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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202657(P2018-202657A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20181130BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20181130BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20181130BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20181130BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20181130BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J29/42 F
   B41J29/00 H
   G03G21/00 386
   H04N1/00 C
   H04N1/387
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-107884(P2017-107884)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】小川 直人
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5C076
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AS02
2C061CK04
2C061CK06
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
2H270PA07
2H270PA12
2H270PA40
2H270PA41
2H270PA42
2H270QA26
2H270QB17
2H270QB18
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB35
5C062AC05
5C062AC58
5C062AC67
5C076AA19
5C076BA06
(57)【要約】
【課題】出力処理が行われる前に、ユーザが出力結果の排出状況を知ることを可能とする。
【解決手段】表示部33は、制御部32により制御され、ユーザに各種情報を表示する。制御部32は、印刷データに基づいて生成された画像を用紙上に出力する前に、その印刷データの出力結果の排出状況を示す情報を表示部33に表示するよう制御する。つまり、制御部32は、印刷処理を行う前に、印刷結果の排出状況が分かるような画像を事前に表示する排紙プレビュー表示を行うことにより、ユーザに排出された場合の様子を知らせる動作を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データに基づいて生成された画像を用紙上に出力する前に、前記印刷データの出力結果の排出状況を示す情報を表示するよう制御する表示制御手段
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記出力結果の排出状況を示す情報は、排出場所の情報と排出時の状態を表した画像情報である請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記排出時の状態を表した画像情報には、出力用紙の向き、出力用紙のサイズ、出力用紙の印刷面、後処理が行われる状態、集約印刷の状態および出力画像の情報のうちの少なくとも1つまたは複数を組み合わせた情報が含まれる請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記後処理が行われる状態の情報が、ステープル処理が行われる位置、パンチ処理が行われる位置、折り処理が行われた後の状態または断裁処理が行われた後の状態を示す情報である請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記排出時の状態を表した画像情報には、出力部数、丁合いの状態、排出順序および面付け状態の情報のうちの少なくとも1つまたは複数を組み合わせた情報がさらに含まれる請求項3又は4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記排出時の状態を表した画像情報には、出力用紙束に挿入される挿入用紙の状態が分かる情報が含まれる請求項3から5のいずれか記載の情報処理装置。
【請求項7】
