スライド部材38は、その上面に第1磁石30を支持している。第1磁石30は、スライド部材38の上面にN極が臨むように配設された磁石30Nと、スライド部材38の上面にS極が臨むように配列された磁石30Sとが左右方向に交互に配列された磁石列である。
【0036】
形状記憶合金40は、所定温度以上に加熱すると元の形状に回復する性質を有する合金であり、図示しない電気回路に接続されている。形状記憶合金40は、スライドベース36の上面上で前後一対設けられて左右方向に延在した線形である。各形状記憶合金40は、それぞれスライド部材38の前後縁部下面に形成された切欠形状部38cを通過している(
図4参照)。各形状記憶合金40は、一端がスライドベース36に固定され、他端がスライド部材38に固定されている。本開示の場合、形状記憶合金40は、非通電時には長手方向に収縮した形状を有し、所定の電流が通電されることで生じたジュール熱によって長手方向に延伸した元の形状に戻る。
【0037】
連結機構16は、制御部22によって形状記憶合金40への通電の要否及び通電時間が制御されることで、形状記憶合金40が弾性変形によって伸縮してスライド部材38をスライドベース36に対して左右方向にスライドさせる。その結果、形状記憶合金40がアクチュエータとして機能し、第1磁石30が左右方向にスライドする。
【0038】
図5Aは、ロック位置での第1磁石30と第2磁石32の位置関係を示す模式図である。
図5Bは、ハーフロック位置での第1磁石30と第2磁石32の位置関係を示す模式図である。
図5Cは、アンロック位置での第1磁石30と第2磁石32の位置関係を示す模式図である。
【0039】
図5Aに示すように、第2磁石32は、携帯用情報機器12の筐体20の下面20bにN極が臨むように配設された磁石32Nと、下面20bにS極が臨むように配列された磁石32Sとが左右方向に交互に配列された磁石列である。
【0040】
図5Aに示すロック位置において、第1磁石30及び第2磁石32は、互いの磁石30Nと磁石32Sとが対向し、互いの磁石30Sと磁石32Nとが対向する位置関係となる。これにより連結機構16は、ロック位置において第1磁石30と第2磁石32との間に大きな吸引力が発生する。その結果、ロック位置では携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とが強固に連結される。
【0041】
図5Bに示すハーフロック位置において、第1磁石30及び第2磁石32は、互いの磁石30Nと磁石32Sとが一部対向し、互いの磁石30Sと磁石32Nとが一部対向する位置関係となる。これにより連結機構16は、ハーフロック位置において第1磁石30と第2磁石32との間にロック位置よりも小さな吸引力が発生する。その結果、ハーフロック位置では携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とがある程度の強度で連結される。
【0042】
図5Cに示すアンロック位置において、第1磁石30及び第2磁石32は、互いの磁石30Nと磁石32Nとが対向し、磁石30Sと磁石32Sとが対向する位置関係となる。これにより連結機構16は、アンロック位置において第1磁石30と第2磁石32との間に反発力が発生する。その結果、アンロック位置では携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とが強制的に分離される。
【0043】
このように連結機構16は、制御部22の制御下に形状記憶合金40をアクチュエータとして機能させることで、スライド部材38で支持した第1磁石30を所定距離だけスライドさせ、これにより第1磁石30と第2磁石32との間の吸引力を調整することができる。
【0044】
図1、
図2A及び
図2Bに戻り、携帯用情報機器12は、筐体20内の適宜位置(
図1では左下角部付近)に加速度センサ44を有する。加速度センサ44は、携帯用情報機器12(電子機器10)の傾きを検出可能なセンサである。加速度センサ44は、携帯用情報機器12と共に或いは携帯用情報機器12に代えてアクセサリ機器14に設けてもよい(
図1中に2点鎖線で示す加速度センサ44参照)。但し、通常、タブレット型PCのような携帯用情報機器12は、筐体20の姿勢に応じて例えばディスプレイ18の表示方向を制御するために加速度センサを搭載している。そこで、加速度センサ44は、このように携帯用情報機器12に標準で搭載された加速度センサを利用するとよい。
【0045】
携帯用情報機器12は、筐体20の前面20aの上端部中央に第1感圧センサ45を有する。アクセサリ機器14は、筐体24の上面24aの後端部中央に第2感圧センサ46を有する。各感圧センサ45,46は、接触圧力によって抵抗値が変化することで、例えば指等で押圧された際の圧力変化に応じた信号を出力可能なセンサである。
【0046】
図6は、電子機器10の制御系統を示すブロック図である。
【0047】
