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特開2018-202282貯留タンク水処理装置及び貯留式給湯装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202282(P2018-202282A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】貯留タンク水処理装置及び貯留式給湯装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/48 20060101AFI20181130BHJP
   H05H 1/24 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   C02F1/48 B
   H05H1/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-107046(P2017-107046)
(22)【出願日】2017年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(72)【発明者】
【氏名】北井 崇博
(72)【発明者】
【氏名】松田 源一郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 芳生
(72)【発明者】
【氏名】三宅 岳
【テーマコード(参考)】
2G084
4D061
【Fターム(参考)】
2G084AA13
2G084AA25
2G084BB01
2G084BB12
2G084BB23
2G084BB35
2G084BB36
2G084CC03
2G084CC08
2G084CC11
2G084CC34
2G084CC35
2G084DD01
2G084DD12
2G084DD63
2G084FF12
2G084FF39
4D061DA03
4D061DB01
4D061EA15
4D061EB09
4D061EB14
4D061EB16
4D061EB19
4D061EB31
4D061EB33
4D061EB37
4D061EB39
4D061GA04
4D061GA09
4D061GC11
(57)【要約】
【課題】プラズマを効率良く発生させて貯留タンク水を迅速に殺菌できて、貯留タンク水の処理時間を短縮でき貯留タンク水処理装置及び貯留式給湯装置を提供する。
【解決手段】温度センサー97の検出値に従って制御部98でポンプ50の吐出能力を制御しつつポンプにより導入部15から処理槽12内に導入された液体L1を、導入部から排出部17の間で旋回させて旋回流F1を発生させるとともに気相GにプラズマPを発生させて、液体を殺菌するとともに改質成分を生成し、生成した改質成分が液体L1に溶解して液体L1中に分散して、処理液L2を生成し、生成された処理液が排出部から貯留タンク90内に供給して貯留タンク90内の貯留タンク水92を殺菌する。
【選択図】図6D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入部から導入される液体を中心軸周りに旋回させることにより、前記液体の旋回流の旋回中心付近に気相を発生させるとともに、前記導入部から導入された前記液体を、前記導入部との間で旋回させて前記旋回流を発生させたのち処理液として排出する排出部を有し、前記排出部が貯留タンクに取り付け可能な処理槽と、
前記貯留タンクに接続可能でかつ前記貯留タンクに保持される貯留タンク水を、前記液体として前記導入部から前記処理槽内に導入するポンプと、
前記処理槽の前記中心軸沿いの一端側において前記処理槽内に少なくとも一部が配置されて前記処理槽内の前記液体に接触する第1電極と、
前記処理槽の前記中心軸沿いの他端側において前記処理槽内の前記液体に接触するように配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加して前記気相にプラズマを発生させて前記液体を殺菌して前記処理液とするとともに改質成分を前記処理液中に生成する電源と、
前記貯留タンク内の前記貯留タンク水の温度を検出する温度センサーの検出値に従って、前記ポンプの吐出能力を制御する制御部とを備えて、
前記温度センサーの前記検出値に従って前記制御部で前記ポンプの前記吐出能力を制御しつつ前記ポンプにより前記導入部から前記処理槽内に導入された前記液体を、前記導入部から前記排出部の間で旋回させて前記旋回流を発生させるとともに前記旋回流の前記気相に前記プラズマを発生させて、前記液体を殺菌するとともに前記改質成分を生成し、生成した改質成分が前記処理液に溶解して前記処理液中に分散し、この処理液を前記排出部から前記貯留タンク内に供給して前記貯留タンクの前記貯留タンク水を殺菌し、殺菌したのち排出された前記貯留タンク水を前記ポンプにより前記処理槽に少なくとも前記液体の一部として導入する、
貯留タンク水処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記温度センサーで検出された前記貯留タンク内の前記貯留タンク水の前記温度の変動幅が予め設定された設定範囲内であるとき、前記電源を制御して、前記第1電極と前記第2電極との間に前記電圧を印加して前記気相に前記プラズマを発生させる、請求項1に記載の貯留タンク水処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記貯留タンク内の液面を検出する水位センサーの検出値が前記排出部の高さ以下であるとき、前記電源を制御して、前記第1電極と前記第2電極との間に前記電圧は印加しないと一方、前記水位センサーの前記検出値が前記排出部の前記高さを越えるとき前記電源を制御して、前記第1電極と前記第2電極との間に前記電圧を印加して前記気相にプラズマを発生させるように制御する、請求項1に記載の貯留タンク水処理装置。
【請求項4】
前記第1電極は、前記液体の前記旋回流の前記旋回中心付近に発生させた前記気相に接触するように、もしくは前記気相の近傍に位置するように配置される、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の貯留タンク水処理装置。
