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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202417(P2018-202417A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】除湿機および製水機
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20181130BHJP
   B01D 53/28 20060101ALI20181130BHJP
   C02F 1/02 20060101ALI20181130BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20181130BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20181130BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20181130BHJP
   B01J 20/26 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B01D53/26 230
   B01D53/26 220
   B01D53/28
   C02F1/02 C
   C02F1/32
   B01J20/28 Z
   B01J20/34 E
   B01J20/26 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-173859(P2018-173859)
(22)【出願日】2018年9月18日
(62)【分割の表示】特願2017-79965(P2017-79965)の分割
【原出願日】2014年12月3日
(31)【優先権主張番号】特願2013-252901(P2013-252901)
(32)【優先日】2013年12月6日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】399030060
【氏名又は名称】学校法人 関西大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】崎川 伸基
(72)【発明者】
【氏名】久保 博亮
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智久
(72)【発明者】
【氏名】清水 彰則
(72)【発明者】
【氏名】浦元 嘉弘
(72)【発明者】
【氏名】宮田 隆志
【テーマコード(参考)】
4D034
4D037
4D052
4G066
【Fターム(参考)】
4D034AA11
4D034BA03
4D034CA06
4D037AA11
4D037AB03
4D037BA18
4D037BB06
4D037CA02
4D052AA08
4D052CB01
4D052CE00
4D052DA00
4D052DA03
4D052DA06
4D052DB01
4D052HA27
4D052HB02
4G066AC11B
4G066BA28
4G066CA43
4G066DA03
4G066GA01
(57)【要約】
【課題】ハロゲン系ガスを使わず、装置の小型化が可能で、騒音が小さい、除湿機を提供する。
【解決手段】除湿機102は、水分を吸収しうる第1の状態と、前記第1の状態のときに吸収した水分を放出する第2の状態とを有し、外部からの刺激により前記第1の状態から前記第2の状態に変化し、かつ、前記刺激がなくなったときには前記第1の状態に戻る性質を有する高分子ゲル吸湿材料による吸湿材と、外部から取り込んだ空気3を前記吸湿材に触れさせる外気流供給部4と、前記吸湿材に気流を当てることなく前記刺激を与える刺激付与部とを備える。前記吸湿材は互いに間隙をあけて配置された複数の板状部材からなる。前記複数の板状部材の各々は空気入口11と空気出口12とを結ぶ線に沿って延在するように配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を吸収しうる第1の状態と、前記第1の状態のときに吸収した水分を放出する第2の状態とを有し、外部からの刺激により前記第1の状態から前記第2の状態に変化し、かつ、前記刺激がなくなったときには前記第1の状態に戻る性質を有する高分子ゲル吸湿材料による吸湿材と、