出力結果の排出状況が分かるような情報には、排出時の用紙の動きを表した動画像情報がさらに含まれる請求項2記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、出力処理が行われる際の給紙状況を示す情報をさらに表示するよう制御する請求項1から7のいずれか記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記給紙状況を示す情報が、給紙場所の情報と給紙時の状態を表した画像情報である請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記給紙時の状態を表した画像情報には、給紙用紙の向き、給紙用紙のサイズ、給紙用紙に対する印刷予定面、後処理が行われる予定位置、集約印刷の状態および出力予定画像の情報のうちの少なくとも1つまたは複数を組み合わせた情報が含まれる請求項9記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記印刷データが複数頁により構成され、前記給紙時の状態を示す画像に対して他の頁に対する給紙時の状態を示す画像を表示する操作が行われた場合、排出状況を示す情報の表示内容と連動して給紙状況を示す情報の表示内容を変更する請求項9記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記印刷データに基づいて出力される出力画像の情報を、頁単位または用紙単位でさらに表示するよう制御する請求項1から11のいずれか記載の情報処理装置。
【請求項13】
印刷データに基づいて生成された画像を用紙上に出力する前に、前記印刷データの出力結果の排出状況を示す情報を表示するよう制御する表示制御ステップ
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタドライバを使い慣れていない人に対して印刷動作を分かり易く示すために、生成されたプレビュー画像を用いて、給紙動作、レイアウト、排紙動作のシミュレーション画像を表示するようにした情報処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、用紙トレイに載置された用紙の画像と、印刷しようとする画像とを合成して印刷プレビューウィンドウ上に表示するようにした印刷装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、印刷対象ドキュメントのプレビュー画像を、記録媒体の排紙方向が識別可能なように表示する印刷制御装置が開示されている。
【0005】
特許文献4には、供給された用紙のどの面にどのような画像が印刷されるかをユーザに知らせることにより、用紙の向きや印刷面の裏/表を間違えて設置することを抑制できる画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−252130号公報
【特許文献2】特開2009−104590号公報
【特許文献3】特開2012−033056号公報
【特許文献4】特開2015−023350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、出力処理が行われる前に、ユーザが出力結果の排出状況を知ることを可能とする情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[情報処理装置]
請求項1に係る本発明は、印刷データに基づいて生成された画像を用紙上に出力する前に、前記印刷データの出力結果の排出状況を示す情報を表示するよう制御する表示制御手段を備えた情報処理装置である。
【0009】
請求項2に係る本発明は、前記出力結果の排出状況を示す情報は、排出場所の情報と排出時の状態を表した画像情報である請求項1記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項3に係る本発明は、前記排出時の状態を表した画像情報には、出力用紙の向き、出力用紙のサイズ、出力用紙の印刷面、後処理が行われる状態、集約印刷の状態および出力画像の情報のうちの少なくとも1つまたは複数を組み合わせた情報が含まれる請求項2記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項4に係る本発明は、前記後処理が行われる状態の情報が、ステープル処理が行われる位置、パンチ処理が行われる位置、折り処理が行われた後の状態または断裁処理が行われた後の状態を示す情報である請求項3記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項5に係る本発明は、前記排出時の状態を表した画像情報には、出力部数、丁合いの状態、排出順序および面付け状態の情報のうちの少なくとも1つまたは複数を組み合わせた情報がさらに含まれる請求項3又は4記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項6に係る本発明は、前記排出時の状態を表した画像情報には、出力用紙束に挿入される挿入用紙の状態が分かる情報が含まれる請求項3から5のいずれか記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項7に係る本発明は、出力結果の排出状況が分かるような情報には、排出時の用紙の動きを表した動画像情報がさらに含まれる請求項2記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項8に係る本発明は、前記表示制御手段が、出力処理が行われる際の給紙状況を示す情報をさらに表示するよう制御する請求項1から7のいずれか記載の情報処理装置である。
【0016】
