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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-200836(P2018-200836A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】弛度調整用連結具
(51)【国際特許分類】
   H01B 17/06 20060101AFI20181122BHJP
   H02G 7/02 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   H01B17/06 B
   H02G7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-105652(P2017-105652)
(22)【出願日】2017年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】里 義久
(72)【発明者】
【氏名】枝廣 友紀
(72)【発明者】
【氏名】杉原 正史
(72)【発明者】
【氏名】藪内 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】狩野 健太
(72)【発明者】
【氏名】栗栖 庸輔
(72)【発明者】
【氏名】山本 淳一郎
【テーマコード(参考)】
5G331
5G367
【Fターム(参考)】
5G331AA02
5G331BB32
5G331DA02
5G331EA02
5G367DA01
5G367DC02
(57)【要約】
【課題】索状体が揺動しても連結ボルトを別の孔に移動させ難くすることで、索状体の弛度を一定に保つことができる弛度調整用連結具を提供することを課題とする。
【解決手段】構造物Tと索状体Wとを連結して該索状体Wの弛度を調整するための弛度調整用連結具1であって、構造物T及び索状体Wのうちの一方に連結された第1連結部材B1が挿通される基点用孔2と、構造物T及び索状体Wのうちの他方に連結された第2連結部材B2が挿通される複数の調整用孔3と、基点用孔2と調整用孔3との間に形成され、第2連結部材B2が内部を移動可能となるように構成された移動孔4と、が形成された本体部5を備え、各調整用孔3は、移動孔4と連通し、且つ自身の先端中心30と基点用孔2の中心とを結ぶ直線に沿って延びる長孔として形成されている弛度調整用連結具1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物と索状体とを連結して該索状体の弛度を調整するための弛度調整用連結具であって、
構造物及び索状体のうちの一方に連結された第1連結部材が挿通される基点用孔と、
構造物及び索状体のうちの他方に連結された第2連結部材が挿通される複数の調整用孔と、
基点用孔と調整用孔との間に形成され、第2連結部材が内部を移動可能となるように構成された移動孔と、が形成された本体部を備え、
各調整用孔は、移動孔と連通し、且つ自身の先端中心と基点用孔の中心とを結ぶ直線に沿って延びる長孔として形成されている弛度調整用連結具。
【請求項2】
前記本体部は、前記基点用孔が形成された第1部分と、前記調整用孔及び前記移動孔が形成された第2部分と、第1部分と第2部分との間に位置して両部分を連結する補強部と、を備えている請求項1に記載の弛度調整用連結具。
【請求項3】
前記複数の調整用孔は、索状体に対する基準弛度として設定された基準孔と、基準弛度よりも弛度が大きくなるように設定された一次側孔と、基準弛度よりも弛度が小さくなるように設定された二次側孔と、を含み、該基準孔と基点用孔とが対向する縦方向に直交する横方向において、基準孔に対して本体部の一端側に一次側孔が形成され、他端側に二次側孔が形成されている請求項1又は2に記載の弛度調整用連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、送電線等の架線の弛度を調整するための弛度調整用連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、送電線の弛度を調整するために、送電線を引留めるための耐張クランプと鉄塔に支持される碍子連との間に弛度調整用の金具が設けられている。このような弛度調整用の金具として、板状ヨーク本体を備え、該板状ヨーク本体に、耐張クランプに連結されたクランプ側連結ボルト又は碍子連に連結された碍子側連結ボルトの引留点となる長孔が複数形成された弛度調整ヨークが公知である(特許文献1)。
