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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-201630(P2018-201630A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】区画貫通部の耐火構造
(51)【国際特許分類】
   A62C 3/16 20060101AFI20181130BHJP
   H02G 5/06 20060101ALI20181130BHJP
   E04B 1/94 20060101ALI20181130BHJP
   F16L 7/02 20060101ALI20181130BHJP
   F16L 5/04 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   A62C3/16 B
   H02G5/06 311R
   H02G5/06 311A
   E04B1/94 L
   F16L7/02
   F16L5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-107308(P2017-107308)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生
(74)【代理人】
【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
(74)【代理人】
【識別番号】100127672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 憲治
(72)【発明者】
【氏名】上平 達朗
(72)【発明者】
【氏名】神保 紘史
(72)【発明者】
【氏名】谷口 允健
(72)【発明者】
【氏名】鉦谷 龍二
【テーマコード(参考)】
2E001
5G365
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001DE04
2E001FA06
2E001GA52
2E001GA66
2E001HA01
2E001HF12
5G365AB01
5G365AB04
5G365CA02
5G365CD04
(57)【要約】
【課題】建築物における安全上重要な区画間の貫通部は、いずれかの区画で火災が発生した際に、他の区画への延焼を防止する構造とすることが要求されている。簡単な構造で、確実に延焼を防止できる区画貫通部の耐火構造を得る。
【解決手段】建築物の耐火用仕切り壁14に形成された区画貫通部SPに設けられる開口部NPを貫通し開口部NPの内面に対応して内部に耐火用仕切り壁14の一側から他側に及ぶ連通領域SRを有するバスダクト11と、バスダクト11の内部でその軸線に沿い連通領域SRを通って延在するバスバー12を備え、連通領域SRにおいてバスバー12の外周面とバスダクト11の内周面とを封塞し耐火用仕切り壁14の一側から他側への連通を阻止する難燃材または不燃材からなる樹脂成型物の仕切り20で構成される封塞部材FSを設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の仕切り壁に形成された開口部を貫通し前記開口部の内面に対応して前記仕切り壁の一側から他側に及ぶ連通領域を内部に有する筒状貫通部材と、前記筒状貫通部材の内部で前記筒状貫通部材の軸線に沿い前記連通領域を通って延在する内在伸延部材を備え、前記連通領域において前記内在伸延部材の外周面と前記筒状貫通部材の内周面との間を封塞し前記仕切り壁の一側から他側への連通を阻止する仕切りを設けたことを特徴とする区画貫通部の耐火構造。
【請求項2】
前記仕切りは、仕切り固定金具によって前記筒状貫通部材に固定されたことを特徴とする請求項1に記載の区画貫通部の耐火構造。
【請求項3】
前記筒状貫通部材をバスダクトで構成し、前記内在伸延部材としてバスバーを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の区画貫通部の耐火構造。
【請求項4】
前記筒状貫通部材の剛性を向上させる補強具を、前記仕切り壁の一側面および他側面の少なくとも一方に対応して前記筒状貫通部材の外周面および内周面の少なくとも一方に設けたことを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の区画貫通部の耐火構造。
【請求項5】
前記筒状貫通部材の外周面に耐火用熱膨張性部材を設置し、前記仕切り壁に固定された固定具と前記筒状貫通部材の外周面との間で前記耐火用熱膨張性部材を圧接挟持したことを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の区画貫通部の耐火構造。
