【解決手段】画像形成装置と後加工装置とを含む印刷システムにおいて、ラベル画像及び位置合わせ用画像の配置を指定して印刷を指示する際に、印刷ジョブで指示された数量のラベル画像及び位置合わせ用画像の印刷に必要な第1の用紙長を算出すると共に、装着されているロール紙に残存する第2の用紙長を算出し、第1の用紙長と第2の用紙長との比較結果に基づいて、印刷ジョブを装着されているロール紙で処理できるかを判断し、印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、印刷ジョブの終端で印刷予定の位置合わせ用画像を、少なくとも先に印刷されるロール紙に配置されるラベル画像の後に配置する。
前記ジョブ処理部は、前記印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合において、先に印刷されるロール紙に対する型抜きを、その後に印刷されるロール紙の印刷完了前に開始する場合は、前記位置合わせ用画像の配置を変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記ジョブ処理部は、前記印刷ジョブが、前記ラベル画像の順番が指定されるバリアブル印刷ジョブの場合は、前記順番通りに前記ラベル画像の型抜きが行われるように、各々の前記ロール紙に印刷する前記ラベル画像の印刷順を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
前記ジョブ処理部は、前記印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、前記位置合わせ用画像を、後に印刷されるロール紙に配置される前記ラベル画像の後にも配置する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の画像形成装置。
印刷ジョブに従ってロール紙にラベル画像を印刷し、印刷後の用紙をロール状に巻き取って排出する印刷エンジンを備える画像形成装置と、前記ラベル画像の型抜きを行う後加工装置と、を含む印刷システムで動作するラベル印刷制御プログラムであって、
前記画像形成装置又は当該画像形成装置を制御する制御装置に、
前記印刷ジョブをラスタライズして、前記ラベル画像と、前記後加工装置が前記型抜きを行うための位置合わせ用画像と、を生成する第1処理、
前記ラベル画像及び前記位置合わせ用画像の配置を指定して、前記印刷エンジンに印刷を指示する第2処理、を実行させ、
前記第2処理では、前記印刷ジョブで指示された数量の前記ラベル画像及び前記位置合わせ用画像の印刷に必要な第1の用紙長を算出すると共に、前記画像形成装置に装着されているロール紙に残存する第2の用紙長を算出し、前記第1の用紙長と前記第2の用紙長との比較結果に基づいて、前記印刷ジョブを前記画像形成装置に装着されているロール紙で処理できるかを判断し、前記印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、前記印刷ジョブの終端で印刷予定の前記位置合わせ用画像を、少なくとも先に印刷されるロール紙に配置される前記ラベル画像の後に配置する、
ことを特徴とするラベル印刷制御プログラム。
前記第2処理では、前記印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合において、先に印刷されるロール紙に対する型抜きを、その後に印刷されるロール紙の印刷完了前に開始する場合は、前記位置合わせ用画像の配置を変更する、
ことを特徴とする請求項7に記載のラベル印刷制御プログラム。
前記第2処理では、前記印刷ジョブが、前記ラベル画像の順番が指定されるバリアブル印刷ジョブの場合は、前記順番通りに前記ラベル画像の型抜きが行われるように、各々の前記ロール紙に印刷する前記ラベル画像の印刷順を変更する、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のラベル印刷制御プログラム。
前記第2処理では、前記印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、前記位置合わせ用画像を、後に印刷されるロール紙に配置される前記ラベル画像の後にも配置する、
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一に記載のラベル印刷制御プログラム。
印刷ジョブに従ってロール紙にラベル画像を印刷し、印刷後の用紙をロール状に巻き取って排出する印刷エンジンを備える画像形成装置と、前記ラベル画像の型抜きを行う後加工装置と、を含む印刷システムにおけるラベル印刷制御方法であって、
前記画像形成装置又は当該画像形成装置を制御する制御装置は、
前記印刷ジョブをラスタライズして、前記ラベル画像と、前記後加工装置が前記型抜きを行うための位置合わせ用画像と、を生成する第1処理と、
前記ラベル画像及び前記位置合わせ用画像の配置を指定して、前記印刷エンジンに印刷を指示する第2処理と、を実行し、
前記第2処理では、前記印刷ジョブで指示された数量の前記ラベル画像及び前記位置合わせ用画像の印刷に必要な第1の用紙長を算出すると共に、前記画像形成装置に装着されているロール紙に残存する第2の用紙長を算出し、前記第1の用紙長と前記第2の用紙長との比較結果に基づいて、前記印刷ジョブを前記画像形成装置に装着されているロール紙で処理できるかを判断し、前記印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、前記印刷ジョブの終端で印刷予定の前記位置合わせ用画像を、少なくとも先に印刷されるロール紙に配置される前記ラベル画像の後に配置する、
ことを特徴とするラベル印刷制御方法。
クライアント装置と、前記クライアント装置から取得した印刷ジョブに従ってロール紙にラベル画像を印刷し、印刷後の用紙をロール状に巻き取って排出する画像形成装置と、前記ラベル画像の型抜きを行う後加工装置と、を含む印刷システムにおけるラベル印刷制御方法であって、
前記クライアント装置は、
前記ラベル画像と、前記後加工装置が前記型抜きを行うための位置合わせ用画像と、を生成する第1処理と、
前記ラベル画像及び前記位置合わせ用画像の配置を指定して、前記画像形成装置に印刷を指示する前記印刷ジョブを生成する第2処理と、
前記印刷ジョブを前記画像形成装置に出力する第3処理と、を実行し、
前記第2処理では、前記印刷ジョブで指示した数量の前記ラベル画像及び前記位置合わせ用画像の印刷に必要な第1の用紙長を算出すると共に、前記画像形成装置に装着されているロール紙に残存する第2の用紙長を取得し、前記第1の用紙長と前記第2の用紙長との比較結果に基づいて、前記印刷ジョブを前記画像形成装置に装着されているロール紙で処理できるかを判断し、前記印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、前記印刷ジョブの終端で印刷予定の前記位置合わせ用画像を、少なくとも先に印刷されるロール紙に配置される前記ラベル画像の後に配置する、
