【課題】直流電源から電力の供給を受ける光源点灯装置および照明器具に関し、電源変動に対する光源のちらつきの抑制および突入電流の抑制が可能であり、小型化が可能な光源点灯装置および照明器具を提供する。
【解決手段】本発明の光源点灯装置1は、直流電源100から電力の供給を受け光源を点灯させる点灯回路14と、該直流電源と該点灯回路との間で該直流電源と並列に接続されたちらつき抑制回路2と、を備える。該ちらつき抑制回路は、容量性素子6と、該容量性素子の高電位側に該容量性素子と直列に接続されたインピーダンス素子4と、該インピーダンス素子と該容量性素子との接続点にアノードが接続され、カソードが該点灯回路の高電位側に接続された第1ダイオード5と、を備える。
前記インピーダンス素子の抵抗値は、前記直流電源の電源電圧を前記直流電源から入力される定格電流の2倍の値で除した値以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光源点灯装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る光源点灯装置および照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具80の回路ブロック図である。照明器具80は、光源点灯装置1と、光源200とを備える。
図1において、直流電源100と光源200以外は、光源点灯装置1の構成要素である。光源点灯装置1は、ちらつき抑制回路2と、点灯装置14とを備える。点灯装置14は、点灯回路16、制御部13および駆動回路8を備える。点灯回路16は、直流電源100から電力の供給を受け、光源200を点灯させる。
【0012】
直流電源100は、光源点灯装置1に直流電力を供給する。直流電源100は、例えば電池である。直流電源100は、交流電源を整流した電源であっても良い。ここで、交流電源は商用電源であっても良い。直流電源100は、高電位側の出力である+極性および低電位側の出力である−極性の極性を有する。直流電源100の高電位側の出力は光源点灯装置1のコネクタT1に接続される。直流電源100の低電位側の出力は、光源点灯装置1のコネクタT2に接続される。
【0013】
光源200は、例えば直列に接続された複数のLEDを備える。これに限らず、光源200はLEDを1つ以上備えればよい。また、複数のLEDは並列または直並列に接続されていても良い。これに限らず、光源200は発光素子を備えれば良く、例えば有機ELまたは蛍光灯を備えていても良い。
【0014】
ちらつき抑制回路2は、直流電源100と点灯回路16との間で、直流電源100と並列に接続されている。ちらつき抑制回路2は、直列回路20を備える。直列回路20は、直流電源100と並列に接続されている。直列回路20は、容量性素子6と、容量性素子6と直列に接続されたインピーダンス素子4とを備える。インピーダンス素子4は、容量性素子6の高電位側に接続されている。
【0015】
本実施の形態では、インピーダンス素子4は例えば抵抗である。これに限らず、インピーダンス素子4はインピーダンス成分を備えれば抵抗以外でも良い。容量性素子6は例えばコンデンサである。本実施の形態では、容量性素子6は極性を有する電解コンデンサである。容量性素子6の高電位側は+極性である。容量性素子の低電位側は−極性である。また、容量性素子6は、無極性のコンデンサであっても良い。これに限らず、容量性素子6は静電容量を有していればコンデンサ以外でも良い。
【0016】
ちらつき抑制回路2は、第1ダイオード5を備える。第1ダイオード5のアノードは、インピーダンス素子4と容量性素子6との接続点に接続される。第1ダイオード5のカソードは、点灯回路16の高電位側に接続される。第1ダイオード5のカソードには、インピーダンス素子4の一端、第2ダイオード3のカソードおよび点灯装置14の高電位側の入力が接続される。
【0017】
ちらつき抑制回路2は、第2ダイオード3をさらに備える。第2ダイオード3のアノードは、コネクタT1を介して直流電源100の高電位側の出力に接続される。第2ダイオード3のカソードは、直列回路20の高電位側に接続される。第2ダイオード3のカソードには、インピーダンス素子4の高電位側である一端、第1ダイオード5のカソードおよび点灯装置14の高電位側の入力が接続される。
【0018】