【請求項6】
前記筒状貫通部材の外周に耐火用シートを設置し、前記耐火用シートの一端部を前記筒状貫通部材に固定するとともに、前記耐火用シートの他端部を前記仕切り壁の側面に固定したことを特徴とする請求項1から請求項5までの何れかに記載の区画貫通部の耐火構造。
【請求項7】
前記筒状貫通部材の剛性を向上させる補強具を、前記筒状貫通部材の内周面に設けたことを特徴とする請求項1から請求項6までの何れかに記載の区画貫通部の耐火構造。
【請求項8】
前記筒状貫通部材の剛性を向上させる補強具を、前記封塞部材の取付具と兼用させたことを特徴とする請求項1から請求項7までの何れかに記載の区画貫通部の耐火構造。
【請求項9】
前記仕切り壁に固定され前記筒状貫通部材の外周面との間で前記耐火用熱膨張性部材を圧接挟持する固定具に前記筒状貫通部材の外周面に接合する補強部を設け、前記熱膨張性部材の固定具を、前記筒状貫通部材の剛性を向上させる補強具としたことを特徴とする請求項5に記載の区画貫通部の耐火構造。
【請求項10】
前記耐火用シートの一端部を前記筒状貫通部材に固定する固定具に前記筒状貫通部材の外周面に接合する補強部を設け、前記耐火用シートの固定具を、前記筒状貫通部材の剛性を向上させる補強具としたことを特徴とする請求項6に記載の区画貫通部の耐火構造。
【請求項11】
前記筒状貫通部材に内在する連通領域を点検するためのフランジ構造の点検口を設けたことを特徴とする請求項1から請求項10までの何れかに記載の区画貫通部の耐火構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発変電施設やビル・工場などの建築物の仕切り部に形成された貫通部材を有する区画貫通部の耐火構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の区画貫通部の内、安全上重要な区画間の貫通部は、いずれかの区画で火災が発生した際に、他の区画への延焼を防止する構造とすることが要求されている。
区画貫通部の貫通部材としては、帯状導体を金属筐体で囲んだ長尺の構造物であるバスダクトを含め、ケーブル、配管、電線等がある。
【0003】
安全上重要な区画貫通部のバスダクトは、耐火壁に設けた開口部を貫通しており、耐火壁とバスダクトとの間の隙間をモルタル等によって埋めた構造となっている。片側の区画で火災が発生した際の延焼プロセスとして、バスダクト内部を通り道として炎が区画を貫通する場合と、バスダクトが熱変形し、耐火壁との間に生じた隙間を通って炎が区画を貫通する場合とがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3824358号公報(図3参照)
【特許文献2】特開2016−10184号公報(図1図3図13参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、その図3に示されるように、建築物の区画を貫通するバスダクトの外周面に熱膨張性部材を設置し、更にその熱膨張性部材表面に、高温ガスを遮断するゴム成分を含有するシール層を密着させることで、バスダクト外周の熱変形により耐火壁とバスダクト間に生じた隙間を熱膨張性部材が追従して埋めることで区画間の熱の伝達を防止することが可能な延焼防止装置が提案されている。
しかし、原子力に関する新規制基準の制定により、従来の2時間耐火を超える、3時間の耐火性能が要求されており、バスダクトの到達温度が上昇し、熱変形量が増大する可能性がある。この場合、熱膨張性部材のみでの追従が困難である。
【0006】
特許文献2では、その図1および図3に示されるように、耐火壁を貫通する矩形状バスダクトの外周面に補強金具を取り付けて剛性を高め、補強金具内部に熱膨張性部材を設置することで、熱変形によって生じた、バスダクトとモルタル間の隙間を埋める延焼防止装置が提案されている。
しかし、バスダクト外周面に取り付ける補強金具は剛性を高めるため、一定以上の板厚、外形で製作する必要があり、バスダクト周囲に配管等が近接している場合に取り付け不可能となる。
【0007】
