【課題】ディンプル形状および/またはディンプル輪郭が両方の半球について同一ではないという点で互いに異なっているが、依然として、飛翔対称性および全体的に満足のゆく飛翔性能を依然として達成する互いに反対側の半球を備えたゴルフボールを提供する。
【解決手段】本発明のゴルフボール(1)は、互いに反対側の半球(10,20)に設けられた互いに異なる幾何学的形状のディンプル(100,200)の使用にもかかわらず、互いに反対側の半球相互で等価であるディンプル容積比に起因して飛翔対称性および全体として満足のゆく飛翔性能を達成する。
(i)前記球形ディンプルは、約12.0°〜約15.5°のエッジ角度を有し、(ii)前記円錐形ディンプルは、約0.05〜約0.75の皿形比および約10.4°〜約14.3°のエッジ角度を有する、請求項9記載のゴルフボール。
(i)前記円錐形ディンプルは、約0.05〜約0.75の皿形比および約10.4°〜約14.3°のエッジ角度を有し、(ii)前記懸垂線ディンプルは、約30〜約300の形状因子および約2.0×10-3インチ(約5.1×10-3cm)〜約6.5×10-3インチ(約16.5×10-3cm)の弦深さを有する、請求項11記載のゴルフボール。
前記第1および前記第2のディンプルは、約0.100インチ(約2.540mm)から約0.205インチ(約5.207mm)までの範囲にあるディンプル直径を有する、請求項5記載のゴルフボール。
(i)前記球形ディンプルは、約12.0°〜約15.5°のエッジ角度を有し、(ii)前記円錐形ディンプルは、約0.05〜約0.75の皿形比および約10.5°〜約16.7°のエッジ角度を有する、請求項19記載のゴルフボール。
(i)前記円錐形ディンプルは、約0.05〜約0.75の皿形比および約7.6°〜約13.8°のエッジ角度を有し、(ii)前記球形ディンプルは、約12.0°〜約15.5°のエッジ角度を有する、請求項21記載のゴルフボール。
(i)前記円錐形ディンプルは、約0.05〜約0.75の皿形比および約7.6°〜約13.8°のエッジ角度を有し、(ii)前記懸垂線ディンプルは、約30〜約300の形状因子および約2.3×10-3インチ(約5.8×10-3cm)〜約8.4×10-3インチ(約21.3×10-3cm)の弦深さを有する、請求項23記載のゴルフボール。
前記第1および前記第2のディンプルは、約0.100インチ(約2.540mm)〜約0.205インチ(約5.207mm)までの範囲にあるディンプル直径を有する、請求項14記載のゴルフボール。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、例えば互いに異なるディンプル平面形状または輪郭を有することによって互いに異なるが、これまた非対称性および全体として満足のいく飛翔性能を達成する互いに反対側の半球を備えたゴルフボールを提供する。この観点では、本発明は、多くの独特の外観の実現を可能にする一方で、これまた全体的距離および飛翔対称性に関してUSGAの要件に従うゴルフボールを提供する。本発明はまた、互いに反対側の半球に利用されるディンプル幾何学的形状を開発する方法ならびに本発明のディンプルパターンが利用された完成品としてのゴルフボールを製作する方法に関する。
【0015】
特に、本発明の完成品としてのゴルフボールは、一方の半球のディンプルが反対側の半球のディンプルと比較して、互いに異なる平面形状(平面図で見たディンプルの形状)、互いに異なる輪郭形状(ゴルフボールの中心に対して横方向にかつディンプルの幾何学的中心を通る平面の輪郭図で見てディンプル断面の形状)、またはこれらの組み合わせを有する点で互いに異なっているディンプル幾何学的形状を備えた互いに反対側の半球を有する。この差にも関わらず、一方の半球のディンプルは、反対側の半球のディンプル容積と実質的にほぼ同じディンプル容積を有する。
【0016】
互いに反対側に位置する半球のディンプル幾何学的形状は、一方の半球のディンプルの平面形状および/または輪郭形状が別の半球のディンプルの平面形状および/または輪郭形状とは異なるという点で互いに異なるよう設計されているが、それにもかかわらず、これら半球は、同一のディンプル配置状態またはパターンを有する。換言すると、一方の半球のディンプルは、極角θ(個々のディンプルのそのそれぞれの半球の極軸からの回転オフセットを測定して)とオフセット角度γ(ゴルフボールの赤道回りに回転させたときの2つの対応のディンプル相互間の回転オフセットを測定して)の面で、これらの幾何学的中心の配置場所が他方の半球のディンプルの幾何学的中心の配置場所と実質的に同一である。
【0018】
本発明のゴルフボールに用いられる適当なディンプル幾何学的形状の非限定的な例が
図1および
図2に示されている。具体的に説明すると、一実施形態では、第1の半球は、第1のディンプル幾何学的形状を有するのが良く、第2の半球は、第2のディンプル幾何学的形状を有するのが良く、この場合、第1のディンプル幾何学的形状と第2のディンプル幾何学的形状は、互いに異なっている。この観点では、第1および第2のディンプル幾何学的形状は各々、各々が所定の角度だけそれぞれの半球の極軸からオフセットした複数の対応のディンプルを有するのが良い。対応のディンプルの幾何学的中心は、ゴルフボールの赤道周りに測定したときの2つの対応のディンプル相互間の回転オフセットに等しい所定の角度だけ互いに隔てられるのが良い。
【0019】
例えば、
図1に示されているように、ゴルフボール1の第1の半球10(例えば、「北」半球10)の各ディンプル100については、第2の半球20(例えば、反対側の「南」半球20)の対応のディンプル200が存在する。各対をなす対応のディンプル100/200では、第1の半球10のディンプル100は、極角θ
Nだけ第1の半球10の極軸30
Nからオフセットし、第2の半球20のディンプル200は、極角θ
Sだけ第2の半球20の極軸30
Sからオフセットし、これら2つの極角は、互いに等しい(すなわち、θ
N=θ
S)。対応のディンプルの極角(θ
N,θ
S)は、好ましくは、互いに同一であるが、これら極角は、約1°、最高約3°まで互いに異なっていても良い。
【0020】
図2に示されているように、各対をなす対応のディンプル100/200では、ディンプルの幾何学的中心101/201は、オフセット角度γだけ互いに隔てられており、このオフセット角度は、ゴルフボール1の赤道40周りに測定して2つの対応のディンプル100/200相互間の回転オフセットを表している。各対をなす対応のディンプル100/200では、オフセット角度(γ
1,γ
2,γ
3など)は、好ましくは実質的に同一である(例えば、γ
1=γ
2=γ
3)しかしながら、オフセット角度は、約1°、最高約3°まで互いに異なっていても良い。
【0021】
以下に説明するように、各半球の複数の対応のディンプルからの対応のディンプル対のうちの少なくとも1つは、平面形状、輪郭、またはこれらの組み合わせが異なっている。換言すると、
図1に示されているように、対応のディンプル対(100/200)の平面形状は、互いに異なっているのが良く、これに対し、他方の対応のディンプル対は、互いに異なる必要はない(
図1には示されていない)。一実施形態では、各半球の複数の対応のディンプルからの対応のディンプル対のうちの少なくとも約50パーセントは、平面形状、輪郭、またはこれらの組み合わせが互いに異なっている。別の実施形態では、各半球の複数の対応のディンプルからの対応のディンプル対のうちの少なくとも75パーセントは、平面形状、輪郭、またはこれらの組み合わせが互いに異なっている。さらに別の実施形態では、各半球の複数の対応のディンプルからの対応のディンプル対の全ては、平面形状、輪郭、またはこれらの組み合わせが互いに異なっている。例えば、
図1に示されているように、第1の半球10の各ディンプルは、第2の半球20のその相手方とは異なった平面形状を有する。したがって、注目されるべきこととして、対応のディンプル対100/200に関する説明はどのようなものであっても、少なくとも2つ以上の対応のディンプル対が互いに異なっている場合、複数のディンプルのうちの残りの対応のディンプル対の一部分または全てを表すようになっている。
【0023】
上記において概要を述べたように、本発明に従って互いに反対側の半球に設けられたディンプル配置状態が同一の状態の互いに異なるディンプル幾何学的形状を達成する一手法は、平面形状が互いに異なる対応のディンプルを有することである。かくして、本発明の一観点では、2つの半球のディンプルは、所与の対をなす対応のディンプルに関し、一方の半球のディンプルが他方の半球の対応のディンプルの平面形状とは異なる平面形状を有する場合、互いに異なっているとみなされる。本発明の別の観点では、2つの半球のディンプルは、所与の対をなす対応のディンプルに関し、一方の半球のディンプルが他方の半球の対応のディンプルの平面形状の向きとは異なる平面形状の向きを有する場合、互いに異なっているとみなされる。
