【解決手段】通信環境模擬試験装置1は、車載機(DUT)30を試験する通信環境の観点を選択する観点切替スイッチ2と、車載機(DUT)30の送信特性を確認する送信特性確認データを車載機(DUT)30から入力するメッセージ入力部12と、車載機(DUT)30の受信特性を確認する受信特性確認データを車載機(DUT)30に出力するメッセージ出力部11と、所定の制御情報に対する車載機(DUT)30の応答特性を確認するIR制御フィールドを車載機(DUT)30から入力する制御情報入力部21と、観点切替スイッチ2によって選択された通信環境の観点に基づいて車載機(DUT)30の送信特性、受信特性及び応答特性を試験するメッセージ確認部42及び制御情報確認部43と、を備える。
前記観点選択手段は、前記通信環境の前記複数の観点のうちから任意の観点を複数組合せる動作を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の通信環境模擬試験装置。
前記観点選択手段によって選択された前記通信環境の前記観点に対応して、前記被試験装置と前記路車間通信及び前記車車間通信の少なくとも一方が行われる通信環境を模擬する回路を有する観点対応回路(3)をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の通信環境模擬試験装置。
前記観点対応回路は、前記観点選択手段によって選択された前記通信環境の前記観点に対応して、前記路車間通信によりデータを転送する通信環境を模擬する回路を有するものであることを特徴とする請求項5に記載の通信環境模擬試験装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のものは、通信エリアに進入又は退出を行ったという条件でのみ模擬試験を実施できるものであった。そのため、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアにおいて想定される各種通信環境を考慮して、被測定装置の模擬試験を実施するものが望まれていた。
【0007】
本発明は、前述のような事情に鑑みてなされたものであり、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアにおいて想定される各種通信環境を考慮して、被測定装置の模擬試験を実施することができる通信環境模擬試験装置及び通信環境模擬試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る通信環境模擬試験装置は、路車間通信及び車車間通信が行われる通信環境を模擬し、車両に搭載される被試験装置(30)を試験する通信環境模擬試験装置(1)であって、前記被試験装置を試験する前記通信環境の観点を予め定められた複数の観点(NC、A〜G)の中から選択する観点選択手段(2)と、前記被試験装置の受信特性を確認するための受信特性確認データを前記被試験装置に出力する受信特性確認データ出力手段(11)と、前記被試験装置の送信特性を確認するための送信特性確認データを前記被試験装置から入力する送信特性確認データ入力手段(12)と、所定の制御情報に対する前記被試験装置の応答特性を確認するための応答特性確認データを前記被試験装置から入力する応答特性確認データ入力手段(21)と、前記観点選択手段によって選択された前記通信環境の前記観点に基づいて前記被試験装置の前記受信特性、前記送信特性及び前記応答特性の少なくとも1つを試験する特性試験手段(42、43)と、を備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明の請求項1に係る通信環境模擬試験装置は、観点選択手段は、被試験装置を試験する通信環境の観点を予め定められた複数の観点の中から選択し、特性試験手段は、観点選択手段によって選択された通信環境の観点に基づいて被試験装置の受信特性、送信特性及び応答特性の少なくとも1つを試験するので、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアにおいて想定される各種通信環境を考慮して、被測定装置の模擬試験を実施することができる。
【0010】
本発明の請求項2に係る通信環境模擬試験装置は、前記観点選択手段は、前記通信環境の前記複数の観点のうちから任意の観点を複数組合せる動作を行うものである構成を有している。
【0011】
この構成により、本発明の請求項2に係る通信環境模擬試験装置は、任意の観点を複数組合せる動作により実際の通信環境を模擬し、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアにおいて想定される各種通信環境を考慮して、被測定装置の模擬試験を実施することができる。
【0012】
本発明の請求項3に係る通信環境模擬試験装置は、前記送信特性確認データ入力手段は、前記車車間通信において用いられるメッセージを前記送信特性確認データとして前記被試験装置から入力するものであり、前記受信特性確認データ出力手段は、前記メッセージを前記受信特性確認データとして前記被試験装置に出力するものであり、前記特性試験手段は、前記送信特性確認データ入力手段によって入力された前記メッセージに基づいて前記被試験装置の前記送信特性を試験するとともに、前記被試験装置によって入力された前記メッセージに基づいて前記被試験装置の前記受信特性を試験するものである構成を有している。
