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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-201963(P2018-201963A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】磁気共鳴イメージング装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   A61B5/05 341
   A61B5/05 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-112292(P2017-112292)
(22)【出願日】2017年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】光安 孝史
(72)【発明者】
【氏名】岡 邦治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 善隆
(72)【発明者】
【氏名】上田 泰声
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB11
4C096AB13
4C096AB46
4C096AB47
4C096BA05
4C096BA06
4C096BA07
4C096BA10
4C096BA18
4C096BA36
4C096BA41
4C096BA50
4C096CA02
4C096CA03
4C096CA05
4C096CA15
4C096CA16
4C096CA17
4C096CA18
4C096CB19
4C096CD09
4C096DA13
4C096DD04
4C096DD05
4C096DD09
4C096FB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】画質を劣化させることなく、検査時に被検体の感じる音を下げる磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【解決手段】静磁場に重畳する傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生系3と、被検体に高周波磁場パルスを照射する送信系5と、高周波磁場パルスの印加に応じて被検体より放出されるエコー信号を検出する受信系6と、傾斜磁場発生系による傾斜磁場の発生、送信系による高周波磁場パルスの照射及び受信系によるエコー信号の検出を制御するシーケンサ4を有する磁気共鳴イメージング装置において、所定のパルスシーケンスを実行するにあたり、音圧が相対的に高いk空間位置のエコー信号と音圧が相対的に低いk空間位置のエコー信号とを交互に計測するよう計測順序を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体が配置される空間に静磁場を発生させる静磁場発生系と、
前記静磁場に重畳する傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生系と、
前記被検体に高周波磁場パルスを照射する送信系と、
前記送信系による高周波磁場パルスの印加に応じて前記被検体より放出されるエコー信号を検出する受信系と、
所定のパルスシーケンスに基づいて、前記傾斜磁場発生系による傾斜磁場の発生、前記送信系による高周波磁場パルスの照射及び前記受信系によるエコー信号の検出を制御するシーケンサと、
前記所定のパルスシーケンスを実行するにあたり、音圧が相対的に高いk空間位置のエコー信号と音圧が相対的に低いk空間位置のエコー信号とを交互に計測するよう計測順序を決定する処理装置とを有する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
請求項1において、
あらかじめ静止座標系の各軸に印加される傾斜磁場に対する音圧特性を記憶したメモリを有し、
前記処理装置は、k空間に配置されるエコー信号それぞれのエンコード量及び前記音圧特性によりk空間位置の音圧をそれぞれ算出し、算出した前記k空間位置の音圧に基づき計測順序を決定する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
請求項1において、
あらかじめ静止座標系の各軸に正弦波で変化する傾斜磁場を印加した場合の音圧を示す周波数応答関数を周波数ごとに記憶したメモリを有し、
前記処理装置は、k空間に配置されるエコー信号それぞれの傾斜磁場パルスの形状及び前記周波数応答関数によりk空間位置の音圧を算出し、算出した前記k空間位置の音圧に基づき計測順序を決定する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
請求項1において、
第1計測モード及び第2計測モードを有し、
前記処理装置は、前記第1計測モードが選択された場合には、k空間に配置されるエコー信号のエンコード量が順次漸減または漸増するよう計測順序を決定し、前記第2計測モードが選択された場合には、前記音圧が相対的に高いk空間位置のエコー信号と前記音圧が相対的に低いk空間位置のエコー信号とを交互に計測するよう計測順序を決定する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記所定のパルスシーケンスは前記傾斜磁場発生系により発生される付加パルスを含み、