また、特許文献2では、その図13に示されるように、耐火壁を貫通するバスダクトの外周面に耐火用シートおよび耐火用シート固定金具、結束バンドを取り付け、耐火用シートの内部に熱膨張性部材を設置することで、熱変形によって生じた隙間を埋めた上で、耐火用シートによってバスダクトを覆うことで延焼を防止する構造が提案されているが、バスダクト全周に耐火用シートを取り付ける作業の施工性が悪く、また、耐火用シートによってバスダクトの通風孔および点検口を覆ってしまう場合があり、換気性能およびメンテナンス性悪化のリスクがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による区画貫通部の耐火構造は、建築物の仕切り壁に形成された開口部を貫通し前記開口部の内面に対応して前記仕切り壁の一側から他側に及ぶ連通領域を内部に有する筒状貫通部材と、前記筒状貫通部材の内部で前記筒状貫通部材の軸線に沿い前記連通領域を通って延在する内在伸延部材を備え、前記連通領域において前記内在伸延部材の外周面と前記筒状貫通部材の内周面との間を封塞し前記仕切り壁の一側から他側への連通を阻止する封塞部材を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、建築物の仕切り壁を貫通し内在伸延部材を設けた筒状貫通部材の内部における連通領域が封塞されるため、火災発生区画側から非火災発生区画側への筒状貫通部材の内部における炎や熱の移動が制限され、温度上昇が低減される。このことにより、非火災発生区画側における筒状貫通部材の熱変形量が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明による実施の形態1における区画貫通部の耐火構造に係る構成を示す断面図である。
図2】この発明による実施の形態2における区画貫通部の耐火構造に係る構成を示す断面図である。
図3】この発明による実施の形態3における区画貫通部の耐火構造に係る構成を示す断面図であり、図3(a)は貫通部の構造を示す側断面図、図3(b)は熱膨張性部材23の取り付け部を示す拡大図である。
図4】この発明による実施の形態4における区画貫通部の耐火構造に係る構成を示す断面図であり、図4(a)は貫通部の構造を示す側断面図、図4(b)は耐火用シート17の取り付け部を示す拡大図である。
図5】この発明による実施の形態5における区画貫通部の耐火構造に係る構成を示す断面図であり、図5(a)は貫通部の構造を示す側断面図、図5(b)は熱膨張性部材23の取り付け部を示す拡大図である。
図6】この発明による実施の形態6における区画貫通部の耐火構造に係る構成を示す断面図であり、図6(a)は貫通部の構造を示す側断面図、図6(b)は熱膨張性部材23の取り付け部を拡大して示す図である。
図7】この発明による実施の形態7における区画貫通部の耐火構造に係る構成を示す断面図であり、図7(a)は貫通部の構造を示す側断面図、図7(b)は点検口22の構造を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、この発明による実施の形態1に係る区画貫通部の耐火構造について、図1を参照して説明する。図1は区画貫通部の構成を示す断面図である。
図1は発変電施設やビル・工場などの建築物の区画間に配設された耐火壁(仕切り壁)14の開口部NPを貫通し区画貫通部SPを構成している角筒状のバスダクト11からなる筒状貫通部材を示している。このバスダクト11の中にはバスダクト11の軸線に沿って内在伸延部材としてのブスバー12が配置されている。バスダクト11の外周面は開口部NPの内周面を形成するモルタル層16と接合し、バスダクト11の内部には、耐火用厚さ寸法STを有する耐火壁14の一側面14Aから他側面14Bに及ぶ範囲に対応し、開口部NPの内周面を形成するモルタル層16とバスダクト11が接する範囲内において、連通領域SRが形成され、ブスバー12からなる内在伸延部材は連通領域SRを通り延在する。ブスバー12は銅製の帯状導体で構成され、バスダクト11は帯状導体からなるブスバー12を接地電位に保持された金属製筺体からなる導電性外被部材で囲んだ長尺の構造物として構成されている。ブスバー12はバスダクト11の導電性外被部材から電気的に絶縁されてバスダクト11の軸線部分において機械的に支持される。
そして、連通領域SRの領域内であり耐火壁14の開口部NPに形成されたモルタル層16とバスダクト11が接する範囲内において、難燃材または不燃材からなる樹脂積層成形物で構成される四角形状パネル部材を形成する仕切り20を取り付けて、四方枠状の仕切り固定金具21で固定する。仕切り20と仕切り固定金具21で構成される封塞部材FSはバスダクト11の軸線と直交方向に延在し、バスダクト11の内部で連通領域SRを封塞してバスダクト11の内部における軸線方向の炎や熱の移動を規制する。バスバー12からなる内在伸延部材は仕切り20と仕切り固定金具21からなる封塞部材FSを構成する四角形状パネル部材を形成する仕切り20の中央部を仕切り20の延在方向と直交して貫通し、この貫通部分におけるバスバー12の外周面と仕切り20の内周面との間は密封処理される。仕切り20と仕切り固定金具21からなる封塞部材FSが火災発生区画側のバスダクト11から非火災発生区画側のバスダクト11への炎や熱の移動を制限し、温度上昇が低減され、バスダクト11外周の熱変形量が抑えられる。このことにより、バスダクト11とモルタル層16間の隙間発生およびバスダクト11内からの炎の噴出を防ぎ、区画間の延焼を防止できる。
