【解決手段】中継装置4は、管理装置6から同期信号を受信すると、その同期信号を受信してから待機時間(150ミリ秒)が経過してから同期信号を貸出装置2(遊技装置)に送信し、同期信号を送信するまで貸出装置2との周期通信(100ミリ秒周期)の実行を抑制する。貸出装置2との周期通信を実行中に同期信号を受信した場合でも、周期通信を実行していることが原因で同期信号の送信が阻害されたり、周期通信のタイミングと同期信号の送信タイミングとが重なって同期信号の送信が阻害されたりする虞を低減でき、光フロー演出を意図しないタイミングで実行してしまう虞を低減できる。
複数の遊技機に対応して設けられた複数の遊技装置と、前記複数の遊技装置に対して特別演出を実行させるための特別信号を送信する管理装置と、前記遊技装置に対応して設けられ、前記管理装置が送信した前記特別信号を中継して前記遊技装置に送信する中継装置と、を備え、
前記中継装置は、
前記管理装置が送信した前記特別信号を受信する中継側受信手段と、
前記中継側受信手段が前記特別信号を受信してから待機時間が経過した場合に、前記特別信号を前記遊技装置に送信する中継側送信手段と、
前記遊技装置と特別周期で周期通信を実行すると共に、前記中継側受信手段が前記特別信号を受信した場合に、前記中継側送信手段が前記特別信号を送信するまで前記周期通信の実行を抑制する中継側通信手段と、を備え、
前記遊技装置は、
前記中継側通信手段と前記周期通信を実行する遊技側通信手段と、
前記中継側送信手段が送信した前記特別信号を受信する遊技側受信手段と、
前記遊技側受信手段が前記特別信号を受信したことに基づいて前記特別演出を実行する特別演出実行手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機1に対応して貸出装置2(遊技装置に相当する)及び表示装置3(外部装置に相当する)が設置されている。2台の遊技機1、2台の貸出装置2及び2台の表示装置3は1台の中継装置4と接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。又、遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されている。POS及び残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0009】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8、プリンタ(図示せず)等を接続している。POSは、遊技場内の景品交換カウンタに設置されており、遊技場の従業員により操作される。POSは、カードリーダ(図示せず)を付属しており、遊技者が所有するICカードを当該カードリーダにより受け付けると、その受け付けたICカードに記録されている持玉に基づいて景品交換を行う。残高精算機は、カードリーダ(図示せず)を付属しており、ICカードを当該カードリーダにより受け付けると、その受け付けたICカードに記録されている残高の返却を行う。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっており、数百台の遊技機1に対応する台数の中継装置4が管理装置6の管理対象となっている。
【0010】
遊技機1は、CRパチンコ機であり、遊技媒体としての玉(遊技価値、所謂パチンコ玉)を盤面に発射するためのハンドル9、玉を入賞させるための普図入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、玉の入賞に応じて表示図柄が変動する液晶表示部13、大当り時に開放する大入賞口14、玉が払い出される上皿15、上皿15から溢れた玉を一時的に貯留する下皿16等を有する。
【0011】
遊技機1は、以下に示す動作を行う。
(1)第1始動口11は入賞率が変動しない所謂ヘソタイプの入賞口である一方、第2始動口12は普図入賞口10への入賞に伴って行われる普図抽選の抽選結果により入賞率が変動する所謂電チュータイプの入賞口である。第1始動口11又は第2始動口12への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部13において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合には図柄変動は保留されない。
【0012】
(2)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/360であり、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当りが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口14を開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0013】
