特開2018-201054(P2018-201054A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-201054半導体装置、固体撮像素子、および電子機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-201054(P2018-201054A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】半導体装置、固体撮像素子、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20181122BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20181122BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20181122BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20181122BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20181122BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   H01L27/146 A
   H01L27/04 H
   H01L27/06 102A
   H01L27/088 331E
   H01L27/088 331A
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2018-186830(P2018-186830)
(22)【出願日】2018年10月1日
(62)【分割の表示】特願2015-546601(P2015-546601)の分割
【原出願日】2014年10月24日
(31)【優先権主張番号】特願2013-230218(P2013-230218)
(32)【優先日】2013年11月6日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-56607(P2014-56607)
(32)【優先日】2014年3月19日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】岩淵 信
(72)【発明者】
【氏名】柴山 利一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】丸山 俊介
【テーマコード(参考)】
4M118
5F038
5F048
【Fターム(参考)】
4M118AB01
4M118BA10
4M118BA14
4M118FA06
4M118GA02
4M118GB03
4M118GB07
4M118GB10
4M118GB11
4M118GB12
4M118GC08
4M118GD04
4M118GD07
5F038AZ07
5F038BH01
5F038BH17
5F038BH19
5F038CA02
5F038CA12
5F038CA16
5F038DF03
5F038DF12
5F038EZ06
5F038EZ10
5F038EZ20
5F048AB10
5F048AC10
5F048BA01
5F048BA16
5F048BF12
5F048BG13
5F048BG14
(57)【要約】
【課題】ホットキャリア発光による悪影響を抑制することができるようにする。
【解決手段】複数の素子が形成される素子形成部と、それらの素子間を接続する配線が形成される配線部とが積層されて構成される。そして、素子形成部には、光を受光して光電変換を行う受光素子と、受光素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子との間に、素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物が配置される。本技術は、例えば、裏面照射型の固体撮像素子に適用できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素子が形成される素子形成部と、
前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と
を備え、
前記素子形成部に、
光の影響を受ける受動素子と、
前記受動素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、
前記受動素子および前記能動素子の間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物と
が配置される
半導体装置。
【請求項2】
前記受動素子は、光を受光して光電変換を行う受光素子である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面に、前記受光素子が受光する光が照射され、
前記素子形成部および前記配線部が積層されて構成される基板の表面側に、その基板を支持する支持基板が接合されて構成される
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記構造物は、前記素子形成部に前記配線部が積層される表面から形成され、前記構造物の先端と、前記表面に対して反対側となる裏面との隙間が所定の間隔以下となるように形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記構造物は、前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面から形成され、前記構造物の先端と、前記表面との隙間が所定の間隔以下となるように形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記構造物は、前記素子形成部に前記配線部が積層される表面から形成される第1の構造物の先端と、前記表面に対して反対側となる裏面から形成される第2の構造物の先端との隙間が所定の間隔以下となるように形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記構造物は、前記能動素子から前記受動素子に向かう間の複数個所に形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記構造物は、前記素子形成部において前記能動素子が形成される側となる表面から形成される第1の構造物と、前記表面に対して反対側となる裏面から形成される第2の構造物とが、前記能動素子から前記受動素子を見たときに重ね合わされて配置される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記構造物が、前記素子形成部の厚み方向の隙間が設けられることなく、前記素子形成部を貫通するように形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記構造物は、光を屈折または吸収する材料により構成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記構造物は、前記素子形成部の厚み方向に向かう側壁が、その厚み方向に対して傾斜して形成される
請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記構造物は、光を反射する金属により構成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記構造物の周囲を取り囲む絶縁物をさらに有する
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記構造物の電位を取り出すための電極をさらに有する
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記受動素子は、光ノイズに対して高感度のアナログ素子である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記構造物は、前記受動素子が形成される領域と、前記能動素子が形成される領域との間を通り、平面的に見て前記受動素子が形成される領域を囲うように配置される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記構造物は、前記受動素子が形成される領域と、前記能動素子が形成される領域との間を通り、平面的に見て前記能動素子が形成される領域を囲うように配置される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記構造物は、前記受動素子が形成される領域と、前記能動素子が形成される領域との間で、前記受動素子と前記能動素子とを結ぶ直線上に少なくとも存在するように配置される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項19】
複数の前記受動素子が配置される素子領域と、前記素子領域の周辺に配置され、前記能動素子により構成される周辺回路との間に、1本または複数本の前記構造物が形成される構造物形成領域が設けられる
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記構造物は、前記素子形成部を構成するシリコン層内で赤外光を反射または吸収する材料により構成される
請求項19に記載の半導体装置。
【請求項21】
前記素子形成部を構成する基板は、シリコン層の間に、前記シリコンとは屈折率の異なる材料により構成される層が形成されて構成される
請求項19に記載の半導体装置。
【請求項22】
前記構造物は、前記素子形成部を構成するシリコン層内で赤外光を反射または吸収する材料により構成される
請求項21に記載の半導体装置。
【請求項23】
前記構造物は、平面的に見て前記素子領域を囲うように、少なくとも二重に配置されるとともに、周方向に複数に分割されており、隣り合う前記構造物どうしが、半周期ずらして配置されている
請求項19に記載の半導体装置。
【請求項24】
複数の前記構造物が、平面的に見て前記素子領域の周囲を連続的に囲うように配置されている
請求項19に記載の半導体装置。
【請求項25】
複数の素子が形成される素子形成部と、
前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と
を備え、
前記素子形成部に、
光を受光して光電変換を行う受光素子と、
前記受光素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、
前記受光素子および前記能動素子の間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物と
が配置され、
前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面に、前記受光素子が受光する光が照射され、
前記素子形成部および前記配線部が積層されて構成される基板の表面側に、その基板を支持する支持基板が接合されて構成される
固体撮像素子。
【請求項26】
複数の素子が形成される素子形成部と、
前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と
を備え、
前記素子形成部に、
光を受光して光電変換を行う受光素子と、
前記受光素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、
前記受光素子および前記能動素子の間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物と
が配置され、
前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面に、前記受光素子が受光する光が照射され、
前記素子形成部および前記配線部が積層されて構成される基板の表面側に、その基板を支持する支持基板が接合されて構成される
固体撮像素子を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置、固体撮像素子、および電子機器に関し、特に、ホットキャリア発光による悪影響を抑制することができるようにした半導体装置、固体撮像素子、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子式カメラはますます普及が進んでおり、その中心部品である固体撮像素子(イメージセンサ)の需要はますます高まっている。また、固体撮像素子の性能面では高画質化および高機能化を実現するための技術開発が続けられている。一方、ビデオカメラや携帯型カメラはもとより、携帯電話やPDA、ノート型パーソナルコンピュータなどへの普及が進むにつれて、固体撮像素子およびその部品についても、持ち運びを容易にするための小型化・軽量化・薄型化、普及拡大のための低コスト化が必須のものとなってきている。