請求項9に係る本発明は、前記給紙状況を示す情報が、給紙場所の情報と給紙時の状態を表した画像情報である請求項8記載の情報処理装置である。
【0017】
請求項10に係る本発明は、前記給紙時の状態を表した画像情報には、給紙用紙の向き、給紙用紙のサイズ、給紙用紙に対する印刷予定面、後処理が行われる予定位置、集約印刷の状態および出力予定画像の情報のうちの少なくとも1つまたは複数を組み合わせた情報が含まれる請求項9記載の情報処理装置である。
【0018】
請求項11に係る本発明は、前記表示制御手段が、前記印刷データが複数頁により構成され、前記給紙時の状態を示す画像に対して他の頁に対する給紙時の状態を示す画像を表示する操作が行われた場合、排出状況を示す情報の表示内容と連動して給紙状況を示す情報の表示内容を変更する請求項9記載の情報処理装置である。
【0019】
請求項12に係る本発明は、前記表示制御手段が、前記印刷データに基づいて出力される出力画像の情報を、頁単位または用紙単位でさらに表示するよう制御する請求項1から11のいずれか記載の情報処理装置である。
【0020】
[プログラム]
請求項13に係る本発明は、印刷データに基づいて生成された画像を用紙上に出力する前に、前記印刷データの出力結果の排出状況を示す情報を表示するよう制御する表示制御ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが出力結果の排出状況を知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0022】
請求項2に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが出力結果の排出場所および排出時の状態を知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0023】
請求項3に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが出力結果の出力用紙の向き、出力用紙のサイズ、出力用紙の印刷面、後処理が行われる状態、集約印刷の状態および出力画像の情報を知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0024】
請求項4に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが、ステープル処理が行われる位置、パンチ処理が行われる位置、折り処理が行われた後の状態または断裁処理が行われた後の状態を知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0025】
請求項5に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが、出力部数、丁合いの状態、排出順序および面付け状態を知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0026】
請求項6に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが、出力用紙束に挿入される挿入用紙の状態を知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0027】
請求項7に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが、排出時の用紙の動きを知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0028】
請求項8に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが、出力処理が行われる際の給紙状況を知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0029】
請求項9に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが、給紙場所と給紙時の状態を知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0030】
請求項10に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが、給紙用紙の向き、給紙用紙のサイズ、給紙用紙に対する印刷予定面、後処理が行われる予定位置、集約印刷の状態および出力予定画像を知ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0031】
請求項11に係る本発明によれば、複数頁の印刷処理を行う際に、ユーザが排出状況と給紙状況を連動して知ることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0032】
請求項12に係る本発明によれば、ユーザが、印刷データに基づいて出力される出力画像の情報を、頁単位または用紙単位で知ることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0033】
