【解決手段】 コンピュータを、仮想空間を生成する仮想空間生成手段、一または複数の第1発音イベントの発音を制御する発音制御手段、新規の第1発音イベントが発生した場合に、当該新規の第1発音イベントおよび発音継続中である他の第1発音イベントの中での優先順位を決定する優先順位決定手段、合計発音数が、所定数より多いか否かを判定する発音数判定手段、として機能させ、発音制御手段は、合計発音数が所定数より多い場合、優先順位が高い順に数えて所定数の第1発音イベントの発音を実行し、残りの第1発音イベントの発音を実行する代わりに、当該第1発音イベントとは異なる第2発音イベントの発音を実行する。
前記発音制御手段は、前記残りの第1発音イベントのうちの前記優先順位の最も高い第1発音イベントのための音源の位置に基づいて前記第2発音イベントの音源の位置を設定する、請求項1に記載のゲームプログラム。
前記第1発音イベントは、一のノンプレイヤキャラクタが発する音を含み、対応する前記第2発音イベントは、前記ノンプレイヤキャラクタが複数存在する場合の音に設定される、請求項1から3の何れかに記載のゲームプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムおよびゲーム装置について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、家庭用ゲーム装置において実行されるアクションゲームを例として説明する。本実施の形態に係るアクションゲームは、仮想のゲーム空間内でプレイヤキャラクタを操作して、敵キャラクタを討伐する、アイテムを探索する、所定のイベントを攻略する等の所定のクエストを攻略することにより進行する。
【0017】
[ハードウェアの構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置1の内部構成を示すブロック図である。
図1に示すようにゲーム装置1は制御部30を備えている。該制御部30は、CPU11、描画データ生成プロセッサ12、RAM(Random Access Memory)13、ROM(Read Only Memory)14、描画処理プロセッサ15、および音声処理プロセッサ18を含んでいる。さらに、ゲーム装置1は、この他にもVRAM(Video-RAM)16、アンプ19、スピーカ20、イヤホン端子21、操作部22、メディアインタフェース23、無線LANモジュール24、およびバス25を備えている。そして、これらのうちCPU11、描画データ生成プロセッサ12、RAM13、ROM14、描画処理プロセッサ15、音声処理プロセッサ18、操作部22、メディアインタフェース23、および無線LANモジュール24が、バス25によって相互にデータ伝送可能に接続されている。
【0018】
操作部22は、方向キーおよびその他のボタン群(図示せず)を含んでおり、ユーザの操作を受け付けて、その操作内容に応じた操作情報(操作信号)をCPU11に入力する。また、方向キーおよびボタン群が有する各種のボタンは、プレイヤキャラクタの特定の動作を指示するための操作子である。また、操作部22には、これら操作子以外にゲーム装置1の電源の入/切を行うための電源スイッチ等が含まれる。
【0019】
メディアインタフェース23は、図示しないメディア装着部にセットされたゲームメディア5にアクセスしてゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bを読み出す。このうちゲームプログラム5aは、例えば、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが仮想空間にて対戦する内容のゲームを、ゲーム装置1に実行させる。
【0020】
また、ゲームデータ5bには、上記ゲームを実行する上で必要なデータとして、キャラクタや背景の画像データ、ステータスなどの情報表示用の画像データ、効果音やBGMなどの音声データ、文字や記号によるメッセージデータ等が含まれている。なお、記録媒体であるゲームメディア5は、半導体メモリのほか、光ディスクの一種であるUMD(Universal Media Disc)(登録商標)を採用することができる。
【0021】
RAM13には、ゲームの進行に応じてゲームメディア5から読み込まれたゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bを格納するロードエリア、ならびに、CPU11がゲームプログラム5aを処理する際に使用するためのワークエリアが設定されている。ROM14には、ディスクローディング機能などのゲーム装置1の基本的機能、ゲームメディア5に記憶されているゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bの読み出し処理を制御する基本プログラムが記憶されている。