【0013】
この構成により、本発明の請求項3に係る通信環境模擬試験装置は、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアにおいて想定される各種通信環境を考慮して、被測定装置の受信特性及び送信特性を試験することができる。
【0014】
本発明の請求項4に係る通信環境模擬試験装置は、前記所定の制御情報は、前記路車間通信及び前記車車間通信における通信制御処理に用いられる通信制御フィールドであって、前記応答特性確認データ入力手段は、前記被試験装置から前記通信制御フィールドを入力するものであり、前記特性試験手段は、前記応答特性確認データ入力手段によって入力された前記通信制御フィールドに基づいて前記被試験装置の前記応答特性を試験するものである構成を有している。
【0015】
この構成により、本発明の請求項4に係る通信環境模擬試験装置は、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアにおいて想定される各種通信環境を考慮して、所定の制御情報に対する被測定装置の応答特性を試験することができる。
【0016】
本発明の請求項5に係る通信環境模擬試験装置は、前記観点選択手段によって選択された前記通信環境の前記観点に対応して、前記被試験装置と前記路車間通信及び前記車車間通信の少なくとも一方が行われる通信環境を模擬する回路を有する観点対応回路(3)をさらに備えた構成を有している。
【0017】
この構成により、本発明の請求項5に係る通信環境模擬試験装置は、観点選択手段によって選択された通信環境の観点に対応して、被試験装置と路車間通信及び車車間通信の少なくとも一方が行われる通信環境を模擬することができる。
【0018】
本発明の請求項6に係る通信環境模擬試験装置は、前記観点対応回路は、前記観点選択手段によって選択された前記通信環境の前記観点に対応して、前記路車間通信によりデータを転送する通信環境を模擬する回路を有するものである構成を有している。
【0019】
この構成により、本発明の請求項6に係る通信環境模擬試験装置は、観点選択手段によって選択された通信環境の観点に対応して、路車間通信によりデータを転送する通信環境を模擬することができる。
【0020】
本発明の請求項7に係る通信環境模擬試験方法は、路車間通信及び車車間通信が行われる通信環境を模擬し、車両に搭載される被試験装置(30)を試験する通信環境模擬試験方法であって、前記被試験装置を試験する前記通信環境の観点を予め定められた複数の観点(NC、A〜G)の中から選択する観点選択ステップ(S11)と、前記被試験装置の受信特性を確認するための受信特性確認データを前記被試験装置に出力する受信特性確認データ出力ステップ(S12)と、前記被試験装置の送信特性を確認するための送信特性確認データを前記被試験装置から入力する送信特性確認データ入力ステップ(S18)と、所定の制御情報に対する前記被試験装置の応答特性を確認するための応答特性確認データを前記被試験装置から入力する応答特性確認データ入力ステップ(S23)と、前記観点選択ステップにおいて選択された前記通信環境の前記観点に基づいて前記被試験装置の前記受信特性、前記送信特性及び前記応答特性の少なくとも1つを試験する特性試験ステップ(S14、S19、S24)と、を含む構成を有している。
【0021】
この構成により、本発明の請求項7に係る通信環境模擬試験方法は、観点選択ステップにおいて、被試験装置を試験する通信環境の観点を予め定められた複数の観点の中から選択し、特性試験ステップにおいて、観点選択ステップで選択された通信環境の観点に基づいて被試験装置の受信特性、送信特性及び応答特性の少なくとも1つを試験するので、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアにおいて想定される各種通信環境を考慮して、被測定装置の模擬試験を実施することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアにおいて想定される各種通信環境を考慮して、被測定装置の模擬試験を実施することができるという効果を有する通信環境模擬試験装置及び通信環境模擬試験方法を提供することができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0025】
(基本構成の説明)
まず、本発明に係る一実施形態における構成について説明する。なお、本発明に係る通信環境模擬試験装置及び通信環境模擬試験方法を、ITSシステム(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)において使用される被試験装置を試験するものに適用した例を挙げて説明する。このITSシステムでは、路側機からメッセージを含むパケット信号をブロードキャスト送信する路車間通信や、車両に搭載された車載機からメッセージを含むパケット信号をブロードキャスト送信する車車間通信が行われる。
【0026】
図1に示すように、本実施形態における通信環境模擬試験装置1は、車載機(REF)10、車載機(RX)20、観点切替スイッチ2、観点対応回路3、制御PC(パーソナルコンピュータ)40を備え、被試験装置としての車載機(DUT)30の模擬試験を実施するものである。