請求項13に係る本発明によれば、出力処理が行われる前に、ユーザが出力結果の排出状況を知ることを可能とするプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態の画像形成装置10を含む印刷システムのシステム構成を示す図である。
図2】画像形成装置10と後処理装置20の構成を説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態における画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
図5】印刷データ例を説明するための図である。
図6】排紙プレビュー表示例1を説明するための図である。
図7】排紙プレビュー表示例2を説明するための図である。
図8】排紙プレビュー表示例3を説明するための図である。
図9】排紙プレビュー表示例4を説明するための図である。
図10】排紙、給紙プレビュー表示例1を説明するための図である。
図11】排紙、給紙プレビュー表示例2を説明するための図である。
図12】排紙、給紙プレビュー表示例3−1を説明するための図である。
図13】排紙、給紙プレビュー表示例3−2を説明するための図である。
図14】排紙、給紙プレビュー表示例3−3を説明するための図である。
図15】排紙、給紙、イメージプレビュー表示例1を説明するための図である。
図16】排紙、給紙、イメージプレビュー表示例2を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
図1は本発明の一実施形態の画像形成装置10を含む印刷システムの構成を示す図である。
【0037】
本発明の一実施形態の印刷システムは、図1に示されるように、ネットワーク30により相互に接続された画像形成装置10、および端末装置20により構成される。端末装置40は、印刷データを生成して、ネットワーク30経由にて生成した印刷データを画像形成装置10に対して送信する。画像形成装置10は、端末装置40から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置10は、印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0038】
そして、画像形成装置10には、ステープル処理、パンチ処理、折り処理等の後処理を行うための後処理装置20が接続されている。
【0039】
この画像形成装置10と後処理装置20の構成を図2を参照して説明する。
【0040】
画像形成装置10には、印刷処理において使用される用紙を給紙するための給紙トレイ41〜44と、手差しトレイ45とが備えられている。給紙トレイ41〜44には、それぞれ1〜4のトレイ番号が割り当てられており、以降の説明では給紙トレイ1〜4として表現する。
【0041】
また、後処理装置20は、画像形成装置10において印刷処理が行われた後の用紙を受け取って、ステープル処理、パンチ処理等の各種後処理を実行する機能を備えている。この後処理装置20には、画像形成装置10から受け取った用紙を後処理を実行せずに排出するための排出トレイ21と、後処理を行った後の用紙を排出するためのフィニッシャートレイ22とが設けられている。
【0042】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置10のハードウェア構成を図2に示す。
【0043】
画像形成装置10は、図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置15、スキャナ16、プリントエンジン17を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0044】
プリントエンジン17は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。
【0045】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御する。
【0046】
なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0047】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0048】
本実施形態の画像形成装置10は、図3に示されるように、印刷ジョブ受信部31と、制御部32と、表示部33と、データ格納部34と、操作入力部35と、出力部36とを備えている。
【0049】
印刷ジョブ受信部31は、端末装置40から送信されてきた印刷ジョブ(印刷指示)を受信する。
【0050】
制御部32は、印刷ジョブ受信部31により受信された印刷ジョブに基づいて印刷データを生成して、生成した印刷データを出力部36から出力する制御を行う。データ格納部34は、制御部32により生成された印刷データ等の各種データを格納する。
【0051】
表示部33は、制御部32により制御され、ユーザに各種情報を表示する。操作入力部35は、ユーザにより行われた各種操作情報を入力する。
【0052】
出力部36は、制御部32による制御に基づいて、印刷用紙等の記録媒体上に画像を出力する。
【0053】
そして、制御部32は、印刷データに基づいて生成された画像を用紙上に出力する前に、その印刷データの出力結果の排出状況を示す情報を表示部33に表示するよう制御する。