図6に示すように、電子機器10の制御系統は、加速度センサ44と、第1感圧センサ45と、第2感圧センサ46と、制御部22と、フィードバック部48と、連結機構16(移動部34)とを備える。制御部22は、状態判定部50と、意思判定部52と、ロック解除判定部54と、連結機構制御部56とを有する。これら状態判定部50、意思判定部52、ロック解除判定部54及び連結機構制御部56は、制御部22と別に設けられてもよい。
【0048】
状態判定部50は、加速度センサ44からの検出信号に基づき、電子機器10(携帯用情報機器12)が所定の安定姿勢にあるか否かを判定し、判定結果をロック解除判定部54に通知する。状態判定部50は、加速度センサ44の検出結果により、例えば携帯用情報機器12が一定角度で安定して一定時間大きな動作がないと判定した場合に電子機器10が所定の安定姿勢にあると判定する。この安定姿勢は、例えば電子機器10が机上に載置された状態、或いは手でしっかりと把持された状態である。このように加速度センサ44は、電子機器10(携帯用情報機器12)が所定の安定姿勢にあるか否かを検出する状態検出器として機能する。
【0049】
意思判定部52は、第1感圧センサ45及び第2感圧センサ46からの検出信号に基づき、ユーザが携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思があるか否かを判定し、判定結果をロック解除判定部54に通知する。意思判定部52は、例えば第1感圧センサ45及び第2感圧センサ46が所定値以上の圧力で押圧操作されたことを検出すると、携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思(取外意思)があると判定する。意思判定部52は、第1感圧センサ45又は第2感圧センサ46の一方が所定値以上の圧力で押圧操作されたことを検出した場合にも取外意思があると判定してもよい。一方、意思判定部52は、第1感圧センサ45及び第2感圧センサ46の一方又は両方が所定値以下の圧力で押圧操作されたことを検出した場合は取外意思がないと判定する。このように各感圧センサ45,46は、携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思があるか否かを検出する意思検出器として機能する。
【0050】
ロック解除判定部54は、状態判定部50の判定結果と意思判定部52の判定結果とに基づき、連結機構16をロック位置、ハーフロック位置、アンロック位置のいずれに設定するかを判定し、判定結果を連結機構制御部56に通知する。ロック解除判定部54は、状態判定部50から電子機器10が所定の安定姿勢にあることを受信すると共に、意思判定部52から取外意思があることを受信した場合に、連結機構16をハーフロック位置又はアンロック位置に制御する判定結果を連結機構制御部56に送信する。一方、ロック解除判定部54は、状態判定部50から電子機器10が所定の安定姿勢にないことを受信した場合、又は意思判定部52から取外意思がないことを受信した場合には、連結機構16をロック位置に維持する判定結果を連結機構制御部56に送信する。
【0051】
連結機構制御部56は、ロック解除判定部54の判定結果に基づき連結機構16の移動部34を駆動制御する。
【0052】
フィードバック部48は、例えば
図1に示すようにアクセサリ機器14の上面24aに設けられた小型のランプである。本開示の場合、フィードバック部48は3連ランプで構成され、ランプの点灯状態で連結機構16のロック位置等の状態をユーザに通知する。フィードバック部48は、ランプと共に又はランプと代えて音や振動、或いはディスプレイ18への表示等によって連結機構16のロック位置等の状態をユーザに通知する構成であってもよい。
【0053】
次に、電子機器10での携帯用情報機器12のアクセサリ機器14からの取外動作を説明する。
【0054】
図7Aは、制御部22が連結機構16をロック位置に維持する場合の操作の一例を示す説明図である。
図7Bは、制御部22が連結機構16をハーフロック位置に動作させる場合の操作の一例を示す説明図である。
図7Cは、制御部22が連結機構16をアンロック位置に動作させる場合の操作の一例を示す説明図である。
【0055】
電子機器10は、アクセサリ機器14に携帯用情報機器12が装着された状態では、
図5Aに示すように連結機構16の第1磁石30がロック位置にある。この場合、電子機器10は、加速度センサ44、第1感圧センサ45及び第2感圧センサ46からの検出結果を状態判定部50及び意思判定部52で受信し、ロック解除判定部54での判定処理を継続実施する。
【0056】
この状態で、ユーザが取外意思を持たずに、
図7Aに示すように第1感圧センサ45及び(又は)第2感圧センサ46に所定値未満の圧力で接触したとする。この場合、ロック解除判定部54は、状態判定部50の判定結果に関係なく、ユーザの取外意思がないとの意思判定部52での判定結果に基づき、連結機構制御部56に連結機構16のロック位置を維持するよう通知する。その結果、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とは、
