特開2018-201588(P2018-201588A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-201588(P2018-201588A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】蓋
(51)【国際特許分類】
   A47K 11/04 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   A47K11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-106837(P2017-106837)
(22)【出願日】2017年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂口 智彦
(72)【発明者】
【氏名】下畦 聡司
【テーマコード(参考)】
2D036
【Fターム(参考)】
2D036HA02
2D036HA12
2D036HA22
2D036HA26
2D036HA27
2D036HA31
(57)【要約】
【課題】バケツの上方の便座の前部分を少し持ち上げるだけで、バケツへの付け外しを行うことができる、汚物受け用のバケツの蓋を提案する。
【解決手段】蓋8は、ポータブルトイレの便座の下方に装着される、汚物受け用のバケツ2の上端開口を塞ぐようにバケツ2に着脱可能に取り付けられる。蓋8は、バケツ2の上端開口を塞ぐ蓋本体80と、蓋本体80から上方に突出したグリップ81と、を備える。グリップ81は、蓋本体80の中央部と前縁の間に位置し、片手で把持可能に設けられた突条部82を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブルトイレの便座の下方に装着される、汚物受け用のバケツの上端開口を塞ぐように前記バケツに着脱可能に取り付けられる蓋であって、
前記バケツの前記上端開口を塞ぐ蓋本体と、
前記蓋本体から上方に突出したグリップと、を備え、
前記グリップは、
前記蓋本体の中央部と前縁の間に位置し、片手で把持可能に設けられた突条部を備えることを特徴とする蓋。
【請求項2】
前記グリップは、前記蓋本体の中央部に位置する第二の突条部をさらに備え、
前記第二の突条部は、左右方向に貫通する孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の蓋。
【請求項3】
前記グリップは、前記蓋本体の中央部と後縁の間に位置する第三の突条部をさらに備え、
前記突条部と前記第二の突条部と前記第三の突条部は、一直線状に繋がっていることを特徴とする請求項2に記載の蓋。
【請求項4】
前記第三の突条部は、前記蓋本体の後縁に繋がっていることを特徴とする請求項3に記載の蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポータブルトイレの便座の下に着脱可能に装着される、汚物受け用のバケツの蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、便座の下に、汚物を収容するバケツが着脱可能に装着されるポータブルトイレが記載されている。
【0003】
バケツは、回転可能に取り付けられた円弧状の取っ手と、上端の開口部を閉塞する蓋とを備えている。
【0004】
蓋の中央部には、上方に突出した取っ手が設けられており、取っ手には、水平方向に貫通した、指を通すための孔が設けられている。そのため、蓋は、例えば、取っ手の孔に指が通され、手の甲が側方を向く姿勢の片手で、上げ下げされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−12902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載のポータブルトイレでは、便座の前部分を少し持ち上げ、便座の前部分とバケツとの間に形成された狭いスペースで、バケツに対して蓋を付け外しすることは難しい。
【0007】
上記事情に鑑みて、本発明は、バケツの上方の便座の前部分を少し持ち上げるだけで、バケツへの付け外しを行うことができる、汚物受け用のバケツの蓋を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る一態様の蓋は、ポータブルトイレの便座の下方に装着される、汚物受け用のバケツの上端開口を塞ぐように前記バケツに着脱可能に取り付けられる蓋である。
【0009】
一態様の蓋は、前記バケツの前記上端開口を塞ぐ蓋本体と、前記蓋本体から上方に突出したグリップと、を備える。
【0010】
前記グリップは、前記蓋本体の中央部と前縁の間に位置し、片手で把持可能に設けられた突条部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る一態様の蓋は、バケツの上方の便座の前部分を少し持ち上げるだけで、バケツへの付け外しを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明に係る一実施形態のポータブルトイレを示す斜視図であり、座面シートを折り畳んだ状態の図である。
図2図2は、同上のポータブルトイレを示す斜視図であり、座面シートで便座を覆った状態の図である。
図3図3は、同上のポータブルトイレを示す斜視図であり、トレイとバケツと便座と座面シートの図示を省略した図である。
図4図4は、同上のポータブルトイレのバケツを示す側面図であり、蓋を閉じた状態の図である。
図5図5は、同上のバケツを示す平面図である。
図6図6は、同上のバケツを示す平面図であり、蓋の図示を省略した図である。
図7図7は、同上のバケツの要部を示す側面図であり、蓋と取っ手の図示を省略した図である。