点灯回路16は、スイッチング素子7を備える。スイッチング素子7のドレインは、点灯装置14の高電位側の入力に接続される。スイッチング素子7のソースは、ダイオード11のカソードおよびインダクタ9の一端に接続される。スイッチング素子7のゲートは駆動回路8に接続される。ダイオード11のアノードは、直流電源100の低電位側の出力に接続される。インダクタ9の他端は、コンデンサ10の正極およびコネクタT3に接続される。コンデンサ10の負極は、直流電源100の低電位側の出力に接続される。
【0019】
光源点灯装置1は出力端にコネクタT3、T4を備える。コネクタT3とコネクタT4との間には、光源200が接続される。コネクタT4とコンデンサ10の負極との間には、抵抗12が設けられる。抵抗12の一端は制御部13に接続される。制御部13の出力は駆動回路8に接続される。
【0020】
点灯回路16は、スイッチング素子7のオンオフにより光源200に電力を供給する。本実施の形態では、点灯回路16は降圧チョッパ回路を備える。スイッチング素子7のオンオフ制御により、直流電源100から供給された電圧は、インダクタ9により降圧される。インダクタ9を流れる電流は、コンデンサ10により平滑化され、光源200に流れる。これにより、光源200が点灯する。ダイオード11は、スイッチング素子7がオフしたときのインダクタ9に対する電流経路となる。
【0021】
抵抗12は、光源200と直列に設けられている。このため、抵抗12には光源200を流れる電流が流れる。抵抗12は、光源200を流れる電流に対応する電圧を検出する。制御部13は、抵抗12の検出電圧に応じて、スイッチング素子7のオンオフを制御する。制御部13は、光源200に供給される電力が一定になるように、スイッチング素子7のオンオフを制御する。本実施の形態の点灯装置14では、抵抗12の両端に印加される電圧が一定になるよう制御部13がスイッチング素子7を制御する。これにより、光源200に流れる電流が定電流制御される。
【0022】
制御部13は例えばマイコンである。制御部13は、駆動回路8を介してスイッチング素子7のオンオフを制御する。駆動回路8は制御部13からの信号に応じて、スイッチング素子7のゲートに、スイッチング素子7のオンオフを制御するためのゲート信号を供給する。
【0023】
実施の形態1では、点灯回路16は、降圧チョッパ回路を備えるものとしているが、これ以外でも良い。点灯回路16は、直流電源100からの電力の供給を受けて光源200を点灯させる回路であればよい。
【0024】
図2は、実施の形態1の比較例に係る照明器具180の回路ブロック図である。照明器具180は、光源点灯装置101を備える。光源点灯装置101は、ちらつき抑制回路2を備えない。光源点灯装置101は、直流電源100と点灯装置14との間に容量性素子6を備える。容量性素子6は直流電源100と並列に接続される。
【0025】
図3は、実施の形態1の比較例に係る照明器具180の電源投入時の電流電圧波形を示す図である。
図3を参照して、照明器具180の電源投入時の各部の動作について説明する。ここで、
図2に示されるように、A点は直流電源100の高電位側の出力である。B点は点灯装置14の高電位側の入力である。また、Iinは直流電源100から光源点灯装置101に流れる電流である。
【0026】
図3において、A点の電圧の立ち上がりは、直流電源100が投入されたタイミングを示す。
図2に示されるように、B点はA点と同電位である。このため、B点の電圧波形は、A点と同様となる。電源投入時において、容量性素子6は充電されていない。このため、電源が投入された直後に容量性素子6を充電する電流が流れる。このため、Iinの電流波形に示されるように、電源投入された直後の短時間において直流電源100から過大な電流が流れることとなる。これは突入電流と呼ばれる。容量性素子6が充電された後は、Iinは定電流制御時に点灯装置14を流れる電流に対応する値となる。このため、Iinは一定となる。
【0027】
光源点灯装置1の突入電流が大きいと、ブレーカの過電流保護の仕様に応じて、1台のブレーカに対する照明器具180の接続台数が制限される可能性がある。また、壁スイッチで直流電源100をオフ/オン操作をする場合に、突入電流によってスイッチの接点が溶着する可能性がある。このため、突入電流を抑制することが必要とされる場合がある。
【0028】
図4は、実施の形態1に係る照明器具80の電源投入時の電流電圧波形を示す図である。