ことを特徴とするラベル印刷制御方法。
前記第2処理では、前記印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合において、先に印刷されるロール紙に対する型抜きを、その後に印刷されるロール紙の印刷完了前に開始する場合は、前記位置合わせ用画像の配置を変更する、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載のラベル印刷制御方法。
前記第2処理では、前記印刷ジョブが、前記ラベル画像の順番が指定されるバリアブル印刷ジョブの場合は、前記順番通りに前記ラベル画像の型抜きが行われるように、各々の前記ロール紙に印刷する前記ラベル画像の印刷順を変更する、
ことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一に記載のラベル印刷制御方法。
前記第2処理では、前記印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、前記位置合わせ用画像を、後に印刷されるロール紙に配置される前記ラベル画像の後にも配置する、
ことを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一に記載のラベル印刷制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
背景技術で示したように、ロール状に巻き取られた用紙(ラベルシートと呼ぶ。)にラベル画像を繰り返し印刷するラベル印刷では、後加工装置でラベルシートからラベル画像を正確に抜き取ることができるように、ラベルシートの終端に位置合わせ用画像を印刷している。
【0016】
ここで、1つのジョブで複数ラベルを印刷する際に、装着されているロール紙でラベル印刷が完了する場合は、ラベルシートの終端に印刷した位置合わせ用画像を用いて型抜きの位置合わせを行うことができるが、装着されているロール紙では足りずに交換が必要になる場合は、先にラベル印刷を行ったロール紙のラベルシートには位置合わせ用画像が印刷されないため、型抜きの位置合わせを行うことができないという問題が生じる。
【0017】
そこで、本発明の一実施の形態では、1つのジョブのラベル印刷が複数のロール紙に分割される場合に、少なくとも先に印刷されるロール紙の終端(ラベル画像の後ろ)に位置合わせ用画像を配置するようにする。
【0018】
以下、具体例を挙げて説明する。前提条件として、ロール紙に複数のラベル画像を印刷後、別の後加工装置でラベル画像の型抜きを行うものとし、型抜きのための位置合わせ用画像(本実施例では、「TEST」の画像とカギ括弧の図形とを合成した画像)を必要とするものとする。
【0019】
例えば、
図1に示すように、ラベルシート71に、100枚のラベル画像72(以下、1〜100の数字で表記)と2つの位置合わせ用画像73(以下、TESTと表記)とを印刷する場合、画像形成装置では、100、99、98、…、3、2、1、TEST、TESTのように左端から順に印刷し、印刷したラベルシート71を巻き取って
図2に示すようなロール紙70を作成する。一方、後加工装置では、
図2に示すロール紙70を用いて、
図1に示すように、TEST、TEST、1、2、3、…、98、99、100のように右端から順に型抜きを行う。
【0020】
ここで、ラベルが1ロールに収まる場合は、100、99、98、…、3、2、1、TEST、TESTと順番通りに印刷することで、後加工装置では右端の位置合わせ用画像73を用いて位置合わせを行うことができ、問題は生じない。しかしながら、ロール紙70の残量が少なく、2ロールに分かれて印刷する場合、例えば、
図3に示すように、1ロール目は100、99、98、…、33、32、31となり、2ロール目は、30、29、28、…、3、2、1、TEST、TESTとなり、最初に印刷が完了する1ロール目に位置合わせ用画像73が印刷されない。その結果、後加工装置では位置合わせを行うことができず、位置合わせ用画像73が印刷される2ロール目の印刷完了を待たずに、1ロール目の型抜きを行いたい場合に時間の無駄が発生する。
【0021】
そこで、本発明の一実施の形態では、印刷ジョブで指示された数量のラベル画像72及び位置合わせ用画像73の印刷に必要な第1の用紙長を算出すると共に、装着されているロール紙に残存する第2の用紙長を算出し、第1の用紙長と第2の用紙長との比較結果に基づいて、印刷ジョブを装着されているロール紙で処理できるかを判断し、印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、印刷ジョブの終端で印刷予定の位置合わせ用画像73を、少なくとも先に印刷されるロール紙に配置されるラベル画像72の後に配置するようにする。上記の例では、例えば、
図4に示すように、1ロール目を100、99、98、…、33、TEST、TESTとし、2ロール目を32、31、30、…、3、2、1とする。すなわち、1ロール目に印刷予定であった32、31の位置に位置合わせ用画像73を印刷し、32、31のラベル画像72は2ロール目に配置を変更する。このような制御を行うことにより、1ロール目の印刷が完了した時点で、後加工装置で型抜き処理を開始することが可能となり、ジョブ処理の時間短縮を図ることができる。
【0022】
なお、印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合において、先に印刷されるロール紙に対する型抜きを、その後に印刷されるロール紙の印刷完了前に開始する場合は、位置合わせ用画像73の配置を変更することもできる。すなわち、1ロール目の印刷完了後すぐに型抜きを行うか否かの設定に応じて、位置合わせ用画像73を1ロール目へ移動するかしないかを制御することもできる。例えば、2ロール目の印刷完了前に、1ロール目の型抜きを行いたい場合は、
図4に示すように、1ロール目を100、99、98、…、33、TEST、TESTとし、2ロール目を、32、31、30、29、28、…、3、2、1とし、位置合わせ用画像73を移動するように制御する。一方、2ロールとも印刷が完了してから型抜きを行う場合は、
図3に示すように、従来通り1ロール目を100、99、98、…、33、32、31とし、2ロール目を30、29、28、…、3、2、1、TEST、TESTとして、位置合わせ用画像73を移動せずに、2ロール目から型抜きを行うようにする。
【0023】
また、上記制御において、1〜100が異なるデータ(シリアル番号や個人名などの個々に異なるデータで構成されるバリアブルデータ)であり、1番目のラベル画像72から型抜きを行いたい場合において、