【0003】
一般的に、固体撮像装置は、シリコン基板上の第1の主面(受光面)側に光電変換素子や増幅回路、画像処理のための周辺回路、素子・回路間を接続するための多層配線層が形成される。さらに、固体撮像装置は、マイクロレンズやカラーフィルタなどの集光構造を形成したチップの第1の主面の上方にカバーガラスを配置し、前記第1の主面の外周側、あるいはチップの第2の主面側に端子を形成した構造を有する。
【0004】
また、固体撮像装置の高機能化および高速化を実現するために、周辺回路の規模が増大するとともに、周辺回路の処理速度も高速化されている。また、高画質化の一つとして階調表現(分解能)を向上させようとすると、高電圧化が必要になる。一方で、低コスト化を実現するためには、画素部および周辺回路を近距離に配置して、チップサイズを出来るだけ小さくすることが求められる。
【0005】
しかしこの場合、光電変換素子および周辺回路が至近距離に形成されるため、イメージセンサ特有の課題が発生する。光電変換素子は微少なキャリア(電子)を信号として扱うため、周辺にある回路からの熱や電磁場の影響が雑音として混入しやすい。加えて、トランジスタやダイオードから出る微少なホットキャリア発光もイメージセンサ特性に大きな影響を与えることになる。
【0006】
ホットキャリア発光はソース・ドレイン間で加速されたキャリアがドレイン端で衝突電離するときに出る電子とホールの生成再結合、あるいはそのどちらかの状態遷移によって起きる発光である。この発光は、特性上何の問題もないトランジスタでも微少であるが定常的に発生している。その発光量は、トランジスタにかかる電圧が高くなると指数関数的に増大する。
【0007】
また、トランジスタを高速動作させても発光量は増加する。発光は四方に拡散するため、トランジスタから離れると影響は非常に小さくなるが、光電変換素子と回路を非常に近くに配置した場合、発光はそれほど拡散せずに光電変換素子に光子が相当数注入される。拡散が不十分であることから、回路のトランジスタ配置密度やアクティブ率の違いから生じるホットキャリア発光の発生分布が2次元情報として画像に写り込んでしまう。そのため、光電変換素子への注入量を検出限界以下に抑えるための、遮光用に設計された構造が必要である。
【0008】
なお、光電変換素子だけでなく、高感度のアナログ素子に対しても同様な影響を与える可能性がある。例えばフラッシュメモリのようなデバイスは高密度化・多値化が進んでいるため、外部からのノイズ混入が起きると保持している値が変化する懸念がある。
【0009】
このような問題に対し、特許文献1および2では、光電変換素子と周辺回路との間に、光の伝搬を抑制するような遮光構造を提供している。
【0010】
例えば、特許文献1で開示される技術では、特許文献1の図7に示すように、光電変換素子と同程度以上の高さになるような遮光構造、あるいは光を屈折させる構造を半導体基板内に形成し、周辺回路から出たホットキャリア発光による光の伝搬が抑制される。さらに、特許文献1の図16に示すように、トランジスタで発生した光が裏面側に到達し反射することを防ぐために、近赤外の光の反射を防止するような反射防止膜を形成した構造が提供される。
【0011】
同様に、特許文献2で開示される技術では、特許文献2の図7に示すように、周辺回路で発生した光の進行経路上に遮光部材を形成することで、光電変換素子に光が入射することが抑制される。
【0012】
ところで、特許文献1で開示される技術では、特許文献1の図7および図18に示すように、光電変換素子と同程度以上の深さ、あるいは周辺回路部で発生したホールの伝搬を抑制可能な深さで遮光構造を形成している。このような構造の場合、周辺回路から光電変換素子に直線的に伝搬する成分は阻止することはできるのに対し、光は波動成分を持つことより、遮光構造の下部を回り込んで伝搬してしまう。すなわち、光電変換素子と同程度の深さの遮光構造では遮光効果は不十分であり、遮光構造下部の隙間を通って伝搬する。また、ホールの伝搬を阻止することができたとしても、大部分のホールは周辺回路のごく近傍で再結合し、光成分に変わってしまっているので、ホール伝搬阻止による抑制効果はほとんど無い。
【0013】
さらに、特許文献1では、ホットキャリア発光による光が基板の裏面側まで伝搬した際に反射を抑制するための、近赤外の反射防止膜も提供している。一方、トランジスタで発生した光は四方八方へ放射されるため、反射防止膜に対しても色々な角度を持って入射する。この角度がある特定の角度以下になると、界面で光が全反射してしまう。そのため、反射防止膜があっても光の伝搬を完全に抑制することは非常に困難である。
【0014】
また、半導体基板を数μm程度まで薄肉化した構造の場合、トランジスタから裏面側への距離は大幅に短くなり、光があまり減衰せず裏面側まで伝搬する。その結果、近赤外光だけでなく青色光も裏面側まで到達し、近赤外の反射防止膜では抑制することはできなくなる。特に、近年開発された裏面照射型の固体撮像装置の場合、基板の裏面側から光を取り込むために基板を薄くする必要があるため、裏面側で反射して伝搬する成分が大幅に増加し、光ノイズ成分が大幅に増えることになる。
【0015】
そして、特許文献2においても、特許文献1と同様に、周辺回路と光電変換素子の間に遮光構造を提供するが、トランジスタから出た光の経路上に設置することしか言及していないため、光が回り込んで伝搬する成分を抑制することは非常に困難である。すなわち、特許文献2で開示される技術では、特許文献1と同様に、遮光構造下部の隙間を通って光が伝搬する。
【0016】
また、特許文献2で開示される技術では、光電変換部の上方に遮光膜があることを特徴とするが、これは表面照射型固体撮像装置特有の構造であるため、裏面照射型固体撮像装置に適用されない。上述したように、裏面照射型の固体撮像装置において光ノイズ成分が大幅に増えることより、特許文献2で開示される技術では、光の伝搬を完全に抑制することは非常に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2010−245499号公報
【特許文献2】特開2002−043566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述したように、特許文献1および2で開示されている技術では、周辺回路におけるホットキャリア発光による光が半導体基板を伝搬して光電変換素子に入射することを防止することができず、ホットキャリア発光による悪影響を抑制することは困難であった。特に、裏面照射型の固体撮像装置では、半導体基板を薄くする構成であることより光ノイズ成分が大幅に増えるため、その悪影響は大きいものである。また、上述したように、光電変換素子だけでなく、高感度のアナログ素子に対しても、ホットキャリア発光により発生した光が同様の悪影響を与える可能性がある。
【0019】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ホットキャリア発光による悪影響を抑制することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示の一側面の半導体装置は、複数の素子が形成される素子形成部と、前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部とを備え、前記素子形成部に、光の影響を受ける受動素子と、前記受動素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、前記受動素子および前記能動素子の間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物とが配置される。
【0021】
本開示の一側面の固体撮像素子は、複数の素子が形成される素子形成部と、前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部とを備え、前記素子形成部に、光を受光して光電変換を行う受光素子と、前記受光素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、前記受光素子および前記能動素子の間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物とが配置され、前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面に、前記受光素子が受光する光が照射され、前記素子形成部および前記配線部が積層されて構成される基板の表面側に、その基板を支持する支持基板が接合されて構成される。
【0022】
本開示の一側面の電子機器は、複数の素子が形成される素子形成部と、前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部とを備え、前記素子形成部に、光を受光して光電変換を行う受光素子と、前記受光素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、前記受光素子および前記能動素子の間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物とが配置され、前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面に、前記受光素子が受光する光が照射され、前記素子形成部および前記配線部が積層されて構成される基板の表面側に、その基板を支持する支持基板が接合されて構成される固体撮像素子を備える。
【0023】
本開示の一側面においては、複数の素子が形成される素子形成部と、素子形成部に積層され、素子間を接続する配線が形成される配線部とを備え、素子形成部に、受動素子または受光素子と、受動素子または受光素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、受動素子または受光素子と能動素子との間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物とが配置される。
【発明の効果】
【0024】
本開示の一側面によれば、ホットキャリア発光による悪影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本技術を適用した固体撮像素子の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図2】固体撮像素子の断面的な構成例を示す図である。
図3】構造物の近傍を拡大した概略的な構成例を示す図である。
図4】構造物の平面的な第1の配置例を示す図である。
図5】固体撮像素子の第1の実施の形態における第1の変形例を示す図である。
図6】固体撮像素子の第1の実施の形態における第2の変形例を示す図である。
図7】固体撮像素子の第1の実施の形態における第3の変形例を示す図である。
図8】固体撮像素子の第1の実施の形態における第4の変形例を示す図である。
図9】固体撮像素子の第1の実施の形態における第5の変形例を示す図である。
図10】構造物の平面的な第2の配置例を示す図である。
図11】構造物の平面的な第3の配置例を示す図である。
図12】構造物の平面的な第4の配置例を示す図である。
図13】本技術を適用した半導体装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
図14】本技術を適用した固体撮像素子の第2の実施の形態における断面的な構成例を示す図である。
図15】固体撮像素子の第2の実施の形態における第1の変形例を示す図である。
図16】固体撮像素子の第2の実施の形態における第2の変形例を示す図である。
図17】固体撮像素子の第2の実施の形態における第3の変形例を示す図である。
図18】本技術を適用した固体撮像素子の第3の実施の形態における断面的な構成例を示す図である。
図19】シミュレーションに用いた固体撮像素子の断面の構成例を示す図である。
図20】各材料の屈折率nおよび減衰係数kを示す図である。
図21】シミュレーション条件を示す図である。
図22】構造物の深さをパラメータとして遮光効果をシミュレーションした結果を示す図である。
図23】構造物の本数をパラメータとして遮光効果をシミュレーションした結果を示す図である。
図24】構造物のピッチをパラメータとして遮光効果をシミュレーションした結果を示す図である。
図25】構造物の材料をパラメータとして遮光効果をシミュレーションした結果を示す図である。
図26】赤外光を吸収する材料の構造物を用いた遮光効果をシミュレーションした結果を示す図である。
図27】固体撮像素子の第3の実施の形態における第1の変形例を示す図である。
図28】第1の変形形態における遮光効果をシミュレーションした結果を示す図である。