【0024】
一実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの少なくとも約25パーセントは、互いに異なる平面形状を有する。別の実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの少なくとも約50パーセントは、互いに異なる平面形状を有する。さらに別の実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの少なくとも約75パーセントは、互いに異なる平面形状を有する。さらに別の実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの全ては、互いに異なる平面形状を有する。
【0025】
2つのディンプルの平面形状(または平面形状の向き)は、重ね合わされたディンプルの比較により重ね合わされたディンプルの幾何学的中心周りのn個の等間隔を置いて位置する点の数についてゼロとは著しく異なる平均絶対残差
を生じさせる場合、互いに異なっているとみなされる。換言すると、残差の分布状態は、等価であるかどうかを試験するためにゼロの平均値を有するt分布を用いて比較され、したがって、ゼロとは著しく異なるとみなされたt値の範囲は、用いられる交線nの本数に依存する。例えば、以下の非限定的なT‐表に示されているように、交線の本数が30である場合、t値は、絶対残差
がゼロとは著しく異なるとみなされるようにするためには1.699を超えなければならない。同様に、交線の本数が200である場合、t値は、絶対残差
がゼロとは著しく異なるとみなされるためには1.653を超えなければならない。
【0026】
重ね合わせによる比較を行うため、対応のディンプルの対に属するディンプルは、互いに整列しなければならない。例えば、南半球に位置するディンプルは、極軸回りにγ°変換され、その結果、南半球のディンプルのセントロイドは、北半球ディンプルのセントロイドおよびゴルフボールセントロイドと共通の平面(P)内に位置するようになる。この場合、南半球ディンプルを平面Pに垂直でありかつゴルフボールセントロイドを通る軸線回りに[2・(90−θ)]°の角度だけ変換する。次に、平面形状を、ディンプルセントロイドをゴルフボールセントロイドに結ぶ軸線回りに180°回転させる。これらの変換の結果として、対応のディンプルの1つの対に属する南半球および北半球のディンプルの平面形状は、同一平面内で正しく向けられ、その結果、絶対残差を計算することによってこれらの平面形状と平面形状向きの差を求めることができる。別の実施例では、ディンプルの平面形状が軸対称ではない場合、単一の軸線が各平面形状のセントロイドを通るように2つのディンプルを互いに対して位置決めすることによってディンプルを互いに整列させることができる。
【0027】
2つのディンプル100/200の平面形状を
図3に示されているように互いに整列した2つの平面形状の幾何学的中心101/201と重ね合わせることによって絶対残差rを求める。任意の選択された方向において整列状態の幾何学的中心101/201から延びるよう交線300を作り、交線300は、第1のディンプル100の周囲の点103ならびに第2のディンプル200の周囲の点203と交差するのに十分な長さにわたって延びる。次に、幾何学的中心101/201から第1のディンプル100の周囲点103まで距離d
1を測定し、幾何学的中心101/201から第2のディンプル200の周囲点203まで距離d
2を測定する。次に、絶対残差rを2つの測定距離相互間の差の絶対値として計算し、その結果、r=|d
1−d
2|が得られる。
【0028】
n個の等間隔を置いて位置する交線300
Nの数について絶対残差rを計算し、次に別々に計算した絶対残差rを平均することによって平均絶対残差
を計算する。
図4は、平面形状の重ね合わせによる比較の際のn個の等間隔を置いて位置する交線300
Nの数の1つの単純化された実施例を示している。
図4で理解されるように、交線300
Nの本数(n)は、幾何学的中心101/201周りに360°の範囲にわたって等間隔を置いて位置し、各交線300
Nは、第1のディンプル100の周囲点103と第2のディンプル200の周囲点203の両方と交差するのに十分な幾何学的中心101/201からの距離にわたって延びるよう作られている。好ましくは、交線300
Nは、交線300
Nの各隣り合う対相互が同一の角度θ
Lをなすように互いに間隔を置いて配置され、角度θ
Lは、測定値(1.8°≦θ
L≦12°)であり、かかる角度は、交線300
Nの本数に基づいて選択される。各交線300
Nに関し、距離d
1,d
2を測定し、絶対残差rを2つの距離相互間の差の絶対値として計算し、r=|d
1−d
2|であり、その結果、絶対残差rの総数(n)が得られる。次に、絶対残差rの数(n)を平均すると、平均絶対残差
が得られる。交線300
Nの本数(n)およびそれ故に絶対残差rの数は、約30以上であるが、約200以下である必要がある。
【0029】
残差の標準偏差S
rを(n)残差rの群に関して次の方程式により計算する。
次に、次の方程式に従ってt統計値(t
j)を計算する。
計算したt統計値(t
j)を次の方程式により(n−1)の自由度および0.05のアルファ値を持つt分布からの臨界t値と比較する。
t
jとtを比較する上記方程式が論理的に真である場合、重ね合わされた平面形状は、互いに異なるとみなされる。
【0030】
互いに異なるとみなされ得るゴルフボールの任意のディンプル対について上述の手順を繰り返すことができる。しかしながら、当業者であれば容易に理解されるように、しかもゴルフボールの必ずしも全てのディンプル対が互いに異なる形状を有しているわけではないので、上述の手順は、異なる平面形状を備えたディンプル対にのみ当てはまる。一実施形態では、単一の対をなす対応のディンプルであってもディンプルが設けられている2つの半球が互いに異なるディンプル幾何学的形状を有すると結論づけるのに十分であることを認識した上で、上述の手順が行われるのは、単一の対をなす対応のディンプルの形態をしたディンプルが互いに異なると決定されるまでであるに過ぎない。
【0031】
対応のディンプル対に属する各ディンプルの平面形状は、上記開示内容との文脈の中で任意形状であって良い。一実施形態では、平面形状は、別の半球の対応のディンプルが異なっていることを条件として、円、正方形、三角形、長方形、長円形、または他の幾何学的もしくは非幾何学的形状のうちの任意の1つであって良い。一例を挙げると、1対の対応のディンプル、すなわち、第1の半球のディンプルは、円であるのが良く、第2の半球の対応のディンプルは、正方形であるのが良い(全体として
図1に示されているように)。別の実施形態では、1対の対応のディンプルの形態をした2つのディンプルの平面形状は、全体として互いに同一であるのが良く(すなわち、対応のディンプル対に属する各ディンプルは、全体として円、正方形、長円形などの同じ全体形状である)、ただし、それにもかかわらず、2つのディンプルは、サイズの差に起因して互いに異なる平面形状を有する場合がある。
【0033】
本発明に従って互いに反対側の半球に設けられたディンプル配置状態が同一の状態の互いに異なるディンプル幾何学的形状を達成する別の手法は、輪郭形状が互いに異なる対応のディンプルを含むことである。かくして、別の実施形態では、互いに反対側の半球のディンプルは、1対の互いのディンプルに関し、対応のディンプルの輪郭形状が互いに異なる場合、互いに異なるとみなされる。2つのディンプルの輪郭形状は、2つのディンプルの輪郭形状の重ね合わせによる比較によりゼロとは著しく異なる互いに重ね合わされた輪郭形状に沿う(n+1)の等間隔を置いて位置する点の数について平均絶対残差
が生じる場合に互いに異なるとみなされる。
【0034】
一実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの少なくとも約25パーセントは、互いに異なる輪郭形状を有する。別の実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの少なくとも約50パーセントは、互いに異なる輪郭形状を有する。さらに別の実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの少なくとも約75パーセントは、互いに異なる輪郭形状を有する。さらに別の実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの全ては、互いに異なる輪郭形状を有する。
【0035】
絶対残差rは、