前記処理装置は、k空間位置の音圧を算出する場合に、前記付加パルスによる音圧の変化量を含めて算出した前記k空間位置の音圧に基づき計測順序を決定する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記シーケンサは、傾斜磁場の強度が相対的に弱いk空間低域では前記付加パルスを印加し、傾斜磁場の強度が相対的に強いk空間高域では前記付加パルスを印加しないように制御する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記付加パルスはリフェーズパルスである磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記所定のパルスシーケンスは前記送信系により発生されるプリパルスを含み、
前記シーケンサは、傾斜磁場の強度が相対的に弱いk空間低域では前記プリパルスを強く印加し、傾斜磁場の強度が相対的に強いk空間高域では前記プリパルスを弱く印加するように制御し、
前記処理装置は、前記k空間高域に含まれるエコー信号の計測が前記k空間低域に含まれるエコー信号の計測に先行し、かつ前記k空間高域において音圧が相対的に高いk空間位置のエコー信号と前記k空間高域において音圧が相対的に低いk空間位置のエコー信号とを交互に計測するよう計測順序を決定する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記処理装置は、前記k空間低域において音圧が相対的に高いk空間位置のエコー信号と前記k空間低域において音圧が相対的に低いk空間位置のエコー信号とを交互に計測するよう計測順序を決定する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
請求項8または9において、
前記プリパルスはMTC(Magnetization Transfer Control)パルス、脂肪抑制パルス、サチュレーションパルスのいずれかである磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
請求項1において、
k空間へのエコー信号はカーテシアンスキャン法またはラジアルスキャン法により配置されている磁気共鳴イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:以下、「MRI」という)装置に関し、特に、傾斜磁場による騒音を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮像においては、NMR信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたNMR信号は、計測空間(以下、k空間と呼ぶ)に配置され、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。このときのk空間へのNMR信号の配置方法としては、カーテシアンスキャン(Cartesian Scan)法が一般的である。カーテシアンスキャン法とは、位相エンコードの異なる複数のNMR信号(エコー信号)が、平行に並ぶようにスキャンする方法である。
【0003】
具体例として、グラディエントエコーシーケンスを紹介する。グラディエントエコーシーケンスでは、通常、1回のショットで、エコー信号をk空間の+側から−側(あるいは、−側から+側)に向かって1つずつシーケンシャルオーダで配置するよう位相エンコード傾斜磁場パルスを制御する。
【0004】
また、カーテシアンスキャン法以外にも、k空間への信号の配置方法がある。その一つとして、ラジアルスキャン(Radial Scan)法という測定方法がある。この測定法は、k空間の中心を原点として、回転角の異なる信号が放射状に並ぶように測定する方法である。また、この角度ごとの信号をブレードとよぶ。ラジアルスキャン法では、放射状に信号が配置されるために、位相方向のアーティファクトが分散し、カーテシアンスキャンと比較して、体動アーティファクトが目立たないという特徴がある。
【0005】
また、撮像領域に血液などの移動する物質や運動する組織が存在する場合、例えば特許文献1に開示されるように、リフェーズ傾斜磁場を付加したパルスシーケンスにより、移動や運動が原因となって発生したスピンの位相を、移動や運動の速度や加速度に依らずに再収束(リフェーズ)させて、画質に与える影響(つまり、アーティファクト)を排除又は低減する(以下、リフェーズ効果という)ことが行われている。このリフェーズパルスは目的に合わせて、スライス方向、位相エンコード方向、周波数エンコード方向に、1次若しくは2次の形態で印加される。
【0006】
