特開2018-202055(P2018-202055A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202055(P2018-202055A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】延長管及びそれを用いた電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/24 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   A47L9/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-113920(P2017-113920)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】堀部 勇
(72)【発明者】
【氏名】星出 真一
(72)【発明者】
【氏名】羽田野 剛
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057BA06
3B057BA09
3B057BA26
3B057BA35
(57)【要約】
【課題】軽量かつ小型で安全性の高い延長管を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂から成る繊維強化樹脂積層シート18と、繊維強化樹脂積層シート18と親和性が高い樹脂から成る樹脂支持部材19が略円筒形状となるよう構成され、樹脂支持部材19は繊維強化樹脂積層シート18にインサート成形を含む一体成形工法で融着されており、樹脂支持部材19の端部に塵埃を吸引する吸込具(図示せず)が接続できる接続部44を備えたもので、樹脂の中でも比較的比重の小さいポリオレフィン系樹脂から成る繊維強化樹脂積層シートと親和性が高い樹脂で通気路を形成する円筒部を構成できるため、曲げに対する物理的強度と軽量化が図れ、また、通気路を形成する円筒部と接続部44が一体成形されるため構造が単純化される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂から成る繊維強化樹脂積層シートと、前記繊維強化樹脂積層シートと親和性が高い樹脂から成る樹脂支持部材とを備え、前記繊維強化樹脂積層シートと前記樹脂支持部材とが略円筒形状となるよう構成され、前記樹脂支持部材は前記繊維強化樹脂積層シートにインサート成形を含む一体成形工法で融着されており、前記樹脂支持部材の端部に塵埃を吸引する吸込具が接続できる接続部を備えた延長管。
【請求項2】
樹脂支持部材を繊維強化樹脂積層シートの両端に一体成形工法で融着し、一方の樹脂支持部材の端部に吸込具を接続できる接続部を、他方の樹脂支持部材の端部に掃除機本体もしくは前記掃除機本体に接続されるホースに接続できる第2の接続部をそれぞれ備えた請求項1に記載の延長管。
【請求項3】
樹脂支持部材は、ポリオレフィン系樹脂から構成される請求項1又は2に記載の延長管。
【請求項4】
略円筒形状の繊維強化樹脂積層シートの両端部に少なくとも1つ以上の貫通穴を配置し、樹脂支持部材との一体成形時に溶けた樹脂が前記貫通穴に入り込むように構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の延長管。
【請求項5】
繊維強化樹脂積層シートの外周に厚みが薄い薄肉部を設け、前記薄肉部における樹脂支持部材の樹脂厚みを厚くした請求項1〜4のいずれか1項に記載の延長管。
【請求項6】
繊維強化樹脂積層シートの略円筒形状の両端部に、軸方向に伸びる延長部を備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の延長管。
【請求項7】
樹脂支持部材とで略円筒形状に形成される繊維強化樹脂積層シートの内面に織物層を配置した請求項1〜6のいずれか1項に記載の延長管。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の延長管を有する電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機等に用いる延長管ならびに電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の延長管として、通気路を形成する円筒部をアルミ材等の金属材料で構成し、電気掃除機に接続されるホースおよび吸口体との接続部が別部材として配置されている構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9は、上記特許文献1に記載された従来の延長管の側面図である。