【請求項5】
前記処理槽は、前記導入部から供給された前記液体を旋回させて前記旋回流を発生させる円筒状もしくは円錐台形状の第1内壁を有し、
前記第1電極は、前記処理槽の前記中心軸である前記第1内壁の中心軸上もしくは中心軸近傍に配置される、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の貯留タンク水処理装置。
【請求項6】
前記第1電極は、前記中心軸もしくは前記中心軸近傍の一方の端部側に配置され、
前記第2電極は、前記中心軸もしくは前記中心軸近傍の他方の端部側に配置され、
前記導入部は、前記中心軸の前記一方の端部側に配置され、
前記排出部は、前記中心軸の前記他方の端部側に配置される、
請求項5に記載の貯留タンク水処理装置。
【請求項7】
前記第2電極は、前記第1内壁の前記他方の端部側の前記第1内壁の前記中心軸の周りの一部にもしくは前記中心軸の全周を取り囲む様に配置される板状の電極である、
請求項6に記載の貯留タンク水処理装置。
【請求項8】
前記第2電極は、前記第1内壁の前記他方の端部側の前記第1内壁の前記中心軸の側方に配置される、
請求項6に記載の貯留タンク水処理装置。
【請求項9】
前記第2電極は、前記第1内壁の前記他方の端部側の前記第1内壁の前記中心軸の一部もしくは全周を取り囲むように配置される筒状の電極である、
請求項6に記載の貯留タンク水処理装置。
【請求項10】
前記処理槽は、前記処理槽の前記液体の旋回軸沿いの一端側が閉口した断面形状が円形である円柱状の処理室を有し、
前記ポンプは、前記導入部から前記処理槽内に前記処理槽の前記円柱状の処理室の接線方向から前記貯留タンク水を導入する、
請求項1〜9のいずれか1つに記載の貯留タンク水処理装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の貯留タンク水処理装置と、
前記貯留タンク水処理装置で生成された前記処理液を貯留タンク水内に供給する前記貯留タンクと、
を備える貯留式給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を電気化学的に処理する液体処理装置により貯留タンクの水を殺菌する貯留タンク水処理装置及び貯留式給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15に、従来の液体処理装置の例を示す。液体803(例えば、水)の中に、第1電極801および第2電極802を配置し、パルス電源804から両電極801,802間に高電圧パルスを印加して液体803を気化させ、プラズマ805を発生させ、液体803に対してプラズマ処理を行って、例えば、ヒドロキシルラジカル(OHラジカル)又は過酸化水素等の酸化力を持つ成分で殺菌する処理液を生成する液体処理装置が知られている。特に、OHラジカルは高い酸化力を有することが知られており、これらの成分で、例えば、菌に対して、高い殺菌作用があるとされている。また、液体803の中でプラズマ805を発生させることで、プラズマ805が液体803で覆われており、液体由来の成分を発生させやすいことが知られている。例えば、水の中でプラズマ805を発生させることで、OHラジカル又は過酸化水素が生成されやすいことが知られている。
【0003】
しかしながら、上記従来の液体処理装置の場合、液体803を気化させるために高い印加電圧が必要なだけでなく、プラズマ805の発生効率が低く、液体803を殺菌するのに長時間を要するという問題があった。
【0004】
そこで、印加電圧を低くしつつプラズマの発生効率を向上させるために、両電極間に外部より導入した気体を介在させるようにした液体処理装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の液体処理装置(図16)では、アノード電極901とカソード電極902との間に被処理液903とともに気体904(例えば、酸素)を介在させた上で、両電極901,902間にパルス電圧を印加する。パルス電圧の印加により、気体904内にプラズマが発生し、液体803に対してプラズマ処理を行って殺菌する。特許文献1に記載の液体処理装置によれば、気体を介在させない場合よりも印加電圧を低減させることができ、かつ、プラズマを効率良く発生させて被処理液903の殺菌を行うことができる。
このような液体処理装置で処理した処理液を貯留タンク内の貯留水に導入することで、貯留水を殺菌する機能を持った貯留式給湯装置への適用が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4041224号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記したように、特許文献1に記載の液体処理装置を貯留式給湯装置に適用する場合には、プラズマの発生効率が低く、貯留タンクの水の処理に長い時間がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような点に鑑み、プラズマを効率良く発生させて貯留タンク水を迅速に殺菌できて、貯留タンク水の処理時間を短縮できる、貯留タンク水処理装置及び貯留式給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の1つの態様にかかる貯留タンク水処理装置は、
導入部から導入される液体を中心軸周りに旋回させることにより、前記液体の旋回流の旋回中心付近に気相を発生させるとともに、前記導入部から導入された前記液体を、前記導入部との間で旋回させて前記旋回流を発生させたのち処理液として排出する排出部を有し、前記排出部が貯留タンクに取り付け可能な処理槽と、
前記貯留タンクに接続可能でかつ前記貯留タンクに保持される貯留タンク水を、前記液体として前記導入部から前記処理槽内に導入するポンプと、
前記処理槽の前記中心軸沿いの一端側において前記処理槽内に少なくとも一部が配置されて前記処理槽内の前記液体に接触する第1電極と、
