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特開2018-200779ケーブル接続構造及びケーブル接続方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-200779(P2018-200779A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】ケーブル接続構造及びケーブル接続方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 11/01 20060101AFI20181122BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   H01R11/01 501A
   H01R4/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-104395(P2017-104395)
(22)【出願日】2017年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小見山 博秀
(72)【発明者】
【氏名】中村 佳央
(72)【発明者】
【氏名】山崎 誠仁
(72)【発明者】
【氏名】山本 修
(72)【発明者】
【氏名】岡田 孝明
【テーマコード(参考)】
5E085
【Fターム(参考)】
5E085BB05
5E085BB08
5E085BB19
5E085BB27
5E085CC03
5E085DD01
5E085EE12
5E085EE16
5E085GG12
5E085GG16
5E085HH01
5E085JJ02
5E085JJ26
(57)【要約】
【課題】FPCケーブルを基板に直接接合する場合、FPCケーブルの基板への接合を確実に行うとともに、接続部分に対する電磁干渉対策を簡易に行うことができるケーブル接続構造及びケーブル接続方法を提供すること。
【解決手段】信号層11の一方の面側にシールド層13が形成されたFPCケーブル1の接続部分E1と基板2側の接続部分E2との間に、熱硬化性樹脂系接着剤内に微小はんだ粒が密に散在した接続剤21を介在させ、加熱によって接続部分E1と接続部分E2とをはんだ接続したケーブル接続構造であって、接続部分E1、及び/または接続部分E1の基端側から所定長さ離隔した位置までの領域部分に対応するシールド層13を導電性メッシュ構造体15にする。シールド層13の他の領域は、導電性平板構造体16である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも信号線群が配列された信号層の一方の面側にシールド層が形成されたFPCケーブルのケーブル側接続部分と前記FPCケーブルが接続される基板側接続部分との間に、熱硬化性樹脂系接着剤内に微小はんだ粒が密に散在した接続剤を介在させ、加熱によって前記ケーブル側接続部分と前記基板側接続部分とをはんだ接続したケーブル接続構造であって、
前記ケーブル側接続部分、及び/または前記ケーブル側接続部分の基端側から所定長さ離隔した位置までの領域部分に対応するシールド層をメッシュ構造にしたことを特徴とするケーブル接続構造。
【請求項2】
前記信号層のケーブル側接続部分の縁端部にシールドガードを設け、
前記シールドガードと前記ケーブル側接続部分の前記シールド層の縁端部とをビア接合したことを特徴とする請求項1に記載のケーブル接続構造。
【請求項3】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする請求項2に記載のケーブル接続構造。
【請求項4】
前記ビア接合の間隔は、前記信号線群内を伝送する信号波長よりも短いことを特徴とする請求項3に記載のケーブル接続構造。
【請求項5】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、さらに前記FPCケーブルの先端側に露出させて延びた延長領域を有し、
前記基板側接続部分を有する基板は、前記延長領域に対応して前記基板側接続部分の縁端部に前記基板のグランドが露出した露出領域を形成し、
前記延長領域と前記露出領域とをはんだ接続することを特徴とする請求項1に記載のケーブル接続構造。
【請求項6】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする請求項5に記載のケーブル接続構造。
【請求項7】
少なくとも信号線群が配列された信号層の一方の面側にシールド層が形成されたFPCケーブルのケーブル側接続部分と前記FPCケーブルが接続される基板側接続部分との間に、熱硬化性樹脂系接着剤内に微小はんだ粒が密に散在した接続剤を介在させるとともに、前記ケーブル側接続部分、及び/または前記ケーブル側接続部分の基端側から所定長さ離隔した位置までの領域部分に対応するシールド層をメッシュ構造にし、
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層側からホットバーを押圧し、加熱によって前記ケーブル側接続部分と前記基板側接続部分とをはんだ接続することを特徴とするケーブル接続方法。
【請求項8】