(3)確変中は大当り確率が1/36に向上すると共に、第2始動口12への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するので、大当り後に大当りでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後通常状態へと戻る。
【0014】
(4)第2始動口12は普図入賞口10への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒である。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間が長くなることで第2始動口12の入賞率が高くなる。
【0015】
遊技機1及び当該遊技機1に付設されている周辺機器は、遊技者による玉の打込みや各始動口11,12への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を送信する。
【0016】
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから送信される消費価値(アウト)を特定可能な信号である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から送信される信号でも良い。
【0017】
セーフ信号=遊技機1から送信される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出(付与)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から送信される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0018】
始動信号=遊技機1から送信される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に送信されるので、始動信号の受信に応じてスタート処理を特定し、「始動信号×1」をスタート(スタート処理数)として特定する。尚、始動入賞を示す信号としても良い。
【0019】
大当り信号=遊技機1から送信される大当り期間を特定可能な信号である。大当り中にレベル送信される状態信号であるので、大当り信号の受信中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から送信される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口12の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル送信される状態信号であるので、特別状態信号の受信中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル送信される状態信号(確変信号)であっても良い。又、大当り信号と特別状態信号の何れも受信していない期間を通常状態として特定する。
【0020】
管理装置6は、遊技機側(遊技機1、貸出装置2等)から送信される遊技信号を受信し、遊技機1、貸出装置2等の稼動状況を管理すると共に、遊技者毎の遊技情報を記憶管理する。又、管理装置6は、貸出装置2に対して後述する光フロー演出(特別演出に相当する)を実行させるための同期信号(特別信号に相当する)をブロードキャストで例えば60秒周期で中継装置4に送信する。管理装置6から中継装置4に送信される同期信号は、その信号が同期信号であることを特定可能な情報のみを含む信号である。尚、遊技場では一般的に管理装置6と中継装置4とを接続するLAN5として大容量の伝送容量の通信媒体(LANケーブル)を敷設しているので、管理装置6から中継装置4までの間で信号の伝送遅延は発生し難く、管理装置6から送信された同期信号は複数の中継装置4に同時に受信される。即ち、複数の中継装置4では、管理装置6から受信する同期信号の受信タイミングが同時である。
【0021】
中継装置4は、各種信号や各種情報を中継する装置であり、管理装置6から受信した各種信号や各種情報を貸出装置2や表示装置3に送信すると共に、貸出装置2や表示装置3から受信した各種信号や各種情報を管理装置6に送信する。中継装置4は、管理装置6から同期信号を受信すると、その同期信号を貸出装置2及び表示装置3にそれぞれ後述する送信タイミングで送信する。
【0022】
中継装置4と貸出装置2との間では、同期信号を送受信する回線と、後述する要求信号や売上情報(例えば売上金額や売上玉数等の売上に関する情報)を100ミリ秒周期(特別周期に相当する)で周期通信する回線とが共通である。即ち、中継装置4は、管理装置6から受信した同期信号を周期通信と兼用する回線で貸出装置2に送信する。一方、中継装置4と表示装置3との間では、同期信号を送受信する回線と、後述する要求信号や遊技情報(例えば大当り回数等の遊技に関する情報)を200ミリ秒周期で周期通信する回線とが別々である。即ち、中継装置4は、管理装置6から受信した同期信号を周期通信とは別の専用の回線で表示装置3に送信する。