【0027】
車載機(REF)10及び車載機(RX)20は、車両に搭載される車載機であって、ITSシステムに備えられた路側機との路車間通信や、他の車載機との車車間通信を実行することが可能な車載機である。また、車載機(REF)10は、試験の基準として定められた車載機であり、車載機(RX)20は、受信モードで動作させる車載機である。なお、車載機(REF)10及び車載機(RX)20に代えて、例えば、マイクロコンピュータ及びソフトウェア等により構成した、車載機を模擬するものを使用する構成としてもよい。
【0028】
通信環境模擬試験装置1は、ITSシステムにおける路車間通信及び車車間通信が行われる通信環境を模擬し、通信環境に関して予め定められた複数の観点(後述)に基づいて、車載機(DUT)30を試験するものである。また、通信環境模擬試験装置1は、例えば、「700MHz帯高度道路交通システム標準規格(ARIB STD-T109)」(以下、単に「ITSシステム標準規格」という)に規定された通信制御を行うものである。
【0029】
車載機(REF)10は、メッセージ出力部11、メッセージ入力部12、制御情報出力部13を備えている。この車載機(REF)10は、ケーブル4aを介して制御PC40に接続され、RF(無線周波数)ケーブル5aを介して観点切替スイッチ2の端子TP1に接続されている。
【0030】
なお、通信環境模擬試験装置1における出力及び入力は、それぞれ、実際の通信環境での送信及び受信に対応する。
【0031】
メッセージ出力部11は、ITSシステム標準規格に準拠したメッセージを生成し、生成したメッセージをベースバンド領域からRF領域にアップコンバートして観点切替スイッチ2に出力するようになっている。メッセージ出力部11が出力するメッセージは、車載機(DUT)30の受信特性を確認するために車載機(DUT)30に出力されるものである。すなわち、メッセージ出力部11は、受信特性確認データ出力手段の一例であり、メッセージ出力部11が出力するメッセージは、受信特性確認データの一例である。
【0032】
メッセージ入力部12は、ITSシステム標準規格に準拠したメッセージを観点切替スイッチ2から入力し、入力したメッセージをRF領域からベースバンド領域にダウンコンバートするようになっている。メッセージ入力部12が入力するメッセージは、車載機(DUT)30の送信特性を確認するために車載機(DUT)30から出力されたものである。すなわち、メッセージ入力部12は、送信特性確認データ入力手段の一例であり、メッセージ入力部12が入力するメッセージは、送信特性確認データの一例である。
【0033】
制御情報出力部13は、ITSシステム標準規格に準拠したIR制御フィールドを車載機(DUT)30に出力するようになっている。制御情報出力部13が出力するIR制御フィールドは、ITSシステムにおいて路車間通信及び車車間通信の通信制御処理に用いられる通信制御フィールドである。
【0034】
車載機(RX)20は、制御情報入力部21を備えている。この車載機(RX)20は、ケーブル4bを介して制御PC40に接続され、RFケーブル5bを介して観点切替スイッチ2の端子TP2に接続されている。
【0035】
制御情報入力部21は、制御情報出力部13が出力するIR制御フィールド(所定の制御情報)に応答して車載機(DUT)30が出力するIR制御フィールドを入力するようになっている。すなわち、制御情報入力部21は、応答特性確認データ入力手段の一例である。また、制御情報出力部13が出力するIR制御フィールドに応答して車載機(DUT)30が出力するIR制御フィールドは、応答特性確認データの一例である。また、車載機(DUT)30が出力するIR制御フィールドは、通信制御フィールドの一例である。
【0036】
観点切替スイッチ2は、端子TP1〜TP3が設けられた1次側端子群と、観点対応回路3側に設けられた2次側端子群と、を備えている。前述のように、端子TP1は、RFケーブル5aを介して車載機(REF)10に接続され、端子TP2は、RFケーブル5bを介して車載機(RX)20に接続されている。端子TP3は、RFケーブル5cを介して車載機(DUT)30に接続されている。
【0037】
また、観点切替スイッチ2は、後述する通信環境の複数の観点NC、A〜G及びこれらの任意の組合せに応じて観点対応回路3の所定箇所に接続される端子NC、A1〜A3、B1〜B3、・・・、G1〜G3を備えている。この観点切替スイッチ2は、ケーブル4dを介して制御PC40に接続され、制御PC40の制御に従って、1次側端子群と、2次側端子群とを接続するようになっている。その結果、観点切替スイッチ2は、通信環境の観点を選択するようになっている。なお、観点切替スイッチ2は、観点選択手段の一例である。
【0038】
観点対応回路3は、通信環境の予め定められた複数の観点に対応して通信環境を模擬する複数の回路を含む。この観点対応回路3の詳細な構成については後述する。
【0039】
制御PC40は、制御部41、メッセージ確認部42、制御情報確認部43を備えている。また、制御PC40は、ケーブル4a〜4eを介して、それぞれ、車載機(REF)10、車載機(RX)20、車載機(DUT)30、観点切替スイッチ2、観点対応回路3に接続されている。
【0040】
制御部41は、通信環境模擬試験装置1全体の動作を制御するようになっている。
【0041】