図9において、従来の延長管202は、アルミ素材で構成され通気路(図示せず)を形成する円筒部204と、一端が被清掃面の塵埃を吸引する吸込具201に接続される吸込具接続部205と、電気掃除機(図示せず)の掃除機本体(図示せず)に内蔵された電動送風機(図示せず)と連通するホース203に接続されるホース接続部206から構成されており、吸込具接続部205とホース接続部206の夫々は、円筒部204に形成された嵌合部207に嵌合させて固定するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−54784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の延長管においては、電気掃除機の使い勝手を向上させるという観点からは未だ改善の余地があった。
【0006】
すなわち、従来の延長管は、通気路を形成する円筒部204は一般的な樹脂と比較して比重が大きいアルミ素材で構成されており、質量が増加していた。また、通気路を形成する円筒部204と吸込具201もしくはホース203を吸込具接続部205若しくはホース接続部206を介して嵌合させる必要があるため、嵌合部を形成する構造が複雑になり、大型化かつ質量が増加するという課題があった。
【0007】
また、異材質の部品を嵌合させているため、延長管202に外力が加わると、通気路を形成する円筒部204と吸込具201もしくはホース203を接続できる接続部の嵌合が外れ、空気が流出、円筒部204と接続部間が分離してしまうという課題があった。
【0008】
本発明は、上位従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、軽量かつ小型で安全性の高い用延長管及び使い勝手の良い電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来の課題を解決するために、本発明の延長管は、ポリオレフィン系樹脂から成る繊維強化樹脂積層シートと、前記繊維強化樹脂積層シートと親和性が高い樹脂から成る樹脂支持部材とを備え、前記繊維強化樹脂積層シートと前記樹脂支持部材とが略円筒形状となるよう構成され、前記樹脂支持部材は前記繊維強化樹脂積層シートにインサート成形を含む一体成形工法で融着されており、前記樹脂支持部材の端部に塵埃を吸引する吸込具が接続できる接続部を備えたもので、樹脂の中でも比較的比重の小さいポリオレフィン系樹脂から成る繊維強化樹脂積層シートと繊維強化樹脂積層シートと親和性が高い樹脂で通気路を形成する円筒部を構成できるため、曲げに対する物理的強度を確保しつつ軽量化が図
れるものである。また、通気路を形成する円筒部と塵埃を吸引する吸込具が接続される接続部が一体成形されるため、構造が単純化され、大型になることなく軽量化が図れる。さらに、円筒部と接続部が分離することがないため、安全性の高い延長管を提供できるものである。
【0010】
また、本発明の電気掃除機は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の延長管を有するもので、軽量かつ小型で安全性の高い延長管を使用することで使用勝手の良い電気掃除機を提供できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の延長管によれば、樹脂の中でも比較的比重の小さいポリオレフィン系樹脂から成る繊維強化樹脂積層シートと繊維強化樹脂積層シートと親和性が高い樹脂で通気路を形成する円筒部を構成できるため、曲げに対する物理的強度を確保しつつ軽量化が図れるものである。また、通気路を形成する円筒部と塵埃を吸引する吸込具が接続される接続部が一体成形されるため、構造が単純化され、大型になることなく軽量化が図れる。さらに、円筒部と接続部が分離することがないため、安全性の高い延長管を提供できるものである。さらにこの延長管を電気掃除機に用いることで、使用勝手の良い電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1における延長管を用いた電気掃除機の右側面図
図2】同延長管の斜視図
図3】同延長管の右側面図
図4】同延長管の略円筒形状の中心軸における右側面からの断面図
図5】同延長管の分解図
図6】同延長管の一体成形部品の分解図
図7】同延長管の中央部における中心軸に垂直方向の断面図
図8】同延長管の繊維強化樹脂積層シートの積層構成を示す断面図
