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特開2018-201694生体センサおよび生体センサを用いた測定方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-201694(P2018-201694A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】生体センサおよび生体センサを用いた測定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0408 20060101AFI20181130BHJP
   A61B 5/0478 20060101ALI20181130BHJP
   A61B 5/0488 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   A61B5/04 300M
   A61B5/04 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-108425(P2017-108425)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】澤田 享
(72)【発明者】
【氏名】冨田 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】大前 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】平野 浩一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 俊哉
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA04
4C127CC01
4C127JJ03
4C127KK01
4C127LL13
(57)【要約】
【課題】着心地がよく、かつ、微弱な生体信号を安定的に検出することができる生体センサおよび生体センサを用いた測定方法を提供する。
【解決手段】生体センサ100aは、可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有し、生体の所定部位の全周以上に巻付け可能な帯状のベース基材1と、ベース基材1の生体側の主面上に設けられ、生体の生体信号を検出する少なくとも1つの検出電極2と、ベース基材1の生体側の主面上の検出電極2とは異なる位置に設けられた少なくとも1つのグランド電極3と、を備え、ベース基材1を生体の所定部位の全周以上に巻付けたときにグランド電極3が検出電極2を覆うようにグランド電極3がベース基材1上に設けられている。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有し、生体の所定部位の全周以上に巻付け可能な帯状のベース基材と、
前記ベース基材の前記生体側の主面上に設けられ、前記生体の生体信号を検出する少なくとも1つの検出電極と、
前記ベース基材の前記主面上の前記検出電極とは異なる位置に設けられた少なくとも1つのグランド電極と、
を備え、
前記ベース基材を前記生体の前記所定部位の全周以上に巻付けたときに前記グランド電極が前記検出電極を覆うように前記グランド電極が前記ベース基材上に設けられている、
生体センサ。
【請求項2】
前記検出電極に接続された配線を備え、当該配線は前記ベース基材の前記主面上に設けられている、
請求項1に記載の生体センサ。
【請求項3】
前記ベース基材を前記生体の前記所定部位の全周以上に巻付けたときに前記検出電極に接続された前記配線を覆う前記グランド電極の位置に開口が設けられている、
請求項2に記載の生体センサ。
【請求項4】
前記グランド電極は、前記主面の平面視において、前記検出電極および前記検出電極に接続された前記配線が設けられた領域を囲むように前記ベース基材上の領域に設けられている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の生体センサ。
【請求項5】
前記ベース基材上に設けられ、かつ前記検出電極が検出した生体信号を増幅する増幅回路を有する信号処理回路ユニットを備え、当該信号処理回路ユニットが前記検出電極と電気的に接続されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の生体センサ。
【請求項6】
前記増幅回路のグランド端子は、前記グランド電極と電気的に接続されている、
請求項5に記載の生体センサ。
【請求項7】
前記ベース基材の前記主面上の前記検出電極および前記グランド電極とは異なる位置に設けられたアンテナパターンを備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の生体センサ。
【請求項8】
前記ベース基材は繊維布で構成される、
請求項1から7のいずれか1項に記載の生体センサ。
【請求項9】
前記ベース基材は樹脂材で構成される、
請求項1から7のいずれか1項に記載の生体センサ。
【請求項10】
前記ベース基材は通気性を有する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の生体センサ。
【請求項11】
可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有し、生体の所定部位の全周以上に巻付け可能な帯状のベース基材と、前記ベース基材の前記生体側の主面上に設けられ、前記生体の生体信号を検出する少なくとも1つの検出電極と、前記ベース基材の前記主面上の前記検出電極とは異なる位置に設けられた少なくとも1つのグランド電極と、を備える、生体センサを準備し、
前記生体の前記所定部位の全周以上に巻付けたときに前記グランド電極が前記検出電極を覆うように前記生体センサを巻付け、
前記検出電極で検出された前記生体信号を測定する、
生体センサを用いた測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体センサおよび生体センサを用いた生体信号の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心電図、脳波、および筋電などの生体情報は非常に微弱であるため、生体情報センシングでは、外来ノイズおよび体動の影響を除去することが重要である。例えば、特許文献1は、筋電位計測用電極を導電性シートの内側面、すなわち、人体に接する側の面に配置しており、その導電性シートが人体を一巡して筒状に筋電位計測用電極を覆う筋電位計測装置を開示している。
【0003】
また、誰でも容易に装着でき、繰り返し使用可能な生体センサが求められている。例えば、特許文献2は、筋電位検出電極と増幅回路とを同軸ケーブルで接続し、かつ該同軸ケーブルの外部導体をボディアース配線とした表面筋電位センサを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−000223号公報
