【解決手段】実施形態のボルト供給装置10は、ボルトBを収容可能な内筒31と、内筒31を取り囲むように配置される外筒32とを備える。内筒31の側面31sには、ボルトBが通過可能な入口31aが形成されている。内筒31の一端には、ボルトBを排出可能な出口31bが形成されている。外筒32の側面32sには、ボルトBが通過可能な開口32aが形成されている。外筒32の側面32sが内筒31の入口31aを塞ぐ閉鎖位置と、外筒32の開口32aが内筒31の入口31aと重なる開放位置との間で、外筒32は内筒31の軸方向Axの回りに内筒31に対して相対的に回転可能である。開放位置では、ボルトBが、外筒32の開口32a及び内筒31の入口31aを通過可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。各図においてXYZ直交座標系が示される。本実施形態では、X軸方向及びY軸方向が水平方向であり、Z軸方向が鉛直方向である。
【0016】
図1は、実施形態に係るボルト供給装置を模式的に示す斜視図である。
図1に示されるボルト供給装置10は、ボルト投入機構20と、ボルト搬送機構30と、駆動機構40と、ボルトクランプ機構50と、制御装置60と、支持機構70と、を備え得る。
【0017】
ボルト投入機構20は、ボルトBをボルト搬送機構30の外筒32の開口32aに投入する。ボルト投入機構20は、複数のボルトBを収容可能なトレイ21を備える。本実施形態のトレイ21は、一対の板状部材を有し、これらの板状部材間において複数のボルトBが板状部材の面方向に配列される。本実施形態では異なる長さのボルトBが交互に配列されているが、同じ長さの複数のボルトBが配列されてもよい。トレイ21は、水平面(XY平面)に対して傾斜している。そのため、トレイ21に収容されたボルトBは、重力により下方に移動し、1つずつトレイ21から排出される。重力以外の方法によってトレイ21から1つずつボルトBが排出されてもよい。
【0018】
ボルト投入機構20は、軸部22に取り付けられたドラム23を備える。軸部22は、トレイ21の下方においてトレイ21によって回転可能に支持されている。ドラム23は、トレイ21の下方に配置される。ドラム23は、重力によりトレイ21から落下したボルトBを受け入れるための溝23aが形成された表面を有する。ドラム23は、軸部22の回転によって軸部22の回りに回転可能である。溝23a内に収容されたボルトBは、ドラム23の回転により溝23aが下方を向くことによってドラム23から落下する。ドラム23の表面のうち溝23aが形成されていない部分は、トレイ21からボルトBが落下しないようにボルトBを支持する支持面として機能する。本実施形態では、軸部22の両端にそれぞれドラム23が取り付けられ、軸部22の中央にもドラム23が取り付けられている。そのため、ボルトBが溝23a内に収容された時に、ボルトBを安定して支持できる。軸部22の中央にドラム23が取り付けられていると、軸部22の一端に位置するドラム23と軸部22の中央に位置するドラム23とによって、短いボルトB(軸部22の一端から軸部22の中央までの長さを有するボルトB)を支持することもできる。
【0019】
ボルトBは、例えばナットと共に電池モジュールの拘束部材として用いられる(
図17参照)。ボルトBは、例えば軸部B1と、頭部B2とを有する(
図2参照)。ボルトBの長さは例えば250〜450mmである。ドラム23の溝23aは、ボルトBの軸部B1を収容可能である。頭部B2は軸部B1の後端に取り付けられており、ドラム23の外側に配置される。軸部B1は例えば長尺の円柱形状を有する。頭部B2は、例えば六角柱等の多角柱形状を有する。頭部B2には例えば円環状のフランジBfが形成される。フランジBfの外径(直径)がボルトBの最大径となる。フランジBfの内径は軸部B1の内径と同じである。フランジBfは、頭部B2における軸部B1側の基端に形成される。
【0020】
ボルト搬送機構30は、投入されたボルトBをボルトクランプ機構50まで搬送する。上述のように、ボルト搬送機構30は外筒32を備えており、外筒32の開口32aにボルトBが投入される。ボルト搬送機構30の詳細については後述する。
【0021】
駆動機構40は、ボルト投入機構20及びボルト搬送機構30を駆動する。駆動機構40は、ボルト投入機構20の軸部22を回転させることによって、軸部22及びドラム23を回転させる。ボルトBの頭部B2側における軸部22の一端には、ギア41が取り付けられている。ギア41は、ボルト搬送機構30の外筒32に取り付けられたギア42に噛み合わされている。そのため、軸部22の回転によってギア41が回転すると、ギア42が回転して外筒32が回転することになる。ギア42の回転方向は、ギア41の回転方向とは逆になるため、外筒32の回転方向はドラム23の回転方向と逆になる。
【0022】