図9】従来の延長管の側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、ポリオレフィン系樹脂から成る繊維強化樹脂積層シートと、前記繊維強化樹脂積層シートと親和性が高い樹脂から成る樹脂支持部材とを備え、前記繊維強化樹脂積層シートと前記樹脂支持部材とが略円筒形状となるよう構成され、前記樹脂支持部材は前記繊維強化樹脂積層シートにインサート成形を含む一体成形工法で融着されており、前記樹脂支持部材の端部に塵埃を吸引する吸込具が接続できる接続部を備えたもので、樹脂の中でも比較的比重の小さいポリオレフィン系樹脂から成る繊維強化樹脂積層シートと繊維強化樹脂積層シートと親和性が高い樹脂で通気路を形成する円筒部を構成できるため、曲げに対する物理的強度を確保しつつ軽量化が図れるものである。また、通気路を形成する円筒部と塵埃を吸引する吸込具が接続される接続部が一体成形されるため、構造が単純化され、大型になることなく軽量化が図れる。さらに、円筒部と接続部が分離することがないため、安全性の高い延長管を提供できるものである。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明の樹脂支持部材を繊維強化樹脂積層シートの両端に一体成形工法で融着し、一方の樹脂支持部材の端部に吸込具を接続できる接続部を、他方の樹脂支持部材の端部に掃除機本体もしくは前記掃除機本体に接続されるホースに接続できる第2の接続部をそれぞれ備えたもので、一方の樹脂支持部材に接続部が、他方の樹脂支持部材に第2の接続部が夫々一体成形されるため、通気路内に部品の嵌合部分が無くなり、さらに構造が単純化され、大型になることなく軽量化が図れるものである。
【0015】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の樹脂支持部材は、ポリオレフィン系樹脂から構成されるもので、繊維強化樹脂積層シートと樹脂支持部材とが共にポリオレフィン系樹脂で形成されるため、接合部で親和性があり、通気路を形成する繊維強化樹脂積層シートと樹脂支持部材で構成された円筒部の接合部が分離することを防止することができる。さらに、通気路を形成する円筒部と樹脂支持部材で構成された接続部の接合部が分離することを防止することができ、安全性の高い延長管を提供することができるものである。
【0016】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の円筒形状の繊維強化樹脂積層シートの両端部に少なくとも1つ以上の貫通穴を配置し、樹脂支持部材との一体成形時に溶けた樹脂が前記貫通穴に入り込むように構成したもので、繊維強化樹脂積層シートに設けられた貫通穴に入り込んだ樹脂支持部材の樹脂が円筒部の中心軸方向からの抵抗となり、通気路を形成する円筒部と樹脂支持部材で構成された接続部の接合部が分離することを防止することができ、安全性の高い延長管を提供することができるものである。
【0017】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明の繊維強化樹脂積層シートの外周に厚みが薄い薄肉部を設け、前記薄肉部における樹脂支持部材の樹脂厚みを厚くしたもので、繊維強化樹脂積層シートの外周の接合強度が増し、引き剥がしに対する剛性も増すため、通気路を形成する繊維強化樹脂積層シートと樹脂支持部材で構成された円筒部の接合部が分離することを防止することができる。さらに、通気路を形成する円筒部と樹脂支持部材で構成された接続部の接合部が分離することを防止することができ、安全性の高い延長管を提供することができるものである。
【0018】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか一つの発明の繊維強化樹脂積層シートの略円筒形状の両端部に、軸方向に伸びる延長部を備えたもので、樹脂支持部材で構成された接続部が円筒部の中心軸方向に垂直な外力を受けた際、剛性の異なる繊維強化樹脂積層シートと樹脂支持部材の境目にかかる負担を軽減するため、通気路を形成する円筒部と樹脂支持部材で構成された接続部の接合部が分離することを防止することができ、安全性の高い延長管を提供することができるものである。
【0019】
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか一つの発明の樹脂支持部材とで略円筒形状に形成される繊維強化樹脂積層シートの内面に織物層を配置したもので、織物層により通気路内面に微小な凹凸が多数生じ、その凹凸が、吸引された比較的大きな塵埃等の通気路内面への接触面積を減少させ、比較的大きな塵埃等の吸引時の抵抗を減少させることで、比較的大きな塵埃等の通気路内面への詰まりを防止することができるものである。
【0020】
第8の発明に係る電気掃除機は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の延長管を有するもので、軽量かつ小型で安全性の高い延長管を使用することで使用勝手の良い電気掃除機を提供できる。