図8図8は、同上のバケツの中身を捨てる様子を示す側面図である。
図9図9A図9Bは、同上のバケツの取っ手を回転させる様子を示す斜視図である。
図10図10は、同上の取っ手を示す斜視図である。
図11図11は、同上のバケツの蓋を示す一部破断された斜視図である。
図12図12は、同上のバケツに対して蓋を付け外しする様子を示す斜視図である。
図13図13は、同上のポータブルトイレのトレイを示す斜視図である。
図14図14は、同上のトレイを示す平面図である。
図15図15は、同上のトレイにバケツが装着された状態を示す斜視図である。
図16図16は、図15のA―A線における断面図である。
図17図17は、同上のトレイに装着されたバケツの取っ手に手を掛ける様子を示す斜視図である。
図18図18Aは、同上のポータブルトイレの便座を示す底面図であり、図18Bは、図18AのB−B線における断面図である。
図19図19は、同上のポータブルトイレの肘掛けを示す側面図である。
図20図20は、同上の肘掛けとトイレ本体との分解斜視図である。
図21図21は、同上の肘掛けの分解斜視図である。
図22図22A図22Bは、同上の肘掛けの保持部の動作を示す水平断面図である。
図23図23A〜Cは、保持部固定部材の動作を示す水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に示す実施形態は、ポータブルトイレに関し、詳しくは、便座の下方に、汚物受け用のバケツが着脱可能に装着されるポータブルトイレに関する。
【0014】
(1)ポータブルトイレの概要
図1図2には、一実施形態のポータブルトイレ1が示されている。
【0015】
ポータブルトイレ1は、汚物受け用のバケツ2と、バケツ2が着脱可能に装着されるトレイ3と、バケツ2及びトレイ3が収納されるトイレ本体4と、トイレ本体4を支持する脚5と、トイレ本体4に支持される背もたれ6及び肘掛け7と、を備える。バケツ2は、蓋8と取っ手9(図4参照)を備える。ポータブルトイレ1はさらに、トイレ本体4に装着される便座10と座面シート11を備える。
【0016】
以下では、図1に示す状態を基準にし、平面視において、背もたれ6に対してバケツ2が位置する側を前方とし、その反対側を後方とし、この前後方向に対して直交する方向を左右方向として、各構成について説明する。各図において、矢印Xで示す方向が前方であり、矢印Yで示す方向が右方であり、矢印Zで示す方向が上方である。
【0017】
(2)ポータブルトイレの各構成についての説明
(2−1)トイレ本体
図3に示すように、トイレ本体4は、平面視矩形枠状である。トイレ本体4は、例えば、木製である。トイレ本体4は、前板40、後板41、左右一対の側板42、及び左右一対の支持部材43を有する。前板40と後板41と左右一対の側板42は、平面視矩形枠状に一体化されている。
【0018】
左右一対の支持部材43のそれぞれは、例えば角棒状である。左右一対の支持部材43は、前板40の右端部と後板41の右端部の間と、前板40の左端部と後板41の左端部の間に、それぞれ架け渡されている。左右一対の支持部材43は、左右一対の側板42の上面よりも下方に位置する。
【0019】
前板40の上面の左右の端部と、左右一対の支持部材43の上面とは、面一である。前板40の上面の左右方向の中央部には、正面視において下方に凸の円弧状に切り欠かれた形状の凹み400が設けられている。前板40と左右一対の支持部材43が、トレイ3を支持するトレイ受け44を構成している。トレイ3は、トレイ受け44に対して着脱可能である。
【0020】
左右一対の側板42のそれぞれは、その後端部から上方に突出するように延長された支持板60を含む。
【0021】
(2−2)座面シート
図1図2に示すように、座面シート11は、その後端部が、トイレ本体4の後端部に回転可能に取り付けられている。座面シート11は、2つ折り可能なシートである。座面シート11は、便座10の上に載せられる倒伏姿勢(図2参照)と、トイレ本体4の後端部の上方に2つ折り状態で起立する起立姿勢(図1参照)との間で回転可能である。倒伏姿勢にしたときの座面シート11の上面は、座面として利用可能である。座面シート11は、表面全体がクッションで覆われている。座面シート11は、2つ折り状態でトイレ本体4の後方で倒伏する第二の倒伏姿勢へとさらに回転可能である。
【0022】
座面シート11の前部分には、座面シート11の姿勢を操作するためのバンド110が設けられている。利用者は、バンド110を掴むことで座面シート11の姿勢を簡単に切り替えることができる。
【0023】
(2−3)背もたれ
背もたれ6は、一対の支持板60の上端部間に介在する。背もたれ6は、その表面全体がクッション61で覆われている。
【0024】
(2−4)バケツ
図4図5に示すように、バケツ2は、底壁200と周壁201を有するバケツ本体20と、周壁201の上端面に載せられる蓋8と、周壁201の上端部に回転可能に設けられた円弧状の取っ手9とを備える。図6図7に示すように、バケツ2はさらに、周壁201の前端部の上端に設けられた注ぎ口21と、周壁201の後端部に設けられたハンドル22と、ハンドル22の上方に位置するように、周壁201の後端部から突出した蓋受け23とを備える。ハンドル22は、上下方向を長手方向とする棒状に設けられている。
【0025】
蓋8は、周壁201の上端開口を塞ぐ閉塞姿勢(図4参照)と、周壁201の上端開口を開く排水姿勢(図8参照)とに切り替え可能である。閉塞姿勢は、蓋8が周壁201の上端面に載せられた姿勢である。排水姿勢は、蓋8の後端部が蓋受け23の上面に載せられた姿勢である。蓋8が閉塞姿勢にあるとき、注ぎ口21は蓋8によって塞がれ、蓋8が排水姿勢にあるとき、注ぎ口21は開放される。
【0026】
(2−4−1)バケツ本体
