特開2018-202886(P2018-202886A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202886(P2018-202886A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】車両の下部構造体
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20181130BHJP
   B60K 1/04 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B62D25/20 G
   B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-106655(P2017-106655)
(22)【出願日】2017年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】露崎 匠
(72)【発明者】
【氏名】今村 壮吾
(72)【発明者】
【氏名】小澤 裕之
(72)【発明者】
【氏名】吉永 圭太
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203AA31
3D203BB06
3D203BB12
3D203BB22
3D203CA25
3D203CA52
3D203CA55
3D203CA68
3D203CB03
3D203CB09
3D203CB19
3D203DB05
3D235AA01
3D235BB19
3D235CC15
3D235DD35
3D235EE63
3D235FF07
3D235FF09
3D235FF12
(57)【要約】
【課題】バッテリクロスメンバの車幅方向の略中央領域に前後方向に連通する凹部を構成しつつも、製造コストの高騰を招くことなく車幅方向の充分な剛性を確保することができる車両の下部構造体を提供する。
【解決手段】バッテリクロスメンバ45は、略ハット型断面の左右の側部メンバ45Sと中央メンバ45Cとを有している。中央メンバ45Cの上面が左右の側部メンバ45Sの上面よりも低く形成され、中央メンバ45Cの上面と左右の側部メンバ45Sの車幅方向内側の端部とによって前後方向に連通する凹部43が構成されている。左右の側部メンバ45Sは、それぞれが上方のフロアクロスメンバ35に結合されるとともに、フロアクロスメンバ35との結合部の下方近傍において中央メンバ45Cと結合されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の左右の側部に配置され、車体の前後方向に略沿って延出する一対のサイドシルと、
一対の前記サイドシルに架設されたフロアパネルと、
前記フロアパネルの下方に配置され、内部にバッテリが収納されるとともに左右の端縁が一対の前記サイドシルに架設されたバッテリケースと、
前記バッテリケースに設けられ、車幅方向に略沿って延出するバッテリクロスメンバと、
車幅方向に略沿って延出し、前記フロアパネルに結合されるとともに両端部が一対の前記サイドシルに架設されたフロアクロスメンバと、を備え、
前記バッテリクロスメンバは、車幅方向の左右に配置される左右の側部メンバと、車幅方向の略中央に配置される中央メンバと、を有し、各前記側部メンバと前記中央メンバの断面が略ハット型の断面形状に形成され、
前記中央メンバの上面が左右の前記側部メンバの上面よりも低く形成され、前記中央メンバの上面と左右の前記側部メンバの車幅方向内側の端部とによって車体の前後方向に連通する凹部が構成され、
左右の前記側部メンバは、それぞれが上方の前記フロアクロスメンバに結合されるとともに、前記フロアクロスメンバとの結合部の下方近傍において前記中央メンバと結合されていることを特徴とする車両の下部構造体。
【請求項2】
左右の各前記側部メンバには、当該側部メンバの略ハット型断面の前壁、上壁、後壁の少なくとも三面に固定される一対の隔壁部材が設けられ、
一対の前記隔壁部材は、各前記側部メンバの延出方向のうちの、前記フロアクロスメンバとの結合部の前後位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両の下部構造体。
【請求項3】
前記中央メンバは、前記隔壁部材の下方領域において、左右の各前記側部メンバと結合されていることを特徴とする請求項2に記載の車両の下部構造体。
【請求項4】
左右の前記側部メンバの前記フロアクロスメンバとの結合部は、前記側部メンバの上壁に締結されるスタッドボルトが用いられ、
一対の前記隔壁部材は、各前記側部メンバの延出方向のうちの、前記スタッドボルトの突設位置の前後に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両の下部構造体。
【請求項5】
前記バッテリケースは、前記バッテリと前記バッテリクロスメンバが内部に配置され、上方側が開口するケース本体と、前記ケース本体の開口を閉塞するケースカバーと、を備え、