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の延長管の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における延長管を用いた電気掃除機の右側面図、図2は、同延長管の斜視図、図3は、同延長管の右側面図、図4は、同延長管の略円筒形状の中心軸における右側面からの断面図、図5は、同延長管の分解図、図6は、同延長管の一体成形部品の分解図、図7は、同延長管の中央部における中心軸に垂直方向の断面図、図8は、同延長管の繊維強化樹脂積層シートの積層構成を示す断面図である。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態における延長管3が接続される電気掃除機100は、
吸引風を発生させる電動送風機(図示せず)を内蔵する掃除機本体1と、被清掃面の塵埃を吸引する吸込具2と、一端が吸込具2に接続される本発明の延長管3と、一端が延長管3に接続され他端が掃除機本体1に接続されるホース4とから構成されている。
【0024】
吸込具2は、被清掃面の塵埃を掻きあげる回転ブラシ(図示せず)と、回転ブラシ(図示せず)を回転駆動する電動機(図示せず)を内蔵すると共に塵埃を移送する吸込具パイプ5を有し、この吸込具パイプ5を介して吸込具2と延長管3とが着脱自在に接続されている。また、ホース4の延長管3側の端部には、使用者が掃除する際に保持する把手部6を備えた先端パイプ7が設けられており、この先端パイプ7を介して延長管3とホース4とが着脱自在に接続されている。さらに、ホース4の掃除機本体1側の端部には、接続パイプ8が設けられており、この接続パイプ8を介して掃除機本体1の吸気口9とホース4とが着脱自在に接続されている。
【0025】
図2及び図3に示すように、延長管3は、一端は吸込具パイプ5に接続可能であり、一端は先端パイプ7に接続可能な接続部を備えた略円筒形状のパイプ体10と、吸込具2と接続する際に吸込具パイプ5と係合する尾錠12を覆う第1のカバー体11と、収納状態において掃除機本体1に設けられた溝部(図示せず)と嵌合する嵌合部14を備えた第2のカバー体13と、ホース4と電気的に接続する接続ピン16を覆う第3のカバー体15と、パイプ体10の中心軸線に対し第3のカバー体15の反対に配置された第4のカバー体17から構成されている。
【0026】
ここで、延長管3に関し、略円筒形状の中心軸に対して垂直方向で、かつ電気掃除機100を使用する際、使用者が見ることができる方向を鉛直上方向、使用者がみることができない方向を鉛直下方向と規定する。
【0027】
図6に示すように、繊維強化樹脂積層シート18は略真円形状で形成されている。樹脂支持部材19は、後述する線材20を収納する線材保持部材21が嵌め合わさる棒状部分と、樹脂支持部材19の一端に吸込具パイプ5が接続可能な接続部44と、樹脂支持部材19の他端に先端パイプ7が接続可能な第2の接続部45との3点の部位が一体成型にて構成されている。そして、樹脂支持部材19の棒状部分は、繊維強化樹脂積層シート18の両端の中心軸方向に延長されて形成されている。
【0028】
また、線材保持部材21は、図6における下側部に銅メッキされたピアノ線から成る線材20を収納する形状で形成され、線材20を収納した状態で、樹脂支持部材19の棒状部分に嵌め合うように構成されている。このようにして、線材20は、樹脂支持部材19の棒状部分と線材保持部材21とで、はさまれて保持される。
【0029】
略真円形状の繊維強化樹脂積層シート18の下側部の中央には、繊維強化樹脂積層シート18の両端の中心軸方向に延長されて形成された切欠き穴であるスリット部46が、樹脂支持部材19の棒状部分を許容できる長さに設けられている。
【0030】
そして、線材20を樹脂支持部材19の棒状部分と線材保持部材21とではさんで保持した状態にしたユニットを、略真円形状の繊維強化樹脂積層シート18の下側部の中央に設けたスリット部46を広げることで、略真円形状の繊維強化樹脂積層シート18の内部に収めさせることができる。さらにこのように収めた状態で一体成形することでパイプ体10が形成される。
【0031】
図7に示した状態が、略真円形状の繊維強化樹脂積層シート18の内部に、線材20を樹脂支持部材19の棒状部分と線材保持部材21とではさんで保持した状態にしたユニットを収めた状態の後、一体成形した断面を示すものである。
【0032】