外部から取り込んだ空気を前記吸湿材に触れさせる外気流供給部と、
前記吸湿材に気流を当てることなく前記刺激を与える刺激付与部とを備え、
前記吸湿材は互いに間隙をあけて配置された複数の板状部材からなり、
前記複数の板状部材の各々は空気入口と空気出口とを結ぶ線に沿って延在するように配置されている、除湿機。
【請求項2】
水分を吸収しうる第1の状態と、前記第1の状態のときに吸収した水分を放出する第2の状態とを有し、外部からの刺激により前記第1の状態から前記第2の状態に変化し、かつ、前記刺激がなくなったときには前記第1の状態に戻る性質を有する高分子ゲル吸湿材料による吸湿材と、
外部から取り込んだ空気を前記吸湿材に触れさせる外気流供給部と、
前記吸湿材に前記刺激を与える刺激付与部と、
前記吸湿材を内部に収容する筐体とを備え、
前記吸湿材は互いに間隙をあけて配置された複数の板状部材からなり、
前記筐体は、側方に開口し、開閉可能な蓋を備える第1空気入口と、上方に開口し、開閉可能な蓋を備える第2空気入口と、空気出口とを有し、
除湿動作の際には、前記第1空気入口の蓋を開け、前記第2空気入口の蓋を閉じた状態で、前記第1空気入口から取り込んだ空気を前記吸湿材に当てて除湿した後で前記空気出口から排出し、
吸湿部再生動作の際には、前記第1空気入口の蓋を閉じ、前記第2空気入口の蓋を開けた状態で、前記第2空気入口から取り込んだ空気を加熱して熱風として前記吸湿材に当てることによって、前記刺激付与部が前記吸湿材に前記刺激を与える、除湿機。
【請求項3】
水分を吸収しうる第1の状態と、前記第1の状態のときに吸収した水分を放出する第2の状態とを有し、外部からの刺激により前記第1の状態から前記第2の状態に変化し、かつ、前記刺激がなくなったときには前記第1の状態に戻る性質を有し、一方の面および他方の面を有し、高分子ゲル吸湿材料による吸湿材と、
外部から取り込んだ空気を前記吸湿材に触れさせる外気流供給部と、
前記吸湿材に前記刺激を与える刺激付与部とを備え、
前記吸湿材は円板状であり、前記吸湿材は中心軸のまわりをモータにより回転可能であり、
前記モータによって回転させられた前記吸湿部の表面に付着している液体状態の水は、遠心力で前記吸湿部の外側に振り飛ばされる、除湿機。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の除湿機を備え、前記吸湿材に気流を通して吸湿させた後、排水される水を浄化する、製水機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿機および製水機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
除湿および調湿を行なうための装置としては、冷凍サイクル式とゼオライト式とがある。「冷凍サイクル式」は、主にコンプレッサすなわち圧縮機を内蔵し、エバポレータすなわち蒸発器で室内空気を冷却することにより空気内の湿度を結露させ、除湿するものである。「ゼオライト式」は、室内の空気中の水分をロータに吸湿させ、吸湿したロータに電気ヒータで作った高温の温風を当て、ロータ内の水分を高温・高湿の空気として取り出し、その空気を室内空気で冷却することにより、高温・高湿の空気に含まれる水分を結露させて取り出す。また、その他に、特開2009−180433号公報(特許文献1)に記載されているように、湿式デシカントとして可燃性の塩化リチウム(LiCl3)などを用いる方法もある。
【0003】
冷凍サイクル式の例が記載された文献としては、特開2003−144833号公報(特許文献2)を挙げることができる。ゼオライト式の例が記載された文献としては、特開2001−259349号公報(特許文献3)を挙げることができる。両者の特徴を合わせた構成は、特開2005−34838号公報(特許文献4)に記載されている。
【0004】
一方、特開2002−126442号公報(特許文献5)には、相転移温度を境として吸水特性が変化するゲルを用いて除湿・吸水するゲルシートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−180433号公報