ボルトクランプ機構50は、例えばリング状の接続部材37等によってボルト搬送機構30に接続されている。ボルトクランプ機構50は、ボルト搬送機構30から搬送されたボルトBをボルト供給装置10の外部に供給すると共にボルトBをクランプすることができる。ボルトクランプ機構50の詳細については後述する。
【0023】
制御装置60は、駆動機構40及びボルトクランプ機構50の動作を制御する。制御装置60は、例えばボルトクランプ機構50のエアシリンダ57を制御することによって、ボルトクランプ機構50の開閉動作を制御可能である。
【0024】
支持機構70は、ボルト投入機構20、ボルト搬送機構30及びボルトクランプ機構50を支持する。支持機構70は、例えば板状の支持台71と、支持台71に立設された4つの脚部72,73,74,75とを備える。脚部72,73,74,75は例えば板状部材である。脚部72,73はX軸方向において互いに対向配置されている。脚部72の頂部には、ボルト搬送機構30の外筒32が治具72aにより取り外し可能に接続されている。脚部73の頂部には、ボルトクランプ機構50が治具73aにより取り外し可能に接続されている。すなわち、ボルト搬送機構30及びボルトクランプ機構50は、脚部72,73によって支持されている。脚部74,75は、Y軸方向において脚部72,73の隣に配置され、X軸方向において互いに対向配置されている。脚部74,75間の距離は脚部72,73間の距離よりも短くなっている。脚部74,75の頂部には、トレイ21が接続されている。脚部74は、例えばボールロックピン74a等によりトレイ21の高さ(Z軸方向における位置)を調整可能であってもよい。脚部75についても同様にトレイ21の高さを調整可能であってもよい。
【0025】
続いて、
図1〜
図6を参照しつつボルト搬送機構30について詳細に説明する。
図2は、ボルト搬送機構30の一部を模式的に示す平面図である。
図3は、
図2のIII−III線に沿ったボルト搬送機構30の断面図である。
【0026】
図1〜
図3に示されるように、ボルト搬送機構30は、ボルトBを収容可能な内筒31と、内筒31を取り囲むように配置される外筒32とを備える。内筒31の軸方向Ax(X軸方向に沿った方向)は外筒32の軸方向及びボルトBの軸方向と同じである。外筒32の肉厚は内筒31の肉厚よりも大きくなっている。内筒31の側面31sには、ボルトBが通過可能な入口31aが形成されている。入口31aの形状は、例えば軸方向Axに沿って延びる矩形である。入口31aは、ボルトBの軸部B1を通過可能な第1部分31a1と、ボルトBの頭部B2を通過可能な第2部分31a2とを有する。第2部分31a2の幅(Y軸方向の長さ)は、第1部分31a1の幅(Y軸方向の長さ)よりも大きい。内筒31の一端には、ボルトBを排出可能な出口31bが形成されている。入口31aは、出口31bが形成された内筒31の一端まで延在している。出口31bの形状は、フランジBfの形状と同じであってもよく、例えば軸方向Axに直交する円形である。本実施形態では、内筒31の他端に開口31cが形成されているが、内筒31の他端は塞がれてもよい。開口31cの形状は例えば出口31bの形状と同じである。なお、以下の説明では、軸方向Axにおいて、出口31bから開口31cに向かう方向を前方、その反対方向を後方という場合がある。
【0027】
外筒32の側面32sには、ボルトBが通過可能な開口32aが形成されている。開口32aの形状は、例えば軸方向Axに沿って延びる矩形である。開口32aは、ボルトBの軸部B1を通過可能な第1部分32a1と、ボルトBの頭部B2を通過可能な第2部分32a2とを有する。開口32aの幅(Y軸方向の長さ)は例えば内筒31の入口31aの幅(Y軸方向の長さ)と同じであるが、それより大きくてもよい。開口32aのX軸方向の長さは、例えば内筒31の入口31aのX軸方向の長さよりも小さいが、それと同じであってもよい。外筒32の側面32sには、開口32aを取り囲むように外筒32の側面32sから突出した突出部32pが設けられ得る。突出部32pは、外筒32の径方向(軸方向Axに直交する方向)外側に向かうに連れて開口32aの幅(Y軸方向の長さ)が大きくなるように広がっている。すなわち、突出部32pの先端における開口32aの大きさは、突出部32pの基端における開口32aの大きさよりも大きくなっている。これにより、ボルト投入機構20から投入されたボルトBが、突出部32pによって内筒31の入口31aまで案内される。外筒32の一端には、ボルトBを排出可能な出口32bが形成されている。出口32bは内筒31の出口31bと重なっている。外筒32の他端には、内筒31の開口31cと重なる開口32cが形成されているが、外筒32の他端は塞がれてもよい。
【0028】
外筒32は、外筒32の側面32sが内筒31の入口31aを塞ぐ閉鎖位置と、外筒32の開口32aが内筒31の入口31aと重なる開放位置との間で、内筒31の軸方向Axの回りに内筒31に対して相対的に回転可能である。