つまり、図4図7に示すように略円筒形状のパイプ体10は、ポリオレフィン系樹脂から成る略真円形状の繊維強化樹脂積層シート18と、ポリオレフィン系樹脂から成る樹脂支持部材19と、銅メッキされたピアノ線から成る線材20と、ポリオレフィン系樹脂から成る線材保持部材21から構成され、繊維強化樹脂積層シート18と樹脂支持部材19と線材20と線材保持部材21がインサート成形により一体成形されてパイプ体10が完成するものである。
【0033】
次に上述の工程を詳しく説明すると、図7に示すように、線材保持部材21には、パイプ体10の中心軸と垂直方向に線材20を収納できる溝部28が設けられており、インサート成形を行う前に線材20が線材保持部材21の溝部28に収納されている。さらに、線材保持部材21には、溝部28の周囲に複数個所設けられた溶着用リブ29が備えられており、線材20が溝部28に収納された状態で溶着されることで、溝部28に固着されている。
【0034】
図7に示すように、繊維強化樹脂積層シート18の境界部43は鉛直下側に配置されている。また、繊維強化樹脂積層シート18の境界部43はインサート成形時に樹脂支持部材19の樹脂を流しこむことで接合されている。さらに、繊維強化樹脂積層シート18の境界部43側には、線材20と線材保持部材21がパイプ体10の中心軸と平行かつ繊維強化樹脂積層シート18の内面側に配置されており、繊維強化樹脂積層シート18の境界部43を接合される樹脂支持部材19の樹脂で同時に接合されている。線材20の両端の先端部は、パイプ体10の中心軸と垂直方向に屈曲されている。
【0035】
図6及び図7に示すように、繊維強化樹脂積層シート18のパイプ体10中心軸から垂直方向外側の表面に関して、外周端部すべてがC面カット処理されており、C面カット処理されている繊維強化樹脂積層シート18の外周すべてを覆うように樹脂支持部材19が配置されている。
【0036】
また、繊維強化樹脂積層シート18には、パイプ体10の中心軸方向両端部の鉛直上側に、パイプ体10の中心軸から鉛直方向に複数個の貫通穴30が開けられており、インサート成形時に貫通穴30に樹脂支持部材19の樹脂が流れ込むよう構成されている。
【0037】
さらに繊維強化樹脂積層シート18は、パイプ体10の中心軸方向両端部が、鉛直上側のみ一部延長されている延長部31が設けられており、延長部31のパイプ体10の中心軸から鉛直方向側の表面はすべて樹脂支持部材19で覆われるよう構成されている。
【0038】
図8に示すように、繊維強化樹脂積層シート18は、繊維強化層32と、カバー層33の積層構成からなる。繊維強化層32は、中核層34、織物層35a、35b、接着層36a、36b、36cなどから構成される。カバー層33は、透明層37、着色層38、透明な保護層39などで構成される。繊維強化樹脂積層シート18の繊維強化層32は、具体的には、中核層34の両表面に接着層36aおよび接着層36bを介して、織物層35aおよび織物層35bを貼り合わせて構成される。
【0039】
繊維強化層32の中核層34は、例えばポリプロピレンを主成分とする樹脂で構成され、シート状またはフィルム状で積層される。なお、中核層34は、例えば非発泡ポリプロピレン系シートを使用することが好ましい。なぜなら、非発泡ポリプロピレン系シートは、プレス成形時に、積層された各層が潰れ難い。また、非発泡ポリプロピレン系シートは、真空成形や熱変形を利用した曲げ加工成形などで容易に成形できるためである。
【0040】
繊維強化層32の織物層35aおよび織物層35bは、例えば芯成分がポリプロピレン
樹脂で、鞘成分が芯成分より低融点のポリオレフィン系樹脂からなる芯鞘複合繊維の糸で構成される。鞘成分を低融点のポリオレフィン系樹脂成分とすることにより、加熱接着が容易になる。なお、織物層35aおよび織物層35bの織物は、平織、綾織(斜文織)、朱子織、その他の変化織などどのような組織の織物でもよい。
【0041】
また、繊維強化層32の接着層36a、36b、36cは、例えば透明の熱融着ポリオレフィン系フィルムで構成される。これにより、中核層34と、織物層35aおよび織物層35bとの加熱加圧接着が可能となる。その結果、繊維強化層32の積層一体化が容易にできる。
【0042】
そして、繊維強化樹脂積層シート18は、繊維強化層32の一方の表層に接着層36cを介してカバー層33を一体化して形成される。このとき、カバー層33は、例えば透明なポリオレフィン系樹脂シートで構成することが好ましい。
【0043】
つまり、カバー層33は、外部から透かして織物層35aを見ることができる程度の透明性を有することが好ましい。外部から織物層35aが見えることにより、繊維強化樹脂積層シート18が高強度に見える。さらに、繊維強化樹脂積層シート18の美装状態を高く保つことができる。
【0044】