図29】第2の変形形態における遮光効果をシミュレーションした結果を示す図である。
図30】固体撮像素子の第3の実施の形態における第3の変形例を示す図である。
図31】第3の変形形態における遮光効果をシミュレーションした結果を示す図である。
図32】第4の変形形態における遮光効果をシミュレーションした結果を示す図である。
図33】固体撮像素子の第3の実施の形態における第5の変形例を示す図である。
図34】固体撮像素子の第3の実施の形態における構造物の平面的な第1の配置例を示す図である。
図35】固体撮像素子の第3の実施の形態における構造物の平面的な第2の配置例を示す図である。
図36】固体撮像素子の第3の実施の形態における構造物の平面的な第3の配置例を示す図である。
図37】固体撮像素子の第3の実施の形態における構造物の平面的な第4の配置例を示す図である。
図38】電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は、本技術を適用した固体撮像素子の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0028】
図1において、固体撮像素子11は、画素領域12、垂直駆動回路13、カラム信号処理回路14、水平駆動回路15、出力回路16、および制御回路17を備えて構成される。
【0029】
画素領域12には、複数の画素18が行列状に配置されており、それぞれの画素18は、水平信号線を介して垂直駆動回路13に接続されるとともに、垂直信号線を介してカラム信号処理回路14に接続される。複数の画素18は、図示しない光学系を介して照射される光の光量に応じた画素信号をそれぞれ出力し、それらの画素信号から、画素領域12に結像する被写体の画像が構築される。
【0030】
垂直駆動回路13は、画素領域12に配置される複数の画素18の行ごとに順次、それぞれの画素18を駆動(転送や、選択、リセットなど)するための駆動信号を、水平信号線を介して画素18に供給する。カラム信号処理回路14は、複数の画素18から垂直信号線を介して出力される画素信号に対してCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)処理を施すことにより、画像信号のアナログディジタル変換を行うとともにリセットノイズを除去する。
【0031】
水平駆動回路15は、画素領域12に配置される複数の画素18の行ごとに順次、カラム信号処理回路14から画素信号を出力させるための駆動信号を、カラム信号処理回路14に供給する。出力回路16は、水平駆動回路15の駆動信号に従ったタイミングでカラム信号処理回路14から供給される画素信号を増幅し、後段の画像処理回路に出力する。
【0032】
制御回路17は、固体撮像素子11の内部の各ブロックの駆動を制御する。例えば、制御回路17は、各ブロックの駆動周期に従ったクロック信号を生成して、それぞれのブロックに供給する。
【0033】
次に、図2を参照して、固体撮像素子11の断面的な構成例について説明する。
【0034】
図2には、固体撮像素子11を構成する画素領域12と周辺回路19との境界部分における断面的な構成例が示されている。なお、周辺回路19は、垂直駆動回路13、カラム信号処理回路14、水平駆動回路15、出力回路16、または制御回路17のうち、画素領域12の周辺に配置されるものを総称したものである。
【0035】
図2に示すように、固体撮像素子11は、画素領域12および周辺回路19を構成する素子が配置される基板である第1の基板21と、第1の基板21を支持する基板である第2の基板22とが、接合層23を介して接合されることによって構成される。
【0036】
また、第1の基板21は、素子形成部24、配線部25、および集光部26が積層されて構成される。素子形成部24は、例えば、高純度シリコンの単結晶が薄くスライスされたシリコンウェハであり、素子形成部24の一方の面(図2において下側を向く面)に対して配線部25が積層され、その反対側を向く面(図2において上側を向く面)に対して集光部26が積層される。なお、以下適宜、素子形成部24に対して配線部25が積層される面を表面と称し、素子形成部24に対して集光部26が積層される面を裏面と称する。即ち、固体撮像素子11は、第1の基板21の裏面側から光が照射される裏面照射型の固体撮像素子である。
【0037】
配線部25には、素子形成部24に形成される素子間を接続する複数の配線27が層間絶縁膜を介して配置されている。そして、それらの配線27を介して、例えば、周辺回路19の駆動を制御するための駆動信号が供給されたり、画素領域12に配置されている複数の画素18から読み出される画素信号が出力される。
【0038】
固体撮像素子11の画素領域12に配置される複数の画素18ごとに、素子形成部24には受光素子31が形成され、集光部26にはカラーフィルタ32およびオンチップレンズ33が形成される。
【0039】
図2の例では、2つの画素18−1および18−2が図示されている。即ち、画素18−1は、受光素子31−1、カラーフィルタ32−1、およびオンチップレンズ33−1を有して構成され、画素18−2は、受光素子31−2、カラーフィルタ32−2、およびオンチップレンズ33−2を有して構成される。なお、画素18−1および18−2は同様に構成されており、それらを区別する必要がない場合、以下適宜、画素18と称し、画素18−1および18−2を構成する各部についても同様とする。
【0040】
受光素子31は、カラーフィルタ32およびオンチップレンズ33を透過して照射される光を受光して光電変換を行い、その光の光量に応じた電荷を発生する。カラーフィルタ32は、画素18ごとに、所定の色(例えば、赤色、緑色、および青色)の光を透過し、オンチップレンズ33は、画素18ごとに、受光素子31に照射される光を集光する。
【0041】
また、固体撮像素子11の周辺回路19は、複数の能動素子34により構成されており、図2の例では、2つの能動素子34−1および34−2が示されている。能動素子34−1および34−2は、例えば、トランジスタなどの半導体素子であり、その構成については図3を参照して説明する。また、能動素子34−1および34−2について、それらを区別する必要がない場合、以下適宜、能動素子34と称する。
【0042】
このように、固体撮像素子11では、素子形成部24において、画素領域12に受光素子31が配置され、周辺回路19に能動素子34が配置される。そして、固体撮像素子11では、素子形成部24において、画素領域12と周辺回路19との間に、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物35が配置される。
【0043】
ここで、図3を参照して、構造物35について説明する。図3のAおよび図3のBには、固体撮像素子11の構造物35の近傍を拡大した概略的な構成例が示されている。
【0044】
図3に示すように、能動素子34は、ゲート電極51、ドレイン領域52、ソース領域53、並びに、素子分離部54および55から構成される。ゲート電極51は、素子形成部24の表面に、図示しない絶縁膜を介して形成され、ドレイン領域52およびソース領域53は、素子形成部24の表面側においてゲート電極51を挟んだ位置に形成される。素子分離部54および55は、能動素子34を、隣接する他の能動素子34と分離するように形成される。
【0045】
このように構成されている能動素子34の駆動に際して、上述したように、ホットキャリア発光により発生する光が受光素子31に入射してしまい、従来、受光素子31から出力される信号に悪影響を及ぼしていた。
【0046】
そこで、固体撮像素子11では、画素領域12と周辺回路19との間に、即ち、受光素子31と能動素子34との間に、素子形成部24における光の伝搬を妨げるために、光を屈折または吸収させる材料により形成される構造物35が配置される。
【0047】
例えば、構造物35を構成する、光を屈折させる材料としては、酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiN)、高誘電率材料(HfO2、ZrO2)などのように、半導体基板(Si)の誘電率と異なる材料を採用することができる。また、構造物35を構成する、光を吸収させる材料としては、ゲルマニウム(Ge)や化合物系(例えば、カルコパイライト:CuInSe2)などのように、シリコンより狭バンドギャップを有する半導体の単一膜を採用することができる。
【0048】
従って、図3のBに示すように、能動素子34においてホットキャリア発光により発生し、能動素子34から直接的に、または、素子形成部24の表面や裏面において反射して受光素子31に向かう光は、構造物35を透過する際、屈折率の違いにより散乱され、あるいは吸収される。これにより、ホットキャリア発光により発生した光が構造物35を透過する光量を減少させることができ、その光が受光素子31に入射することを回避することができる。
【0049】
また、構造物35は、素子形成部24の表面(図3の下側を向く面)を掘り込んで形成されており、構造物35の先端と素子形成部24の裏面との隙間の間隔dが短波長(例えば、400nm程度)以下となる構成となっている。このように、素子形成部24の厚み方向の隙間が間隔dとなるように、構造物35の先端と素子形成部24の裏面との隙間を形成することで、ホットキャリアにより発生した光が、その隙間を通り抜けることを防止することができる。これにより、ホットキャリアにより発生した光が、受光素子31に入射することを回避することができ、その光が受光素子31から出力される信号に与える悪影響を抑制することができる。
【0050】
以上のように、固体撮像素子11においては、画素領域12と周辺回路19との間に、光を屈折または吸収させる材料により形成される構造物35を配置することによって、ホットキャリアにより発生した光による悪影響を抑制することができる。
【0051】
これにより、固体撮像素子11では、周辺回路19におけるホットキャリアによる発光の光量が多くても受光素子31のノイズ源となるような影響を考慮する必要がないので、周辺回路19を高速および高電圧で動作することができる。また、高速および高電圧で動作する周辺回路19を画素領域12の近傍に配置することができるので、固体撮像素子11のチップサイズを縮小することができ、低コスト化を図ることができる。
【0052】
また、図4には、構造物35の平面的な第1の配置例が示されている。
【0053】
図4に示すように、固体撮像素子11は、画素領域12と周辺回路19との間を通り、平面的に見て画素領域12を囲うように構造物35が配置されている。このように構造物35を配置することにより、周辺回路19の能動素子34で発生した光が、どの方向からも画素領域12に入り込むことを防止することができる。従って、ホットキャリアにより発生した光による悪影響を、より確実に抑制することができる。
【0054】
次に、図5には、固体撮像素子11の第1の実施の形態における第1の変形例が示されている。
【0055】
図5に示すように、固体撮像素子11Aでは、能動素子34および受光素子31の間に形成される構造物35Aが、図3の固体撮像素子11と異なる構成とされている。なお、固体撮像素子11Aについて、他の構成については、図3の固体撮像素子11と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0056】
即ち、図3の固体撮像素子11では、素子形成部24の表面側を掘り込んで構造物35が形成されていたのに対し、固体撮像素子11Aでは、素子形成部24の裏面側を掘り込んで構造物35Aが形成される。また、構造物35Aは、構造物35と同様に、光を屈折または吸収させる材料により形成され、構造物35Aの先端と素子形成部24の表面との隙間の間隔dが短波長(例えば、400nm程度)以下となる構成となっている。
【0057】
従って、固体撮像素子11Aにおいても、図3の固体撮像素子11と同様に、ホットキャリア発光により発生した光が、構造物35Aにおいて散乱または吸収されるとともに、先端側の隙間を通り抜けることを防止することができる。これにより、固体撮像素子11Aは、ホットキャリアにより発生した光が受光素子31に入射することを回避することができ、その光による悪影響を抑制することができる。
【0058】
次に、図6には、固体撮像素子11の第1の実施の形態における第2の変形例が示されている。
【0059】
図6に示すように、固体撮像素子11Bでは、能動素子34および受光素子31の間に形成される構造物35B−1および35B−2が、図3の固体撮像素子11と異なる構成とされている。なお、固体撮像素子11Bについて、他の構成については、図3の固体撮像素子11と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0060】