前記処理槽の前記中心軸沿いの他端側において前記処理槽内の前記液体に接触するように配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加して前記気相にプラズマを発生させて前記液体を殺菌して前記処理液とするとともに改質成分を前記処理液中に生成する電源と、
前記貯留タンク内の前記貯留タンク水の温度を検出する温度センサーの検出値に従って、前記ポンプの吐出能力を制御する制御部とを備えて、
前記温度センサーの前記検出値に従って前記制御部で前記ポンプの前記吐出能力を制御しつつ前記ポンプにより前記導入部から前記処理槽内に導入された前記液体を、前記導入部から前記排出部の間で旋回させて前記旋回流を発生させるとともに前記旋回流の前記気相に前記プラズマを発生させて、前記液体を殺菌するとともに前記改質成分を生成し、生成した改質成分が前記処理液に溶解して前記処理液中に分散し、この処理液を前記排出部から前記貯留タンク内に供給して前記貯留タンクの前記貯留タンク水を殺菌し、殺菌したのち排出された前記貯留タンク水を前記ポンプにより前記処理槽に少なくとも前記液体の一部として導入する。
上記目的を達成するために、本発明の別の態様にかかる貯留式給湯装置は、
前記態様の貯留タンク水処理装置と、
前記貯留タンク水処理装置で生成された前記処理液を貯留タンク水内に供給する前記貯留タンクと、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の前記態様にかかる貯留タンク水処理装置及び貯留式給湯装置によれば、温度センサーの検出値に従って制御部でポンプの吐出能力を制御しつつ、ポンプにより、貯留タンクから導入部を介して前記液体が前記処理槽に導入される。その結果、導入された前記液体の貯留タンク水を、前記導入部から前記排出部の間で旋回させて前記旋回流を発生させる。そして、この貯留タンク水の旋回流で生成した前記気相に前記プラズマを発生させて、前記液体を殺菌するとともに、殺菌作用を有する改質成分を生成し、生成した改質成分を有する処理液を生成する。そして、生成された前記処理液が前記排出部から前記貯留タンク内の貯留タンク水に供給されて、前記貯留タンク内の貯留タンク水を殺菌するので、貯留タンク水を効率的に殺菌できる。ここでは、旋回流中で貯留タンク水を気化させ、生成された気相にパルス電圧を印加してプラズマを発生させている。電圧印加により貯留タンク水を気化させる必要がないため、少ない電力でプラズマを発生させることができ、貯留タンク水の殺菌を効率良く、迅速に行うことができる。すなわち、プラズマを効率良く発生させて貯留タンク水を迅速に殺菌できて、貯留タンク水の処理時間を短縮することができる。
また、温度センサーで検出された貯留タンク内の貯留タンク水の温度に合わせて気相を生成(気相内の圧力条件を満足)する旋回流に必要な水量を、制御部の制御の基にポンプで調整することができて、安定した放電を得ることができる。よって、OHラジカルを、より効率良く生成し、貯留タンクの殺菌を、より効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1にかかる貯留タンク水処理装置である液体処理装置の構成を示す側面断面図
図2】液体処理装置の装置本体の側面断面図
図3図2の3―3線における断面図
図4】処理槽の内部に旋回流が発生しており、電圧を印加していない状態を示す側面断面図
図5図4の5−5線における断面図
図6A】処理槽の内部に旋回流が発生しており、電圧を印加した状態を示す側面断面図
図6B図6Aの気相中にプラズマが発生した状態の部分拡大図
図6C】貯留タンク水処理装置を貯留タンクに連結配置して貯留タンク水を殺菌している状態の側面断面図
図6D】貯留タンク水処理装置を含む貯留式給湯装置全体の側面断面図
図6E】本発明の実施形態2にかかる貯留タンク水処理装置を含む貯留式給湯装置全体の構成を示す側面断面図
図7】装置本体の変形例を示す側面断面図
図8】装置本体の変形例を示す側面断面図
図9A】装置本体の変形例を示す側面断面図
図9B図9Aとは異なる装置本体の変形例を示す側面断面図
図10】装置本体の変形例を示す側面断面図
図11】装置本体の変形例を示す側面断面図
図12】装置本体の変形例を示す側面断面図
図13】装置本体の変形例を示す側面断面図
図14A】装置本体の変形例を示す側面断面図
図14B】装置本体の変形例において貯留タンクの一部に銅材を配置した側面断面図
図15】従来の液体処理装置の概略構成図
図16】気体導入装置を備える従来の液体処理装置の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態1に係る貯留タンク水処理装置である液体処理装置100を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0012】
[全体構成]
まず、実施形態1にかかる液体処理装置100の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1にかかる液体処理装置100の構成を示す側面断面図である。以下の図では、矢印Fは液体処理装置100の前方向を示し、矢印Bは後方向を示す。矢印Uは上方向を示し、矢印Dは下方向を示す。矢印Rは後方向から見て右方向、矢印Lは後方向から見て左方向を示す。
【0013】
液体処理装置100は、液体の中で放電することによって、液体を殺菌するとともに改質成分を生成し、生成した改質成分を液体の中に分散させることで処理液L2を生成する。本実施形態1では、液体の例として循環水L1を殺菌するとともに、貯留タンク90での殺菌処理で使用するための、OHラジカル又は過酸化水素等の改質成分を含んだ処理液L2を生成する場合について説明する。ここで、循環水L1とは、必要に応じて貯留タンク90に向けて供給される水道水を含む、貯留タンク90に保持されている水又は湯92を循環用配管81及び配管51を通してポンプ50で処理槽12に供給される液体を意味する。
【0014】