【0054】
つまり、制御部32は、印刷処理を行う前に、印刷結果の排出状況が分かるような画像を事前に表示する排紙プレビュー表示を行うことにより、ユーザに排出された場合の様子を知らせる動作を行う。
【0055】
なお、以下の説明では、この排紙プレビュー表示は、画像形成装置10における操作パネル等の表示部33上に表示するものとして説明するが、端末装置40から画像形成装置10に印刷ジョブを送信する際に端末装置40の画面上において排紙プレビュー表示を行うようにしても良い。
【0056】
ここで、表示部32により表示される出力結果の排出状況を示す情報は、排出場所の情報と排出時の状態を表した画像情報である。そして、排出時の状態を表した画像情報には、出力用紙の向き(縦方向または横方向)、出力用紙のサイズ(A4、B5等のサイズ)、出力用紙の印刷面(裏面または表面)、後処理が行われる状態、集約印刷の状態および出力画像の情報のうちの少なくとも1つまたは複数を組み合わせた情報が含まれるようにしても良い。
【0057】
また、後処理が行われる状態の情報とは、具体的には、ステープル処理が行われる位置、パンチ処理が行われる位置、折り処理が行われた後の状態または断裁処理が行われた後の状態を示す情報である。
【0058】
なお、排出時の状態を表した画像情報には、出力部数、丁合いの状態、排出順序(1ページ目から最終ページ、最終ページから1ページ目)および冊子印刷の際の面付け状態の情報のうちの少なくとも1つまたは複数を組み合わせた情報がさらに含まれるようにしても良い。
【0059】
さらに、排出時の状態を表した画像情報には、出力用紙束に挿入される合紙、バナーシート等の挿入用紙の状態が分かる情報が含まれるようにしても良い。
【0060】
なお、出力結果の排出状況が分かるような情報として、排出時の用紙の動きを表した動画像情報を表示するようにしても良い。
【0061】
ステープル処理が指定された場合には、印刷された後の用紙が一旦排出口から途中まで出てきて停止して、複数枚の用紙が纏められた後にステープル処理が行われてから排出口から排出されるような処理が行われる場合がある。このような場合、ユーザは用紙が排出されたものと勘違いしてステープル処理の途中で排出口から用紙を引っ張って取り出してしまうとステープル処理を正常に行うことができない。
【0062】
そのため、排出時の用紙の動きを表した動画情報を排出プレビュー表示としてユーザに見せることにより、どのような排出動作が行われるかをユーザに事前に知ってもらうことができる。
【0063】
また、制御部32は、出力結果の排出状況を示す情報に加えて、出力処理が行われる際の給紙状況を示す情報を表示部33にさらに表示するよう制御しても良い。
【0064】
ここで、給紙状況を示す情報とは、例えば、給紙場所の情報と給紙時の状態を表した画像情報である。
【0065】
また、給紙時の状態を表した画像情報には、給紙用紙の向き、給紙用紙のサイズ、給紙用紙に対する印刷予定面、後処理が行われる予定位置、集約印刷の状態および出力予定画像の情報のうちの少なくとも1つまたは複数を組み合わせた情報が含まれるようにしても良い。
【0066】
また、制御部32は、印刷データが複数ページ(頁)により構成され、給紙時の状態を示す画像に対して他のページに対する給紙時の状態を示す画像を表示する操作が行われた場合、排出状況を示す情報の表示内容と連動して給紙状況を示す情報の表示内容を変更するようにしても良い。
【0067】
さらに、制御部32は、印刷データに基づいて出力される出力画像の情報を、ページ単位または用紙単位でさらに表示するよう制御するようにしても良い。
【0068】
次に、図面を参照して本実施形態の画像形成装置10における排出状況の事前表示(排紙プレビュー表示)の表示例を説明する。
【0069】
なお、以下の説明では、表示される内容が分かり易いように、図5に示すような印刷データに基づいて印刷処理を行う場合について説明する。図5に示した印刷データは、1ページ目から順番にF、B、C、Dという文字画像を表したデータとなっている。
【0070】
[排紙プレビュー表示]
この図5に示した印刷データに基づいて、A4たて用紙、片面を指定した場合に表示される排紙プレビュー表示の一例を図6に示す。
【0071】
なお、本実施形態の画像形成装置10および後処理装置20では、印刷面を下にして出力するフェイスダウン出力が行われるようになっている。そのため、片面印刷した場合には、出力された印刷結果を見た場合ユーザからは白紙部分しか見えず、自分が印刷した印刷結果がどこに出力されているかを判別し難くなっている。
【0072】
図6の排紙プレビュー表示例では、フェイスダウン出力であるため、背面に印刷される文字画像が点線により表されるとともに排出先は排出トレイ21であることが表示されている。また、この排紙プレビュー表示例では、排紙方向が矢印により示されている。
【0073】
このように、後処理が指定されていないため、後処理装置20の排出トレイ21に印刷結果が出力され、フェイスダウン出力であるため、印刷結果が見えない状態であることが、排出プレビュー表示を見ただけでユーザは容易に知ることができる。
【0074】