【0003】
特許文献1の弛度調整ヨークでは、複数の長孔は、中央部で交差して互いに連通するように形成されている。そのため、特許文献1の弛度調整ヨークによれば、クランプ側連結ボルト又は碍子側連結ボルトを長孔内で移動させることで送電線の弛度調整をすることができるので、送電線の弛度調整の際にクランプ側連結ボルト又は碍子側連結ボルトをいちいち取り外す必要が無く、弛度調整作業を簡単に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭49−122397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の弛度調整ヨークでは、長孔の両端は、クランプ側連結ボルト又は碍子側連結ボルトを引留める引留点となっており、複数の長孔は、中央部で交差して複数の引留点が放射状に位置するように形成されている。このため、例えば、複数の長孔のうち交差する2つの長孔の一方にクランプ側連結ボルトが挿通され、他方に碍子側連結ボルトが挿通された状態で両ボルトが離れる方向に直線状に張力がかけられ、この状態で送電線が揺動すると、クランプ側連結ボルト及び碍子側連結ボルトが交差する2つの長孔内を移動すると共に張力によって直線状に引っ張られ、何れか一方のボルトが、他方のボルトが挿通されている直線状に沿った長孔に移動してしまうことがある。そのため、上記従来の弛度調整ヨークでは、送電線の揺動に伴って連結ボルトが別の長孔に移動してしまい、弛度が一定に保たれないという問題があった。
【0006】
このような問題は、送電線に限られず、例えば、電柱等の構造物と配電用の電線や通信用のケーブル等の索状体とを連結する場合にも同様に起こり得る。
【0007】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、索状体が揺動しても連結ボルトを別の孔に移動させ難くすることで、索状体の弛度を一定に保つことができる弛度調整用連結具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る弛度調整用連結具は、構造物と索状体とを連結して該索状体の弛度を調整するための弛度調整用連結具であって、
構造物及び索状体のうちの一方に連結された第1連結部材が挿通される基点用孔と、
構造物及び索状体のうちの他方に連結された第2連結部材が挿通される複数の調整用孔と、
基点用孔と調整用孔との間に形成され、第2連結部材が内部を移動可能となるように構成された移動孔と、が形成された本体部を備え、
各調整用孔は、移動孔と連通し、且つ自身の先端中心と基点用孔の中心とを結ぶ直線に沿って延びる長孔として形成されている。
【0009】
かかる構成によれば、各調整用孔は、自身の先端中心と基点用孔の中心とを結ぶ直線に沿って延びる長孔として形成されているので、索状体の張力方向に沿った長孔となっている。そのため、索状体の張力を調整用孔の長軸方向に作用させることができるので、第2連結部材は、索状体が揺動することによって移動して調整用孔の外に出ても、張力がかかることで長軸方向に沿って移動して元の位置(調整用孔の先端側)に戻り易く、別の調整用孔へ移動し難くなっている。
【0010】
本発明の一態様として、前記本体部は、前記基点用孔が形成された第1部分と、前記調整用孔及び前記移動孔が形成された第2部分と、第1部分と第2部分との間に位置して両部分を連結する補強部と、を備えていてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、本体部は、基点用孔と調整用孔及び移動孔との間に、本体部を補強するための補強部を備えているので、耐張性能がよいものとなっている。
【0012】
