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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-200777(P2018-200777A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】端子モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/24 20060101AFI20181122BHJP
   H01R 4/48 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   H01R13/24
   H01R4/48 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-104348(P2017-104348)
(22)【出願日】2017年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西島 誠道
(57)【要約】
【課題】大電流用途の端子モジュールにかかるコストを低減する。
【解決手段】本明細書によって開示される端子モジュール10は、天井壁21と底壁51と一対の側壁23と一対の抜止片24とを有する金属製のケース20と、天井壁21と底壁51の間に挟持されたコイルばね40と、を備えた端子モジュール10であって、天井壁21と底壁51は互いに対向する配置とされ、一対の側壁23は、天井壁21の周縁から対向状態で底壁51側に突出して設けられ、一対の抜止片24は、一対の側壁23が対向する方向とは直交する方向に対向して配置され、天井壁21の周縁から対向状態で底壁51側に突出して設けられ、側壁23と抜止片24は天井壁21の周縁において交互に並んで配され、天井壁21と一対の側壁23と一対の抜止片24とによってコイルばね40の天井壁21側の端部を受けるばね受け部26が構成されているものとした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井壁と底壁と一対の側壁と一対の抜止片とを有する金属製のケースと、
前記天井壁と前記底壁の間に挟持されたコイルばねと、を備えた端子モジュールであって、
前記天井壁と前記底壁は互いに対向する配置とされ、前記一対の側壁は、前記天井壁の周縁から対向状態で前記底壁側に突出して設けられ、前記一対の抜止片は、前記一対の側壁が対向する方向とは直交する方向に対向して配置され、前記天井壁の周縁から対向状態で前記底壁側に突出して設けられ、前記側壁と前記抜止片は前記天井壁の周縁において交互に並んで配され、
前記天井壁と前記一対の側壁と前記一対の抜止片とによって前記コイルばねの前記天井壁側の端部を受けるばね受け部が構成されている端子モジュール。
【請求項2】
前記底壁は相手側接点と電気的に接続される電気接触部材を構成し、前記一対の側壁に設けられた支持部によって支持された初期位置と、前記相手側接点と接続されることで前記天井壁側に変位した接続位置との間を移動可能とされ、
前記接続位置にある前記底壁は、前記抜止片の突出端よりも前記支持部側に配されている請求項1に記載の端子モジュール。
【請求項3】
前記抜止片は、前記天井壁の周縁に設けた一対の切り欠きの間に配されることにより前記天井壁の周縁から前記ケースの外方に膨出した形態をなす基端部と、前記基端部から前記底壁側に真っ直ぐ延びる形態をなし、前記ばね受け部を構成する平面部とからなる請求項1または請求項2に記載の端子モジュール。
【請求項4】
前記側壁は、前記ケースの内方に叩き出された形態をなし、前記ばね受け部を構成する叩き出し部を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、端子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等において電気的接続を行う際に、対向する接点を突き当てて接触させることで電気的接続をとる方法が知られている。このような方法では、接点間に異物が付着すると、導通不良となり好ましくない。そのため、特開2002−274290号公報(下記特許文献1)では、両接点の突き当て時に互いに摺動させることで、接点間の異物の排除が行われている。
【0003】