また、バスダクト11外周に大きなスペースを必要としない構造とすることで、バスダクト11の周囲条件に左右されず、加えて換気性能およびメンテナンス性悪化のリスクなしで耐火性能の向上が可能となる。
【0012】
図1で取り付けた、仕切り20および仕切り固定金具21で構成される封塞部材FSは、どちらの区画で火災が発生した場合でも同等の効果を発揮するために耐火壁14中央に配置することが望ましいが、これらの設置位置および個数に制限はなく、仕切り自身のメンテナンスが不可能とならない範囲で位置を変更し、個数を増やせば、さらに耐火性能を向上させることが可能となる。
【0013】
この発明による実施の形態1における区画貫通部の耐火構造は、建築物の耐火用仕切り壁14に形成された区画貫通部STに設けられる開口部NPを貫通し前記開口部の内面に対応して前記耐火用仕切り壁14の一側面14Aから他側面14Bへの連通領域SRを内部に有する金属筺体で構成された長尺の構造物である角筒状のバスダクト11からなる筒状貫通部材と、前記筒状貫通部材に内在し前記筒状貫通部材の軸線に沿い前記連通領域SRを通って前記筒状貫通部材の内部で延在する帯状導体で構成されるバスバー12からなる線状の内在伸延部材を備え、前記連通領域SRにおいてバスバー12からなる前記内在伸延部材とバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の内周面とを封塞し前記耐火用仕切り壁14の一側から他側への連通を阻止する難燃材または不燃材からなる樹脂成型物の四角形状パネル部材を形成する仕切り20と四方枠状の仕切り固定金具21で構成される封塞部材FSを設けたことを特徴とする。
すなわち、建築物の耐火用仕切り壁14に形成された区画貫通部に設けられる開口部NPを貫通するバスダクト11からなる筒状貫通部材の内部に、前記耐火用仕切り壁14に対応する範囲内において、前記筒状貫通部材の長手方向で仕切る難燃材または不燃材からなる仕切り20と仕切り固定金具21を設置したことを特徴とする。
この構成により、建築物の仕切り壁に形成された区画貫通部SPに設けられバスバー12からなる内在伸延部材を内在するバスダクト11からなる筒状貫通部材の内部における連通領域SRが封塞されるため、火災発生区画側のバスダクト11からなる筒状貫通部材から非火災発生区画側の筒状貫通部材への炎や熱の移動が制限され、温度上昇が低減される。このことにより、非火災発生区画側のバスダクト外周の熱変形量が抑えられるものである。
【0014】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2に係る区画貫通部の耐火構造について、図2を参照して説明する。図2は区画貫通部の構成を示す断面図である。
図2は区画貫通部SPにおいて区画間の耐火壁14を貫通しているバスダクト11を示している。角筒状のバスダクト11に鉄製で枠状の補強金具15を取り付け、さらに、耐火壁14内に樹脂積層成形物の仕切り20を取り付けて、枠状の仕切り固定金具21により固定する。仕切り20および仕切り固定金具21によって構成される封塞部材FSによりバスダクト11の温度上昇が抑えられ、更に、補強金具15によりバスダクト11の剛性が向上し、バスダクト11の熱変形量が大幅に抑えられるため、区画間の延焼を防止できる。尚、仕切り固定金具21は補強金具を兼ねても良い。
バスダクト11の外周面には、耐火壁14の側面14A,14Bにそれぞれ対応して四方枠状の補強金具15が耐火壁14の側面14A,14Bの延在方向に沿って設けられる。四方枠状の補強金具15の内周面はバスダクト11の外周面に補強可能に嵌め込まれて接合され、補強金具15の周縁端部に設けられたフランジ部15fはモルタル層16が設けられた耐火壁14の側面14A,14Bにそれぞれ固定される。
バスダクト11の内周面には、耐火壁14の側面14A,14Bにそれぞれ対応して四方枠状の補強金具15が耐火壁14の側面14A,14Bの延在方向に沿って設けられる。四方枠状の補強金具15の外周面はバスダクト11の内周面に補強可能に嵌め込まれて接合され、補強金具15の周縁端部に設けられたフランジ部15fはモルタル層16が設けられた耐火壁14の側面14A,14Bにそれぞれ固定される。
【0015】
図2に示す実施の形態2では、補強金具15を両区画、バスダクト11の内外に取り付けているが、両区画の両側または片側のいずれかに取り付けても良く、また、バスダクト11の内外両方またはいずれかに取り付けても良い。
【0016】