【0023】
貸出装置2は、所謂各台計数機能付きの貸出装置であり、貨幣が投入される貨幣投入口17、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部18、持玉や貯玉を払い出すための払出釦19、払い出された玉が通過する払出ノズル20、ICカード21が挿入されるカード挿入口22、遊技機1の下皿16の下方に位置する着脱可能な計数受皿23等を有する。
【0024】
図2は、液晶表示部18及び払出ノズル20の周辺の正面図を示している。液晶表示部18の上辺部18aから左辺部18bを経由した下辺部18cまでの部位には第1発光部24が設けられている。第1発光部24は、上辺部18aの左右方向に並列されている複数の(
図2の例示では3個の)LED24a、左辺部18bの上下方向に並列されている複数の(
図2の例示では8個の)LED24b、右辺部18cの左右方向に一列に並列されている複数の(
図2の例示では3個の)LED24cを有する。又、払出ノズル20には第2発光部25が設けられている。第2発光部25は、払出ノズル20の長手方向(左右方向)に並列されている複数の(
図2の例示では8個の)LED25aを有する。
【0025】
貸出装置2は、以下に示す動作を行う。
(1)貨幣が貨幣投入口17に投入されたことで、貨幣を受け付けると、遊技機1と貸出装置2との双方において入金額を残高に加算して表示する。残高がある状態で遊技機1の貸出釦が操作されると、1回の貸出単位分(例えば500円)の貸出玉(例えば貸単価4円であれば125玉、貸単価1円であれば500玉)を遊技機1内部の払出機構から払い出し、その対価分を残高から減算すると共に売上情報を後述する周期通信により送信する。尚、玉の払い出しを貸出装置2により行っても良い。
【0026】
(2)遊技機1の下皿16が操作された(開放された)ことで、下皿16から落下した玉を計数受皿23で受けると、その受けた玉を持玉(計数玉)として計数して液晶表示部18に表示する。持玉がある状態で貸出装置2の払出釦19が操作されると、持玉の一部を遊技機1内部の払出機構から払い出し、その払い出し分を持玉数から減算する。尚、この場合も、玉の払い出しを貸出装置2により行っても良い。
【0027】
(3)ICカード21がカード挿入口22に挿入されると(ICカード21を受け付けると)、自装置を特定可能な情報(貸出装置ID)、その受け付けたICカード21を特定可能な情報(カードID)等を含む受付情報を管理装置6に送信する。
【0028】
(4)残高又は持玉がある状態で遊技機1の発行釦が操作されると、ICカード21の発行が抑制されている発行抑制状態でなければ、残玉及び持玉を特定可能なICカード21を発行し、一方、発行抑制状態であれば、ICカード21を発行しない。ICカード21がカード挿入口22に挿入されている状態で発行釦が操作されたときに発行抑制状態でなければ、そのカード挿入口22に挿入されているICカード21に残高及び持玉の情報を記録して発行する。ICカード21がカード挿入口22に挿入されていない状態で発行釦が操作されたときに発行抑制状態でなければ、カードストック部(図示せず)にストックしているICカード21をカード挿入口22に繰り出して残高及び持玉を記録して発行する。ICカード21を発行すると、自装置を特定可能な情報、発行したICカード21を特定可能な情報、ICカード21に記録した残高及び持玉の情報等を含む発行情報を管理装置6に送信する。尚、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行を可能としても良い。
【0029】
(5)中継装置4との間で100ミリ秒周期の周期通信を行う。即ち、中継装置4から要求信号を100ミリ秒周期で受信する毎に売上情報を中継装置4に送信する。
(6)中継装置4から同期信号を受信すると、発光部24,25による光フロー演出を実行する。即ち、液晶表示部18の上辺部18aの複数のLED24aが右端から左端に向かって順次点灯し、左辺部18bの複数のLED24bが上端から下端に向かって順次点灯し、下辺部18cの複数のLED24cが左端から右端に向かって順次点灯し、払出ノズル20の複数のLED25aが左端から右端に向かって順次点灯する点灯制御を行うことで、液晶表示部18の上辺部18aから払出ノズル20の先端部20aまで光が流れるように(
図2矢印A参照)光フロー演出を実行する。
【0030】
図3は、表示装置3の正面図を示している。表示装置3は、遊技情報を表示するためのデータ表示部26、遊技場の従業員を呼び出すときに遊技者が操作する呼出釦27、遊技情報の表示を切り替えるときに遊技者が操作するデータ切替釦28、ランプ29等を有する。尚、データ表示部26は遊技者が見易いように下方に傾斜して設けられている。