【0022】
CPU11は、ゲームメディア5に記録されているゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bの全部または一部を、メディアインタフェース23を通じてRAM13に読み込む。CPU11は、ユーザによる操作部22の操作に応じてゲームプログラム5aを実行し、ゲーム進行を制御する。より具体的には、ユーザに操作されることによって操作部22から操作信号が入力されると、CPU11は、ゲームプログラム5aに従ってその操作信号に対応する所定のゲーム進行処理を行う。
【0023】
CPU11は、処理結果に基づいて、ゲーム進行を示す画像(以下、「ゲーム画面」)としてディスプレイ(表示部)2に表示する。さらに、CPU11は、処理結果に基づいて、ゲーム進行を示す音声信号を音声出力部(スピーカ20またはイヤホン端子21)に出力する。
【0024】
上記ゲーム画面の描画は、CPU11の指示により、描画処理プロセッサ15が行う。すなわち、CPU11は、操作部22から入力される操作信号に基づき、ディスプレイ2に表示すべきゲーム画面の内容を決定する。描画データ生成プロセッサ12は、その内容に対して必要な描画データを生成する。そして、その描画データは、描画処理プロセッサ15に転送される。
【0025】
描画処理プロセッサ15は、描画データに基づいて描画処理を行う。描画処理プロセッサ15は、描画データに基づいて1/60秒毎にゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面をVRAM16に書き込む。ディスプレイ2は、半透過型カラー液晶ディスプレイとバックライトLED(Light Emitting Diode)とを有し、VRAM16に書き込まれたゲーム画面を表示する。
【0026】
また、CPU11は、ゲームの進行に応じて、スピーカ20から出力すべき効果音やBGM等の音声を決定する。CPU11は、決定した音声を出力するための音声データをRAM13から読み出して音声処理プロセッサ18に入力する。すなわち、CPU11は、ゲームの進行に伴って発音イベントが発生すると、その発音イベントに応じた音声データ(ゲームメディア5からロードされた音声データ)をRAM13から読み出して音声処理プロセッサ18に入力する。
【0027】
音声処理プロセッサ18は、DSP(Digital Signal Processor)で構成されている。音声処理プロセッサ18は、CPU11によって入力された音声データに対して所定の効果(例えば、リバーブ、コーラスなど)を付与したのちアナログ信号に変換して、アンプ19に出力する。アンプ19は、音声処理プロセッサ18から入力された音声信号を増幅したのち、スピーカ20およびイヤホン端子21に出力する。
【0028】
無線LANモジュール24は、通信規格IEEE802.11b(使用周波数帯2.4GHz、通信速度11Mbps)に準拠した無線LANによって他のゲーム装置1とデータ通信を行い、ネットワークを構成するための通信モジュールである。
【0029】
[制御部の機能的構成]
図2は、
図1に示すゲーム装置1が備える制御部30の機能的な構成を示すブロック図である。
図2は、主に、上述したゲームシステムを実現するのに必要な機能を示している。前述したとおり、制御部30は、CPU11、描画データ生成プロセッサ12、RAM13、ROM14、描画処理プロセッサ15、および音声処理プロセッサ18を含むコンピュータとして動作する。そして、このコンピュータとして動作する制御部30は、ゲームメディア5から読み込んだゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bを実行することによって、以下に説明するような機能を備える。
【0030】
すなわち、制御部30は、例えば、仮想空間生成手段31、発音制御手段32、優先順位決定手段33、発音数判定手段34、およびキャラクタ制御手段35といった機能を発揮する。
【0031】
このうち、仮想空間生成手段31は、キャラクタが行動する3次元の仮想空間Vを生成する。仮想空間Vには、プレイヤキャラクタCおよび敵キャラクタEが対戦する仮想空間も含まれる。仮想空間Vには仮想カメラ(図示せず)が配置され、仮想カメラの撮像範囲が二次元画像としてゲーム画面に表示される。仮想カメラは、例えばプレイヤキャラクタCの所定距離後方に配置される。
【0032】