前記信号層のケーブル側接続部分の縁端部にシールドガードを設け、
前記シールドガードと前記ケーブル側接続部分の前記シールド層の縁端部とをビア接合したことを特徴とする請求項7に記載のケーブル接続方法。
【請求項9】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする請求項8に記載のケーブル接続方法。
【請求項10】
前記ビア接合の間隔は、前記信号線群内を伝送する信号波長よりも短いことを特徴とする請求項9に記載のケーブル接続方法。
【請求項11】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、さらに前記FPCケーブルの先端側に露出させて延びた延長領域を有し、
前記基板側接続部分を有する基板は、前記延長領域に対応して前記基板側接続部分の縁端部に前記基板のグランドが露出した露出領域を形成し、
前記延長領域と前記露出領域とをはんだ接続することを特徴とする請求項7に記載のケーブル接続方法。
【請求項12】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする請求項11に記載のケーブル接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FPCケーブルを基板に直接接合する場合、FPCケーブルの基板への接合を確実に行うとともに、接続部分に対する電磁干渉対策を簡易に行うことができるケーブル接続構造及びケーブル接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit:FPC)と硬質基板(Rigid Printed Circuit:RPC)との接続には,コネクタや異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film, ACF)といった手段が用いられていた。そして、基板にFPCケーブルを接続する場合、専用のコネクタを基板上に配置し、このコネクタにFPCケーブルを接続するのが一般的である。コネクタを用いてFPCケーブルを基板に接続する場合、FPCケーブルのシールド層でケーブル端子部分が覆われ、また、コネクタによって各信号線をシールドすることができる。これにより、FPCケーブルと基板との接続部分から漏れる電磁波をなくすことができる。
【0003】
なお、特許文献1には、液晶ディスプレイ基板のFPC基板とを接続する場合であって、FPCが有する金属電極と液晶ディスプレイ基板が有する透明電極とをはんだ接続する構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−207842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年の電子機器などでは、厚さを小さくして電子機器の小型化を図りたいという要望がある。このため、FPCケーブルを基板に直接接合することがある。この直接接合には、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、SIG(Solder in Glue)を用いることができる。SIG接合は、熱硬化性樹脂系接着剤内に微小はんだ粒が散在した接続剤に対して、熱を加えると、微小はんだ粒が溶融してはんだ接合を行うとともに接着剤が硬化し、電気的および物理的な接合を行う。この際、微小はんだ粒は散在しているため、隣り合った異なる信号端子間は電気的に短絡することはない。
【0006】
少なくとも信号線群が配列された信号層の一方の面側にシールド層が形成されたFPCケーブルを基板に直接接合する場合、FPCケーブルと基板との間に上述した接着剤を介在させ、FPCケーブルのシールド層側から基板側にホットバーを押圧し、はんだを溶融させる。ここで、シールド層は熱伝導性が高いため、ホットバーから供給される熱がシールド層を介して逃げてしまい、はんだ接続を確実に行うことができないため、接続部分のシールド層を除去することが行われる。しかし、シールド層を除去すると、シールド層を除去してはんだ接続を行った接続部分には、シールド層がないため、この接続部分から電磁波が漏れてしまう。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、FPCケーブルを基板に直接接合する場合、FPCケーブルの基板への接合を確実に行うとともに、接続部分に対する電磁干渉対策を簡易に行うことができるケーブル接続構造及びケーブル接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるケーブル接続構造は、少なくとも信号線群が配列された信号層の一方の面側にシールド層が形成されたFPCケーブルのケーブル側接続部分と前記FPCケーブルが接続される基板側接続部分との間に、熱硬化性樹脂系接着剤内に微小はんだ粒が密に散在した接続剤を介在させ、加熱によって前記ケーブル側接続部分と前記基板側接続部分とをはんだ接続したケーブル接続構造であって、前記ケーブル側接続部分、及び/または前記ケーブル側接続部分の基端側から所定長さ離隔した位置までの領域部分に対応するシールド層をメッシュ構造にしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかるケーブル接続構造は、上記の発明において、前記信号層のケーブル側接続部分の縁端部にシールドガードを設け、前記シールドガードと前記ケーブル側接続部分の前記シールド層の縁端部とをビア接合したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるケーブル接続構造は、上記の発明において、前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるケーブル接続構造は、上記の発明において、前記ビア接合の間隔は、前記信号線群内を伝送する信号波長よりも短いことを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるケーブル接続構造は、上記の発明において、前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、さらに前記FPCケーブルの先端側に露出させて延びた延長領域を有し、前記基板側接続部分を有する基板は、前記延長領域に対応して前記基板側接続部分の縁端部に前記基板のグランドが露出した露出領域を形成し、前記延長領域と前記露出領域とをはんだ接続することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかるケーブル接続構造は、上記の発明において、前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかるケーブル接続方法は、少なくとも信号線群が配列された信号層の一方の面側にシールド層が形成されたFPCケーブルのケーブル側接続部分と前記FPCケーブルが接続される基板側接続部分との間に、熱硬化性樹脂系接着剤内に微小はんだ粒が密に散在した接続剤を介在させるとともに、前記ケーブル側接続部分、及び/または前記ケーブル側接続部分の基端側から所定長さ離隔した位置までの領域部分に対応するシールド層をメッシュ構造にし、前記ケーブル側接続部分の前記シールド層側からホットバーを押圧し、加熱によって前記ケーブル側接続部分と前記基板側接続部分とをはんだ接続することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかるケーブル接続方法は、上記の発明において、前記信号層のケーブル側接続部分の縁端部にシールドガードを設け、前記シールドガードと前記ケーブル側接続部分の前記シールド層の縁端部とをビア接合したことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかるケーブル接続方法は、上記の発明において、前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかるケーブル接続方法は、上記の発明において、前記ビア接合の間隔は、前記信号線群内を伝送する信号波長よりも短いことを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかるケーブル接続方法は、上記の発明において、前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、さらに前記FPCケーブルの先端側に露出させて延びた延長領域を有し、前記基板側接続部分を有する基板は、前記延長領域に対応して前記基板側接続部分の縁端部に前記基板のグランドが露出した露出領域を形成し、前記延長領域と前記露出領域とをはんだ接続することを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかるケーブル接続方法は、上記の発明において、前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ケーブル側接続部分、及び/またはケーブル側接続部分の基端側から所定長さ離隔した位置までの領域部分に対応するシールド層をメッシュ構造にしたので、FPCケーブルを基板に直接接合する場合、FPCケーブルの基板への接合を確実に行うことができるとともに、接続部分に対する電磁干渉対策を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施の形態1である基板に対してFPCケーブルを接合する状態を示す模式図である。
図2図2は、基板にFPCケーブルが接合したケーブル接続構造を示す断面図である。
図3図3は、図1に示したFPCケーブルの平面図である。
図4図4は、本実施の形態1の変形例であるFPCケーブルの一例を示す平面図である。
図5図5は、本実施の形態1の変形例であるFPCケーブルの他の例を示す平面図である。
図6図6は、本実施の形態2であるFPCケーブルの構造を示す図である。
図7図7は、図6に示したFPCケーブルと基板とのケーブル接続構造を示す断面図である。
図8図8は、本実施の形態3であるFPCケーブルの構造を示す図である。
図9図9は、図8に示したFPCケーブルが基板に接合した状態を示す平面図である。
図10図10は、図8に示したFPCケーブルが図9に示した基板に接合した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1である基板2に対してFPCケーブル1を接合する状態を示す模式図である。また、図2は、基板2にFPCケーブル1が接合したケーブル接続構造を示す断面図である。さらに、図3は、FPCケーブル1の平面図である。