次に、図5に示した印刷データに基づいて、A4たて用紙、2アップ、片面、左上1ケ所のステープル処理を指定した場合に表示される排紙プレビュー表示の一例を図7に示す。なお、ここで、2アップとは、2ページ分の画像を縮小して1ページの画像として印刷する集約印刷を行うことを意味する。
【0075】
図7の排紙プレビュー表示例では、2アップが指示されていることにより、2ページ分の画像が1ページ内に集約して印刷されるとともに、ステープル処理されて印刷されることが示されている。また、ステープル処理が指定されていることにより印刷結果は後処理装置20のフィニッシャートレイ22に出力されるため、図7では、排出先がフィニッシャートレイであることが表示されている。
【0076】
次に、図5に示した印刷データに基づいて、A4たて用紙、2アップ、片面、パンチ処理を指定した場合に表示される排紙プレビュー表示の一例を図8に示す。
【0077】
図8の排紙プレビュー表示例では、2アップが指示されていることにより、2ページ分の画像が1ページ内に集約して印刷されるとともに、2つの丸画像が示されることによりパンチ処理されて印刷されることおよびパンチ処理される位置が示されている。
【0078】
次に、図5に示した印刷データに基づいて、A4たて用紙、2アップ、片面、折り処理を指定した場合に表示される排紙プレビュー表示の一例を図9に示す。
【0079】
図9の排紙プレビュー表示例では、折り処理が指示されていることにより、印刷結果に対して折り処理が実行されて排出される際の形状が分かるような表示がされているのが分かる。
【0080】
[排紙、給紙プレビュー表示]
次に、排紙プレビュー表示とともに給紙状態を示す給紙プレビュー表示を行う場合の表示例について説明する。
【0081】
先ず、図5に示した印刷データに基づいて、A4たて用紙、片面を指定した場合に表示される排紙、給紙プレビュー表示の一例を図10に示す。
【0082】
図10に示す排紙、給紙プレビュー表示では、左側に給紙プレビュー画像が表示され、右側に排紙プレビュー画像が表示されている。なお、給紙プレビュー表示と排紙プレビュー表示を左右に並べて同時に表示するのではなく、切替えて表示するようにしても良い。
【0083】
そして、給紙プレビュー表示では、給紙される用紙の向きやサイズ、給紙される用紙における印刷面および印刷される予定の画像が示されている。
【0084】
さらに、この給紙プレビュー表示では、給紙に使用される給紙トレイの優先度が示されて、優先度が下位の他の給紙トレイから給紙が行われた場合の給紙プレビュー表示を選択して表示することも可能となっている。
【0085】
つまり、図10では、優先度1の給紙トレイ1から給紙される用紙が示されているが、優先度2、優先度3に設定されている給紙トレイ等から給紙した場合の給紙プレビュー表示に切り替えて表示することが可能となっている。
【0086】
次に、図5に示した印刷データに基づいて、A4たて用紙、片面、手差しを指定した場合に表示される排紙、給紙プレビュー表示の一例を図11に示す。
【0087】
図11に示す排紙、給紙プレビュー表示では、手差しトレイ45から給紙が行われる際の様子が示されており、給紙方向が矢印により示されるとともに、給紙される用紙の下面に画像が印刷されることになることが示されている。つまり、給紙トレイ41〜44からの給紙が、手差しトレイ45からの給紙に切り替わった場合、印刷面が逆になることを給紙プレビュー画面から把握することができるようになっている。
【0088】
次に、図5に示した印刷データに基づいて、A4たて用紙、2アップ、片面、左上1ケ所ステープルを指定した場合に表示される排紙、給紙プレビュー表示の一例を図12に示す。
【0089】
図12に示す排紙、給紙プレビュー表示では、給紙トレイ1から給紙が行われる際の様子が示されており、給紙される用紙の印刷面に給紙予定の画像およびステープル処理が行われる予定位置の情報が示されているのが分かる。
【0090】
なお、パンチ処理、折り処理、断裁処理等の他の後処理が実行される場合にも、給紙プレビュー画像には、後処理が行われる予定位置が示されるとともに、排紙プレビュー画像には、後処理が実行された後の用紙の状態が示される。そのため、ユーザは、2つのプレビュー表示を比較することにより後処理の前後の状態を確認することができる。
【0091】
そして、図13に示すように、給紙プレビュー画像および排紙プレビュー画像の一方をスクロールすると、他方のプレビュー画像も連動してスクロールするようになっている。
【0092】
そして、各プレビュー画像上において、それぞれのページをスクロールすることができる方向は用紙搬送方向となっている。そして、給紙プレビュー画像では、1ページ目が1番上に表示され、排紙プレビュー画像では1ページ目が一番下となるように順次重ねて表示される。
【0093】
なお、図13では、給紙プレビュー画像において、1ページ目の「FB」という文字が表示された画像を指でスクロールすることにより、2ページ目の「CD」という文字が表示された画像が表れている。そして、排紙プレビュー画像では、その動きに連動して、最初に表示されていた1ページ目の「FB」という文字が表示された画像の上に、2ページ目の「CD」という文字が表示された画像が移動して重なるように表示されている。
【0094】