他にも、特定領域のプロトンや、特定分子のプロトンの信号を選択的に抑制して画質を改善するため、本計測の前に、RFパルスを印加する撮像手法がある。本計測より前に印加するRFパルスをプリパルスと呼ぶ。プリパルスには、例えば、脂肪を抑制するためのRFパルス、流入してくる静脈血の信号を抑制することにより動脈の識別能を高めるサチュレーションパルス、筋肉や脳実質の信号を抑制する磁化転移コントラスト(MTC:Magnetization Transfer Contrast)パルス等がある。MTCパルスは、筋肉や脳実質の信号を抑制することにより血管の描出能を向上させることができる。このため、MTCパルス、サチュレーションパルス等は、3D TOF撮像といった血流の撮像に用いられる。このような撮像手法が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2011/034004号公報
【特許文献2】特開2011−110086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、特許文献2において、画質に関する観点から磁場の印加制御が開示されているが、音を静かにするという観点に関しては開示されていない。
【0009】
傾斜磁場の印加により生じる音圧レベルは、カーテシアンスキャン、ラジアルスキャン等の測定法によらず、信号の取得時にエンコードパルスの磁場強度を変えているため、それに起因してエコー信号ごとに音圧が異なり、また、傾斜磁場コイルは、静止座標系の各軸によって音の特性が異なるため、計測時の角度によっても音圧が変化する。そのため、エンコードパルスの印加順や計測角度の取得順によって音圧レベルが変化する。また、リフェーズパルスなどの付加パルスを適用する計測でも、リフェーズパルスに起因して音圧レベルが計測点によって異なってくる。一方、プリパルスをk空間の特定領域に適用する計測では、音圧レベルだけでなく、画像コントラストが計測順に依存して変化する。
【0010】
このように、MRI装置の計測において音圧レベルに影響を与える要因は多く、計測順によっては音圧レベルが高くなる領域が出現する。しかも、計測順は得られる画像のコントラストを決める上で重要な場合があり、その場合には音圧レベルだけで計測順序を決めることはできない。
【0011】
本発明の目的は、画質を劣化させることなく、検査時に被検体の感じる音を低減するMRI装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、磁気共鳴イメージング装置は、被検体が配置される空間に静磁場を発生させる静磁場発生系と、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生系と、被検体に高周波磁場パルスを照射する送信系と、送信系による高周波磁場パルスの印加に応じて被検体より放出されるエコー信号を検出する受信系と、所定のパルスシーケンスに基づいて、傾斜磁場発生系による傾斜磁場の発生、送信系による高周波磁場パルスの照射及び受信系によるエコー信号の検出を制御するシーケンサと、所定のパルスシーケンスを実行するにあたり、音圧が相対的に高いk空間位置のエコー信号と音圧が相対的に低いk空間位置のエコー信号とを交互に計測するよう計測順序を決定する処理装置とを有する。
【発明の効果】
【0013】
計測順を音圧に基づき最適化することによって、音圧レベルが平滑化される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】MRI装置の全体構成を示すブロック図である。
図2A】カーテシアンスキャンでのk空間へのエコー信号の配置例である。
図2B】ラジアルスキャンでのk空間へのエコー信号の配置例である。
図3】k空間(kp−ks空間)へのエコー信号の配置例を示す図である。
図4】k空間の所定のボクセルでの傾斜磁場強度を示す図である。
図5】静音化がonである場合のk空間充填順序の例を示す図である。
図6】実施例1の動作フローを表すフローチャートである。
図7】周波数軸へのリフェーズパルスの印加パターンを説明する図である。
図8】実施例2の動作フローを表すフローチャートである。
図9】実施例2におけるk空間のボクセル分割を説明する図である。
図10】周波数軸へのMTCパルスの印加パターンを説明する図である。
図11】実施例3の動作フローを表すフローチャートである。
図12A】実施例3におけるk空間のボクセル分割を説明する図である。
図12B】実施例3における静音化がonである場合のk空間充填順序の例を示す図である。
図13】実施例4の動作フローを表すフローチャートである。
図14】計測順序を入れ替えることによる音の低減効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に従って本発明にかかるMRI装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
最初に、MRI装置の全体概要を図1に基づいて説明する。MRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、静磁場発生系2、傾斜磁場発生系3、送信系5、受信系6、信号処理系7、シーケンサ4、中央処理装置(CPU)8を備えて構成される。
【0017】
静磁場発生系2は、被検体1の周りの空間に、垂直磁場方式であれば被検体1の体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば被検体1の体軸方向に、均一な静磁場を発生させる。このため、被検体1の周りに静磁場発生源としての永久磁石、または常電導電磁石あるいは超電導電磁石が配置されている。