【0031】
図4は、データ表示部26の正面図を示している。データ表示部26は、セグメント表示部30と液晶表示部31とを有する。セグメント表示部30は、2種類のサイズの複数の7セグメントLED30a、30bと、大当り回数表示部32とを有する。7セグメントLED30a、30bは、赤色LEDと緑色LEDとを組み合せて構成されており、赤色、緑色、橙色の3色を表示可能である。尚、7セグメントLED30a、30bの発光色は赤色、緑色、橙色の3色に限定されることはない。大当り回数表示部32は、上記した7セグメントLED30a、30bよりもサイズが大きい第1〜第3の7セグメントLED32a〜32cを有する。又、セグメント表示部30は、複数の各種操作釦33を有する。液晶表示部31は、過去7回分の大当り状態における遊技情報の履歴を数値(確変大当り時の連荘数)やグラフ(大当り間の始動入賞回数)で表示する。液晶表示部31は、データ切替釦28が操作されることで遊技情報を切り替える。
【0032】
ランプ29は、データ表示部26の上左側に位置する第1発光部34、上右側に位置する第2発光部35、下左側に位置する第3発光部36、下右側に位置する第4発光部37を有する。発光部34〜37は、それぞれ左右方向に並列されている複数の(
図3の例示ではそれぞれ6個の)LED34a〜37aを有する。第1発光部34の複数のLED34aは、表示装置3の左端から中央に向かって黄色から緑色にグラデーション変化するように発光色が設定されている。第2発光部35の複数のLED35aは、表示装置3の右端から中央に向かって黄色から赤色にグラデーション変化するように発光色が設定されている。第3発光部36の複数のLED36aは、表示装置3の左端から中央に向かって黄色から赤色にグラデーション変化するように発光色が設定されている。第4発光部37の複数のLED37aは、表示装置3の右端から中央に向かって青色から緑色にグラデーション変化するように発光色が設定されている。
【0033】
表示装置3は、以下に示す動作を行う。
(1)当日の大当り回数、前回の大当り後に発生した始動入賞回数、当日の大当りのうち確変大当りの回数、前日の大当り数及び確変大当り数、前々日の大当り数及び確変大当り数等の遊技情報を7セグメントLED30a、30bにより表示する。
【0034】
(2)当日の大当り回数を第1〜第3の7セグメントLED32a〜32cにより「0」〜「999」までの範囲で表示する。
(3)各種操作釦33が操作されると、セグメント表示部30に表示する遊技情報を切り替える。
【0035】
(4)中継装置4との間で200ミリ秒周期の周期通信を行う。即ち、要求信号を200ミリ秒周期で中継装置4に送信する毎に中継装置4から遊技情報を受信する。
(5)中継装置4から同期信号を受信すると、発光部34〜37による点滅演出(外部装置演出に相当する)を実行する。
【0036】
図5は、管理装置6及び中継装置4の機能ブロック図を示し、
図6は、貸出装置2及び表示装置3の機能ブロック図を示している。管理装置6は、管理制御部38と、送受信部39とを有する。管理制御部38は、CPU38a、ROM38b、RAM38c、I/O38d等を有するマイクロコンピュータにより構成され、管理装置6の動作全般を制御する。送受信部39は、中継装置4との間で各種信号や各種情報の送受信を制御する。
【0037】
中継装置4は、中継制御部40と、送受信部41とを有する。中継制御部40は、CPU40a、ROM40b、RAM40c、I/O40d等を有するマイクロコンピュータにより構成され、中継装置4の動作全般を制御する。送受信部41は、管理装置6、貸出装置2、表示装置3との間で各種情報や各種信号の送受信を制御する。中継制御部40及び送受信部41は、中継側受信手段、中継側送信手段、中継側通信手段、共通受信手段、情報通信手段、外部送信手段に相当する。
【0038】
貸出装置2は、貸出制御部42と、送受信部43とを有する。貸出制御部42は、CPU42a、ROM42b、RAM42c、I/O42d等を有するマイクロコンピュータにより構成され、貸出装置2の動作全般を制御する。送受信部43は、中継装置4との間で各種情報や各種信号の送受信を制御する。貸出制御部42は、貨幣投入口17に投入された貨幣の真贋を判定する貨幣処理部44、液晶表示部18、液晶表示部18に設けられたタッチパネル45、払出釦19、ICカード21がカード挿入口22に挿入されている状態で(受付中の状態で)当該ICカード21に対する各種情報の読み書きを行うカードリーダライタ(カードRW)46、最大で10枚の一般カードをストック可能なカードストック部47、玉を払出ノズル20から払い出す払出部48、計数受皿23から流入する玉を計数する計数部49、第1発光部24、第2発光部25等を接続している。貸出制御部42は、発光部24,25に演出指示信号を出力することで、発光部24,25による光フロー演出を実行する。貸出制御部42及び送受信部43は、遊技側通信手段、遊技側受信手段に相当し、貸出制御部42及び発光部24,25は、特別演出実行手段に相当する。