図6に示すように、底壁200の上面は、円形状である。底壁200は、円板状であり、上下方向の長さ(厚み)が一定である。周壁201は、底壁200の外周縁と連続している。周壁201のうち、底壁200を囲む部位から、平面視略円環状の脚202が下方に突出している。
【0027】
図4図6に示すように、周壁201は、内周面の平断面形状が楕円形状の上部分203と、内周面の平断面形状が円形状の下部分204とを有する。上部分203と下部分204はともに、上側の部分ほど内径が大きくなるように、内周面が傾斜している。周壁201は、厚みが一定であり、外周面の形状も内周面の形状に対応している。
【0028】
周壁201は、上部分203の上縁から径外方向に延長されたフランジ205と、フランジ205の外周端から下方に延長された外筒206とを含む。フランジ205の上面が周壁201の上端面を構成している。上部分203は、その前端部に、注ぎ口21に連続するように前側に膨らんだ膨出部207を有する。
【0029】
フランジ205は、上部分203の上縁の形状に対応して、平面視楕円状の環状に形成される。フランジ205は、その前端部において、外周縁と内周縁が、間の間隔が狭くなるように前方に突出しており、この狭まった前端部が、注ぎ口21の縁を構成している。本実施形態では、フランジ205の前端部において、内周縁は、外周縁よりも前方に大きく突出しており、これにより、外周縁と内周縁の間の間隔が狭まっている。注ぎ口21は、下流側ほど流路面積が狭くなっている。
【0030】
フランジ205は、その後端部において、外周縁が前方に凸の円弧状をなして、内周縁との間が狭まっており、この狭まった後端部から、蓋受け23が後方に突出している。蓋受け23は、図6図7に示すように、後斜め下方に延長された板状の本体部230と、本体部230の外周縁から下方に延長され、外筒206と連続した下片231とを含む。
【0031】
蓋受け23の上面(本体部230の上面)は、後側の部分ほど下方に位置するように傾斜した傾斜面である。蓋受け23の上面は、フランジ205の上面よりも一段低く位置し、かつフランジ205の上面に対して傾いている。本体部230の上面の左右方向の中央部には、本体部230の上面のその他の部分よりも一段低く設けられた下段部232が設けられている。下段部232は、フランジ205の上面に対して略平行である。下段部232は、平面視略半円状である。
【0032】
蓋受け23の本体部230から、棒状のハンドル22が下方に突出している。本実施形態では、ハンドル22は、後方に開口した平断面U字状であり、底部分は閉塞されている。
【0033】
図9に示すように、外筒206の左右の端部には、取っ手9を取り付けるための取付孔24と、外側方に突出した引っ掛かり部25と、外側方に突出した前後一対の凸状のストッパー26とが設けられている。
【0034】
(2−4−2)取っ手
図6図10に示すように、取っ手9は、円弧状の本体部90と、指を引っ掛けることができるように本体部90からその径外方向に突出したリブ構造91と、本体部90の周方向の両端部からその径内方向に突出した一対の回転軸92とを備える。取っ手9は、樹脂成型品である。
【0035】
本体部90は、本体部90の周方向の中央部分を構成する把持部93と、本体部90の周方向の両端部分を構成する一対の取付部94と、本体部90のうち把持部93と一対の取付部94の間の部分を構成する一対の中間部95とを含む。
【0036】
取っ手9は、把持部93がバケツ本体20の底壁200の上方に位置する第一姿勢と、把持部93がバケツ本体20の上端部の側方に位置する第二姿勢(図4参照)との間で回転可能である。本実施形態では、第二姿勢は、把持部93が蓋受け23の後方に位置する姿勢である。なお、取っ手9は、把持部93が注ぎ口21の前方に位置する第三姿勢への回転も可能である。
【0037】
本体部90の幅方向の長さ(例えば第二姿勢にあるときの上下長さ)は、周方向に亘って一定である。本体部90の径内外方向の長さ(つまり厚み)は、周方向に亘って一定である。
【0038】
取っ手9の幅方向から視たときの本体部90の形状は、バケツ2の上端部の後半部(蓋受け23を含んだ部分)の外形状に沿った円弧状である。ここでいう円弧状とは、全体形状がおよそ円弧状であることを意味し、周方向に亘って径が一定の円弧に限定されない。
【0039】
リブ構造91を構成する突条片910は、一対の中間部95のそれぞれから突出している。さらに本実施形態では、把持部93のうち周方向の中央部を除いた残りの部分からも、突条片910が突出している。把持部93から突出した突条片910と、一対の中間部95のそれぞれから突出した突条片910は、繋がっており、突出先端面が全体として半円状をなしている。
【0040】
把持部93から突出した突条片910と一対の中間部95のそれぞれから突出した突条片910は、取っ手9の幅方向の位置(例えば取っ手9が第二姿勢にあるときの上下位置)が互いに同じである。取っ手9が第二姿勢にあるとき、各突条片910は、把持部93及び一対の中間部95のそれぞれの、上端よりも若干下方の部分から突出している。
【0041】
一対の回転軸92は、前後方向の位置が互いに同じであり、互いに近づく方向に突出している。一対の回転軸92のそれぞれは、略円柱状である。取っ手9は、一対の回転軸92がバケツ本体20の一対の取付孔24にそれぞれ挿入されることによって、バケツ本体20に対して回転可能に取り付けられる。
【0042】
図6図9に示すように、取っ手9はさらに、一対の取付部94のそれぞれからその径内方向に突出した引っ掛け部96を有する。一対の引っ掛け部96のそれぞれは、矩形板状であり、本実施形態では、一対の回転軸92と一体である。各引っ掛け部96は、対応する回転軸92のうち、取っ手9の周方向の端側を向く面と一体に設けられている。各引っ掛け部96は、各回転軸92よりも左右方向に短い。