そして、2ページ目の画像の移動が完了すると、図14に示すように、給紙プレビュー画像および排紙プレビュー画像上では、それぞれ2ページ目の「CD」という文字が表示された画像の給紙状況と排紙状況が分かるように表示されている。
【0095】
なお、給紙プレビュー画像では、給紙される用紙1枚ごとにどの給紙トレイが用いられるかが切替えて表示されるようになっており、スクロール途中で給紙トレイが変更になった場合には、表示されている給紙トレイ名の情報や給紙トレイの外観画像が途中で切り替わるようになっている。
【0096】
また、給紙プレビュー表示および排紙プレビュー表示のいずれにおいても、印刷ジョブの実行中に障害が発生した場合、障害が発生したプレビュー表示画像上において、障害が発生した旨の警告表示を行うようにしても良い。
【0097】
例えば、給紙プレビュー画像における各ページの給紙状態をスクロールさせて順次表示させている場合に、途中で用紙切れが発生した場合、給紙プレビュー画像上に用紙切れとなった旨の警告表示を行うようにしても良い。また、排紙プレビュー画像上では、排出先の収容量オーバ等の旨の警告表示を行うようにしても良い。
【0098】
[排紙、給紙、イメージプレビュー表示]
次に、排紙、給紙プレビュー表示を行う際に、各ページの印刷予定の画像を示すイメージプレビュー画像を同時に表示する場合の表示例について説明する。
【0099】
先ず、図5に示した印刷データに基づいて、A4たて用紙、2アップ、片面、左上1ケ所ステープル処理を指定した場合に表示される排紙、給紙、イメージプレビュー表示の一例を図15に示す。
【0100】
給紙状態を示す給紙プレビュー表示と排紙状態を示す排紙プレビュー表示を行った場合、画像方向が回転したり画像の表裏が反転したりして印刷される画像内容を確認し難くなる場合がある。
【0101】
そのため、図15に示したように、給紙プレビュー表示および排紙プレビュー表示に加えて、各ページの画像内容を示すイメージプレビュー画像として表示することにより、ユーザは印刷予定の各ページの画像内容を把握することができる。
【0102】
なお、イメージプレビュー画像では、集約印刷等が行われる場合でも1ページ単位で表示することにより、ページ単位での編集操作を行うことが可能となる。例えば、コピー等のジョブを実行する場合、特定のページの画像のみコントラストを変更したいような場合でも、そのページの画像のみを選択して編集操作することが可能となる。
【0103】
なお、図13に示したようなスクロール操作を行うことにより、各ページの画像を順次表示させるような場合、イメージプレビュー表示において現在給紙プレビュー画像と排紙プレビュー画像ではどのページの画像が表示されているのかが分かるように表示しても良い。図15では、イメージプレビュー画像上において、表示中のページの画像が太い黒枠で表示されていることにより、そのことが分かるような表示となっている。そのため、給紙プレビュー画像と排紙プレビュー画像におけるスクロール操作と連動して、イメージプレビュー画像上においても表示中のページの画像が順次切り替わるような表示が行われる。
【0104】
次に、図5に示した印刷データに基づいて、A4よこ用紙、2アップ、片面、左上1ケ所ステープル処理を指定した場合に表示される排紙、給紙、イメージプレビュー表示の一例を図16に示す。
【0105】
図16に示した排紙、給紙、イメージプレビュー表示では、用紙サイズとしてA4よこ用紙が選択されていることにより、給紙トレイ2が選択され、給紙される用紙および排紙される用紙が、A4たて用紙を選択した場合と比較して、90°回転していることを把握することが可能となっている。
【0106】
なお、本実施形態では、画像形成装置10に後処理装置20が接続されていることにより、排出トレイ21とフィニッシャートレイ22という2ヶ所の排出先がある場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、排出先が1ケ所の場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
【0107】
[変形例]
上記実施形態では、画像形成装置10の表示部33または端末装置40の画面上において、排紙プレビュー表示を行う場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、印刷用紙等に画像を形成して排出するような他の情報処理装置において排紙プレビュー表示を行う場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
【符号の説明】
【0108】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース(IF)
15 ユーザインタフェース(UI)装置
16 スキャナ
17 プリントエンジン
18 制御バス
20 後処理装置
21 排出トレイ
22 フィニッシャートレイ
30 ネットワーク
31 印刷ジョブ受信部
32 制御部
33 表示部
34 データ格納部
35 操作入力部
36 出力部
41〜44 給紙トレイ(給紙トレイ1〜4)
45 手差しトレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
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図16