【0018】
傾斜磁場発生系3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10を有する。後述のシーケンサ4からの命令に従って、それぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。撮像時には、スライス面(撮像断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交し、かつ互いに直交する2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
【0019】
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスとを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段である。CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
【0020】
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体1にRFパルスを照射するものであり、高周波発振器11、変調器12、高周波増幅器13、送信側の高周波コイル(送信コイル)14aを有する。高周波発振器11から出力されたRFパルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調されたRFパルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、RFパルスが被検体1に照射される。
【0021】
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14b、信号増幅器15、直交位相検波器16、A/D変換器17を有する。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体1の応答のNMR信号は、被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
【0022】
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、RAM22やROM21等の記憶装置と、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT、FPD等のディスプレイ20とを有する。受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク18等に記録する。
【0023】
操作部25は、MRI装置の各種制御情報や上記信号処理系7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール又はマウス23やキーボード24を有する。この操作部25はディスプレイ20に近接して配置され、操作者がディスプレイ20を見ながら操作部25を通して、インタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
【0024】
なお、図1において、送信側の高周波コイル14aと傾斜磁場コイル9は、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体1に対向するように、水平磁場方式であれば被検体1を取り囲むようにして設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体1に対向して、あるいは取り囲むように設置されている。
【0025】
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
【0026】
図2Aにカーテシアンスキャンでのk空間(kp−ks空間を図示)へのエコー信号の配置例201を示す。カーテシアンスキャンの各位相エンコードのエコー信号202は平行に並ぶように配置されている。また、図2Bにラジアルスキャンでのk空間(kp−ks空間を図示)へのエコー信号の配置例203を示す。ラジアルスキャンの各ブレード(エコー信号)204は放射状に並ぶように配置されている。205はラジアルスキャンの各エコー信号取得時の計測角度を示している。
【0027】
本実施例では、位相エンコードおよびスライスエンコードの変化による音圧特性の解析および静止座標系の軸に依存する音圧特性の解析を実施し、各特性および所望とする画像コントラストを考慮して、計測順番を決定することで音圧レベルを平滑化する。これにより、画質を維持しつつ、人間の聴覚に基づく音圧レベル(いわゆるA特性の音)を低減させる。
【実施例1】
【0028】
実施例1では3D撮像のグラディエントエコー系シーケンスのカーテシアンスキャンにおいて位相エンコードおよびスライスエンコードの計測順序を制御する場合を例として音圧を低減する手法について説明する。
【0029】