具体的には、特開2002−274290号公報(下記特許文献1)の給電装置では、フィメールジャンクションに、ケース内に対向する端板と、この端板間に挟持圧縮されたコイルスプリングとが設けられている。そして、外部に露出する側の端板には、弾性力を有する板バネ部材が設けられている。この板バネ部材は、端板から外方に延出した後に折り曲げられることで、弾性変形容易な傾斜状の自由端部が設けられており、メール側接点とフィメール側接点(自由端部)とが接触する際に両接点が互いに摺動することで、接点間の異物の排除が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−274290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、大電流用途の場合に上記の構成をそのまま適用することはできない。何故なら、大電流用途の場合には、板バネ部材の板厚が厚くなって剛性が高くなるため、絶縁材料からなる端板が板バネ部材からの押圧力によって変形したり、最悪の場合、破損したりするおそれがあるからである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される端子モジュールは、天井壁と底壁と一対の側壁と一対の抜止片とを有する金属製のケースと、前記天井壁と前記底壁の間に挟持されたコイルばねと、を備えた端子モジュールであって、前記天井壁と前記底壁は互いに対向する配置とされ、前記一対の側壁は、前記天井壁の周縁から対向状態で前記底壁側に突出して設けられ、前記一対の抜止片は、前記一対の側壁が対向する方向とは直交する方向に対向して配置され、前記天井壁の周縁から対向状態で前記底壁側に突出して設けられ、前記側壁と前記抜止片は前記天井壁の周縁において交互に並んで配され、前記天井壁と前記一対の側壁と前記一対の抜止片とによって前記コイルばねの前記天井壁側の端部を受けるばね受け部が構成されているものとした。
【0007】
このようにすると、金属製のケースに、コイルばねの端部を受けるばね受け部を設けたから、コイルばねに押圧されることで、ばね受け部が変形したり、破損したりすることがなく、大電流用途の場合に上記端子モジュールを適用することができる。
【0008】
コイルばねを支持する方法としては、ケースの天井壁に案内棒を固定してその案内棒をコイルばねに通す方法もあるが、案内棒の部品費や、案内棒をケースにかしめて固定するためのかしめ加工費などの費用が発生するため端子モジュールのコストが高くなる。その点、上記の端子モジュールによると、案内棒の部品費と案内棒をケースに固定する加工費を削減することができる。
【0009】
本明細書によって開示される端子モジュールは、以下の構成としてもよい。
前記底壁は相手側接点と電気的に接続される電気接触部材を構成し、前記一対の側壁に設けられた支持部によって支持された初期位置と、前記相手側接点と接続されることで前記天井壁側に変位した接続位置との間を移動可能とされ、前記接続位置にある前記底壁は、前記抜止片の突出端よりも前記支持部側に配されている構成としてもよい。
このような構成によると、底壁が相手側接点と電気的に接続された際に、底壁が初期位置から天井壁側に変位して接続位置に至ることになるものの、底壁が抜止片の突出端よりも支持部側に配されているため、底壁が抜止片の突出端に干渉することはない。
【0010】
前記抜止片は、前記天井壁の周縁に設けた一対の切り欠きの間に配されることにより前記天井壁の周縁から前記ケースの外方に膨出した形態をなす基端部と、前記基端部から前記底壁側に真っ直ぐ延びる形態をなし、前記ばね受け部を構成する平面部とからなる構成としてもよい。
このような構成によると、抜止片に平面部を設けない場合よりもコイルばねと抜止片との間に形成されるクリアランスを小さくすることができる。
【0011】
前記側壁は、前記ケースの内方に叩き出された形態をなし、前記ばね受け部を構成する叩き出し部を有する構成としてもよい。
このような構成によると、側壁に叩き出し部を設けない場合よりもコイルばねと側壁との間に形成されるクリアランスを小さくすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本明細書によって開示される技術によれば、大電流用途の端子モジュールにかかるコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態における端子モジュールの斜視図
図2】端子モジュールの正面図
図3】端子モジュールの側面図
図4】端子モジュールの背面図
図5】端子モジュールの平面図
図6】端子モジュールの底面図
図7図2におけるA−A線断面図
図8図3におけるB−B線断面図
図9】底壁が接続位置にある端子モジュールの正面図