図4に示すように、1ロール目に100、99、98、…、33、TEST、TESTが印刷され、2ロール目に32、31、30、…、3、2、1が印刷された場合、1ロール目から順に型抜きすると、33番目のラベル画像72から型抜きすることとなり、順番通りに型抜きされないという問題が生じる。すなわち、TEST、TEST、33、34、35、…、98、99、100、1、2、3、…、30、31、32の順で型抜きされ、型抜き後のラベルが順番通りにならない。
【0024】
そこで、本実施形態では、印刷ジョブが、ラベル画像72の順番が指定されるバリアブル印刷ジョブの場合は、順番通りにラベル画像72の型抜きが行われるように、各々のロール紙に印刷するラベル画像72の印刷順を変更することもできる。例えば、
図5に示すように、1ロール目を68、67、66、…、3、2、1、TEST、TESTとし、2ロール目を100、99、98、…、71、70、69とする。このような制御を行うことにより、後加工装置では、1番目から順番通りに型抜きを行うことができ、後でラベルの順番を変更する手間を省くことができる。
【0025】
また、上記では、1ロール目の終端に位置合わせ用画像73を移動させるようにしたが、印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、位置合わせ用画像73を、後に印刷されるロール紙に配置されるラベル画像72の後にも配置することもできる。すなわち、元々のジョブの終端にも位置合わせ用画像73を残すか否かを選択できるようにすることもできる。例えば、
図6に示すように、1ロール目を100、99、98、…、33、TEST、TESTとし、2ロール目を32、31、30、…、3、2、1、TEST、TESTとする。このような制御を行うことにより、後加工装置にロール紙をセットする毎に、必ず位置調整が必要となる場合であっても、位置調整が可能となる。また、後加工装置が複数台ある場合に、複数台の後加工装置を用いて並列で型抜きを実施することが可能となる。
【0026】
また、印刷システムに複数の後加工装置が含まれ、複数のロール紙に対する型抜きを複数の後加工装置で行う場合は、複数の後加工装置での型抜きの終了タイミングが一致するように、各々のロール紙に配置するラベル画像72の数量を調整することもできる。例えば、
図7上側に示すように、1ロール目にラベルを500枚印刷し、2ロール目にラベルを100枚印刷する場合に、2台の後加工装置での処理時間も考慮すると、1ロール目は2ロール目よりも遅く型抜きが終わることとなり、時間効率が悪くなる。そこで、
図7下側に示すように、1ロール目のラベルシートの残量に関わらず、1ロール目に配置するラベル数を減らし(ここでは500枚から400枚に減らし)、2ロール目に配置するラベル数を増やして(ここでは100枚から200枚に増やして)、2台の後加工装置の型抜き処理の完了タイミングが同じになるように制御する。このような制御を行うことにより、1ロール目のラベルシートは使い切らないために無駄が発生するが、型抜きの時間も含めた印刷ジョブの処理時間の短縮を図ることができる。
【実施例1】
【0027】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る画像形成装置、ラベル印刷制御プログラム及びラベル印刷制御方法について、
図8乃至
図13を参照して説明する。
図8及び
図9は、本実施例の印刷システムの構成を示す模式図であり、
図10乃至
図12は、各々、クライアント装置、画像形成装置、後加工装置の構成を示すブロック図である。また、
図13は、本実施例の画像形成装置の動作を示すフローチャート図である。
【0028】
図8に示すように、本実施例の印刷システム10は、クライアント装置20と、画像形成装置30と、後加工装置40などで構成される。クライアント装置20と画像形成装置30とはイーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI(Fiber-Distributed Data Interface)等の規格により定められるLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワーク50を介して接続されている。なお、
図8では、印刷システム10をクライアント装置20と画像形成装置30と後加工装置40とで構成したが、
図9に示すように、画像形成装置30を制御するプリンタコントローラ60(制御装置)を設けてもよい。以下、
図8の構成を前提にして各装置について説明する。
【0029】
[クライアント装置]
クライアント装置20は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であり、
図10(a)に示すように、制御部21、記憶部25、ネットワークI/F部26、表示部27、操作部28などで構成される。
【0030】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)22と、ROM(Read Only Memory)23やRAM(Random Access Memory)24などのメモリとで構成され、CPU22は、ROM23や記憶部25に記憶した制御プログラムをRAM24に展開して実行することにより、クライアント装置20全体の動作を制御する。また、
図10(b)に示すように、上記制御部21(CPU22)により、OS(Operating System)21a、アプリケーション21b、プリンタドライバ21cなどが実行される。
【0031】
OS21aは、Windows(登録商標)やMacintosh(登録商標)、Android(登録商標)などであり、クライアント装置20でアプリケーション21b、プリンタドライバ21cなどを動作可能にする。
【0032】
アプリケーション21bは、例えば、ラベル作成を行うアプリケーションであり、ラベル画像と後加工装置40が型抜きを行うために使用する位置合わせ用画像とを配置したデータを生成する。なお、位置合わせ用画像の構成は任意であるが、本実施例では、「TEST」の画像とカギ括弧の図形とを合成した画像とし、以下ではテストラベルと呼ぶ。そして、印刷指示の際にプリンタドライバ21cを読み出し、アプリケーション21bで作成したデータをプリンタドライバ21cに転送する。
【0033】
プリンタドライバ21cは、アプリケーション21bで作成したデータを、画像形成装置30が解釈可能な言語の印刷ジョブ(PJL(Printer Job Language)やPS(PostScript)、PCL(Printer Control Language)等のページ記述言語で記述されたPDL(Page Description Language)データ、または、PDF(Portable Document Format)データ)に変換し、当該印刷ジョブを画像形成装置30に送信する。この印刷ジョブには、プリンタドライバ21cの印刷設定画面で設定された印刷条件が記述された印刷情報(プリントチケット)が付加される。特に本実施例では、上記印刷設定画面で、印刷ジョブの処理が複数のロール紙に分割された場合の処理を設定することができる。