【特許文献2】特開2010−264174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、着心地がよく、かつ、微弱な生体信号を安定的に検出することができる生体センサおよび生体センサを用いた測定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る生体センサは、可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有し、生体の所定部位の全周以上に巻付け可能な帯状のベース基材と、ベース基材の生体側の主面上に設けられ、生体の生体信号を検出する少なくとも1つの検出電極と、ベース基材の生体側の主面上の検出電極とは異なる位置に設けられた少なくとも1つのグランド電極と、を備え、ベース基材を生体の所定部位の全周以上に巻付けたときにグランド電極が検出電極を覆うようにグランド電極がベース基材上に設けられている。
【0007】
また、本開示の一態様に係る生体センサを用いた測定方法は、可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有し、生体の所定部位の全周以上に巻付け可能な帯状のベース基材と、ベース基材の生体側の主面上に設けられ、生体の生体信号を検出する少なくとも1つの検出電極と、ベース基材の生体側の主面上の検出電極とは異なる位置に設けられた少なくとも1つのグランド電極と、を備える、生体センサを準備し、生体の所定部位の全周以上に巻付けたときにグランド電極が検出電極を覆うように生体センサを巻付け、検出電極で検出された生体信号を測定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、着心地がよく、かつ、微弱な生体信号を安定的に検出することができる生体センサおよび生体センサを用いた測定方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1Aは、実施の形態1に係る生体センサを模式的に示した斜視図である。
図1B図1Bは、実施の形態1に係る生体センサを生体に装着する様子を模式的に示した斜視図である。
図1C図1Cは、図1BのIC−IC線における概略断面図である。
図1D図1Dは、実施の形態1に係る生体センサを生体に装着した場合における図1Cの概略断面図の一部を拡大した図である。
図2図2は、実施の形態1に係る生体センサの使用例を説明する図である。
図3図3は、実施の形態2に係る生体センサを模式的に示した斜視図である。
図4図4は、実施の形態2に係る生体センサの使用例を説明する図である。
図5A図5Aは、実施の形態3に係る生体センサを模式的に示した平面図である。
図5B図5Bは、図5AのVB−VB線における概略断面図である。
図5C図5Cは、実施の形態3に係る生体センサを生体に装着した場合に、検出部を生体側から見た図である。
図5D図5Dは、図5CのVD−VD線における概略断面図である。
図5E図5Eは、実施の形態3に係る生体センサに信号処理回路部を取り付けた場合のVD−VD線における概略断面図である。
図6A図6Aは、実施の形態4に係る生体センサを模式的に示した平面図である。
図6B図6Bは、図6AのVIB−VIB線における概略断面図である。
図6C図6Cは、実施の形態4に係る生体センサを生体に装着した場合に、検出部を生体側から見た図である。
図6D図6Dは、図6CのVID−VID線における概略断面図である。
図7A図7Aは、実施の形態5に係る生体センサを模式的に示した平面図である。
図7B図7Bは、図7Aの生体センサを生体に巻付けるときの、図7AのVIIB−VIIB線における概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至った知見)
従来より医療の現場において、心電図、脳波、および筋電などの生体のバイタル情報を取得する生体センサが、病気や健康状態の診断に用いられてきた。しかし、上記生体センサは、医療機器としてシステム化されたものであり、日常のモニタリングに使用できるものでは無かった。
【0011】
しかしながら、近年、生体センサのウエアラブル機器への搭載が進み、日常の活動中でもウエアラブル機器を身体に取り付けてバイタル情報を取得できるようになっている。これに伴い、日常のヘルスケア、フィットネスおよびスポーツでの活動をモニタリングする用途、アクチュエーターが搭載されたパワードスーツ、義手または義足にHMI(Human Machine Interface)として活用するなど、新たなニーズが生じ、それらのニーズに対するサービスの提案がなされている。
【0012】
上述した特許文献1に記載の構成では、導電性シートと筋電位計測用電極とが同一平面上に配置されておらず、導電性シートの内側、つまり、人体に接する側の面に筋電位計測用電極が配置されている。そのため、導電性シートと筋電位計測用電極との間に複数の絶縁層を介在させなければならない。さらに、筋電位計測用電極から導電性シートの外側、つまり、人体と接する側と反対側に配線を引き回す構成が要求される。筋電位計測用電極から導電性シートの外側まで配線を引き回すには、絶縁層、貫通孔、および接続配線などが必要となり、層構成が複雑になる。その結果、筋電位計測装置は、導電性シートが柔軟性および伸縮性を有していても、装置全体としての柔軟性および伸縮性を確保できず、生体の伸縮や体動に対する追従性が悪くなる。このため、柔軟性および着心地を損なうだけでなく、体動に伴う生体表面と電極とのずれによるノイズが発生し、伸縮時の接続信頼性が悪くなるという課題を有している。また、導電性シートには筋電位計測用電極から導電性シートの外側に向かう貫通孔が存在するため、筋電位計測用電極に与える外来ノイズの影響を完全に取り除くことは難しい。
【0013】
上記の観点から、本発明者らは鋭意検討し、本開示の生体センサを想到するに至った。以下にこの知見について説明する。
【0014】
脳波、心電、および筋電などの生体のバイタル情報は非常に微弱である。したがって、生体電極から生体信号を検出する過程で発生するノイズ源を可能な限り除去することが必要となる。中でも、ウエア型の生体センサなどのウエアラブルの生体センシングデバイスにおいては、従来の生体センサのような据え置き型の医療機器とは異なり、簡単に脱ぎ着でき、締め付け感が少なく、着心地などを損なわない簡易な構成にする必要がある。さらに、ウエアラブルの生体センシングデバイスは、簡易な構成において、高精度な生体センサを実現する必要がある。このように、利便性を考慮して脱着および構成の簡易化を優先するほど、特に電磁波ノイズなどの外来ノイズの影響を低減する対策を施すことが難しくなる。
【0015】