図1に示されるように、A点は直流電源100の高電位側の出力である。B点は点灯装置14の高電位側の入力である。また、Iinは直流電源100から光源点灯装置1に流れる電流である。さらに、C点は容量性素子6の高電位側である。C点の電圧波形は、容量性素子6の両端に印加される電圧を示す。
【0029】
比較例と同様に、A点において直流電源100が投入されたタイミングで電圧が立ち上がる。本実施の形態では、B点は、A点と第2ダイオード3を介して接続される。このため、電源投入時において、B点はA点より第2ダイオード3の電圧降下分だけ低い電位となる。第2ダイオード3の電圧降下はA点の電位に比べて小さいため、A点とB点の電位はほぼ同じと見なされる。このため、直流電源100が投入されるとA点の電圧が立ち上がり、これに伴いB点の電圧も立ち上がる。
【0030】
本実施の形態では、電源投入に伴い、容量性素子6はインピーダンス素子4を介して充電されることになる。このため、容量性素子6に印加される電圧は、容量性素子6とインピーダンス素子4の時定数に応じて上昇する。電源投入時は、降圧チョッパ回路は動作していない。このため、Iinでは容量性素子6を充電する電流が大部分を占める。ここで、容量性素子6を充電する電流はインピーダンス素子4で制限される。従って、本実施の形態では比較例と比べて、短時間で過大な電流が流れることが抑制される。
【0031】
電源投入時に流れる突入電流の最大値は、直流電源100の電源電圧をインピーダンス素子4の抵抗値で除した値にほぼ等しい。このため、本実施の形態では、電源投入時の突入電流のピーク値が比較例よりも抑制される。容量性素子6を充電する電流は、容量性素子6が充電されるのに伴い、時間の経過と共に低下する。容量性素子6が充電された後は、Iinは定電流制御時に点灯装置14を流れる電流に対応する値となる。このため、Iinは一定に維持される。
【0032】
図5は、実施の形態1の比較例に係る照明器具180の電源変動時の電流電圧波形を示す図である。
図5を参照して、比較例に係る照明器具180において定常動作中に電源電圧が変動した場合の各部の動作を説明する。
図2に示されるようにIoutは光源200を流れる電流である。定常状態では、直流電源100から点灯装置14に安定した直流電圧が供給される。このため、A点およびB点には一定の直流電圧が印加される。また、Ioutは一定となる。
【0033】
ここで、直流電源100の異常などにより、短時間、電源電圧が低下もしく遮断する場合がある。
図5のA点の電圧波形に示されるように、点灯装置14の定常動作中に直流電源100の電源電圧が低下をしたとする。このとき、B点の電圧波形は、
図3の場合と同様にA点と同様となる。
【0034】
点灯装置14において抵抗12の検出電圧は制御部13にフィードバックされる。制御部13は、検出電圧に応じて光源200を流れる電流を一定に制御する。ここで、点灯装置14に供給される電圧であるB点の電圧が変動すると、点灯装置14のフィードバックの応答速度が追従できない場合がある。このとき、点灯装置14は、光源200に流す電流を一定に制御できないことがある。この場合、B点の電圧と同期してIoutが低下する。Ioutは光源200に流れる電流であるため、Ioutの変動は光源200から発する光のちらつきとなる。
【0035】
図6は、実施の形態1に係る照明器具80の電源変動時の電流電圧波形を示す図である。定常状態では、直流電源100から点灯装置14に安定した直流電圧が供給される。このため、A点およびB点には、一定の直流電圧が印加される。このとき、点灯装置14は定常動作をしている。ここで、定常動作とは、点灯装置14が光源200に一定の電力を供給している状態を示す。このとき、光源200を流れる電流であるIoutは一定となる。
【0036】
次に、
図6のA点の電圧波形に示されるように、点灯装置14の定常動作中に直流電源100の電源電圧が低下したとする。本実施の形態では、A点とB点との間に第2ダイオード3が設けられている。第2ダイオード3のアノードは直流電源100側に接続されている。また、第2ダイオード3のカソードは点灯装置14側に接続されている。このため、B点の電位がA点の電位より高い場合、第2ダイオード3により、B点からA点に電流が流れることが妨げられる。このため、B点は、A点よりも高い電位を維持する。
【0037】