図2及び
図3に示される開放位置では、ボルトBが、外筒32の開口32a及び内筒31の入口31aを通過可能である。ボルトBの軸部B1と内筒31との間には、軸方向Axから見てフランジBfの外径(直径)と軸部B1の直径との差に相当する隙間が形成されている。
【0029】
図4は、閉鎖位置におけるボルト搬送機構30の断面図である。
図4は、
図3の外筒32を内筒31に対して相対的に回転させた状態を示す。
図4に示されるように、閉鎖位置では、外筒32の側面32sが内筒31の入口31aを塞ぐ一方、内筒31の側面31sが外筒32の開口32aを塞ぐ。
【0030】
再び
図1を参照する。ボルト搬送機構30は、ガス供給装置34と、ガス吸引装置35とを備え得る。ガス供給装置34は、内筒31の他端に形成された開口31cから内筒31内にガス(例えば圧縮された空気)を供給する。ガス吸引装置35は、内筒31の他端に形成された開口31cから内筒31内のガスを吸引する。ガス吸引装置35は例えば真空ポンプである。ガス供給装置34及びガス吸引装置35は、ガス管33及びバルブ36を介して内筒31の他端に形成された開口31cに接続される。バルブ36を切り替えることによって、ガスの供給及び吸引を切り替えることができる。
【0031】
図5は、
図3と直交するボルト搬送機構30の断面図である。この断面(XZ断面)は、内筒31の軸方向Axと鉛直方向とを含む。
図5に示されるように、ボルト搬送機構30は、内筒31内において内筒31の軸方向Axに沿って移動可能なシャトルSを備え得る。例えば、ガス供給装置34により内筒31内にガスを供給することによって、シャトルSを軸方向Axに押し出してボルトBを搬送することができる。あるいは、ガス吸引装置35により内筒31内のガスを吸引することによって、シャトルSを軸方向Axに引っ張ることができる。すなわち、ガス供給装置34及びガス吸引装置35により、シャトルSを前進及び後退させることができる。シャトルSの後端には、ワイヤWの一端が接続されている。ワイヤWの他端は固定端となっている。このようなワイヤWにより、シャトルSを前進させた場合にシャトルSの移動を規制することができる。内筒31内には、シャトルSの後方への移動を規制する規制部が設けられてもよい。
【0032】
シャトルSは、軸方向Axに沿って延びる軸部S1と、軸部S1を取り囲み軸方向Axに沿って延びる筒状部S2とを備える。筒状部S2の側面は、シャトルSが前進する際の空気抵抗を小さくするために、前方に向かうに連れて先細るように構成されている。軸部S1の後端には、軸方向Axから径方向(軸方向Axに直交する方向)外側に突出するフランジ状の突起部S1pが設けられている。突起部S1pの後面には、軸方向Axにおいて前方に窪んだ凹部S1aが形成されている。凹部S1aの底面にはワイヤWが接続されている。筒状部S2の内面S2aには径方向(軸方向Axに直交する方向)内側に突出する突起部S2pが設けられている。突起部S2pは、軸方向Axにおいて軸部S1の突起部S1pの前方に配置されており、軸部S1が前方に移動することを規制している。軸部S1の先端は、突起部S1pよりも前方に位置している。
【0033】
筒状部S2の先端(ボルトB側の端部)には、軸方向Axにおいて軸部S1及び筒状部S2に対して相対的にスライド可能なスライド部S3が挿通されている。スライド部S3の後端には、前方に窪んだ凹部S3aが形成されている。凹部S3aには、軸部S1の先端がスライド可能に挿通されている。スライド部S3の後端と突起部S2pと筒状部S2の内面S2aと軸部S1の先端とによって囲まれた空間には、例えばバネ等の弾性部材S4が配置される。弾性部材S4は、軸方向Axにおいて伸縮可能である。スライド部S3が後方に移動すると、スライド部S3の後端が弾性部材S4を突起部S2pに押し付けて弾性部材S4が縮むことになる。
【0034】
スライド部S3の先端には、軸方向Axにおいて前方に突出する突起部S3pが設けられている。突起部S3pは筒状部S5によって取り囲まれている。筒状部S5は突起部S3pに嵌め合わされている。筒状部S5の先端には、ボルトBを引き寄せる磁石S6が取り付けられている。このようにして、磁石S6はシャトルSの先端に取り付けられる。筒状部S2の後端における側面には、径方向内側に窪んだ凹部S2bが設けられている。凹部S2bには、内筒31の入口31aを塞ぐ蓋S7が嵌め合わされている。
【0035】
図6は、
図5のVI−VI線に沿ったボルト搬送機構30の断面図である。
図5及び
図6に示されるように、シャトルSは、内筒31の軸方向Axに直交する内筒31の断面において内筒31の入口31aを塞ぐ蓋S7を備え得る。蓋S7は、筒状部S2の側面に取り付けられる。
【0036】
続いて、
図1及び
図7〜
図12を参照しつつボルトクランプ機構50について詳細に説明する。