また、微弱な生体信号を検出するには、ハムノイズなど外来ノイズの除去が極めて重要である。そのため、従来より、外来ノイズを除去する方法として、検出電極とは別に生体を回路の基準電位(GND:グランド)として接地する電極を用意する生体アース法が行われている。しかしながら、この方法のみでは外来ノイズを完全に除去することは難しく、特に、ウエア型のような簡易な構造においては、検出電極および配線等を含むデバイス全体に対して外来ノイズの影響を簡易に遮断する構造が必要である。
【0016】
その他、ウエアラブルの生体センシングデバイスを着用することによって起こりうるノイズ、例えば、生体表面の伸縮および体動による生体表面と電極とのずれにより生じるノイズ(以下、「電極ノイズ」と称する。)、および生体デバイスと衣服との擦れにより生じる静電気等のノイズの影響も無視できなくなる。特に、着心地を重視してウエア型の生体センサにドライ電極を用いる場合(以下、「乾式方式」と称する。)は、生体表面と電極との密着性に課題があるため、生体表面の伸縮および体動によって生体表面と電極とのずれおよび密着不良による電極ノイズの影響が顕著に発現する。
【0017】
従来、安定して生体の電位を取得するために、生体電極には、導電性のゲル剤を浸したパッド状のいわゆるウェット電極を用いる(以下、「湿式方式」と称する。)ことによって、生体表面との電気的な接続を確保していた。しかしながら、湿式方式は、生体表面にウェット電極を直接貼り、電極に浸含される導電性のゲル剤などで生体表面との電気的な接続を取る手法であるため、ゲル剤または粘着剤が生体表面に直接触れて感触が悪い。また、ウェット電極を生体表面に長期間接触させると、肌荒れ、または、かぶれなどのトラブルが起こる。
【0018】
また、湿式方式は、スポーツなど発汗を伴う活動においては、電極の周辺に汗が溜まり、ゲル剤の膨張または流出が起こる。そのため、装着感の悪化のみならず、電極成分の剥離、または、電極と生体表面との密着性の低下による生体信号の検出感度の低下も起こる。
【0019】
以上より、湿式方式は、長時間の装着には向いていると言い難い。安定的な計測を優先する医療などの用途とは異なり、一般消費者がウエアラブルの生体センシングデバイスを日常的に装着するような場合では、締め付け感などの装着時の着心地の悪さ、肌トラブルが生じるために、長時間の測定が困難であることが重要な課題となる。
【0020】
一方、導電性繊維などをドライ電極として用いる乾式方式では、肌トラブルは改善されるが、生体表面に密着して確実に生体表面と電極との電気的な接続を確保することが難しい。そこで、例えばウエアとセンサとが一体になったスポーツウエアタイプなどの生体センサでは、いわゆるコンプレッションウエアと呼ばれる拘束力のあるウエアを用いることで、特にドライ電極が配置された部分の拘束力を高めて電極と生体表面との密着を行っている。このようなウエアタイプの生体センサの場合、電極と生体表面との密着を確保して生体信号を安定的に取得するためには、ウエアが生体表面を締め付ける圧力、つまり、ウエアと生体表面との接触圧を可能な限り大きくした方がよい。しかしながら、この場合、ウエア全体の圧力を高める必要があるため、使用者が拘束感を感じるなどの不快感を与え、着心地を損なうというデメリットがある。また、それに伴い、身体を動かしにくい、または生体表面とウエアとの擦れが著しく起こるなどのデメリットも生じる。また、ウエアとセンサとが一体となっているため、体動が激しい箇所の伸縮に追従してウエア全体が動いてしまうため、生体表面と電極とのずれおよび密着不足などの影響も受けやすい。
【0021】
以上から、ウエアタイプの生体センサにおいて微弱な生体信号を高感度に検出する構造を検討するに当たり、簡易な構成によって脱着の容易性および着心地を確保すると同時に、電磁波ノイズなどの外来ノイズ、ならびに、生体表面の伸縮および体動による電極ノイズを除去することが重要となる。
【0022】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本開示の生体センサを見出すに至った。本開示の生体センサは、以下に説明するように、簡易な構成であり、生体の所定部位に巻付けて装着するだけで外来ノイズを除去することができる。また、簡易な構成ゆえにデバイス全体の伸縮性を保持することができる。そのため、本開示の生体センサは、生体表面の形状および伸縮、ならびに、体動に対する追従性を有することができる。これにより、生体表面と検出電極との電気的な接続を安定的に確保することができるため、電極ノイズを除去することができる。また、本開示の生体センサは、上記追従性を有することにより、着心地を損なうことなく、微弱な生体信号を安定的に高感度に検出できることを見出した。
【0023】
本開示は、着心地がよく、かつ、微弱な生体信号を安定的に検出することができる生体センサおよび生体センサを用いた測定方法を提供する。
【0024】
本開示の一態様に係る生体センサは、可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有し、生体の所定部位の全周以上に巻付け可能な帯状のベース基材と、ベース基材の生体側の主面上に設けられ、生体の生体信号を検出する少なくとも1つの検出電極と、ベース基材の生体側の主面上の検出電極とは異なる位置に設けられた少なくとも1つのグランド電極と、を備え、ベース基材を生体の所定部位の全周以上に巻付けたときにグランド電極が検出電極を覆うようにグランド電極がベース基材上に設けられている。
【0025】
これにより、生体センサは、グランド電極が検出電極を覆うため、生体表面から微弱信号を検出する際に、外来ノイズの影響を低減することができる。そのため、生体センサは、微弱な生体信号を安定的に検出することができる。また、生体センサは、検出電極およびグランド電極が同一面上に設けられるため、複雑な多層構造を有しない。そのため、生体センサは柔軟性を損なわれず、着心地が良い。
【0026】
例えば、本開示の一態様に係る生体センサは、検出電極に接続された配線を備え、当該配線はベース基材の生体側の主面上に設けられていてもよい。
【0027】
これにより、配線を介して信号処理回路を電気的に接続することが可能となる。
【0028】
例えば、本開示の一態様に係る生体センサは、ベース基材を生体の所定部位の全周以上に巻付けたときに検出電極に接続された配線を覆うグランド電極の位置に開口が設けられている。
【0029】
これにより、検出電極に接続される信号処理回路を開口に置くことができる。
【0030】
例えば、本開示の一態様に係る生体センサでは、グランド電極は、主面の平面視において、検出電極および検出電極に接続された配線が設けられた領域を囲むようにベース基材上の領域に設けられていてもよい。
【0031】
これにより、外来ノイズの影響をさらに低減することができる。
【0032】
例えば、本開示の一態様に係る生体センサは、ベース基材上に設けられ、かつ検出電極が検出した生体信号を増幅する増幅回路を有する信号処理回路ユニットを備え、当該信号処理回路ユニットが検出電極と電気的に接続されていてもよい。
【0033】
これにより、外来ノイズに強い増幅後の信号が得られる。
【0034】