【特許文献2】特開2003−144833号公報
【特許文献3】特開2001−259349号公報
【特許文献4】特開2005−34838号公報
【特許文献5】特開2002−126442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
除湿および調湿する機構においてコンプレッサを用いる冷凍サイクル式においては、原理上は、冷凍効率COPが5に達するなど効率の高い除湿および調湿が可能である。しかし、このような冷凍サイクル式では、環境破壊につながるハロゲン系ガスを使ったり、コンプレッサを搭載するために大型化しがちであったり、騒音が大きかったりなどといった問題が依然として存在する。一方、ゼオライト式においては、200℃以上の再生熱が必要で効率が悪く、これらを融合したハイブリッドタイプはコンプレッサの圧縮熱をゼオライトロータの再生に一部利用するなど改善されており、ゼオライト式の利用範囲を広げることができるが、複雑な空気経路や機構が必要になり、大型化は避けられない。また、吸収するなどして集めた水蒸気を過飽和冷却することで凝縮させることには変わりない。
【0007】
なお、再生熱として高温が必要な吸湿材であれば、再生側でヒータとファンとにより生成した熱風を吸湿材に当てた後、得られた高温高湿空気に対して熱交換機で凝縮水にしていた。
【0008】
そこで、本発明は、ハロゲン系ガスを使わず、装置の小型化が可能で、騒音が小さい、除湿機および製水機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に基づく除湿機は、水分を吸収しうる第1の状態と、上記第1の状態のときに吸収した水分を放出する第2の状態とを有し、外部からの刺激により上記第1の状態から上記第2の状態に変化し、かつ、上記刺激がなくなったときには上記第1の状態に戻る性質を有する高分子ゲル吸湿材料による吸湿材と、外部から取り込んだ空気を上記吸湿材に触れさせる外気流供給部と、上記吸湿材に気流を当てることなく上記刺激を与える刺激付与部とを備える。上記吸湿材は互いに間隙をあけて配置された複数の板状部材からなり、上記複数の板状部材の各々は空気入口と空気出口とを結ぶ線に沿って延在するように配置されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ハロゲン系ガスを使わず、装置の小型化が可能で、騒音が小さい、除湿機とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に基づく実施の形態1における除湿機の概念図である。
図2】本発明に基づく実施の形態2における除湿機の斜視図である。
図3】本発明に基づく実施の形態2における除湿機の断面図である。
図4】本発明に基づく実施の形態2における除湿機に備わる複数の吸湿部の説明図である。
図5】本発明に基づく実施の形態2における除湿機に備わる吸湿部の部分拡大斜視図である。
図6】本発明に基づく実施の形態3における除湿機の模式的な斜視図である。
図7】本発明に基づく実施の形態3における除湿機に備わる吸湿部の部分拡大断面図である。
図8】本発明に基づく実施の形態4における除湿機の第1の状態の模式的な断面図である。
図9】本発明に基づく実施の形態4における除湿機の第2の状態の模式的な断面図である。
図10】本発明に基づく実施の形態4における除湿機に備わる複数の吸湿部の説明図である。
図11】本発明に基づく実施の形態4における除湿機に備わる吸湿部の部分拡大斜視図である。
図12】本発明に基づく実施の形態5における除湿機の模式的な断面図である。
図13】本発明に基づく実施の形態6における除湿機の模式的な断面図である。
図14】本発明に基づく実施の形態6における除湿機に備わる複数の吸湿部の斜視図である。
図15】本発明に基づく実施の形態6における除湿機に備わる吸湿部の部分拡大断面図である。