液体処理装置100は、少なくとも、処理槽12と、第1電極30と、第2電極31と、電源60とを備えている。より具体的には、液体処理装置100は、装置本体10、液体供給部50、貯留槽の例としての貯留タンク90、電源60、および制御部98を備えている。装置本体10は、処理槽12、導入部15、排出部17、第1電極30、および第2電極31を備えている。また、液体処理装置100としては、温度センサー97をさらに備えてもよい。
【0015】
処理槽12は、内部に導入された循環水L1をプラズマにより、循環水L1を殺菌するとともに改質成分(例えば、OHラジカル又は過酸化水素等)を生成して処理液L2を生成させる部分である。処理槽12の材質は絶縁体でもよいし、導体でもよい。導体の場合には、各電極30,31との間に絶縁体を介在する必要がある。前記改質成分が貯留タンク90に排出される際に、改質成分が循環水L1に分散され、処理液L2が生成される。
処理槽12の内壁の正面断面形状は円形である(図3参照)。言い換えれば、処理槽12は、処理槽12の循環水L1の旋回軸X1沿いの一端側が閉口した断面形状が円形である円柱状の処理室を有している。導入部15は、処理槽12の一端に配置されて、処理槽12に循環水L1を処理槽12の中心軸X1と直交する円形の断面形状の接線方向から導入する。導入部15は、配管51を介して液体供給部50に連通している。排出部17は、処理槽12の他端に配置されて、処理槽12に導入された循環水L1と処理槽12で生成された改質成分を処理槽12から貯留タンク90に排出させる。本実施形態1では、排出部17は、貯留タンク90の取り入れ口91に接続されている。
【0016】
第1電極30は、処理槽12の一端の内部に配置されている。第1電極30は、処理槽12の一端の内壁の中央から処理槽12内に、長手方向沿いに突出配置されている。
第2電極31は、処理槽12の他端の壁の外側に配置されて、排出部17の近傍に配置されている。
第1電極30は電源60が接続されており、第2電極31は接地されている。第1電極30および第2電極31には、電源60により高電圧のパルス電圧が印加される。第1電極30の材質は、一例としてタングステンを使用している。
【0017】
液体供給部50は、一例として、処理槽12内に循環水L1を供給するポンプである。液体供給部50は、配管51に接続されている。配管51の一端は、処理槽12の一端の内壁近傍に配置された内側開口としての導入部15に接続されており、配管51の他端は図示しない液体供給源(例えば、水タンク80又は水道水)又は貯留タンク90の処理液L2を含んだ貯留タンク水92を循環できる形に接続されている(図1の一点鎖線の循環用配管81を参照)。
【0018】
電源60は、第1電極30と第2電極31との間に高電圧のパルス電圧を印加する。電源60は、正のパルス電圧と負のパルス電圧とを交互に印加する、いわゆるバイポーラーパルス電圧を印加することができる。
【0019】
貯留タンク90は、液体処理装置100から排出される改質成分をせん断し、改質成分を内包したマイクロバブル又はナノバブルを生成し、水の中に拡散させる槽である。具体的には、貯留タンク90は、処理槽12の排出部17の開口断面積より大きい断面積を内部に有して、排出部17から貯留タンク90内に排出された改質成分を貯留タンク90でせん断し、改質成分を内包したマイクロバブル、又は、マイクロバブル及びナノバブルを貯留タンク90内で生成して、水の中に拡散させる。よって、貯留タンク90はマイクロバブル生成槽として機能する。貯留タンク90としては、少なくとも、処理槽12の排出部17の開口の内径寸法の倍以上の内径又は一辺を確保することにより、殺菌を確実に行える処理液L2を貯留タンク90で生成することができる。
【0020】
[装置本体]
次に、装置本体10について詳細に説明する。図2は、装置本体10の側面断面図である。
処理槽12は、第1内壁21、第2内壁22、および第3内壁23を有している。第1内壁21は、筒状の壁部である。第2内壁22は、第1内壁21の図2の左端部に設けられている。第3内壁23は、第1内壁21の図2の右端部に設けられている。第2内壁22および第3内壁23は、側面視では略円形である。第1内壁21、第2内壁22、および第3内壁23により、処理槽12の内部には、略円柱状の収容空間83が構成されている。第1内壁21の中心軸、つまり、処理槽12の内部に構成される略円柱状の収容空間83の仮想の中心軸を軸X1とする。
【0021】
第2内壁22には、収容空間83内に突出した円筒状の電極支持筒24が中央に設けられている。電極支持筒24は、筒状であり右方に延びている。電極支持筒24は、その中心軸が第1内壁21の中心軸X1と一致するように配置されている。電極支持筒24の内側には、絶縁体53を介して第1電極30が支持されている。第1電極30は棒状であり、絶縁体53は第1電極30の周囲に配置されている。このため、第1電極30は、長手方向の軸が第1内壁21の中心軸X1と一致するように配置されている。第1電極30の右端部301の内側端面と、絶縁体53の内側端面と、電極支持筒24の内側端面241とは、ほぼ同じ面内に配置されるように構成されている。
【0022】
導入部15は、装置本体10を貫通しており、一方の開口端151が第1内壁21に形成されている。導入部15は、側面視では、第2内壁22に隣接した位置に配置されている。また、図3は、図2の3―3線における断面図である。導入部15は、第1内壁21の壁面に配置されている。
【0023】
排出部17は、第3内壁23の中央部を貫通している。排出部17は、その中心軸が第1内壁21の中心軸X1と一致するように形成されている。
【0024】
第2電極31は、板状の金属部材であり、中央部に開口部311が形成されている。開口部311は円形であり、その中心が第1内壁21の中心軸X1と一致するように形成されている。
【0025】
[温度センサー]
温度センサー97は、公知の温度センサーを使用することができる。温度センサー97は、液体処理装置100の内の気相G近傍の液体の温度にできる限り近い温度を取得するため、液体処理装置100の排出部17の近くの貯留タンク90内に配置して、排出部17を経て液体処理装置100から排出されてくる処理液L2に近い領域の液体の水温を温度センサ97で検出している。温度センサー97による検出値は制御部98に入力される。温度センサー97で貯留タンク水92の温度を検出するとき、所定時間(例えば10秒程度)だけ貯留タンク水92を貯留タンク90と液体処理装置100との間で循環させたのち、温度を検出するほうが、貯留タンク90と液体処理装置100とでの温度が均一化されるため、好ましい。