図7〜
図9は閉じたボルトクランプ機構50を示し、
図10〜
図12は開いたボルトクランプ機構50を示す。
図7は、閉じたボルトクランプ機構50を模式的に示す斜視図である。
図8は、閉じたボルトクランプ機構50である。
図9は、閉じたボルトクランプ機構50の正面図である。
図10は、開いたボルトクランプ機構50の斜視図である。
図11は、開いたボルトクランプ機構50の平面図である。
図12は、開いたボルトクランプ機構50の正面図である。
【0037】
ボルトクランプ機構50は、ボルト搬送機構30の内筒31の出口31bに取り付けられ、ボルトBをクランプ可能である。ボルトクランプ機構50は、ボルトBを収容可能な筒体51と、開閉可能なクランプ部Cとを備える。筒体51の軸方向は内筒31の軸方向Axと同じである。クランプ部Cは、筒体51の一端(軸方向Axにおける先端)に取り付けられる。筒体51の他端(軸方向Axにおける後端)は、例えばリング状の接続部材37によって内筒31の出口31bに取り付けられる。クランプ部Cは、軸方向Axと直交する水平方向(Y軸方向)に開閉可能である。
図10〜
図12に示されるように、筒体51の先端には、ボルトBが通過可能な出口51aが形成されている。クランプ部Cには、筒体51の出口51aと連通する開口Caが形成されている。クランプ部Cが開いた状態では、ボルトBの軸部B1及びボルトBの頭部B2が開口Caを通過可能である。これは、クランプ部Cが開いた状態では、軸方向Axから見た開口Caの大きさがボルトBの頭部B2よりも大きいためである(
図12参照)。一方、
図7〜
図9に示されるように、クランプ部Cが閉じた状態では、ボルトBの軸部B1は開口Caを通過可能であるが、ボルトBの頭部B2は開口Caを通過不能である。これは、クランプ部Cが閉じた状態では、軸方向Axから見た開口Caの大きさがボルトBの軸部B1よりも大きく頭部B2よりも小さいためである(
図9参照)。
【0038】
クランプ部Cは、クランプ部Cの開閉方向(Y軸方向)において互いに対向配置される第1及び第2のヘッド部52,53を有する。ヘッド部52,53は筒体51の出口51aを挟むように配置される。クランプ部Cの開口Caは、ヘッド部52,53間の隙間に相当する。
【0039】
ヘッド部52は、軸方向Axにおける先端に位置する本体部521と、軸方向Axにおいて本体部521よりも後方において本体部521に連結される一対のアーム部522とを有する。同様に、ヘッド部53は、軸方向Axにおける先端に位置する本体部531と、軸方向Axにおいて本体部531よりも後方において本体部531に連結される一対のアーム部532とを有する。
図7〜
図9に示されるようにクランプ部Cが閉じている場合、本体部521,531は互いに当接している。一方、
図10〜
図12に示されるようにクランプ部Cが開いている場合、本体部521,531は互いに離間している。
【0040】
各アーム部522は、Z軸方向から見て、本体部521の後端から軸方向Axの後方に向かうに連れて軸方向Axから離れるように延在する第1延在部522aと、Z軸方向から見て、第1延在部522aの後端から軸方向Axの後方に向かうに連れて軸方向Axに近づくように延在する第2延在部522bとを有する。第1延在部522aと第2延在部522bとの間においてアーム部522は屈曲している。同様に、各アーム部532は、Z軸方向から見て、本体部531の後端から軸方向Axの後方に向かうに連れて軸方向Axから離れるように延在する第1延在部532aと、Z軸方向から見て、第1延在部532aの後端から軸方向Axの後方に向かうに連れて軸方向Axに近づくように延在する第2延在部532bとを有する。第1延在部532aと第2延在部532bとの間においてアーム部532は屈曲している。
【0041】
アーム部522,532は、屈曲箇所において、Z軸方向に延びるピン52p,53pによって、筒体51の先端に取り付けられた支持部材55にそれぞれ連結されている。アーム部522,532は、Z軸方向から見てピン52p,53pを中心に互いに逆方向にそれぞれ回転可能である。ピン52p,53pは、Z軸方向から見て筒体51を挟むように配置されている。
【0042】
支持部材55は、例えば軸方向Axに直交するYZ面に延在する板状部材である。支持部材55には軸方向Axに貫通する貫通孔55aが形成されており、貫通孔55aに筒体51の先端が挿通されている。支持部材55は、軸方向Axから見てY軸方向において筒体51に向かって窪んだ凹部55bを有する。一方のアーム部522はZ軸方向において支持部材55よりも上方に位置しており、他方のアーム部522はZ軸方向において支持部材55よりも下方に位置している。本実施形態では、1つのピン52pが上方のアーム部522及び支持部材55をZ軸方向に貫通して凹部55bまで到達しており、もう1つのピン52pが下方のアーム部522及び支持部材55をZ軸方向に貫通して凹部55bまで到達している。同様に、1つのピン53pが上方のアーム部532及び支持部材55をZ軸方向に貫通して凹部55bまで到達しており、もう1つのピン53pが下方のアーム部532及び支持部材55をZ軸方向に貫通して凹部55bまで到達している。