【0043】
一対の引っ掛け部96のそれぞれは、取っ手9が第一姿勢から第二姿勢へ回転する間に、対応する引っ掛かり部25に当たるように構成されている。これにより、取っ手9は、第一姿勢から第二姿勢へ回転する際に、その回転速度が抑えられ、トレイ3に勢いよく衝突することが抑制される。本実施形態では、各引っ掛け部96は、取っ手9が第二姿勢に近づいたときに、対応する引っ掛かり部25に当たりながら乗り越えるように構成されている。
【0044】
なお、各引っ掛け部96は、対応する引っ掛かり部25に当たることで、回転が一旦止まるように構成されていてもよい。この場合、取っ手9を手で抑えてさらに第二姿勢の方向へ回転させることによって、各引っ掛け部96を対応する引っ掛かり部25を乗り越えさせるようにしてもよい。
【0045】
取っ手9が第二姿勢にあるときに、一対の引っ掛け部96のそれぞれは、一対のストッパー26のうち前側のストッパー26に下から当たる。これにより、第二姿勢にあるときの取っ手9の上下位置が定まる。なお、取っ手9が第三姿勢にあるときには、一対の引っ掛け部96のそれぞれは、後側のストッパー26に下から当たり、上下位置が定まる。これにより、第三姿勢にあるときの取っ手9の上下位置が定まる。
【0046】
(2−4−3)蓋
図4図5に示すように、蓋8は、バケツ本体20のフランジ205に載せられて、バケツ本体20の上端開口の全体を塞ぐ蓋本体80と、蓋本体80から上方に突出したグリップ81と、を備える。蓋8は、例えば、樹脂成型品である。
【0047】
グリップ81は、蓋本体80の中央部と前縁の間に位置する突条部82と、蓋本体80の中央部に位置する第二の突条部83と、蓋本体80の中央部と後縁の間に位置する第三の突条部84を含む。
【0048】
突条部82は、前後方向を長手方向とする突条である。なお、突条部82には、左右方向に貫通する孔が設けられていない。突条部82は、手の甲が上を向く姿勢の片手で左右から指で掴むことで、把持可能である。
【0049】
第二の突条部83は、前後方向を長手方向とする突条であり、左右方向に貫通した孔85を含む。孔85は、指の挿入が可能な大きさを有する。孔85は、第二の突条部83の長手方向に亘って位置する。第二の突条部83は、手の甲が側方を向く姿勢の片手で、孔85に指を通すことで、把持可能である。
【0050】
第三の突条部84は、前後方向を長手方向とする突条である。なお、第三の突条部84には、左右方向に貫通する孔が設けられていない。第三の突条部84は、蓋本体80の後縁に繋がっている。
【0051】
突条部82と第二の突条部83と第三の突条部84は、一直線状に繋がっている。突条部82の上面と、第二の突条部83の上面と、第三の突条部84の上面は、側面視円弧状をなすように、連続している。
【0052】
蓋本体80は、バケツ本体20の上端開口を塞ぐ板状の底壁86と、底壁86の外周縁から上方に延長された周壁87と、周壁87の上端から周方向に亘って外側に突出したフランジ88とを有する。
【0053】
底壁86と周壁87の外形状は、バケツ本体20の上端開口と略同じ形状である。底壁86と周壁87のそれぞれは、注ぎ口21を塞ぐように前方に突出した部分を有する。フランジ88は、バケツ本体20のフランジ205と平面視における形状が略同じである。
【0054】
蓋8は、フランジ88の後端部から後方に突出した操作部89を備える。操作部89は、平面視における形状が、蓋受け23と略同じ板体である(図6参照)。操作部89の上面は、フランジ88の上面よりも一段低く平行に位置する。
【0055】
蓋8が閉塞姿勢にあるときに、底壁86と周壁87が、バケツ本体20の上端開口に嵌まってこの上端開口を閉塞し、フランジ88が、バケツ本体20のフランジ205の上面に載せられる。このとき、蓋8の操作部89は、バケツ2の蓋受け23から上方に離れて位置する。
【0056】
蓋8が排水姿勢にあるとき、蓋8の操作部89は、バケツ2の蓋受け23の上面に載せられ、底壁86及び周壁87は、バケツ本体20の上端開口から離れてこの上端開口を開く。このとき、フランジ88は、バケツ本体20のフランジ205から離れて位置する。
【0057】
図11に示すように、突条部82と第二の突条部83と第三の突条部84のそれぞれは、底壁86から上方に突出しかつ下方に開口した形状に設けられる。突条部82と第三の突条部84のそれぞれは、中空であり、第二の突条部83は、孔85よりも下方の部分が中空である。
【0058】
突条部82は、底壁86の前端部から上方に突出している。突条部82は、周壁87の前端部との間に、隙間をあけて位置する。第二の突条部83は、底壁86の前後方向の中央部から上方に突出している。第三の突条部84は、底壁86の後端部から上方に突出している。第三の突条部84は、周壁87の後端部と繋がっている。
【0059】
蓋8は、フランジ88の後端部と操作部89から上方に突出した第四の突条部890をさらに備える。第四の突条部890は、第三の突条部84に繋がっている。第四の突条部890には、蓋8の開閉操作の際に親指が載せられる凹み891が設けられている。
【0060】
第三の突条部84と第四の突条部890との境界部分には、下方に突出する堰840が設けられている。蓋8を前側の部分ほど上方に位置するように傾けた姿勢としたとき、第三の突条部84の裏面(下面)から操作部89の裏面(下面)へ汚水が伝わって流れることを堰840によって防ぐことができる。
【0061】
蓋8は、図12に示すように、手の甲が上方を向く姿勢の片手で、蓋8の前端部分の突条部82を掴むことができる。そのため、トレイ3に装着されたバケツ2に対して、蓋8を着脱する際に、トレイ3上の便座10の前端部を少し上に持ち上げるだけでよく、蓋8の着脱の操作がしやすい。