図5Aに示すように強固な連結状態であるロック状態が維持される。この際、フィードバック部48は、例えば3個のランプを全て消灯させている(
図7A参照)。
【0057】
次に、
図7Bに示すようにユーザが携帯用情報機器12を取り外す意思を持って第2感圧センサ46のみを所定値以上の圧力で押圧操作したとする。この場合、意思判定部52は、第2感圧センサ46からの検出結果に基づいて取外意思があると判定し、第1感圧センサ45は所定値以上の圧力で押圧操作されていない検出結果も含めてロック解除判定部54に通知する。そうすると、ロック解除判定部54は、状態判定部50から電子機器10が所定の安定姿勢にあるとの判定結果を受けている場合に、連結機構16をハーフロック位置に動作させる通知を連結機構制御部56に送信する。
【0058】
すなわち、第2感圧センサ46のみが押圧操作された場合は、第1感圧センサ45が押圧操作を受けておらず、携帯用情報機器12がユーザによって把持されているか否かは不明となっている。そこでロック解除判定部54は、ユーザの取外意思を尊重しつつ、携帯用情報機器12がアクセサリ機器14から強制的に分離されて落下することを防止するため、連結機構16をハーフロック位置にする判定を行う。その結果、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とは、
図5Bに示すようにある程度の吸引力で連結されたハーフロック状態となる。この際、フィードバック部48は、例えば1個のランプのみを点灯させる(
図7B参照)。ハーフロック状態では、
図5Aに示すロック状態よりは第1磁石30と第2磁石32との間の吸引力が低下している。そこで、ユーザは例えば
図2Bに示すように携帯用情報機器12を上方に持ち上げることで、携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から容易に取り外すことができる。
【0059】
なお、ユーザが携帯用情報機器12を取り外す意思を持って第1感圧センサ45を所定値以上の圧力で押圧操作し、第2感圧センサ46を操作しない場合にも、上記と同様にロック解除判定部54は連結機構16をハーフロック位置とする判定を行ってもよい。またロック解除判定部54は、例えばユーザが携帯用情報機器12を取り外す意思を持って各感圧センサ45,46を所定値以上の圧力で押圧操作したが、状態判定部50からは電子機器10が所定の安定姿勢にあるとの判定結果が得られていない場合にハーフロック状態にする制御を実施するようにしてもよい。
【0060】
次に、
図7Cに示すようにユーザが携帯用情報機器12を取り外す意思を持って第1感圧センサ45及び第2感圧センサ46を所定値以上の圧力で押圧操作したとする。この場合、意思判定部52は、ユーザに取外意思があるとの判定結果をロック解除判定部54に通知する。そうすると、ロック解除判定部54は、状態判定部50から電子機器10が所定の安定姿勢にあるとの判定結果を受けた場合に、連結機構制御部56に連結機構16をアンロック位置に動作させるよう通知する。その結果、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とは、
図5Cに示すアンロック状態となる。この際、フィードバック部48は、例えば3個のランプを全て点灯させる(
図7C参照)。
【0061】
アンロック状態では、
図5Cに示すように第1磁石30と第2磁石32との間に反発力が発生する。すなわち携帯用情報機器12がアクセサリ機器14から強制的に分離されるため、ユーザは例えば
図2Bに示すように携帯用情報機器12を上方に持ち上げることで、携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から容易に取り外すことができる。つまり、ユーザは一方の手Hで携帯用情報機器12の上縁部を把持すると同時に第1感圧センサ45を押圧操作し、他方の手の指Fで第2感圧センサ46を押圧操作することで、電子機器10がアンロック状態となって機器12,14間を容易に分離できる。
【0062】
次に、電子機器10の変形例を説明する。
【0063】
この変形例に係る電子機器10は、例えば第2感圧センサ46の位置をずらして、
図1中に2点鎖線で示すように筐体24の上面24aの前端部中央付近に第2感圧センサ46Aとして設けている。このような位置にある第2感圧センサ46Aは、例えば意思判定部52に対する意思検出器として、或いは状態判定部50に対する状態検出器として利用できる。第2感圧センサ46Aを意思検出器として利用する場合は上記した第2感圧センサ46と同様な制御パターンで第2感圧センサ46Aを利用するとよい。
【0064】
一方、第2感圧センサ46Aを状態検出器として利用する場合は、第2感圧センサ46Aの検出結果が状態判定部50に送信される。すなわち、例えば