即ち、図3の固体撮像素子11では、素子形成部24の表面側を掘り込んで構造物35が形成されていたのに対し、固体撮像素子11Bでは、素子形成部24の表面側および裏面側を掘り込んで構造物35B−1および35B−2が形成される。また、構造物35B−1および35B−2は、構造物35と同様に、光を屈折または吸収させる材料により形成される。
【0061】
例えば、固体撮像素子11Bは、素子形成部24の裏面側から中央近傍まで形成される構造物35B−1の先端と、素子形成部24の表面側から中央近傍まで形成される構造物35B−2の先端との隙間の間隔dが、短波長(例えば、400nm程度)以下となる構成となっている。なお、素子形成部24の表面と構造物35B−1の先端との間隔、および、素子形成部24の裏面と構造物35B−2の先端との間隔については、短波長程度に抑制する必要はない。例えば、プロセス加工ばらつき等の理由で表面または裏面との隙間を制御することが困難な場合において、固体撮像素子11Bの構成を採用することが有効である。
【0062】
このように、固体撮像素子11Bでは、構造物35B−1および構造物35B−2を組み合わせた構成によって、ホットキャリア発光により発生した光が受光素子31に入射することを回避することができる。
【0063】
従って、固体撮像素子11Bにおいても、図3の固体撮像素子11と同様に、ホットキャリア発光により発生した光が、構造物35B−1および35B−2において散乱または吸収される。これにより、固体撮像素子11Bは、ホットキャリアにより発生した光が受光素子31に入射することを回避することができ、その光による悪影響を抑制することができる。
【0064】
次に、図7には、固体撮像素子11の第1の実施の形態における第3の変形例が示されている。
【0065】
図7に示すように、固体撮像素子11Cでは、能動素子34および受光素子31の間に形成される構造物35Cが、図3の固体撮像素子11と異なる構成とされている。なお、固体撮像素子11Cについて、他の構成については、図3の固体撮像素子11と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0066】
即ち、図3の固体撮像素子11では、素子形成部24の表面側を掘り込んで構造物35が形成されていたのに対し、固体撮像素子11Cでは、素子形成部24の表面側から裏面側まで貫通するように構造物35Cが形成される。即ち、固体撮像素子11Cでは、素子形成部24の厚み方向に隙間が設けられることなく構造物35Cが形成される。また、構造物35Cは、構造物35と同様に、光を屈折または吸収させる材料により形成される。
【0067】
従って、固体撮像素子11Cにおいても、図3の固体撮像素子11と同様に、ホットキャリア発光により発生した光が、構造物35Cにおいて散乱または吸収される。これにより、固体撮像素子11Cは、ホットキャリアにより発生した光が受光素子31に入射することを回避することができ、その光による悪影響を抑制することができる。また、固体撮像素子11Cは、図3の固体撮像素子11のように、構造物35を形成するときにおいて素子形成部24を掘り込む際に間隔dを設けるような制御を必要としないため、構造物35Cを容易に形成することができる。
【0068】
次に、図8には、固体撮像素子11の第1の実施の形態における第4の変形例が示されている。
【0069】
図8に示すように、固体撮像素子11Dでは、能動素子34および受光素子31の間に形成される構造物35D−1および35D−2が、図3の固体撮像素子11と異なる構成とされている。なお、固体撮像素子11Dについて、他の構成については、図3の固体撮像素子11と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0070】
即ち、図3の固体撮像素子11では、素子形成部24に1つの構造物35が形成されていたのに対し、固体撮像素子11Dでは、素子形成部24に2つの構造物35D−1および35D−2が形成される。また、構造物35D−1および35D−2は、構造物35と同様に、光を屈折または吸収させる材料により形成され、構造物35D−1および35D−2の先端と素子形成部24の表面との隙間の間隔dが短波長(例えば、400nm程度)以下となる構成となっている。なお、図8では、2つの構造物35D−1および35D−2が、能動素子34および受光素子31の間に配置される構成例が示されているが、能動素子34から受光素子31に向かう間に2つ以上の複数の構造物35Dが配置される構成としてもよい。
【0071】
従って、固体撮像素子11Dにおいても、図3の固体撮像素子11と同様に、ホットキャリア発光により発生した光が、構造物35D−1および35D−2において散乱または吸収されるとともに、先端側の隙間を通り抜けることを防止することができる。特に、固体撮像素子11Dでは、複数の構造物35Dを配置することで、構造物35Dを透過するたびに光が散乱または吸収されることによって、1つの構造物35が配置される構成よりも、透過光を抑制する効果を向上させることができる。これにより、固体撮像素子11Dは、ホットキャリアにより発生した光が受光素子31に入射することを回避することができ、その光による悪影響を抑制することができる。
【0072】
次に、図9には、固体撮像素子11の第1の実施の形態における第5の変形例が示されている。
【0073】
図9に示すように、固体撮像素子11Eでは、能動素子34および受光素子31の間に形成される構造物35Eが、図3の固体撮像素子11と異なる構成とされている。なお、固体撮像素子11Eについて、他の構成については、図3の固体撮像素子11と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0074】
即ち、図3の固体撮像素子11では、素子形成部24の厚み方向(表面および裏面に対して略直交する方向)に並行な側壁を有して構造物35が形成されていたのに対し、固体撮像素子11Eでは、素子形成部24の厚み方向に向かう側壁が、その厚み方向に対して傾斜して構造物35Eが形成される。例えば、図9に示すように、固体撮像素子11Eでは、素子形成部24の裏面から表面に向かうに従い幅が狭くなるように傾斜した側壁を有するように構造物35Eが形成される。また、構造物35Eは、構造物35と同様に、光を屈折または吸収させる材料により形成され、構造物35Eの先端と素子形成部24の表面との隙間の間隔dが短波長(例えば、400nm程度)以下となる構成となっている。
【0075】
従って、固体撮像素子11Eにおいても、図3の固体撮像素子11と同様に、ホットキャリア発光により発生した光が、構造物35Eにおいて散乱または吸収されるとともに、先端側の隙間を通り抜けることを防止することができる。特に、固体撮像素子11Eでは、側壁が傾斜するように構造物35Eを形成することで、構造物35Eにおける屈折効果を向上させることができる。例えば、素子形成部24の内部において受光素子31に向かって伝搬してくる光が構造物35Eに入射すると、その進行方向に対して光を大きく曲げることができる。このように、構造物35Eによる光散乱効果が向上することで、固体撮像素子11Eは、ホットキャリアにより発生した光が受光素子31に入射することを回避することができ、その光による悪影響を抑制することができる。
【0076】
次に、図10は、構造物35の平面的な第2の配置例が示されている。
【0077】
図10に示すように、固体撮像素子11Fは、画素領域12と周辺回路19との間を通り、平面的に見て周辺回路19を囲うように構造物35Fが配置されている。このように構造物35Fを配置することにより、周辺回路19の能動素子34で発生した光が、どの方向にも漏れ出ることを防止し、その光が画素領域12に入り込むことを防止することができる。従って、固体撮像素子11Fでは、ホットキャリアにより発生した光による悪影響を確実に抑制することができる。なお、構造物35Fの断面的な構成は、図3および図5乃至9に示した構造物35いずれかの構造を採用することができる。
【0078】
次に、図11は、構造物35の平面的な第3の配置例が示されている。
【0079】
図11に示すように、固体撮像素子11Gは、画素領域12と周辺回路19との間を少なくとも通るように、周辺回路19から画素領域12に直線的に向かう光を少なくとも遮るように構造物35Gが配置されている。このように構造物35Gを配置することにより、周辺回路19の能動素子34で発生した光が、画素領域12に直線的に入り込むことを防止することができる。従って、固体撮像素子11Gでは、ホットキャリアにより発生した光による悪影響を抑制することができる。なお、構造物35Gの断面的な構成は、図3および図5乃至9に示した構造物35いずれかの構造を採用することができる。
【0080】
次に、図12は、構造物35の平面的な第4の配置例が示されている。
【0081】
図12に示すように、固体撮像素子11Hは、画素領域12と周辺回路19との間を通り、平面的に見て画素領域12を囲うように、複数の構造物が組み合わされて構成される構造物35Hが配置されている。ここで、構造物35Hは、構造物35Hの外側から画素領域12に向かう直線上に、いずれかの構造物が必ず配置されるように、即ち、構造物35Hの外側から画素領域12に向かって直線的に光がすり抜けないように構造物が配置されている。
【0082】
このような構成の構造物35Hにより、固体撮像素子11Hでは、周辺回路19の能動素子34で発生した光が、画素領域12に直線的に入り込むことを防止することができる。従って、ホットキャリアにより発生した光による悪影響を抑制することができる。特に、固体撮像素子11Hは、例えば、構造物35を形成する際に局所的に応力集中が発生し、比較的に大型の形状を形成することができない構成において有効である。なお、構造物35Hの断面的な構成は、図3および図5乃至9に示した構造物35いずれかの構造を採用することができる。
【0083】
次に、図13は、本技術を適用した半導体装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
【0084】
図13に示すように、半導体装置11Jは、図4に示した固体撮像素子11の画素領域12に替えて、高感度アナログ素子領域12Jが形成されて構成される。即ち、半導体装置11Jでは、複数の高感度のアナログ素子が、高感度アナログ素子領域12Jに配置されている。そして、半導体装置11Jでは、高感度アナログ素子領域12Jの近距離に配置された周辺回路19との間を通り、平面的に見て高感度アナログ素子領域12Jを囲うように構造物35が配置されている。
【0085】
このように構成される半導体装置11Jにおいては、周辺回路19の能動素子34で発生した光が、高感度アナログ素子領域12Jに入り込むことを防止することができる。従って、ホットキャリアにより発生した光により、高感度アナログ素子領域12Jに配置される高感度のアナログ素子が保持している値が変化するなどの悪影響を抑制することができる。なお、半導体装置11Jでは、構造物35の断面的な構成は、図3および図5乃至9に示したいずれかの構造を採用することができ、構造物35の平面的な配置例としては、図10乃至12に示したいずれかの配置例を採用することができる。
【0086】
さらに、例えば、半導体装置11Jの変形例として、高感度アナログ素子領域12Jの一部に複数の画素を形成し、高感度アナログ素子領域12Jと画素領域とが併設される構成としてもよい。即ち、高感度アナログ素子領域12Jと画素領域との両方を囲うように構造物35を配置することで、ホットキャリアにより発生した光による高感度のアナログ素子および画素に対する悪影響を抑制することができる。また、このような構成において、構造物35の断面的な構成は、図3および図5乃至9に示したいずれかの構造を採用することができ、構造物35の平面的な配置例としては、図10乃至12に示したいずれかの配置例を採用することができる。
【0087】
次に、図14は、本技術を適用した固体撮像素子の第2の実施の形態における断面的な構成例を示す図である。
【0088】
図14に示すように、固体撮像素子11Kでは、能動素子34および受光素子31の間に形成される金属製の構造物35Kおよび絶縁物36Kが、図3の固体撮像素子11と異なる構成とされている。なお、固体撮像素子11Kについて、他の構成については、図3の固体撮像素子11と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0089】
即ち、図3の固体撮像素子11では、光を屈折または吸収させる材料により構造物35が形成されていたのに対し、固体撮像素子11Kでは、光を反射させる金属により金属製の構造物35Kが形成され、金属製の構造物35Kの周囲を取り囲むように絶縁物36Kが形成される。また、金属製の構造物35Kは、構造物35と同様に、素子形成部24の表面(図14の下側を向く面)を掘り込んで形成されており、金属製の構造物35Kの先端と素子形成部24の裏面との隙間の間隔dが短波長(例えば、400nm程度)以下となる構成となっている。