図10】コネクタと相手側コネクタを嵌合させる前の状態を示した断面図
図11】コネクタと相手側コネクタを嵌合させた後の状態を示した断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
実施形態を図1から図11の図面を参照しながら説明する。本実施形態の端子モジュール10は、相手側端子90と突き当てられることで、相手側端子90と電気的に接続される。以下の説明では、図10における上側を上側とし、図10における下側(相手側端子90側)を下側として説明する。また、図3における左側を前側とし、図3における右側(編組線45側)を後側とする。
【0015】
本実施形態の端子モジュール10は、図1に示すように、ケース20と、ケース20の内部に圧縮状態で収容されたコイルばね40とを備えて構成されている。ケース20は、コイルばね40によってケース20の開口部27側に向けて付勢された電気接触部材50を有し、この電気接触部材50は、編組線45を介して外部接続部材70と導通可能に接続されている。
【0016】
ケース20は、図1および図2に示すように、天井壁21と、天井壁21の両側縁から下方に延出されて互いに対向し、かつ、平行な左右一対の側壁23と、側壁23の下端部前縁から直角に曲げられて延出された一対の前壁25と、電気接触部材50とを備えて構成されている。ケース20のうち天井壁21と左右一対の側壁23と前壁25とによって構成された箱部は、SUS材などの金属板材をプレス加工したものであって、前後方向および下方に開口しており、下側の開口が、相手側端子90が進入可能な開口部27となっている。電気接触部材50が開口部27の奥側(上側)に配設されている。
【0017】
図1および図3に示すように、各側壁23は、側面視矩形状の上端部23Aと、側面視矩形状の下端部23Bとから構成されており、下端部23Bの後端の方が上端部23Aの後端よりも後方に突出した形状となっている。側壁23の上端部23Aの前後方向の寸法は、コイルばね40の外形寸法よりも若干大きくなっており、天井壁21の前後方向の寸法と同じとなっている。一方、下端部23Bの前後方向の寸法は、上端部23Aの前後方向の寸法よりも、電気接触部材50の後述する接続片部61と編組線45の接続部分の寸法分だけ大きくなっている。下端部23Bの後端部の上面が、電気接触部材50の後述する位置決め部65と当接する当接部31となっている。
【0018】
側壁23の下端部23Bには、ガイド部33が設けられている。ガイド部33は、側壁23に設けられた貫通孔の内壁とされており、ガイド部33の下端部の位置よりも上端部の位置の方が後方(相手側端子90の進入方向に対して横ずれする方向)にずれているため、前端部および後端部が傾斜している。つまり、ガイド部33の前端部および後端部が互いに平行で、かつ、相手側端子90の進入方向に対して斜め方向に延びる直線状とされている。ガイド部33の前端部に電気接触部材50の第2張り出し部55が摺接することで、電気接触部材50が上方に移動する際に、後方にも移動するようになっている。
【0019】
ガイド部33の前後両端部には一対の折り返し部35が設けられている。折り返し部35は、側壁23の外面に重なるようにして外側に180度折り返されることで設けられている。なお、ガイド部33のうち、第2張り出し部55と摺接するのは、折り返し部35が設けられた位置となっている。一対の折り返し部35の上下両側には、両折り返し部35間よりも前後方向の寸法が大きい長孔状の部分が設けられている。
【0020】
前壁25は、図1および図2に示すように、一方の側壁23の下端部23Bの前縁から他方の側壁23の前縁に向けて直角に曲げられて形成されており、幅狭部25Aと、幅広部25Bとからなっている。一対の幅狭部25A間の寸法は、電気接触部材50の第1張り出し部53の幅寸法(左右方向の寸法)と同じかこれよりもやや大きく、第1張り出し部53が上下方向に移動可能とされている。一方、一対の幅広部25B間の寸法は、一対の幅狭部25A間の寸法よりも小さいものとされている。そのため、第1張り出し部53の下面が、一対の幅広部25Bの上端部に当接することで、第1張り出し部53(底壁51)が一対の幅広部25Bから下方に落下することはなく、一対の幅広部25Bによって支持されている。なお、幅広部25Bの上端位置は、ガイド部33の折り返し部35の下端位置よりも若干上方になっており、第1張り出し部53が一対の幅広部25Bに支持された状態で第2張り出し部55がガイド部33の折り返し部35よりも下方に位置しないようになっている。
【0021】