【0034】
記憶部25は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成され、CPU22が各部を制御するためのプログラム、アプリケーション21bで作成したデータ、プリンタドライバ21cが生成した印刷ジョブなどを保存する。
【0035】
ネットワークI/F部26は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、クライアント装置20を通信ネットワーク50に接続し、画像形成装置30に印刷ジョブを送信可能にする。
【0036】
表示部27は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置などで構成され、アプリケーション21bのラベル作成画面、プリンタドライバ21cの印刷設定画面などを表示する。
【0037】
操作部28は、マウスやキーボードなどで構成され、アプリケーション21bを用いたラベルやテストラベルの作成、プリンタドライバ21cを用いた印刷設定(特に、印刷ジョブの処理が複数のロール紙に分割された場合の処理の設定)などの操作を可能にする。
【0038】
[画像形成装置]
画像形成装置30は、MFP(Multi-Functional Peripherals)などであり、クライアント装置20から受信した印刷ジョブに基づいて、ロール状のラベルシートにラベル印刷を行う。この画像形成装置30は、
図11(a)に示すように、制御部31、記憶部35、ネットワークI/F部36、表示操作部37、印刷エンジン38などで構成される。
【0039】
制御部31は、CPU32とROM33やRAM34などのメモリとで構成され、CPU32は、ROM33や記憶部35に記憶した制御プログラムをRAM34に展開して実行することにより、画像形成装置30全体の動作を制御する。上記制御部31は、
図11(b)に示すように、画像処理部31a、ジョブ処理部31bなどとして機能する。
【0040】
画像処理部31aは、RIP(Raster Image Processor)部を備え、印刷ジョブを解析し、印刷ジョブをラスタライズしてラベル画像やテストラベル画像を生成し、必要に応じて画像処理(色調整、濃度調整、サイズ調整などの処理)やスクリーニングを行う。
【0041】
ジョブ処理部31bは、ラベル画像やテストラベル画像の配置を指定して、印刷エンジン38に印刷を指示する。具体的には、印刷ジョブを解析して各種設定を取得し、各種情報を算出する。例えば、印刷するラベル数及びテストラベル数、ジョブ処理に必要な用紙長、現ロールの用紙長(ロール紙の残量)などを算出する。そして、ジョブ処理に必要な用紙長(第1の用紙長)と現ロールの用紙長(第2の用紙長)とを比較し、その比較結果に基づいて、印刷ジョブを装着されているロール紙で処理できるかを判断し、装着されているロール紙で処理できる(1ロールに収まる)と判断した場合は、ラベル画像の後にテストラベル画像を配置する。一方、印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要がある(1ロールに収まらない)と判断した場合は、最後に印刷されるテストラベル画像を、少なくとも先に印刷されるロール紙に配置されるラベル画像の後ろに配置(現ロールに収まるラベル数を算出し、現ロールに、算出したラベル数からテストラベル数を減算した数のラベル画像及びテストラベル画像を配置)する。そして、表示操作部37に警告表示などを行ってユーザにロール紙の交換を指示した後、残りのラベル数のラベル画像を配置する。なお、印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合において、先に印刷されるロール紙に対する型抜きを、その後に印刷されるロール紙の印刷完了前に開始する場合は、テストラベル画像の配置を変更するようにしてもよい。
【0042】
上記画像処理部31a、ジョブ処理部31bは、ハードウェアとして構成してもよいし、制御部31を画像処理部31a、ジョブ処理部31bとして機能させるラベル印刷制御プログラムとして構成し、当該ラベル印刷制御プログラムをCPU32に実行させるようにしてもよい。
【0043】
記憶部35は、HDDやSSDなどで構成され、CPU32が各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、クライアント装置20から受信した印刷ジョブ、画像処理部31aが生成したラベル画像やテストラベル画像のデータなどを記憶する。
【0044】
ネットワークI/F部36は、NICやモデムなどで構成され、画像形成装置30を通信ネットワーク50に接続し、クライアント装置20から印刷データを受信可能にする。
【0045】
表示操作部37は、表示部上に透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部(タッチセンサ)を設けたタッチパネルなどであり、印刷処理に関する各種画面を表示し、印刷に関する各種操作を可能にする。
【0046】
印刷エンジンは、給紙部38aと印刷処理部38bと巻き取り部38cなどで構成される。
【0047】
給紙部38aは、ロール状のラベルシート(ロール紙)が装填可能に構成され、ラベルシートを印刷処理部38bに供給する。
【0048】
印刷処理部38bは、ジョブ処理部31bの指示に従って、給紙部38aから供給されるラベルシートにラベル画像とテストラベル画像とを印刷する。この印刷処理部38bは、例えば、画像データに基づいてレーザ光を照射して露光する露光部と、感光体ドラムと現像部と帯電部と感光体クリーニング部と1次転写ローラとを備え、CMYKの各色のトナー像を形成する画像形成部と、ローラによって回転され、画像形成部で形成されたトナー像をロール紙に搬送する中間転写体として機能する中間ベルトと、中間ベルト上に形成されたトナー像を用紙に転写する2次転写ローラと、ロール紙に転写されたトナー像を定着させる定着部などで構成される。
【0049】
巻き取り部38cは、印刷処理部38bで印刷済みのラベルシートをロール状に巻き取る。
【0050】
[後加工装置]
後加工装置40は、ラベル画像の型抜きを行う装置であり、
図12に示すように、制御部41、記憶部45、給紙部46、位置調整部47、加工処理部48などで構成される。
【0051】
制御部41は、CPU42とROM43やRAM44などのメモリとで構成され、CPU42は、ROM43や記憶部45に記憶した制御プログラムをRAM44に展開して実行することにより、後加工装置40全体の動作を制御する。