この発明による実施の形態2における区画貫通部の耐火構造は、前述した実施の形態1における構成において、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材の剛性を向上させるものであって、角筒状のバスダクト11の外周面における上下両面および両側面からなる外面四周領域または内周面における上下両面および両側面からなる内面四周領域に嵌め込まれて補強可能に接合し前記筒状貫通部材の延在方向と直交して延在する四方枠状の補強金具15を、前記仕切り壁14の一側面14Aおよび他側面14Bの少なくとも一方に対応してバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の内周面および外周面の少なくとも一方に設けたことを特徴とする。
この構成により、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材の剛性を、強化必要個所である前記仕切り壁14の一側面14Aまたは他側面14Bとの対応部分において補強し、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材を機械的損傷から保護して機能遂行を確保することができる。
【0017】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3に係る区画貫通部の耐火構造について、図3を参照して説明する。図3(a)は区画貫通部の構成を示す側断面図、図3(b)は熱膨張性部材23の取り付け部を示す拡大図である。
この実施の形態3では、区画貫通部SPにおいて耐火壁14の開口部NPを貫通するバスダクト11の内部における連通領域SRに仕切り20を有する封塞部材FSを取り付け、バスダクト11の外周面に、角筒状のバスダクト11の外周面における上下両面および両側面からなる外面四周領域に嵌め込まれる形で、ゴム製で不燃性または難燃性であって四方枠状に形成された熱膨張性部材23を四方枠状の熱膨張性部材固定金具24で取り付ける。熱膨張性部材固定金具24の一端縁部にはフランジ部24fが設けられ熱膨張性部材固定金具24は耐火壁14の側面14A,14Bへフランジ部24fにより固定される。熱膨張性部材固定金具24の他端縁部には熱膨張性部材23のバスダクト11延在方向への移動を耐火壁14の側面14A,14Bとの間で規制する係止部24sが設けられている。熱膨張性部材23の外周面は熱膨張性部材固定金具24の主要部を構成する環状主枠部24aに圧着され、熱膨張性部材23の内周面はバスダクト11の外周面に圧着される。火災の発生による温度上昇があった場合には、熱膨張性部材23は膨張し、温度上昇によるバスダクト11の変形にも的確に対応して、バスダクト11の外周とモルタル層16が形成された仕切り壁14の開口部NPとの間の隙間発生を未然に防ぐことができる。
仕切り20および仕切り固定金具21によって構成される封塞部材FSにより、バスダクト11の温度上昇が低減されるため、バスダクト11外周の熱変形が大幅に低減されることに加え、変形により発生した、バスダクト11とモルタル層16間のわずかな隙間を熱膨張性部材23が埋めるため、区画間の延焼をより確実に防止できるものである。
【0018】
この発明による実施の形態3における区画貫通部の耐火構造は、実施の形態1または実施の形態2での構成において、角筒状のバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の外周面に四方枠状で不燃性または難燃性の耐火用熱膨張性部材23を熱膨張性部材固定金具24で取り付けて設置したことを特徴とする。熱膨張性部材固定金具24からなる固定具は四方枠状を形成しその一端周縁部に耐火壁14の側面14Aまたは14Bへ熱膨張性部材固定金具24が固定されるフランジ部24fを有し、枠状部内周面を環状熱膨張性部材23の外周面に圧着しバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の外周面との間で圧接挟持する。四方枠状の耐火用熱膨張性部材23は、角筒状のバスダクト11の外周面における上下両面および両側面からなる外面四周領域に嵌め込まれ、その内周面をバスダクト11の外周面に圧着されるものである。
この構成により、耐火壁14の側面へ固定される熱膨張性部材固定金具24からなる固定具の枠状部内周面で圧着されバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の外周面との間で圧接挟持される枠状耐火用熱膨張性部材23によって、耐火壁14の側面14A,14Bとバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の外周面とが熱膨張性部材23における熱膨張作用により封止されるため、区画間の延焼をより確実に防止できるものである。