【0043】
アーム部522の第2延在部522bとアーム部532の第2延在部532bとは、Z軸方向から見て互いに交差するように延在している。Z軸方向は、軸方向Ax(X軸方向)及びクランプ部Cの開閉方向(Y軸方向)の両方に直交する。第2延在部522b,532bには、Z軸方向から見て互いに交差するように延在するガイド穴52h,53hがそれぞれ形成されている。Z軸方向から見てガイド穴52h,53hが互いに交差する位置において、Z軸方向に延在する支点ピン54がガイド穴52h,53hに挿通されている。支点ピン54は、筒体51に対して軸方向Axにスライド可能なスライド部材56に取り付けられている。スライド部材56は、軸方向Axにおいて支持部材55よりも後方に配置されている。スライド部材56は、例えば軸方向Axに直交するYZ面に延在する板状部材である。スライド部材56には軸方向Axに貫通する貫通孔56aが形成されており、貫通孔56aに筒体51が挿通されている。
【0044】
スライド部材56は、軸方向Axに沿って延在するエアシリンダ57によって駆動される。スライド部材56にはエアシリンダ57の先端が取り付けられている。スライド部材56には、軸方向Axに沿って延在するガイド部材59が取り付けられている。エアシリンダ57及びガイド部材59は、Z軸方向から見てこれらの間に筒体51が位置するように配置される。エアシリンダ57は、支持部材58によって筒体51に取り付けられている。支持部材58は、軸方向Axにおいてスライド部材56よりも後方に配置されている。支持部材58は、例えば軸方向Axに直交するYZ面に延在する板状部材である。支持部材58にはエアシリンダ57が取り付けられている。支持部材58には、ガイド部材59が軸方向Axにスライド可能に挿通されるガイド穴58aが形成されている。
【0045】
エアシリンダ57によりスライド部材56が軸方向Axにスライドすると、スライド部材56に取り付けられた支点ピン54も支持部材58に対して軸方向Axに沿ってスライドする。例えば、軸方向Axにおいてスライド部材56を前方にスライドさせると、支点ピン54がガイド穴52h,53hに沿って前方に移動する。これにより、ヘッド部52,53は、ピン52p,53pを中心に互いに逆方向に回転し、クランプ部Cが閉じた状態から開いた状態になる。一方、エアシリンダ57により軸方向Axにおいてスライド部材56を後方にスライドさせると、クランプ部Cが開いた状態から閉じた状態になる。また、エアシリンダ57によりスライド部材56が軸方向Axにスライドする時に、スライド部材56に取り付けられたガイド部材59もガイド穴58a内をスライドする。このようなガイド部材59を用いることにより、スライド部材56をスライドさせる時にスライド部材56がYZ平面に対して傾き難くなる。
【0046】
本体部521,531は、クランプ部C(
図7〜
図9参照)が閉じた状態において互いに嵌め合わされる嵌合部としての凸部52a及び凹部53bを有する。すなわち、クランプ部Cが閉じた状態では、本体部521の凸部52aが本体部531の凹部53bに嵌め合わされる。凸部52aは、Z軸方向において凹部53bの下方に位置しており、本体部531が下方に移動することを規制している。さらに、本体部521,531は、クランプ部Cが閉じた状態において互いに嵌め合わされる嵌合部としての凹部52b及び凸部53aを有する。すなわち、クランプ部Cが閉じた状態では、本体部531の凸部53aは本体部521の凹部52bに嵌め合わされる。凸部53aは、Z軸方向において凹部52bの上方に位置しており、本体部521が上方に移動することを規制している。凸部52a,53aは、軸方向Axに対して対称に配置される。このような嵌合部は、Z軸方向においてヘッド部52,53が互いに位置ずれすることを抑制する。
【0047】
本体部521,531は、クランプ部Cが開いた状態から閉じた状態まで移動する間にボルトBの頭部B2を押圧して回転させるための押圧部52c,53cをそれぞれ有する。押圧部52c,53cはクランプ部Cの開閉方向(Y軸方向)において互いに反対向きに突出する突起である。クランプ部Cが開いた状態から閉じた状態まで移動する間に、Y軸方向において押圧部52c,53cは互いに近づくように移動する。押圧部52c,53cは、軸方向Axに対して対称に配置される。
【0048】