コイルばね40は、図1および図7に示すように、SUSなどの金属線材をコイル状に巻回したものであって、天井壁21と電気接触部材50の底壁51とによって圧縮状態で挟持されている。コイルばね40の上下両端部は天井壁21と電気接触部材50の底壁51とに対して、その巻回方向の略1周分接触した状態で付勢している。コイルばね40の付勢力によって、電気接触部材50は下方に付勢され、第1張り出し部53の下面が一対の幅広部25Bに押し当てられている。これにより、電気接触部材50の底壁51は、一対の幅広部25Bとコイルばね40の下端部との間に挟持されている。
【0022】
電気接触部材50は、銅合金などの金属板材をプレス加工したものであって、ケース20の天井壁21と対向して配置された底壁51と、底壁51の後端部で曲げ形成された接続片部61とを有しており、全体として側面視L字状となっている。また、電気接触部材50の板厚は、端子モジュール10に求められる電流容量に応じて設定されており、コイルばね40の付勢力によって変形しない程度の剛性を有している。なお、電気接触部材50の板厚は、ケース20を構成する天井壁21および一対の側壁23の板厚よりも大きいものとされている。
【0023】
底壁51は平面視矩形状の平板であって、底壁51の下面は、相手側接点93と接触する接触面となっている。底壁51は、開口部27を通してケース20の外部に露出している。底壁51の上面がコイルばね40の下端部を受けるばね受け面となっている。底壁51の前後方向の寸法は、コイルばね40の前後方向の寸法よりも大きく、天井壁21の前後方向の寸法よりもやや大きくなっている。
【0024】
図1および図3に示すように、底壁51の前縁には第1張り出し部53が前方に張り出して設けられている。第1張り出し部53は、前壁25の一対の幅狭部25A間に配設されている。第1張り出し部53の端部は、前壁25より前方に突出している。また、底壁51の左右両側縁には一対の第2張り出し部55が左右両側に張り出して設けられている。第2張り出し部55は、ガイド部33内に挿入されており、第2張り出し部55の端部は、折り返し部35の外側面よりも外方に突出している。第2張り出し部55の前後方向の寸法は、ガイド部33の下端位置の前後方向の寸法と同じかこれよりもやや小さめとされている。
【0025】
接続片部61は、図1および図7に示すように、底壁51の後縁から上方に向けて直角に曲げられて形成されている。接続片部61の後面(コイルばね40から離れた側の面)が、編組線45が接続される接続面63とされている。接続片部61の上端部には、ケース20の当接部31に当接して接続片部61が下方に移動しないように位置決めする一対の位置決め部65が設けられている。一対の位置決め部65は、側壁23の外側面よりも外方に突出している。
【0026】
外部接続部材70は、図1および図7に示すように、銅合金などの金属板材をプレス加工したものであって、平板状に形成されている。そして、外部接続部材70は、ケース20の外側に配されており、上下方向(接続片部61の立ち上がり方向)に延びている。また、外部接続部材70には、編組線45が接続される外部接続面71と、長孔形状のボルト孔73とが設けられている。
【0027】
編組線45は、導電性のある銅等の金属素線を編んで作られたものである。図7に示すように、編組線45の両端部47は、接続片部61の接続面63と外部接続部材70の外部接続面71とに抵抗溶接で接続されている。両端部47は、抵抗溶接によって若干剛性が高くなった状態となっている。そして、編組線45の両端部47の間の中間部分49は、若干の余長を有する直線状となっている。電気接触部材50と外部接続部材70とが相対的に移動すると、中間部分49が撓み変形する。そのため、電気接触部材50が外部接続部材70側に移動する際に、編組線45が撓み変形することで電気接触部材50が自由に動けるようになっている。
【0028】
本実施形態の端子モジュール10は、図10に示すように、コネクタハウジング80の内部に収容されている。コネクタハウジング80は、上下に分割された合成樹脂製の上割体80Uと下割体80Lとを組み合わせることで構成されている。そして、端子モジュール10とコネクタハウジング80とによってコネクタ15が構成されている。
【0029】
コネクタハウジング80の上割体80Uは、上壁の後端部が上方に張り出しており、その張り出している部分が外部接続部材70の外部接続面71が収容される導出部81となっている。また、コネクタハウジング80の下割体80Lには、相手側端子90の進入を許容するハウジング開口部85が設けられている。ハウジング開口部85は、端子モジュール10の開口部27とほぼ同じ位置に設けられており、電気接触部材50を下側に露出可能としており、嵌合部97の進入を可能としている。