【0090】
例えば、金属製の構造物35Kの材料としては、銅(Cu)やアルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)などのように、可視光領域の光を十分反射する材料を採用することができる。なお、図示しないが、金属製の構造物35Kには、金属製の構造物35Kの電位を取り出すための電極が設けられている。
【0091】
従って、固体撮像素子11Kにおいても、図3の固体撮像素子11と同様に、ホットキャリア発光により発生した光が、金属製の構造物35Kにおいて反射されるとともに、先端側の隙間を通り抜けることを防止することができる。これにより、固体撮像素子11Kは、ホットキャリアにより発生した光が受光素子31に入射することを回避することができ、その光による悪影響を抑制することができる。
【0092】
次に、図15には、固体撮像素子11の第2の実施の形態における第1の変形例が示されている。
【0093】
図15に示すように、固体撮像素子11Lでは、能動素子34および受光素子31の間に形成される金属製の構造物35Lが、図14の固体撮像素子11Kと異なる構成とされている。なお、固体撮像素子11Lについて、他の構成については、図14の固体撮像素子11Kと同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0094】
即ち、図14の固体撮像素子11Kでは、素子形成部24の表面側を掘り込んで金属製の構造物35Kが形成されていたのに対し、固体撮像素子11Lでは、素子形成部24の裏面側を掘り込んで金属製の構造物35Lが形成される。また、金属製の構造物35Lは、構造物35Kと同様に、光を反射させる材料により形成され、金属製の構造物35Lの先端と素子形成部24の表面との隙間の間隔dが短波長(例えば、400nm程度)以下となる構成となっている。
【0095】
従って、固体撮像素子11Lにおいても、図14の固体撮像素子11Kと同様に、ホットキャリア発光により発生した光が、構造物35Lにおいて反射されるとともに、先端側の隙間を通り抜けることを防止することができる。これにより、固体撮像素子11Lは、ホットキャリアにより発生した光が受光素子31に入射することを回避することができ、その光による悪影響を抑制することができる。
【0096】
次に、図16には、固体撮像素子11の第2の実施の形態における第2の変形例が示されている。
【0097】
図16に示すように、固体撮像素子11Mでは、能動素子34および受光素子31の間に形成される金属製の構造物35M−1および35M−2が、図14の固体撮像素子11Kと異なる構成とされている。なお、固体撮像素子11Mについて、他の構成については、図14の固体撮像素子11Kと同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0098】
即ち、図14の固体撮像素子11Kでは、素子形成部24に1つの金属製の構造物35Kが形成されていたのに対し、固体撮像素子11Mでは、素子形成部24に2つの金属製の構造物35M−1および35M−2が形成される。そして、構造物35M−1は、素子形成部24の裏面側から形成されるとともに、構造物35M−2は、素子形成部24の表面側から形成される。これのように構造物35M−1および構造物35M−2は、能動素子34から受光素子31を見たときに構造物35M−1および構造物35M−2が重ね合わされて配置されることで、それぞれの先端側の隙間から直線的に光がすり抜けないように構成される。
【0099】
このように構造物35M−1および構造物35M−2を構成することで、素子形成部24の裏面と構造物35M−1の先端との隙間の間隔d、および、素子形成部24の表面と構造物35M−2の先端との隙間の間隔dについては、短波長程度に抑制する必要はない。例えば、プロセス加工ばらつき等の理由で表面または裏面との隙間を制御することが困難な場合において、固体撮像素子11Mの構成を採用することが有効である。
【0100】
従って、固体撮像素子11Mにおいても、図14の固体撮像素子11Kと同様に、ホットキャリア発光により発生した光が、金属製の構造物35M−1および35M−2において反射されるとともに、先端側の隙間を通り抜けることを防止することができる。これにより、固体撮像素子11Mは、ホットキャリアにより発生した光が受光素子31に入射することを回避することができ、その光による悪影響を抑制することができる。
【0101】
次に、図17には、固体撮像素子11の第2の実施の形態における第3の変形例が示されている。
【0102】
図17に示すように、固体撮像素子11Nでは、能動素子34および受光素子31の間に形成される金属製の構造物35Nが、図14の固体撮像素子11Kと異なる構成とされている。なお、固体撮像素子11Nについて、他の構成については、図14の固体撮像素子11Kと同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0103】
即ち、図14の固体撮像素子11Kでは、素子形成部24の表面側を掘り込んで金属製の構造物35Kが形成されていたのに対し、固体撮像素子11Nでは、素子形成部24の表面側から裏面側まで貫通するように金属製の構造物35Nが形成される。即ち、固体撮像素子11Nでは、素子形成部24の厚み方向に隙間が設けられることなく金属製の構造物35Nが形成される。また、金属製の構造物35Nは、構造物35Kと同様に、光を反射させる材料により形成される。
【0104】
従って、固体撮像素子11Nにおいても、図14の固体撮像素子11Kと同様に、ホットキャリア発光により発生した光が、金属製の構造物35Nにおいて反射される。これにより、固体撮像素子11Nは、ホットキャリアにより発生した光が受光素子31に入射することを回避することができ、その光による悪影響を抑制することができる。また、固体撮像素子11Nは、図14の固体撮像素子11Kのように、金属製の構造物35Nを形成するときにおいて素子形成部24を掘り込む際に間隔dを設けるような制御を必要とする必要がないため、金属製の構造物35Nを容易に形成することができる。
【0105】
なお、金属製の構造物35K乃至35Nの平面的な配置例としては、図4および図10乃至12に示したいずれかの配置例を採用することができる。また、金属製の構造物35K乃至35Nを、図13に示した半導体装置11Jに適用することができる。
【0106】
図18は、本技術を適用した固体撮像素子の第3の実施の形態における断面的な構成例を示す図である。
【0107】
図18に示すように、固体撮像素子101は、素子形成部であるシリコン基板102に配線部であるシリコン酸化膜103が積層されて構成される。また、固体撮像素子101は、図1および図2を参照して説明した固体撮像素子11と同様に、画素領域111と、画素領域111の周辺に配置される周辺回路112とが設けられる。画素領域111には、複数の受光素子121およびオンチップレンズ122が配置されており、周辺回路112は、能動素子123により構成される。なお、固体撮像素子101は、シリコン基板102に対して能動素子123が形成される面である表面側から、受光素子121に光が照射される表面照射型の固体撮像素子である。
【0108】
そして、固体撮像素子101においても、上述の固体撮像素子11と同様に、画素領域111および周辺回路112の間に、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物124が形成される。図示するように、固体撮像素子101では、複数本の構造物124が形成されており、これらの構造物124が形成される領域を構造物形成領域113とする。構造物124の材料としては、例えば、シリコン基板102との屈折率により光を反射する窒化ケイ素(SiN)や、空気(Air)、二酸化ケイ素(SiO2)などを使用することができる。
【0109】
このように、固体撮像素子101では、画素領域111および周辺回路112の間に、複数本の構造物124を配置することによって、能動素子123が駆動する際に発生するホットキャリア発光による光が、受光素子121に到達するのを低減することができる。即ち、能動素子123で発生した光は、複数本の構造物124により反射することで、受光素子121に到達するまでの光学的な距離が増加することにより、シリコン基板102において吸収されることになる。
【0110】
このような構成の固体撮像素子101について、構造物124の本数、深さ、ピッチ、および材料をパラメータとしたシミュレーションにより、構造物124の遮光効果について検証する。
【0111】
まず、図19乃至図21を参照し、固体撮像素子101における遮光効果のシミュレーションの条件について説明する。
【0112】
図19には、シミュレーションに用いた固体撮像素子101の断面の構成例が示されている。図示するように、樹脂層104に対してシリコン基板102が積層される構成とし、シリコン基板102の厚みを17μmに設定する。また、ホットキャリア発光の光源となる能動素子123から、複数本の構造物124を有する構造物形成領域113の端部までの間隔を20μmとし、複数の受光素子121を有する画素領域111の端部までの間隔を100μmとする。そして、画素領域111の端部から160μmの領域(以下、評価領域と称する)における放射照度分布を計算した。また、ホットキャリア発光の配光分布は、理想的な拡散反射表面が持つべき性質であるランバーシャンを仮定した。
【0113】
また、図20には、各材料の屈折率nおよび減衰係数kが示されている。例えば、シリコン酸化膜103(SiO2)の屈折率nは1.45であり、減衰係数kは0である。また、シリコン基板102(Si)の屈折率nは3.6であって減衰係数kは0.001であり、樹脂層104の屈折率nは1.54であって減衰係数kは0である。また、構造物124の材料として、窒化ケイ素(SiN)を用いるときの屈折率nは1.84であって減衰係数kは0であり、タングステン(W)を用いるときの屈折率nは3.05であって減衰係数kは3.39であり、空気(Air)を用いるときの屈折率nは1であって減衰係数kは0である。
【0114】
また、図21に示すように、基準となるシミュレーション条件として、構造物124の深さを3μmとして、本数を30本とし、ピッチを1μmとして、材料を窒化ケイ素(SiN)とする。そして、第1のシミュレーション条件としては、基準となるシミュレーション条件から構造物124の深さをパラメータとし、構造物124の深さを、6μmおよび10μmに変更する。また、第2のシミュレーション条件としては、基準となるシミュレーション条件から構造物124の本数をパラメータとし、構造物124の本数を、45本および60本に変更する。
【0115】
また、第3のシミュレーション条件としては、基準となるシミュレーション条件から構造物124のピッチをパラメータとし、構造物124のピッチを、1.5μmおよび2μmに変更する。そして、第4のシミュレーション条件としては、基準となるシミュレーション条件から構造物124の材料をパラメータとし、構造物124の材料として、空気(Air)、二酸化ケイ素(SiO2)、およびタングステン(W)を用いる。
【0116】
このようなシミュレーション条件により、図19に示した評価領域における放射照度分布と、放射照度分布の積分値とを算出する。そして、従来の固体撮像素子、即ち、構造物124を設けない構造と比較するため、構造物124を設けない構造における放射照度分布および積分値を1として、各シミュレーション条件において求められた値を規格化する。
【0117】
図22乃至図26を参照して、各シミュレーション条件における遮光効果について説明する。
【0118】
図22には、構造物124の深さをパラメータとし、その深さを、3μm、6μm、および10μmとしたときの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。図22のAでは、縦軸が規格化照度を示し、横軸が評価領域における位置を示しており、図22のBでは、縦軸が照度の積分値(規格化)を示し、横軸が、各深さを示している。
【0119】
図22に示すように、構造物124を設けない構造(None)と比較して、構造物124を設けることにより、評価領域における照度を低減することができる。そして、構造物124の深さを深くするほど遮光効果が向上することが示されている。
【0120】
このように、より良好な遮光効果を得るためには、構造物124の深さを深く形成することが好適である。また、深さが浅い構成(3μm)であっても、複数本の構造物124を配置する構成とすることで、構造物124を設けない構造と比較して十分な遮光効果を得ることができる。
【0121】