【0024】
図1及び図3に示すようにFPCケーブル1は、絶縁層10、信号層11、絶縁層12、シールド層13、絶縁層14が順次積層されている。なお、図3では、絶縁層14の接続部分E1側を一部破断して示している。FPCケーブル1の先端側の接続部分E1における絶縁層10が取り除かれ、信号層11が露出した状態となっている。また、シールド層13の接続部分E1は、導電性メッシュ構造体15となっている。一方、シールド層13の接続部分E1以外の部分は、導電性平板構造体16となっている。図3に示すように、信号層11には、複数の信号線17が配列された信号線群を有する。なお、信号線17には、グランド線を含めても良い。導電性メッシュ構造体15のメッシュ穴径は、信号線17を流れる信号の波長未満である。
【0025】
一方、基板2上には、電子部品20が配置されているとともに、FPCケーブル1が接続される接続部分E2には、信号線17が接続される図示しない信号線が露出している。この図示しない信号線は、信号線17と同じ間隔で配列されている。この接続部分E2上には、SIG接合を行うため、レジンなどの熱硬化性樹脂系接着剤内に微小はんだ粒が密に散在した接続剤21が塗布される。そして、図1に示すように、FPCケーブル1の接続部分E1に対して導電性メッシュ構造体15側からホットバー30を押し当て、接続剤21を介して、接続部分E1を基板2の接続部分E2に加熱しつつ押圧する。これにより、図2に示すように、信号線17が存在する部分の接続剤21内の微小はんだ粒は溶融し、FPCケーブル1と基板2とが電気的に接続されることになる。
【0026】
ここで、シールド層13の接続部分E1は導電性メッシュ構造体15であるため、ホットバー30の熱を導電性平板構造体16側へ逃げるのを抑え、熱を効率よく接続部分E1の信号層に伝達している。しかも、図2に示すように、導電性メッシュ構造体15は、接続部分E1,E2に対してシールドしているため、Z方向への電磁波の漏れを抑えることができる。
【0027】
なお、図4に示すように、導電性メッシュ構造体15は、接続部分E1と基端側の領域E11との境界線L1を超え、さらに基端側の領域E11まで延長した構造としてもよい。この場合であっても、接続部分E1,E2のシールドを行いつつ、ホットバー30の熱を導電性平板構造体16側に逃げにくくしている。
【0028】
また、図5に示すように、ホットバー30の熱を導電性平板構造体16側(Y方向側)に逃げにくくする構造としては、上述した領域E11の部分のみを導電性メッシュ構造体15´としてもよい。この場合、接続部分E1のシールド層13は、導電性平板構造体16´とする。導電性平板構造体16´は、ホットバー30の熱を信号線17側に効率よく伝達するとともに、導電性メッシュ構造体15´の存在で、ホットバー30の熱を導電性平板構造体16側に逃げにくくしている。なお、導電性メッシュ構造体15´は、境界線L1に接することなく離隔していてもよい。
【0029】
(実施の形態2)
図6は、本実施の形態2であるFPCケーブル1Aの構造を示す図である。図6(a)は、FPCケーブル1Aの断面図である。図6(b)は、FPCケーブル1Aの一部を破断した平面図である。本実施の形態2のFPCケーブル1Aは、信号層11の接続部分E1の縁端部に、信号線17をXY平面上で取り囲む形状としたシールドガード18を設けている。また、導電性メッシュ構造体15とシールドガード18との間の絶縁層12にビアホール19を形成して、導電性メッシュ構造体15とシールドガード18との間をビア接合している。また、図6では、信号層11内に信号線17以外にグランド線17aが存在し、このグランド線17aは、シールドガード18と接続するとともに、導電性メッシュ構造体15との間をビア接合している。なお、ビア接合の間隔は、信号線17を流れる信号の波長未満であることが好ましい。
【0030】
図7は、FPCケーブル1Aと基板2とのケーブル接続構造を示す断面図である。図7に示すように、本実施の形態2では、接続部分E1,E2において、実施の形態1と同様にZ方向への電磁波の漏れ防止に加え、シールドガード18によって信号層11から−Y方向への電磁波の漏れを抑えることができる。また、ビア接合によって、絶縁層12から−Y方向への電磁波の漏れを抑えることができる。
【0031】
(実施の形態3)
図8は、本実施の形態3であるFPCケーブル1Bの構造を示す図である。図8(a)は、FPCケーブル1Bの断面図である。図8(b)は、FPCケーブル1Bの一部を破断した平面図である。また、図9は、FPCケーブル1Bが基板2に接合した状態を示す平面図である。さらに、図10は、FPCケーブル1Bが基板2に接合した状態を示す断面図である。
【0032】
図8に示すように、本実施の形態3のFPCケーブル1Bは、導電性メッシュ構造体15の先端部をさらに先端方向(−Y方向)に伸ばした領域E12まで形成した導電性メッシュ構造体15aを設けている。なお、グランド線17aと導電性メッシュ構造体15との間の絶縁層12には、ビアホール19が形成されている。
【0033】