なお、温度センサー97は、貯留式給湯装置として通常備えられている温度センサーで兼用するようにしてもよい。
【0026】
[制御部]
制御部98は、温度センサー97の検出値に従って、ポンプ50の吐出能力(例えば、吐出流量)を制御する。具体的には、制御部98は、詳しくは後述するが、内部記憶部又は外部記憶部に、温度と吐出能力との関係を表すテーブル形式又は数式などの関係情報を予め記憶しておき、そのテーブル又は数式を利用して、温度センサー97の検出値に対応する吐出能力を取得可能としている。制御部98は、取得した吐出能力に基づきポンプ50を制御する。
また、さらに、制御部98は、検出された温度が所定時間の間、所定の変動幅内に入り、温度変動が安定していると判定するとき、電源60を駆動制御して第1電極30および第2電極31に高電圧のパルス電圧を印加してプラズマPを発生させて、循環水L1を殺菌するとともに処理液L2を生成するようにしてもよい。このとき、制御部98は、ポンプ50と電源60とをそれぞれ独立して制御している。
【0027】
[動作]
次に、液体処理装置100の動作について説明する。以下では、説明の便宜上、処理槽12の内部に気相Gを発生させる状態(図4および図5)と、発生させた気相Gにパルス電圧を印加してプラズマPを発生させる状態(図6A及び図6B)とを別図に分けて説明する。図4は、処理槽12の内部に旋回流F1が発生しており、パルス電圧を印加していない状態を示す側面断面図である。
まず、図4に示すように、水道水からポンプ50などを介するか、又は、ポンプ50で貯留タンク90から貯留タンク水92を循環水L1として吸い込んで、導入部15から処理槽12に循環水L1が所定の圧力で導入されると、循環水L1は、第1内壁21に沿って、旋回流F1を発生させながら導入部15から図4の右方に向けて移動する。旋回しながら図4の右方に移動した旋回流F1は、排出部17に向けて移動する。
【0028】
旋回流F1により、第1内壁21の中心軸X1付近の圧力が飽和水蒸気圧以下に低下し、循環水L1の一部が気化した水蒸気が発生することで、気相Gが第1内壁21の中心軸X1付近に生成される。気相Gは、旋回中心付近、具体的には、第1電極30の右端部301から第1内壁21の中心軸X1に沿って、第2電極31の開口部311の付近まで発生する。また、気相Gは、接している旋回流F1により、旋回流F1と同方向に旋回している。旋回している気相Gは、排出部17の近傍で貯留タンク90内の水の抵抗を受ける事で、マイクロバブル又はナノバブルにせん断され、貯留タンク90に拡散される。
【0029】
図5は、図4の5−5線における断面図である。図4で説明したように、導入部15から処理槽12に循環水L1が所定の圧力で導入されると、循環水L1は、第1内壁21に沿った図5の右回りの旋回流F1を発生させる。循環水L1が処理槽12の内部で旋回することで、旋回流F1の中心付近、つまり第1内壁21の中心軸X1付近の圧力が飽和水蒸気圧以下に低下し、第1内壁21の中心軸X1付近において循環水L1の一部が気化した水蒸気が発生することで、気相Gが生成される。
【0030】
図6A及び図6Bは、処理槽12の内部に旋回流F1が発生しており、パルス電圧を印加した状態を示す側面断面図である。図6Aに示すように、循環水L1が気化した気相Gが、第1電極30の近傍から第2電極31の付近まで発生されている状態で、電源60により、第1電極30と第2電極31との間に高電圧のパルス電圧を印加する。図6Bは、気相G中にプラズマPが発生している状態を示す拡大図である。第1電極30と第2電極31とは、高電圧のパルス電圧が印加されると、気相G内にプラズマPが発生し、循環水L1が殺菌されるとともに、改質成分として水由来のラジカル(OHラジカル等)又は化合物(過酸化水素等)又はイオンを生成する。前記改質成分を含んだ気相Gは、周辺にある旋回流F1により、旋回流F1と同方向に旋回する。前記改質成分を含んだ気相Gが旋回することにより、前記改質成分の一部が、旋回流F1側へ溶解することで、循環水L1の中に改質成分が分散する。加えて、排出部17付近の前記改質成分を含んだ気相Gは、貯留タンク90内の循環水L1の抵抗を受ける事でせん断され、改質成分を含有した気泡BAを生じる。また、貯留タンク90内に処理液L2を留めることで、負圧である気相Gに空気が混入することを防いでいる。この様に、プラズマPにより生成した改質成分が気泡状態もしくは循環水L1の中に溶け込んだ状態で、循環水L1の中に分散された処理液L2が貯留タンク90に留められて、貯留タンク水92を殺菌する。
【0031】
以上説明した本実施形態1によれば、旋回流F1中で循環水L1を気化させ、生成された気相Gにパルス電圧を印加してプラズマPを発生させて液体である循環水L1を殺菌するとともに液体から改質成分(液体由来のラジカル又は化合物等)を含む処理液L2を生成する。そのため、気相Gは、ジュール熱によって気化させた気体、もしくは外部から導入した気体によって形成される気相よりも負圧となっており、小さな電圧(すなわち、少ない電力)でプラズマPを発生できるので、循環水L1の殺菌が効率良くできる。さらに、ジュール熱によって水を気化させないので、投入するエネルギーが小さくなる。また、外部から気体を導入しないので、気体供給装置が不要となり、液体処理装置100の小型化がしやすくなる。
【0032】
また、ジュール熱によって気化させた気体、もしくは外部から導入した気体によって形成される気相Gは、浮力により一定の形状又は一定の位置で保持することが困難である。しかし、本実施形態1の気相Gは、周りの旋回流F1により、旋回流F1の中心軸X1に集まる方向へ力が加わるので、第1電極30の右端部301の近傍に一定の気相Gを生成することができる。そのため、第1電極30と第2電極31との間に生成される気体の量の時間変化が少なく、プラズマPに必要な電力が変化しにくいので、プラズマPを安定して発生でき、貯留タンク水92を含む循環水L1の殺菌が効率良く迅速にできて液体の処理時間が短縮でき、殺菌能力が高まる。