A点の電位が低下している期間は、B点にはC点から第1ダイオード5を介して、容量性素子6に蓄えられた電力が供給される。このとき、B点はC点よりも第1ダイオード5の電圧降下分だけ低い電位となる。ここで、第1ダイオード5の電圧降下はB点の電位に比べて十分小さいため、B点の電位とC点の電位はほぼ等しい。B点に供給される容量性素子6の電荷は、点灯装置14を動作させるために消費される。また、A点の電位が低下している期間は、第2ダイオード3によって直流電源100から光源200側に電力が供給されない。このため、C点の電位は、時間の経過と共に低下していく。C点の電位の低下に伴い、B点の電位も低下していく。
【0038】
直流電源100が電源電圧の低下から復帰すると、A点の電位が回復する。この場合、B点とC点の動作は異なる。A点の電位が回復すると、第2ダイオード3に電流が流れる。このため、B点はA点と即時に同電位となる。これに対し、インピーダンス素子4を介して容量性素子6が充電されるため、C点の電位は時間の経過とともに電位が上昇する。
【0039】
次にIoutについて説明する。点灯装置14に供給される電圧であるB点の電圧の変動に対して、点灯装置14のフィードバックの応答速度が追従できない場合がある。このとき、B点の電位と同期してIoutが低下する。ここで、比較例に係る光源点灯装置101では、A点の電圧変動がIoutに反映された。これに対し、本実施の形態では、第2ダイオード3が設けられることで、
図6に示されるようにA点の電圧変動がIoutに反映されることが抑制される。
【0040】
本実施の形態では、直流電源100の電源電圧が変動した場合、B点の電位はA点には追随しない。B点の電位は、容量性素子6に蓄えられている電荷の減少に伴い低下する。このため、点灯装置14のフィードバックの応答速度が電源電圧の変動に追従できない場合にも、比較例180と比べて、Ioutの変動を抑制できる。Ioutの変動は、光源200が発する光のちらつきとして見える。従って、本実施の形態では光源200のちらつきを抑制できる。
【0041】
以上から、本実施の形態に係る照明器具80では、電源変動に対する光源200のちらつきの抑制および突入電流の抑制ができる。また、ちらつき抑制回路2では、ちらつきを抑制する回路と突入電流を抑制する回路とが一体化されている。このため、ちらつきを抑制する回路と別個に突入電流を抑制する回路を設けなくても良い。また、本実施の形態では簡易な構成のちらつき抑制回路2で突入電流とちらつきを抑制できる。従って、本実施の形態では光源点灯装置1を小型化できる。また、光源点灯装置1を低コストで得ることができる。
【0042】
上述したようにちらつき抑制回路2を設けることで、電源の変動に点灯装置14のフィードバックが追従できない場合にも光源200のちらつきを抑制できる。また、第2ダイオード3によって、容量性素子6に蓄えられた電荷が直流電源100側に流れることを防止できる。ここで、光源点灯装置1から電流が流れ込むことを防止する構成が直流電源100側に備えられる場合には、ちらつき抑制回路2は第2ダイオード3を備えなくても良い。この場合、ちらつき抑制回路2の構成をさらに簡易にできる。
【0043】
また、例えば容量性素子6の静電容量を大きくするほど、容量性素子6の電荷の消費によるC点の電圧の変動を抑制できる。このため、容量性素子6の静電容量を大きくすることで、電源変動時のIoutの変動をさらに抑制できる。従って、容量性素子6の容量を大きくすることで、電源電圧の変動時に使用者がちらつきを認識し難くすることができる。
【0044】
一方で、容量性素子6の静電容量が大きいほど、容量性素子6が充電されるまでの時間が長くなる。このため、電源投入からちらつき抑制回路2が動作できるまでの時間が長くなる。つまり、照明器具80がスタンバイできるまでの時間が長くなる。
【0045】
このため、容量性素子6の静電容量は、電源電圧の低下または遮断時に、どの程度の期間ちらつきを抑制するかを考慮して、調整しても良い。また、容量性素子6の静電容量は、点灯装置14と光源200で消費される電力を考慮して選定されても良い。また、ちらつき抑制回路2が実際に搭載された照明機器を動作させて、適切な静電容量の容量性素子6を選定するものとしても良い。
【0046】
次に、インピーダンス素子4の抵抗値の選定方法の一例を説明する。一般に、1台のブレーカに対して接続できる光源点灯装置1または照明器具80などの照明機器の台数は、ブレーカの定格電流と、照明機器の過電流特性とを考慮して決定される。