キャラクタ制御手段35は、仮想空間VにおけるプレイヤキャラクタCおよび敵キャラクタを含む様々なキャラクタの動作を制御する。例えば、キャラクタ制御手段35は、ユーザによる操作部22の操作に応じて、プレイヤキャラクタCの移動、攻撃、および防御を含む各種動作を制御する。また、キャラクタ制御手段35は、敵キャラクタEによる移動、攻撃、および防御等の各種の動作も制御する。
【0033】
また、発音制御手段32は、一または複数の第1発音イベントの発音を制御する。優先順位決定手段33は、新規の第1発音イベントが発生した場合に、当該新規の第1発音イベントおよび発音継続中である他の第1発音イベントの中での優先順位を決定する。また、発音数判定手段34は、新規の第1発音イベントと、当該新規の第1発音イベントの発生時に発音継続中である第1発音イベントとの合計発音数が、所定数より多いか否かを判定する。
【0034】
[発音イベントの実行態様]
図3は、本実施の形態における仮想空間に配置されたキャラクタの例を示す平面図である。3次元の仮想空間Vには、地形がポリゴン、テクスチャ等で描画され、当該地形上に各種のオブジェクト(図示しない岩等の固定オブジェクト、各種キャラクタ等の移動オブジェクト等)が配置される。
【0035】
図3の例では、仮想空間Vにユーザが操作することによって行動するプレイヤキャラクタCが配置され、その周囲に複数の敵キャラクタEが配置されている。複数の敵キャラクタEは、それぞれ鳴き声を上げる等の発音動作を行いながらプレイヤキャラクタCに向かって移動する。敵キャラクタEの鳴き声の発音が第1発音イベントとして設定されている。
【0036】
図4は、
図3の配置例における音源および音の聴取位置を示す平面図である。
図4に示すように、敵キャラクタEを基準とする所定位置(例えば敵キャラクタEの中心位置)に第1発音イベントに対応する第1音源S1が設定され、当該第1音源S1の位置から対応する音声データが再生されるように発音が制御される。敵キャラクタEの位置が移動すると第1音源S1の位置もそれに応じて移動する。
【0037】
ゲームデータ5bには、第1発音イベントに関するデータとして、音声データ、音源データ、音響効果データ等が含まれる。音声データは、第1音源S1から発音する音のデータである。本実施の形態において、音声データは、一の敵キャラクタEが発する鳴き声の音のデータにより構成される。音源データは、第1音源S1の配置態様を示すデータである。第1音源S1の配置態様には、例えば第1音源S1が配置されるオブジェクトおよび配置される第1音源S1の個数、位置等の情報が含まれる。音響効果データは、第1音源S1の発音時に付加する音響効果(リバーブ等)の種類、適用要否等を示すデータである。
【0038】
本ゲームにおいて、音の聴取位置Lは、プレイヤキャラクタCに基づいて設定される。
図4の例では、プレイヤキャラクタCの中心(頭部)位置に設定される。これに代えて、音の聴取位置Lは、プレイヤキャラクタCの所定距離前方または後方に設定されてもよい。また、例えば、プレイヤキャラクタCの後方にゲーム画面を撮像するための仮想カメラ(図示せず)が配置される場合、当該仮想カメラの位置に音の聴取位置Lが設定されてもよい。また、プレイヤキャラクタCと仮想カメラとの間に音の聴取位置Lが設定されてもよい。
【0039】
発音制御手段32は、所定の条件を満たした場合、第1音源S1に基づく発音イベントを発生させる。例えば、キャラクタ制御手段35は、敵キャラクタEとプレイヤキャラクタCとの間の距離が所定の距離未満となった場合に、敵キャラクタEが発音動作を行うよう制御する。この際、発音制御手段32は、鳴き声を発音するための新規の発音イベントを発生させる。
【0040】
本ゲームにおいて、一の敵キャラクタEにおける第1発音イベントが発音継続中である場合であっても、他の敵キャラクタEにおける第1発音イベントの発音を行うことが可能である。すなわち、複数の敵キャラクタEが同時に発音動作を行っている(継続している)状態が許容される。ただし、同時に発音が可能な第1発音イベントの上限数は、制御部30への処理負荷等を考慮して予め定められている。
【0041】
このため、発音数判定手段34は、この新規の第1発音イベントと、当該新規の第1発音イベントの発生時に発音継続中である第1発音イベントとの合計発音数が、所定数(上限数)より多いか否かを判定する。
【0042】
上記合計発音数が所定数以下の場合、発音制御手段32は、これらの第1発音イベントに基づく発音を実行する。発音制御手段32は、第1音源S1に関する各種データをゲームデータ3bから読み出すことにより取得する。そして、取得したデータに基づいて発音制御手段32は、第1音源S1から所定の音(本例では鳴き声)の発音を開始する。発音制御手段32は、プレイヤキャラクタC(音の聴取位置L)の位置を基準とする第1音源S1の相対位置に基づいて第1音源S1の発音(音量、音響効果等)を制御する。