例えば、本開示の一態様に係る生体センサでは、増幅回路のグランド端子は、グランド電極と電気的に接続されていてもよい。
【0035】
これにより、増幅後の信号は、グランド電極の電位を基準とした信号が得られる。
【0036】
例えば、本開示の一態様に係る生体センサは、ベース基材の生体側の主面上の検出電極およびグランド電極とは異なる位置に設けられたアンテナパターンを備えてもよい。
【0037】
このように、アンテナパターンを有することにより、通信回路を設ければ、得られた生体信号を外部の端末に無線送信することができる。そのため、生体センサを外部の端末に接続する配線等が不要となり、利便性が向上する。また、アンテナパターンがベース基材の生体側の主面上に設けられるため、摩擦等によりアンテナパターンが損傷することを抑制することができる。
【0038】
例えば、本開示の一態様に係る生体センサでは、ベース基材は繊維布で構成されてもよい。
【0039】
これにより、生体センサは、可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有することができ、生体表面の複雑な形状および体動による生体表面の変形に追従することができる。
【0040】
例えば、本開示の一態様に係る生体センサでは、ベース基材は樹脂材で構成されてもよい。
【0041】
これにより、生体センサは、可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有することができ、生体表面の複雑な形状および体動による生体表面の変形に追従することができる。
【0042】
例えば、本開示の一態様に係る生体センサでは、ベース基材は通気性を有してもよい。
【0043】
これにより、装着時の蒸れ等を緩和することができ、生体センサの着用感、すなわち、着心地が向上する。
【0044】
また、本開示の一態様に係る生体センサを用いた測定方法は、可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有し、生体の所定部位の全周以上に巻付け可能な帯状のベース基材と、ベース基材の生体側の主面上に設けられ、生体の生体信号を検出する少なくとも1つの検出電極と、ベース基材の生体側の主面上の検出電極とは異なる位置に設けられた少なくとも1つのグランド電極と、を備える、生体センサを準備し、生体の所定部位の全周以上に巻付けたときにグランド電極が検出電極を覆うように生体センサを巻付け、検出電極で検出された生体信号を測定する。
【0045】
これにより、着心地よく、かつ、微弱な生体信号を安定的に検出することができる。
【0046】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0047】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
【0048】
また、図面に示す各種の要素は、本開示の理解のために模式的に示したにすぎず、寸法比および外観などは実物と異なり得る。
【0049】
なお、以下、検出電極およびグランド電極を合わせて「電極」と称する。
【0050】
(実施の形態1)
以下、本開示の実施の形態1に係る生体センサおよび生体センサを用いた測定方法について図1A図2を用いて説明する。図1Aは、実施の形態1に係る生体センサ100aを模式的に示した斜視図である。図1Bは、実施の形態1に係る生体センサ100aを生体に装着する様子を模式的に示した斜視図である。図1Cは、図1BのIC−IC線における概略断面図である。図1Dは、図1Cの概略断面図の一部を拡大した図である。図2は、実施の形態1に係る生体センサの使用例を説明する図である。
【0051】
[生体センサ]
図1Aに示すように、実施の形態1に係る生体センサ100aは、生体の所定部位の全周以上に巻付け可能な帯状のベース基材1と、ベース基材1の生体側の主面上に設けられ、生体の生体信号を検出する少なくとも1つの検出電極2と、ベース基材1の主面上の検出電極2とは異なる位置に設けられた少なくとも1つのグランド電極3と、を備える。
【0052】
なお、本開示に係る生体センサでは、ベース基材1は、可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有する。可撓性と伸縮性の両方を有してもよい。本実施の形態では、ベース基材1は、可撓性および伸縮性を有している。具体的な材料については、後述する。
【0053】
また、図1Bに示すように、本実施の形態に係る生体センサ100aでは、ベース基材1を生体の所定部位の全周以上に巻付けたときにグランド電極3が検出電極2を覆うように、グランド電極3がベース基材1上に設けられている。より具体的には、図1Cに示すように、生体センサ100aを生体の所定部位に全周以上巻付けたときに、グランド電極3が検出電極2の生体側と反対側を覆うように、ベース基材1上にグランド電極3が設けられている。
【0054】
図1Dは、生体センサ100aを生体の所定部位の全周以上に巻付けたときの生体センサ100aの部分断面図である。図1Dに示すように、検出電極2およびグランド電極3は、ベース基材1の同一面上に設けられ、生体の表面と接している。グランド電極3は、生体の所定部位を一周し、検出電極2の生体側の面と反対側から検出電極2を覆っている。このように、グランド電極3が検出電極2を外側から覆うことにより、外来ノイズを遮断することができる。つまり、検出電極2を覆う部分のグランド電極3がシールド層の役割を果たす。そのため、本実施の形態に係る生体センサ100aは、上記構成を有することにより、微弱な生体信号を安定的に検出することができる。
【0055】
本実施の形態では、上述のように、ベース基材1は、可撓性および伸縮性を有している。ベース基材1が可撓性を有することにより、生体センサ100aは可撓性を有する。さらに、ベース基材1が伸縮性を有することにより、生体センサ100aは、生体表面の形状に沿いやすくなり、生体の動きに対して追従しやすくなるため、生体表面と検出電極2との接続信頼性を向上させることができる。
【0056】
また、ベース基材1の伸縮方向は、ベース基材1の平面における二次元方向であってもよく、さらにベース基材1に対して垂直方向を含む三次元方向であってもよい。
【0057】
このように、ベース基材1が可撓性と伸縮性を有することによって、生体センサ100aを巻付ける生体の所定部位が三次元的に複雑な形状であっても、生体センサ100aは生体表面の形状に沿って密着することができる。また、生体センサ100aは、生体の動きによって伸縮が起こる生体表面の特定の箇所に追従して伸縮することができる。そのため、生体センサ100aを装着する所定部位の形状および動きに関わらず、生体表面と、ベース基材1の生体側の主面上に設けられた検出電極2およびグランド電極3との密着性を保持することができる。これにより、電極の位置ずれ、および、電極と生体表面との密着不良によるノイズの発生を抑制することができる。また、生体センサ100aは、上述のようにベース基材1が可撓性と伸縮性を有することにより、生体に対して拘束力を与えず、良好な着心地を確保することもできる。これにより、生体センサ100aを比較的長い時間快適に装着することができ、安定的に生体信号を検出することができる。