【0052】
記憶部45は、HDDやSSDなどで構成され、CPU42が各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報などを記憶する。
【0053】
給紙部46は、ロール状に巻き取られた印刷済みのラベルシートが装填可能に構成され、ラベルシートを加工処理部48に供給する。
【0054】
位置調整部47は、テストラベル画像に含まれるカギ括弧の図形などのマークを検知するセンサを備え、マークの検知結果に基づいて、ラベル画像を型抜きするための位置調整を行う。
【0055】
加工処理部48は、位置調整部47の位置調整結果に基づいて、給紙部46から供給されるラベルシートからラベル画像の型抜きを行う。また、必要に応じて、ラベル画像以外の不要な部分を取り除くカス上げを行う。
【0056】
なお、
図8乃至
図12は、本実施例の印刷システム10の一例であり、本実施例のラベル印刷制御が実現可能な限りにおいて、各装置の構成や制御は適宜変更可能である。例えば、
図9に示すように、画像形成装置30とは別にプリンタコントローラ60(制御装置)が設けられる場合は、プリンタコントローラ60の制御部を画像処理部、ジョブ処理部として機能させる(当該制御部のCPUにラベル印刷制御プログラムを実行させる)構成としてもよい。
【0057】
また、クライアント装置20が、画像形成装置30から装着されているロール紙の残量を取得可能な場合は、制御部21(アプリケーション21b)に、ラベル画像とテストラベル画像とを生成する処理を実行させ、制御部21(プリンタドライバ21c)に、ラベル画像及びテストラベル画像の配置を指定して、画像形成装置30に印刷を指示する印刷ジョブを生成する処理を実行させる構成としてもよい。その場合は、プリンタドライバ21cが、印刷ジョブで指示した数量のラベル画像及びテストラベル画像の印刷に必要な用紙長(第1の用紙長)を算出すると共に、画像形成装置30に装着されているロール紙に残存する用紙長(第2の用紙長)を取得し、第1の用紙長と第2の用紙長との比較結果に基づいて、印刷ジョブを画像形成装置30に装着されているロール紙で処理できるかを判断し、印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合は、印刷ジョブの終端で印刷予定のテストラベル画像を、少なくとも先に印刷されるロール紙に配置されるラベル画像の後に配置する制御を行えばよい。
【0058】
以下、本実施例の画像形成装置30(
図9の構成の場合はプリンタコントローラ60)の動作について説明する。CPU32は、ROM33又は記憶部35に記憶したラベル印刷制御プログラムをRAM34に展開して実行することにより、
図13のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。
【0059】
まず、制御部31(画像処理部31a)は、クライアント装置20から印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブをラスタライズしてラベル画像及びテストラベル画像を生成する(S101)。
【0060】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブを解析して各種算出処理を行う(S102)。具体的には、その印刷ジョブに含まれるラベル数(L)、テストラベル数(T)、ジョブ処理に必要な用紙長(A)、給紙部38aに現在装着されているロール紙の用紙長(B)を算出する。なお、ラベル数L及びテストラベル数Tは、印刷ジョブで指示されたラベル画像及びテストラベル画像の印刷数である。また、用紙長(A)は、ラベル数(L)のラベル画像及びテストラベル数(T)のテストラベル画像を所定の間隔で印刷するために必要な用紙長である。また、用紙長(B)は、装着されているロール紙の残量であり、予め設定された未使用のロール紙の長さから、印刷に使用された長さを減算した用紙長である。
【0061】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷可能か(すなわち、ジョブ処理に必要な用紙長(A)が現在装着されているロール紙の用紙長(B)以下であるか)を判断する(S103)。
【0062】
印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷可能な場合は(S103のYes)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、特別な処理をせずに、全てのラベル画像及びテストラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って、ラベル数(L)のラベル画像の後ろにテストラベル数(T)のテストラベル画像を印刷する(S104)。例えば、100個のラベル画像(100〜1)と2個のテストラベル画像(TEST)とを印刷する場合、
図1に示すように、100、99、98、…、3、2、1、TEST、TESTの順に印刷する。
【0063】
一方、印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷できない場合は(S103のNo)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブが複数ロールに分かれてしまうため、現在装着されているロール紙に印刷可能なラベル数(C)を算出する(S105)。ここで、従来は、
図3に示すように、先に印刷されるロール紙にC枚のラベル画像を印刷していたが、本実施例では、現ロールの印刷後、直ちに後加工装置40での型抜きができるように、制御部31(ジョブ処理部31b)は、C−T枚のラベル印刷及びT枚のテストラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って印刷処理を実行する(S106)。例えば、上記と同様に、100個のラベル画像(100〜1)と2個のテストラベル画像(TEST)とを印刷する場合において、現ロールで70枚の印刷が可能な場合は、テストラベル画像を印刷ジョブの終端から1ロール目の終端に移動させ、
図4に示すように、現ロール(1ロール目)に100、99、98、…、33、TEST、TESTの順に印刷する。
【0064】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、表示操作部37などにロール紙の交換を促す警告を表示させ、ユーザにロール紙を交換させる(S107)。なお、給紙部38aがロール紙の交換機能を備える場合は、制御部31(ジョブ処理部31b)は給紙部38aにロール紙の交換を指示すればよい。そして、ロール紙の交換後、制御部31(ジョブ処理部31b)は、残り(L−(C−T)枚)のラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って印刷処理を実行する(S108)。例えば、