【0043】
例えば、発音制御手段32は、第1音源S1(敵キャラクタE)の現在位置の座標およびプレイヤキャラクタCの位置座標を取得する。発音制御手段32は、プレイヤキャラクタCの位置と第1音源S1の位置との間の距離が近いほど第1音源S1の音量が大きく、距離が遠いほど第1音源S1の音量が小さくなるように制御する。
【0044】
上記合計発音数が所定数より多い場合、発音制御手段32は、優先順位に基づいて第1発音イベントの発音を実行する。そのため、優先順位決定手段33は、新規の第1発音イベントが発生した場合に、当該新規の第1発音イベントおよび発音継続中である他の第1発音イベントの中での優先順位を決定する。本明細書では、共通する優先順位の決定基準を用いて優先順位を決定し、発音管理を行うグループに属している複数の発音イベントを第1発音イベントと定義している。
【0045】
図5は、本実施の形態におけるプレイヤキャラクタの位置と第1音源の位置との間の距離に対する優先度の変化を示すグラフである。
図5には、プレイヤキャラクタCの位置と第1音源S1の位置との間の距離(相対距離)が近いほど優先度が高くなるような優先度曲線が示されている。ゲームデータ5bには、当該優先度曲線が、第1発音イベントが属するグループの優先度情報として含まれている。
【0046】
優先順位決定手段33は、新規の第1発音イベントが発生した場合に、優先度曲線を読み出す。さらに、優先順位決定手段33は、新規の第1発音イベントに対応する第1音源S1の位置とプレイヤキャラクタCの位置との間の距離および発音継続中の第1発音イベントに対応する第1音源S1の位置とプレイヤキャラクタCの位置との間の距離を読み出す。
【0047】
優先順位決定手段33は、各相対距離から各第1発音イベントの優先度を決定する。優先順位決定手段33は、決定された優先度を比較し、新規の第1発音イベントおよび発音継続中の第1発音イベントのそれぞれについて優先順位を決定する。
【0048】
このようにして、優先順位決定手段33は、プレイヤキャラクタCの位置と各第1発音イベントのための第1音源S1の位置との間の距離が近いほど、当該第1音源S1に対応する第1発音イベントの優先順位が高くなるように優先順位を決定する。
図4において、第1音源S1の添え字は優先順位を意味する。すなわち、S1i(i=1,2,3,…)の添え字iが1に近いほど優先順位が高く、遠いほど優先順位が低い。
図3および
図4には、プレイヤキャラクタC(音の聴取位置L)を中心とし、各第1音源S1iの中心を通過する仮想の同心円が破線で示されている。この仮想の同心円の半径が短いほど優先度が高く、長いほど優先度が低い。
【0049】
本実施の形態において、上限数は、3に設定されている。例えば、
図3の例において、5体の敵キャラクタEが同時に第1発音イベントを発生させたとする。この場合、キャラクタ制御手段35は、5体の敵キャラクタEのそれぞれに対して口を大きく開ける等の発音動作を実行させる。
【0050】
一方、発音数判定手段34は、第1発音イベントの合計発音数が上限数である3より多いことを判定する。この場合、発音制御手段32は、優先順位が高い順に数えて所定数(3つ)の第1発音イベントの発音を実行する。すなわち、発音制御手段32は、第1音源S11,S12,S13から敵キャラクタEが個々に発する鳴き声の発音を実行する。
【0051】
さらに、発音制御手段32は、残りの第1発音イベントの発音を実行する代わりに、当該第1発音イベントとは異なる第2発音イベントの発音を実行する。この場合、発音制御手段32は、
図4において×印で示すように、第1音源S14,S15からの発音は行わない。
【0052】
発音制御手段32は、第2発音イベントに対応する第2音源S2を設定する。本実施の形態において、発音制御手段32は、残りの第1音源S14,S15のうちの優先順位の最も高い第1発音イベントのための第1音源S14の位置に基づいて第2音源S2a,S2bの位置を設定する。
【0053】
発音制御手段32は、第2音源S2a,S2bから対応する音の発音を開始する。ゲームデータ5bには、第1発音イベントと同様に、第2発音イベントに関するデータとして、音声データ、音源データ、音響効果データ等が含まれる。本実施の形態において、第2発音イベントの音声データは、敵キャラクタEが複数存在する場合の音(多数の敵キャラクタEの鳴き声)のデータにより構成される。
【0054】