カバー層33は、具体的には、ポリプロピレン系樹脂シートの透明層37と、着色層38と、ポリプロピレン系樹脂シートの保護層39を積層して構成される。薄い着色層38を保護層39と透明層37の間に入れることにより、白色の繊維強化層32の織物層35aを、染色した風合いに見せることが可能となる。
【0045】
つまり、本実施の形態における延長管3のパイプ体10の繊維強化樹脂積層シート18は、まず、繊維強化層32の中核層34の両表面に接着層36a、36bを介して、織物層35a、35bを貼り合わせて一体化する。これにより、繊維強化層32を形成する。つぎに、繊維強化層32の織物層35aの表面に、接着層36cを介して、カバー層33を形成する、透明層37と着色層38と保護層39を積層して一体化する。これにより、繊維強化樹脂積層シート18が形成される。
【0046】
なお、透明層37と着色層38と保護層39をカバー層33として、予め積層して一体化してもよい。この場合、一体化したカバー層33を、接着層36cを介して繊維強化層32と積層して一体化する。これにより、繊維強化樹脂積層シート18が形成される。
【0047】
図4及び図5に示すように、パイプ体10には吸込具パイプ5との接続側の端面、かつ樹脂支持部材19の鉛直上側を覆うように第1のカバー体11が配置されており、パイプ体10と第1のカバー体11はネジ41と第1のカバー体11に設けられた係合部11aによって結合されている。
【0048】
パイプ体10の中心軸と第1のカバー体11の間には、吸込具2と接続する際に吸込具パイプ5と係合する尾錠12が回動可能に配置されており、パイプ体10と尾錠12の間に尾錠バネ22が配置されている。また、パイプ体10の鉛直上側、かつ吸込具パイプ5との接続側の端面には端子収納部23が設けられており、接続端子24が収納・保持されている。
【0049】
パイプ体10の中心軸線に対し第1のカバー体11の反対側に配置された第2のカバー体13は、パイプ体10とネジ41と両面テープ25で結合されており、かつ第2のカバー体13に設けられた係合部13aで第1のカバー体11と係合されている。また、第2のカバー体13は、収納状態において掃除機本体1と嵌合する嵌合部14を備えている。
第2のカバー体13で覆われている線材20は、接続端子24に接続されているリード線24aと半田接続されており、リード線24aはパイプ体10に設けられた第1の配線リブ26aに配線されている。
【0050】
パイプ体10には、先端パイプ7との接続側の端面、かつ樹脂支持部材19の鉛直上側を覆うように第3のカバー体15が配置されており、パイプ体10と第3のカバー体15は、ネジ41によって結合されている。また、パイプ体10の鉛直上側、かつ先端パイプ7との接続側の端面には端子収納保持部27が設けられており、接続ピン16が収納・保持されている。
【0051】
パイプ体10の中心軸線に対し第3のカバー体15の反対側に配置された第4のカバー体17は、パイプ体10とネジ41で結合されており、かつ第4のカバー体17に設けられた係合部17aで第3のカバー体15と係合されている。また、第4のカバー体17に覆われている線材20は、接続ピン16に接続されているリード線16aと半田接続されており、リード線16aはパイプ体10に設けられた第2の配線リブ26bに配線されている。
【0052】
以上のように構成された本実施の形態における延長管3について、以下、その動作、作用を説明する。
【0053】
使用者が吸込具2と延長管3とホース4を接続し、電気掃除機100を使用して掃除を開始すると、電動送風機(図示せず)で吸引風が発生する。使用者は、把手部6を把持することで、吸込具2を操作でき、被清掃面上の塵埃が吸込具2から空気とともに吸引される。吸込具2から吸引された塵埃を含む空気は、延長管3及びホース4を介して掃除機本体1の内部へと流入し、その後集塵装置(図示せず)で塵埃のみが捕集される。
【0054】
以上のように、本実施の形態においては、樹脂の中でも比較的比重の小さいポリオレフィン系樹脂から成る繊維強化樹脂積層シート18と親和性が高い樹脂で通気路を形成するパイプ体10を構成できるため、曲げに対する物理的強度を確保しつつ軽量化が図れるものである。
【0055】
また、塵埃が通る通気路を形成するパイプ体10と塵埃を吸引する吸込具2を接続可能な樹脂支持部材19がインサート成形されるため、構造が単純化され、大型になることなく軽量化が図れるものである。さらに、パイプ体10と樹脂支持部材19が分離することがないため、安全性の高い延長管3を提供できるものである。
【0056】
さらに、本実施の形態においては、通気路を形成するパイプ体10の一端に塵埃を吸引できる吸込具2が接続可能な樹脂支持部材19、一端に掃除機本体1に接続されるホース4が接続可能な樹脂支持部材19が夫々インサート成形されるため、通気路内に部品の嵌合部分が無くなり、さらに構造が単純化され、大型になることなく軽量化が図れるものである。