本体部521は、クランプ部Cが閉じている状態においてボルトBの頭部B2の回転を止める一対の回転止め面52rを有する。一対の回転止め面52rは、XY平面に沿っており、互いに対向配置される。同様に、本体部531は、クランプ部Cが閉じている状態においてボルトBの頭部B2の回転を止める一対の回転止め面53rを有する。一対の回転止め面53rは、XY平面に沿っており、互いに対向配置される。上方の回転止め面52r及び回転止め面53rは、同一平面に位置する。上方の回転止め面52rは、押圧部52cの下方に位置する。下方の回転止め面52r及び回転止め面53rは、同一平面に位置する。下方の回転止め面53rは、押圧部53cの上方に位置する。
【0049】
クランプ部Cが閉じた状態において、クランプ部Cの開口Caは、筒体51の出口51aからクランプ部Cの先端に向かって先細るテーパ部分Ca1と、テーパ部分Ca1よりもクランプ部Cの先端側に位置する非テーパ部分Ca2とを有する(
図10参照)。テーパ部分Ca1及び非テーパ部分Ca2は、筒体51の出口51aから排出されたボルトBの軸部B1の先端を案内する。クランプ部Cが閉じている状態において、テーパ部分Ca1の形状は例えば円錐台であり、非テーパ部分Ca2の形状は例えば円柱である。
図12に示されるように、クランプ部Cが開いた状態では、クランプ部Cの開口Caが、軸方向Axから見てボルトBの頭部B2よりも大きくなる。
【0050】
図12に示されるように、筒体51は、内筒511と外筒512とを有する。内筒511は、軸方向Axから見て内筒31と同じ形状を有する。すなわち、内筒511の側面には、内筒31の入口31aと同じ幅の開口51hが形成されており、軸方向Axから見て開口51hはシャトルSの蓋S7によって塞がれている。外筒512は内筒511を取り囲んでいるので、シャトルSの蓋S7が開口51hを塞いでいない状態においても、開口51hは外筒512によって塞がれる。
【0051】
図13〜
図16は、ボルト供給装置10に含まれるボルト投入機構20からボルト搬送機構30にボルトBが投入される手順を示す図である。
【0052】
まず、
図13に示されるように、トレイ21に収容されたボルトBが重力により落下して、ボルトBの軸部B1がドラム23の溝23aに入る。このとき、内筒31及び外筒32は閉鎖位置にある。
【0053】
続いて、
図14に示されるように、溝23a内にボルトBの軸部B1が収容された状態でドラム23が回転する。ドラム23の回転と同期して、ドラム23の回転方向とは反対方向に外筒32が回転する。この時、ドラム23の表面のうち溝23aが形成されていない部分は、トレイ21からボルトBが落下しないようにボルトBを支持する支持面として機能する。
【0054】
続いて、
図15に示されるように、重力によりボルトBがドラム23から落下して外筒32の開口32a及び内筒31の入口31aを通過して内筒31内に収容される。ドラム23からボルトBが落下する時に内筒31及び外筒32が開放位置となるように、ドラム23及び外筒32の回転が制御される。外筒32の突出部32pが外筒32の径方向外側に向かうに連れて開口32aの幅が大きくなるように広がっていると、落下したボルトBを内筒31の入口31aまで案内することができる。
【0055】
続いて、
図16に示されるように、内筒31及び外筒32が閉鎖位置となるまでドラム23及び外筒32が回転する。内筒31及び外筒32が閉鎖位置となった時に、ドラム23及び外筒32の回転は停止される。この時、重力によりトレイ21から落下したボルトBの軸部B1がドラム23の溝23a内に入る。
【0056】
内筒31及び外筒32が閉鎖位置になった後、
図1に示されるガス供給装置34を用いて、内筒31内にガスを供給して、
図5に示されるシャトルSによりボルトBを押し出す。シャトルSは、内筒31の出口31bから排出された後、筒体51内に入って筒体51内を軸方向Axに沿って移動可能である。その結果、ボルト搬送機構30から排出されたボルトBは、ボルトクランプ機構50まで搬送される。この時、ボルトクランプ機構50のクランプ部Cは
図7〜
図9に示されるように閉じているので、ボルトBの頭部B2は、クランプ部Cの開口Caのテーパ部分Ca1に衝突して停止する(
図17参照)。テーパ部分Ca1は、クランプ部Cの開口Ca内に入ってくるボルトBの軸部B1の先端を持ち上げるように案内する機能も有している。シャトルSは、
図5に示される弾性部材S4を有しているので、ボルトBがクランプ部Cに衝突したことによる衝撃を吸収できる。その結果、ボルトBがクランプ部Cに衝突して跳ね返ることを抑制できる。
【0057】
図17〜
図22は、ボルトクランプ機構50においてボルトBがクランプされる手順を示す図である。
【0058】
まず、