【0062】
(2−5)トレイ
図13図14に示すように、トレイ3は、バケツ2が挿入される凹部30と、凹部30の上端部を囲んで位置する平面視環状の汚水受け31と、汚水受け31の外周縁から上方に突出した周壁32とを備える。トレイ3はさらに、周壁32の上端から周方向に亘って外側に突出した環状の便座受け33と、便座受け33の外周縁から上方に突出した第二周壁34と、第二周壁34の上端から突出した天面部35とを備える。トレイ3はさらに、天面部35の外縁から下方に突出した外枠36と、トレイ3の前端部に位置し、前方及び上方に開放された凹段部37を有する。凹段部37は、便座受け33の前縁に連続している。
【0063】
凹部30は、バケツ2の外形状に対応した形状を有する。凹部30は、バケツ本体20が挿入される本体部300と、ハンドル22が挿入される拡張部301とを含む。本体部300と拡張部301とは連通している。凹部30には、バケツ本体20のうち、外筒206よりも下方の部分全体が収容される。バケツ本体20のうち、フランジ205と外筒206は、凹部30よりも上方に配される。
【0064】
拡張部301の上下長さは、ハンドル22の上下長さに対応しており、本体部300に比べて短い。本体部300と拡張部301はそれぞれ、底面を有する。拡張部301の底面は、本体部300の底面よりも上方に位置し、受けた汚水が本体部300に流れ落ちるように傾斜している。
【0065】
凹部30と汚水受け31の境界部分には、凹部30の開口の縁に沿った環状の堰38が上方に突出するように設けられている。
【0066】
汚水受け31は、その外周縁において周方向に距離をあけて位置する複数の隅部310を有する。汚水受け31の上面は、複数の隅部310が、汚水受け31の上面の他の部分よりも低くなるように、全体が傾斜している。複数の隅部310は、汚水受け31の上面の他の部分よりも凹部30からの距離を隔てた部分である。
【0067】
本実施形態では、汚水受け31の外形状は、矩形状であり、汚水受け31は、4つの隅部310を有する。汚水受け31は、拡張部301の後方の部分に、汚水受け31の他の部分よりも一段高く設けられた支持部311を有している。
【0068】
汚水受け31のうち、支持部311を除いた残りの部分において、汚水受け31の上面は、凹部30から離れた部分ほど下方に位置するように一定の角度で傾斜している。4つの隅部310は、汚水受け31の上面のうち、他の部分よりも凹部30からの距離を隔てた部分であるため、他の部分に比べて低くなっている。
【0069】
周壁32は、平面視矩形状である。なお、本明細書において、矩形状とは、全体形状がおよそ矩形状であることを意味し、厳密な意味での矩形の形状に限定されない。周壁32は、汚水受け31の上面から便座受け33の上面への汚水の移動を防ぐ。周壁32は、堰38との間に、第二姿勢または第三姿勢とした取っ手9が収まるように、堰38からの距離が設定されている。
【0070】
便座受け33は、周壁32の上端のうち、その前端部の左右方向の中央部分を除いた残りの部分から、外側に突出している。便座受け33は、平面視略U字状である。便座受け33は、その後端部に後方に拡がった拡張部330を含む。
【0071】
第二周壁34は、便座受け33の外周縁のうち、前端部の左右方向の中央部を除く部分から上方に突出している。第二周壁34は、便座受け33の前端部の左右の端部においては、左右方向内側の部分ほど、上端の高さが低くなるように、上方に突出している。
【0072】
天面部35は、第二周壁34の後端部の上端から後方に突出した後天面部350と、第二周壁34の前端部の上端から前斜め下方に円弧状に突出した前天面部351とを含む。
【0073】
後天面部350は、拡張部330の左右両側において、第二周壁34の後端部の上端から後方に突出している。前天面部351は、凹段部37の左右両側において、第二周壁34の前端部の上端から前斜め下方に突出している。
【0074】
外枠36は、左右一対の後枠360と、左右一対の前枠361とを含む。左右一対の後枠360は、左右の後天面部350の後縁と左右方向外側の縁から、平面視L字状に下方に突出している。左右一対の前枠361は、左右の前天面部351の左右方向外側の縁から、平面視一直線状に下方に突出している。左右一対の後枠360と左右一対の前枠361は、第二周壁34の左右の端部を介して、前後に連続している。左右一対の後枠360は、第二周壁34の後端部を介して、左右に連続している。
【0075】
凹段部37は、周壁32の前縁と、その左右に位置する便座受け33の前縁から下方に突出した後壁370と、後壁370の下端部から前方に延長された底壁371とを含む。後壁370の上端は、正面視一直線状であり、便座受け33の上面と同じ上下位置である。底壁371は、正面視において下方に凸の円弧状である。底壁371は、左右の端部が左右の前天面部351の上面と滑らかに連続している。左右の前天面部351のそれぞれは、底壁371の上面と連続するように湾曲した円弧面352を含んでいる。
【0076】
凹段部37は、図1に示すように、左右方向において、便座10の孔100よりも外側まで拡がるように形成されている。
【0077】
トレイ3は、トイレ本体4のトレイ受け44(図3参照)上に載せることで、トイレ本体4に装着される。トレイ3は、便座受け33の左右の端部が、左右の支持部材43上に載せられ、凹段部37が、前板40の凹み400上に載せられる。トレイ3は、トイレ本体4に対して着脱可能である。
【0078】