前記スタッドボルトは、ねじ部を前記ケースカバーの上方に突出させて当該ねじ部で前記フロアクロスメンバ側に締結固定され、
前記スタッドボルトの胴部は、弾性シール部材を介して前記ケースカバーの貫通孔に保持されていることを特徴とする請求項4に記載の車両の下部構造体。
【請求項6】
前記フロアクロスメンバは、挿通孔を有するブラケットが内部に取り付けられるとともに、上壁に前記挿通孔に対向する作業孔が設けられており、
前記挿通孔から上方に突出した前記スタッドボルトの前記ねじ部には、前記作業孔を通してナットが締結固定されていることを特徴とする請求項5に記載の車両の下部構造体。
【請求項7】
左右の各前記側部メンバの車幅方向内側の端縁と前記中央メンバには、各前記側部メンバの下面と前記中央メンバの上面の間の隙間をほぼ閉塞する補助隔壁部材が結合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の下部構造体。
【請求項8】
前記バッテリクロスメンバは、前壁の下縁から前方に張り出す前方張り出し座と、後壁の下縁から後方に張り出す後方張り出し座と、を備え、
前記バッテリケースの底壁の上面側に前記前方張り出し座と前記後方張り出し座が配置される一方で、前記底壁の下面側に下面補強部材が配置され、前記前方張り出し座と前記後方張り出し座が前記底壁を間に挟み込んだ状態で前記下面補強部材に結合されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両の下部構造体。
【請求項9】
前記下面補強部材は、前記底壁の下面に、車幅方向に略沿って延出するように結合され、
前記底壁の下面には、さらに車体の前後方向に略沿って延出する別の下面補強部材が結合されていることを特徴とする請求項8に記載の車両の下部構造体。
【請求項10】
左右の前記側部メンバの上面に架け渡される荷重伝達プレートをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両の下部構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の下部構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の下部構造体として、車体左右のサイドシルの間に、複数のバッテリを収容するバッテリケースが架設されたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の車両の下部構造体は、フロアパネルの下方に配置されるバッテリケースが左右のサイドシルに架設されている。バッテリケースの内部には、車幅方向に沿って延出するバッテリクロスメンバが結合されている。バッテリクロスメンバは、車幅方向に略沿って延出してバッテリケースの周壁や底壁に結合されている。バッテリクロスメンバは、サイドシルに側方から衝撃荷重が入力されたときに、車幅方向内側に空間部を確保しつつ、入力荷重を車幅方向内側に伝達するように機能する。バッテリクロスメンバは、車幅方向に亘って略一定断面に形成されている。
【0004】
ところで、バッテリケース内にバッテリクロスメンバが架設される車両においては、バッテリクロスメンバの上部に配線ケーブル等の部材を挿通するための凹部を設けることが望まれることがある。特許文献2には、このような要望に応えることができる車両の下部構造体が記載されている。
【0005】
特許文献2に記載の車両の下部構造体は、バッテリクロスメンバが、バッテリケースの左右の側壁に架設されるロアメンバと、そのロアメンバの上部に結合されるアッパメンバと、を備えている。アッパメンバは、車幅方向の中央領域で二つのブロックに分割され、二つのブロックが左右方向に離間した状態でロアメンバの上部に結合されている。これにより、アッパメンバの二つのブロックの間に配線ケーブル等の挿通が可能な凹部が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5880086号公報
【特許文献2】米国特許第8336658号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載の下部構造体は、アッパメンバとロアメンバが肉厚の厚いの金属の押出し成形品によって構成されているため、車体側方からの衝撃荷重を受け止める充分な剛性を比較的容易に確保することができる。しかし、特許文献2に記載の下部構造体のようにバッテリクロスメンバの主要部を押出し成形品によって構成した場合、製造コストが高騰することが懸念される。
【0008】