図2B中の手HAのようにユーザが一方の手で筐体24の前端部を把持し、電子機器10を手で持ち上げて使用している状態を考える。ユーザは、この状態でアクセサリ機器14から携帯用情報機器12を取り外そうとした場合、手HAの指で第2感圧センサ46Aを所定値以上の圧力で押圧操作する。そうすると、状態判定部50は電子機器10が所定の安定姿勢にあると判定し、ロック解除判定部54は連結機構16をハーフロック位置に動作させる。さらにユーザが別の手H(
図2B参照)で携帯用情報機器12の上縁部を把持しつつ第1感圧センサ45を所定値以上の圧力で押圧操作すると、ロック解除判定部54は連結機構16をアンロック位置に動作させる。その結果、ユーザは電子機器10を手で持ち上げた状態でアクセサリ機器14から携帯用情報機器12を容易に取り外すことができる。勿論、状態判定部50は、加速度センサ44からの検出信号も第2感圧センサ46Aからの検出信号と同時に受け、加速度センサ44の検出結果を状態判定部50の判定に利用してもよい。
【0065】
図8は、変形例に係る移動部34Aの構成例を示す斜視図である。
図9は、
図8に示す移動部34Aの側面図である。
【0066】
上記した移動部34は、アクセサリ機器14側の第1磁石30をスライド部材38でスライドさせ、携帯用情報機器12側の第2磁石32に対して相対移動させる構成である。これに対して移動部34Aは、アクセサリ機器14側の第1磁石30Aを回転部材60で回転させ、携帯用情報機器12側の第2磁石32A(
図10A参照)に対して相対移動させる構成である。
【0067】
図8及び
図9に示すように、移動部34Aは、回転部材60と、駆動プレート62と、回転ベース64と、形状記憶合金66とを有する。移動部34Aは、
図3Aに示す移動部34と同様、第1磁石30Aと共に筐体24内の後端部の左右側寄りとなる位置にそれぞれ設けられている。
【0068】
回転ベース64は、左右方向から前後方向へと延びたL字状部材であり、筐体24の内部の底面に固定される。回転ベース64は、左右方向に沿う支持面64aで回転部材60を支持し、前後方向に沿う支持面64bで駆動プレート62及び形状記憶合金66を支持する。
【0069】
回転部材60は、回転ベース64の支持面64aの左右両端部でそれぞれ軸回りに回転可能に支持された円柱状のシャフトである。左右の回転部材60,60間には、第1磁石30Aが保持されている。
図8中で右側の回転部材60の端面には、回転部材60の軸中心O1から偏心した位置にピン60aが突設されている。つまりピン60aは、その軸中心O2が回転部材60(第1磁石30A)の軸中心O1から偏心している。
【0070】
第1磁石30Aは、回転部材60,60間に同軸支持された円柱状の磁石である。第1磁石30Aは、例えば連結機構16がロック位置にある場合に、円柱の上半分にN極30ANが臨み、円柱の下半分にS極30ASが臨む配置となっている(
図10Aも参照)。
【0071】
駆動プレート62は、前後方向に延びたプレートである。駆動プレート62は、長孔62aと、支持部62bとを有する。長孔62aは、回転部材60の側方に位置する駆動プレート62の後端部に設けられ、上下方向に延びた孔部である。長孔62aには、回転部材60のピン60aが上下方向に摺動可能に挿入されている。支持部62bは、駆動プレート62の前端部から側方に突出した半円柱状部材である。
【0072】
形状記憶合金66は、上記した形状記憶合金40と同様、所定温度以上に加熱すると元の形状に回復する性質を有する合金であり、図示しない電気回路に接続されている。形状記憶合金66は、回転ベース64の支持面64bに沿って前後方向に延び、駆動プレート62の支持部62bで折り返されたU字形状の線形である。形状記憶合金66は、U字の折返し部が支持部62bに引っ掛けられ、両端が並列されて支持面64bに突設された支持台64cにそれぞれ固定されている。本開示の場合、形状記憶合金66は、非通電時には長手方向に伸長した形状を有し、所定の電流が通電されることで生じたジュール熱によって長手方向に伸縮した元の形状に戻る。
【0073】
移動部34Aを有する連結機構16は、制御部22によって形状記憶合金66への通電の要否及び通電時間が制御されることで、形状記憶合金66が弾性変形によって伸縮して駆動プレート62を前後方向にスライドさせる。これにより、ピン60aが長孔62aから押圧されて回転部材60の軸中心O1を旋回中心として旋回し、回転部材60が軸中心O1周りに回転する。その結果、形状記憶合金66がアクチュエータとして機能し、第1磁石30Aがその軸中心O1周りに回転する。
【0074】
図10Aは、ロック位置での第1磁石30Aと第2磁石32Aの位置関係を示す模式図である。
図10Bは、ハーフロック位置での第1磁石30Aと第2磁石32Aの位置関係を示す模式図である。
図10Cは、アンロック位置での第1磁石30Aと第2磁石32Aの位置関係を示す模式図である。
【0075】
図10Aに示すように、第2磁石32Aは、第1磁石30Aと略同一の長さ及び直径を持った円柱状の磁石である。第2磁石32Aは、携帯用情報機器12の筐体20の下面20bにS極32ASが臨み、上方にN極32ANが臨む配置となっている。