図4に示すように、交換後のロール紙(2ロール目)に32、31、30、…、3、2、1の順に印刷する。
【0065】
なお、上記では、印刷ジョブが複数ロールに分かれる場合にテストラベル画像の配置を変更したが、複数ロールの印刷完了後に型抜きを行う場合は、最後に印刷したロール紙から型抜きを行えば、テストラベル画像の配置を変更する必要がない。そこで、1ロール目の印刷完了後すぐに(2ロール目の印刷完了を待たずに)型抜きを行うか否かを表示操作部37などで設定可能にし、その設定に応じて、テストラベル画像を1ロール目へ移動するかしないを制御することもできる。例えば、2ロール目の印刷完了前に、1ロール目の型抜きを行いたい場合はテストラベル画像を移動するように制御し、2ロールとも印刷が完了してから型抜きを行う場合はテストラベル画像を移動せずに、2ロール目から型抜きを行うようにしてもよい。
【0066】
このように、印刷ジョブの印刷開始前にロール紙の残量を確認し、印刷ジョブを複数のロール紙に分割して処理する必要があると判断した場合には、印刷ジョブの終端で印刷予定であった位置合わせ用画像73(テストラベル画像)を、1ロール目の終端(1ロール目に配置されるラベル画像の後ろ)に配置することにより、1ロール目の印刷が完了した時点で、後加工装置40で型抜き処理を開始することが可能となり、ジョブ処理の時間短縮を図ることができる。
【実施例2】
【0067】
次に、本発明の第2の実施例に係る画像形成装置、ラベル印刷制御プログラム及びラベル印刷制御方法について、
図14を参照して説明する。
図14は、本実施例の画像形成装置の動作を示すフローチャート図である。
【0068】
前記した第1の実施例では、同じラベル画像を繰り返し印刷する場合について記載したが、印刷ジョブが、シリアル番号や個人名などの個々に異なるデータで構成されるバリアブル印刷ジョブの場合は、型抜き後のラベルが順番通りになるようにする必要がある。そこで、本実施例では、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブが、ラベル画像の順番が指定されるバリアブル印刷ジョブであるかを判断し、バリアブル印刷ジョブの場合は、順番通りにラベル画像の型抜きが行われるように、各々のロール紙に印刷するラベル画像の印刷順を変更する処理を行う。
【0069】
以下、本実施例の画像形成装置30(
図9の構成の場合はプリンタコントローラ60)の動作について説明する。CPU32は、ROM33又は記憶部35に記憶したラベル印刷制御プログラムをRAM34に展開して実行することにより、
図14のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。
【0070】
まず、制御部31(画像処理部31a)は、クライアント装置20から印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブをラスタライズしてラベル画像及びテストラベル画像を生成する(S201)。
【0071】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブを解析して各種算出処理を行う(S202)。具体的には、その印刷ジョブに含まれるラベル数(L)、テストラベル数(T)、ジョブ処理に必要な用紙長(A)、給紙部38aに現在装着されているロール紙の用紙長(B)を算出する。
【0072】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷可能か(ジョブ処理に必要な用紙長(A)が現在装着されているロール紙の用紙長(B)以下であるか)を判断する(S203)。
【0073】
印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷可能な場合は(S203のYes)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、特別な処理をせずに、全てのラベル画像及びテストラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って、ラベル数(L)のラベル画像の後ろにテストラベル数(T)のテストラベル画像を印刷する(S204)。
【0074】
一方、印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷できない場合は(S203のNo)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷が複数ロールに分かれてしまうため、現在装着されているロール紙に印刷可能なラベル数(C)を算出する(S205)。
【0075】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブがバリアブル印刷ジョブの場合など、1ロール目に1番目のラベル画像から順に印刷したいと設定されているかを判断し(S206)、Yesの場合は、S205で算出したラベル数(C)に応じて印刷ラベル順を変更する(S207)。そして、制御部31(ジョブ処理部31b)は、C−T枚のラベル画像及びT枚のテストラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って印刷処理を実行する(S208)。例えば、100個のラベル画像(100〜1)と2個のテストラベル画像(TEST)とを印刷する場合において、現ロールで70枚の印刷が可能な場合は、テストラベル画像をジョブの終端から1ロール目の終端に移動させ、S206がYesの場合は、印刷ラベル順を変更して、
図5に示すように、現ロール(1ロール目)に68、67、66、…、3、2、1、TEST、TESTの順に印刷する。なお、S206がNoの場合は、第1の実施例と同様に、
図4に示すように、現ロール(1ロール目)に100、99、98、…、33、TEST、TESTの順に印刷する。
【0076】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、表示操作部37などにロール紙の交換を促す警告を表示させ、ユーザにロール紙を交換させる(S209)。なお、給紙部38aがロール紙の交換機能を備える場合は、上記と同様に、制御部31(ジョブ処理部31b)は給紙部38aにロール紙の交換を指示すればよい。そして、ロール紙の交換後、制御部31(ジョブ処理部31b)は、残り(L−(C−T)枚)のラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って印刷処理を実行する(S210)。例えば、S206がYesの場合は、