【0033】
また、プラズマPの体積はカソード電極の近傍にある気相の体積以下になるが、ジュール熱により気化させた気体、もしくは外部から導入した気体によって形成される気相Gの形状は、バブル形状なので体積が一定以上になると分裂するため、一定の体積以上のプラズマPを発生させることが困難である。しかし、本実施形態1の気相Gは、旋回流F1の旋回速度を確保できれば、中心軸X1の方向に体積を大きくすることが容易であるため、プラズマPの体積を大きくしやすい。そのため、貯留タンク水92を含む循環水L1の殺菌処理量及び改質成分の生成量を増加させやすく、液体を迅速に殺菌できる。
【0034】
また、液体が気化する際に体積が膨張するため、衝撃波が発生し、周辺の物体を破壊するキャビテーションが知られている。本実施形態1では、キャビテーションによる破壊が最も強くなるのは、処理槽12の内径が最も小さく、旋回流F1の旋回速度が最も早くなる排出部17である。そのため、気相Gの中でも第1電極30の右端部301は、キャビテーションの破壊が最も強くなる箇所から離れているため、キャビテーションによる第1電極30への影響を小さくなりプラズマPを安定的に発生できる。
【0035】
また、外部から空気を導入することなく循環水L1の処理を行うため、空気等の窒素成分を含んだ気体を導入した気相を活用したプラズマでは発生する有害な亜硝酸の生成を抑制することができる。さらに、OHラジカル又は過酸化水素等を内包した気泡BAを含んだ処理液L2を生成することができる。
【0036】
前記液体処理装置100は、貯留式給湯装置101に取り付け可能な貯留タンク水処理装置として機能するものであり、この液体処理装置100を貯留タンク90に隣接して配置した構成の貯留式給湯装置101において、貯留タンク90内の貯留タンク水92を殺菌している状態を図6Cに示し、貯留式給湯装置101の全体を図6Dに示す。
【0037】
図6Dでは、配管51は貯留タンク90に連結されて循環用配管81を構成しており、貯留タンク90内の貯留タンク水92がポンプ50を介して導入部15から処理槽12内に循環水L1として供給され、処理槽12から排出部17を介して排出される処理液L2が貯留タンク90内に導入されることにより、循環するように構成されている。以下の実施形態2及び3でも同様な構成となっている。
【0038】
液体処理装置100を備えた貯留式給湯装置101としての動作を以下に説明する。
まず、ポンプ50で循環水L1として、貯留タンク90内の貯留タンク水92を貯留タンク90から処理槽12の導入部15を経て液体処理装置100の処理槽12に導入する。
次いで、処理槽12内で循環水L1の旋回流F1を発生させて中心軸X1上に気相Gを生成する。
次いで、電源60をオンにしてパルス電圧を気相Gに印加して、気相G中にプラズマPを発生させて循環水L1を殺菌する。
次いで、プラズマPによりOHラジカル等の活性種を気相G中に生成して、処理槽12内で、OHラジカル等の活性種を含有した気泡BAを発生させる。気泡BAは処理液L2内に含有されている。
次いで、処理液L2とともにOHラジカル等の活性種を含有した気泡BAを、処理槽12から排出部17を経て、貯留タンク90内の貯留タンク水92に導入して、貯留タンク90内の貯留タンク水92を殺菌する。
【0039】
ここで、液体処理装置100では、水温により循環水L1例えば水の気化温度が異なり、気相Gの圧力が変化する。例えば、水温が高いときは飽和水蒸気圧が高くなり、気相Gに含まれる気体分子の量が多くなることで、絶縁破壊に必要なエネルギーが大きくなりやすい。しかしながら、プラズマPの発生回数を可能な限り一定にして安定的に殺菌処理するためには、絶縁破壊に必要なエネルギーを可能な限り一定にする必要がある。このため、水温に併せてポンプ50の吐出流量を制御することで、気相Gの体積を制御し、気体分子量を一定の範囲に保つことができる。具体的には、気相Gの近傍で生成される処理液L2の水温又は処理液L2に近い領域の液体の水温を温度センサー97で検出して、検出した水温に合わせて気相Gを生成(気相G内の圧力条件を満足)する旋回流F1に必要な水量の循環水L1をポンプ50で処理槽12に供給するように運転条件を調整する。水温と旋回流F1に必要な水量(言い換えれば、ポンプ50の吐出量)との関係情報はテーブル形式又は数式で制御部98の内部記憶部又は外部記憶部に予め記憶されており、水温を基に水量(言い換えれば、ポンプ50の吐出量)を取得可能としている。取得された水量、すなわち、ポンプ50の吐出量となるようにポンプ50を制御部98で駆動制御すればよい。この結果、OHラジカルを効率良く生成し、貯留タンク90の殺菌を行うことができる。
【0040】
温度センサー97での水温検出は常時行い、制御部98でのポンプ50の駆動制御は、所定時間単位毎(例えば10分毎)に行うことにより、ポンプ50に過大な負荷がかからないようにすることが望ましい。
【0041】
なお、液体を、貯留タンク90から循環用配管81とポンプ50と配管51とを介して液体処理装置100を経て処理液L2として貯留タンク90に入るという循環動作を所定時間(例えば10秒程度)の間だけ繰り返したのち、温度センサー97で温度を検出すれば、検出した温度が、処理液L2の温度に、より近くなり、温度検出の精度を高めることができる。
【0042】
この実施形態1によれば、貯留タンク90から導入部15を介して導入された液体の循環水L1を、導入部15から排出部17の間で旋回させて旋回流F1を発生させるとともに、循環水L1の旋回流F1で生成した気相GにプラズマPを発生させて循環水L1を殺菌するとともに改質成分を生成し、生成した改質成分が循環水L1に溶解して循環水L1中に分散して処理液L2を生成する。そして、生成された処理液L2が排出部17から貯留タンク90内の貯留タンク水92に供給されて、貯留タンク90内の貯留タンク水92を殺菌するので、貯留タンク水92を効率的に殺菌できる。ここでは、旋回流中で循環水L1すなわち貯留タンク水を気化させ、生成された気相Gにパルス電圧を印加してプラズマPを発生させて循環水L1を殺菌できるとともに、殺菌作用を有する改質成分を持つ処理液L2を生成できる。電圧印加により循環水L1を気化させる必要がないため、少ない電力でプラズマPを発生させることができ、貯留タンク水92の殺菌を効率良く、迅速に行うことができる。すなわち、プラズマPを効率良く発生させて貯留タンク水92を迅速に殺菌できて、貯留タンク水92の処理時間を短縮することができる。