【0076】
図10Aに示すロック位置において、第1磁石30A及び第2磁石32Aは、互いのN極30ANとS極32ASとが対向する配置となる。これにより連結機構16は、ロック位置において第1磁石30Aと第2磁石32Aとの間に大きな吸引力が発生する。その結果、ロック位置では携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とが強固に連結される。
【0077】
図10Bに示すハーフロック位置において、第1磁石30A及び第2磁石32Aは、互いのN極30ANとS極32ASとが一部対向する配置となる。これにより連結機構16は、ハーフロック位置において第1磁石30Aと第2磁石32Aとの間にロック位置よりも小さな吸引力が発生する。その結果、ハーフロック位置では携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とがある程度の強度で連結される。
【0078】
図10Cに示すアンロック位置において、第1磁石30A及び第2磁石32Aは、互いのS極30ASとS極32ASとが対向する配置となる。これにより連結機構16は、アンロック位置において第1磁石30Aと第2磁石32Aとの間に反発力が発生する。その結果、アンロック位置では携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とが強制的に分離される。
【0079】
このように移動部34Aは、制御部22の制御下に形状記憶合金66をアクチュエータとして機能させることで、回転部材60で支持した第1磁石30Aを所定角度だけ回転させ、これにより第1磁石30Aと第2磁石32Aとの間の吸引力を調整することができる。
【0080】
図11は、別の変形例に係る移動部34Bの構成例を示す斜視図である。
図12Aは、
図11に示す移動部34Bがロック位置にある状態での要部拡大斜視図である。
図12Bは、
図11に示す移動部34Bがアンロック位置にある状態での要部拡大斜視図である。
【0081】
移動部34Bは、移動部34Aと比べてアクセサリ機器14側の第1磁石30Aの回転構造が異なる。
図11に示すように、移動部34Bは、回転部材80,81と、駆動カム82と、回転ベース84と、形状記憶合金86とを有する。移動部34Bは、
図3Aに示す移動部34と同様、第1磁石30Aと共に筐体24内の後端部の左右側寄りとなる位置にそれぞれ設けられている。
【0082】
回転ベース84は、左右方向に延びた棒状部材であり、筐体24の内部の底面に固定される。
【0083】
回転部材80,81は、回転ベース84の左右両端部でそれぞれ軸回りに回転可能に支持された円柱状のシャフトである。左右の回転部材80,81間には、第1磁石30Aが保持されている。右側(
図11中の左側)の回転部材80には、受圧カム88が回転不要に且つ同軸上に連結されている。受圧カム88は、回転ベース84の軸受けアーム90に対して回転可能に且つ軸方向に移動不能に支持されている。
【0084】
第1磁石30Aは、回転部材80,81間に同軸支持された円柱状の磁石である。第1磁石30Aは、例えば連結機構16がロック位置にある場合に、円柱の上半分にN極30ANが臨み、円柱の下半分にS極30ASが臨む配置となっている。
【0085】
駆動カム82は、回転ベース84に対して左右方向にスライド可能に支持されている。駆動カム82は、形状記憶合金86が巻き掛けられるベース部82aと、回転部材80及び受圧カム88と同軸上に配置されたカム部82bとを有する。カム部82bは、受圧カム88のカム面88aを摺動しながら押圧して軸回りに回転させるカム面82cを有する。カム部82bは、回転ベース84の軸受けアーム91に対して軸方向に移動可能に支持されている。カム部82bには、受圧カム88の軸心から軸方向に突出した軸部材88bが回転可能に且つ軸方向に移動可能に挿入される軸穴が形成されている。
【0086】
形状記憶合金86は、上記した形状記憶合金40,66と同様、所定温度以上に加熱すると元の形状に回復する性質を有する合金であり、図示しない電気回路に接続されている。形状記憶合金86は、回転ベース84に沿って左右方向に延び、駆動カム82のベース部82aで折り返されたU字形状の線形である。形状記憶合金86は、U字の折返し部がベース部82aに引っ掛けられ、両端が並列されて回転ベース84の左端側に突設された支持台84aに固定されている。本開示の場合、形状記憶合金86は、非通電時には長手方向に伸長した形状を有し、所定の電流が通電されることで生じたジュール熱によって長手方向に伸縮した元の形状に戻る。
【0087】
移動部34Bを有する連結機構16は、上記した移動部34の場合と略同様、制御部22によって形状記憶合金86への通電の要否及び通電時間が制御されることで、形状記憶合金86が弾性変形によって伸縮し、駆動カム82を左右方向にスライドさせる。これにより、カム部82bのカム面88aが左側に進動して受圧カム88のカム面82cを押圧し、受圧カム88を軸回りに回転させ、回転部材80,81を軸回りに回転させる(