図5に示されているように2つのディンプル100/200の輪郭形状を互いに重ね合わせることによって求められる。この分析で用いられるディンプル断面は、ディンプル100/200のそれぞれの幾何学的中心101/201を通る平面に沿ってとられた断面でなければならない。ディンプルが軸対称である場合、ディンプル断面を、幾何学的中心を通って延びる任意の平面に沿ってとることができる。しかしながら、ディンプルが軸対称ではない場合、ディンプル断面は、断面図で見て最も幅の広いディンプル輪郭形状を生じさせるディンプルの幾何学的中心を通る平面に沿ってとられる。一実施形態では、ディンプルが軸対称ではない場合、多数の平均残差計算を実施し、少なくとも1つは、ゼロとは著しく異なる。別の実施形態では、少なくとも5つの平均残差を計算し、少なくとも1つは、ゼロとは著しく異なる。
【0036】
図5に示されているように、ディンプル輪郭形状を互いに重ね合わせて2つのディンプル100/200の幾何学的中心101/201が共通垂直軸線Y‐Y上で整列するとともに2つの輪郭形状の周縁105/205(すなわち、ゴルフボール1の外面と交差するディンプル周囲の縁)が共通水平軸線X‐X上で互いに整列するようにする。当初の交線400をゴルフボール1の中心から両方の幾何学的中心101/201を通って延びるように作る(すなわち、当初の交線400は、共通の垂直軸線Y‐Yに沿って延びるよう引かれる)。当初の交線400は、当初の交線400がゴルフボール1の想像上の表面5と交差する想像上の点3をこれまた通るのに十分な長さにわたって延びるよう作られる。次に、当初の交線400が第1のディンプル100の輪郭形状と交差する点(すなわち、幾何学的中心101)から当初の交線400が想像上の表面5と交差する箇所(すなわち、想像上の点3)まで距離d
1を測定する。同様に、当初の交線400が第2のディンプル200の輪郭形状と交差する点(すなわち、幾何学的中心201)から当初の交線400が想像上の表面5と交差する箇所(すなわち、想像上の点3)まで距離d
2を測定する。次に、2つの測定距離相互間の差の絶対値として絶対残差rを計算し、したがって、r=|d
1−d
2|である。
【0037】
等間隔を置いて位置する交線400/400′の本数(n+1)について絶対残差rを計算し、次に別々に計算した絶対残差rを平均することによって平均絶対残差
を計算する。
図6は、輪郭形状の重ね合わせによる比較の際の等間隔を置いて位置する交線400/400′の数(n+1)の1つの単純化された実施例を示している。
図6で理解されるように、(n)本の追加の交線400′は、(n)本の追加の交線400′が当初の交線400に関して対称に配置された状態で、対応のディンプル100/200の重ね合わされた輪郭形状の長さに沿って等間隔を置いて位置し、その結果、当初の交線400の各側に(n/2)本の追加の交線400′が存在するようになるとともに輪郭形状がゴルフボール1の表面に接触する周縁105/205上の点と交差しないようになる。各交線400′は、第1のディンプル100の輪郭形状上の点107、第2のディンプル200の輪郭形状上の点207、およびゴルフボール1の想像上の表面5上の想像上の点4を通るのに十分な距離にわたって延びるよう作られている。各交線400′に関し、距離d
1,d
2を測定し、絶対残差rを2つの距離相互間の差の絶対値として計算し、r=|d
1−d
2|であり、その結果、絶対残差rの総数(n+1)が得られる。次に、絶対残差rの数(n+1)を平均すると、平均絶対残差
が得られる。交線400/400′の総本数(n+1)およびそれ故に絶対残差rの数は、約31以上であるが、約201以下である必要がある。
【0038】
残差の標準偏差S
rを(n+1)残差rの群に関して次の方程式により計算する。
【0039】
次の方程式に従ってt統計値(t
j)を計算する。
計算したt統計値(t
j)を次の方程式により((n+1)−1)の自由度および0.05のアルファ値を持つt分布からの臨界t値と比較する。
t
jとtを比較する上記方程式が論理的に真である場合、重ね合わされた輪郭形状は、互いに異なるとみなされる。
【0040】
互いに異なる輪郭形状を有するとみなされ得るゴルフボールの任意のディンプル対について上述の手順を繰り返すことができる。しかしながら、当業者であれば容易に理解されるように、しかもゴルフボールの必ずしも全てのディンプル対が異なる輪郭形状を有しているわけではないので、上述の手順は、異なる平面形状を備えたディンプル対にのみ当てはまる。一実施形態では、単一の対をなす対応のディンプルであってもディンプルが設けられている2つの半球が互いに異なるディンプル幾何学的形状を有すると結論づけるのに十分であることを認識した上で、上述の手順が行われるのは、単一の対をなす対応のディンプルの形態をしたディンプルが互いに異なる(平面および/または輪郭形状の面で)と決定されるまでであるに過ぎない。
【0041】
本発明のディンプルの断面輪郭は、上述の開示内容の文脈内で役立つ任意公知のディンプル輪郭形状に基づいているのが良い。一実施形態では、ディンプルの輪郭は、曲線に一致している。例えば、本発明のディンプルを例えば米国特許第6,796,912号明細書および同第6,729,976号明細書に開示されている軸線回りの懸垂曲線の回転によって定めることができ、これら米国特許を参照により引用し、これらの開示内容を本明細書の一部とする。別の実施形態では、ディンプル輪郭は、曲線、楕円、球面曲線、皿形状、切頭円錐形、および扁平にした台形に一致している。
【0042】
ディンプルの輪郭はまた、ゴルフボールの空気力学的特徴の設計を助けることができる。例えば、浅いディンプル深さ、例えば、米国特許第5,566,943号明細書の浅いディンプル深さは、高いリフトおよび低い抗力係数を備えたゴルフボールを得るために使用でき、この米国特許を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。これとは逆に、比較的深いディンプル深さは、低いリフトおよび低い抗力係数を備えたゴルフボールを得るのを助けることができる。
【0043】
また、球面曲線とこれとは異なる曲線、例えば米国特許出願公開第2012/0165130号明細書に開示されているような余弦曲線、分布曲線または懸垂曲線を組み合わせることによってディンプル輪郭を定めることができ、この米国特許出願公開を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。同様に、有効解を持つ連続かつ微分可能関数によって定められた2本または3本以上の曲線の重ね合わせによってディンプル輪郭を定めることができる。例えば、一実施形態では、ディンプル輪郭は、球面曲線とこれとは異なる曲線を組み合わせることによって定められる。別の実施形態では、ディンプル輪郭は、余弦曲線とこれとは異なる曲線を組み合わせることによって定められる。さらに別の実施形態では、ディンプル輪郭は、分布曲線とこれとは異なる曲線の重ね合わせによって定められる。さらに別の実施形態では、ディンプル輪郭は、懸垂曲線とこれとは異なる曲線の重ね合わせによって定められる。
【0044】
上述したように、本発明は、第1のディンプル輪郭幾何学的形状を有する第1の半球および第2のディンプル輪郭幾何学的形状を有する第2の半球を想定しており、第1のディンプル輪郭幾何学的形状と第2のディンプル輪郭幾何学的形状は、互いに異なっている。この観点において、本発明のゴルフボールは、ディンプル輪郭形状が異なる(例えば、円錐形ディンプル輪郭形状および懸垂線ディンプル輪郭形状がディンプル対の互いに反対側のディンプルに用いられるのが良い)が、反対側の半球のディンプル容積に実質的に等しいディンプル容積を維持する半球形ディンプルレイアウトを有する。
【0045】
円錐形ディンプル輪郭とこれと反対側の懸垂線ディンプル輪郭
【0046】
例えば、一実施形態では、本発明は、円錐形ディンプル輪郭形状を有するディンプルを備えた第1の半球および懸垂曲線によって定められたディンプル輪郭形状を有するディンプルを含む反対側の第2の半球を想定している。この実施形態では、第1の半球は、円錐形ディンプル輪郭形状を有するディンプルを含む。本発明は、例えば米国特許第8,632,426号明細書および米国特許出願公開第2014/0135147号明細書に開示されている円錐形のディンプル輪郭形状を有するディンプルを想定し、この米国特許出願および米国特許出願公開を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。
図13Aは、円錐形輪郭12を備えたディンプル6の断面図である。円錐形輪郭は、3つのパラメータ、すなわち、ディンプル直径(D
D)、エッジ角度(EA)、および皿形比(SR)によって定められる。エッジ角度(EA)は、ディンプル輪郭の円錐形縁のところの第1の接線と想像上のボール表面のところの第2の接線のなす角度として定められ、皿形比(SR)は、ディンプルの底部のところの球形キャップの直径とディンプル直径の比である。
【0047】