メッセージ確認部42は、車載機(REF)10及び車載機(DUT)30の相互間でやり取りされるメッセージを比較して、車載機(DUT)30の送信特性及び受信特性を試験するようになっている。例えば、メッセージ確認部42は、メッセージ出力部11が出力したメッセージと、車載機(DUT)30が入力したメッセージとを比較して両者が一致した場合には、車載機(DUT)30の受信特性は正常であると判断する。また、例えば、メッセージ確認部42は、車載機(DUT)30が出力したメッセージと、車載機(REF)10のメッセージ入力部12が入力したメッセージとを比較して両者が一致した場合には、車載機(DUT)30の送信特性は正常であると判断する。なお、メッセージ確認部42は、特性試験手段の一例である。
【0042】
制御情報確認部43は、車載機(REF)10の制御情報出力部13が出力したIR制御フィールドに応答して車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドを、車載機(RX)20の制御情報入力部21を介して確認するようになっている。なお、制御情報確認部43は、特性試験手段の一例である。
【0043】
(通信環境の観点の説明)
次に、本実施形態における通信環境の観点について説明する。通信環境の観点としては、
図2に示すように、観点NC(No Communication)及びA〜Gと、これらの任意の組合せがある。例えば、観点Aは車車間通信を、観点B〜Dは路車間通信を、観点E〜Gはデータ通信を、それぞれ模擬するための観点である。観点A〜Gについてのイメージ図を
図3〜
図9に示す。以下、これらのイメージ図を用いて、本実施形態における通信環境の観点について説明する。なお、観点NCの図示は省略する。
【0044】
(観点NC)
観点NCは、車載機(DUT)30が通信エリア外にあって路車間通信及び車車間通信が行えない通信環境を模擬するための観点である。
【0045】
(観点A)
図3に示すように、観点Aは、車載機(REF)10と車載機(DUT)30とが、車車間通信が可能な通信エリア(以下、「車車間通信エリア」という場合がある)内にある場合の通信環境を模擬するための観点である。
【0046】
(観点B)
図4に示すように、観点Bは、車載機(DUT)30が、1つの路側機51と路車間通信を行うことのできる通信エリア(以下、「路車間通信エリア」という場合がある)内にある場合の通信環境を模擬するための観点である。
【0047】
(観点C)
図5に示すように、観点Cは、車載機(DUT)30が、2つの路車間通信エリアが直接的に重複している通信エリア内にある場合の通信環境を模擬するための観点である。
【0048】
(観点D)
図6に示すように、観点Dは、2つの路車間通信エリアが、直接的に重複せずに、1つの車車間通信エリアを介して間接的に重複している通信エリアに関する観点である。具体的には、観点Dは、一方の路車間通信エリア内には車載機(DUT)30があり、他方の路車間通信エリア内には車載機(REF)10があって、車載機(REF)10と車載機(DUT)30とが、車車間通信エリア内にある場合の通信環境を模擬するための観点である。
【0049】
(観点E)
図7に示すように、観点Eは、車載機(REF)53は1つの路車間通信エリア内にあるが、車載機(DUT)30はその路車間通信エリア外にあり、車車間通信により車載機(REF)53から車載機(DUT)30にデータ転送する場合の通信環境を模擬するための観点である。この観点Eでは、データ転送は1回実施される。
【0050】
(観点F)
図8に示すように、観点Fは、観点Eの構成(
図7参照)に対し車載機(REF)54が追加され、2回のデータ転送が実施される場合である。具体的には、観点Fは、車載機(REF)53は1つの路車間通信エリア内にあるが、車載機(REF)54及び車載機(DUT)30はその路車間通信エリア外にあり、車車間通信により車載機(REF)53から車載機(REF)54を介して車載機(DUT)30にデータ転送する場合の通信環境を模擬するための観点である。
【0051】
(観点G)
図9に示すように、観点Gは、観点Fの構成(
図8参照)に対し車載機(REF)55が追加され、3回のデータ転送が実施される場合である。具体的には、観点Gは、車載機(REF)53は1つの路車間通信エリア内にあるが、車載機(REF)54及び55、車載機(DUT)30はその路車間通信エリア外にあり、車車間通信により車載機(REF)53から車載機(REF)54及び55を介して車載機(DUT)30にデータ転送する場合の通信環境を模擬するための観点である。
【0052】
次に、通信環境の各観点における通信環境模擬試験装置1の具体的な構成及び動作について、
図10〜
図17を用いて説明する。なお、
図10〜
図17において、観点切替スイッチ2(
図1参照)の2次側端子の記号を図中に記して、観点切替スイッチ2の図示を省略する。また、観点ごとの同様の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0053】
(観点NCでの構成及び動作)
図10に示すように、観点NCにおいて、通信環境模擬試験装置1は、制御PC40、終端抵抗6を備え、車載機(DUT)30が、観点切替スイッチ2(
図1参照)の端子NCに接続された終端抵抗6を介し接地された構成を有する。終端抵抗6は、観点対応回路3(
