特開2018-202432(P2018-202432A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202432(P2018-202432A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】複合部品
(51)【国際特許分類】
   B22D 19/04 20060101AFI20181130BHJP
   B62D 25/08 20060101ALI20181130BHJP
   B22D 19/00 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B22D19/04
   B62D25/08 J
   B22D19/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-107950(P2017-107950)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】中島 悠
(72)【発明者】
【氏名】大沼 貴則
(72)【発明者】
【氏名】丸山 智也
(72)【発明者】
【氏名】中村 達彦
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA01
3D203BB37
3D203BB45
3D203CA05
3D203CA75
3D203CB03
3D203DA83
(57)【要約】
【課題】軽量化に対応しつつ他の部材を容易にインサート成形でき、かつ、他部品を容易に固着できる複合部品を提供する。
【解決手段】一の部材12を構成する一の材料11と異なる他の材料13により一の部材12で一部を被覆する他の部材14を備える。他の部材14は、一の部材12から凸状に突出する突出部22を備える。突出部22の少なくとも一部を、他部品を固着する溶接部22aとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他部品と固着される複合部品であって、
一の材料により形成された一の部材と、
前記一の材料と異なる他の材料により形成され前記一の部材に一部が被覆された他の部材とを具備し、
前記他の部材は、前記一の部材から凸状に突出する突出部を備え、この突出部の少なくとも一部が、前記他部品が固着される固着部となっている
ことを特徴とする複合部品。
【請求項2】
他の部材は、突出部の背面側に凹部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の複合部品。
【請求項3】
車両用の複合部品である
ことを特徴とした請求項1または2記載の複合部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一及び他の材料により形成された一及び他の部材を備える複合部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車などの車両に用いられる構造体として、他部品である他の構造体などと固着されるものがある。例えばステアリングハンガービーム(ステアリングメンバ)には、フロアトンネルなどとボルトなどを用いて固着される固着部が突設されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような構造体では、鋳造後に、固着部に穴開けやタップ形成などの二次加工が必要となり、製造性が良好でない。また、近年、軽量化を目的として、一部を他の材料に置き換えた複合部品が構造体として用いられることがあるが、上記の特許文献1のようにボルトなどによって他の構造体と固着される固着部を備える構成では、複合部品としたときに、鋳造用の金型構造が固着部の位置で複雑及び大型化する。
【0004】
そこで、例えば別途形成した鋼部品の一部をマグネシウム合金により覆い、鋼部品のマグネシウム合金により覆われていない部分を固着部として他部品と溶接により固着可能とした構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−67272号公報 (第3−4頁、図5
【特許文献2】特表2013−500165号公報 (第4−8頁、図1−6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の複合部品の場合、鋼部品をインサート成形する際の位置決めが容易でなく、鋼部品の保持構造を金型に形成するなどの必要がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、軽量化に対応しつつ他の部材を容易にインサート成形でき、かつ、他部品を容易に固着できる複合部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の複合部品は、他部品と固着される複合部品であって、一の材料により形成された一の部材と、前記一の材料と異なる他の材料により形成され前記一の部材に一部が被覆された他の部材とを具備し、前記他の部材は、前記一の部材から凸状に突出する突出部を備え、この突出部の少なくとも一部が、前記他部品が固着される固着部となっているものである。
【0009】
請求項2記載の複合部品は、請求項1記載の複合部品において、他の部材は、突出部の背面側に凹部を備えたものである。
【0010】
請求項3記載の複合部品は、請求項1または2記載の複合部品において、車両用の複合部品であるものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の複合部品によれば、他の材料からなる他の部材の一部を覆う一の部材を構成する一の材料をより軽量のものとすることで、軽量化が可能になるとともに、一の部材に一部が被覆された他の部材に、一の部材から凸状に突出する突出部を設けることで、成形時に成形型によって他の部材を挟み込んで位置決めでき、成形型の形状を複雑化することなく他の部材を容易にインサート成形でき、かつ、一の部材から露出する突出部の少なくとも一部を、他部品を固着する固着部とすることで、他の部材に対して他部品を容易かつ高い自由度で固着できる。