【0058】
また、ベース基材1の材料は、ベース基材1に可撓性および伸縮性の少なくとも一方を付与するものであれば特に限定されない。例えば、繊維布であってもよく、樹脂材であってもよい。これにより、生体センサは、生体表面の複雑な形状および体動による生体表面の変形に追従することができる。
【0059】
繊維布としては、例えば、不織布、織物、および編物等が挙げられる。なお、ベース基材の材料には、これらの繊維布にエラストマーを含侵した材料を用いてもよい。
【0060】
また、樹脂材としては、例えば、エラストマー材料およびゴム材料等が挙げられる。これらの樹脂材は単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0061】
なお、ベース基材の材料は、検出電極2、グランド電極3、および配線(図1A図1Dには不図示)に用いられるエラストマー材料またはゴム材料であってもよい。但し、その場合、ベース基材1は導電性を有しておらず絶縁層として機能する。
【0062】
また、ベース基材1は通気性を有してもよい。これにより、装着時の蒸れ等を緩和することができ、生体センサ100aの着用感、すなわち、着心地が向上する。
【0063】
図1Bに示すように、生体センサ100aは生体の所定部位の全周以上に巻付けることができる長さを有しており、ベース基材1の生体表面と接する面上に検出電極2およびグランド電極3が配置されている。グランド電極3は、検出電極2と絶縁されており、離間した箇所に配置されている。
【0064】
検出電極2は1つ以上あればよいが、差動信号として情報を取得する場合は、検出電極2が2つあってもよい。このとき、検出電極2が配置されている領域を検出部20としている。
【0065】
検出電極2は、直列状、またはアレイ状に配置されていてもよい。例えば、生体センサ100aを生体に巻付ける方向と同じ方向に複数の検出電極2を直列状または二次元アレイ状に配列することによって、生体の所定部位、例えば、生体センサ100aを巻付けた腕または脚等の特定の部位の全周に亘る生体信号を取得することができる。また、生体センサ100aを生体に巻付けたときに、生体に対して垂直に接するように検出電極2を配列することによって、生体信号の伝播を測定することができる。このように測定点を多点化することによって、「巻付ける」という簡便な装着方法であっても、複数の生体センシング情報を取得することができる。さらに、このようにして取得された複数の生体センシング情報を用いて、より高精度で複雑な解析が可能になる。例えば、筋電を多点で測定することによって、より広範囲な測定により三次元的なデータ解析を行うことができる。これにより、生体深部の情報を高精度に取得することができ、筋電の伝播速度などを三次元的に、かつ、経時的に解析することができる。これらの情報を用いれば、筋肉活動のバランス、緊張度、および疲労度などを推定することが可能となる。
【0066】
なお、図示していないが、本実施の形態に係る生体センサ100aは、検出電極2から信号を取り出すための配線を有している。
【0067】
グランド電極3は、例えば、図1A図1Dに示すように、ベース基材1の生体表面と接する側の検出電極2を除いた全面を覆うように配置されているが、シールド部30を構成し、かつ、生体表面に接地できるように、ベース基材1上に配置されていればよい。このように、グランド電極3が生体表面に接することによって、グランド電極3の電位は、生体表面の電位と同電位になる。以下、この電位を生体グランドという。
【0068】
また、グランド電極3は、検出電極2および配線(不図示)を除いたベース基材1の主面の全面に配置されることによって、生体表面に接地する面積を大きく確保することができる。さらに、グランド電極3は、生体の所定部位の全周を覆うことによってグランド電極3から検出される生体信号を全周に亘って平均化できるため、検出電極2から目的の生体信号以外のノイズをキャンセルすることが可能となる。
【0069】
また、グランド電極3のパターン形状は、上述のようにシールド部30を構成し、かつ、生体表面と接地できれば特に限定されない。例えば、図1Aに示すように、ベタ状に形成されてもよく、メッシュ状、格子状、樹枝状、櫛状、放射状、渦巻き状、波形状等に形成されていてもよい。なお、これらの形状を組み合わせてもよい。
【0070】
また、例えば、グランド電極3のパターン形状をミアンダ形状にしてもよい。グランド電極3のパターン形状によって、グランド電極3がベース基材1の可撓性および伸縮性の少なくとも一方による変形に追従するようにグランド電極3を形成してもよい。これにより、生体センサ100aは、可撓性および伸縮性の少なくとも一方を有することが可能となる。さらに、同一方向に蛇行したミアンダ形状のグランド電極3をベース基材1に対して同一方向に多数配置することにより、生体センサ100aの可撓性および伸縮性の少なくとも一方に異方性を付与することも可能となる。
【0071】
また、上記のように、グランド電極3を隙間のあるパターン形状に形成することによって、隙間のないパターン形状で形成された場合に比べ、通気性および透湿性を向上させることも可能となる。これにより、生体センサ100aの着心地が向上する。
【0072】
図1Dに示すように、本実施の形態に係る生体センサ100aは、生体センサ100aを生体の所定部位に装着したとき、生体の所定部位の全周以上に亘って巻付けられる。このとき、グランド電極3は検出電極2、つまり、検出電極2が配置された検出部20を覆うため、グランド電極3のうち検出部20を覆う一部のグランド電極3がシールド層の役割を果たす。このように、シールド層の役割を果たす一部のグランド電極3を含む生体センサ100aの所定領域をシールド部30という。
【0073】
グランド電極3は、生体センサ100aを生体の所定部位の全周以上に亘って巻付けたとき、生体表面と接するため、生体表面の電位と同電位になる。そのため、シールド部30に対応するグランド電極3も生体グランドと同電位である。これにより、シールド部30に対応するグランド電極3は、外界からの電磁波ノイズなど(以下、単に、「外来ノイズ」と称する。)を十分に抑制できる程度に遮断することができる。また、シールド部30が、検出部20の直上外周部を全面的に覆った構造となるため、より高い遮蔽効果を得ることができる。したがって、本実施の形態に係る生体センサ100aは、シールド部30を有することにより、生体表面から微弱信号を検出する際に、外来ノイズの影響を低減することが可能となる。
【0074】