そこで本発明は、バッテリクロスメンバの車幅方向の略中央領域に前後方向に連通する凹部を構成しつつも、製造コストの高騰を招くことなく車幅方向の充分な剛性を確保することができる車両の下部構造体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る車両の下部構造体は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車両の下部構造体は、車体の左右の側部に配置され、車体の前後方向に略沿って延出する一対のサイドシル(例えば、実施形態のサイドシル14)と、一対の前記サイドシルに架設されたフロアパネル(例えば、実施形態のフロアパネル16)と、前記フロアパネルの下方に配置され、内部にバッテリが収納されるとともに左右の端縁が一対の前記サイドシルに架設されたバッテリケース(例えば、実施形態のバッテリケース28)と、前記バッテリケースに設けられ、車幅方向に略沿って延出するバッテリクロスメンバ(例えば、実施形態のバッテリクロスメンバ45)と、車幅方向に略沿って延出し、前記フロアパネルに結合されるとともに両端部が一対の前記サイドシルに架設されたフロアクロスメンバ(例えば、実施形態のフロアクロスメンバ35)と、を備え、前記バッテリクロスメンバは、車幅方向の左右に配置される左右の側部メンバ(例えば、実施形態の側部メンバ45S)と、車幅方向の略中央に配置される中央メンバ(例えば、実施形態の中央メンバ45C)と、を有し、各前記側部メンバと前記中央メンバの断面が略ハット型の断面形状に形成され、前記中央メンバの上面が左右の前記側部メンバの上面よりも低く形成され、前記中央メンバの上面と左右の前記側部メンバの車幅方向内側の端部とによって車体の前後方向に連通する凹部(例えば、実施形態の凹部43)が構成され、左右の前記側部メンバは、それぞれが上方の前記フロアクロスメンバに結合されるとともに、前記フロアクロスメンバとの結合部の下方近傍において前記中央メンバと結合されていることを特徴とする。
【0010】
上記の構成により、バッテリクロスメンバは、比較的単純な形状の左右の側部メンバと中央メンバを主要素として構成される。このため、左右の側部メンバと中央メンバをプレス成形品等によって容易に形成することができる。また、中央メンバの上面と左右の側部メンバの端部とにより凹部が構成されるため、その凹部を配線ケーブル等の挿通溝として利用することができる。
また、左右の側部メンバがフロアクロスメンバとの結合部の下方近傍において中央メンバと結合されているため、車体側方からサイドシルを通して側部メンバに衝撃荷重が入力されたときに、その入力荷重をフロアクロスメンバと中央メンバとに分散させて支持させることができる。したがって、この構成を採用した場合には、低コストでの製造が可能なバッテリクロスメンバを採用しながらも、サイドシルからの衝撃荷重の入力時に、バッテリクロスメンバが中央領域で屈曲するのを抑制することができる。
【0011】
左右の各前記側部メンバには、当該側部メンバの略ハット型断面の前壁(例えば、実施形態の前壁37f)、上壁(例えば、実施形態の上壁37u)、後壁(例えば、実施形態の後壁37r)の少なくとも三面に固定される一対の隔壁部材(例えば、実施形態の第1隔壁部材58、第2隔壁部材59)が設けられ、一対の前記隔壁部材は、各前記側部メンバの延出方向のうちの、前記フロアクロスメンバとの結合部の前後位置に設けられるようにしても良い。
【0012】
この場合、各側部メンバのフロアクロスメンバとの結合部の前後位置の断面が隔壁部材によって強固に補強されるため、車体側方から側部メンバに衝撃荷重が入力されたときに、側部メンバの断面がフロアクロスメンバとの結合部の近傍で潰れるのを抑制することができる。
【0013】
前記中央メンバは、前記隔壁部材の下方領域において、左右の各前記側部メンバと結合されるようにしても良い。
【0014】
この場合、中央メンバと左右の各側部メンバが結合されて構成された閉断面が各隔壁部材によって内部を補強されることになるため、側部メンバの断面の潰れをより有効に抑制することができる。
【0015】
左右の前記側部メンバの前記フロアクロスメンバとの結合部は、前記側部メンバの上壁に締結されるスタッドボルト(例えば、実施形態のスタッドボルト46)が用いられ、一対の前記隔壁部材は、各前記側部メンバの延出方向のうちの、前記スタッドボルトの突設位置の前後に設けられるようにしても良い。
【0016】
この場合、上下方向に離間したフロアクロスメンバと左右の側部メンバをスタッドボルトによって容易に結合することができる。また、左右の側部メンバのスタッドボルトの締結部における断面の潰れは、中央メンバと側部メンバによる閉断面と隔壁部材によって抑制される。
【0017】
前記バッテリケースは、前記バッテリと前記バッテリクロスメンバが内部に配置され、上方側が開口するケース本体(例えば、実施形態のケース本体28A)と、前記ケース本体の開口を閉塞するケースカバー(例えば、実施形態のケースカバー28B)と、を備え、前記スタッドボルトは、ねじ部(例えば、実施形態のねじ部46c)を前記ケースカバーの上方に突出させて当該ねじ部で前記フロアクロスメンバ側に締結固定され、前記スタッドボルトの胴部(例えば、実施形態の胴部46a)は、弾性シール部材(例えば、実施形態の弾性シール部材56)を介して前記ケースカバーの貫通孔(例えば、実施形態の貫通孔57)に保持されるようにしても良い。
【0018】