一方、図9に示すように、基板2上で、接続部分E1と領域E12とを含む領域の縁端部には、基板2側の信号線が配置された領域を覗いて、グランドが露出した露出領域40が形成されている。また、基板2上の接続剤21は、接続部分E1と領域E12とを含む領域に対応する部分まで塗布される。
【0034】
導電性メッシュ構造体15aの縁端部と露出領域40とがSIG接合される。なお、グランド線17aと導電性メッシュ構造体15aとはビア接合される。これにより、接続部分E1,E2の上方(Y方向)及び側方(−Y方向)への電磁波の漏れを確実に抑えることができる。特に、信号線17間から側方方向に対しては導電性メッシュ構造体15aによって覆われ、信号線17間から側方方向への電磁波の漏れは実施の形態2に比してさらに抑えることができる。
【符号の説明】
【0035】
1,1A,1B FPC ケーブル
2 基板
10,12,14 絶縁層
11 信号層
13 シールド層
15,15a 導電性メッシュ構造体
16 導電性平板構造体
17 信号線
17a グランド線
18 シールドガード
19 ビアホール
20 電子部品
21 接続剤
30 ホットバー
40 露出領域
E1,E2 接続部分
E11,E12 領域
L1 境界線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2018年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも信号線群が配列された信号層の一方の面側に平板構造のシールド層が形成されたFPCケーブルのケーブル側接続部分と前記FPCケーブルが接続される基板側接続部分との間に、熱硬化性樹脂系接着剤内に微小はんだ粒が密に散在した接続剤を介在させ、加熱によって前記ケーブル側接続部分と前記基板側接続部分とをはんだ接続したケーブル接続構造であって、
前記ケーブル側接続部分、及び/または前記ケーブル側接続部分の基端側から所定長さ離隔した位置までの領域部分に対応する前記シールド層をメッシュ構造にしたことを特徴とするケーブル接続構造。
【請求項2】
前記信号層のケーブル側接続部分の縁端部にシールドガードを設け、
前記シールドガードと前記ケーブル側接続部分の前記シールド層の縁端部とをビア接合したことを特徴とする請求項1に記載のケーブル接続構造。
【請求項3】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする請求項2に記載のケーブル接続構造。
【請求項4】
前記ビア接合の間隔は、前記信号線群内を伝送する信号波長よりも短いことを特徴とする請求項3に記載のケーブル接続構造。
【請求項5】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、さらに前記FPCケーブルの先端側に露出させて延びた延長領域を有し、
前記基板側接続部分を有する基板は、前記延長領域に対応して前記基板側接続部分の縁端部に前記基板のグランドが露出した露出領域を形成し、
前記延長領域と前記露出領域とをはんだ接続することを特徴とする請求項1に記載のケーブル接続構造。
【請求項6】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする請求項5に記載のケーブル接続構造。
【請求項7】
少なくとも信号線群が配列された信号層の一方の面側に平板構造のシールド層が形成されたFPCケーブルのケーブル側接続部分と前記FPCケーブルが接続される基板側接続部分との間に、熱硬化性樹脂系接着剤内に微小はんだ粒が密に散在した接続剤を介在させるとともに、前記ケーブル側接続部分、及び/または前記ケーブル側接続部分の基端側から所定長さ離隔した位置までの領域部分に対応する前記シールド層をメッシュ構造にし、
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層側からホットバーを押圧し、加熱によって前記ケーブル側接続部分と前記基板側接続部分とをはんだ接続することを特徴とするケーブル接続方法。
【請求項8】
前記信号層のケーブル側接続部分の縁端部にシールドガードを設け、
前記シールドガードと前記ケーブル側接続部分の前記シールド層の縁端部とをビア接合したことを特徴とする請求項7に記載のケーブル接続方法。
【請求項9】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする請求項8に記載のケーブル接続方法。
【請求項10】
前記ビア接合の間隔は、前記信号線群内を伝送する信号波長よりも短いことを特徴とする請求項9に記載のケーブル接続方法。
【請求項11】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、さらに前記FPCケーブルの先端側に露出させて延びた延長領域を有し、
前記基板側接続部分を有する基板は、前記延長領域に対応して前記基板側接続部分の縁端部に前記基板のグランドが露出した露出領域を形成し、
前記延長領域と前記露出領域とをはんだ接続することを特徴とする請求項7に記載のケーブル接続方法。
【請求項12】
前記ケーブル側接続部分の前記シールド層は、前記信号層内のグランド線とビア接合したことを特徴とする請求項11に記載のケーブル接続方法。