図12A及び
図12B参照)。その結果、形状記憶合金86がアクチュエータとして機能し、第1磁石30Aが軸周りに回転する。なお、移動部34Bによる第1磁石30Aの回転位置は、
図10A〜
図10Cに示す構成例と同様に構成すればよい。
【0088】
図13は、第2の実施形態に係る電子機器10Aを正面上方から見下ろした構成図である。
【0089】
図13に示すように、電子機器10Aは、アクセサリ機器14側の加速度センサ70と、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14との連結部に設けられた左右一対のトルクセンサ72L,72Rとを備え、第2感圧センサ46,46Aを省略した点が
図1に示す電子機器10と相違する。
【0090】
加速度センサ70は、アクセサリ機器14(電子機器10A)の傾きを検出可能なセンサである。なお、電子機器10Aにおいても、加速度センサ44,70のいずれか一方のみを有する構成としてもよい。
【0091】
トルクセンサ72L,72Rは、アクセサリ機器14の連結面24bの左右両端側にそれぞれ設けられている。トルクセンサ72L,72Rは、連結面24bに連結機構16を介して連結される携帯用情報機器12の下面20bによって押圧され、下面20bによる圧力に応じた信号を出力可能なセンサである。
【0092】
図14Aは、アクセサリ機器14に携帯用情報機器12が装着された状態を模式的に示す正面図である。
図14Bは、
図14Aに示す状態から携帯用情報機器12を片手で把持して上方に捻りながら持ち上げようとした状態を示す正面図である。
【0093】
トルクセンサ72L,72Rは、
図14Aに示すようにアクセサリ機器14に携帯用情報機器12が装着された状態では、例えば所定の基準トルクを出力している。この状態から、例えば
図14Bに示すように携帯用情報機器12の上縁部を片手で把持してこれを捻りながら持ち上げる。そうすると、携帯用情報機器12の回動外側にあるトルクセンサ72Lは基準トルクより小さい所定値以下のトルクを出力し、携帯用情報機器12の回動内側にあるトルクセンサ72Rは基準トルクより大きい所定値以上のトルクを出力することになる。以下、一方のトルクセンサ72Lが基準トルクより小さい所定値以下のトルクを出力し、他方のトルクセンサ72Rが基準トルクより大きい所定値以上のトルクを出力した状態を「取外トルクが出力された状態」とも呼ぶ。
【0094】
図15は、
図13に示す電子機器10Aの制御系統を示すブロック図である。
【0095】
図15に示すように、電子機器10Aの制御系統は、
図6に示す電子機器10の制御系統と比べて、加速度センサ44,70の検出結果が状態判定部50に送信され、第1感圧センサ45及びトルクセンサ72L,72Rの検出結果が意思判定部52に送信される点が相違する。
【0096】
状態判定部50は、加速度センサ44,70からの検出信号に基づき、電子機器10Aが所定の安定姿勢にあるか否かを判定し、判定結果をロック解除判定部54に通知する。状態判定部50は、加速度センサ44,70の検出結果により、例えば携帯用情報機器12が垂直方向に対して一定角度で安定し、アクセサリ機器14が机上等で水平方向に対して一定姿勢に安定し、これらが一定時間大きな動作がないと判定した場合に電子機器10Aが所定の安定姿勢にあると判定する。このように加速度センサ44,70は、電子機器10Aが所定の安定姿勢にあるか否かを検出する状態検出器として機能する。
【0097】
意思判定部52は、第1感圧センサ45及びトルクセンサ72L,72Rからの検出信号に基づき、ユーザが携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思があるか否かを判定し、判定結果をロック解除判定部54に通知する。
【0098】
意思判定部52は、第1感圧センサ45が所定値以上の圧力で押圧操作されたことを検出すると、携帯用情報機器12が安定保持されたことを判定する。すなわち意思判定部52は、例えば
図2Bに示すように携帯用情報機器12の上縁部が手Hによって把持されて第1感圧センサ45が所定値以上の圧力で押圧操作されると、携帯用情報機器12が落下の可能性の低い安定保持の状態にあると判定する。さらに意思判定部52は、第1感圧センサ45の出力を用いて携帯用情報機器12の安定保持を判定した状態で、トルクセンサ72L,72Rからの検出結果を判定する。つまり
図14Bに示すように携帯用情報機器12が捻られながら持ち上げられると、トルクセンサ72L,72Rから取外トルクが出力された状態となる。そうすると、意思判定部52は携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思(取外意思)があると判定する。このように第1感圧センサ45は、携帯用情報機器12の安定保持を検出する保持検出器、或いはアクセサリ機器14から取り外す意思があるか否かを検出する意思検出器として機能する。また、トルクセンサ72L,72Rは、携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思があるか否かを検出する意思検出器として機能する。