図1参照)に含まれる。
【0054】
図10において、車載機(DUT)30にNCを付した表記は、車載機(DUT)30がRFケーブル5cを介して接続された観点切替スイッチ2の端子TP3と端子NCとが接続された状態を示している。
【0055】
なお、車載機(DUT)30には制御PC40が接続されているが、観点NCは車載機(DUT)30が通信エリア外にある通信環境を模擬しているので、通信試験は実施されない。
【0056】
(観点Aにおける構成)
図11に示すように、観点Aにおいて、通信環境模擬試験装置1は、制御PC40、車載機(REF)10、車載機(RX)20、ATT(アッテネータ)7、擬似通信路8aを備えている。ATT7及び擬似通信路8aは、観点対応回路3に含まれる。ATT7は、制御PC40の制御に従って、入力したRF信号のレベルを所定の減衰量で減衰するようになっている。擬似通信路8aは、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアの通信環境を模擬した通信路であって、ATT及び分配器等(図示省略)や複数のアンテナ端子(ANT)を備えている。
【0057】
図11において、車載機(DUT)30にA1を付した表記は、車載機(DUT)30がRFケーブル5cを介して接続された観点切替スイッチ2の端子TP3と端子A1とが接続された状態を示している。この端子A1にはATT7の一方の端子が接続されている。ATT7の他方の端子は、擬似通信路8aの所定のアンテナ端子に接続されている。
【0058】
また、車載機(REF)10にA2を付した表記は、車載機(REF)10がRFケーブル5aを介して接続された観点切替スイッチ2の端子TP1と端子A2とが接続された状態を示している。この端子A2は、擬似通信路8aの所定のアンテナ端子に接続されている。
【0059】
また、車載機(RX)20にA3を付した表記は、車載機(RX)20がRFケーブル5bを介して接続された観点切替スイッチ2の端子TP2と端子A3とが接続された状態を示している。この端子A3は、擬似通信路8aの所定のアンテナ端子に接続されている。
【0060】
なお、車載機(DUT)30、車載機(REF)10及び車載機(RX)20に、それぞれ、A1、A2及びA3を付した表記の説明は、観点に応じて記号AがB〜Gに変わるだけなので、観点B〜Gの説明では省略する。
【0061】
(観点Aにおける動作)
(1)制御PC40の制御部41は、制御信号を観点対応回路3に出力し、ATT7を∞dBに設定して通信エリア外を模擬した後、ATT7を0dBに設定して下記(2)〜(4)を確認し、再びATT7を∞dBに設定して通信エリア外を模擬する。
【0062】
(2)メッセージの送信特性確認
制御PC40のメッセージ確認部42は、車載機(DUT)30が出力したメッセージを車載機(REF)10から入力し、両者のメッセージが一致するか否かを確認する。
【0063】
(3)メッセージの受信特性確認
制御PC40のメッセージ確認部42は、車載機(REF)10が出力したメッセージを車載機(DUT)30から入力し、両者のメッセージが一致するか否かを確認する。
【0064】
(4)IR制御フィールドの確認
制御PC40の制御情報確認部43は、車載機(REF)10が出力したIR制御フィールドに応答して車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドを車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。例えば、制御情報確認部43は、IR制御フィールドに含まれる識別情報、同期情報を確認する。
【0065】
(観点Bにおける構成)
図12に示すように、観点Bにおける通信環境模擬試験装置1は、観点Aでの構成(
図11参照)に路側機51が追加されたものである。
【0066】
観点Bにおける通信環境模擬試験装置1は、制御PC40、路側機51、車載機(REF)10、車載機(RX)20、ATT7、擬似通信路8aを備えている。路側機51、ATT7及び擬似通信路8aは、観点対応回路3に含まれる。
【0067】
路側機51は、擬似通信路8aの所定のアンテナ端子に接続され、例えば、予め公道において実際に取得された公道データを再生し、擬似通信路8aに出力するようになっている。
【0068】
車載機(REF)10、車載機(RX)20及び車載機(DUT)30は、ITSシステム標準規格に準拠して、路側機51に同期して動作するようになっている。
【0069】
(観点Bにおける動作)
観点Bにおける動作は、観点Aにおける動作(1)〜(3)に加えて、路側機51に関する以下の動作(4)及び(5)がある。
【0070】
(4)IR制御フィールドの確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51が出力したIR制御フィールドに応答して車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドを車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。例えば、制御PC40は、IR制御フィールドに含まれる識別情報、同期情報を確認する。
【0071】