操作者は撮像の前に予めX,Y,Zの3軸ごとに傾斜磁場印加による音圧特性λx,λy,λzを計測し、ROM21に保存する。音圧特性λxの計測にあたっては、集音マイクを例えば、撮像時の被検体1の頭部付近に設置し、X軸に傾斜磁場Gxを繰り返し間隔TRで印加し、発生する音圧Axを計測して(数1)にて求める。同様に、音圧特性λyの計測にあたっては、Y軸に傾斜磁場Gyを繰り返し間隔TRで印加し、発生する音圧Ayを計測して(数2)にて求める。音圧特性λzの計測にあたっては、Z軸に傾斜磁場Gzを繰り返し間隔TRで印加し、発生する音圧Azを計測して(数3)にて求める。繰り返し間隔TRは当該シーケンスごとに定められている。
【0030】
【数1】
【0031】
【数2】
【0032】
【数3】
【0033】
なお、音圧特性λx,λy,λzは静磁場発生系2と傾斜磁場発生系3とにより一意に決定されるものであり、一度計測してしまえば再度計測しなくてもよく、また同じ装置構成の機種であれば1つの装置で計測すれば装置ごとに計測しなくてもよい。
【0034】
撮像時の処理フローを図6に示すフローチャートに基づいて説明する。CPU8はディスプレイ20に撮像条件入力画面を表示し、操作者は撮像条件を入力する(S601)。撮像条件には音圧レベルでデータ計測順を決定するか否かを選択するパラメータ「静音化」(onまたはoffの値を持つ)を含み、操作者は他のパラメータと同様に入力する。例えば、撮像条件入力画面に選択画面610を設け、操作者がon/offを選択できるようにすればよい。本例の撮像条件として、3D撮像、グラディエントエコー系シーケンス、カーテシアンスキャン、周波数エンコード数Freq#は256、位相エンコード数Phase#は256、スライスエンコード数Slice#は32とし、撮像断面については所望する撮像位置を入力したものとして説明する。
【0035】
ステップS601が完了すると撮像が開始され、CPU8は入力された撮像条件に基づいて、RAM22にエンコード数で示されたFreq#×Phase#×Slice#=256×256×32マトリクス分のk空間データ領域を確保する(S602)。なお、以下の説明において周波数エンコード軸をkf、位相エンコード軸をkp、スライスエンコード軸をksとし、各軸の中心を0、−Freq#/2≦kf<Freq#/2、−Phase#/2≦kp<Phase#/2、−Slice#/2≦ks<Slice#/2とする。図3にkp−ks空間の例を示す。301はk空間中心であり、傾斜磁場の量に応じて、各エコー信号の配置(エンコード量)を(kp, ks)の形式で定義する。
【0036】
次にステップS603において、パラメータ「静音化」がoffである場合(第1計測モード)、データ計測順序の決定(S604)に進み、onである場合(第2計測モード)は音圧レベルを低減するようにデータ計測順を決定する(S605)。
【0037】
ステップS604は、従来のデータ計測順序の決定に相当する。CPU8は以下の計算によりデータ計測順序を計算し、RAM22に保存する。図3に示したkp−ks空間の場合は、k空間の位相エンコード軸kp及びスライスエンコード軸ksについて、各軸の最大から始まり最小に向かって(あるいは、逆に最小から始まり最大に向かって)1点ずつシーケンシャルに計測し、かつスライスエンコード軸ksを位相エンコード軸kpより先に計測する。したがって、各軸に沿ってエコー信号のエンコード量が順次漸減または漸増(つまり単調変化)するように計測順序が決定される。繰り返し回数iにおいて計測されるエコー信号のk空間座標kp(i)、ks(i)をそれぞれ(数4)、(数5)で求める。ただし、(数4)におけるRoundOFFは小数点以下切り下げを示し、(数5)におけるi Mod jはiをjで割った余りを示す。またiは1〜Phase#×Slice#、すなわち1〜8192である。
【0038】
【数4】
【0039】
【数5】
【0040】
これに対して、音圧レベルでデータ計測順を決定する手順(S605)について説明する。CPU8は以下の計算によりデータ計測順序を計算しRAM22に保存する。図4はk空間(kp−ks空間)の所定の位置に配置されたボクセル(Voxel)301〜304(図3参照)に対して、印加される位相エンコードパルスおよびスライスエンコードパルス401〜404を示したものである。位相エンコードパルスの強度Gpおよびスライスエンコードパルスの強度Gsは、エンコード量kp(数4)またはエンコード量ks(数5)及びその印加時間tと回転磁気比γを用いて(数6)、(数7)で決定される。
【0041】
【数6】
【0042】
【数7】
【0043】
位相エンコードパルスGpおよびスライスエンコードパルスGsはそれぞれk空間の軸(位相エンコード軸、スライスエンコード軸)に印加される傾斜磁場であり、図3における所定のk空間での傾斜磁場は図4のようになる。磁場強度401〜404はそれぞれ、図3のボクセル(Voxel)301〜304での磁場強度を示している。すなわち、ボクセル301((kp, ks)=(0, 0))では、位相エンコードパルスGpおよびスライスエンコードパルスGsともに磁場強度0である。ボクセル302((kp, ks)=(l, 0))では、位相エンコードパルスGpは磁場強度L、スライスエンコードパルスGsは磁場強度0である。ボクセル303((kp, ks)=(m1, m2),|l|<|m1|)では、位相エンコードパルスGpは磁場強度M1(ただし、L<M1)、スライスエンコードパルスGsは磁場強度M2である。ボクセル304((kp, ks)=(n1, n2),|m1|=|n1|かつ|m2|<|n2|)では、位相エンコードパルスGpは磁場強度N1(ただし、M1=N1)、スライスエンコードパルスGsは磁場強度N2(ただし、M2<N2)である。このようにk空間の軸に印加される磁場強度は、当該k空間の軸においてk空間中心から遠ざかるほど大きくなる関係にある。