以上のように、本実施の形態に係る生体センサ100aでは、検出電極2およびグランド電極3は同一面上に配置されており、生体センサ100aを生体の所定部位に装着したときに、生体グランドと共通電位を持つシールド部30が検出部20を覆うように構成されている。つまり、生体センサ100aは、生体側から順に、検出電極2、ベース基材1、グランド電極3、ベース基材1が積層された構成を有する。生体センサ100aを生体の所定部位に巻付けるだけで上述した構成を簡単に実現できる。そのため、生体センサ100aでは、通常、電極を多層化する際に必要である絶縁層、および、電極間を電気的に接続するために絶縁層を貫通する導電部材などの構成が無くても十分に機能を発揮する。
【0075】
このように、生体センサ100aは、複雑な多層構成を必要としないため、柔軟性を損なうことがない。そのため、生体が動いたとき(以下、「体動」と称する。)、および生体表面の立体的な形状に追従することができ、生体表面と電極との密着性を保つことが可能となる。従って、体動による生体表面と電極とのずれおよび密着不良による、いわゆる体動ノイズを低減することができる。また、生体センサ100aは、柔軟性を有するため、着心地を損なうこともない。また、絶縁層を貫通する導電部材などの複雑な構成は、生体センサ100aが体動および生体表面の形状に追従して伸縮した際に応力が集中して断線などの接続不良を起こす原因となる。しかしながら、本実施の形態に係る生体センサ100aは、通常、電極の多層化の際に必要な複雑な構成が無くても十分に機能を発揮するため、絶縁層を貫通する導電部材などの接続不良の原因となる構造を有しない。そのため、生体センサ100aは、多層化された電極を有する生体センサに比べ、長期的な接続安定性を得ることができる。
【0076】
このように、本実施の形態に係る生体センサ100aは、生体に巻付けるという簡便な装着方法により、外来ノイズおよび体動ノイズの影響を低減することができる。また、生体センサ100aは複雑な構成を有しないため、体動および生体表面の形状に追従する柔軟性を有する。そのため、生体センサ100aは、断線などの接続不良を生じにくい。また、生体センサ100aは柔軟性を有するため、着心地が良く、比較的長時間に亘る装着が可能である。
【0077】
なお、本実施の形態に係る生体センサ100aを生体に巻付けて固定する手段は、望ましい任意の位置で固定できる方法であれば特に限定されない。例えば、対向する面同士が接触して固定可能なマジックテープ(登録商標)等の面ファスナー、スナップボタン、ベルトなどの固定部材を使用してもよい。
【0078】
また、生体センサ100aでは、ベース基材1は生体の所定部位の全周以上に巻付け可能な十分な長さを有する。そのため、生体の所定部位の大きさ、例えば、腕または脚の太さ、に個体差があっても、所定部位の大きさに合わせて生体センサ100aを装着することができる。また、装着時の締め付け具合を調整することによって、生体表面への接触圧を調節することができるため、着心地よく着用できる。さらに、生体表面と電極との密着性も保持可能である。
【0079】
[生体センサを用いた測定方法]
本実施の形態に係る生体センサ100aは、例えば、図2に示すように、生体の所定部位(ここでは、大腿部)の全周以上巻付けて使用される。この例においては、運動中の筋電を測定している。
【0080】
本実施の形態に係る生体センサを用いた測定方法は、上述した生体センサ100aを準備し、生体の所定部位の全周以上に巻付けたときにグランド電極3が検出電極2を覆うように生体センサ100aを巻付け、検出電極2で検出された生体信号を測定する。
【0081】
これにより、着心地よく、かつ、微弱な生体信号を安定的に検出することができる。
【0082】
(実施の形態2)
以下、本開示の実施の形態2に係る生体センサおよび生体センサを用いた測定方法について図3および図4を用いて説明する。図3は、実施の形態2に係る生体センサ100bを模式的に示した斜視図である。図4は、実施の形態2に係る生体センサ100bの使用例を説明する図である。なお、実施の形態1に係る生体センサ100aの構成、および生体センサ100aを用いた測定方法と重複する内容については、ここでは説明を省略する。
【0083】
[生体センサ]
本実施の形態に係る生体センサ100bは、実施の形態1に係る生体センサ100aの構成の他に、さらに配線4および信号処理回路ユニット40を備える。
【0084】
図3に示すように、本実施の形態に係る生体センサ100bは、生体信号を増幅する増幅回路を有する信号処理回路ユニット40を備えており、検出電極2と信号処理回路ユニット40とが配線4によって接続されている。グランド電極3は、検出電極2および配線4と絶縁されるように同一面上に形成される。また、グランド電極3は、信号処理回路ユニット40の増幅回路のグランド端子と配線4によって導通する。なお、図示はしないが、配線4は、生体表面と絶縁するように、生体側の表面に絶縁層を有する。
【0085】
本実施の形態に係る生体センサ100bは、生体センサ100bを生体の所定部位に巻付け装着したときに、実施の形態1と同様に、生体グランドと共通電位を持つシールド部30(図1Dを参照)が、検出電極2、配線4、および信号処理回路ユニット40が配置された領域の直上外周部を覆うように構成されている。そのため、本実施の形態に係る生体センサ100bでは、検出電極2のみならず配線4に対しても外来ノイズの影響を除去することが可能である。
【0086】
なお、信号処理回路ユニット40は、生体信号を増幅する増幅回路の他に、ある特定の周波数をカットするフィルタ、取得した電位信号などをA/D(アナログ/デジタル)変換するAD変換回路、パソコンなどの外部の端末に信号を伝送する通信回路などを備えていてもよい。
【0087】
無線信号によって信号を伝送する場合には、生体センサ100bを生体に巻付け装着したときに、シールド部が配置される領域において信号処理回路ユニット40に対応する部分に開口を有してもよい。また、信号処理回路ユニット40は、取り付け、または、取り外しが可能であってもよく、例えば、スナップボタンを電極として利用してもよい。
【0088】
また、配線等により外部の端末に信号を伝送する場合には、開口を有する必要はなく、ベース基材1上に設けられた信号処理回路ユニット40と外部の端末とを電気的に接続する配線プラグを生体センサ100bの任意の箇所に設けてもよい。
【0089】
なお、図示を省略するが、検出電極2およびグランド電極3の他に、参照電極(リファレンス電極)を検出電極2およびグランド電極3と絶縁された領域に配置し、参照電極と信号処理回路ユニット40とを配線で接続してもよい。
【0090】
[生体センサを用いた測定方法]
本実施の形態に係る生体センサ100bを用いた測定方法は、例えば、実施の形態1に係る生体センサ100aの場合と同様、生体センサ100bを大腿部に巻付けて、筋電を測定する。なお、生体センサ100bは生体の任意の部位に巻付けて装着されてもよいが、図4では、生体センサ100bを大腿部に巻付けて使用する例を示している。
【0091】