この場合、スタッドボルトの胴部がケースカバーの貫通孔に弾性シール部材を介して保持されるため、スタッドボルトに対するフロアクロスメンバの締結作業時に、ケースカバーの上方に突出したねじ部の位置や方向を微調整することができる。このため、この構成を採用した場合には、スタッドボルトに対するフロアクロスメンバの締結作業性が良好になる。また、ケースカバーの貫通孔からバッテリケース内への水の浸入を弾性シール部材によって抑制することができる。
【0019】
前記フロアクロスメンバは、挿通孔(例えば、実施形態の挿通孔48a)を有するブラケット(例えば、実施形態のブラケット48)が内部に取り付けられるとともに、上壁に前記挿通孔に対向する作業孔(例えば、実施形態の作業孔55)が設けられており、前記挿通孔から上方に突出した前記スタッドボルトの前記ねじ部には、前記作業孔を通してナット(例えば、実施形態のナット49)が締結固定されるようにしても良い。
【0020】
この場合、フロアクロスメンバの剛性がブラケットによって高められる。また、フロアクロスメンバには、ブラケットの挿通孔に対向する作業孔が設けられているため、その作業孔を通してスタッドボルトのねじ部に対するナットの締め込み作業を容易に行うことができる。
【0021】
左右の各前記側部メンバの車幅方向内側の端縁と前記中央メンバには、各前記側部メンバの下面と前記中央メンバの上面の間の隙間をほぼ閉塞する補助隔壁部材(例えば、実施形態の補助隔壁部材60)が結合されるようにしても良い。
【0022】
この場合、左右の各側部メンバの車幅方向内側の端縁の断面の潰れを補助隔壁部材によって抑制し、バッテリクロスメンバの剛性をより高めることができる。また、左右の各側部メンバの車幅方向内側の端縁と中央メンバの間の隙間が補助隔壁部材によってほぼ閉塞されるため、左右の各側部メンバの車幅方向内側の端部から側部メンバの内部への異物の進入を抑制することができる。
【0023】
前記バッテリクロスメンバは、前壁(例えば、実施形態の前壁37f,40f)の下縁から前方に張り出す前方張り出し座(例えば、実施形態の前方張り出し座38,41)と、後壁(例えば、実施形態の後壁37f,40f)の下縁から後方に張り出す後方張り出し座(例えば、実施形態の後方張り出し座39,42)と、を備え、前記バッテリケースの底壁(例えば、実施形態の底壁28Aa)の上面側に前記前方張り出し座と前記後方張り出し座が配置される一方で、前記底壁の下面側に下面補強部材(例えば、実施形態の下面補強部材61)が配置され、前記前方張り出し座と前記後方張り出し座が前記底壁を間に挟み込んだ状態で前記下面補強部材に結合されるようにしても良い。
【0024】
この場合、バッテリケースの底壁を間に挟み込んだ状態において、バッテリクロスメンバの前方張り出し座と後方張り出し座が下面補強部材に結合されるため、バッテリクロスメンバの前後の下端を高い剛性を持ってバッテリケースに支持させることができる。
【0025】
前記下面補強部材は、前記底壁の下面に、車幅方向に略沿って延出するように結合され、前記底壁の下面には、さらに車体の前後方向に略沿って延出する別の下面補強部材(例えば、実施形態の下面補強部材62)が結合されるようにしても良い。
【0026】
この場合、バッテリケースの底壁が、車幅方向に略沿って延出する下面補強部材と、車体の前後方向に略沿って延出する別の下面補強部材によって補強されるため、バッテリケースの底壁全体の剛性を高めることができる。
【0027】
左右の前記側部メンバの上面に架け渡される荷重伝達プレート(例えば、実施形態の荷重伝達プレート63)をさらに備えるようにしても良い。
【0028】
この場合、バッテリクロスメンバの車幅方向中央領域の屈曲剛性を荷重伝達プレートによって効率良く高めることができる。また、左右の側部メンバの上面に荷重伝達プレートを架け渡すだけで、バッテリクロスメンバの屈曲剛性を効率良く高めることができるため、部材補強のため製造コストの高騰を抑制することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、バッテリクロスメンバが略ハット型断面の左右の側部メンバと中央メンバとを有し、中央メンバの上面が左右の側部メンバの上面よりも低く形成され、中央メンバの上面と左右の側部メンバの車幅方向内側の端部とによって凹部が構成されているため、凹部を配線ケーブル等の挿通溝として使用することができるとともに、バッテリクロスメンバの主要部を低コストでの製造が可能なプレス成形品等によって構成することができる。
また、本発明によれば、バッテリクロスメンバの左右の各側部メンバが上方のフロアクロスメンバに結合されるとともに、その各結合部の下方近傍で中央メンバに結合されているため、車幅方向の略中央領域に前後方向に連通する凹部を持つ構造を採用しつつも、車幅方向の充分な剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態の車両の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の一部部品を取り去った平面図である。
図3】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図2のIII−III線に沿う断面図である。