第2の半球は、懸垂曲線によって定められたディンプル輪郭を含む。本発明は、例えば米国特許第7,887,439号明細書に開示されている懸垂曲線によって定められたディンプル輪郭を想定しており、この米国特許を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
図13Bは、懸垂線輪郭を有するディンプル6の断面図である。ゴルフボールディンプルを定めるために用いられる懸垂曲線は、次の形態の双曲線余弦関数である。
上式において、yは、ディンプルの底部を0とし、上方に正(ボールの中心から遠ざかって)とした場合の垂直方向座標であり、
xは、ディンプルの中心を0とした場合の水平方向(半径方向)座標であり、
sfは、形状因子(形状定数とも呼ばれる)であり、
d
cは、ディンプルの弦深さであり、
Dは、ディンプルの直径である。
【0048】
「形状因子」sfは、形成曲線について上述した数学的表現中の独立変数である。本明細書において形状因子を用いることにより、直径および深さが一定のディンプルについて別のディンプル輪郭を生じさせる好都合な方法が提供される。例えば、形状因子は、ディンプル深さおよび直径を一定のままにした状態でディンプルの容積比(V
r)を別個独立に変更するために使用できる。「弦深さ」d
cは、ディンプル弦平面からのディンプルの中心のところの最大ディンプル深さを表している。
【0049】
本発明は、両方の輪郭について(すなわち、円錐形ディンプルと懸垂線ディンプルの両方について)は、約0.100インチ〜約0.205インチのディンプル直径を想定している(1インチは、25.4mmである)。一実施形態では、ディンプル直径は、約0.115インチ〜約0.185インチである。別の実施形態では、ディンプル直径は、約0.125インチ〜約0.175インチである。さらに別の実施形態では、ディンプル直径は、約0.130インチ〜約0.155インチである。
【0050】
本発明のこの観点では、第1の半球が円錐形のディンプルを有し、第2の半球が懸垂線ディンプルを有する場合、各対の対応のディンプルは、実質的に等しいディンプル直径を有するのが良い。「実質的に等しい」という表現は、所与の対に関するディンプル直径の差が約0.005インチ(0.127mm)以下であることを意味している。例えば、一実施形態では、所与の対に関するディンプル直径の差は、約0.003インチ以下である。別の実施形態では、所与の対に関するディンプル直径の差は、約0.0015インチ以下である。
【0051】
この実施形態では、懸垂線ディンプルは、約30〜約300の形状因子(sf)を有するのが良い。別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約50〜約250の形状因子(sf)を有する。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約75〜約225の形状因子(sf)を有する。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約100〜約200の形状因子(sf)を有する。
【0052】
懸垂線ディンプルの弦深さ(d
c)は、
図14Aに示されている範囲によって定められる上述の形状因子(sf)と関係づけられている。
図14Aに示されているように、一般的に、形状因子(sf)が増大すると、弦深さ(d
c)が減少する。例えば、
図14Aに示されているように、形状因子が50の懸垂線ディンプルは、約3.8×10
-3インチから約6.3×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有する。別の実施形態では、形状因子が150の懸垂線ディンプルは、約2.6×10
-3インチから約4.6×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有する。さらに別の実施形態では、形状因子が250の懸垂線ディンプルは、約2.3×10
-3インチから約4.3×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有する。
【0053】
この観点では、懸垂線ディンプルの弦深さもまた、次の方程式によって定められる上述の形状因子に関連付けられるのが良い。
上式において、d
cは、弦深さを表し、sfは、形状因子を表している。したがって、懸垂線ディンプルは、約2.0×10
-3インチから約6.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約2.5×10
-3インチから約6.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.0×10
-3インチから約5.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.5×10
-3インチから約5.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。
【0054】
また、この実施形態では、円錐形ディンプルは、約0.05から約0.75までの範囲にある皿形比(SR)を有するのが良い。例えば、円錐形ディンプルは、約0.10から約0.70までの範囲にある皿形比(SR)を有する。別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約0.15から約0.60までの範囲にある皿形比(SR)を有する。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約0.20から約0.55までの範囲にある皿形比(SR)を有する。
【0055】
円錐形ディンプルのエッジ角度(EA)は、
図14Bに示されている範囲によって定められる上述の皿形比(SR)に関連付けられる。
図14Bに示されているように、一般的に、皿形比(SR)が増大すると、エッジ角度(EA)もまた増大する。例えば、
図14Bに示されているように、皿形比が0.2の円錐形ディンプルは、約10.5°から約13.5°までの範囲にあるエッジ角度を有する。別の実施形態では、皿形比が0.4の円錐形ディンプルは、約10.7°から約13.7°までの範囲にあるエッジ角度を有する。さらに別の実施形態では、皿形比が0.75の円錐形ディンプルは、約10.8°から約14°までの範囲にあるエッジ角度を有する。
【0056】
この観点では、円錐形ディンプルのエッジ角度もまた、次の方程式によって定められる上述の皿形比に関連付けられるのが良い。
上式において、SRは、皿形比を表し、EAは、エッジ角度を表している。したがって、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約10.4°〜約14.3°のエッジ角度を有するのが良い。別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約10.5°〜約14.0°のエッジ角度を有する。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約10.8°〜約13.8°のエッジ角度を有する。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約11°〜約13.5°のエッジ角度を有する。
【0057】
別の観点では、第1の半球が円錐形ディンプルを有し、第2の半球が懸垂線ディンプルを有する場合、各対の対応のディンプルは、実質的に互いに異なるディンプル直径を有するのが良く、この対の円錐形ディンプルは、この対の懸垂線ディンプルよりも大きな直径を有するのが良い。「実質的に異なる」という表現は、所与の対についてディンプル直径の差が約0.005インチ(約0.127mm)〜約0.025インチ(約0.635mm)であることを意味している。例えば、一実施形態では、所与の対に関するディンプル直径の差は、約0.010インチ〜約0.020インチである。別の実施形態では、所与の対に関するディンプル直径の差は、約0.014インチ〜約0.018インチである。しかしながら、この対の円錐形ディンプルは、懸垂線ディンプルよりも大きなディンプル直径を維持すべきである。
【0058】
この実施形態では、懸垂線ディンプルは、例えば約30〜約300の上述した形状因子(sf)を有するのが良い。しかしながら、この実施形態の懸垂線ディンプルの弦深さ(d
c)は、
図15Aに示されている範囲によって定められる形状因子(sf)に関連付けられる。
図15Aに示されているように、一般的に、形状因子(sf)が増大すると、弦深さ(d
c)が減少する。例えば、
図15Aに示されているように、形状因子が50の懸垂線ディンプルは、約3.8×10
-3インチから約7.8×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有する。別の実施形態では、形状因子が150の懸垂線ディンプルは、約2.8×10