【0044】
撮像断面角を示すマトリクスO(f, p, s)を用いた(数8)より傾斜磁場Gx、Gy、Gzに射影する。ただし、周波数エンコードパルスは考慮せず、Gfは0とする。
【0045】
【数8】
【0046】
傾斜磁場Gx(kp, ks)、Gy(kp, ks)、Gz(kp, ks)と音圧特性λx, λy, λzとを用いて、k空間位置(kp, ks)での音圧A(kp, ks)を(数9)よりk空間位置毎に計算する。
【0047】
【数9】
【0048】
(数9)により求めた各k空間位置での音圧A(kp, ks)を降順に並べて配列Aasc(j)とし、k空間のデータ計測順、すなわち繰り返し回数iにおけるk空間座標kp(i)、ks(i)を(数10)により決定する。ここで、Aasc(j).kpはAasc(j)におけるk空間位置kpを指し、Aasc(j).ksはAasc(j)におけるk空間位置ksを指す。(数10)は音圧が相対的に高いk空間位置と音圧が相対的に低いk空間位置とを交互に計測することを示すものであり、データ計測順をこのような順序とすることにより、人間が受け取る音圧がk空間位置によらずに平均化される。
【0049】
【数10】
【0050】
計測順序を入れ替えることによる音の低減効果を図14に示す。図14は上述した計測順序によりそれぞれ実測したものであり、グラフ1401はパラメータ「静音化」をoffとした場合、すなわちステップS604においてk空間にエコー信号を充填する順序の場合に発生するノイズレベル(最大ノイズにより正規化して示す)を、グラフ1403はその場合に体感される音圧を示している。また、グラフ1402はパラメータ「静音化」をonとした場合、すなわちステップS605においてk空間にエコー信号を充填する順序の場合に発生するノイズレベル(最大ノイズにより正規化して示す)を、グラフ1404はその場合に体感される音圧を示している。このように、音圧が高いk空間位置と音圧が低いk空間位置とを交互に計測することにより、人に体感される音圧はなだらかになり、ピークも低減されている。なお、(数10)による計測順序は一例であり、音圧が相対的に高いk空間位置と音圧が相対的に低いk空間位置とを交互に計測するように計測順序を定めることにより、体感音圧を低下させることができる。
【0051】
次に、シーケンサ4はCPU8からRAM22に保存されたk空間のデータ計測順すなわち繰り返し回数iにおけるk空間座標kp(i)、ks(i)を用いて、パルスシーケンスを実行する(S606)。図5にパラメータ「静音化」をonとした場合(第2計測モード)の計測順の例を示す。番号50001から順に計測して58192までをおこなう。図5に示されるように、(数10)に従う例によれば、奇数番目ではk空間最外部に始まり全体的にk空間中心に向かうようにエコー信号が充填されていき、偶数番目ではk空間中心部から全体的にk空間最外部に向かうようにエコー信号が充填されていく。
【0052】
次に、信号処理系7は取得した信号を、RAM22に保存されたk空間のデータ計測順に応じて、k空間データ領域に配置し、各種データ処理と処理結果の表示及び保存を実行する(S607)。
【0053】
なお、本実施例において、音圧特性λx、λy、λzの代わりに周波数応答関数(FRF:Frequency Response Function)を用いて算出してもよい。FRFとは正弦波で変化する傾斜磁場を印加した場合の音圧であり、周波数ごとのFRFをあらかじめ取得し、音圧特性の場合と同様にROM21に記憶しておく。これにより、任意の傾斜磁場パルス形状に対して周波数変換してFRFをかけることで音圧を予測することができる。
【0054】
また、本実施例においては3D撮像のグラディエントエコー系シーケンスのカーテシアンスキャンを対象として説明を行ったが、2D撮像やスピンエコー系シーケンス、高速スピンエコー系シーケンスに適用してもよい。
【実施例2】
【0055】
次に、実施例2について説明する。実施例1と異なる点は、音圧Aを求める式に付加機能に関する音圧に関する重みを含める点である。以下、異なる箇所を中心に説明し、同じ内容の説明は省略する。付加機能として、リフェーズ機能を例に説明する。リフェーズ機能適用の効果は、傾斜磁場の強度が相対的に弱いk空間の低域で強く、傾斜磁場の強度が相対的に強いk空間の高域で弱くなる。また、リフェーズ機能では、一般的に付加パルスとして傾斜磁場パルスが通常よりも多く印加されるため、適用時の音圧は高くなる傾向にある。そのため、例えば、k空間低域ではリフェーズパルスを適用し、k空間高域ではリフェーズパルスを適用しないとすることで、リフェーズ効果を得ながら、音圧の抑制を可能にする。
【0056】