本発明の他態様として、前記複数の調整用孔は、索状体に対する基準弛度として設定された基準孔と、基準弛度よりも弛度が大きくなるように設定された一次側孔と、基準弛度よりも弛度が小さくなるように設定された二次側孔と、を含み、該基準孔と基点用孔とが対向する縦方向に直交する横方向において、基準孔に対して本体部の一端側に一次側孔が形成され、他端側に二次側孔が形成されていてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、基準孔を介して本体部の一端側に一次側孔が形成され、他端側に二次側孔が形成されているので、第2連結部材を基準孔に対して本体部の一端側に移動させれば弛度を大きくすることができ、他端側に移動させれば弛度を小さくすることができ、基準弛度に対する弛度調整が容易である。
【発明の効果】
【0014】
以上より、本発明によれば、索状体が揺動しても連結部材を別の孔に移動させ難くすることで、索状体の弛度を一定に保つことができる弛度調整用連結具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】弛度調整用連結具の使用状態の正面図である。
図2】同実施形態に係る弛度調整用連結具の正面図である。
図3】他実施形態に係る弛度調整用連結具の正面図である。
図4】別の実施形態に係る弛度調整用連結具の正面図である。
図5】更に別の実施形態に係る弛度調整用連結具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る弛度調整用連結具について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
弛度調整用連結具は、構造物と索状体とを連結して該索状体の弛度を調整するために使用される。本実施形態の弛度調整用連結具は、例えば、鉄塔に支持された送電線の弛度を調整するために使用される。図1に示すように、弛度調整用連結具1は、送電線Wを引留めるための耐張クランプSと鉄塔Tに支持される碍子連Gとの間に設けられる。弛度調整用連結具1は、連結金具J(例えば平行クレビス)を介して耐張クランプS及び碍子連Gと連結される。
【0018】
図1及び図2に示すように、弛度調整用連結具1は、構造物Tとしての鉄塔T及び索状体Wとしての送電線Wのうちの一方に連結された第1連結部材B1が挿通される基点用孔2と、鉄塔T及び送電線Wのうちの他方に連結された第2連結部材B2が挿通される複数の調整用孔3と、基点用孔2と調整用孔3との間に形成され、第2連結部材B2が内部を移動可能となるように構成された移動孔4と、が形成された本体部5を備える。各調整用孔3は、移動孔4と連通し、且つ自身の先端中心30と基点用孔2の中心20とを結ぶ直線Lに沿って延びる長孔として形成されている。
【0019】
本実施形態の弛度調整用連結具1は、基点用孔2側に鉄塔Tに支持された碍子連Gが連結され、調整用孔3側に送電線Wを引留める耐張クランプSが連結されている。しかしながら、基点用孔2側に耐張クランプSが連結され、調整用孔3側に碍子連Gが連結されてもよい。
【0020】
図2に示すように、本体部5は、基点用孔2が形成された第1部分51と、調整用孔3及び移動孔4が形成された第2部分52と、第1部分51と第2部分52との間に位置して両部分を連結する補強部53とを備える。本体部5は、板状に形成されている。本体部5は、基点用孔2と後述する基準孔31とが対向する縦方向の長さが、該縦方向に直交する横方向の長さよりも短くなるように形成されている。本実施形態の本体部5は扇形状に形成されている。
【0021】
第1部分51は、縦方向における本体部5の一端側の部分を構成している。具体的には、第1部分51は、本体部5の扇形状の中心部(中心角を構成する部分)を含む部分である。
【0022】
第2部分52は、縦方向における本体部5の他端側の部分を構成している。具体的には、第2部分52は、本体部5の扇形状の円弧部を含む部分である。
【0023】
補強部53は、第1部分51と第2部分52との間に形成されている。即ち、第1部分51、第2部分52、及び補強部53は、縦方向における本体部5の一端側から他端に向けて第1部分51、補強部53、第2部分52の順に配置されている。本実施形態の補強部53は、中実状に形成され、基点用孔2と移動孔4との間を埋めるように形成されている。
【0024】
本実施形態では、基点用孔2は1つ形成されている。本実施形態の基点用孔2は、円形状に形成されている。しかしながら、基点用孔2は楕円形状等の長孔状、矩形状に形成されていてもよく、基点用孔2の形状については特に限定されない。基点用孔2は、複数の調整用孔3及び移動孔4とは独立して(連通せずに)形成されている。