図5に示すように、交換後のロール紙(2ロール目)に100、99、98、…、71、70、69の順に印刷し、S206がNoの場合は、
図4に示すように、交換後のロール紙(2ロール目)に32、31、30、…、3、2、1の順に印刷する。
【0077】
このように、印刷ジョブがバリアブル印刷ジョブの場合に、ラベルの順番を入れ替えて印刷することにより、後加工装置40では、1番目から順番通りに型抜きを行うことができ、後でラベルの順番を変更する手間を省くことができる。
【実施例3】
【0078】
次に、本発明の第3の実施例に係る画像形成装置、ラベル印刷制御プログラム及びラベル印刷制御方法について、
図15を参照して説明する。
図15は、本実施例の画像形成装置の動作を示すフローチャート図である。
【0079】
前記した第1の実施例では、印刷ジョブが複数のロール紙に分割される場合に、現ロールの終端にテストラベルを移動させて印刷を行ったが、後加工装置40で複数のロール紙を別々に型抜きする場合は、交換後のロール紙の終端にもテストラベル画像が印刷されることが好ましい。そこで、本実施例では、制御部31(ジョブ処理部31b)は、複数のロール紙の各々にテストラベル画像を印刷するか否かを表示操作部37などで設定可能にし、複数のロール紙の各々にテストラベル画像を印刷する設定の場合は、テストラベル画像を、後に印刷されるロール紙に配置されるラベル画像の後にも配置するようにする。
【0080】
以下、本実施例の画像形成装置30(
図9の構成の場合はプリンタコントローラ60)の動作について説明する。CPU32は、ROM33又は記憶部35に記憶したラベル印刷制御プログラムをRAM34に展開して実行することにより、
図15のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。
【0081】
まず、制御部31(画像処理部31a)は、クライアント装置20から印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブをラスタライズしてラベル画像及びテストラベル画像を生成する(S301)。
【0082】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブを解析して各種算出処理を行う(S302)。具体的には、その印刷ジョブに含まれるラベル数(L)、テストラベル数(T)、ジョブ処理に必要な用紙長(A)、給紙部38aに現在装着されているロール紙の用紙長(B)を算出する。
【0083】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷可能か(ジョブ処理に必要な用紙長(A)が現在装着されているロール紙の用紙長(B)以下であるか)を判断する(S303)。
【0084】
印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷可能な場合は(S303のYes)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、特別な処理をせずに、全てのラベル画像及びテストラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って、ラベル数(L)のラベル画像の後ろにテストラベル数(T)のテストラベル画像を印刷する。
【0085】
一方、印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷できない場合は(S303のNo)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブが複数ロールに分かれてしまうため、現在装着されているロール紙に印刷可能なラベル数(C)を算出する(S305)。そして、制御部31(ジョブ処理部31b)は、C−T枚のラベル画像及びT枚のテストラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って印刷処理を実行する(S306)。例えば、上記と同様に、100個のラベル画像(100〜1)と2個のテストラベル画像(TEST)とを印刷する場合において、現ロールで70枚の印刷が可能な場合は、
図4及び
図6に示すように、現ロール(1ロール目)に100、99、98、…、33、TEST、TESTの順に印刷する。
【0086】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、表示操作部37などにロール紙の交換を促す警告を表示させ、ユーザにロール紙を交換させる(S307)。なお、給紙部38aがロール紙の交換機能を備える場合は、上記と同様に、制御部31(ジョブ処理部31b)は給紙部38aにロール紙の交換を指示すればよい。
【0087】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、2ロール目の終端にもテストラベル画像を配置する設定になっているかを判断し(S308)、2ロール目の終端にもテストラベルを配置する設定になっている場合は(S308のYes)、残り(L−(C−T)枚)のラベル画像及びT枚のテストラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って印刷処理を実行する(S309)。例えば、
図6に示すように、交換後のロール紙(2ロール目)に32、31、30、…、3、2、1、TEST、TESTの順に印刷する。一方、2ロール目の終端にはテストラベルを配置しない設定になっている場合は(S308のNo)、残り(L−(C−T)枚)のラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って印刷処理を実行する(S310)。例えば、
図4に示すように、交換後のロール紙(2ロール目)に32、31、30、…、3、2、1の順に印刷する。
【0088】
このように、印刷ジョブが複数ロールに分かれる場合に、1ロール目の終端に位置合わせ用画像73(テストラベル画像)を移動させるか、元々のジョブの終端にも位置合わせ用画像73(テストラベル画像)を残すかを選択できるようにすることにより、後加工装置40にロール紙をセットする毎に、必ず位置調整が必要となる場合であっても、位置調整が可能となる。
【実施例4】
【0089】
次に、本発明の第4の実施例に係る画像形成装置、ラベル印刷制御プログラム及びラベル印刷制御方法について、
図16及び
図17を参照して説明する。
図16は、本実施例の画像形成装置の動作を示すフローチャート図であり、
図17は、本実施例の複数ロールに分割して印刷する場合の各々のロール紙に印刷するラベル数と型抜き完了時間を示す模式図である。
【0090】