図17に示されるように、シャトルSにより押し出されたボルトBは、電池モジュール100内に挿入される。この時、クランプ部Cは閉じている。電池モジュール100は、軸方向Axに沿って配列された複数の電池セルを含むモジュール本体部110と、軸方向Axにおいてモジュール本体部110を挟む一対のエンドプレート120とを有する。モジュール本体部110には、軸方向Axに延びる貫通孔110aが形成されている。各エンドプレート120には、軸方向Axに延びる貫通孔120aが形成されている。貫通孔110a及び貫通孔120aは互いに連通している。ボルトBの軸部B1は、ボルトクランプ機構50に近い方のエンドプレート120の貫通孔120aを通過してモジュール本体部110の貫通孔110a内に挿入される。この時、ボルトBの軸部B1の先端は、ボルトクランプ機構50から遠い方のエンドプレート120の貫通孔120aに到達していない。
【0059】
続いて、
図18及び
図19に示されるように、クランプ部Cを開いた後(
図10〜
図12参照)、
図1に示されるガス供給装置34を用いて、筒体51内にガスを供給して、シャトルSによりボルトBを押し出す。これにより、ボルトBの頭部B2がクランプ部Cの開口Caを通過して、フランジBfが、ボルトクランプ機構50に近い方のエンドプレート120に当接する。ボルトBの頭部B2は、シャトルSによって、ボルトクランプ機構50に近い方のエンドプレート120に押し付けられている。この時、ボルトBの軸部B1の先端は、ボルトクランプ機構50から遠い方のエンドプレート120の貫通孔120aを貫通して外側に突出している。
【0060】
図17〜
図19に示されるように、2段階でボルトBを供給することによって、1段階でボルトBを供給する場合に比べて、フランジBfが、ボルトクランプ機構50に近い方のエンドプレート120に衝突する力を小さくできる。
【0061】
また、ボルトBを貫通孔110a及び貫通孔120aに挿入する際に不具合があった場合、
図1に示されるガス吸引装置35を用いてシャトルSによるボルトBの搬送をやり直すこともできる。具体的には、まず、ガス吸引装置35を用いて筒体51内のガスを吸引することによって、シャトルSの磁石S6を用いてボルトBを後退させる。その後、
図1に示されるガス供給装置34を用いて、筒体51内にガスを供給して、シャトルSによりボルトBを再び押し出す。
【0062】
続いて、
図20に示されるように、クランプ部Cを閉じる(
図7〜
図9参照)。クランプ部Cを閉じると、
図21に示されるように、ヘッド部52,53の押圧部52c,53cがボルトBの頭部B2に近づく。押圧部52c,53cがボルトBの頭部B2に当接すると、押圧部52c,53cによってボルトBの頭部B2は押圧され、回転する。その後、
図22に示されるように、閉じたクランプ部Cでは、ヘッド部52,53の回転止め面52r,53rがボルトBの頭部B2の側面に当接する。その結果、ボルトBの頭部B2が一対の回転止め面52r間及び一対の回転止め面53r間に挟まれることになる。これにより、ボルトBを回転させようとしても、ボルトBの頭部B2は回転しない。
【0063】
また、クランプ部Cが閉じた状態では、ヘッド部52の凸部52aがヘッド部53の凹部53bに嵌め合わされ、ヘッド部53の凸部53aがヘッド部52の凹部52bに嵌め合わされている。この状態で、例えばナットランナー等を用いて、ボルトクランプ機構50から遠い方のエンドプレート120から突出したボルトBの軸部B1の先端にナットを螺合する。ヘッド部52,53の回転止め面52r,53rによりボルトBの頭部B2の回転が止められているので、ボルトB及びナットによる締結力を高精度に制御することができる。ナットの締結は、シャトルSにより、ボルトクランプ機構50に近い方のエンドプレート120にボルトBの頭部B2を押し付けながら行われる。その後、
図1に示されるガス吸引装置35を用いて内筒31内のガスを吸引することによって、シャトルSを後退させて初期位置まで戻す。
【0064】
続いて、
図13〜
図16に示されるように、ボルト投入機構20からボルト搬送機構30に次のボルトBを投入する。電池モジュール100の位置を所望の位置に変更した後、
図17〜
図22に示される手順を繰り返すことによって、電池モジュール100に複数のボルトB(例えば4つ)を挿入し、各ボルトBにナットを締結することができる。さらに、本実施形態のボルト供給装置10を用いると、ボルトBを連続的に供給することができる。
【0065】
以上説明したように、ボルト供給装置10は、内筒31と外筒32とを備え、内筒31の側面31sには入口31aが形成され、内筒31の一端には出口31bが形成され、外筒32の側面32sには開口32aが形成されている。閉鎖位置と開放位置との間で、外筒32は内筒31の軸方向Axの回りに内筒31に対して相対的に回転可能である。
【0066】
このボルト供給装置10によれば、開放位置において外筒32の開口32a及び内筒31の入口31aを通してボルトBを内筒31内に投入することができる。一方、内筒の他端に入口を設けて当該入口からボルトBを内筒内に投入する場合、内筒の長さに加えてボルトBの長さの分のスペースが必要になる。これに対して、ボルト供給装置10では内筒31の側面31sからボルトBを投入できるので、ボルトBの長さの分のスペースが必要ない。よって、狭いスペースでボルト供給装置10を使用することができる。