図16】本発明に基づく除湿機を利用して構成される製水機の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明に基づく実施の形態1における除湿機101について説明する。図1は、除湿機101の構造を概念的に示したものであり、実際の各部の寸法比や位置関係はこのとおりとは限らない。除湿機101は、水分を吸収しうる第1の状態と、前記第1の状態のときに吸収した水分を放出する第2の状態とを有し、外部からの刺激により前記第1の状態から前記第2の状態に変化し、かつ、前記刺激がなくなったときには前記第1の状態に戻る性質を有する高分子ゲル吸湿材料による吸湿材2と、外部から取り込んだ空気を吸湿材2に触れさせる外気流供給部4と、吸湿材2に気流を当てることなく前記刺激を与える刺激付与部5とを備える。
【0013】
除湿機101においては、湿った空気3が外部から取り込まれ、外気流供給部4を通じて導かれることによって吸湿材2に触れる。吸湿材2に触れて除湿された空気3は、湿度が減った空気6となって出ていく。刺激付与部5が吸湿材2に刺激を与えることにより、吸湿材2から水が取り出されており、水受け容器7に受けられている。水受け容器7は必須ではない。
【0014】
本実施の形態によれば、ハロゲン系ガスを使わず、装置の小型化が可能で、騒音が小さい、除湿機とすることができる。
【0015】
なお、刺激付与部5が与える前記刺激により吸湿材2から水分が液体状態で直接取り出されるものであることが好ましい。この構成であれば、水分は液体状態で直接取り出されるので、熱交換器を必要としない。
【0016】
なお、前記刺激は、熱、光、電気、pHのうちのいずれかによる刺激であることが好ましい。この構成であれば、刺激を容易に制御することができる。
【0017】
ここでは、吸湿材2と刺激付与部5との位置関係をおおまかに表示しているが、吸湿材2は、空気3に触れて吸湿した部分がのちに刺激付与部5による刺激を受けて水分を排出するという構成になっている。その実現のためには、吸湿材2のうち刺激付与部5からの刺激を受ける部分は適宜入れ替わることができることが好ましい。たとえば吸湿材2が回転やスライドをすることによって刺激付与部5に対して相対的に変位するものであってもよい。刺激付与部5が複数設けられていてそのうちいずれを動作させるかの選択によって吸湿材2のどの部分に刺激を与えるかを選択できるものであってもよい。
【0018】
外気流供給部4も、同様に、吸湿材2に対して相対的に変位したり切り替わったりするものであってもよい。
【0019】
また、除湿機101の吸湿材2は下方に向かって開放されているので、吸湿材2から液体状態で直接取り出された水分は、そのまま重力に伴って落下する。この場合、刺激付与部5は吸湿材2の上流および下流のいずれの側に設けてもよい。刺激付与部5は吸湿材2の上流および下流の両方の側に設けてもよい。
【0020】
(実施の形態2)
図2図5を参照して、本発明に基づく実施の形態2における除湿機102について説明する。除湿機102の斜視図を図2に示し、断面図を図3に示す。除湿機102は、空気入口11と空気出口12とを有する筐体1を備え、筐体1の内部に吸湿部20を備えている。図3に示すように、吸湿部20の下方には斜面14が設けられている。斜面14は、吸湿部20から排出される水を受けて水出口15に集めることができるようになっている。水出口15の下方には水受け容器7が配置されている。
【0021】
除湿機102の内部には、図4に示すように複数の吸湿部20が配置されている。複数の吸湿部20の各々は板状部材である。複数の吸湿部20は互いに間隙10をあけて配置されている。各吸湿部20は上下方向に延在している。したがって、間隙10も上下方向に延在しており、間隙10の下方は開放されている。各吸湿部20は空気入口11と空気出口12とを結ぶ線に沿って延在するように配置されている。外部から取り込まれて外気流供給部4によって導かれた空気3は、図4に示すように吸湿部20同士の間の間隙10を通って、吸湿部20によって除湿された後、空気6となって出ていく。1枚の吸湿部20を拡大したところを図5に示す。1枚の吸湿部20は、2つの層状の吸湿材2の間に刺激付与部5としての面状ヒータ8を配置したものである。すなわち、吸湿部20は、吸湿材2と刺激付与部5とを備える。
【0022】
ここで、除湿機102の構成を整理して述べる。本実施の形態における除湿機102は、水分を吸収しうる第1の状態と、前記第1の状態のときに吸収した水分を放出する第2の状態とを有し、外部からの刺激により前記第1の状態から前記第2の状態に変化し、かつ、前記刺激がなくなったときには前記第1の状態に戻る性質を有する高分子ゲル吸湿材料による吸湿材2と、外部から取り込んだ空気を吸湿材2に触れさせる外気流供給部4と、吸湿材2に気流を当てることなく前記刺激を与える刺激付与部5とを備える。