【0025】
複数の調整用孔3は、送電線Wに対する基準弛度として設定された基準孔31と、基準弛度よりも弛度が大きくなるように設定された一次側孔32と、基準弛度よりも弛度が小さくなるように設定された二次側孔33とを含む。該基準孔31と基点用孔2とが対向する縦方向に直交する横方向において、基準孔31に対して本体部5の一端側に一次側孔32が形成され、他端側に二次側孔33が形成されている。
【0026】
複数の調整用孔3は、第2部分52の端縁に沿って並ぶように形成されている。具体的には、複数の調整用孔3は、本体部5の円弧部に沿って、円弧状に並ぶように形成されている。本実施形態では、調整用孔3は奇数個形成されている。そして、奇数個の調整用孔3のうちの中心に位置する孔が基準孔31となっている。本実施形態では、各調整用孔3は、短軸側の径が等しくなるように形成されている。
【0027】
本実施形態では、調整用孔3は、5つ以上形成されている。即ち、横方向において、基準孔31に対して本体部5の一端側に複数の一次側孔32が形成され、他端側に複数の二次側孔33が形成されている。本実施形態では、調整用孔3は、7つ形成されている。即ち、横方向において、基準孔31に対して本体部5の一端側に3つの一次側孔32が形成され、他端側に3つの二次側孔33が形成されている。また、本実施形態では、基準孔31から遠い一次側孔32及び二次側孔33ほど基準弛度との差が大きくなるように弛度が設定されている。
【0028】
調整用孔3は、長軸方向における両端のうちの一端側で第2連結部材B2を係止し、他端側が移動孔4に繋がっている。即ち、調整用孔3は、弛度調整時に第2連結部材B2が収まる先端孔301と、該先端孔301と移動孔4とを連通すると共に、第2連結部材B2が移動可能な連通孔302とで構成されている。
【0029】
先端孔301は、張力がかけられた第2連結部材B2を周壁で係止するように構成されている。即ち、先端孔301は、第2連結部材B2を係止する係止部303を備える。調整用孔3の先端中心30は、第1連結部材B1及び第2連結部材B2に張力がかけられた状態における第2連結部材B2の中心と第1連結部材B1の中心とを結ぶ線上に位置している。本実施形態の先端孔301は円形状に形成されており、調整用孔3の先端中心30は先端孔301の孔中心に一致している。
【0030】
連通孔302は、基点用孔2の中心20と先端孔301の中心30とを結ぶ仮想直線Lに沿って延びるように形成されている。連通孔302は、調整用孔3の短軸方向で対向する一対の対向周壁302aを備える。即ち、一対の対向周壁302aは、調整用孔3の長軸方向に沿って(即ち先端孔301で係止する第2連結部材B2と基点用孔2に挿通された第1連結部材B1とに作用する張力方向に沿って)形成されている。本実施形態では、連通孔302は、一対の対向周壁302a同士が平行となるように形成されている。本実施形態では、連通孔302は、一対の対向周壁302aが先端孔301の直径分離間するように形成されている。
【0031】
弛度とは、鉄塔T等による送電線Wの支持点と送電線Wの弛みにより形成される該送電線Wの最下点との高さの差である。具体的には、基点用孔2の中心20と調整用孔3の先端中心30との距離Dが大きいほど送電線Wが下方側に弛むので、送電線Wの弛度としては大きくなる。これに対して基点用孔2の中心20と調整用孔3の先端中心30との距離Dが小さいほど送電線Wが張られた状態(上方に引き上げられた状態)となるので、送電線Wの弛度としては小さくなる。
【0032】
本実施形態では、基点用孔2の中心20と基準孔31の先端中心30との基準距離D1が送電線Wの基準弛度となるように設定されている。また、複数の一次側孔32は、基準孔31から遠ざかるほど、弛度が大きくなるように形成されている。具体的には、一次側孔32のうちの基準孔31に最も近い一次側第1孔32aの先端中心30と基点用孔2の中心20との一次側第1距離D2が、基準距離D1よりも長くなるように一次側第1孔32aが形成されている。また、一次側孔32のうちの一次側第1孔32aの隣に位置する一次側第2孔32bの先端中心30と基点用孔2の中心20との一次側第2距離D3が、一次側第1距離D2よりも長くなるように一次側第2孔32bが形成されている。