【0012】
請求項2記載の複合部品によれば、請求項1記載の複合部品の効果に加えて、他の部材の突出部の背面側に凹部を設けることで、成形時に成形型によって他の部材をより容易に挟み込んで位置決めでき、他の部材をより容易にインサート成形できる。
【0013】
請求項3記載の複合部品によれば、請求項1または2記載の複合部品の効果に加えて、複合部品が車両用のものであるため、車両の軽量化に対応しつつ車両の製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施の形態の複合部品を示す斜視図である。
図2】同上複合部品を示す断面図である。
図3】同上複合部品を他部品と固着した状態を示す斜視図である。
図4】同上複合部品の鋳造用の金型を示す断面図である。
図5】同上複合部品の製造方法を示す断面図である。
図6】同上複合部品の製造方法の図4に続く工程を示す断面図である。
図7】同上複合部品の製造方法の図5に続く工程を示す断面図である。
図8】同上複合部品の製造方法の図6に続く工程を示す断面図である。
図9】同上複合部品の製造方法の図7に続く工程を示す断面図である。
図10】本発明の第2の実施の形態の複合部品を示す断面図である。
図11】本発明の第3の実施の形態の複合部品を示す断面図である。
図12】本発明の第4の実施の形態の複合部品を示す断面図である。
図13】本発明の第5の実施の形態の複合部品を示す断面図である。
図14】同上複合部品の他の部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施の形態の構成を、図面を参照して説明する。
【0016】
図1ないし図3において、10は複合部品であり、この複合部品10は、例えば自動車などの車両用のものである。この複合部品10は、例えばステアリングハンガービーム(ステアリングメンバ)、サスペンションアーム、あるいはストラットタワーバーなどの任意の車両用構造体として好適に用いられる。
【0017】
また、この複合部品10は、一の材料11により形成された一の部材12と、一の材料11と異なる他の材料13により形成された他の部材14とを一体的に備えている。さらに、この複合部品10は、他部品15と固着される。そして、この複合部品10は、成形型16を用いて例えば鋳造により成形される。
【0018】
一の材料11は、例えば他の材料13よりも軽量な金属材料、本実施の形態では例えばマグネシウム合金が用いられる。
【0019】
一の部材12は、複合部品本体とも呼び得るもので、複合部品10の主要部となっている。一の部材12は、一の材料11の鋳造により成形される。一の部材12の形状は、要求される複合部品10の形状に応じて任意に設定できる。また、この一の部材12には、他の部材14の背面側に対応する位置に、穴部18が形成されている。
【0020】
他の材料13は、例えば鋼(鉄)などの、溶接可能な金属材料が用いられる。
【0021】
他の部材14は、一の部材12とは別個に成形されるインサート部材である。他の部材14は、例えばプレス成形などにより成形されていてもよい。他の部材14は、一の部材12により覆われた被覆部21と、一の部材12から突出する突出部22とを備えている。また、他の部材14には、凹部23が設けられていてもよい。さらに、他の部材14は、本実施の形態において、板材により形成されている。
【0022】
被覆部21は、一の部材12に埋め込まれる部分である。この被覆部21は、本実施の形態において、平面状の部分である。この被覆部21には、一の部材12の成形時(鋳造時)に溶湯を通過させるアンカー孔が設けられていてもよい。
【0023】
突出部22は、一の部材12から露出し、他部品15と固着、本実施の形態では溶接される部分である。この突出部22は、本実施の形態において、屈曲された部分である。この突出部22の先端部は、他部品15と固着、本実施の形態では溶接される固着部である溶接部22aとなっている。例えばこの溶接部22aは、突出部22の先端部すなわち稜線に沿って所定長さに亘って直線状に設けられている。そして、この突出部22は、複合部品10の成形時に成形型16により保持(クランプ)される部分である。
【0024】
凹部23は、突出部22の背面側に位置する部分である。本実施の形態において、この凹部23は、突出部22の背面側全体に亘って位置している。したがって、この凹部23は、突出部22の先端部の背面側に所定長さに亘って直線状に設けられている。この凹部23は、複合部品10の成形時に成形型16により保持(クランプ)される部分である。すなわち、突出部22と凹部23とが、複合部品10の成形時に成形型16により上下から挟み込まれるようになっている。なお、この凹部23は、必須の構成ではない。
【0025】
他部品15は、任意の形状とすることができるが、例えばL字状に屈曲された長手状の板材である。他部品15は、他の部材14と固着できれば、任意の材料により形成することができるが、例えば鋼(鉄)などの、溶接可能な金属により成形されている。また、他部品15には、他の部材14の突出部22の溶接部22aに溶接される溶接部15aが一端部に設けられている。さらに、他部品15には、他の構造体などと連結される連結部15bが他端部に設けられている。この連結部15bは、例えば平面状に設けられていてもよい。また、この連結部15bには、ボルトなどが締結される孔部15cが設けられていてもよい。
【0026】
そして、図4ないし図9に示す成形型16は、本実施の形態では鋳造用の金型である。この成形型16は、一の型本体25と、他の型本体26とを備えている。そして、この成形型16は、これら一の型本体25と他の型本体26とを合わせたときに一の型本体25と他の型本体26との間に、空間部であるキャビティ27を区画するように構成されている。