本実施の形態に係る生体センサ100bは、配線4および信号処理回路ユニット40を有する。ここで、信号処理回路ユニット40は、増幅回路、AD変換回路および通信回路を備えている。そのため、本実施の形態に係る生体センサ100bを用いた測定方法では、検出部20から生体信号を取得した後、配線4および信号処理回路ユニット40を経由して、外部の端末、例えば、タブレット端末などに生体信号のデータが送信される。
【0092】
(実施の形態3)
以下、本開示の実施の形態3に係る生体センサおよび生体センサを用いた測定方法について説明する。
【0093】
図5Aは、実施の形態3に係る生体センサ100cを模式的に示した平面図である。図5Bは、図5AのVB−VB線における概略断面図である。図5Cは、実施の形態3に係る生体センサ100cを生体に装着した場合に、検出部20を生体側から見た図である。図5Cでは、シールド部30に対応する領域にハッチングを施している。図5Dは、図5CのVD−VD線における概略断面図である。図5Dは、図5Cに示す生体センサ100cのシールド部30が上方となるように見たときの概略断面図である。図5Eは、実施の形態3に係る生体センサ100cに信号処理回路ユニット40を取り付けた場合のVD−VD線における概略断面図である。
【0094】
なお、実施の形態1および2に係る生体センサ100aおよび100bの構成、ならびに生体センサ100aおよび100bを用いた測定方法と重複する内容については、ここでは説明を省略する。
【0095】
[生体センサ]
図5Aおよび図5Bに示すように、本実施の形態に係る生体センサ100cでは、グランド電極3は、検出電極2および検出電極2に接続された配線4が設けられた領域を除いたベース基材1の主面の全面を覆うように配置される。このとき、検出電極2および配線4は、グランド電極3と絶縁されるように配置される。また、図5Cおよび図5Dに示すように、生体センサ100cでは、ベース基材1を生体の所定部位の全周以上に巻付けたときに検出電極2に接続された配線4を覆うグランド電極3の箇所、すなわち、シールド部30の箇所に開口5が設けられている。このとき、検出電極2に接続する配線4に対応するベース基材1には、配線4に沿って複数の貫通孔6を形成してもよい。これらの貫通孔6は中空であってもよく、貫通孔6に導電材料が充填されていてもよい。また、貫通孔6の開口5側に金属製のスナップボタン(不図示)を配置してもよい。さらに、図5Eに示すように、生体センサ100cを生体に装着し、開口5内に信号処理回路ユニット40が配置されてもよい。このとき、信号処理回路ユニット40は、金属製のスナップボタンを介して開口5内に固定され、貫通孔6を介して検出電極2と電気的に導通することができる。また、信号処理回路ユニット40では、増幅回路のグランド端子はグランド電極3と電気的に接続されている。
【0096】
スナップボタンは、ぐらつきがないようにベース基材1に固定してもよい。スナップボタンは、電気抵抗が低く、機械的強度を有した金属、例えば、ステンレスで構成してもよい。このとき、柔軟性および着心地の観点から、スナップボタンの厚みは薄い方がよい。さらに、生体表面と検出電極2との密着性を確保する観点から、スナップボタンは検出部20から離間して配置されてもよい。これにより、検出部20における生体表面への接触圧の低減の影響を無視することができる。なお、実施の形態1にて上述したように、本実施の形態においても、生体センサ100cは、装着時の締め付け具合を調節することによって、生体表面への接触圧を調節することができる。
【0097】
また、配線4の長さは任意であるが、ノイズの影響を低減する観点から、長くない方がよい。例えば、本実施の形態に係る生体センサ100cでは、配線4に対応するベース基材1に貫通孔6および金属製のスナップボタン(不図示)を配置するため、スナップボタンが検出部20の領域の接触圧に影響を与えない程度の長さに配線4を形成してもよい。なお、配線4については、上述したとおり、生体側の表面に絶縁層を有する。
【0098】
[生体センサを用いた測定方法]
本実施の形態に係る生体センサ100cを用いた測定方法は、例えば、実施の形態1に係る生体センサ100aの場合と同様、生体センサ100cを大腿部に巻付けて、筋電を測定する。なお、生体センサ100cは生体の任意の部位に巻付けて装着されてもよい。
【0099】
本実施の形態に係る生体センサ100cでは、生体センサ100cを生体に装着した後、開口5に信号処理回路ユニット40を取り付ける。ここで、信号処理回路ユニット40は、増幅回路、AD変換回路および通信回路を備えている。そのため、本実施の形態に係る生体センサ100cを用いた測定方法では、検出部20から生体信号を取得した後、配線4および信号処理回路ユニット40を経由して、外部の端末、例えば、タブレット端末などに生体信号のデータが送信される。さらに、生体センサ100cでは、信号処理回路ユニット40は表示部を備えてもよい。表示部には、取得した生体信号が表示される。これにより、使用者は、取得した生体信号を表示部で確認することができる。
【0100】
(実施の形態4)
以下、本開示の実施の形態4に係る生体センサおよび生体センサを用いた測定方法について説明する。
【0101】
図6Aは、実施の形態4に係る生体センサ100dを模式的に示した平面図である。図6Bは、図6AのVIB−VIB線における概略断面図である。図6Cは、実施の形態4に係る生体センサ100dを生体に装着した場合に、検出部20を生体側から見た図である。図6Cでは、シールド部30に対応する領域にハッチングを施している。図6Dは、図6CのVID−VID線における概略断面図である。図6Dは、図6Cに示す生体センサ100dのシールド部30が上方となるように見たときの概略断面図である。
【0102】
なお、実施の形態1〜3に係る生体センサ100a〜100cの構成、および生体センサ100a〜100cを用いた測定方法と重複する内容については、ここでは説明を省略する。
【0103】
[生体センサ]
図6Aに示すように、実施の形態4に係る生体センサ100dでは、検出電極2に接続された配線4は、生体センサ100dの巻付け方向、つまり、長尺方向に対して垂直方向に延伸して形成されてもよい。また、図6Bに示すように、生体センサ100dでは、グランド電極3は、実施の形態1と同様にシールド部30(図1Dを参照)を構成し、かつ、生体表面に接地できるように、ベース基材1上に配置されていればよい。つまり、グランド電極3は、シールド部30を構成する領域(以下、「シールド領域」と称する場合がある。)以外に、生体表面の一部分に接する領域(以下、「グランド領域」と称する場合がある。)を有していればよい。例えば、グランド領域は、検出電極2と同程度の面積であってもよい。この場合、グランド領域を含むグランド電極3aと、シールド領域を含むグランド電極3bとを配線4で接続してもよい。これにより、シールド領域を含むグランド電極3bは、生体に接地されたグランド領域を含むグランド電極3aと同電位になる。
【0104】