【0023】
ただし、前記刺激は熱であり、吸湿材2は層状であり、刺激付与部5は吸湿材2の面に沿って配置されたヒータである。ここでいうヒータは、面状ヒータ8である。刺激付与部5としてのヒータは、このように面状ヒータであることが好ましいが、面状ヒータに限るものではない。刺激付与部5は、たとえ面状ヒータでなくても、吸湿材2の面に沿って配置することができるヒータであればよい。
【0024】
なお、吸湿材2は層状であるが、各層の内部はブロック状、微細粒子状、シェル状などどのような形状であってもよい。
【0025】
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した効果を得ることができる。さらに、本実施の形態では、吸湿材2が層状となっているので、外部から取り込んだ空気3を吸湿材2の多くの面積の表面に効率良く触れさせることができるので、効率良く除湿を行なうことができる。また、本実施の形態では、刺激付与部5としてのヒータが吸湿材2の面に沿って配置されているので、吸湿材2の広い範囲にわたって効率良く刺激を付与することができ、吸湿材2からの水の取出しも効率良く行なうことができる。
【0026】
吸湿部20は上下方向に延在しており、間隙10の下方は開放されているので、吸湿材2から排出された水は間隙10を通ってそのまま落下することができる。
【0027】
なお、本実施の形態では、吸湿材2は、熱という刺激を受けることによって第1の状態から第2の状態に変化するものとして説明した。ここで刺激の種類として熱を選んだのはあくまで一例であり、吸湿材2は他の種類の刺激を受けることによって第1の状態から第2の状態に変化する性質のものであってもよい。このことについては、以下の実施の形態においても同様である。
【0028】
(実施の形態3)
図6図7を参照して、本発明に基づく実施の形態3における除湿機103について説明する。除湿機103の模式的な斜視図を図6に示す。除湿機103は、吸湿部21を備える。吸湿部21は水平面内に延在する円板状の部材である。吸湿部21はモータによって回転することができる。吸湿部21の中心軸は鉛直方向である。吸湿部21の部分拡大断面図を図7に示す。吸湿部21はハニカム状となっており、厚み方向に貫通する多数の貫通孔9を有する。吸湿部21は、吸湿材2からなる部分を含む。吸湿材2は、貫通孔9の内面に露出している。
【0029】
すなわち、本実施の形態における除湿機103は、水分を吸収しうる第1の状態と、前記第1の状態のときに吸収した水分を放出する第2の状態とを有し、外部からの刺激により前記第1の状態から前記第2の状態に変化し、かつ、前記刺激がなくなったときには前記第1の状態に戻る性質を有する高分子ゲル吸湿材料による吸湿材2と、外部から取り込んだ空気を吸湿材2に触れさせる外気流供給部4と、吸湿材2に気流を当てることなく前記刺激を与える刺激付与部5とを備える。
【0030】
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した効果を得ることができる。さらに、本実施の形態では、吸湿材2を含む吸湿部21が円板状となっており、回転する仕組みとなっているので、1つの吸湿部21のある部位を吸湿に用いつつ、他の部位において刺激を与えて水を取り出すことができる。すなわち、吸湿と排水とを並行して行なうことができる。たとえば、円板状の吸湿部21を一定速度で連続的に回転させることによって、吸湿および排水の作業を途切れず連続的に行なうことができる。
【0031】
あるいは、円板状の吸湿部21を断続的にステップ状に回転させることとしてもよい。すなわち、たとえば、吸湿部21を静止させた状態で、吸湿部21のある部位で空気3を受けて吸湿を一定時間行なった後に、吸湿部21を一定角度だけ回転させて次に吸湿を行なう部位が新たに空気3にさらされる姿勢とすることとしてもよい。
【0032】
本実施の形態における除湿機は、以下の付記のように表現することができる。
(付記1−1)