図7を用いて、付加パルスとして周波数軸へのリフェーズパルスを印加する場合の印加パターンについて説明する。701はRF軸、702は周波数軸、703はエコー軸、704,711は90°RFパルス、705,712は180°RFパルスである。706がリフェーズパルスを、707,713がディフェーズパルスを、708,714がエンコードパルスを、709,715は取得エコー信号を示す。710はリフェーズパルスを印加する場合、716はリフェーズパルスを印加しない場合を示す。
【0057】
撮像時の処理フローを図8に示すフローチャートに基づいて説明する。実施例2においても、ステップS803にてパラメータ「静音化」のon/offを選択して、計測順序を変更するかどうかを決定し、「静音化」がoffの場合(第1計測モード)のデータ計測順序の決定(S804)は実施例1と同様である。
【0058】
パラメータ「静音化」がonの場合(第2計測モード)、リフェーズパルス機能が適用されている場合には、ステップS809にてk空間を中心部の低域と周辺部の高域とに分割する。図9にk空間の例を示す。中心部の領域901が低域を示し傾斜磁場の強度が相対的に弱く、周辺部のドーナツ状領域902が高域を示し傾斜磁場の強度が相対的に強い。なお、その境界は撮像条件として任意に設定することができる。
【0059】
ステップS810にてリフェーズ機能の有無による音圧の変化量ζs,ζp,ζfをRAM22に書き込む。ζsは、スライス方向リフェーズの有無による変化量を、ζpは、位相方向リフェーズの有無による変化量を、ζfは、周波数方向リフェーズの有無による変化量を示している。変化量ζはリフェーズ機能有りの音圧A_onとリフェーズ機能無し音圧A_offから(数11)〜(数13)にて求めることができる。
【0060】
【数11】
【0061】
【数12】
【0062】
【数13】
【0063】
もしくは、FRFにより算出した値から変化量をζs,ζp,ζfを求めてもよい。リフェーズ機能を適用した場合は、(数14)によりGx,Gy,Gzを計算し、(数9)により音圧を計算する(S810)。
【0064】
【数14】
【0065】
計算した音圧に基づき、実施例1と同様に、計測順を決定する(S805)。
【0066】
以降のステップS806,S807は実施例1のステップS606,S607と同様の手順をとる。このように計測順を入れ替えることで、リフェーズ効果を得ながら実施例1と同様に図14に示すような音の低減効果が得られる。
【実施例3】
【0067】
次に、実施例3について説明する。実施例1、2と異なる点は、k空間のデータ計測順の決定方法において、付加機能の効果を考慮する点である。以下、異なる箇所を中心に説明し、同じ内容の説明は省略する。付加機能としてMTC機能を例に説明する。
【0068】
図10を用いて、周波数軸へのMTCパルスの印加パターンについて説明する。1001はRF軸、1002は周波数軸、1003はエコー軸、1004は90°RFパルス、1005は180°RFパルスである。1006が強く印加されたMTCパルスを、1011が弱く印加されたMTCパルスを、1007,1014がディフェーズパルスを、1008,1015がエンコードパルスを、1009,1016が取得エコー信号を示す。1010はMTCを強く印加する場合、1017はMTCを弱く印加する場合を示す。
【0069】
MTC機能の適用の効果は、傾斜磁場の強度が相対的に弱いk空間の低域で強く、傾斜磁場の強度が相対的に強い高域で弱くなる。また、MTCパルスを毎繰り返し間隔TRで強く印加すると、SAR(specific absorption rate)が高くなり、高磁場での撮像に制限が生じる。物質に電磁波を照射すると物質内の分子が振動することにより内部にRFが吸収されて発熱を生じるため、RFが人体へ吸収される程度を示す指標としてSARが定められている。SARには上限があり、この上限を超えての撮像条件を設定することができない。このため、MTC機能の適用の効果の高いk空間の低域ではMTCパルスの印加強度を強く、MTC機能の適用の効果の低いk空間の高域ではMTCパルスを弱く印加することで、SARを抑えつつMT効果を得ることが可能になる。一方で、MTCパルスの印加間隔が長くなると磁化が回復するためにMT効果が薄れ、また、MTCパルスを連続印加することで磁化が飽和し、MT効果が高まる。そのため、k空間の低域では、MTCパルスの間隔を短く設定し、かつk空間中心付近で飽和するような計測順にすることでMT効果を有効に得ることができる。
【0070】
撮像時の処理フローを図11に示すフローチャートに基づいて説明する。実施例3においても、ステップS1103にてパラメータ「静音化」のon/offを選択して、計測順序を変更するかどうかを決定し、「静音化」がoffの場合(第1計測モード)のデータ計測順序の決定(S1104)は実施例1と同様である。
【0071】
「静音化」がonの場合(第2計測モード)において、MTC機能が適用されているときの計測順の定め方を図12A図12Bを用いて説明する。MTCパルスが強く印加される領域(低域)1201とMTCパルスが弱く印加される領域(高域)1202とを分割する(S1109)。分割の境界は撮像条件として任意に設定することができる。強く印加される領域(低域)1201の音圧A1(kp, ks)を(数15)により、弱く印加される領域(高域)の音圧A2(kp, ks)を(数16)により計算する。
【0072】
【数15】
【0073】
【数16】
【0074】