【0019】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4に係る区画貫通部の耐火構造について、図4を参照して説明する。図4(a)は区画貫通部の構成を示す側断面図、図4(b)は耐火用シート17の取り付け部を示す拡大図である。
この実施の形態4では、区画貫通部SPにおいて耐火壁14の開口部NPを貫通するバスダクト11の内部における連通領域SRに仕切り20および仕切り固定金具21によって構成される封塞部材FSを取り付け、バスダクト11の外周面にシリカ繊維等からなる枠状耐火用シート17を、固定金具18a,18bからなる耐火用シート固定金具18で取り付ける。枠状耐火用シート17の一端縁部は固定金具18aによりバスダクト11の外周面に固定される。枠状耐火用シート17の他端縁部にはフランジ部17fが設けられ、フランジ部17fが固定金具18bによって仕切り壁14の側面14Aに固着されることによって、枠状耐火用シート17の他端縁部が固定される。
仕切り20および仕切り固定金具21によって構成される封塞部材FSにより、バスダクト11の温度上昇が低減されるため、バスダクト11外周の熱変形が大幅に低減されることに加え、変形により発生した、バスダクト11とモルタル層16間のわずかな隙間を耐火用シート17が隠すため、区画間の延焼をより確実に防止できる。
【0020】
この発明による実施の形態4における区画貫通部の耐火構造は、前述した実施の形態1から実施の形態3までの何れかの構成において、角筒状のバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の外周面に、バスダクト11外周面における上下両面および両側面からなる外面四周領域に嵌め込まれこれを覆う形で、四方枠状の耐火用シート17を設置し、前記枠状耐火用シート17の周縁端部の一方が対をなす固定金具18からなる固定具の一方の固定金具18aによりバスダクト11からなる前記筒状貫通部材に固定されるとともに、前記枠状耐火用シート17の周縁端部の他方に設けられたフランジ部17fを他方の固定金具18fにより前記仕切り壁14の側面14Aまたは14Bに固定されるようにしたことを特徴とする。
この構成により、枠状耐火用シート17によって区画間の延焼をより確実に防止できるものである。
【0021】
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5に係る区画貫通部の耐火構造について、図5を参照して説明する。図5(a)は区画貫通部の構成を示す側断面図、図5(b)は熱膨張性部材23の取り付け部を示す拡大図である。
この実施の形態5では、実施の形態3および実施の形態4における構成に加え、バスダクト11の内周面に補強金具15を取り付けることで、バスダクト11の剛性がさらに向上するため、熱変形量が低減され、耐火性能が向上する。補強金具は、仕切り固定金具21を兼ねても良く、図5は仕切り固定金具21を補強金具とした場合を示している。
また、同様に実施の形態4における構成に加え、バスダクト11に補強金具15を取り付けるようにしても良い。
【0022】
この発明による実施の形態5における区画貫通部の耐火構造は、前述した実施の形態3または実施の形態4における構成において、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材の剛性を向上させるものであって、角筒状のバスダクト11の内周面における上下両面および両側面からなる内面四周領域に嵌め込まれて補強可能に接合し前記筒状貫通部材の延在方向と直交して延在する四方枠状の補強金具15を、前記耐火用仕切り壁14の一側面14Aおよび他側面14Bの少なくとも一方に対応して、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材の内周面に設けたことを特徴とする。
また、補強金具15からなる補強具は、仕切り20を有する封塞部材を固定する仕切り固定金具21を兼ねても良い。補強金具15の本来の機能を奏するとともに、補強金具15により仕切り固定金具21の機能を奏するようにすることができる。
この構成により、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材の補強機能をより確実に行うことができる。また、補強金具15を仕切り固定金具21と兼用させる場合には、仕切り20と仕切り固定金具21で構成される封塞部材による封塞機能とバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の補強機能とを簡潔な構成で確実に行うことができる。
【0023】
実施の形態6.