前記吸湿部は円筒状部材の少なくとも一部に配列されており、前記円筒状部材は中心軸のまわりに回転可能であり、前記外気流供給部は、前記円筒状部材の外周が描く軌道によって規定される円のうち第1の部位において前記吸湿部に前記空気を当てるものとなっており、前記刺激付与部は、前記円のうち第1の部位とは異なる第2の部位において前記吸湿部に前記刺激を与える、上述のいずれかに記載の除湿機。
【0033】
(付記1−2)
前記吸湿部は、前記中心軸が上下方向となるように配置されている、付記1−1に記載の除湿機。
【0034】
(付記1−3)
前記吸湿部は、厚み方向に貫通する貫通孔を有するハニカム状となっている、付記1−1または1−2に記載の除湿機。
【0035】
(実施の形態4)
図8図11を参照して、本発明に基づく実施の形態4における除湿機104について説明する。除湿機104の模式的な断面図を図8および図9に示す。除湿機104の基本的な構成は、実施の形態2で説明した除湿機102と共通する。除湿機104は、内部に、吸湿部21の代わりに吸湿部22を備えている。除湿機104の内部において吸湿部22は、図10に示すように複数の吸湿部22が配置されている。複数の吸湿部22の各々は板状部材である。複数の吸湿部22は互いに間隙10をあけて配置されている。吸湿部22や間隙10の方向は、実施の形態2で説明した吸湿部20におけるものと同様である。
【0036】
図8では、除湿機104において除湿を行なっている状態を示している。図9では、除湿機104において吸湿部22の再生および排水を行なっている状態を示している。
【0037】
除湿機104は、除湿動作の際には、図8に示すように、送風ファン24により空気入口11から取り込んだ空気3を吸湿部22に当て、空気3を除湿した後、空気出口12から空気6として排出するものとなっている。空気3は間隙10を通過する間に水分を吸湿部22に奪われる。1枚の吸湿部22を拡大したところを図11に示す。1枚の吸湿部22は、基材13の両面を覆うように吸湿材2を層状に形成したものである。
【0038】
除湿機104は上方に開口する空気入口31を備えている。ただし、空気入口31には開閉可能な蓋31aがついている。図8に示した状態では、蓋31aが閉鎖されている。空気入口31と吸湿部22との間には、刺激付与部5として送風ファン17およびヒータ18が配置されている。
【0039】
吸湿部再生動作の際には、図9に示すように、空気入口11の蓋11aが閉じ、代わりに空気入口31の蓋31aが開く。送風ファン24は止まっている。空気入口31に設けられている送風ファン17が作動することにより、空気入口31から外部の空気25が取り込まれ、ヒータ18で発する熱を受けて熱風となって、吸湿部22に向かう。送風ファン17およびヒータ18の働きによって熱風が吸湿部22同士の間の間隙10を通過する。これにより、吸湿部22に含まれる吸湿材2に熱という刺激が与えられ、吸湿材2から水が排出される。水は間隙10を通って下方に落下する。なお、送風ファン17で送られた熱風は、空気6と同様に空気出口12から排出されてもよい。送風ファン17によって送られた熱風のために別途排気口を設けてもよい。
【0040】
なお、蓋11aと蓋31aとは同一部材が兼ねていてもよい。同一部材が行き来することによって、空気入口11を閉鎖して空気入口31を開放する状態と、空気入口31を閉鎖して空気入口11を開放する状態とを交互に切り替える構成であってもよい。
【0041】
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した効果を得ることができる。さらに、本実施の形態では、吸湿材2が層状となっているので、実施の形態2と同様に、外部から取り込んだ空気3に対して、効率良く除湿を行なうことができる。また、本実施の形態では、刺激付与部5として送風ファン17およびヒータ18が配置されており、上方から吸湿部22に熱風を送ることができるので、吸湿材2に対する刺激として熱を与えることができる。こうして、吸湿材2の広い範囲にわたって効率良く刺激を付与することができ、吸湿材2からの水の取出しも効率良く行なうことができる。
【0042】
(実施の形態5)