トレイ3には、図15に示すように、バケツ2が凹部30に装着される。バケツ2の第二姿勢の取っ手9は、把持部93が支持部311上に載せられ、一対の中間部95及び一対の取付部94のそれぞれと、汚水受け31の上面との間には、隙間が形成される。一対の中間部95から突出するリブ構造91と、これに対向する位置にある周壁32の一部(周壁32のうち後側の隅部310の上方の部分)との間には、手の指先を挿入可能なスペースが形成される。利用者は、このスペースに指先を挿入し、取っ手9のリブ構造91(突条片910)に指先を引っ掛けることで、取っ手9を簡単に持ち上げることができる。
【0079】
図16に示すように、凹部30にバケツ2を装着した状態では、外筒206は、その下端が汚水受け31の上面に当たる。堰38は、バケツ2のバケツ本体20の上部分203の上端部と外筒206の間に収まる。
【0080】
また、トレイ3には、図1に示すように、便座10が装着される。便座10は、トレイ3の便座受け33によって支持され、このとき、便座10の前端部の下方には、トレイ3の凹段部37が位置する。便座10は、凹段部37に指を入れることで、便座10の前端部を持ち上げることができる。本実施形態では、凹段部37は、便座10の孔100よりも左右方向の外側に拡がっているため、便座10の前端部のうち、孔100の前方の汚れやすい部分ではなく、孔100よりも左右方向外側の部分を持ち上げることが可能である。
【0081】
(2−6)便座
図1図18A図18Bに示すように、便座10は、上下方向に貫通する孔100を中央部に有する。便座10の下面には、複数のスペーサー101が設けられている。便座10は、複数のスペーサー101を介して便座受け33に載せられる。
【0082】
便座10は、孔100よりも前側の部分の下面に、汚水の前方への飛び出しを抑える汚水止め部材102を着脱可能に有する。汚水止め部材102は、本実施形態では、便座10の下面のうち、孔100の前縁部分に取り付けられる。
【0083】
便座10は、表面(上面及び下面)がクッション材で覆われている。汚水止め部材102は、樹脂成型品である。汚水止め部材102は、平面視円弧状の取付板103と、取付板103の後縁部分から下方に突出した突部104とを含む。突部104は、平面視円弧状であり、取付板103の長手方向に亘っている。
【0084】
便座10が、孔100よりも前側の部分の下面に、汚水止め部材102を有することで、便座10に座って用を足す利用者からの汚水を、汚水止め部材102で受けることができ、汚水が便座10の前方に飛び出すことを抑制することができる。また、汚水止め部材102が便座10に対して着脱可能であるため、汚水止め部材102を便座10から取り外して汚れを落とすことができ、汚水止め部材102の清掃がしやすい。
【0085】
(2−7)肘掛け
ポータブルトイレ1は、図1に示すように、左右方向に互いに離れた一対の肘掛け7を有している。各肘掛け7は、図19に示すように、トイレ本体4の支持板60に固定された台座部62に軸支されており、左右軸周りに回転可能に取り付けられている。一対の肘掛け7は、独立して回転可能に構成されている。
【0086】
各台座部62は、図20に示すように、支持板60の上下方向の中間部分に取り付けられている。台座部62は、支持板60の外側方の面(以下、外側面)に取り付けられる基台プレート63と、支持板60において基台プレート63の反対側の面(以下、内側面)に取り付けられるバックプレート64とを備えている。各台座部62は、一対の支持板60の各々に取り付けられている。
【0087】
基台プレート63は、複数の固着具挿通孔635が設けられた外側固定板部631と、外側固定板部631の前端部及び後端部の各々から支持板60の内側面側に突出する一対の突片634とを備え、水平断面略C字状に形成されている。外側固定板部631は、左右方向に直交する鉛直面からなる主面632と、主面632から左右方向のうちの外側方に突出した回転軸633とを有している。外側固定板部631は、支持板の外側面に沿って配置されることで、主面632は鉛直面に沿った状態となる。回転軸633は、左右方向に延びており、肘掛け7が回転可能に取り付けられている。
【0088】
バックプレート64は、基台プレート63よりも上下方向に長く形成されており、支持板60の内側面側から取り付けられる。バックプレート64は、複数の固着具挿通孔が設けられた内側固定板部641と、内側固定板部641の前端部及び後端部の各々から支持板60の外側面側に突出する一対の突片642とを備え、水平断面略C字状に形成されている。内側固定板部641は、支持板60の内側面に沿って配置される。バックプレート64の突片642は、基台プレート63の突片634と支持板60との間に配置される。
【0089】
台座部62は、バックプレート64を支持板60の内側面側から嵌め込んだ状態で、基台プレート63を支持板60の外側面側から嵌め込み、基台プレート63とバックプレート64とを固着具で締結することで取り付けられる。バックプレート64は、特に図示しないが、複数の固着具挿通孔が上下方向の複数箇所に設けられており、バックプレート64に対する基台プレート63の取付位置が上下方向に変更可能に構成されている。なお、支持板60には、固着具挿通孔635に対応する箇所に、固着具が挿入される貫通孔が設けられている。
【0090】
肘掛け7は、台座部62の回転軸633に支持されている。肘掛け7には軸孔部711が設けられており、軸孔部711に回転軸633が挿入された状態で、回転軸633の長手方向の端部に抜止部材65が固定されることで、肘掛け7が回転軸633に取り付けられる。肘掛け7は、図21に示すように、肘掛け本体部71と、解除操作部(スライドレバー72)と、連動部73と、保持部74とを備えている。
【0091】
肘掛け本体部71は、肘掛け7の主体を構成する部分である。肘掛け本体部71は、角筒状に形成されて連動部73を内部に収容するハウジング部712と、ハウジング部712の上面に固定される肘置き部713と、エンドキャップ部714とを備えている。エンドキャップ部714は、ハウジング部712に連動部73が収容された状態で、ハウジング部712の先端側の開口部712aに取り付けられる。