図4】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図3のIV部の拡大図である。
図5】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図3のV−V線に沿う部分で一部断面にした斜視図である。
図6】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図3のVI−VI線に沿う部分で一部断面にした斜視図である。
図7】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図3のVII−VII線に沿う部分で一部断面にした斜視図である。
図8】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の一部の斜視図である。
図9】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図6のIX部と同部分の拡大断面図である。
図10】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の斜視図である。
図11】本発明の他の実施形態の車両の下部構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図面において、矢印FRは車両の前方、矢印UPは車両の上方、矢印LHは車両の左側方を指すものとする。
【0032】
図1は、本実施形態に係る車両10の骨格部を後部左斜め上方から見た図であり、図2は、車両10の下部構造体12を上方から見た図である。また、図3は、下部構造体12を図2のIII−III線に沿って断面にした図である。
下部構造体12は、車両10の下部側に位置される構造体であり、車体下端側の左右側部に配置されて、車体の略前後方向に沿って延出する一対のサイドシル14を含む構造体である。
下部構造体12は、前記一対のサイドシル14と、車幅方向の両端部が左右のサイドシル14に架設されたフロアパネル16と、フロアパネル16の上面側に配置された複数のフロアクロスメンバ34,35,36(車体側クロスメンバ)と、フロアパネル16の下方側で左右のサイドシル14に架設されたバッテリケース28(図3参照)と、バッテリケース28の内部に設けられた複数のバッテリクロスメンバ45と、を備えている。本実施形態の場合、前2つのフロアクロスメンバ34,35には、車室内に設置されるドライバシート31とパッセンジャシート32の各前後の設置部が取り付けられるようになっている。
【0033】
フロアクロスメンバ34,35,36は、いずれも車幅方向に略沿って延出し、延出方向の両端部が左右のサイドシル14に結合されている。フロアクロスメンバ34,35,36同士は、車体前後方向に離間して配置されている。
【0034】
図10は、バッテリケース28と、バッテリケース28の外部に取り付けられる周辺部品を前部左斜め下方から見た図である。
図3図10に示すように、バッテリケース28は、上方側に開口するケース本体28Aと、ケース本体28Aの上部の開口を閉塞するケースカバー28Bと、を備えている。ケース本体28Aは、平面視が略矩形状の底壁28Aaと、底壁28Aaの周域から上方に立ち上がる周壁28Abと、を備えている。周壁28Abのうちの左右の側端部から上方に立ち上がる部分を、以下ではケース側壁50と呼ぶ。
【0035】
バッテリケース28の内部には、複数のバッテリ51(図6図7参照)と、バッテリケース28内を前後で仕切るように車幅方向に略沿って延出する複数のバッテリクロスメンバ45が配置されている。本実施形態の場合、バッテリクロスメンバ45は3つ設けられいる。各バッテリクロスメンバ45は、フロアパネル16上のフロアクロスメンバ34,35,36の直下位置に配置されている。3つのフロアクロスメンバ34,35,36とバッテリクロスメンバ45は略平行に配置されている。
各フロアクロスメンバ34,35,36と、それぞれに対応するバッテリクロスメンバ45を含む各断面(車両の前後方向と略直交する断面)は、ほぼ同様の構造とされている。このため、以下では、前後方向の中央のフロアクロスメンバ35とその下方のバッテリクロスメンバ45を含む断面を代表として下部構造体12の断面構造について説明する。
【0036】
ケース本体28Aのケース側壁50の外側面には、図3図10に示すように、車体前後方向に略沿って延出する角筒状のケースフレーム52が結合されている。ケースフレーム52は、ケース本体28Aのケース側壁50に接合される内側の側壁52aの下端が車幅方向内側に屈曲し、その屈曲部の先に延長片52bが設けられている。延長片52bは、ケース本体28Aの底壁28Aaの下面に重ねられ、その底壁28Aaの下面に接合されている。
【0037】