前記した第1乃至第3の実施例では、1台の後加工装置40を用いて型抜きを行う場合について説明したが、複数台の後加工装置40を用いて型抜きを行う場合、先に印刷が完了するロール紙と後で印刷が完了するロール紙の双方に対して同時に後抜きを行うことができるが、各ロールのラベル数によって後加工装置40の型抜き完了時間が異なるため、効率的に印刷ジョブを処理することができない場合が生じる。そこで、本実施例では、制御部31(ジョブ処理部31b)は、複数の後加工装置40での型抜きの終了タイミングを一致させるか否かを表示操作部37などで選択可能にし、型抜きの終了タイミングが一致するように、各々のロール紙に配置するラベル画像の数量を調整するようにする。
【0091】
以下、本実施例の画像形成装置30(
図9の構成の場合はプリンタコントローラ60)の動作について説明する。CPU32は、ROM33又は記憶部35に記憶したラベル印刷制御プログラムをRAM34に展開して実行することにより、
図16のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。なお、以下では、2台の後加工装置40に型抜き処理を実行させる場合について説明する。
【0092】
まず、制御部31(画像処理部31a)は、クライアント装置20から印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブをラスタライズしてラベル画像及びテストラベル画像を生成する(S401)。
【0093】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブを解析して各種算出処理を行う(S402)。具体的には、その印刷ジョブに含まれるラベル数(L)、テストラベル数(T)、ジョブ処理に必要な用紙長(A)、給紙部38aに現在装着されているロール紙の用紙長(B)を算出する。
【0094】
次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷可能か(ジョブ処理に必要な用紙長(A)が現在装着されているロール紙の用紙長(B)以下であるか)を判断する(S403)。
【0095】
印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷可能な場合は(S403のYes)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、特別な処理をせずに、全てのラベル画像及びテストラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って、ラベル数(L)のラベル画像の後ろにテストラベル数(T)のテストラベル画像を印刷する。
【0096】
一方、印刷ジョブが現在装着されているロール紙で印刷できない場合は(S403のNo)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、後加工装置2台の型抜き終了タイミングを同時にしたい設定になっているか否かを判断する(S405)。型抜き終了タイミングを同時にしたい設定になっている場合は(S405のYes)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、2台の後加工装置40で、同時に型抜きが完了するように、適切なラベル数(C)を算出する(S406)。一方、型抜き終了タイミングを同時にしたい設定になっていない場合は(S405のNo)、制御部31(ジョブ処理部31b)は、現在装着されているロール紙に印刷可能なラベル数(C)を算出する(S407)。
【0097】
例えば、S406では、画像形成装置30の処理速度をX、後加工装置40の処理速度をYとして、1ロール目に印刷すべき枚数(C)を下記式にて算出する。
【0098】
C=印刷ジョブのラベル数×(1+Y/X)/(2+Y/X) … (1)
【0099】
例えば、
図17に示すように、ラベル数が600枚(テストラベルを含む)、画像形成装置30の処理速度が100ppm、後加工装置40の処理速度が50ppmの場合、
600×(1+50/100)/(2+50/100)=360枚
が1ロール目に印刷する枚数であり、2ロール目は240枚となる。そして、上記で算出した1ロール目に印刷すべき枚数をCとする。なお、算出した枚数が1ロール目の残量よりも多い場合は、型抜き処理を同時に完了させることができないため、S407と同じ枚数をCとする。
【0100】
その後、制御部31(ジョブ処理部31b)は、C−T枚のラベル画像及びT枚のテストラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って印刷処理を実行する(S408)。次に、制御部31(ジョブ処理部31b)は、表示操作部37などにロール紙の交換を促す警告を表示させ、ユーザにロール紙を交換させる(S409)。なお、給紙部38aがロール紙の交換機能を備える場合は、上記と同様に、制御部31(ジョブ処理部31b)は給紙部38aにロール紙の交換を指示すればよい。そして、ロール紙の交換後、制御部31(ジョブ処理部31b)は、残り(L−(C−T)枚)のラベル画像の印刷を指示し、印刷処理部38bは、指示に従って印刷処理を実行する(S410)。
【0101】
このように、印刷システムに複数の後加工装置40が含まれ、複数のロール紙に対する型抜きを複数の後加工装置40で行う場合は、複数の後加工装置40での型抜きの終了タイミングが一致するように、各々のロール紙に配置するラベル画像の数量を調整することにより、型抜きの時間も含めた印刷ジョブの処理時間の短縮を図ることができる。
【0102】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0103】
例えば、第1の実施例では、先に印刷されるロール紙の終端に位置合わせ用画像(テストラベル画像)を配置する場合について記載し、第2の実施例では、印刷ジョブがバリアブル印刷ジョブの場合について記載し、第3の実施例では、後に印刷されるロール紙の終端にも位置合わせ用画像(テストラベル画像)を配置する場合について記載し、第4の実施例では、複数の後加工装置40での型抜きの終了タイミングを一致させる場合について記載したが、これらの実施例の制御は任意に組み合わせることができる。
【0104】
また、上記各実施例では、印刷ジョブを2ロールに分割して処理する場合について記載したが、3ロール以上に分割して処理する場合に対しても、本発明のラベル印刷制御方法を同様に適用することができる。
【0105】
また、上記各実施例では、ロール紙の終端に2つの位置合わせ用画像(テストラベル画像)を配置する場合について記載したが、配置する位置合わせ用画像の数量は1つ以上であればよい。また、位置合わせ用画像の構成や形状は図の記載に限定されない。