【0067】
また、ボルトBを内筒内に投入した後に、外筒32を内筒31に対して相対的に回転させることによって、外筒32の側面32sにより内筒31の入口31aを塞ぐことができる。そのため、内筒31の入口31aを塞いだ状態で、内筒31の一端に形成された出口31bからボルトBを排出することができる。
【0068】
ボルト供給装置10がガス供給装置34を備える場合、ガスの供給により、内筒31の他端から一端に向けてボルトBを前進させることができる。内筒31の入口31aを塞いだ状態でガスを供給すると、ガスが入口31aから外に漏れ出すことを抑制できる。ボルト供給装置10がガス吸引装置35を備える場合、ガスの吸引により、内筒31の一端から他端に向けてボルトBを後退させることができる。内筒31の入口31aを塞いだ状態でガスを吸引すると、ガスが入口31aから内部に流入することを抑制できる。
【0069】
ボルト供給装置10がシャトルSを備える場合、シャトルSの移動によってボルトBを搬送できる。シャトルSを用いると、内筒31内にガスを供給する場合に低いガス圧力で高精度にボルトBを搬送することができる。シャトルSの先端に磁石S6が取り付けられている場合、ボルトBをシャトルSの先端に引き寄せることができる。外筒32の側面32sが内筒31の入口31aを塞ぐ場合、内筒31の軸方向Axに直交する内筒31の断面において、内筒31の入口31aにおいてシャトルSと外筒32との間に隙間(内筒31の肉厚に相当する隙間)が生じる。しかし、シャトルSが蓋S7を備えると、当該隙間が塞がれる。例えばガスによりシャトルSを移動させる場合には、隙間があるとその隙間からガスが漏れるので、シャトルSをガスにより押圧する力が小さくなる。そのような隙間をシャトルSの蓋S7により塞ぐことによって、ガスによりシャトルSを押圧する力を大きくできる。
【0070】
また、ボルト供給装置10は、筒体51とクランプ部Cとを備え、クランプ部Cは、クランプ部Cが閉じている状態においてボルトBの頭部B2の回転を止める回転止め面52r,53rを有する。
【0071】
このボルト供給装置10によれば、クランプ部Cが開いている状態ではボルトBを筒体51の出口51aから排出してクランプ部Cの開口Caを通過させることができる。ボルトBの頭部B2がクランプ部Cの開口Caを通過した後、クランプ部Cを閉じると、クランプ部Cが閉じた状態では、クランプ部Cの回転止め面52r,53rがボルトBの頭部B2の回転を止めることになる。よって、クランプ部Cの回転止め面52r,53rがボルトBの頭部B2の回転を止めた状態でボルトBの軸部B1の先端にナットを取り付けることができる。よって、ボルトBの頭部B2の回転を止めた状態でボルトBを供給することができる。
【0072】
クランプ部Cが押圧部52c,53cを有する場合、ボルトBの頭部B2の位置を所望の位置まで回転させることができる。
【0073】
クランプ部Cのヘッド部52,53が嵌合部としての凸部52a,53a及び凹部52b,53bを有する場合、ヘッド部52,53間の位置ずれを抑制できる。
【0074】
クランプ部Cが閉じた状態において、クランプ部Cの開口Caがテーパ部分Ca1を有する場合、筒体51の出口51aから排出されたボルトBの軸部B1がクランプ部Cの開口Caのテーパ部分Ca1にガイドされた後、開口Caを通過する。そのため、クランプ部Cの開口Caに入ってきたボルトBの軸部B1の位置ずれを調整することができる。
【0075】
ボルト供給装置10がシャトルSを備える場合、シャトルSの移動によってボルトBを搬送できる。シャトルSを用いると、筒体51内にガスを供給する場合に低いガス圧力でボルトBを搬送することができる。シャトルSの先端に磁石S6が取り付けられている場合、ボルトBをシャトルSの先端に引き寄せることができる。外筒512が内筒511の開口51hを塞ぐ場合、内筒511の軸方向Axに直交する内筒511の断面において、内筒511の開口51hにおいてシャトルSと外筒512との間に隙間(内筒511の肉厚に相当する隙間)が生じる。しかし、シャトルSが蓋S7を備えると、当該隙間が塞がれる。例えばガスによりシャトルSを移動させる場合には、隙間があるとその隙間からガスが漏れるので、シャトルSをガスにより押圧する力が小さくなる。そのような隙間をシャトルSの蓋S7により塞ぐことによって、ガスによりシャトルSを押圧する力を大きくできる。
【0076】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0077】
例えば、上記実施形態では、棒状部材の一例としてボルトを用いたが、ボルトに代えて例えばロッド等の棒状部材を用いてもよい。