また、図22のAに示すように、ホットキャリア発光で発生した光がシリコン基板102の内部で吸収されるため、評価領域では、周辺回路112から離れる(横軸の位置が大きな値になる)に従い、放射照度が低下する。つまり、固体撮像素子101では、複数本の構造物124を配置するこにより、周辺回路112から画素領域111に至る光路長を長くすることで、光のエネルギを減衰させることによって遮光効果を得ることができる。
【0122】
つまり、図19に示すように、能動素子123を光源とした光の一部は、1本目の構造物124、即ち、能動素子123に最も近い構造物124に当たり、全反射またはフレネル反射することによって周辺回路112側に反射され、画素領域111に到達することは回避される。また、この1本目の構造物124に当たらなかった光は、隣り合った構造物124の隙間に入り込み、図19に示すように、シリコンと構造物124(例えば、SiN)との間で全反射を繰り返し、それらの構造物124の隙間から出射される。このように、光の光路長が長くなることによって光が減衰する。または、構造物124の隙間から出射される光の半分程度は、周辺回路112側に出射されることになり、その結果、画素領域111に到達する光を低減することになる。
【0123】
次に、図23には、構造物124の本数をパラメータとし、その本数を、30本、45本、および60本としたときの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。図23のAでは、縦軸が規格化照度を示し、横軸が評価領域における位置を示しており、図23のBでは、縦軸が照度の積分値(規格化)を示し、横軸が、各本数を示している。
【0124】
図23に示すように、構造物124を設けない構造(None)と比較して、複数本の構造物124を設けることにより、評価領域における照度を低減することができる。そして、構造物124を設ける本数を多くするほど遮光効果が向上することが示されている。従って、より良好な遮光効果を得るためには、構造物124の本数を多く設けることが好適である。
【0125】
次に、図24には、構造物124のピッチをパラメータとし、そのピッチを、1μm、1.5μm、および2μmとしたときの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。図24のAでは、縦軸が規格化照度を示し、横軸が評価領域における位置を示しており、図24のBでは、縦軸が照度の積分値(規格化)を示し、横軸が、各ピッチを示している。
【0126】
図24に示すように、構造物124を設けない構造(None)と比較して、所定のピッチの構造物124を設けることにより、評価領域における照度を低減することができる。そして、構造物124を設けるピッチを広くするほど、即ち、同じ本数の構造物124を配置するのであれば広範囲に配置するほど、遮光効果が向上することが示されている。従って、より良好な遮光効果を得るためには、構造物124のピッチを広く設けることが好適である。
【0127】
次に、図25には、構造物124の材料をパラメータとし、その材料を、赤外光を反射する窒化ケイ素(SiN)、空気(Air)、および二酸化ケイ素(SiO2)としたときの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。図25のAでは、縦軸が規格化照度を示し、横軸が評価領域における位置を示しており、図25のBでは、縦軸が照度の積分値(規格化)を示し、横軸が、各材料を示している。
【0128】
図25に示すように、構造物124を設けない構造(None)と比較して、いずれかの材料の構造物124を設けることにより、評価領域における照度を低減することができる。そして、構造物124の材料が異なることによる差異が小さい、即ち、ほぼ同一の遮光効果であることが示されている。これは、構造物124を設けることによって、シリコン基板102の界面との屈折率が変わることによって変化する反射条件が、屈折率差が1.8程度(例えば、シリコンと窒化ケイ素との屈折率差)あれば、遮光効果を十分に得ることができるためである。
【0129】
次に、図26は、構造物124の材料に窒化ケイ素(SiN)およびタングステン(W)を用いたときの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。図26のAでは、縦軸が規格化照度を示し、横軸が評価領域における位置を示しており、図26のBでは、縦軸が照度の積分値(規格化)を示し、横軸が、各材料を示している。
【0130】
構造物124の材料にタングステンを用いることによって、構造物124は赤外光を吸収する効果を有する。これにより、赤外光を吸収する効果を有さない窒化ケイ素を用いた構成と比較して、遮光効果が向上することが示されている。即ち、シリコン基板102内において光が吸収されるのに加えて、構造物124においても光が吸収されるため、評価領域まで到達する光を抑制することができる。
【0131】
以上のように、より良好な遮光効果を得るためには、構造物124の深さを深くし、構造物124の本数を大くし、構造物124のピッチを広くすることが好ましい。また、構造物124は赤外光を吸収する効果を備えることにより、より遮光効果を向上させることができる。
【0132】
次に、図27には、固体撮像素子101の第1の変形例が示されている。なお、以下適宜、各変形例において、図18の固体撮像素子101と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0133】
図27に示すように、固体撮像素子101Aでは、シリコン基板102−1および102−2の間に絶縁層105が配置されたSOI(Silicon on Insulator)構造を有する基板が使用される。絶縁層105としては、シリコンとは異なる屈折率、例えば、シリコンよりも赤外光の屈折率が低い材料(例えば、SiO2)が用いられる。
【0134】
固体撮像素子101Aにおいても、図18の固体撮像素子101と同様に、画素領域111および周辺回路112の間に、複数本の構造物124が形成される構造物形成領域113が設けられる。構造物124には、上述したような赤外光を反射する材料、即ち、窒化ケイ素(SiN)、空気(Air)、および二酸化ケイ素(SiO2)を使用することができる。これにより、固体撮像素子101Aでは、画素領域111に到達するホットキャリア発光による光を低減させることができる。また、このような構造の固体撮像素子101Aにおいては、BSA(Back Side Alignment)を遮光構造に流用できることが特長である。
【0135】
図28には、固体撮像素子101Aの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。なお、以下の説明において、図18の固体撮像素子101の構成を基本形態と称し、固体撮像素子101Aの構成を第1の変形形態と称する。
【0136】
図28では、構造物124の深さを3μmとし、構造物124の本数を30本とし、構造物124のピッチを1μmとし、構造物124の材料に窒化ケイ素(SiN)を用い、シリコン基板102−1の厚みtを3.1μmとしたときの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。図28のAでは、縦軸が規格化照度を示し、横軸が評価領域における位置を示しており、図28のBでは、縦軸が照度の積分値(規格化)を示し、横軸が、固体撮像素子の形態を示している。
【0137】
図28に示すように、SOI構造を用いた固体撮像素子101A(第1の変形形態)は、シリコン基板を用いた固体撮像素子101(基本形態)と比較して、より高い遮光効果を得ることができる。
【0138】
即ち、図27に示したように、所定の入射角以上で絶縁層105に当たった光は、絶縁層105で全反射するため、能動素子123で発生した光のほとんどは、1本目の構造物124で全反射することになる。また、構造物124の先端と絶縁層105との隙間は0.1μm程度であるため、その隙間を通過した光も、複数本の構造物124による遮光効果によって減衰してしまう。従って、固体撮像素子101と比較して、固体撮像素子101Aでは、画素領域111に到達する光を大幅に減少することができる。
【0139】
なお、固体撮像素子101Aの形態において、より最適な遮光効果を得るための条件(構造物124の本数、深さ、ピッチ、および材料)は、上述した固体撮像素子101と同様である。
【0140】
次に、図29には、図27の固体撮像素子101Aの構造において、構造物124の材料に、赤外光を吸収するタングステンを用いた構造である第2の変形例における遮光効果のシミュレーションした結果が示されている。なお、以下の説明において、固体撮像素子101Aの構成において構造物124の材料にタングステンを用いた形態を第2の変形形態と称する。
【0141】
図29では、構造物124の深さを3μmとし、構造物124の本数を30本とし、構造物124のピッチを1μmとし、構造物124の材料にタングステン(W)を用い、シリコン基板102−1の厚みtを3.1μmとしたときの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。図29のAでは、縦軸が規格化照度を示し、横軸が評価領域における位置を示しており、図29のBでは、縦軸が照度の積分値(規格化)を示し、横軸が、固体撮像素子の形態を示している。
【0142】
図29に示すように、構造物124の材料にタングステンを用い、かつ、SOI構造を用いた形態(第2の変形形態)では、シリコン基板を用いた固体撮像素子101(基本形態)と比較して、より高い遮光効果を得ることができる。さらに、構造物124の材料に、窒化ケイ素を用いた固体撮像素子101A(第2の変形形態)よりも高い遮光効果を得ることができる。
【0143】
なお、構造物124の材料にタングステンを用い、かつ、SOI構造を用いた形態(第2の変形形態)において、より最適な遮光効果を得るための条件(構造物124の本数、深さ、およびピッチ)は、上述した固体撮像素子101と同様である。
【0144】
次に、図30には、固体撮像素子101の第3の変形例が示されている。
【0145】
図30に示すように、固体撮像素子101Bでは、図27の固体撮像素子101Aと同様に、シリコン基板102−1および102−2の間に絶縁層105が配置されたSOI(Silicon on Insulator)構造を有する基板が使用される。絶縁層105としては、シリコンよりも赤外光の屈折率が低い材料(例えば、SiO2)が用いられる。
【0146】
そして、固体撮像素子101Bでは、画素領域111および周辺回路112の間に設けられる構造物形成領域113において、構造物124が1本だけ配置された構成となっている。また、固体撮像素子101Bでは、構造物124には、上述したような赤外光を吸収する材料、即ち、タングステン(W)を使用することができる。これにより、固体撮像素子101Bでは、画素領域111に到達するホットキャリア発光による光を低減させることができる。
【0147】
図31には、固体撮像素子101Bの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。なお、以下の説明において、固体撮像素子101Bの構成を第3の変形形態と称する。
【0148】
図31では、構造物124の深さを3μmとし、構造物124の本数を30本とし、構造物124のピッチを1μmとし、構造物124の材料にタングステン(W)を用い、シリコン基板102−1の厚みtを3.1μmとしたときの遮光効果をシミュレーションした結果が示されている。図31のAでは、縦軸が規格化照度を示し、横軸が評価領域における位置を示しており、図31のBでは、縦軸が照度の積分値(規格化)を示し、横軸が、固体撮像素子の形態を示している。
【0149】
図31に示すように、SOI構造を用い、かつ、赤外光を吸収する材料の構造物124を1本だけ配置した固体撮像素子101B(第3の変形形態)は、シリコン基板を用いた固体撮像素子101(基本形態)と比較して、より高い遮光効果を得ることができる。このように、SOI構造を用いることにより、構造物124の先端側を通過する光を削減し、赤外光を吸収する材料を用いることにより、構造物124によって光を吸収することで、構造物124が1本だけであっても、十分な遮光効果を得ることができる。
【0150】
なお、固体撮像素子101Bの形態において、より最適な遮光効果を得るための条件(構造物124の本数、深さ、およびピッチ)は、上述した固体撮像素子101と同様である。
【0151】
次に、図32には、固体撮像素子101Bの構造において、構造物124の材料に、赤外光を反射する材料(例えば、窒化ケイ素(SiN))を用いた構造である第4の変形例における遮光効果のシミュレーションした結果が示されている。なお、以下の説明において、固体撮像素子101Bの構成において構造物124の材料に窒化ケイ素を用いた形態を第4の変形形態と称する。