-3インチから約6.2×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有する。さらに別の実施形態では、形状因子が300の懸垂線ディンプルは、約2.3×10
-3インチから約5.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有する。
【0059】
この観点では、懸垂線ディンプルの弦深さはまた、次の方程式によって定められる上述の形状因子に関連付けられるのが良い。
上式において、d
cは、弦深さを表し、sfは、形状因子を表している。したがって、懸垂線ディンプルは、約2.3×10
-3インチから約8.4×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.0×10
-3インチから約8.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.5×10
-3インチから約7.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約4.0×10
-3インチから約7.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。
【0060】
また、この実施形態では、円錐形ディンプルは、例えば約0.05から約0.75までの範囲にある上述した皿形比(SR)を有するのが良い。しかしながら、この実施形態の円錐形ディンプルのエッジ角度(EA)は、
図15Bに示された範囲によって定められる皿形比(SR)に関連付けられている。
図15Bに示されているように、皿形比(SR)が増大すると、エッジ角度(EA)が僅かに増大する。例えば、
図15Bに示されているように、皿形比が0.10の円錐形ディンプルは、約7.5°から約13°までの範囲にあるエッジ角度を有する。別の実施形態では、皿形比が0.40の円錐形ディンプルは、約7.6°から約13.1°までの範囲にあるエッジ角度を有する。さらに別の実施形態では、皿形比が0.75の円錐形ディンプルは、約7.8°から約13.8°までの範囲にあるエッジ角度を有する。
【0061】
この観点では、円錐形ディンプルのエッジ角度はまた、次の方程式によって定められる上述の皿形比に関連付けられるのが良い。
上式において、SRは、皿形比を表し、EAは、エッジ角度を表している。したがって、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約7.6°〜約13.8°のエッジ角度を有するのが良い。別の実施形態では、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約8.0°〜約13.0°のエッジ角度を有するのが良い。さらに別の実施形態では、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約8.5°〜約12.5°のエッジ角度を有するのが良い。さらに別の実施形態では、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約8.8°〜約12.0°のエッジ角度を有するのが良い。
【0062】
さらに別の観点では、第1の半球が円錐形ディンプルを有し、第2の半球が懸垂線ディンプルを有する場合、各対の対応のディンプルは、実質的に互いに異なるディンプル直径を有するのが良く、この対の円錐形ディンプルは、この対の懸垂線ディンプルよりも小さな直径を有するのが良い。確かに、上述したように、「実質的に異なる」という表現は、所与の対についてディンプル直径の差が約0.005インチ(約0.127mm)〜約0.025インチ(約0.635mm)であることを意味している。しかしながら、この対の円錐形ディンプルは、懸垂線ディンプルよりも小さなディンプル直径を維持すべきである。
【0063】
この実施形態では、懸垂線ディンプルは、例えば約30〜約300の上述した形状因子(sf)を有するのが良い。しかしながら、この実施形態の懸垂線ディンプルの弦深さ(d
c)は、
図16Aに示されている範囲によって定められる形状因子(sf)に関連付けられる。
図16Aに示されているように、一般的に、形状因子(sf)が増大すると、弦深さ(d
c)が減少する。例えば、
図16Aに示されているように、形状因子が50の懸垂線ディンプルは、約2.1×10
-3インチから約5.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有する。別の実施形態では、形状因子が150の懸垂線ディンプルは、約1.7×10
-3インチから約4.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有する。さらに別の実施形態では、形状因子が300の懸垂線ディンプルは、約1.4×10
-3インチから約4.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有する。
【0064】
この観点では、懸垂線ディンプルの弦深さはまた、次の方程式によって定められる上述の形状因子に関連付けられるのが良い。
上式において、d
cは、弦深さを表し、sfは、形状因子を表している。したがって、懸垂線ディンプルは、約2.4×10
-3インチから約6.1×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約2.8×10
-3インチから約5.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.0×10
-3インチから約5.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.5×10
-3インチから約4.8×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。
【0065】
また、この実施形態では、円錐形ディンプルは、例えば約0.05から約0.75までの範囲にある上述した皿形比(SR)を有するのが良い。しかしながら、この実施形態の円錐形ディンプルのエッジ角度(EA)は、
図16Bに示された範囲によって定められる皿形比(SR)に関連付けられている。
図16Bに示されているように、皿形比(SR)が増大すると、エッジ角度(EA)が僅かに増大する。例えば、
図16Bに示されているように、皿形比が0.05の円錐形ディンプルは、約10.5°から約15.5°までの範囲にあるエッジ角度を有する。別の実施形態では、皿形比が0.40の円錐形ディンプルは、約11.2°から約15.7°までの範囲にあるエッジ角度を有する。さらに別の実施形態では、皿形比が0.75の円錐形ディンプルは、約11.6°から約16.7°までの範囲にあるエッジ角度を有する。
【0066】
この観点では、円錐形ディンプルのエッジ角度はまた、次の方程式によって定められる上述の皿形比に関連付けられるのが良い。
上式において、SRは、皿形比を表し、EAは、エッジ角度を表している。したがって、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約10.5°〜約16.7°のエッジ角度を有するのが良い。別の実施形態では、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約11.0°〜約16.0°のエッジ角度を有するのが良い。さらに別の実施形態では、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約12.0°〜約15.0°のエッジ角度を有するのが良い。さらに別の実施形態では、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約12.5°〜約14.5°のエッジ角度を有するのが良い。
【0067】
球形ディンプル輪郭およびこれと反対側の円錐形ディンプル輪郭
【0068】
別の実施例として、本発明は、球面曲線によって定められたディンプル形状を有するディンプルを含む第1の半球および円錐形ディンプル輪郭形状を有するディンプルを含むこれと反対側の第2の半球を想定している。
【0069】
この実施形態では、第1の半球は、任意の球面曲線によって定められたディンプルを有することができる。
図13Cは、球形輪郭12を有するディンプル6の断面図である。この観点では、本発明は、約12.0°〜15.5°のエッジ角度を有する球形ディンプル輪郭を想定している。別の実施形態では、球形ディンプル輪郭は、約12.5°〜15.0°のエッジ角度を有する。さらに別の実施形態では、球形ディンプル輪郭は、約12.8°〜14.8°のエッジ角度を有する。
【0070】