【0033】
複数の二次側孔33は、基準孔31から遠ざかるほど、弛度が小さくなるように形成されている。具体的には、二次側孔33のうちの基準孔31に最も近い二次側第1孔33aの先端中心30と基点用孔2の中心20との二次側第1距離D4が、基準距離D1よりも短くなるように二次側第1孔33aが形成されている。また、二次側孔33のうちの二次側第1孔33aの隣に位置する二次側第2孔33bの先端中心30と基点用孔2の中心20との二次側第2距離D5が、二次側第1距離D4よりも短くなるように二次側第2孔33bが形成されている。
【0034】
移動孔4は、横方向に延びる長孔である。移動孔4は、自身の長手方向で対向する一対の第1側壁41、該一対の第1側壁41を繋ぐ第2側壁42、及び隣り合う調整用孔3同士の間に形成された第3側壁43によって画定されている。第1側壁41と第2側壁42とは、湾曲して接続されている。また、第2側壁42は、凹凸無く滑らかに形成されている。本実施形態の第2側壁42は、調整用孔3側に凸となるように湾曲して形成されている。また、第3側壁43は湾曲して形成されている。そのため、第2連結部材B2を所定の調整用孔3から別の調整用孔3に移動させる際に第2連結部材B2が滑り易くなっており、第2連結部材B2を調整用孔3間でスムーズに移動させることができる。
【0035】
本実施形態に係る弛度調整用連結具1の説明は以上である。続いて、本実施形態に係る弛度調整用連結具1の使用方法(弛度調整方法)について説明する。
【0036】
まず、弛度調整前の状態で、弛度調整用連結具1は、第1連結部材B1によって碍子連Gに接続され、第2連結部材B2によって耐張クランプSに接続され、碍子連Gと耐張クランプSとを連結し、張力がかかった状態となっている。作業者は、送電線Wと該送電線Wを引留めるためのワイヤーとを繋ぎ、該ワイヤーを鉄塔T等に連結することで、送電線Wの荷重の一部をワイヤーに預けた状態とする。このように、送電線Wの荷重の一部をワイヤーに預けることで、弛度調整用連結具1にかかる張力を下げて第2連結部材B2を移動孔4内で移動可能な状態にする。
【0037】
作業者は、送電線Wの弛度が所望の弛度となるように、第2連結部材B2を移動孔4の第3側壁43を滑らせながら移動させる。作業者は、第2連結部材B2を目的の調整用孔3に移動させた後、第2連結部材B2を調整用孔3の周壁の係止部303に係止し、ワイヤーを送電線Wから外して弛度調整用連結具1に送電線Wの荷重をかける。この状態で、弛度調整用連結具1に送電線Wによる張力を作用させ、該送電線Wを所望の弛度で鉄塔Tに支持させることができる。
【0038】
以上のような手順によりワイヤーに送電線Wの荷重の一部預けながら作業(弛度調整)をする場合に、本実施形態の弛度調整用連結具1を使用することで、ワイヤーが送電線Wから誤って外れてしまっても、弛度調整用連結具1によって送電線Wと鉄塔T等とが連結された状態となっているので、送電線Wが誤って落下することがなく安心して送電線Wの弛度調整作業を行うことができる。
【0039】
以上のように、上記実施形態の弛度調整用連結具1によれば、各調整用孔3は、自身の先端中心30と基点用孔2の中心20とを結ぶ直線Lに沿って延びる長孔として形成されているので、送電線Wの張力方向に沿った長孔となっている。そのため、送電線Wの張力を調整用孔3の長軸方向に作用させることができるので、第2連結部材B2は、送電線Wが揺動することによって移動して調整用孔3の外に出ても、張力がかかることで長軸方向に沿って移動して元の位置(調整用孔3の先端側)に戻り易く、別の調整用孔3へ移動し難くなっている。
【0040】
上記実施形態では、本体部5は、基点用孔2と調整用孔3及び移動孔4との間に、本体部5を補強するための補強部53を備えているので、耐張性能がよいものとなっている。また、上記実施形態では、移動孔4の第2側壁42は、調整用孔3側に凸となるように湾曲して形成されている。そのため、調整用孔3側に凸となっている分、補強部53の面積を大きくとることができ、耐張性能がよい。
【0041】
また、上記実施形態では、基準孔31を介して本体部5の一端側に一次側孔32が形成され、他端側に二次側孔33が形成されているので、第2連結部材B2を基準孔31に対して本体部5の一端側に移動させれば弛度を大きくすることができ、他端側に移動させれば弛度を小さくすることができ、基準弛度に対する弛度調整が容易である。