また、ケースフレーム52の車幅方向外側には、ケースフレーム52の下部領域から車幅方向外側に膨出する取付フレーム53が結合されている。取付フレーム53は、ケースフレーム52に結合された状態において、ケースフレーム52の外側の側壁とともに横長の矩形断面を形成している。この矩形断面は車体前後方向に略沿って延出している。取付フレーム53は、左右のサイドシル14の内側下面に重ねられ、締結部材54によってサイドシル14の下面に結合されている。
【0038】
また、取付フレーム53の下壁はケースフレーム52の下面に接合されており、その下壁の先端部には、ケース本体28Aの底壁28Aaの下面側に回り込むように延びるフレーム延長片53aが設けられている。フレーム延長片53aは、ケースフレーム52の延長片52bの下面に重ねられ、延長片52bとともにケース本体28Aの底壁28Aaの下面に接合されている。フレーム延長片53aと延長片52bと底壁28Aaとは、例えば、三枚重ねの状態で溶接によって接合されている。
なお、図10中のケースフレーム52の詳細な形状は図示都合上省略されている。
【0039】
図4は、図3のIV部を拡大して示した図であり、図5は、図3のV−V線に沿う断面を含む下部構造体12の斜視図である。図6は、図3のVI−VI線に沿う断面を含む下部構造体12の斜視図であり、図7は、図3のVII−VII線に沿う断面を含む下部構造体12の斜視図である。また、図8は、下部構造体12のうちのバッテリケース28内の一部を後部右斜め上方側から見た図であり、図9は、図6のIX部と同部分の拡大断面図である。
図3図4に示すように、バッテリクロスメンバ45は、車幅方向の左右に配置される左右の側部メンバ45Sと、車幅方向の中央に配置される中央メンバ45Cと、を備えている。左右の側部メンバ45Sは同形状に形成されている。側部メンバ45Sと中央メンバ45Cは、いずれも車幅方向と直交する断面が略ハット型の断面形状とされている。ただし、中央メンバ45Cの上面の高さは、側部メンバ45Sの上面の高さよりも低く設定されている。
【0040】
側部メンバ45Sは、図5図6に示すように、前壁37f、上壁37u、及び、後壁37rを有し上方に起立する断面略コ字状のメンバ本体部37と、前壁37fの下縁から前方に張り出す前方張り出し座38と、後壁37rの下縁から後方に張り出す後方張り出し座39と、を備えている。同様に、中央メンバ45Cは、図6図7に示すように、前壁40f、上壁40u、及び、後壁40rを有し上方に起立する断面略コ字状のメンバ本体部40と、前壁40fの下縁から前方に張り出す前方張り出し座41と、後壁40rの下縁から後方に張り出す後方張り出し座42と、を備えている。中央メンバ45Cは、図3図6図8に示すように、車幅方向の両側の端縁が左右の側部メンバ45Sの内側に挿入され、それぞれ車幅方向に所定量ラップさせた状態で、左右の各側部メンバ45Sに溶接固定されている。
【0041】
具体的には、中央メンバ45Cの左右の端縁は、前壁40fの前面と後壁40rの後面が対応する側部メンバ45Sの前壁37fと後壁37rの内面に溶接固定されており、上壁40uと対応する側部メンバ45Sの上壁37uとの間は所定距離離間している。また、中央メンバ45Cの左右の端縁の前方張り出し座41と後方張り出し座42は、各前後の一部が切除されて、図6に示す接合片41a,42aとされている。これらの接合片41a,42aの上面は、左右の対応する側部メンバ45Sの前方張り出し座38と後方張り出し座39の付根部側の下面に溶接固定されている。
【0042】
中央メンバ45Cは、左右の端縁のみが左右の側部メンバ45Sとラップし、中央領域は側部メンバ45Sとラップしていない。このため、左右の側部メンバ45Sの間には、中央メンバ45Cの上面と、左右の側部メンバ45Sの車幅方向内側の端面とにより、車体の前後方向に連通する凹部43が形成されている。この凹部43には、図3図7に示すように、配線ケーブル44等のバッテリクロスメンバ45を前後に跨ぐ部材が配置される。
【0043】
バッテリクロスメンバ45の上部の車幅方向に離間した複数箇所は、複数のスタッドボルト46によって上方の対応するフロアクロスメンバ35に結合されている。具体的には、左右の側部メンバ45Sの上壁37uが各二つのスタッドボルト46により、フロアクロスメンバ35の左半部と右半部とに結合されている。
スタッドボルト46は、図6図9に示すように、略円柱状の中央の胴部46aと、胴部46aの下面から下方に突出する下方側のねじ部46bと、胴部46aの上面から上方に突出する上方側のねじ部46cと、を有している。
【0044】
左右の各側部メンバ45Sは、メンバ本体部37の上壁37uの車幅方向の外側寄り部分と内側寄り部分にスタッドボルト46の下端が結合されている。各スタッドボルト46は、図6図9に示すように、メンバ本体部37の上壁37uを上方から下方に貫通したねじ部46bにナット47が螺合されて側部メンバ45Sに固定されている。また、各スタッドボルト46は、フロアパネル16を下方から上方に貫通したねじ部46cが、フロアクロスメンバ35のブラケット48をさらに上方に貫通し、そのねじ46c部にナット49が螺合されている。スタッドボルト46の上部は、これによってフロアクロスメンバ35に固定されている。
【0045】