【0039】
表示装置3は、表示制御部50と、送受信部51とを有する。表示制御部50は、CPU、ROM、RAM等を有するマイクロコンピュータにより構成され、表示装置3の動作全般を制御する。送受信部51は、中継装置4との間で各種情報や各種信号の送受信を制御する。表示制御部50は、データ表示部26、呼出釦27、データ切替釦28、ランプ29等を接続している。表示制御部50は、発光部34〜37に演出指示信号を出力することで、発光部34〜37による点滅演出を実行する。表示制御部50及び送受信部51は、外部側通信手段、外部側受信手段に相当し、表示制御部50及び発光部34〜37は、外部装置演出実行手段に相当する。
【0040】
さて、[背景技術]で記載したように、遊技場では、複数の貸出装置2が連動又は同期した演出を実行し易くすることが望まれている。この点に鑑み、中継装置4、貸出装置2及び表示装置3は以下の動作を行う。以下、中継装置4、貸出装置2及び表示装置3が信号や情報を送受信する態様について
図7及び
図8を参照して説明する。
【0041】
中継装置4は、
図7に示すように、要求信号を100ミリ秒周期で貸出装置2に送信することで貸出装置2から売上情報を受信する周期通信を行う。又、中継装置4は、
図8に示すように、要求信号を200ミリ秒周期で表示装置3から受信することで対応する遊技機1の遊技情報を表示装置3に送信する周期通信を行う。尚、中継装置4は、要求信号を表示装置3から受信せずに、対応する遊技機1の遊技情報を200ミリ秒周期で表示装置3に送信することも可能である。中継装置4は、このように貸出装置2と表示装置3との両方の間で周期通信を行っている途中で管理装置6から同期信号を受信すると、貸出装置2及び表示装置3に対して以下の動作を行う。
【0042】
中継装置4は、貸出装置2に対しては、管理装置6から同期信号を受信した受信タイミングで計時を開始すると共に、光フロー演出の対象とする全ての貸出装置2に対する要求信号の送信を抑制し(禁止し)、周期通信を中断する。中継装置4は、同期信号の受信タイミングから150ミリ秒(待機時間に相当し、特別周期よりも長い時間)が経過すると、光フロー演出の対象とする全ての貸出装置2に同期信号を同時に送信する。この場合、光フロー演出の対象とする全ての貸出装置2では、中継装置4から同期信号を同時に受信することで、光フロー演出を同時に実行する。中継装置4は、その同期信号の送信タイミングで計時を開始すると共に、同期信号の送信タイミングから50ミリ秒が経過すると、光フロー演出の対象とする全ての貸出装置2に対する要求信号の送信の抑制を解除し、中断していた周期通信を再開し、光フロー演出の対象とする全ての貸出装置2に要求信号を同時に送信する。即ち、中継装置4は、周期通信を再開すると、周期通信を中断する前と同様に、要求信号を100ミリ秒周期で貸出装置2に送信することで貸出装置2から売上情報を受信する周期通信を行う。
【0043】
一方、中継装置4は、表示装置3に対しては、前述したように同期信号を送受信する回線と遊技情報を200ミリ秒周期で周期通信する回線とが別々であるので、同期信号を送受信する回線と売上情報を100ミリ秒周期で周期通信する回線とが共通する貸出装置2に対する動作とは異なり、管理装置6から同期信号を受信した受信タイミングから待機時間が経過したか否かに関わらず、点滅演出の対象とする全ての表示装置3に同期信号を同時に送信する。この場合、点滅演出の対象とする全ての表示装置3では、中継装置4から同期信号を同時に受信することで、点滅演出を同時に実行する。即ち、中継装置4において、同期信号を送受信する回線と売上情報を周期通信する回線とが共通する貸出装置2に対し、管理装置6から同期信号を受信した直後に即座に同期信号を送信してしまうと、周期通信を実行していることが原因で同期信号の送信が阻害されたり、周期通信のタイミングと同期信号の送信タイミングとが重なって同期信号の送信が阻害されたりする虞があるが、同期信号を送受信する回線と遊技情報を周期通信する回線とが別々である表示装置3に対しては上記したような虞がないので、管理装置6から同期信号を受信した直後に即座に同期信号を送信する。
【0044】
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
中継装置4において、管理装置6から同期信号を受信すると、その同期信号を受信してから待機時間(150ミリ秒)が経過してから同期信号を貸出装置2に送信し、同期信号を送信するまで貸出装置2との周期通信(100ミリ秒周期)の実行を抑制するようにした。貸出装置2との周期通信を実行中に同期信号を受信した場合でも、周期通信を実行していることが原因で同期信号の送信が阻害されたり、周期通信のタイミングと同期信号の送信タイミングとが重なって同期信号の送信が阻害されたりする虞を低減することができる。これにより、光フロー演出の対象とする複数の貸出装置2において、同期信号の受信タイミングに大きなずれが生じる虞を低減することができ、光フロー演出を意図しないタイミングで実行してしまう虞を低減することができ、同期した演出を実行し易くすることができる。