【0057】
さらに、繊維強化樹脂積層シート18と樹脂支持部材19とが共にポリオレフィン系樹脂で形成されるため、接合部で親和性があり、通気路を形成する繊維強化樹脂積層シート18と樹脂支持部材19で構成されたパイプ体10の接合部が分離することを防止することができる。
【0058】
さらに、通気路を形成するパイプ体10と樹脂支持部材19で構成された接続部の接合部が分離することを防止することができ、安全性の高い延長管3を提供することができるものである。
【0059】
さらに、本実施の形態においては、繊維強化樹脂積層シート18に設けられた貫通穴30に入り込んだ樹脂支持部材19の樹脂が、パイプ体10の中心軸方向からの抵抗となり、通気路を形成するパイプ体10と樹脂支持部材19で構成された接続部の接合部が分離することを防止することができ、安全性の高い延長管3を提供することができるものである。
【0060】
さらに、本実施の形態においては、繊維強化樹脂積層シート18の外周の接合強度が増し、引き剥がしに対する剛性も増すため、通気路を形成する繊維強化樹脂積層シート18と樹脂支持部材19とで構成されたパイプ体10の接合部が分離することを防止することができる。
【0061】
さらに、本実施の形態においては、樹脂支持部材19で構成された接続部がパイプ体10の中心軸方向に垂直な外力を受けた際、剛性の異なる繊維強化樹脂積層シート18と樹脂支持部材19の境目にかかる負担を軽減するため、通気路を形成するパイプ体10と樹脂支持部材19で構成された接続部の接合部が分離することを防止することができ、安全性の高い延長管3を提供することができるものである。
【0062】
さらに、本実施の形態においては、通気路を形成するパイプ体10の繊維強化樹脂積層シート18の内壁が織物層35bで形成されているので、塵埃が触れる内面に微小な凹凸が多数形成される。この微小な凹凸が、吸引された比較的大きな塵埃等の通気路内面への接触面積を減少させ、比較的大きな塵埃等の吸引時の抵抗を減少させることで、比較的大きな塵埃等の通気路内面への詰まりを防止することができるものである。
【0063】
なお、特に図示しないが、繊維強化樹脂積層シート18の外周に厚みが薄い薄肉部を設け、樹脂支持部材19の前記薄肉部に対応する部分の樹脂厚みを厚くするようにすれば、繊維強化樹脂積層シート18の外周の接合強度が増し、引き剥がしに対する剛性も増すため、通気路を形成する繊維強化樹脂積層シート18と樹脂支持部材19で構成された円筒部の接合部が分離することを防止することができる。さらに、通気路を形成する円筒部と樹脂支持部材19で構成された接続部の接合部が分離することを防止することができ、安全性の高い延長管を提供することができるものである。
【0064】
また、上記実施の形態における軽量かつ小型で安全性の高い延長管3を電気掃除機100に用いることで操作性に優れ使用勝手の良い電気掃除機100を提供することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように本発明に係る延長管は、単純化された構造で、物理的強度を確保しつつ、大型になることなく軽量化が図れ、安全性に優れたもので、これを電気掃除機に用いることで使用勝手の良い電気掃除機を提供することもでき、各種延長管は勿論、家庭用電気掃除機及び産業用電気掃除機の分野・用途に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 掃除機本体
2 吸込具
3 延長管
4 ホース
5 吸込具パイプ
6 把手部
7 先端パイプ
8 接続パイプ
9 吸気口
10 パイプ体
11 第1のカバー体
11a、13a,17a 係合部
12 尾錠
13 第2のカバー体
14 嵌合部
15 第3のカバー体
16 接続ピン
16a、24a リード線
17 第4のカバー体
18 繊維強化樹脂積層シート
19 樹脂支持部材
20 線材
21 線材保持部材
22 尾錠バネ
23 端子収納部
24 接続端子
25 両面テープ
26a 第1の配線リブ
26b 第2の配線リブ
27 端子収納保持部
28 溝部
29 溶着用リブ
30 貫通穴
31 延長部
32 繊維強化層
33 カバー層
34 中核層
35a、35b 織物層
36a、36b、36c 接着層
37 透明層
38 着色層
39 保護層
41 ネジ
43 境界部
44、45 接続部
46 スリット部
100 電気掃除機
図1
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