ブラケット48は、フロアクロスメンバ35の断面補強部を兼ねる断面略ハット状の金属部材であり、ハット形状の鍔部に相当する部分が、フロアクロスメンバ35の上壁の下面に接合され、ハット形状の頂部に相当する部分に、スタッドボルト46のねじ部46cが挿入される挿通孔48aが形成されている。スタッドボルト46は、ハット形状の頂部が下方を向くようにフロアクロスメンバ35の上壁に溶接されている。フロアクロスメンバ35の上壁のブラケット48の挿通孔48aと対向する部位には、挿通孔48aから上方に突出したねじ部46cにナット49を締め込むための作業孔55が形成されている。
【0046】
なお、スタッドボルト46の胴部46aには、図6図9に示すように、支持フランジ46aAと、支持フランジ46aAから上方に突出する小径の軸部46aBが設けられている。軸部46aBには、肉厚の円筒状の弾性シール部材56が嵌合されている。弾性シール部材56の外周面には、支持溝56aが設けられ、その支持溝56a部分がケースカバー28Bの貫通孔57の周縁部に係止されるようになっている。スタッドボルト46の胴部46aは、弾性シール部材56を介してケースカバー28Bの貫通孔57に保持されている。また、弾性シール部材56の下面は支持フランジ46aAの上面に当接し、弾性シール部材56の上面はフロアパネル16の下面に当接する。
【0047】
ここで、左右の側部メンバ45Sの車幅方向内側寄りのスタッドボルト46の設置部(フロアクロスメンバ35との結合部)は、中央メンバ45Cと側部メンバ45Sの結合領域の上方に配置されている。換言すれば、側部メンバ45Sは、スタッドボルト46の設置部(フロアクロスメンバ35との結合部)の下方近傍において、中央メンバ45Cと結合されている。
【0048】
また、左右の側部メンバ45Sの内部は、図3図4図8等に示すように、側部メンバ45Sの延出方向のうちの、各スタッドボルト46の設置部の前後に第1隔壁部材58と第2隔壁部材59が設けられている。第1隔壁部材58と第2隔壁部材59は、いずれも接合用のフランジ58a,59a(図8参照)を有し、側部メンバ45Sの前壁37f、上壁37u、及び、後壁37rの少なくとも三面に溶接等によって固定されている。
【0049】
側部メンバ45Sの車幅方向内側寄りに配置される第1隔壁部材58と第2隔壁部材59とは、側部メンバ45Sと中央メンバ45Cの接合領域の上方側に配置されている。即ち、中央メンバ45Cは、第1隔壁部材58と第2隔壁部材59の下方領域において、左右の各側部メンバ45Sと結合されている。したがって、中央メンバ45Cと左右の各側部メンバ45Sが結合されて構成された閉断面は、第1隔壁部材58と第2隔壁部材59とによって内部を補強されている。
【0050】
また、凹部43に臨む左右の側部メンバ45Sの車幅方向内側の端部と中央メンバ45Cには、両者間の隙間をほぼ閉塞する補助隔壁部材60が結合されている。補助隔壁部材60は、接合用のフランジ60aを有し、側部メンバ45Sの前壁37f及び後壁37rの内面と、中央メンバ45Cの上壁40uの上面に溶接等によって結合されている。
【0051】
なお、左右の側部メンバ45Sのメンバ本体部37の内部には、図5に示すように、メンバ本体部37の上壁37uと前壁37fと後壁37rとに接合された断面略コ字状の補強プレート20が配置されている。つまり、メンバ本体部37は、金属製の補強プレート20によって各壁が二重の壁とされ、補強プレート20によって補強された各壁に上述の各部材が結合されている。
【0052】
また、図7図8に示すように、左右の側部メンバ45Sの前壁37fの前面間と後壁37rの後面間には、金属製の補強プレート21が夫々架設されている。補強プレート21は、車幅方向に延出する矩形状の金属プレートから成り、車幅方向の両側の縁部が左右の側部メンバ45Sの前壁37fや、左右の側部メンバ45Sの後壁37rに溶接等によって結合されている。
【0053】
ところで、バッテリクロスメンバ45の左右の側部メンバ45Sと中央メンバ45Cは、上述のようにメンバ本体部37,40の前壁37f,40fの下縁から前方に張り出す前方張り出し座38,41と、メンバ本体部37,40の後壁37r,40rの下縁から後方に張り出す後方張り出し座39,42を有している。即ち、側部メンバ45Sと中央メンバ45Cは倒立T字状の断面形状に形成されている。
【0054】
バッテリクロスメンバ45は、前方張り出し座38,41と後方張り出し座39,42がバッテリケース28の底壁28Aaの上面対向して配置されている。これに対し、バッテリケース28の底壁28Aaの下面のうちの、バッテリクロスメンバ45の設置部の直下位置には、下面補強部材61が配置されている。
【0055】
下面補強部材61は、略波形状の断面が車幅方向に略沿って延出する金属製の板状部材によって構成されている。バッテリクロスメンバ45の前方張り出し座38,41と後方張り出し座39,42は、バッテリケース28の底壁28Aaを間に挟み込んだ状態で、下面補強部材61に結合されている。例えば、前方張り出し座38,41、及び、後方張り出し座39,42の平坦なフランジと、下面補強部材61の平坦なフランジが底壁28Aaの上下の面に重ねられ、その状態で部材相互が三枚重ねで溶接されている。バッテリクロスメンバ45は、これにより、メンバ本体部37,40から前後に張り出す前方張り出し座38,41と後方張り出し座39,42が底壁28Aaを挟んで下面の下面補強部材61と一体化されている。