第2の半球は、先の段落で上述した円錐形ディンプル輪郭形状を有するディンプルを含むのが良い。しかしながら、本発明は、両方の輪郭について(すなわち、球形ディンプルと円錐形ディンプルの両方について)約0.100インチ〜約0.205インチのディンプル直径を想定している。一実施形態では、ディンプル直径は、約0.115インチ〜約0.185インチである。別の実施形態では、ディンプル直径は、約0.125インチ〜約0.175インチである。さらに別の実施形態では、ディンプル直径は、約0.130インチ〜約0.155インチである。
【0071】
本発明のこの観点では、第1の半球が球形のディンプルを有し、第2の半球が円錐形ディンプルを有する場合、各対の対応のディンプルは、実質的に等しいディンプル直径を有するのが良い。「実質的に等しい」という表現は、所与の対に関するディンプル直径の差が約0.005インチ以下であることを意味している。例えば、一実施形態では、所与の対に関するディンプル直径の差は、約0.003インチ以下である。別の実施形態では、所与の対に関するディンプル直径の差は、約0.0015インチ以下である。
【0072】
この実施形態では、円錐形ディンプルは、約0.05から約0.75までの範囲にある皿形比(SR)を有するのが良い。例えば、円錐形ディンプルは、約0.10から約0.70までの範囲にある皿形比(SR)を有する。別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約0.20から約0.55までの範囲にある皿形比(SR)を有する。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約0.30から約0.45までの範囲にある皿形比(SR)を有する。
【0073】
上述したように、円錐形ディンプルのエッジ角度(EA)は、
図14Bに示された範囲によって定められる上述の皿形比(SR)に関連付けられる。
図14Bは、約0.2〜約0.75の皿形比に関し、エッジ角度が約10.5°から約14°までの範囲にあるのが良いことを示している。同様に、上述したように、円錐形ディンプルのエッジ角度はまた、上述の方程式(3)によって定められる上述の皿形比に関連付けられるのが良い。
【0074】
したがって、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約10.4°〜約14.3°のエッジ角度を有するのが良い。別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約10.5°〜約14.0°のエッジ角度を有する。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約10.8°〜約13.8°のエッジ角度を有する。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約11°〜約13.5°のエッジ角度を有する。
【0075】
別の観点では、第1の半球が球形ディンプルを有し、第2の半球が円錐形ディンプルを有する場合、各対の対応のディンプルは、実質的に互いに異なるディンプル直径を有するのが良く、この対の円錐形ディンプルは、この対の懸垂線ディンプルよりも小さな直径を有するのが良い。確かに、上述したように、「実質的に異なる」という表現は、所与の対についてディンプル直径の差が約0.005インチ〜約0.025インチであることを意味している。例えば、一実施形態では、所与の対についてディンプル直径の差は、約0.010インチ〜約0.020インチである。別の実施形態では、所与の対についてディンプル直径の差は、約0.014インチ〜約0.018インチである。しかしながら、対に属する球形ディンプルは、円錐形ディンプルよりも大きなディンプル直径を維持すべきである。
【0076】
この実施形態では、円錐形ディンプルは、例えば約0.05から約0.75までの範囲にある上述した皿形比(SR)を有するのが良い。しかしながら、この実施形態における円錐形ディンプルのエッジ角度(EA)は、
図16Bに示された範囲によって定められる皿形比(SR)に関連付けられている。
図16Bは、約0.05〜約0.75の皿形比について、エッジ角度が約10.5°から約16.7°の範囲にあるのが良いことを示している。同様に、上述したように、この実施形態における円錐形ディンプルのエッジ角度もまた、上述の方程式(7)によって定められる上述の皿形比に関連付けられるのが良い。
【0077】
したがって、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約10.5°〜約16.7°のエッジ角度を有するのが良い。別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約11.0°〜約16.0°のエッジ角度を有するのが良い。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約12.0°〜約15.0°のエッジ角度を有するのが良い。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約12.5°〜約14.5°のエッジ角度を有するのが良い。
【0078】
さらに別の観点では、第1の半球が球形ディンプルを有し、第2の半球が円錐形ディンプルを有する場合、各対の対応のディンプルは、実質的に互いに異なるディンプル直径を有するのが良く、この対の球形ディンプルは、この対の円錐形ディンプルよりも小さい直径を有するのが良い。確かに、上述したように、「実質的に異なる」という表現は、各対に関してディンプル直径の差が約0.005インチ〜0.025インチであることを意味している。しかしながら、この対の球形ディンプルは、円錐形ディンプルよりも小さなディンプル直径を維持すべきである。
【0079】
この実施形態では、円錐形ディンプルは、例えば約0.05〜0.75までの範囲にある上述した皿形比(SR)を有するのが良い。しかしながら、この実施形態における円錐形ディンプルのエッジ角度(EA)は、
図15Bに示された範囲によって定められる皿形比(SR)に関連付けられている。
図15Bは、約0.05〜約0.75の皿形比について、エッジ角度が約7.6°から約13.8°の範囲にあるのが良いことを示している。同様に、上述したように、この実施形態における円錐形ディンプルのエッジ角度もまた、上述の方程式(5)によって定められる上述の皿形比に関連付けられるのが良い。
【0080】
したがって、本発明のこの観点における円錐形ディンプルは、約7.6°〜約13.8°のエッジ角度を有するのが良い。別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約8.0°〜約13.0°のエッジ角度を有するのが良い。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約8.5°〜約12.5°のエッジ角度を有するのが良い。さらに別の実施形態では、円錐形ディンプルは、約8.8°〜約12.0°のエッジ角度を有するのが良い。
【0081】
球形ディンプル輪郭およびこれと反対側の懸垂線ディンプル輪郭
【0082】
さらに別の実施例では、本発明は、球形曲線によって定められたディンプル輪郭形状を有するディンプルを含む第1の半球および懸垂曲線によって定められたディンプル輪郭形状を有するディンプルを含むこれと反対側の第2の半球を想定している。
【0083】
この実施形態では、第1および第2の半球は、先の段落で上述した球形ディンプル輪郭および懸垂線ディンプル輪郭を有するのが良い。しかしながら、本発明は、両方の輪郭について(すなわち、球形ディンプルと懸垂線ディンプルの両方について)約0.100インチ〜約0.205インチのディンプル直径を想定している。一実施形態では、ディンプル直径は、約0.115インチ〜約0.185インチである。別の実施形態では、ディンプル直径は、約0.125インチ〜約0.175インチである。さらに別の実施形態では、ディンプル直径は、約0.130インチ〜約0.155インチである。
【0084】
本発明のこの観点では、第1の半球が球形のディンプルを有し、第2の半球が懸垂線ディンプルを有する場合、各対の対応のディンプルは、実質的に等しいディンプル直径を有するのが良い。「実質的に等しい」という表現は、所与の対に関するディンプル直径の差が約0.005インチ以下であることを意味している。例えば、一実施形態では、所与の対に関するディンプル直径の差は、約0.003インチ以下である。別の実施形態では、所与の対に関するディンプル直径の差は、約0.0015インチ以下である。
【0085】