【0152】
図32に示すように、SOI構造を用い、かつ、赤外光を反射する材料の構造物124を1本だけ配置した固体撮像素子101B(第4の変形形態)は、シリコン基板を用いた固体撮像素子101(基本形態)と比較すると、遮光効果が劣るように見える。しかしながら、第4の変形形態の照度は、規格化した値よりも僅かではあるが小さいことより、構造物124を設けない構造(即ち、従来の固体撮像素子)に対しては、遮光効果を有していることが示されている。
【0153】
次に、図33には、固体撮像素子101の第5の変形例が示されている。
【0154】
図33に示す固体撮像素子101Cは、シリコン基板102に対して能動素子123が形成される面である表面側に対して反対側となる裏面側から受光素子121に光が照射される裏面照射型の固体撮像素子である。図33に示すように、固体撮像素子101Cは、シリコン基板102の両面にシリコン酸化膜103−1および103−2が積層されて構成される。
【0155】
このような構成の固体撮像素子101Cにおいても、図18の固体撮像素子101と同様に、画素領域111および周辺回路112の間に、複数本の構造物124が形成される構造物形成領域113が設けられる。これにより、固体撮像素子101Cでは、画素領域111に到達するホットキャリア発光による光を低減させることができる。即ち、本技術は、裏面照射型の固体撮像素子および表面照射型の固体撮像素子のどちらにも適用することができる。
【0156】
次に、図34乃至図37を参照して、固体撮像素子101における構造物124の平面的な配置例について説明する。
【0157】
図34には、固体撮像素子101における構造物124の平面的な第1の配置例が示されている。
【0158】
図34に示すように、固体撮像素子101Dは、画素領域111と周辺回路112との間を通り、平面的に見て画素領域111を囲うように、構造物形成領域113において周方向に複数に分割された構造物124が二重に配置されている。この複数に分割されて二重に配置されている構造物124は、隣り合う構造物124どうしが半周期ずらして画素領域111を囲うように並べられている。即ち、内側の構造物124の隙間に対応して、外側の構造物124が配置され、外側の構造物124の隙間に対応して、内側の構造物124が配置されている。このように構造物124を配置した構造にすることで、周辺回路112から画素領域111に向かう直線状に構造物124が必ず配置されるため、周辺回路112から光が直接的に画素領域111に到達することを回避することができ、遮光効果を得ることができる。
【0159】
図35には、固体撮像素子101における構造物124の平面的な第2の配置例が示されている。
【0160】
図35に示すように、固体撮像素子101Eは、画素領域111と周辺回路112との間における構造物形成領域113において、分割されずに連続的に画素領域111の周囲を囲うように複数の構造物124が配置されている。このように構造物124を配置した構造にすることで、より高い遮光性を得ることができる。
【0161】
図36には、固体撮像素子101における構造物124の平面的な第3の配置例が示されている。
【0162】
図36に示すように、固体撮像素子101Fは、図34の固体撮像素子101Dと同様に、画素領域111と周辺回路112との間を通り、平面的に見て画素領域111を囲うように、構造物形成領域113において複数に分割された構造物124が二重に配置されている。ただし、固体撮像素子101Fでは、図34の固体撮像素子101Dと異なり、隣り合う構造物124どうしの周期が一致している。
【0163】
図37には、固体撮像素子101における構造物124の平面的な第4の配置例が示されている。
【0164】
図37に示すように、固体撮像素子101Gは、図36の固体撮像素子101Fと同様に、構造物形成領域113において複数に分割された構造物124が二重に配置されるのに加えて、それぞれ分割された構造物124の間に、周方向に直交する向きに長くなる構造物124が配置されている。
【0165】
なお、構造物124の平面的な配置は、図34乃至図37の配置例に限定されることはなく、様々な配置を採用することができる。
【0166】
また、本技術は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサに適用する他、CCD(Charge Coupled Device)に適用することができる。さらに、湾曲した形状の固体撮像素子101に適用してもよい。また、構造物124の断面的な形状としては、矩形形状の他、例えば、台形形状や三角形形状などを採用することができる。さらに、固体撮像素子101は、上述した各種の寸法または構造に限定されるものでない。
【0167】
なお、上述したような各実施の形態の固体撮像素子11および101は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像システム、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0168】
図38は、電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0169】
図38に示すように、撮像装置201は、光学系202、撮像素子203、信号処理回路204、モニタ205、およびメモリ206を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0170】
光学系202は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの像光(入射光)を撮像素子203に導き、撮像素子203の受光面(センサ部)に結像させる。
【0171】
撮像素子203としては、上述した各実施の形態または変形例の固体撮像素子11または固体撮像素子101が適用される。撮像素子203には、光学系202を介して受光面に結像される像に応じて、一定期間、電子が蓄積される。そして、撮像素子203に蓄積された電子に応じた信号が信号処理回路204に供給される。
【0172】
信号処理回路204は、撮像素子203から出力された画素信号に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路204が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ205に供給されて表示されたり、メモリ206に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0173】
このように構成されている撮像装置201では、上述した各実施の形態または変形例の固体撮像素子11または固体撮像素子101を適用することによって、例えば、よりノイズの少ない高画質な画像を得ることができる。
【0174】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数の素子が形成される素子形成部と、
前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と
を備え、
前記素子形成部に、
光の影響を受ける受動素子と、
前記受動素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、
前記受動素子および前記能動素子の間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物と
が配置される
半導体装置。
(2)
前記受動素子は、光を受光して光電変換を行う受光素子である
上記(1)に記載の半導体装置。
(3)
前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面に、前記受光素子が受光する光が照射され、
前記素子形成部および前記配線部が積層されて構成される基板の表面側に、その基板を支持する支持基板が接合されて構成される
上記(2)に記載の半導体装置。
(4)
前記構造物は、前記素子形成部に前記配線部が積層される表面から形成され、前記構造物の先端と、前記表面に対して反対側となる裏面との隙間が所定の間隔以下となるように形成される
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の半導体装置。
(5)
前記構造物は、前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面から形成され、前記構造物の先端と、前記表面との隙間が所定の間隔以下となるように形成される
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の半導体装置。
(6)
前記構造物は、前記素子形成部に前記配線部が積層される表面から形成される第1の構造物の先端と、前記表面に対して反対側となる裏面から形成される第2の構造物の先端との隙間が所定の間隔以下となるように形成される
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の半導体装置。
(7)
前記構造物は、前記能動素子から前記受動素子に向かう間の複数個所に形成される
上記(1)から(6)までのいずれかに記載の半導体装置。
(8)
前記構造物は、前記素子形成部において前記能動素子が形成される側となる表面から形成される第1の構造物と、前記表面に対して反対側となる裏面から形成される第2の構造物とが、前記能動素子から前記受動素子を見たときに重ね合わされて配置される
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の半導体装置。
(9)
前記構造物が、前記素子形成部の厚み方向の隙間が設けられることなく、前記素子形成部を貫通するように形成される
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の半導体装置。
(10)
前記構造物は、光を屈折または吸収する材料により構成される
上記(1)から(9)までのいずれかに記載の半導体装置。
(11)
前記構造物は、前記素子形成部の厚み方向に向かう側壁が、その厚み方向に対して傾斜して形成される
上記(10)に記載の半導体装置。
(12)
前記構造物は、光を反射する金属により構成される
上記(1)から(9)までのいずれかに記載の半導体装置。
(13)
前記構造物の周囲を取り囲む絶縁物をさらに有する
上記(12)に記載の半導体装置。
(14)
前記構造物の電位を取り出すための電極をさらに有する
上記(12)または(13)に記載の半導体装置。
(15)
前記受動素子は、光ノイズに対して高感度のアナログ素子である
上記(1)から(14)までのいずれかに記載の半導体装置。
(16)
前記構造物は、前記受動素子が形成される領域と、前記能動素子が形成される領域との間を通り、平面的に見て前記受動素子が形成される領域を囲うように配置される
上記(1)から(15)までのいずれかに記載の半導体装置。
(17)
前記構造物は、前記受動素子が形成される領域と、前記能動素子が形成される領域との間を通り、平面的に見て前記能動素子が形成される領域を囲うように配置される
上記(1)から(15)までのいずれかに記載の半導体装置。
(18)
前記構造物は、前記受動素子が形成される領域と、前記能動素子が形成される領域との間で、前記受動素子と前記能動素子とを結ぶ直線上に少なくとも存在するように配置される
上記(1)から(15)までのいずれかに記載の半導体装置。
(19)
複数の前記受動素子が配置される素子領域と、前記素子領域の周辺に配置され、前記能動素子により構成される周辺回路との間に、1本または複数本の前記構造物が形成される構造物形成領域が設けられる
上記(1)に記載の半導体装置。
(20)
前記構造物は、前記素子形成部を構成するシリコン層内で赤外光を反射または吸収する材料により構成される
上記(19)に記載の半導体装置。
(21)
前記素子形成部を構成する基板は、シリコン層の間に、前記シリコンとは屈折率の異なる材料により構成される層が形成されて構成される
上記(19)または(20)に記載の半導体装置。
(22)
前記構造物は、前記素子形成部を構成するシリコン層内で赤外光を反射または吸収する材料により構成される
上記(21)に記載の半導体装置。
(23)
前記構造物は、平面的に見て前記素子領域を囲うように、少なくとも二重に配置されるとともに、周方向に複数に分割されており、隣り合う前記構造物どうしが、半周期ずらして配置されている
上記(19)から(22)までのいずれかに記載の半導体装置。
(24)
複数の前記構造物が、平面的に見て前記素子領域の周囲を連続的に囲うように配置されている
上記(19)から(22)までのいずれかに記載の半導体装置。
(25)
複数の素子が形成される素子形成部と、