【0045】
又、中継装置4において、待機時間を貸出装置2との周期通信の周期よりも長く設定しているので、貸出装置2との周期通信を実行中に同期信号を受信した場合でも、同期信号を送信するまでに周期通信が完了する頻度を高めることができる。
【0046】
又、中継装置4において、同期信号の送信に使用する回線と周期通信で使用する回線とが共通である貸出装置2に対しては待機時間が経過してから同期信号を送信する一方、同期信号の送信に使用する回線と周期通信で使用する回線とが別々である表示装置3に対しては待機時間に関わらず同期信号を送信するようにした。通信負荷の大小により待機時間が経過してから同期信号を送信するか待機時間に関わらず同期信号を送信するかを変化させることで、同期信号を適切に送信し易くすることができる。
【0047】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。又、それぞれの変形例を組み合わせても良い。
本実施形態では、遊技機1としてCRパチンコ機を例示したが、例えばスロットマシンを対象としても良い。又、玉が封入されており、遊技者が玉に触れることができず、クレジットや得点を消費して玉を発射する封入式のパチンコ遊技機やクレジットや得点を消費してリールが回転する等のゲームが進行する完全クレジット式のスロットマシンを対象としても良い。
【0048】
本実施形態では、遊技装置として貸出装置2を例示すると共に、外部装置として表示装置3を例示したが、例えば遊技装置として表示装置3を採用しても良く、即ち、中継装置4と表示装置3との間で同期信号の送信に使用する回線と周期通信で使用する回線とが共通であり、中継装置4において、表示装置3に対して待機時間が経過してから同期信号を送信する構成でも良い。
【0049】
本実施形態では、管理装置として遊技場内の全ての遊技機1の管理を行う管理装置6を例示したが、複数の遊技機1が設置された遊技島が複数ある遊技場であれば、遊技島毎に設置された島管理装置を採用しても良い。又、島管理装置がある場合に、島管理装置を中継装置として用いても良く、島管理装置が貸出装置2や表示装置3に対して同期信号を送信しても良い。即ち、遊技装置、管理装置、中継装置をそれぞれ何れの装置とするかは適宜変更することが可能である。
【0050】
本実施形態では、中継装置4と貸出装置2との間の周期通信を100ミリ秒周期とする構成を例示したが、100ミリ秒周期以外の周期でも良く、例えば50ミリ秒周期や200ミリ秒周期としても良い。又、周期通信において貸出装置2が送信する情報は売上情報に限らず、遊技者が遊技を行っているか否かに対応した稼動信号や遊技者を撮影した映像を含む映像信号等、任意に変更することも可能である。又、中継装置4が要求信号を送信することで貸出装置2が売上情報を送信することを周期通信として例示したが、中継装置4及び貸出装置2のうち少なくとも一方が他方に信号を送信する構成であればどのような通信を周期通信として採用しても良い。
【0051】
同様に、中継装置4と表示装置3との間の周期通信を200ミリ秒周期とする構成を例示したが、200ミリ秒周期以外の周期でも良い。又、周期通信において中継装置4が送信する情報も遊技情報に限らず、任意に変更することも可能である。又、表示装置3が要求信号を送信することで中継装置4が遊技情報を送信することを周期通信として例示したが、中継装置4及び表示装置3のうち少なくとも一方が他方に信号を送信する構成であればどのような通信を周期通信として採用しても良い。
【0052】
本実施形態では、中継装置4において、同期信号の受信タイミングから同期信号を貸出装置2に送信するまでの時間(待機時間)を150ミリ秒としたが、少なくとも貸出装置2との周期通信の周期(100ミリ秒)より長ければ、150ミリ秒以外の時間でも良く、例えば待機時間を300ミリ秒としても良い。又、例えば遊技場の管理者が周期通信の周期を設定変更すると、その周期通信の周期の設定変更に連動して待機時間を自動的に設定変更しても良い。更に、待機時間を例えば遊技島、機種、台番等の区分で異ならせても良い。例えば待機時間を機種の区分で異ならせる場合であれば、中継装置4において、一の機種の遊技機1に対応する貸出装置2に対しては一の待機時間にしたがって同期信号を送信し、他の機種の遊技機1に対応する貸出装置2に対しては他の待機時間にしたがって同期信号を送信しても良い。
【0053】
本実施形態では、中継装置4において、同期信号を貸出装置2に送信した送信タイミングから周期通信を再開するまでの時間を50ミリ秒としたが、50ミリ秒以外の時間でも良い。その場合、少なくとも貸出装置2との周期通信の周期(100ミリ秒)より短い周期であることが望ましい。