【0043】
また、循環水L1により液体処理装置100で処理液L2を生成し、生成した処理液L2により貯留タンク90の貯留タンク水92を殺菌し、貯留タンク水92を循環水L1として液体処理装置100に供給するといった循環動作と並行して、液体処理装置100の排出部17の近くの貯留タンク90内の貯留タンク水92の温度を温度センサー97で検出する。制御部98は、温度センサー97で検出した水温に対応した吐出量がポンプ50から吐出するようにポンプ50を駆動制御する。この結果、貯留タンク90内の貯留タンク水92の温度に合わせて液体処理装置100で気相Gを生成(気相G内の圧力条件を満足)する旋回流F1に必要な水量を、制御部98の制御の基にポンプ50で調整することができて、安定した放電を得ることができる。よって、OHラジカルを、より効率良く生成し、貯留タンク90の殺菌を、より効率良く行うことができる。
【0044】
また、制御部98で、水量に適した電源60の印加条件を与えることで、さらに、OHラジカルを、より効率良く生成し、貯留タンク90の殺菌を、より効率良く行うことができる。
【0045】
[実施形態2]
実施形態2の貯留式給湯装置103は、図6Eに示すように、実施形態1の貯留式給湯装置101に、水位センサー95をさらに備えている。
水位センサー95は、公知の水位センサーを使用することができ、貯留タンク90又は貯留タンク90の上方などに配置されて貯留タンク90内の貯留タンク水92の水面92aを検出して、検出値を制御部98に入力する。
【0046】
制御部98は、入力された水位センサー95の検出値に従って、電源60の出力を制御するとともに、必要に応じてポンプ50の出力も制御する。制御部98は、水位センサー95で検出された貯留タンク90内の貯留タンク水92の水面92aが、予め記憶された既知の排出部17の高さよりも上側にあるか否かを判定する。貯留タンク90内の貯留タンク水92の水面92aが、排出部17の高さ以下のときには、処理槽12内でも循環水L1が不足して空放電が発生してしまい、液体処理装置100が所望の動作ができない水量である可能性がある。また、空放電による電極30,31および電源60への負荷を防止する必要もある。これらのため、制御部98により、水位センサー95で検出された貯留タンク90内の貯留タンク水92の水面92aが、排出部17の高さよりも上側にあるときのみ、電源60から電圧を印加して気相G内にプラズマPを発生させるようにして、液体処理装置100が所望の動作を確実に行えるようにするとともに、空放電による電極30,31および電源60への負荷を防止できるようにする。
【0047】
また、制御部98は、水位センサー95で検出された貯留タンク90内の貯留タンク水92の水面92aが、排出部17の高さ以下のとき、排出部17の高さより所定量だけ上側の位置まで貯留タンク水92が増えるように、電源60がオフのまま、ポンプ50を駆動して循環水L1を処理槽12から排出部17を介して貯留タンク90内に供給するように駆動制御することもできる。
【0048】
また、制御部98は、所定時間内に水位センサー95の検出値に変動が無いとき、電源60をオンにして循環水L1を殺菌するとともに処理液L2を生成することもできる。
【0049】
実施形態2にかかる貯留式給湯装置103の動作として、実施形態1にかかる貯留式給湯装置101と異なる点は、電源60をオンするときに、制御部98により水位センサー95での検出値を基に、水面検出位置が排出部17より高ければ、電源60をオンとし、水面検出位置が排出部17以下であれば、電源60をオフにすることである。それ以外は、実施形態1にかかる液体処理装置100と同じであるため、説明を省略する。
【0050】
この実施形態2によれば、実施形態1の作用効果に加えて、制御部98により水位センサー95での検出値を基に、水面検出位置が排出部17より高ければ、電源60をオンとし、水面検出位置が排出部17以下であれば、電源60をオフにすることにより、空放電による電極30,31および電源60への負荷を防止できる。
【0051】
[変形例]
本実施形態1〜2で説明した液体処理装置100の構成は一例であり、種々の変更が可能である。例えば、処理槽12の内部構造又は第1電極30又は第2電極31の位置等については、本実施形態1〜2の構造に限定されない。
【0052】
本実施形態1〜2では、処理槽12は単純な円筒形状であったが、断面形状が円形である筒状の処理槽であり、処理槽の片方の端部に処理槽の中心軸上もしくは中心軸の近傍に窄まった穴形状の排出部を有していれば、様々な形状をとることが可能である。例えば、図7に示すように、半径が異なる円筒を組み合わせた処理槽121であっても同様の効果が得られる。図7では、導入部側の半径が排出部側の半径よりも大きくなるように構成している。又は、図8に示す円錐形状の処理槽122であっても同様の効果が得られる。好ましくは、旋回流F1が前方向Fにすべるのを防ぐために、図8に示すように、断面の内径が連続的に小さくなる円錐形状が好ましい。
【0053】
また、本実施形態1〜2では、第1電極30の形状は、棒電極であったが、第1電極30の右端部301に電解が集中させる形状であれば、この限りではない。例えば、図9Aで示すように、排出部側に向けて尖った円錐形状が付いた板形状の第1電極32でもよい。また、図9Bで示すように、円錐形状の代わりに、排出部側に向けて湾曲するように突出した山形状の凸部32Bが中央部に有する板形状の第1電極32Aでもよい。第1電極32Aでは、発生するプラズマPに最も近い中央部が摩耗しやすいので、単なる平板の電極よりも、当該中央部を処理槽12内に突出させる山形状の凸部32Bを有する電極の方が寿命が長くて好ましい。さらに好ましくは、板形状の第1電極32の代わりに、電極が磨耗した際に、処理槽12内に電極の送り出しが容易な棒電極でもよい。