前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と
を備え、
前記素子形成部に、
光を受光して光電変換を行う受光素子と、
前記受光素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、
前記受光素子および前記能動素子の間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物と
が配置され、
前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面に、前記受光素子が受光する光が照射され、
前記素子形成部および前記配線部が積層されて構成される基板の表面側に、その基板を支持する支持基板が接合されて構成される
固体撮像素子。
(26)
複数の素子が形成される素子形成部と、
前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と
を備え、
前記素子形成部に、
光を受光して光電変換を行う受光素子と、
前記受光素子の周辺に配置される周辺回路を構成する能動素子と、
前記受光素子および前記能動素子の間に、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となるように形成され、光の伝搬を妨げる材料により構成される構造物と
が配置され、
前記素子形成部に前記配線部が積層される表面に対して反対側となる裏面に、前記受光素子が受光する光が照射され、
前記素子形成部および前記配線部が積層されて構成される基板の表面側に、その基板を支持する支持基板が接合されて構成される
固体撮像素子を備える電子機器。
【0175】
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0176】
11 固体撮像素子, 11J 半導体装置, 12 画素領域, 12J 高感度アナログ素子領域, 13 垂直駆動回路, 14 カラム信号処理回路, 15 水平駆動回路, 16 出力回路, 17 制御回路, 18 画素, 19 周辺回路, 21 第1の基板, 22 第2の基板, 23 接合層, 24 素子形成部, 25 配線部, 26 集光部, 27 配線, 31 受光素子, 32 カラーフィルタ, 33 オンチップレンズ, 34 能動素子, 35 構造物, 36 絶縁物, 51 ゲート電極, 52 ドレイン領域, 53 ソース領域, 54および55 素子分離部, 101 固体撮像素子, 102 シリコン基板, 103 シリコン酸化膜, 111 画素領域, 112 周辺回路, 113 構造物形成領域, 121 受光素子, 122 オンチップレンズ, 123 能動素子, 124 構造物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
【手続補正書】
【提出日】2018年10月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素子が形成される素子形成部と、
前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と
を備え、
前記素子形成部
入射を光電変換する複数の受動素子を含む画素領域と、
前記画素領域の周辺に配置される複数の能動素子を含む周辺領域と、
断面視では前記画素領域および前記周辺領域との間に少なくとも設けられ、平面視では前記画素領域を囲んで設けられた構造物と
を有し、
前記構造物は、
前記素子形成部において前記配線部が積層される面に対して反対側となる面から前記配線部が積層される面側へ設けられ、
前記素子形成部の厚み方向において前記配線部が積層される面との間隔が所定の長さ以下であり、
光を吸収する材料を含む
半導体装置。
【請求項2】
前記能動素子は、ダイオードである
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記配線部において前記素子形成部が積層される面に対して反対側となる面に接合される支持基板
をさらに備える請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記支持基板は、接合層を介して前記配線部に接合される
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記入射光は、前記素子形成部において前記配線部が積層される面に対して反対側となる面に照射される
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記構造物は、前記能動素子から前記受動素子に向かう間の複数個所に設けられる
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記構造物は、
前記素子形成部において前記能動素子が設けられる側面から設けられる第1の構造物と、
前記素子形成部において前記能動素子が設けられる側の面に対して反対側となるから設けられる第2の構造物と
であり、
前記第1の構造物と前記第2の構造物とが、前記能動素子から前記受動素子を見たときに重ね合わされて配置される
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記構造物は、前記素子形成部を貫通して設けられる
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記構造物は、前記素子形成部の厚み方向に向かう側壁が、その厚み方向に対して傾斜して設けられる
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記構造物は、前記画素領域と、前記周辺領域との間を通り、平面視において前記周辺領域を囲って設けられる
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記構造物は、前記画素領域と、前記周辺領域との間で、前記受動素子と前記能動素子とを結ぶ直線上に少なくとも存在するように配置される
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記素子形成部が、前記画素領域と、前記周辺領域との間に、1本または複数本の前記構造物が設けられる構造物領域をさらに有する
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記構造物は、赤外光を吸収する材料を含む
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記構造物は、平面視において前記画素領域を囲って、少なくとも二重に配置されるとともに、周方向に複数に分割されており、隣り合う前記構造物どうしが、半周期ずらして配置されている
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項15】
記構造物、平面視において前記画素領域を連続的に囲って設けられる
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項16】
複数の素子が形成される素子形成部と、
前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と
前記素子形成部が積層される面に対して反対側となる前記配線部の面に接合される支持基板と
を備え、
前記素子形成部
入射光を光電変換する複数の受動素子を含む画素領域と、
前記画素領域の周辺に配置される複数の能動素子を含む周辺領域と、
断面視では前記画素領域および前記周辺領域との間に少なくとも設けられ、平面視では前記画素領域を囲んで設けられた構造物と
を有し
前記構造物は、
前記配線部が積層される面に対して反対側となる前記素子形成部の面から前記配線部が積層される面側へ設けられ、
前記素子形成部の厚み方向において、前記配線部が積層される面との間隔が所定の長さ以下であり、
光を吸収する材料を含み、
前記入射光は、前記素子形成部において前記配線部が積層されるに対して反対側となる照射される
固体撮像素子。
【請求項17】
複数の素子が形成される素子形成部と、
前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と
前記素子形成部が積層される面に対して反対側となる前記配線部の面に接合される支持基板と
を備え、
前記素子形成部
入射光を光電変換する複数の受動素子を含む第1の素子領域と、
前記画素領域の周辺に配置される複数の能動素子を含む第2の素子領域と、
断面視では前記第1の素子領域および前記第2の素子領域との間において、前記配線部が積層される面に対して反対側となる前記素子形成部の面から前記配線部が積層される面側へ設けられ、前記配線部が積層される面との、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となり、平面視では前記第1の領域を囲うように形成され、光を吸収する材料により構成される構造物と
を有し
前記入射光は、前記素子形成部において前記配線部が積層されるに対して反対側となる照射される
固体撮像素子を備える電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本開示の一側面の半導体装置は、複数の素子が形成される素子形成部と、前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部とを備え、前記素子形成部入射を光電変換する複数の受動素子を含む画素領域と、前記画素領域の周辺に配置される複数の能動素子を含む周辺領域と、断面視では前記画素領域および前記周辺領域との間に少なくとも設けられ、平面視では前記画素領域を囲んで設けられた構造物とを有し、前記構造物は、前記素子形成部において前記配線部が積層される面に対して反対側となる面から前記配線部が積層される面側へ設けられ、前記素子形成部の厚み方向において前記配線部が積層される面との間隔が所定の長さ以下であり、光を吸収する材料を含む
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本開示の一側面の固体撮像素子は、複数の素子が形成される素子形成部と、前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と、前記素子形成部が積層される面に対して反対側となる前記配線部の面に接合される支持基板とを備え、前記素子形成部入射光を光電変換する複数の受動素子を含む画素領域と、前記画素領域の周辺に配置される複数の能動素子を含む周辺領域と、断面視では前記画素領域および前記周辺領域との間に少なくとも設けられ、平面視では前記画素領域を囲んで設けられた構造物とを有し前記構造物は、前記配線部が積層される面に対して反対側となる前記素子形成部の面から前記配線部が積層される面側へ設けられ、前記素子形成部の厚み方向において、前記配線部が積層される面との間隔が所定の長さ以下であり、光を吸収する材料を含み、前記入射光は、前記素子形成部において前記配線部が積層されるに対して反対側となる照射される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本開示の一側面の電子機器は、複数の素子が形成される素子形成部と、前記素子形成部に積層され、前記素子間を接続する配線が形成される配線部と、前記素子形成部が積層される面に対して反対側となる前記配線部の面に接合される支持基板とを備え、前記素子形成部入射光を光電変換する複数の受動素子を含む第1の素子領域と、前記画素領域の周辺に配置される複数の能動素子を含む第2の素子領域と、断面視では前記第1の素子領域および前記第2の素子領域との間において、前記配線部が積層される面に対して反対側となる前記素子形成部の面から前記配線部が積層される面側へ設けられ、前記配線部が積層される面との、前記素子形成部の厚み方向の隙間が所定の間隔以下となり、平面視では前記第1の領域を囲うように形成され、光を吸収する材料により構成される構造物とを有し前記入射光は、前記素子形成部において前記配線部が積層されるに対して反対側となる照射される固体撮像素子を備える。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本開示の一側面においては、素子形成部において、入射光を光電変換する複数の受動素子を含む画素領域と、前記画素領域の周辺に配置される複数の能動素子を含む周辺領域と、断面視では前記画素領域および前記周辺領域との間に少なくとも設けられ、平面視では前記画素領域を囲んで設けられた構造物とが設けられる。そして、構造物として、素子形成部において配線部が積層される面に対して反対側となる面から配線部が積層される面側へ設けられ、素子形成部の厚み方向において配線部が積層される面との間隔が所定の長さ以下であり、光を吸収する材料が含まれる。