(5)期間情報の確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51が出力したIR制御フィールドに含まれる期間情報を車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。例えば、制御PC40の制御情報確認部43は、期間情報に含まれる期間番号、転送回数(0回)、期間長の各情報について確認する。
【0072】
(観点Cにおける構成)
図13に示すように、観点Cにおける通信環境模擬試験装置1は、観点Bでの構成(
図12参照)に路側機52が追加されたものであるので、観点Bでの構成と同様な構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
観点Cにおける通信環境模擬試験装置1は、制御PC40、路側機51及び52、車載機(REF)10、車載機(RX)20、ATT7、擬似通信路8aを備えている。路側機51及び52、ATT7、擬似通信路8aは、観点対応回路3に含まれる。
【0074】
路側機52は、擬似通信路8aの所定のアンテナ端子に接続され、路側機51と同様に公道データを再生し、擬似通信路8aに出力するようになっている。
【0075】
車載機(REF)10、車載機(RX)20及び車載機(DUT)30は、ITSシステム標準規格に準拠して、路側機51及び52に同期して動作するようになっている。
【0076】
(観点Cにおける動作)
観点Cにおける動作は、観点Bにおける路側機51に関する動作(4)及び(5)を路側機51及び52が行う点が異なっている。
【0077】
(4)IR制御フィールドの確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51及び52が出力したIR制御フィールドに応答して車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドを車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。例えば、制御PC40の制御情報確認部43は、IR制御フィールドに含まれる識別情報、同期情報を確認する。
【0078】
(5)期間情報の確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51及び52が出力したIR制御フィールドに含まれる期間情報を車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。例えば、制御PC40の制御情報確認部43は、期間情報に含まれる期間番号、転送回数(0回)、期間長の各情報について確認する。
【0079】
(観点Dにおける構成)
図14に示すように、観点Dにおいて、通信環境模擬試験装置1は、ITSシステムの通信エリアの通信環境を模擬した路車間通信エリア61及び62における構成と、制御PC40とを有する。なお、路車間通信エリア61と路車間通信エリア62との間は、クロストークの懸念があるため、シールド等の対策を講じるのが好ましい。
【0080】
路車間通信エリア61における通信環境模擬試験装置1は、観点Cにおける構成(
図13参照)に対して、方向性結合器9aを追加し、路側機52(路車間通信エリア62に移動)を除いた構成である。
【0081】
路車間通信エリア62における通信環境模擬試験装置1は、路側機51、車載機(REF)53、擬似通信路8b、方向性結合器9bを備えている。
【0082】
路側機51及び52、車載機(REF)53、ATT7、擬似通信路8a及び8b、方向性結合器9a及び9bは、観点対応回路3に含まれる。
【0083】
方向性結合器9aは、ATT7と擬似通信路8aとの相互間と、ATT7から擬似通信路8bに向かう方向にのみRF信号を通す構成を有する。
【0084】
方向性結合器9bは、車載機(REF)53と擬似通信路8bとの相互間と、車載機(REF)53から擬似通信路8aに向かう方向にのみRF信号を通す構成を有する。
【0085】
この構成により、車載機(REF)53からのRF信号は、方向性結合器9b及び擬似通信路8aを介して、車載機(REF)10、車載機(RX)20、車載機(DUT)30に入力される。また、車載機(DUT)30からのRF信号は、ATT7、方向性結合器9a、擬似通信路8b及び方向性結合器9bを介して車載機(REF)53に入力される。すなわち、車載機(DUT)30及び車載機(REF)53により、車車間通信を模擬することができる。
【0086】
(観点Dにおける動作)
観点Cにおける動作(4)に対して、路側機51及び52に関する動作が異なっている。
【0087】
(4)IR制御フィールドの確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機52が出力したIR制御フィールドに応答して車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドを車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。また、制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51が出力したIR制御フィールドを車載機(REF)53経由で車載機(DUT)30が受信し、それに応答して車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドを車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。