【0042】
尚、本発明の弛度調整用連結具1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0043】
上記実施形態では、本体部5が扇形状に形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。本体部5は、矩形状、三角形状、円形状等に形成されていてもよい。また、本体部5は、長尺に形成されていてもよい。
【0044】
上記実施形態では、調整用孔3が奇数個(7つ)形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。調整用孔3は、偶数個形成されていてもよく、数については限定されない。例えば、図3に示すように、調整用孔3は、5つ形成されていてもよい。そして、基準孔31を介して本体部5の横方向における一端側に一次側孔32が2つ形成され、他端側に二次側孔33が2つ形成されていてもよい。
【0045】
上記実施形態では、基点用孔2が複数の調整用孔3及び移動孔4とは独立して形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。図4及び図5に示すように、基点用孔2は調整用孔3及び移動孔4と繋がっていてもよい。例えば、図4に示すように、本体部5が補強部53を備えず、基点用孔2、移動孔4、及び調整用孔3が1つの孔として形成されていてもよい。また、図5に示すように、補強部53に連通路Pが形成され、基点用孔2が移動孔4に対して連通路Pを介して繋がっていてもよい。この場合、連通路Pは、第1連結部材B1及び第2連結部材B2が移動可能な大きさで形成されていてもよく、第1連結部材B1及び第2連結部材B2が移動出来ない大きさで形成されていてもよい。
【0046】
上記実施形態では、基準孔31を中心に、本体部5の一端側に一次側孔32が形成され、他端側に二次側孔33が形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。調整用孔3は、本体部5の両端のうちの一端側から他端側に向かって弛度が大きくなるように、又は小さくなるように配置されていてもよい(並んでいてもよい)。また、弛度に関係なく、使用頻度が高い調整用孔3が中心位置に配置されていてもよい。
【0047】
上記実施形態では、調整用孔3は、円形状の先端孔301と、一対の対向周壁302aが平行に、且つ先端孔301の直径分離間して配置された連通孔302とによって構成された長孔である場合について説明したが、これに限定されるものではない。調整用孔3は、自身の先端中心30と基点用孔2の中心20とを結ぶ直線Lに沿って延びていればよく、例えば、楕円形状であってもよい。また、先端孔301が連通孔302に対して拡径した形状の長孔であってもよい。
【0048】
上記実施形態では、先端孔301が円形状に形成されている場合について説明した。しかしながら、先端孔301の形状は円形状に限定されない。先端孔301は、周壁の係止部303で第2連結部材B2を係止可能に構成されていればよく、四角形状、楕円形状等であってもよい。
【0049】
上記実施形態では、一例として構造物Tが鉄塔Tである場合について説明したが、構造物Tは、例えば電柱等であってもよい。また、上記実施形態では、一例として索状体Wが送電線Wである場合について説明したが、索状体Wは、配電用の電線や、通信用のケーブル等であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…弛度調整用連結具、2…基点用孔、3…調整用孔、30…先端中心、31…基準孔、32…一次側孔、32a…一次側第1孔、32b…一次側第2孔、33…二次側孔、33a…二次側第1孔、33b…二次側第2孔、301…先端孔、302…連通孔、303…係止部、4…移動孔、41…第1側壁、42…第2側壁、43…第3側壁、5…本体部、51…第1部分、52…第2部分、53…補強部、B1…第1連結部材、B2…第2連結部材、D,D1,D2,D3,D4,D5…調整用孔の先端中心と基点用孔の中心との距離、G…碍子連、J…連結金具、S…耐張クランプ、T…鉄塔(構造物)、W…送電線(索状体)
図1
図2
図3
図4
図5