また、第2発音イベントの音源データは、仮想空間VにおけるプレイヤキャラクタCの位置に基づく所定領域のどこで発音が実行されても、プレイヤキャラクタCとの位置関係に拘わらず、プレイヤキャラクタCにおいて同じように聞こえるように構成される。例えば、発音制御手段32は、プレイヤキャラクタCから対応する敵キャラクタE(第1音源S14)を見て左右方向にゲーム画面の中央から端までの長さ程度離れた位置に複数の第2音源S2a,S2bの位置を設定する。発音制御手段32は、当該複数の第2音源S2a,S2bから第2発音イベントの発音を実行する。
【0055】
上記態様によれば、第1発音イベントの発音数が多い場合に、所定数の第1発音イベントはそのまま発音させつつ、所定数を超える数の第1発音イベントを制限する。これにより、処理負荷を軽減しつつリアリティの低下を抑制することができる。さらに、第1発音イベントの代わりに第2発音イベントが発音することにより、当該第1発音イベントの発音数を制限することにより音源の数が減ったように感じることを抑制することができる。したがって、発音数が多い場合でも処理負荷を増大させることなく発音数が多い状況をよりリアルに再現することができる。
【0056】
また、上記態様では、第1発音イベントが1つの第1音源S1に対して1体の敵キャラクタEの鳴き声の発音として構成されているのに対し、第2発音イベントが2つで一対の第2音源S2に対して多数の敵キャラクタEの鳴き声の発音として構成されている。したがって、ノンプレイヤキャラクタ(敵キャラクタE)の数が多い場合に、そのうちの一部のノンプレイヤキャラクタが発する音を制限しても、それによってユーザがノンプレイヤキャラクタの数が減ったように感じることを抑制することができる。
【0057】
また、上記態様によれば、音の聴取位置LであるプレイヤキャラクタCの位置を基準とする第1発音イベントのための第1音源S1の相対距離が近いほど第1発音イベントが発音され易くなり、当該相対距離が遠いほど第1発音イベントが発音され難くなる。したがって、遠くに第1音源S1が位置する第1発音イベントを第2発音イベントで代替することにより、よりリアリティの高い発音表現を行うことができる。
【0058】
言い換えると、第2発音イベントの発音はプレイヤキャラクタCから遠い位置でしか実行されないため、第2発音イベントの発音をぼやけた音にしても、ユーザがゲーム音の音質が劣化したように感じることを防止することができる。これにより、第2発音イベントのデータ容量を低減することができる。
【0059】
また、上記態様によれば、第1音源S1からの発音を行わない、残りの第1音源S14,S15のうちの優先順位の最も高い(最もプレイヤキャラクタCに近い)第1発音イベントのための第1音源S14の位置に基づいて第2音源S2a,S2bの位置を設定する。これにより、第2発音イベントの発音を実行することによる発音数の低減防止効果をより高くすることができる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0061】
例えば、第1音源S1が設定されるオブジェクトは、上記例に限られない。当該オブジェクトは、固定オブジェクト(壁、天井、岩、木、家具、建物等)および移動オブジェクト(ノンプレイヤキャラクタ、飛翔物、乗物等)の何れでもよい。第1音源S1が設定されるノンプレイヤキャラクタは、例えばプレイヤキャラクタと行動を共にするがユーザが操作しない複数のサブキャラクタ、敵キャラクタ、街の人等のその他のノンプレイヤキャラクタを含む。
【0062】
また、上記実施の形態において、発音数を判定する対象となる第1発音イベントは、1種類の発音イベント(敵キャラクタEの鳴き声の発生イベント)のみである。すなわち、発音数を判定する第1発音イベントが属するグループには、敵キャラクタEの鳴き声の発生イベントのみが含まれるが、これに限られない。
【0063】
例えば、1つのグループに、複数の第1発音イベントとして、発音する音の種類が異なる複数種類の発音イベントが含まれていてもよい。例えば、敵キャラクタE1の鳴き声を発生するイベントと、敵キャラクタE2の足音を発生するイベントとが1つのグループに属し、共通する優先順位の決定基準を用いて発音管理を行ってもよい。
【0064】
この場合、第2発音イベントは、1つのグループに属する複数種類の発音イベントのそれぞれに対応付けられた複数の第2発音イベントを含んでもよい。例えば敵キャラクタE1(単体)の鳴き声を発音するイベントに対する第2発音イベントは、多数の敵キャラクタE1の鳴き声を発音するイベントであり、敵キャラクタE2(単体)の足音を発音するイベントに対する第2発音イベントは、多数の敵キャラクタE2の足音を発音するイベントとしてもよい。
【0065】