【0054】
本実施形態では、待機時間において周期通信を抑制することとして、中継装置4からの要求信号の送信を禁止する構成を例示したが、周期通信を抑制する構成を任意に変更しても良い。例えば中継装置4が要求信号を送信するが、貸出装置2が送信した売上情報を正常に受信しない(売上情報の受信を強制的に拒否する)構成等が考えられる。尚、貸出装置2が中継装置4からの要求信号を受信せずに売上情報を所定周期で中継装置4に送信する構成であれば、中継装置4において、待機時間中に売上情報を受信しない構成や売上情報を受信するが当該売上情報に基づいた処理を実行しない構成等でも良い。
【0055】
遊技装置における特別演出や外部装置における外部装置演出の内容を任意に変更しても良く、例えば特別演出を光フロー演出に代えて又は加えて画像表示や音声出力で実行しても良い。
【0056】
本実施形態では、複数の貸出装置2の個々が同じ態様の光フロー演出を同時に実行する構成を例示したが、例えば複数の貸出装置2が順番に点灯することで複数の貸出装置2が連携して光フロー演出を実行する構成としても良い。その場合、同期信号の受信タイミングから点灯する等の特別演出の開始タイミングまでの時間を貸出装置2毎に異ならせて設定すれば良い。即ち、複数の貸出装置2が連動した特別演出を実行することも可能であり、本実施形態で説明したような同期した演出を実行し易くするだけでなく、連動した演出も実行し易くすることができる。
【0057】
本実施形態では、特別信号として同期信号を例示したが、実行する特別演出の内容の情報が含まれる特別信号を採用しても良い。
本実施形態では、中継装置4において、管理装置6から同期信号を受信した受信タイミングの直後に同期信号を表示装置3に送信し、その受信タイミングから150ミリ秒が経過した後に同期信号を貸出装置2に送信する構成を例示したが、その受信タイミングから150ミリ秒が経過した後に同期信号を貸出装置2と表示装置3との両方に送信しても良い。このように構成すれば、貸出装置2と表示装置3との両方が同期した演出を実行することも可能である。即ち、同期信号を貸出装置2に送信する送信タイミングと表示装置3に送信する送信タイミングとの間に時間差を設ければ貸出装置2と表示装置3とが連動した演出を実行することが可能であり、時間差を設けなければ貸出装置2と表示装置3とが同期した演出を実行することが可能である。
【0058】
本実施形態では、中継装置4と貸出装置2とを共通の1本の回線で接続し、中継装置4と表示装置3とを2本の回線で接続する構成を例示したが、接続方法を任意に変更しても良く、例えば中継装置4と貸出装置2とを複数の回線で接続することも可能である。
【0059】
本実施形態では、管理装置6が同期信号を60秒周期で中継装置4に送信する構成を例示したが、例えば管理装置6が同期信号を60分周期で中継装置4に送信しても良く、同期信号の送信周期や送信タイミングを遊技場の管理者が任意に設定変更可能としても良い。
【0060】
本実施形態では、中継装置4において、管理装置6から同期信号を受信すると、その信号の形式を変更せずに貸出装置2や表示装置3に送信する構成を例示したが、その信号の形式を変更して貸出装置2や表示装置3に送信しても良い。即ち、管理装置6が送信する特別信号と中継装置4が送信する特別信号とが同一である必要はなく、そのような構成であっても、管理装置6が送信した特別信号を中継して遊技装置2に送信する中継装置4に該当する。
【0061】
本実施形態では、貸出装置2において、中継装置4から同期信号を受信する毎に特別演出を実行する構成を例示したが、同期信号の受信タイミングで計時を開始し、その受信タイミングから所定時間が経過した後に特別演出を実行したり、特別演出を実行した後に特別演出とは異なる演出を実行したりする構成等が考えられる。受信タイミングから所定時間が経過した後に特別演出を実行する構成では、時間経過と共に計時にずれが生じて複数の貸出装置の特別演出の開始タイミングにずれが生じてしまう虞があるが、本構成によれば、同期信号を所定のタイミングで送信することでずれが生じる虞を低減することができ、複数の貸出装置がそれぞれ計時しつつ別演出を実行する場合でも、特別演出を意図しないタイミングで実行してしまう虞を低減することができる。
【0062】
例えば貸出を行った場合や計数を行った場合等の予め定められた処理を行ったことに対応して実行する演出を、同期信号の受信に基づいて実行する構成としても良く、このように構成すれば、予め定められた処理を行ったことに対応して実行する演出を意図しないタイミングで実行してしまう虞を低減することができる。
【0063】
管理装置6が行う処理の少なくとも一部を貸出装置2や表示装置3等の他の装置にて行っても良いし、貸出装置2や表示装置3が行う処理の少なくとも一部を管理装置6等の他の装置にて行っても良い。