この実施形態では、懸垂線ディンプルは、約30〜約300の形状因子(sf)を有するのが良い。別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約50〜約250の形状因子(sf)を有する。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約75〜約225の形状因子(sf)を有する。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約100〜約200の形状因子(sf)を有する。
【0086】
上述したように、懸垂線ディンプルの弦深さ(d
c)は、
図14Aに示されている範囲によって定められる上述の形状因子(sf)に関連付けられる。
図14Aは、約50〜約250の形状因子範囲について、懸垂線ディンプルは、約3.8×10
-3インチから約6.3×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有することを示している。同様に、上述したように、懸垂線ディンプルの弦深さはまた、上述の方程式(2)によって定められる上述の形状因子に関連付けられるのが良い。
【0087】
したがって、この観点における懸垂線ディンプルは、約2.0×10
-3インチから約6.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約2.5×10
-3インチから約6.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.0×10
-3インチから約5.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.5×10
-3インチから約5.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。
【0088】
別の観点では、第1の半球が球形ディンプルを有し、第2の半球が懸垂線ディンプルを有する場合、各対の対応のディンプルは、実質的に異なるディンプル直径を有するのが良く、この対の球形ディンプルは、この対の懸垂線ディンプルよりも大きな直径を有するのが良い。「実質的に異なる」という表現は、所与の対についてディンプル直径の差が約0.005インチ〜0.025インチであることを意味している。例えば、一実施形態では、所与の対についてディンプル直径の差は、約0.010インチ〜約0.020インチである。別の実施形態では、所与の対についてディンプル直径の差は、約0.014インチ〜約0.018インチである。しかしながら、この対の球形ディンプルは、懸垂線ディンプルよりも大きなディンプル直径を維持すべきである。
【0089】
この実施形態では、懸垂線ディンプルは、例えば約30〜約300の上述の形状因子(sf)を有するのが良い。しかしながら、この実施形態における懸垂線ディンプルの弦深さ(d
c)は、
図15Aに示された範囲によって定められる形状因子(sf)に関連付けられる。
図15Aは、約50〜約300の形状因子範囲について、懸垂線ディンプルが約3.8×10
-3インチから約7.8×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有することを示している。同様に、上述したように、懸垂線ディンプルの弦深さはまた、上述の方程式(4)によって定められる上述の形状因子に関連付けられるのが良い。
【0090】
したがって、この観点における懸垂線ディンプルは、約2.3×10
-3インチから約8.4×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.0×10
-3インチから約8.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.5×10
-3インチから約7.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約4.0×10
-3インチから約7.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。
【0091】
さらに別の観点では、第1の半球が球形ディンプルを有し、第2の半球が懸垂線ディンプルを有する場合、各対の対応のディンプルは、実質的に異なるディンプル直径を有するのが良く、この対の球形ディンプルは、この対の懸垂線ディンプルよりも小さな直径を有するのが良い。確かに、上述したように「実質的に異なる」という表現は、各対についてのディンプル直径の差が約0.005インチ〜0.025インチであることを意味している。しかしながら、この対の球形ディンプルは、懸垂線ディンプルよりも小さなディンプル直径を維持すべきである。
【0092】
この実施形態では、懸垂線ディンプルは、例えば約30〜約300の上述の形状因子(sf)を有するのが良い。しかしながら、この実施形態における懸垂線ディンプルの弦深さ(d
c)は、
図16Aに示された範囲によって定められる形状因子(sf)に関連付けられる。
図16Aは、約50〜約300の形状因子範囲について、懸垂線ディンプルが約2.1×10
-3インチから約5.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有することを示している。同様に、上述したように、懸垂線ディンプルの弦深さはまた、上述の方程式(6)によって定められる上述の形状因子に関連付けられるのが良い。
【0093】
したがって、この観点における懸垂線ディンプルは、約2.4×10
-3インチから約6.1×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約2.8×10
-3インチから約5.5×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.0×10
-3インチから約5.0×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。さらに別の実施形態では、懸垂線ディンプルは、約3.5×10
-3インチから約4.8×10
-3インチまでの範囲にある弦深さを有するのが良い。
【0094】
一実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの少なくとも約25パーセントは、互いに異なる輪郭形状および互いに異なる平面形状を有する。別の実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの少なくとも約50パーセントは、互いに異なる輪郭形状および互いに異なる平面形状を有する。さらに別の実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの少なくとも約75パーセントは、互いに異なる輪郭形状および互いに異なる平面形状を有する。さらに別の実施形態では、互いに反対側の半球の対応のディンプルの全ては、互いに異なる輪郭形状および互いに異なる平面形状を有する。
【0096】
上述したように、互いに反対側に位置する半球のディンプル幾何学的形状は、対応のディンプルの少なくとも1つの対のディンプルが互いに異なる平面形状、輪郭形状、またはこれらの組み合わせを有するという点で互いに異なっているとしても、半球は、同一のディンプル配置状態を有する。同様に、互いに反対側に位置する半球のディンプル幾何学的形状が互いに異なっているとしても、2つの半球相互間には適当な容積等価度が維持される。本発明のこの観点では、一方の半球のディンプルは、他方の半球のディンプルのディンプル容積とほぼ同じディンプル容積を有する。
【0097】
ゴルフボールの2つの半球の容積等価をディンプル表面容積の回帰分析により評価することができる。これは、対応のディンプル100/200の対の2つのディンプルの表面容積を計算し、そして2つのディンプルの計算した表面ディンプルを互いに対してプロットすることによって実施できる。表面容積プロッティングの一例が
図7に示されており、
図7では、第1の軸線(例えば、水平軸)は、第1の半球10のディンプル100の表面容積を表し、第2の軸線(例えば、垂直軸)は、第2の半球20のディンプル200の表面容積を表している。表面容積のこの計算およびプロッティングは、サンプル採取された対応のディンプル100/200の各対について繰り返され、その結果、サンプル採取された対応のディンプルの全ての対についてプロットされた点による多点プロットが得られている。単純化された多点プロットの一例が
図8に示されている。一実施形態では、対応のディンプルのうちの少なくとも25パーセントが多点プロット内に含まれている。別の実施形態では、対応のディンプルのうちの少なくとも50パーセントが多点プロット内に含まれている。さらに別の実施形態では、対応のディンプルのうちの少なくとも75パーセントが多点プロット内に含まれている。さらに別の実施形態では、ゴルフボール中の対応のディンプルの全てが多点プロット内に含まれている。
【0098】