また、図6Cおよび図6Dに示すように、本実施の形態に係る生体センサ100dは、生体の所定部分に巻付け装着されると、検出部20の直上外周部は、生体グランドと同電位のシールド部30によって覆われる。このように、生体センサ100dは、外来ノイズから遮蔽される構造となる。
【0105】
本実施の形態に係る生体センサ100dでは、上述した他の実施の形態と異なり、グランド電極3は検出電極2および配線4を囲むように配置されていない。また、本実施の形態では、ベース基材1は通気性を有してもよい。これにより、生体センサ100dを生体の所定部位に装着したとき、生体センサ100dは生体表面と密着する領域の通気性が良くなり、着心地が向上する。
【0106】
なお、生体センサ100dは、実施の形態2または実施の形態3で上述したように、検出電極2および信号処理回路ユニット40は電気的に接続されている。
【0107】
[生体センサを用いた測定方法]
本実施の形態に係る生体センサ100dを用いた測定方法は、上述した各実施の形態のいずれの測定方法を用いることができる。
【0108】
(実施の形態5)
以下、本開示の実施の形態5に係る生体センサおよび生体センサを用いた測定方法について説明する。
【0109】
図7Aは、実施の形態5に係る生体センサ100eを模式的に示した平面図である。図7Bは、図7Aの生体センサ100eを生体に巻付けるときの、図7AのVIIB−VIIB線における概略断面図である。
【0110】
なお、上述した実施の形態1〜4に係る生体センサ100a〜100dおよび生体センサ100a〜100dを用いた測定方法と重複する内容については、ここでは説明を省略する。
【0111】
[生体センサ]
図7Aに示すように、本実施の形態に係る生体センサ100eは、ベース基材1の主面上の検出電極2およびグランド電極3とは異なる位置に設けられたアンテナパターン7を備える。このように、アンテナパターン7がベース基材1の主面上に設けられるため、外部との摩擦等によりアンテナパターン7が損傷することを抑制することができる。本実施の形態におけるアンテナパターン7の種類は、電波の送信ができれば特に限定されず、例えば、ダイポールアンテナであってもよい。
【0112】
なお、生体センサ100eは、他の実施の形態で上述したように、検出電極2および信号処理回路ユニット40は電気的に接続されている。例えば、図7Aおよび図7Bに示すように、信号処理回路ユニット40がベース基材1上に設けられた場合、信号処理回路ユニット40からさらにアンテナパターン7の方向に延伸された配線4を設ける。延伸された配線4に沿ってベース基材1に複数の貫通孔6を配置する。貫通孔6は、実施の形態3において上述したように、例えば、貫通孔6に導電材料が充填されていてもよい。また、貫通孔6に金属製のスナップボタン(不図示)を配置してもよい。これにより、信号処理回路ユニット40の通信回路は、導電材料を充填した貫通孔6を介してアンテナパターン7の端子8と電気的に接続される。または、貫通孔6に配置された金属製のスナップボタン(不図示)を介してアンテナパターン7の端子8と電気的に接続される。
【0113】
なお、信号処理回路ユニット40では、増幅回路のグランド端子はグランド電極3と電気的に接続されている。
【0114】
なお、本実施の形態では、信号処理回路ユニット40をベース基材1上に備えた構成を説明したが、信号処理回路ユニット40をベース基材1上に備えなくてもよい。この場合、例えば、生体センサ100eを生体に巻付け装着した後に信号処理回路ユニット40が開口5(図5E)に取り付け、信号処理回路ユニット40の通信回路とアンテナパターン7とが電気的に接続されるように構成してもよい。なお、実施の形態3で上述したように、開口5は、ベース基材1を生体の所定部位の全周以上に巻付けたときに検出電極2に接続された配線4を覆うグランド電極3の箇所、すなわち、シールド部30の箇所に設けられている。このとき、信号処理回路ユニット40は、貫通孔6の開口5側に設けられた金属製のスナップボタン(不図示)に固定され、貫通孔6を介して検出電極2と電気的に接続されている。また、開口5のアンテナパターン7側の端部にアンテナパターン7の端子8が配置されている。これにより、信号処理回路ユニット40の通信回路は端子8を介してアンテナパターン7と電気的に接続される。
【0115】
[生体センサを用いた測定方法]
本実施の形態に係る生体センサ100eを用いた測定方法は、上述した各実施の形態のいずれの測定方法を用いることができる。さらに、本実施の形態では、生体センサ100eがアンテナパターンを備えることにより、検出部20から生体信号を取得した後、配線4、信号処理回路ユニット40およびアンテナパターン7を経由して、外部の端末、例えば、タブレット端末などに生体信号のデータが無線送信される。これにより、有線の場合と異なり、生体センサ100eを外部の端末に接続する際に配線等が不要となるため、利便性が向上する。
【0116】
なお、本実施の形態に係る生体センサ100eは、上述のとおり、外部の端末と無線通信を行うため、外部と接続する配線を接続する必要がない。そのため、本実施の形態では、複数の生体センサ100eをそれぞれ生体の異なる所定部位に装着して、同時に生体信号を測定してもよい。このようにして得られた生体センシング情報を用いることにより、より高精度で複雑な解析が可能となる。
【0117】
以上、本開示に係る生体センサおよび生体センサを用いた測定方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
【0118】
なお、本開示に係る生体センサは、生体の所定部位に2周以上巻付けてもよい。これにより、外来ノイズに対するシールド効果をさらに高めることができる。
【0119】
また、上記実施の形態では、生体の所定部位における1つの生体信号を測定する例を示したが、2以上の生体信号を測定できる電極構造、例えば、検出電極が4つ以上配置された構造であってもよい。これにより、生体信号を多点で測定することができ、より高精度で複雑な解析が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本開示に係る生体センサおよび生体センサを用いた測定方法は、生体センサを装着した際に着心地が良く、かつ、微弱な生体信号を安定的に高感度で検出することが可能であるため、日常の生体センシング情報のモニタリングに使用することができる。また、生体の複数の測定部位に複数の生体センサを装着し、同時に生体信号を測定することも可能であるため、学術および医療の現場において、より高度なデータ解析を行うために利用可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 ベース基材
2 検出電極
3、3a、3b グランド電極
4 配線
5 開口
6 貫通孔
7 アンテナパターン
8 端子
20 検出部
30 シールド部
40 信号処理回路ユニット
100a〜100e 生体センサ
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B