第2発音イベントで発音される音声データは、第1発音イベントで発音される音声データから生成されたものでもよい。例えば、第2発音イベントの音声データは第1発音イベントの音声データのピッチやテンポを変更したものとしてもよい。この場合、ユーザは、第2発音イベントの音声が第1発音イベントの発音を実行している個体とは別の個体から発生した音声であることを認識しやすくなる。また、第2発音イベントで発音される音声データは、第1発音イベントで発音される音声データとは全く異なる音声データでもよい。例えば、第2発音イベントは、いわゆるガヤ音(環境音)として構成されてもよい。ガヤ音は、多人数の話し声、多数の鳴き声、雑踏音、木が揺れる音、鳥のさえずり音等を含む。
【0066】
第2発音イベントが既に発音中である場合において、その後、合計発音数が所定数より多くなっても、発音制御手段32は、既に発音している第2発音イベントと種類が異なるか否かに拘わらず、新たに第2発音イベントを発音しなくてもよい。これに代えて、複数または複数種類の第2発音イベントの発音を許容してもよい。また、第2発音イベントが既に発音中である場合、その後、合計発音数が所定数以下になっても、発音制御手段32は、発音中の第2発音イベントを元の(発音する予定だった新規の)第1発音イベントに変更しなくてもよい。
【0067】
また、上記実施の形態において、優先度が相対距離に対する優先度を示す優先度曲線に基づいて決定され、当該決定された優先度に基づいて各第1発音イベントの優先順位が決定される態様について説明したが、これに限られない。例えば、優先度が所定の相対距離範囲ごとに段階的に変化する優先度グラフに基づいて、優先度および優先順位が決定されてもよい。
【0068】
また、優先順位の決定基準は上記相対距離に限られない。例えば、優先順位は、プレイヤキャラクタCの向きを基準として第1音源S1が位置している方向に基づいて決定されてもよい。この場合、例えば、プレイヤキャラクタCに正対する(角度が0°となる)ほど優先順位が高く、プレイヤキャラクタCの後方(角度が180°となる)ほど優先順位が低くなるように優先順位が決定されてもよい。
【0069】
また、優先順位は、第1発音イベントの発生が早い順に優先順位が高くなるように決定されてもよい。また、複数の条件(距離、方向、発生順)を組み合わせて優先順位が決定されてもよい。例えば、プレイヤキャラクタCの位置と第1音源S1の位置との間の距離に基づいて優先順位が決定され、複数の第1音源S1においてプレイヤキャラクタCとの距離が同じ場合に、当該複数の第1音源S1に対応する第1発音イベントの発生順に優先順位が決定されてもよい。
【0070】
また、例えば、優先順位が第1発音イベントの音源が設定される敵キャラクタの残り体力に基づいて決定されてもよい。この場合、例えば、残り体力が少ないほど優先順位を高くしてもよい。ゲームにおいては、残り体力が少ない敵キャラクタを、ユーザが狙う可能性が高い。このため、ユーザが狙う可能性が高い敵キャラクタについて優先順位を高くすることにより、ユーザに、第1発音イベントを実行していない状況、または、その代わりに第2発音イベントを実行している状況が露呈しにくくなる。これに代えて、例えば残り体力が多いほど優先順位を高くしてもよい。これにより、残り体力が少ない敵キャラクタを注視しているユーザに、十分に体力を有する新手の敵キャラクタが別に存在することを知らせることができる。
【0071】
これらの優先順位の決定基準を複数組み合わせてもよいし、当該決定基準をゲーム状況に応じて変更してもよい。
【0072】
また、上記実施の形態においては、音の聴取位置LがプレイヤキャラクタCに基づいて配置される場合について説明したが、これに代えて、所定のオブジェクトまたは仮想空間Vの所定の位置に基づいて音の聴取位置Lが設定されてもよい。
【0073】
また、一の第1発音イベントに対する第1音源S1の数および位置、ならびに、一の第2発音イベントに対する第2音源S2の数および位置は上記に限定されない。例えば、第2音源S2を1つとし、これを敵キャラクタEの基準位置(
図4の第1音源S14の位置)に配置してもよい。この場合、第1音源S1を2つとし、基準位置から所定距離離れた2か所(
図4の第2音源S2a,S2bの位置)にこれらを配置してもよい。また、第1音源S1の数および/または位置が第2音源S2の数および/または位置と同じであってもよい。
【0074】
また、上述した説明では、一人のユーザがオフラインゲームを行う場合について例示したが、本発明は、複数のユーザが各自のプレイヤキャラクタを同一の仮想ゲーム空間内に登場させ、これらを協力させて行動させるオンラインゲームにおいても適用することができる。
【0075】
また、上記実施の形態では携帯型のゲーム装置について説明したが、据え置き型のゲーム装置、携帯電話機、およびパーソナルコンピュータなどのコンピュータについても、本発明を好適に適用することができる。