【0088】
(観点Eにおける構成)
図15に示すように、観点Eにおける通信環境模擬試験装置1は、観点Dにおける路車間通信エリア61(
図14参照)に代えて路車間通信エリア63の構成を備えている。この路車間通信エリア63の構成は、路車間通信エリア61の構成から方向性結合器9a及び路側機52を除いたものである。この構成は、路側機51が出力したメッセージやIR制御フィールド(以下、「メッセージ等」という)が、1つの車載機(REF)53による1回の転送により、路車間通信エリア63に含まれる車載機(DUT)30に出力される構成である。
【0089】
路側機51、車載機(REF)53、ATT7、擬似通信路8a及び8b、方向性結合器9bは、観点対応回路3に含まれる。
【0090】
(観点Eにおける動作)
観点Dにおける動作(4)及び(5)に対して、路側機51に関する動作が異なっている。
【0091】
(4)IR制御フィールドの確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51が出力したIR制御フィールドを車載機(REF)53経由で車載機(DUT)30が受信し、それに応答して車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドを車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。
【0092】
(5)期間情報の確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51が出力したIR制御フィールドに含まれる期間情報を車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。例えば、制御PC40の制御情報確認部43は、期間情報に含まれる期間番号、転送回数(1回)、期間長の各情報について確認する。
【0093】
(観点Fにおける構成)
図16に示すように、観点Fにおける通信環境模擬試験装置1は、観点Eにおける路車間通信エリア62(
図15参照)に代えて路車間通信エリア64の構成を備えている。この路車間通信エリア64の構成は、路車間通信エリア62の構成に車載機(REF)54及び方向性結合器9cを追加したものである。この構成は、路側機51が出力したメッセージ等が、2つの車載機(REF)53及び54による2回の転送により、路車間通信エリア63に含まれる車載機(DUT)30に出力される構成である。
【0094】
路側機51、車載機(REF)53及び54、ATT7、擬似通信路8a及び8b、方向性結合器9b及び9cは、観点対応回路3に含まれる。
【0095】
(観点Fにおける動作)
観点Eにおける動作(4)及び(5)に対して、路側機51に関する動作が異なっている。
【0096】
(4)IR制御フィールドの確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51が出力したIR制御フィールドを車載機(REF)53及び54経由で車載機(DUT)30が受信し、それに応答して車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドを車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。
【0097】
(5)期間情報の確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51が出力したIR制御フィールドに含まれる期間情報を車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。例えば、制御PC40の制御情報確認部43は、期間情報に含まれる期間番号、転送回数(2回)、期間長の各情報について確認する。
【0098】
(観点Gにおける構成)
図17に示すように、観点Gにおける通信環境模擬試験装置1は、観点Fにおける路車間通信エリア64(
図16参照)に代えて路車間通信エリア65の構成を備えている。この路車間通信エリア65の構成は、路車間通信エリア62の構成に車載機(REF)55及び方向性結合器9dを追加したものである。この構成は、路側機51が出力したメッセージ等が、3つの車載機(REF)53、54及び55による3回の転送により、路車間通信エリア63に含まれる車載機(DUT)30に出力される構成である。
【0099】
路側機51、車載機(REF)53、54及び55、ATT7、擬似通信路8a及び8b、方向性結合器9b、9c及び9dは、観点対応回路3に含まれる。
【0100】
(観点Gにおける動作)
観点Fにおける動作(4)及び(5)に対して、路側機51に関する動作が異なっている。
【0101】
(4)IR制御フィールドの確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51が出力したIR制御フィールドを車載機(REF)53、54及び55経由で車載機(DUT)30が受信し、それに応答して車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドを車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。