対応のディンプル100/200の全ての対についての表面容積を計算してプロットした後、このデータについて線形回帰分析を実施してy=α+βxの形態で係数を生じさせる。当業者によって理解されるべきこととして、線形関数yは、最小二乗回帰を用いて勾配βおよびy切片αを求め、この場合、xは、第1の半球のディンプルの表面容積を表し、yは、第2の半球のディンプルの表面容積を表している。2つの半球は、2つの条件が満たされた場合に容積等価を有するとみなされる。第1に、係数βは、約1でなければならず、つまり、係数βは、約0.90から約1.10までの範囲、好ましくは約0.95から約1.05までの範囲になければならない。第2に、決定係数R
2が約1でなければならず、つまり、決定係数R
2は、約0.90以上でなければならず、好ましくは約0.95以上でなければならない。容積等価の要件を満たすためには、これらの条件の両方を満たさなければならない。
【0099】
かくして、適当なディンプルパターンは、約0.90から約1.10までの範囲にある係数βおよび約0.90以上の決定係数R
2を有する。
【0101】
本発明のゴルフボールのディンプルは、任意の幅、任意の深さ、および任意のエッジ角度を有することができ、ディンプルパターンは、互いに異なる幅、互いに異なる深さ、および互いに異なるエッジ角度を有する多数のディンプルを有することができる。一実施形態では、本発明のゴルフボールのディンプルの表面容積は、約0.000001立方インチ(約)から約0.0005立方インチまでの範囲内にある(なお、1立方インチ=16,387mm
3であり、したがって、例えば0.000001立方インチは、0.0164mm
3に等しい)。一実施形態では、表面容積は、約0.00003立方インチ〜約0.0005立方インチである。別の実施形態では、表面容積は、約0.00003立方インチ〜約0.00035立方インチである。
【0103】
本発明のディンプルパターンを事実上任意形式のボール構成に使用することができる。例えば、ゴルフボールは、ボールの所望の性能の形式に応じて、2ピース設計、二重カバー、またはベニヤカバー構造を有することができる。他の適当なゴルフボール構成は、中実、巻き、液体充填、および/または二重コア、および多数の中間層を含む。
【0104】
本発明のゴルフボールの構成に様々な材料を使用することができる。例えば、ゴルフボールのカバーを熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、注型可能または注型不能なポリウレタンおよびポリウレア、イオノマー樹脂、バラタ、または当業者に知られている任意他の適当なカバー材料で構成することができる。ゴルフボールのコアおよび中間層を形成するのに従来型および非従来型材料を用いることができ、かかる材料としては、ポリブチレンおよび他のゴムを主成分とするコア配合物、イオノマー樹脂、高中性化ポリマーなどが挙げられる。
【0106】
以下の非限定的な実施例は、本発明にしたがって作ることができるディンプルパターンを実証している。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態の例示に過ぎず、本発明を限定するものとみなされてはならず、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。事実、当業者によって理解されるように、本発明のゴルフボールは、2つの半球相互間の容積等価が達成されることを条件として、多くの組み合わせの形態をとることができる。この場合もまた、2つの半球相互間の容積等価は、2つの別々の半球のディンプルの表面容積を適合させて上述の説明に従って実質的に同一の半球形容積を生じさせることによって達成できる。
【0107】
互いに異なる平面形状を有するディンプルパターンを備えたゴルフボール
【0108】
図9a〜
図9eは、本発明のゴルフボール1の一例を示しており、この例では、第1の半球10のディンプル100は、少なくとも平面形状の差に基づいて第2の半球20のディンプル200とは異なっている。
図9a〜
図9eに示されているように、平面形状の差は、この場合、第1の半球10のディンプル100の平面形状は、第2の半球20のディンプル200の平面形状の形状とは異なる形状(例えば、円形、正方形、三角形、長方形、長円形、または任意他の幾何学的もしくは非幾何学的形状)のものであるのが良い。この例の変形例では、第1の半球のディンプルの平面形状は、第2の半球のディンプルの平面形状の形状と同一の形状(例えば、円形、正方形、三角形、長方形、長円形、または任意他の幾何学的もしくは非幾何学的形状)のものであって良く、ただし、2つの平面形状は、互いに異なるサイズのものであって良く(例えば、両方のディンプル平面形状は、円形の平面形状を有するが、一方の円形平面形状は、他方の場合よりも小さな直径を有して良い)または互いに異なる向きのものであって良い(例えば、
図12a〜
図12eに示された例)。
【0109】
様々な輪郭を有するディンプルパターンを備えたゴルフボール
【0110】
図10a〜
図10eは、本発明のゴルフボール1の一例を提供しており、この例では、第1の半球10のディンプル100は、少なくとも輪郭の差に基づいて第2の半球20のディンプル200とは異なっている。例えば、
図10a〜
図10eに示されているように、第1および第2の半球ディンプル100/200は両方とも、円形の平面形状を有して良く、ただし、第1の半球ディンプル100は、弧状の輪郭を有するのが良く、第2の半球ディンプル200は、実質的に扁平な輪郭を有するのが良い。この例の変形例では、輪郭の差は、第1の半球ディンプルの輪郭が曲線に一致し、第2の半球ディンプルの輪郭が切頭円錐形に一致しているという差であると言って良い。
【0111】
図17a〜
図17eは、本発明のゴルフボール1の別の例を提供しており、この例では、第1の半球10のディンプル100は、少なくとも輪郭の差に基づいて第2の半球20のディンプル200とは異なっている。例えば、
図17a〜
図17eに示されているように、第1および第2の半球ディンプル100/200は両方とも、円形の平面形状を有して良く、ただし、第1の半球ディンプル100は、円錐形の輪郭を有するのが良く、第2の半球ディンプル200は懸垂曲線によって定められた輪郭を有するのが良い。
【0112】
図18a〜
図18eは、本発明のゴルフボール1のさらに別の実施例を提供しており、この例では、第1の半球10のディンプル100は、少なくとも輪郭の差に基づいて第2の半球20のディンプル200とは異なっている。例えば、
図18a〜
図18eに示されているように、第1および第2の半球ディンプル100/200は両方とも、円形の平面形状を有して良く、ただし、第1の半球ディンプル100は、円錐形の輪郭を有するのが良く、第2の半球ディンプル200は球形の輪郭を有するのが良い。
【0113】
様々な平面形状および輪郭形状を有するディンプルパターンを備えたゴルフボール
【0114】
図11a〜
図11eは、本発明のゴルフボール1の一例を提供しており、この例では、第1の半球10のディンプル100は、平面形状の差(例えば、円形に対して正方形)および輪郭の差(例えば、弧状に対して円錐形)の両方に基づいて第2の半球20のディンプル200とは異なっている。
【0115】
特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者であれば理解されるように、上述の開示内容は、例示の実施形態にのみ関し、本発明の範囲は、開示した実施形態には限定されず、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲およびその均等範囲から逸脱することなく、本明細書において開示された実施例の種々の変更および改造を含む追加の実施形態を含むことができる。
【0116】
上述の開示内容は、互いに異なるディンプルを有するディンプルパターンを備えた2つの互いに異なる半球を有するゴルフボールの例に関して本発明を説明しているが、当業者であれば理解されるように、本発明を別の数の互いに異なる領域(例えば、正四面体、正八面体、立方八面体、正二十面体、二十・十二面体、および両錐体)に分割されるゴルフボールでも実施できる。
【0117】
本発明の開示を理解しまたはその開示内容を完全にするのに必要な程度まで、本明細書において言及した全ての刊行物、特許および特許出願または特許出願公開を参照により引用し、各々が個別的に本明細書にあたかも組み込まれているのと同一の程度までその記載内容を本明細書の一部とする。本明細書において引用して組み込む任意の特許に対しては明示のまたは示唆したライセンスは供与されない。本明細書に記載された範囲は、各範囲の端点を含み、端点、端点相互間の全ての値、および端点によって包摂される全ての中間範囲を含む。
【0118】
本発明は、本明細書において説明した例示の実施形態には限定されず、これとは異なり、特許請求の範囲の記載によって特徴付けられる。