図12を参照して、本発明に基づく実施の形態5における除湿機105について説明する。図12は、除湿機105の模式的な断面図である。除湿機105は、筐体1を備える。筐体1は、上方に空気入口11および空気入口31を有し、側方に空気出口12を有する。除湿機105は、円板状かつハニカム状の吸湿部21と、吸湿部21を回転させるモータ16とを、筐体1の内部に備える。吸湿部21の詳細な構造は、実施の形態3で説明したのと同様である。
【0043】
空気入口11から取り込まれ、外気流供給部4を通って筐体1内に入り込んだ空気3は、吸湿部21の一部に当たり、吸湿部21の貫通孔9(図7参照)を通ることによって除湿される。除湿された空気は、側方の空気出口12から空気6として排出される。
【0044】
空気入口31の近傍には刺激付与部5が配置されている。刺激付与部5は、送風ファン17とヒータ18とを含む。送風ファン17が作動することによって、空気入口31を通じて気流19が取り込まれる。気流19はヒータ18によって熱せられ、吸湿部21の一部に当たる。吸湿部21において、空気入口31から取り込まれた気流19が当たる部位は、空気入口11から取り込まれた空気3が当たる部位とは異なる部位である。気流19が吸湿部21の貫通孔9を通ることにより、吸湿部21の吸湿材2に対して、熱という刺激が与えられる。このようになった場合、吸湿部21からは水が排出される。
【0045】
吸湿部21の下方には斜面14が設けられている。斜面14は、吸湿部21から排出される水を受けて、筐体1下部の一方の端に設けられた水出口15に集めることができるようになっている。
【0046】
本実施の形態は、実施の形態3をより具体的に表現した一例に相当する。したがって、本実施の形態では、実施の形態3で述べた効果を得ることができる。
【0047】
(実施の形態6)
図13図15を参照して、本発明に基づく実施の形態6における除湿機106について説明する。除湿機106の模式的な断面図を図13に示す。除湿機106は、筐体1を備える。筐体1は、上方に空気入口11および空気出口12を有する。除湿機106は、複数の円板状の吸湿部23を、筐体1の内部に備える。複数の吸湿部23は、図14に示すように、中心軸を共通としながらも互いに離隔するように重ねられた状態で保持されている。すなわち、吸湿部23同士の間には間隙10が設けられている。1枚の吸湿部23の部分拡大断面図を図15に示す。吸湿部23は平板状の基材13とその表面に形成された吸湿材2とを含む。ここでは、吸湿材2が基材13の上面に形成された例を示しているが、吸湿材2は基材13の上面ではなく下面に形成されていてもよい。吸湿材2は、基材13の上下両面ともに形成されていてもよい。
【0048】
図13に示すように、除湿機106は、複数の吸湿部23を一括して回転させるモータ16を筐体1の内部に備えている。モータ16と複数の吸湿部23は回転軸によって接続されている。
【0049】
空気入口11から取り込まれ、外気流供給部4を通って筐体1内に入り込んだ空気3は、吸湿部23に当たる。筐体1内に入った空気3は、空気出口12に向かう。この際に、空気3の少なくとも一部は、吸湿部23同士の間隙10を通過してから空気出口12に向かう。空気3は、吸湿部23同士の間隙10を通過することによって除湿される。除湿された空気は、側方の空気出口12から空気6として排出される。
【0050】
筐体1の内部空間の上部には刺激付与部5が配置されている。刺激付与部5は、送風ファン17とヒータ18とを含む。送風ファン17およびヒータ18が作動することによって、熱風が吸湿部23に当たる。複数の吸湿部23においては、熱風が当たったことにより、熱という刺激を受けたこととなり、水が排出される。このとき、複数の吸湿部23はモータ16によって回転させられ、吸湿部23の表面に付着している液体状態の水は、遠心力で吸湿部23の外側に振り飛ばされる。吸湿部23から振り飛ばされた水は筐体1内の下方に落下する。
【0051】
吸湿部21の下方には斜面14が設けられている。斜面14は、吸湿部23から排出され、遠心力で振り飛ばされた水を受けて、筐体1下部の一方の端に設けられた水出口15に集めることができるようになっている。
【0052】
本実施の形態では、複数の吸湿部23が互いに離隔するように重ねられた状態となっているので、表面積を多く確保し、除湿を効率良く行なうことができる。また、本実施の形態では、遠心力を利用することにより、排出された水を効率良く除去することができる。
【0053】