【0030】
コネクタ15に嵌合する相手側コネクタCは、相手側端子90と合成樹脂製の相手側ハウジング95とを備えている。相手側端子90は、図10に示すように、導電性の金属で形成されており、上下方向に延びる板状部材が前方に略直角に曲げられることで略L字状に形成されている。相手側端子90のうち電気接触部材50に対向する部分の上面には、前後方向に延びる相手側接点93が下面側からの叩き出しにより形成されている。2つの相手側接点93はビード状に突出した形状をなし、コネクタ15と相手側コネクタCとが嵌合されると、平面視においてコイルばね40の直径円内に収まるように配されている。
【0031】
また、相手側端子90は相手側ハウジング95にインサート成形によって保持されている。相手側ハウジング95には、ハウジング開口部85内に進入可能な嵌合部97が設けられており、相手側端子90は嵌合部97に保持されている。嵌合部97の下縁位置には、フランジ部99が外側に向かって突出して設けられている。フランジ部99がコネクタハウジング80の下面に当接することで、相手側端子90が既定位置を超えて進入することを抑制している。
【0032】
さて、図1に示すように、ケース20の上端部には、コイルばね40の上端部を受けるばね受け部26が設けられている。ばね受け部26は、天井壁21と一対の側壁23と一対の抜止片24とによって構成されている。一対の抜止片24は、天井壁21の4つの周縁のうち一対の側壁23が設けられていない一対の周縁に設けられている。抜止片24は、天井壁21の周縁に設けた一対の切り欠き22の間に配されることにより天井壁21の周縁からケース20の外方に膨出した形態をなす基端部24Aと、基端部24Aからケース20内に入り込んだ後、底壁51側に真っ直ぐ延びる形態をなす平面部24Bとからなる。抜止片24のうち平面部24Bがコイルばね40の側部を受けるばね受け部26を構成している。
【0033】
底壁51は相手側接点93と電気的に接続される電気接触部材50を構成し、前壁25の幅広部25Bおよび当接部31によって支持された初期位置(図2における底壁51の位置)と、相手側接点93と接続されることで天井壁21側に変位した接続位置(図9における底壁51の位置)との間を移動可能とされている。接続位置にある底壁51は、抜止片24の突出端(下端)よりも下側に配されている。このため、コネクタ15と相手側コネクタCの嵌合に伴って底壁51が初期位置から接続位置に至った際に、底壁51が抜止片24の突出端と干渉しないようになっている。
【0034】
また、側壁23は、ケース20の内方に叩き出された形態をなす叩き出し部28を有している。この叩き出し部28は、コイルばね40の側部を受けるばね受け部を構成している。叩き出し部28と抜止片24の平面部24Bとは、図2に示すように、上下方向においてほぼ同じ高さ位置に配されている。図7に示すように、抜止片24の平面部24Bとコイルばね40の側部との間のクリアランスは、0.5mm程度とされている。また、図8に示すように、叩き出し部28とコイルばね40の側部との間のクリアランスも、0.5mm程度とされている。
【0035】
図7に示すように、図示右側の抜止片24の平面部24Bをケース20の内側に入り込ませて設けたことで、電気接触部材50の接続片部61と抜止片24とが干渉することを回避可能となっている。仮に、抜止片を基端部24Aからそのまま下方に延ばして設けた場合、電気接触部材50の接続片部61と抜止片との干渉を回避すべく、ガイド部33の折り返し部35の傾きを小さくして電気接触部材50の前後方向の変位量を少なくする必要がある。その点、本実施形態では抜止片24に平面部24Bを設けたことでガイド部33による電気接触部材50の前後方向の変位量を十分確保することができる。
【0036】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用を説明する。まず、相手側コネクタCをコネクタ15に嵌合させるには、図10に示すように、相手側コネクタCの嵌合部97をコネクタ15のハウジング開口部85とケース20の開口部27に下方から嵌合させる。すると、相手側端子90の相手側接点93が電気接触部材50の底壁51の下面に当接し始める。そのまま、相手側コネクタCの嵌合部97をケース20の開口部27に嵌合させていくと、電気接触部材50が相手側接点93によって上方に持ち上げられるとともに、コイルばね40がさらに圧縮される。そのとき、底壁51の第2張り出し部55がガイド部33によって斜め上方に案内されるから、底壁51の下面(接点)と相手側接点93とは前後方向に摺動し、接点間の異物が除去される。