【0092】
肘掛け本体部71は、台座部62の回転軸633に取り付けられると、図19に示すように、長手方向が前後方向に平行な第1の姿勢と、第1の姿勢から回転した位置である第2の姿勢との間で回転可能に構成される。本実施形態の第2の姿勢は、第1の姿勢から肘掛け本体部71が上方に回転した位置にある姿勢であり、より具体的には、肘掛け本体部71の長手方向が上下方向に平行な姿勢である。本実施形態の肘掛け7は、後述のように、肘掛け本体部71が第1の姿勢又は第2の姿勢にあるときに、肘掛け本体部71を台座部62に対して保持させることができる。
【0093】
解除操作部は、台座部62に対して保持された肘掛け本体部71の保持状態を、使用者の操作によって解除することができる部材である。本実施形態の解除操作部は、肘掛け本体部71の長手方向に沿って移動可能に構成されたスライドレバー72により構成される。スライドレバー72は、肘掛け本体部71の先端と回転軸633との間に配置され、さらに、肘掛け本体部71の下部に配置されている。ここで、「肘掛け本体部71の下部」とは、肘掛け本体部71が第1の姿勢にある状態において、上下方向の中央よりも下方の領域をいう。
【0094】
スライドレバー72は、肘掛け本体部71の先端と回転軸633との間に配置されており、より詳しくは、肘掛け本体部71の先端(本実施形態では肘置き部713の先端)と回転軸633との間の中央部721に配置される。ここでいう「中央部721」とは、例えば、肘掛け本体部71の長手方向の長さを3等分したときの中央部分の領域をいう。スライドレバー72は、この肘掛け本体部71の中央部721において、ハウジング部712の下面に取り付けられている。スライドレバー72は、連動部73に連結されており、スライドレバー72の移動に連動して、連動部73を移動させることができる。
【0095】
連動部73は、図21に示すように、肘掛け本体部71の長手方向に沿って延びている。連動部73は、肘掛け本体部71の長手方向の先端側の端部にスライドレバー72が連結され、回転軸633側の端部(基端部)に、保持部74を動作させる作動部731が形成されている。
【0096】
作動部731は、肘掛け本体部71の長手方向に沿って移動することで、保持部74を左右方向に移動させることができる。作動部731の先端面には、作動面732が形成されている。作動面732は、肘掛け本体部71の長手方向の基端側ほど、左右方向のトイレ本体4側に位置するように傾斜している。この作動面732には、保持部74が接触した状態で配置される。また、作動部731には、コイルバネ733からなる付勢体が、取り付けられている。これにより、連動部73は、肘掛け本体部71の長手方向の先端側に付勢されている。
【0097】
保持部74は、連動部73によって動作され、トイレ本体4の支持板60に対して肘掛け本体部71を保持させることができる。保持部74は、作動部731の作動面732に接触する押圧面742を有する保持部本体741と、ロックピン743と、軸部744とを備えている。軸部744には、コイルバネ745からなる付勢体が、同心状に取り付けられている。保持部74は、付勢体によって、常時、ロックピン743がトイレ本体4側(左右方向のうちの内側)に押し込まれるように弾性的に押されている。
【0098】
押圧面742は、作動面732に平行に傾斜する。押圧面742は、図22A,22Bに示すように、作動部731側ほどトイレ本体4とは反対側(左右方向のうちの外側)に位置するように傾斜している。押圧面742は、作動面732に面状に接触するように構成されており、作動部731が保持部本体741側に移動すると、図22Aに示すように、コイルバネ745を押し返しながら(圧縮させながら)、保持部本体741がトイレ本体4とは反対側に移動する。なお、この後、使用者がスライドレバー72を放すと、コイルバネ733,745によって、保持部本体741がトイレ本体4側に移動し、連動部73が肘掛け本体部71の長手方向の先端側に移動する。
【0099】
ロックピン743は、保持部本体741からトイレ本体4側に突出している。ロックピン743は、台座部62の基台プレート63に設けられた孔636に進入・後退可能に構成されている。ロックピン743は、保持部本体741がトイレ本体4側に移動すると、肘掛け本体部71の内側面から突出し、基台プレート63の孔636に進入する。すると、ロックピン743は、肘掛け本体部71をトイレ本体4に対して保持する。
【0100】
一方、ロックピン743は、保持部本体741がトイレ本体4とは反対側に移動すると、図22Bに示すように、肘掛け本体部71の内側面に対して後退して、基台プレート63の孔636から抜けるように構成される。これにより、肘掛け本体部71は、回転軸633周りに回転することができる。
【0101】
このような構成の肘掛け7は、第1の姿勢にあるときと、第2の姿勢にあるときとの両方で、トイレ本体4の支持板60に対して肘掛け本体部71が保持される。つまり、基台プレート63には、図20に示すように、回転軸633とロックピン743との距離を半径とし且つ回転軸633を中心とした仮想円上において、回転軸633に対して上下方向に並ぶ位置と、前方に並ぶ位置とにそれぞれ孔636が形成される。
【0102】
また、本実施形態の肘掛け7は、図21に示すように、保持部固定部材75を有している。保持部固定部材75は、保持部74のロックピン743が後退し、孔636から抜けた状態で、保持部74を固定することができる。保持部固定部材75は、保持部74の軸部744を保持可能な固定孔751を有しており、肘掛け本体部71の外側面にスライド可能に取り付けられている。