【0099】
次に、電子機器10Aでの携帯用情報機器12のアクセサリ機器14からの取外動作を説明する。
【0100】
図16Aは、電子機器10Aの第1感圧センサ45が押圧操作された状態を示す説明図である。
図16Bは、
図16Aに示す状態から携帯用情報機器12を把持して上方に捻りながら持ち上げた状態を示す正面図である。
【0101】
電子機器10Aは、アクセサリ機器14に携帯用情報機器12が装着された状態では、
図5Aに示す電子機器10と同様、連結機構16の第1磁石30がロック位置にある。この場合、電子機器10Aは、加速度センサ44,70、第1感圧センサ45及びトルクセンサ72L,72Rからの検出結果を状態判定部50及び意思判定部52で受信し、ロック解除判定部54での判定処理を継続実施する。
【0102】
この状態で、ユーザが取外意思を持たずに、第1感圧センサ45に所定値未満の圧力で接触したとする。この場合、ロック解除判定部54は、状態判定部50の判定結果に関係なく、ユーザの取外意思がないとの意思判定部52での判定結果に基づき、連結機構制御部56に連結機構16のロック位置を維持するよう通知する。その結果、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とは、
図5Aに示す電子機器10と同様、強固な連結状態であるロック状態が維持される。
【0103】
次に、
図16Aに示すようにユーザが携帯用情報機器12を取り外す意思を持って第1感圧センサ45を所定値以上の圧力で押圧操作したとする。この場合、意思判定部52は、第1感圧センサ45からの検出結果に基づいて携帯用情報機器12が安定保持されていると判定する。続いて、
図16Bに示すように例えばユーザが携帯用情報機器12の上縁部を把持し、携帯用情報機器12を机上等に載置されたアクセサリ機器14から捻りつつ持ち上げる。これによりトルクセンサ72L,72Rが取外トルクを出力した状態となると、意思判定部52は取外意思があると判定し、これをロック解除判定部54に通知する。そうすると、ロック解除判定部54は、状態判定部50から電子機器10Aが所定の安定姿勢にあるとの判定結果を受けている場合に、連結機構制御部56に連結機構16をアンロック位置に動作させるよう通知する。その結果、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とは、
図5Cに示す電子機器10と同様、アンロック状態となる。
【0104】
図16Aに示すように、ロック解除判定部54は、第1感圧センサ45が所定値以上の圧力で押圧操作される一方、トルクセンサ72L,72Rからは取外トルクが出力されていない状態の場合には、連結機構制御部56に連結機構16をハーフロック位置に動作させるよう通知してもよい。すなわちこの状態では、第1感圧センサ45での検出結果により、携帯用情報機器12がユーザによって把持されていることが判断できるので、連結機構16をハーフロック位置にする判定を行うことが可能である。なお、
図16Aでは、フィードバック部48のランプを1個点灯させたハーフロック状態を例示している。
【0105】
このように電子機器10Aは、加速度センサ44,70からの検出結果が状態判定部50に通知され、第1感圧センサ45とトルクセンサ72L,72Rからの検出結果が意思判定部52に通知される。これにより、ユーザは例えば机上に載置された電子機器10Aから携帯用情報機器12を片手で把持しつつ第1感圧センサ45とトルクセンサ72L,72Rとをオンすることができる。その結果、ユーザは携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から片手で容易に取り外すことができ、高い利便性が得られる。
【0106】
以上のように、本開示の電子機器10(10A)は、携帯用情報機器12及びアクセサリ機器14のうちの少なくとも一方に設けられ、当該電子機器10(10A)が所定の安定姿勢にあるか否かを検出する状態検出器である加速度センサ44(70)と、携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思があるか否かを検出する意思検出器となる感圧センサ45,46(トルクセンサ72L,72R)と、加速度センサ44(70)の出力を用いて当該電子機器10(10A)が安定姿勢にあることが検出され、且つ感圧センサ45,46(トルクセンサ72L,72R)の出力を用いて携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思があることが検出された場合に連結機構16を動作させる制御部22とを備える。
【0107】