なお、実施の形態2〜6においては、吸湿材2はN−イソプロピルアクリルアミドを含むことが好ましい。吸湿材2がこのような構成であれば、熱という刺激によって水分を吸収しうる第1の状態と吸収した水分を放出する第2の状態とを交互に遷移することができる構成を容易に実現することができる。
【0054】
また、吸湿材には、ポリN−イソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)およびその誘導体やポリビニルエーテルおよびその誘導体などの感温性高分子を材料として用いて所望の性質を有する高分子吸湿材を適宜調製して用いればよい。
【0055】
なお、本実施の形態では、複数の吸湿部23が中心軸を鉛直方向とするように配置されているが、複数の吸湿部23の設置の向きはこれに限らない。
【0056】
なお、本実施の形態では、刺激付与部5として送風ファン17とヒータ18との組合せを用いているが、刺激付与部は基材13に埋め込まれた面ヒータまたは線ヒータであってもよい。この場合、基材13によって吸湿部23を直接加熱することができる。
【0057】
なお、本実施の形態において、吸湿時は吸湿部23の回転数を下げ、水の排出時は回転数を上げるようにしてもよい。これにより、吸湿時は吸湿材に十分に水が吸湿され、水の排出時は遠心力を上げることができるため、短時間での排水が可能になる。
【0058】
なお、上記実施の形態のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
なお、本発明の考え方は、除湿機の他に加湿機、製水機としても利用可能である。
【0059】
加湿機として使用する場合は、除湿機と逆の動作をすればよい。たとえば、液体状態の水を第1の状態である吸湿材2に触れさせて、吸湿材2に水分を吸収させておき、吸湿材2に与えていた刺激をなくすことによって第1の状態から第2の状態に変化させ、水が液体状態で吸湿材2から排出されるようにする。この状態で、濡れている吸湿材2に触れるように気流を通過させる。これにより気流に水分をもたせる。
【0060】
製水機として使用する場合は、周辺の空気を吸湿材2に触れさせることによって、空気中の水分を吸湿材2に吸収させ、この状態の吸湿材2に刺激を与えることによって吸湿材2から液体状態の水を排出させる。吸湿材2から排出された水を容器に集める。このようにすれば、井戸などの水源がなく、雨が降らない場所においても液体状態の水を得ることができる。
【0061】
イオン性を持つ吸湿材中に取り込まれた水分はそれだけで微生物の生存が難しい。さらに、吸湿材に蓄えられた水分は、排水される際に50〜60℃の熱刺激にさらされることとなるので、この高温による殺菌効果が期待できる。ただ、得られる水を飲用または準飲用(洗浄水などの生活用水)に供するためには、排水後の経路などでの雑菌混入なども考慮し、UV光照射による殺菌と細菌濾過が可能な濾過フィルタとを組み合わせることが好ましい。
【0062】
たとえば図16に示すように、粒子状、層状またはブロック状の吸湿材を重ねて形成された吸湿部22に気流を通して吸湿させた後、熱などの刺激により排水される水をUV光照射と濾過フィルタを通してさらに浄化して飲用または準飲用として使用することができる。このような製水機は、実施の形態1〜6で示したいずれの除湿機の構成を用いても実現することができる。
【0063】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0064】
1 筐体、2 吸湿材、3 (湿った)空気、4 外気流供給部、5 刺激付与部、6 (除湿済の)空気、7 水受け容器、8 面状ヒータ、9 貫通孔、10 間隙、11 空気入口、11a 蓋、12 空気出口、13 基材、14 斜面、15 水出口、16 モータ、17 送風ファン、18 ヒータ、19 (刺激付与に用いられる)気流、20,21,22,23 吸湿部、24 送風ファン、25 空気、31 (刺激付与部のための)空気入口、31a 蓋、101,102,103,104,105,106 除湿機。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
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図16