【0102】
(5)期間情報の確認
制御PC40の制御情報確認部43は、路側機51が出力したIR制御フィールドに含まれる期間情報を車載機(RX)20から入力し、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを確認する。例えば、制御PC40の制御情報確認部43は、期間情報に含まれる期間番号、転送回数(3回)、期間長の各情報について確認する。
【0103】
(観点A〜Gの組合せ)
観点NC、A〜Gの8つの全ての組合せは、8
8=16,777,216通りである。このうち重複した試験を除くと、実際の通信環境において車両の移動により順次出現する観点の組合せが得られる。すなわち、実際の通信環境において、観点NC、A〜Gの8つの順列は、
8P
8=8!=40,320通りである。
【0104】
通信環境模擬試験装置1は、制御PC40の制御部41により、観点切替スイッチ2及び観点対応回路3を選択制御し、40,320通りの観点の組合せを直列に組合せることにより、車載機(DUT)30に対し、実際の通信環境を模擬した試験を行うことができる。なお、制御部41は、観点切替スイッチ2に、通信環境の複数の観点のうちから、全ての観点を選択させることなく、任意の観点を直列に複数組合せる選択を行わせる構成であってもよい。
【0105】
(基本動作の説明)
次に、本実施形態における通信環境模擬試験装置1の基本動作について
図1及び
図18を用いて説明する。
【0106】
観点切替スイッチ2は、制御PC40の制御部41の制御に従って、所定の観点を選択する(ステップS11)。具体的には、制御部41は、図示しない操作部をユーザが操作して入力した観点の情報に基づき、観点切替スイッチ2の1次側端子群と、2次側端子群とを接続させる制御信号を観点切替スイッチ2に出力する。
【0107】
車載機(REF)10のメッセージ出力部11は、制御PC40の制御部41の制御に従って、所定のメッセージを出力する(ステップS12)。
【0108】
制御PC40のメッセージ確認部42は、車載機(REF)10のメッセージ出力部11から出力されたメッセージを車載機(DUT)30から入力する(ステップS13)。
【0109】
メッセージ確認部42は、メッセージ入力部12から出力されたメッセージと、車載機(DUT)30が入力したメッセージとを比較する(ステップS14)。
【0110】
メッセージ確認部42は、比較した結果、両者が一致した場合には車載機(DUT)30の受信特性は正常であると判断し(ステップS15)、両者が一致しなかった場合には車載機(DUT)30の受信特性は異常であると判断する(ステップS16)。
【0111】
制御PC40の制御部41は、車載機(DUT)30に所定のメッセージを出力させる(ステップS17)。
【0112】
制御PC40のメッセージ確認部42は、車載機(DUT)30から出力されたメッセージを車載機(REF)10のメッセージ入力部12から入力する(ステップS18)。
【0113】
メッセージ確認部42は、車載機(DUT)30から出力されたメッセージと、メッセージ入力部12が入力したメッセージとを比較する(ステップS19)。
【0114】
メッセージ確認部42は、比較した結果、両者が一致した場合には車載機(DUT)30の送信特性は正常であると判断し(ステップS20)、両者が一致しなかった場合には車載機(DUT)30の送信特性は異常であると判断する(ステップS21)。
【0115】
制御PC40の制御部41は、車載機(REF)10の制御情報出力部13に所定のIR制御フィールドを出力させる(ステップS22)。
【0116】
制御PC40の制御情報確認部43は、車載機(REF)10の制御情報出力部13から出力されたIR制御フィールドに応答して車載機(DUT)30が出力するIR制御フィールドを車載機(RX)20の制御情報入力部21から入力する(ステップS23)。
【0117】
制御情報確認部43は、車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドがITSシステム標準規格に準拠して応答されたものであるか否かを判断する(ステップS24)。
【0118】
制御情報確認部43は、車載機(DUT)30が出力したIR制御フィールドがITSシステム標準規格に準拠して応答されたものである場合には車載機(DUT)30の応答特性は正常であると判断し(ステップS25)、ITSシステム標準規格に準拠して応答されたものでない場合には車載機(DUT)30の応答特性は異常であると判断する(ステップS26)。ステップS25又はS26の処理後は、次の観点を選択するためステップS11の処理に戻る。
【0119】
以上のように、本実施形態における通信環境模擬試験装置1は、観点切替スイッチ2は、車載機(DUT)30を試験する通信環境の観点を予め定められた複数の観点の中から選択し、メッセージ確認部42及び制御情報確認部43は、観点切替スイッチ2によって選択された通信環境の観点に基づいて車載機(DUT)30の受信特性、送信特性及び応答特性の少なくとも1つを試験するので、路車間通信及び車車間通信が行われる通信エリアにおいて想定される各種通信環境を考慮して、車載機(DUT)30の模擬試験を実施することができる。