このように電子機器10(10A)は、例えば机上や手で把持された所定の安定姿勢にあることが状態検出器の出力を用いて検出されると共に、ユーザが携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から取り外す意思が意思検出器で検出された場合に連結機構16をロック位置からアンロック方向に動作させる。これにより当該電子機器10(10A)は、安定姿勢にあって且つユーザの取外意思がない限りは携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とが連結機構16によって強固に連結されている。このため当該電子機器10(10A)は、例えば手で把持して運んでいる途中に意図せず携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とが分離して一方又は両方が落下する事態を抑制できる。しかも当該電子機器10(10A)は、ユーザが携帯用情報機器12とアクセサリ機器14とを分離しようとしたことを検出した場合は、連結機構16による連結状態を例えば解除(アンロック)又は緩和(ハーフロック)することができる。このためユーザは携帯用情報機器12をアクセサリ機器14から容易に分離することができる。
【0108】
連結機構16は、アクセサリ機器14に設けられた第1磁石30(30A)と、携帯用情報機器12に設けられ、第1磁石30(30A)に対して吸引可能な第2磁石32(32A)と、アクセサリ機器14に設けられ、第1磁石30(30A)を移動させることで第1磁石30(30A)と第2磁石32(32A)との間の吸引状態を変更する移動部34(34A,34B)とを有する。このため、該電子機器10(10A)は、制御部22で移動部34(34A,34B)を駆動制御することで、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14との間の連結強度を調整できる。従って、例えば第1磁石30(30A)や第2磁石32(32A)を強力な吸引力を持った磁石で構成したとしても、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14との分離は円滑に実施可能である。
【0109】
移動部34(34A,34B)は、第1磁石30(30A)と第2磁石32(32A)との間の吸引力が大きくなる(最大となる)ロック位置と、第1磁石30(30A)と第2磁石32(32A)との間に反発力が発生するアンロック位置と、第1磁石30(30A)と第2磁石32(32A)との間の吸引力をロック位置より小さく設定するハーフロック位置とに第1磁石30(30A)を移動可能である。これにより当該電子機器10(10A)は、状態検出器や意思検出器による検出結果に基づき、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14との間の連結状態をロック状態、アンロック状態、ハーフロック状態のうちの最適な状態に制御でき、利便性が向上する。
【0110】
当該電子機器10(10A)は、連結機構16を構成する移動部34(34A,34B)のアクチュエータとして形状記憶合金40,66,86を利用している。このため、電動モータ等をアクチュエータとして用いる構成に比べて小型化、軽量化が可能となる。勿論、移動部34,34A,34Bは、形状記憶合金40,66,86ではなく電動モータ等をアクチュエータとして用いてもよい。また、連結機構16は、
図3Aに示す移動部34や
図8に示す移動部34Aを用いた構成以外であってもよい。
【0111】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0112】
上記では、連結機構16は、第1磁石30(30A)と第2磁石32(32A)との吸引力を利用する構成を例示した。しかしながら、連結機構16は、例えばアクセサリ機器14の連結面24bから突出するフックと、このフックが係脱可能な携帯用情報機器12の下面20bに設けられた係合穴とを用いた構成等であってもよい。この場合は、制御部22の制御下に係合穴に係合してロック位置にあるフックを係合解除方向(アンロック方向)に動作させれば連結機構16をアンロック位置とすることができる。
【0113】
上記では、連結機構16は、携帯用情報機器12とアクセサリ機器14との間を連結する構成とした。しかしながら、連結機構16は、例えばクラムシェル型のノート型PCのディスプレイ筐体をキーボード装置を設けた本体筐体に対して閉じた状態を保持するために利用してもよい。
【0114】
上記では、連結機構16は、第1磁石30(30A)と第2磁石32(32A)とを用いた構成を例示した。しかしながら、第1磁石30(30A)と第2磁石32(32A)との一方が磁石で構成された場合、他方は磁石に吸引される強磁性金属のような吸引体で構成されてもよい。つまり、連結機構16は、磁石によって互いに吸引する第1吸引体(第1磁石30,30A)及び第2吸引体(第2磁石32,32A)を有し、これら第1及び第2吸引体間を移動部34,34A,34Bで相対移動させる構成としてもよい。