以下、この発明の実施の形態6に係る区画貫通部の耐火構造について、図6を参照して説明する。図6(a)は区画貫通部の構成を示す側断面図、図6(b)は熱膨張性部材23の取り付け部を拡大して示す図である。
この実施の形態6では、実施の形態3における構成に加え、熱膨張性部材23の四方枠状固定金具24をバスダクト11からなる筒状貫通部材に対する補強金具とした場合を示している。図5に示した実施の形態5のように補強金具15を用いなくとも、バスダクト11の剛性がさらに向上するため、熱変形量が低減され、耐火性能を向上することができる。
また、同様に実施の形態4における構成に加え、耐火用シート17の固定金具18aを補強金具としても良い。
【0024】
この発明による実施の形態6における区画貫通部の耐火構造は、前述した実施の形態3における構成において、四方枠状熱膨張性部材23の四方枠状固定金具24からなる固定具の一端周縁部に耐火壁14の側面14Aまたは14Bへ固定されるフランジ部24fを設けるとともに、四方枠状固定金具24の他端周縁部にバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の外周面に接合しバスダクト11を補強する四方枠状補強部24rを設け、熱膨張性部材23の固定金具24を、前記貫通部材の剛性を向上させる補強金具としたことを特徴とする。
この構成により、熱膨張性部材23の固定とともに、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材の補強機能を簡潔な構成で的確に行うことができる。
【0025】
この発明による実施の形態6における区画貫通部の耐火構造は、前述した実施の形態4における構成において、前記耐火用シート17の一端部をバスダクト11からなる前記筒状貫通部材に固定する四方枠状の固定金具18aからなる固定具にバスダクト11からなる前記筒状貫通部材の外周面に接合する補強部を設け、前記耐火用シート17の固定具18aを、前記貫通部材の剛性を向上させる補強具としたことを特徴とする。
この構成により、耐火用シート17の固定とともに、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材の補強機能を簡潔な構成で的確に行うことができる。
【0026】
実施の形態7.
以下、この発明の実施の形態7に係る区画貫通部の耐火構造について、図7を参照して説明する。図7(a)は区画貫通部の構成を示す側断面図、図7(b)は点検口22の構造を概略的に示す断面図である。
実施の形態1から実施の形態6までの構成に加え、耐火壁14近傍にフランジ構造の点検口22を設けることで、点検口22がバスダクト11長手方向に対するリブと同様の効果を発揮し、バスダクト11の剛性がさらに向上する。従って、バスダクト11外周の熱変形量が低減され、耐火性能がより向上する。
点検口22は、バスダクト11の外周部分を構成する接地電位にある金属製筺体からなる角筒状導電性外被部材UCを貫通して形成された点検用開口部NTの開口周縁に設けられた点検用フランジ部22fと、点検用フランジ部22fに着脱自在に設けられ点検用開口部NTを開閉可能に閉塞する点検用蓋体22aとにより構成される。
【0027】
この発明による実施の形態7における区画貫通部の耐火構造は、前述した実施の形態1から実施の形態6までの何れかの構成において、前記仕切り壁端部近傍にバスダクト11からなる前記筒状貫通部材内部の連通領域SRを点検するためのフランジ構造の点検口22を設けたことを特徴とする。
この構成により、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材における内部の所要点検作業を容易に行えるとともに、バスダクト11からなる前記筒状貫通部材の剛性を強化することができる。
【0028】
なお、上記では封塞部材FSを1つ設ける構成を説明したが、これに限られるものではなく、封塞部材FSを2つ以上設けても良い。この場合、火災発生区画側のバスダクト11からなる筒状貫通部材から非火災発生区画側の筒状貫通部材への炎や熱の移動がより制限することが出来る。更に、封塞部材FSが複数あることにより、それによるバスダクト11の補強が行え、補強金具15を無くすことが可能となり、現地での据付作業が無くなり費用削減に繋がる。
また、封塞部材FSを設ける位置は、耐火壁14の一側面14Aから他側面14Bのほぼ中央部で説明しているが、これに限られるものではなく、耐火壁14の一側面14Aから他側面14Bの間であればどこに設けても良い。これにより、封塞部材FSが耐火壁14の一側面14A又は他側面14Bに近づくので、耐火壁14が厚い場合でも、メンテナンスが可能となる。更に、耐火壁14が厚く無くても、封塞部材FSが耐火壁14の側面に近づくので、メンテナンスが行い易い。更に、仕切りの遮断性能が高い場合、加熱側に寄せることで、より非加熱側の温度上昇を低減することが可能で耐火性が向上する。
【符号の説明】
【0029】
11:バスダクト(筒状貫通部材)
12:ブスバー(内在伸延部材)
14:耐火壁(仕切り壁)
15:補強金具(補強具)
16:モルタル層
17:耐火用シート
18:耐火用シート固定金具(固定具)
20:仕切り(封塞部材)
21:仕切り固定金具(封塞部材)
22:点検口
23:熱膨張性部材
24:熱膨張性部材固定金具(固定具)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7