【0103】
軸部744は、ロックピン743が後退すると、図23Aに示すように、肘掛け本体部71の外側面から突出する。軸部744には、くびれ部746が形成されている。くびれ部746は、図23Bに示すように、ロックピン743が後退した状態において、肘掛け本体部71の外側面から突出する箇所に設けられている。
【0104】
図23Bに示すように、使用者がスライドレバー72を回転軸633側に移動させると、保持部74がトイレ本体4とは反対側に移動し、肘掛け本体部71の外側面から軸部744が突出する。この状態において、保持部固定部材75を回転軸633側に移動させると、図23Cに示すように、固定孔751の外周部が軸部744のくびれ部746に入り込んで、後退状態のロックピン743を固定することができる。これにより、使用者は、肘掛け7を、回転軸633周りに回転可能な状態とすることができる。
【0105】
(3)変形例
続いて、上述した一実施形態のポータブルトイレ1の変形例について説明する。
【0106】
ポータブルトイレ1のうち、蓋8を除く残りの構成は、上述した構造に限らず、その他の構造であってもよい。
【0107】
グリップ81は、突条部82のみで構成されてもよいし、突条部82と第二の突条部83のみで構成されてもよい。突条部82と第二の突条部83は、繋がらず、互いに距離をおいて位置してもよい。
【0108】
第三の突条部84は、蓋本体80の後縁(詳しくは周壁87の後端部分)から離れて位置してもよい。
【0109】
突条部82は、蓋本体80の前縁(詳しくは周壁87の前端部分)に繋がってもよい。
【0110】
(4)蓋の特徴と効果
上述した一実施形態及びその変形例のポータブルトイレ1から明らかなように、第一の態様の蓋8は、下記の第一の特徴を備える。
【0111】
すなわち、第一の態様の蓋8は、ポータブルトイレ1の便座10の下方に装着される、汚物受け用のバケツ2の上端開口を塞ぐようにバケツ2に着脱可能に取り付けられる蓋8である。第一の態様の蓋8は、バケツ2の上端開口を塞ぐ蓋本体80と、蓋本体80から上方に突出したグリップ81と、を備える。
【0112】
グリップ81は、蓋本体80の中央部と前縁の間に位置し、片手で把持可能に設けられた突条部82を備える。
【0113】
上記の第一の特徴を備える第一の態様の蓋8では、蓋本体80の前側に位置する突条部82を片手で把持して、バケツ2に対して着脱することができる。そのため、第一の態様の蓋8では、ポータブルトイレ1に装着されたバケツ2の上方にある便座10の前部分を少し持ち上げるだけで、バケツ2に対して蓋8を着脱することができる。
【0114】
また、第二の態様の蓋8は、上記の第一の特徴に加えて、下記の第二の特徴を備える。
【0115】
すなわち、第二の態様の蓋8では、グリップ81は、蓋本体80の中央部に位置する第二の突条部83をさらに備える。第二の突条部83は、左右方向に貫通する孔85を含む。
【0116】
上記の第二の特徴を備えることで、第二の態様の蓋8では、第二の突条部83の孔85に指を通して付け外しすることもでき、蓋8の中央部を把持した操作も可能である。
【0117】
また、第三の態様の蓋8は、第二の態様の蓋8の特徴に加えて、下記の第三の特徴を備える。
【0118】
すなわち、第三の態様の蓋8では、グリップ81は、蓋本体80の中央部と後縁の間に位置する第三の突条部84をさらに備える。突条部82と第二の突条部83と第三の突条部84は、一直線状に繋がっている。
【0119】
上記の第三の特徴を備えることで、第三の態様の蓋8では、蓋8の後端部を把持した操作も可能であり、また、突条部82,83,84が一直線状に繋がっていることで、蓋本体80の強度の向上がより図れる。
【0120】
また、第四の態様の蓋8は、第三の態様の蓋8の特徴に加えて、下記の第四の特徴を備える。
【0121】
すなわち、第四の態様の蓋8では、第三の突条部84は、蓋本体80の後縁に繋がっている。
【0122】
上記の第四の特徴を備えることで、第四の態様の蓋8では、蓋本体80の後縁まで第三の突条部84によって強度を高めることができる。
【0123】
(5)補足
一実施形態の蓋8は、蓋本体80が、バケツ2の上端開口を塞ぐ底壁86と、底壁86の外周縁から上方に延長された周壁87と、周壁87の上端から周方向に亘って外側に突出したフランジ88を有する。グリップ81は、底壁86から上方に突出している。
【0124】
そのため、一実施形態の蓋8では、蓋本体80は、1枚の平坦な板状である場合に比べて、強度が確保しやすく、厚みを抑えて軽量化を図ることができ、着脱の作業がしやすい。また、一実施形態の蓋8では、蓋本体80が1枚の平坦な板状である場合に比べて、突条部82の高さを抑えることができる。これにより、一実施形態の蓋8では、蓋8の上方に必要な、突条部82を把持する手を入れるためのスペースを小さくすることができ、便座10の前部分を持ち上げる高さを抑えることができる。また、一実施形態の蓋8では、便座10とバケツ2の間へ蓋8を前方から差し込んでバケツ2に蓋8を取り付ける際に、周壁87の前端部をバケツ2の前縁に当てることで、バケツ2への蓋8の位置決めが簡単に行える。
【0125】
また、一実施形態の蓋8では、グリップ81は、中空構造である。そのため、一実施形態の蓋8では、グリップ81の軽量化が図れ、バケツ2への着脱の作業がしやすい。
【0126】
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0127】
1 ポータブルトイレ
2 バケツ
8 蓋
80 蓋本体
81 グリップ
82 突条部
83 第二の突条部
84 第三の突条部
85 孔
10 便座
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23