【0037】
こうして、相手側コネクタCとコネクタ15の嵌合が完了すると、図11に示すように、フランジ部99がハウジング開口部85の開口縁部に当接するとともに、編組線45の中間部分49が撓み変形する。また、コイルばね40の下端部が底壁51の移動に伴ってやや後方にずれて移動することになるものの、コイルばね40の側部が平面部24Bに当接することでコイルばね40が過度に傾いた姿勢になることが抑制されている。したがって、コイルばね40の付勢力が低下して接触圧が低下することはなく、電気接触部材50と相手側端子90が十分な接触圧をもって電気的に接続される。
【0038】
以上のように実施形態の端子モジュール10によると、金属製のケース20に、コイルばね40の端部を受けるばね受け部26を設けたから、コイルばね40に押圧されることで、ばね受け部26が変形したり、破損したりすることがなく、大電流用途の場合に上記端子モジュール10を適用することができる。
【0039】
コイルばね40を支持する方法としては、ケースの天井壁に案内棒を固定してその案内棒をコイルばね40に通す方法もあるが、案内棒の部品費や、案内棒をケースにかしめて固定するためのかしめ加工費などの費用が発生するため端子モジュールのコストが高くなる。その点、上記の端子モジュール10によると、案内棒の部品費と案内棒をケースに固定する加工費を削減することができる。
【0040】
底壁51は相手側接点93と電気的に接続される電気接触部材50を構成し、一対の側壁23に設けられた支持部(幅広部25B、当接部31)によって支持された初期位置と、相手側接点93と接続されることで天井壁21側に変位した接続位置との間を移動可能とされ、接続位置にある底壁51は、抜止片24の突出端よりも支持部側に配されている構成としてもよい。
このような構成によると、底壁51が相手側接点93と電気的に接続された際に、底壁51が初期位置から天井壁21側に変位して接続位置に至ることになるものの、底壁51が抜止片24の突出端よりも支持部側に配されているため、底壁51が抜止片24の突出端に干渉することはない。
【0041】
抜止片24は、天井壁21の周縁に設けた一対の切り欠き22の間に配されることにより天井壁21の周縁からケース20の外方に膨出した形態をなす基端部24Aと、基端部24Aから底壁51側に真っ直ぐ延びる形態をなし、ばね受け部26を構成する平面部24Bとからなる構成としてもよい。
このような構成によると、抜止片24に平面部24Bを設けない場合よりもコイルばね40と抜止片24との間に形成されるクリアランスを小さくすることができる。
【0042】
側壁23は、ケース20の内方に叩き出された形態をなし、ばね受け部26を構成する叩き出し部28を有する構成としてもよい。
このような構成によると、側壁23に叩き出し部28を設けない場合よりもコイルばね40と側壁23との間に形成されるクリアランスを小さくすることができる。
【0043】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では接続位置にある底壁51が抜止片24の下端よりも下側に配されているものの、底壁に逃がし孔を設けて抜止片24が逃がし孔に挿通する態様としてもよい。
【0044】
(2)上記実施形態では前後一対の抜止片24の平面部24Bがいずれもケース20の内側に入り込んでいるものの、図11における図示左側の抜止片については平面部がケース20の外側に配されているものとしてもよい。
【0045】
(3)上記実施形態では側壁23に叩き出し部28を設けているものの、側壁23の一部を折り返すことにより可撓片を設けてもよい。
【0046】
(4)上記実施形態ではビード状に突出した相手側接点93を例示しているものの、球状に突出した相手側接点を複数設けてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…端子モジュール
20…ケース
21…天井壁
22…切り欠き
23…側壁
24…抜止片
24A…基端部
24B…平面部
25…前壁
25B…幅広部(支持部)
26…ばね受け部
28…叩き出し部
31…当接部(支持部)
40…コイルばね
50…電気接触部材
51…底壁
93…相手側接点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11