【0027】
一の型本体25は、複合部品10の成形時(鋳造時)に他の部材14を保持するための一の保持部31を備えている。また、一の型本体25は、キャビティ27を構成し複合部品10の成形時(鋳造時)に溶湯が注入される注入部32が凹設されている。本実施の形態において、一の型本体25は、例えば固定型となっている。
【0028】
一の保持部31は、例えば注入部32から突出する柱状に設けられている。この一の保持部31の先端部は、例えば複合部品10の成形時(鋳造時)に他の部材14の凹部23に嵌合される嵌合部31aとなっている。本実施の形態では、この嵌合部31aは、凹部23の形状に沿った山状に設けられている。また、この一の保持部31は、他の型本体26との間で他の部材14を挟持する挟持部となっている。そして、この一の保持部31の位置が、複合部品10の成形(鋳造)により一の部材12の穴部18として成形されるようになっている。
【0029】
注入部32は、一の部材12の形状に応じて凹設されている。この注入部32には、複合部品10の成形時(鋳造時)に他の部材14の被覆部21が配置されるようになっている。
【0030】
他の型本体26は、複合部品10の成形時に一の型本体25との間で他の部材14を挟持するものである。他の型本体26には、他の部材14の突出部22を嵌合保持する他の保持部35が凹設されている。他の保持部35は、一の型本体25の一の保持部31と対向する位置に設けられている。本実施の形態において、他の型本体26は、例えば可動型となっている。
【0031】
そして、複合部品10を成形する際には、まず、一の型本体25の一の保持部31に、予め別途成形した他の部材14をセットする(図5)。このとき、一の保持部31の嵌合部31aを凹部23に嵌合させることで、他の部材14が安定的に一の型本体25に保持される。この状態で、被覆部21となる他の部材14の両側部は、注入部32内に延びて位置する。
【0032】
次いで、他の型本体26を一の型本体25と合わせる。このとき、他の保持部35の他の部材14の突出部22を嵌合させることにより、他の保持部35と一の保持部31とによって、他の部材14の突出部22をその突出側及びその反対側から(例えば上下に)挟み込む(図6及び図7)。これにより、一の型本体25と他の型本体26との間に形成されるキャビティ27に対して他の部材14が精度よく位置決め保持される。
【0033】
この状態で、キャビティ27に一の材料11の溶湯を充填する(図8)。このとき、溶湯に他の部材14の被覆部21となる両側部が埋没される。そして、この溶湯を固化させることにより、キャビティ27の形状に沿って一の部材12が成形されて複合部品10が成形される(図9)。この結果、一の部材12が他の部材14の一部(被覆部21)を覆い、他の部材14の突出部22(及び凹部23)が一の部材12から露出するように複合部品10が成形される。
【0034】
この後、成形型16から脱型した複合部品10は、一の部材12から突出する他の部材14の突出部22の稜線の溶接部22aに沿って他部品15の溶接部15aを溶接することで、他部品15と固着される。
【0035】
上述したように、上記の第1の実施の形態によれば、他の材料13からなる他の部材14の一部(被覆部21)を覆う一の部材12を構成する一の材料11をより軽量のもの、例えばマグネシウムなどとすることで、複合部品10の軽量化が可能になる。また、一の部材12に一部(被覆部21)が被覆された他の部材14に、一の部材12から凸状に突出する突出部22を設けることで、成形時に成形型16によって他の部材14を挟み込んで位置決めでき、例えば成形型16にスライド機構などを設けて成形型16の形状を複雑化することなく、他の部材14を容易にインサート成形できる。さらに、一の部材12から露出する突出部22の少なくとも一部を、他部品15を固着(溶接)する溶接部22aとすることで、複合部品10の鋳造後に特別な二次加工(例えば穴あけ、タップ切り)などをすることなく、他の部材14に対して他部品15を容易かつ高い自由度で固着できる。
【0036】
また、他の部材14の突出部22の背面側に凹部23を設けることで、成形時に成形型16によって他の部材14をより容易に挟み込んで位置決めでき、他の部材14をより容易にインサート成形できる。
【0037】
さらに、複合部品10が車両用のものである場合には、車両の軽量化に対応しつつ車両の製造コストを低減できる。
【0038】
なお、上記の第1の実施の形態において、複合部品10の他の部材14は、断面が山形状のものだけでなく、例えば図10に示す第2の実施の形態のように、断面円弧状に形成されているものや、図11に示す第3の実施の形態のように、台形状に形成されているものなどでもよい。台形状に形成する場合には、溶接部22aが平面状となることで、他部品15の固着(溶接)強度をより向上できる。
【0039】
また、図12に示す第4の実施の形態のように、複合部品10の他の部材14は、中実な形状とすることもできるし、図13及び図14に示す第5の実施の形態のように、一部にのみ凹部23を備える形状とすることもできる。
【0040】
さらに、複合部品10の他の部材14は、成形型16により保持できれば、四角形状などとすることもできる。
【0041】
そして、上記の各実施の形態の複合部品10は、車両用構造体として利用するものの他に、任意の構造体などとして用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、例えば車両用構造体として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0043】
10 複合部品
11 一の材料
12 一の部材
13 他の材料
14 他の部材
15 他部品
22 突出部
22a 固着部である溶接部
23 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14