(数15)により求めた音圧A1(kp, ks)を降順に並べた配列Aasc1(j)、(数16)により求めた音圧A2(kp, ks)を降順に並べた配列Aasc2(j)を求める。ステップS1105では、まず高域1202において配列Aasc2(j)に基づき(数10)により、続いて低域1201において配列Aasc1(j)に基づき(数10)により計測順序を決定する。このようにk空間を高域と低域に分離し、それぞれにおいて音圧を低下させるように計測順序を決定することにより、MT効果を十分に得ながら、音圧を低下させることができる。図12Bに計測順の例を示す。例えば、高域での計測では、高域1202のうち、より高域となる外縁領域1206での計測とより低域となる内縁領域1205での計測とを交互に行う。例えば、奇数番目では外縁領域1206の最外部に始まり全体的に内縁領域1205に向かうようにエコー信号が充填されていき、偶数番目では内縁領域1205の最内部に始まり全体的に外縁領域1206に向かうようにエコー信号が充填される。低域での計測でも同様に、低域1201のうち、より高域となる周辺領域1204での計測とより低域となる中心領域1203での計測とを交互に行う。例えば、奇数番目では周辺領域1204の最外部に始まり全体的に中心領域1203に向かうようにエコー信号が充填されていき、偶数番目では中心領域1203の中心部に始まり全体的に周辺領域1204に向かうようにエコー信号が充填される。
【0075】
なお、繰り返し間隔TRが短い場合については、実施例1のように高域1202と低域1201とで交互に計測してもMT効果が得られるが、実施例3のように高域1202と低域1201とを分けて計測順序を定めた方が、繰り返し間隔TRが長い場合においても高いMT効果を得ることができる。また、低域1201においては印加される傾斜磁場の強度が相対的に弱いことを利用して、高域1202においては音圧が高いk空間位置と音圧が低いk空間位置とを交互に計測するが、低域1201においては従来通りの計測順序(k空間に配置されるエコー信号のエンコード量が順次漸減または漸増するような計測順序)で計測するといった変形も可能である。
【0076】
ステップS1101,S1102,S1104,S1106,S1107に関しては、実施例1のフローチャートS601,S602,S604,S606,S607と同様の手順をとる。このように計測順を入れ替えることで、MT効果を得ながら、実施例1と同様に図14に示すような音の低減効果が得られる。
【実施例4】
【0077】
次に、実施例4について説明する。実施例1、2、3と異なる点は、傾斜磁場コイルに対して、複数の異なる角度の計測を実施する場合について考慮する点である。以下、異なる箇所を中心に説明し、同じ内容の説明は省略する。複数の異なる角度の計測を実施する例として、マルチスタック計測やラジアルスキャン計測がある。ラジアルスキャン計測を例に説明する。
【0078】
撮像時の処理フローを図13に示すフローチャートに基づいて説明する。ラジアルスキャン選択時も、ステップS1303にて「静音化」のon/offを選択して、計測順序を変更するかどうかを決定するまでは実施例1と同様であり、ラジアルスキャン選択時にてパラメータ「静音化」のonを選択した場合(第2計測モード)においては、ステップS1303ではon、ステップS1308ではyesに進むことになる。ラジアルスキャン計測は、複数の異なるエコー信号を回転させながら計測するため、各エコー信号取得時の角度(ブレード角)で傾斜磁場コイルに起因する音圧が変化する。計測内で変化する角度(Angle)を示すマトリクスO(Angle)を用いて、(数17)により傾斜磁場Gx,Gy,Gzを算出する。
【0079】
【数17】
【0080】
(数17)により算出した傾斜磁場Gx(kp, ks, Angle),Gy(kp, ks, Angle),Gz(kp, ks, Angle)と音圧特性λx,λy,λzとを用いて、音圧A(kp, ks, Angle)を(数18)により計算する。
【0081】
【数18】
【0082】
ステップS1305においては、音圧A(kp, ks, Angle)を昇順に並べた配列Aasc(j)を求め、実施例1と同様に計測順序を定める。
【0083】
なお、ステップS1301,S1302,S1304,S1306,S1307に関しては、実施例1のフローチャート(図6)のステップS601,S602,S604,S606,S607と同様となる。計測順を入れ替えることで、図14に示すような音の低減効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0084】
1:被検体、2:静磁場発生系、3:傾斜磁場発生系、4:シーケンサ、5:送信系、6:受信系、7:信号処理系、8:中央処理装置(CPU)、9:傾斜磁場コイル、10:傾斜磁場電源、11:高周波発振器、12:変調器、13:高周波増幅器、14a:高周波コイル(送信コイル)、14b:高周波コイル(受信コイル)、15:信号増幅器、16:直交位相検波器、17:A/D変換器、18:磁気ディスク、19:光ディスク、20:ディスプレイ、21:ROM、22:RAM、23:トラックボール又はマウス、24:キーボード。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14