【0054】
また、図10で示すように、第1電極30の電極支持筒24を用いず、第2内壁22に第1電極30と絶縁体53とを取り付ける構造にしても同様の効果が得られる。好ましくは、水の電気分解又はジュール熱の発生を抑えるために、プラズマ発生に必要な第1電極30の右端部301と、電源60との接続部以外は絶縁体で覆われているほうがよい。
【0055】
また、本実施形態1〜2では、第1電極30の材質は、一例としてタングステンであったが、特に導電性のある材料であれば限定はされない。好ましくは、水中で過酸化水素と接触するとフェントン反応を起こして高い殺菌効果を発現できる金属材料が好ましい。例えば、SUS(ステンレス鋼)又は銅又は銅タングステンがよい。
【0056】
本実施形態1〜2では、第2電極31は、排出部17に配置されているが、処理槽12内に接地された第2電極の少なくとも一部が配置されていればこの限りではない。例えば、配置場所に関しては、図11に示すように、棒状の第2電極33として、第1内壁21の中心軸X1の側方に配置するようにしても、同様の効果が得られる。また、図12に示すように、処理槽12外の貯留タンク90内でかつ貯留タンク90の取り入れ口91近傍に棒状の第2電極33として配置してもよい。また、図13に示すように、筒状の第2電極34として第1内壁21の内側に配置してもよい。また、開口部311は円形としたが、多角形でもよく、さらには、第2電極は、分割された複数の金属部材を組み合わせて構成してもよい。好ましくは、旋回流F1を乱さないために、丸穴を有した板状もしくは円筒形状がよい。また、気相Gと第2電極の間が短いほうが水の抵抗が小さくなりジュール熱を抑制できるため、気相Gと第2電極の間が短くなる排出部17もしくは排出部17近傍に第2電極を配置するほうがよい。
【0057】
処理槽12に導入される循環水L1の流量は、処理槽12の形状等に応じて、旋回流F1中に気相Gが発生する流量に設定される。また、第1電極30と第2電極31とに印加されるパルス電圧については、バイポーラではなくモノポーラで印加する場合、又は、電圧、パルス幅、又は周波数等は旋回流F1中に発生した気相GにプラズマPを発生させることができる値に適宜設定することが可能である。
さらに、本発明の効果が得られる限り、電源60はパルス電源以外の高周波電源等であってもよい。好ましくは、水の電気分解により電極間のpHが偏るので、カソードとアノードとを交互に交換できるバイポーラ印加がよい。
【0058】
貯留タンク90は槽としているが、旋回流F1をせん断するために、貯留タンク90内に貯留タンク水を保持できる形状であれば、これに限定されない。好ましくは、排出部17を循環水L1で満たし処理槽12への空気の混入を防ぐために、図14Aに示すように装置本体10は処理液L2を上向きに排出し、貯留タンク90は装置本体10の上側にあるほうがよい。
【0059】
また、貯留タンク90を構成する材料の材質としては、水が透過しなければよい。また、例えば、図14Bに示すように、改質成分の1つである過酸化水素水とフェントン反応を起こして高い殺菌効果を発現できる銅若しくは鉄を含有した板部材93を、貯留タンク90の一部もしくはすべてに使用することができる。また、板部材93を、貯留タンク90とは別部材として貯留タンク90内に配置してもよい。要するに、板部材93が貯留タンク90内の処理液L2と接触すれば、改質成分の1つである過酸化水素水とフェントン反応を起こして高い殺菌効果を発現することができる。
【0060】
また、第1電極30の材料として銅もしくは鉄成分を含有させることにより、プラズマPにより銅もしくは鉄のナノ粒子が生成され、同じくプラズマPで生成した過酸化水素とフェントン反応を起こして、処理を加速させることもできる。
【0061】
以上、本発明の実施形態1〜2及び変形例を説明したが、上述した実施形態1〜2及び変形例は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態1〜2及び変形例に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態1〜2及び変形例を適宜変形して実施することが可能である。
【0062】
すなわち、前記実施形態又は前記様々な変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の前記態様にかかる貯留タンク水処理装置は、貯留タンク水を殺菌処理することができて、液体の入った槽又は容器を有する、貯留式給湯装置又は洗浄器等について有用である。また、本発明の前記態様にかかる貯留タンク水処理装置は、貯留式給湯装置と同様に、貯水タンクを持つ、燃料電池コジェネシステム又は食洗器等にも適用できる。
【符号の説明】
【0064】
100 液体処理装置
10 装置本体
12 処理槽
15 導入部
17 排出部
21 第1内壁
22 第2内壁
23 第3内壁
24 電極支持筒
30 第1電極
31 第2電極
32 板形状の第1電極
32A 山形状の凸部を有する板形状の第1電極
32B 山形状の凸部
33 棒状の第2電極
34 筒状の第2電極
50 液体供給部
53 絶縁体
60 電源
80 水タンク
81 一点鎖線(循環用配管)
83 収容空間
90 貯留タンク
92 貯留タンク水
92a 水面
93 板部材
95 水位センサー
97 温度センサー
98 制御部
101,103 貯留式給湯装置
121,122 処理槽
151 開口端
241 内側端面
301 右端部
311 開口部
801 第1電極
802 第2電極
803 液体
804 パルス電源
805 プラズマ
901 アノード電極
902 カソード電極
903 被処理液
904 気体
B 後方向
BA 気泡
D 下方向
F 前方向
F1 旋回流
G 気相
L 後方向から見て左方向
L1 循環水
L2 処理液
P プラズマ
R 後方向から見て右方向
U 上方向
X1 略円柱状の収容空間の仮想の中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16