【0047】
例えば、ブレーカの定格電流よりもブレーカに接続された複数の照明機器の定格電流の合計値が小さくなるように、ブレーカに接続できる照明機器の台数を算出する。次に、ブレーカの定格電流よりもブレーカに接続された複数の照明機器の過電流値の合計値が小さくなるように、ブレーカに接続できる照明機器の台数を算出する。照明機器の定格電流から算出された接続台数と、照明機器の過電流値から算出された接続台数の小さいほうが、1台のブレーカに対しての接続できる照明機器の台数となる。
【0048】
従って、照明機器の定格電流および過電流値が小さいほど、1台のブレーカに対して接続できる照明機器は多くなる。ここで、定格電流は照明機器の仕様により決まるため、調整が難しい。これに対し、本実施の形態では、突入電流をちらつき抑制回路2により抑制することで過電流を抑制できる。このため、1台のブレーカに対して接続できる光源点灯装置1の台数が光源点灯装置1の定格電流で決まるように突入電流を抑制することで、ブレーカに複数の光源点灯装置1を効率よく接続できる。
【0049】
ブレーカの遮断特性は、製品毎に異なる。つまり、ブレーカが遮断するための過電流値およびブレーカが遮断するための過電流が流れる期間は、製品毎に異なる。しかし、多くの製品において、数秒の間、ブレーカの定格電流の200%の電流が流れてもブレーカは遮断されないことが多い。このため、本実施の形態では、ブレーカに接続される光源点灯装置1の突入電流値を光源点灯装置1の定格電流の200%以内に抑制する。光源点灯装置1の突入電流値を光源点灯装置1の定格電流の2倍以下とすることで、1台のブレーカに対しての接続できる光源点灯装置1の台数を突入電流値ではなく、定格電流値によって決めることができる。
【0050】
突入電流のピーク値は、電源電圧をインピーダンス素子4の抵抗値で除した値にほぼ等しい。このため、本実施の形態ではインピーダンス素子4の抵抗値は、直流電源100の電源電圧を直流電源100から入力される定格電流値の2倍の値で除した値以上に設定する。これにより、突入電流のピーク値を光源点灯装置1の定格電流の2倍以下に抑制できる。
【0051】
以上から、ブレーカへの光源点灯装置1の接続台数について、突入電流による制限をなくし、定格電流から接続台数を決めることができる。従って、ブレーカに対して多くの光源点灯装置1および照明器具80を接続できる。これにより、ブレーカを効率よく利用できる。
【0052】
例えば、定常状態において、直流電源100の電源電圧がDC400Vであるものとする。また、直流電源100からの入力電力が100Wであり、入力電流が0.4Aであるものとする。つまり、光源点灯装置1の定格電流は0.4Aである。このとき、突入電流は0.8A以下に抑制されると良い。DC400÷0.8A=500Ωであるため、インピーダンス素子4の抵抗値は500Ω以上に選定されると良い。
【0053】
次に、インピーダンス素子4の抵抗値の別の選定方法を説明する。インピーダンス素子4の抵抗値が大きいほど、容量性素子6が充電されるまでの時間が長くなる。つまり、ちらつき抑制回路2が動作できる状態となるまでの時間が長くなる。ちらつき抑制回路2は、電源投入後において光源200が点灯するまでに、動作できる状態となっていることが望ましい。光源点灯装置1に電源が投入されてから、光源200が点灯するまでの時間は、製品毎に異なるが、一般に1秒以内となるように設計される。
【0054】
直列回路20において容量性素子6は、時定数τ=CRより算出される時間で63.2%まで充電される。ここで、Cは容量性素子6の静電容量であり、Rはインピーダンス素子4の抵抗値である。容量性素子6を95%以上充電させるには、時定数τの3倍の時間を要する。電源投入から点灯までの時間である1秒に対してマージンを設定し、900ms以内に容量性素子6を95%以上充電できれば、光源200が点灯するまでにちらつき抑制回路2を安定して動作させることができる。従って、時定数τが900msの3分の1以下であればよい。
【0055】
つまり、インピーダンス素子4と容量性素子6との時定数τが300ms以下であれば良い。本実施の形態では、時定数τが300ms以下になるようにインピーダンス素子4の抵抗値Rの上限値を設定する。ここで、容量性素子6の静電容量を47μFとする。τ=CRより、300ms÷47μF=6382Ωとなる。従って、インピーダンス素子4の抵抗値Rは6382Ω以下であれば良い。