【0056】
図10に示すように、バッテリケース28の底壁28Aaの下面には、車体の前後方向に略沿って延出する別の下面補強部材62が結合されている。これにより、バッテリケース28の底壁28Aaは、下面側において車体前後方向と車幅方向で強固に補強されている。
【0057】
また、図5図7に示すように、バッテリクロスメンバ45の前方張り出し座38,41と後方張り出し座39,42の付根部側(メンバ本体部37,40に連設される側)の一部には、周縁の底壁28Aaとの接合面に対して上方に膨出し、上面が平坦な台座部23が設けられている。台座部23は、図6に示すように、その上面にバッテリ51を載せ置くことができる。また、台座部23の下面側は、メンバ本体部37の内部空間と連通している。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、バッテリクロスメンバ45が、略ハット型断面の左右の側部メンバ45Sと中央メンバ45Cとを有し、中央メンバ45Cの上面が左右の側部メンバ45Sの上面よりも低く形成され、中央メンバ45Cの上面と左右の側部メンバ45Sの車幅方向内側の端部とによって前後方向に連通する凹部43が構成されている。このため、バッテリクロスメンバ45に設けられた凹部43を配線ケーブル等の挿通溝として使用することができるとともに、バッテリクロスメンバ45の主要部を低コストでの製造が可能なプレス成形品等によって構成することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、左右の各側部メンバ45Sが上方のフロアクロスメンバ35に結合されるとともに、その各結合部(スタッドボルト46の締結部)の下方近傍で各側部メンバ45Sが中央メンバ45Cに結合されている。このため、図4中に示すように、車体側方からサイドシル14を通してバッテリクロスメンバ45の側部メンバ45Sに衝撃荷重Fが入力されたときに、その入力荷重Fをフロアクロスメンバ35と中央メンバ45Cとに分散させて支持させることができる。したがって、低コストでの製造が可能なバッテリクロスメンバ45の構造を採用しながらも、サイドシル14からの衝撃荷重Fの入力時に、バッテリクロスメンバ45が中央領域で屈曲するのを抑制することができる。
よって、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、バッテリクロスメンバ45の車幅方向の略中央領域に前後方向に連通する凹部43を構成しつつも、製造コストの高騰を招くことなく車幅方向の充分な剛性を確保することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、左右の側部メンバ45Sの延出方向のうちの、フロアクロスメンバ35との結合部(スタッドボルト46の締結部)の前後位置に第1隔壁部材58と第2隔壁部材59が設けられ、第1隔壁部材58と第2隔壁部材59が側部メンバ45Sの前壁37fと上壁37uと後壁37rの少なくとも三面に固定されている。このため、左右の側部メンバ45Sのフロアクロスメンバ35との結合部の前後位置の断面が第1隔壁部材58と第2隔壁部材59によって強固に補強される。したがって、本実施形態に係る車両の下部構造体12を採用した場合には、車体側方から側部メンバ45Sに衝撃荷重が入力されたときに、側部メンバ45Sの断面がフロアクロスメンバ35との結合部の近傍で潰れるのを抑制することができる。
【0061】
特に、本実施形態に係る車両の下部構造体12の場合、中央メンバ45Cは、第1隔壁部材58と第2隔壁部材59の下方領域において、左右の側部メンバ45Sと結合されているため、中央メンバ45Cと側部メンバ45Sが結合されて構成された閉断面が第1隔壁部材58と第2隔壁部材59によって内部を補強される。したがって、この構成を採用することにより、側部メンバ45Sの断面の潰れをより有効に抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、左右の側部メンバ45Sのフロアクロスメンバ35との結合部に、側部メンバ45Sの上壁37uと締結されるスタッドボルト46が用いられ、第1隔壁部材58と第2隔壁部材59が、左右の側部メンバ45Sの延出方向のうちの、スタッドボルト46の突設位置の前後に設けられている。このため、上下方向に離間したフロアクロスメンバ35と左右の側部メンバ45Sをスタッドボルト46によって容易に結合することができるとともに、側方からの衝撃荷重の入力時における左右の側部メンバ45Sのスタッドボルト46の締結部での断面の潰れを、中央メンバ45Cと側部メンバ45Sによる閉断面と、第1隔壁部材58及び第2隔壁部材59によって抑制することができる。
【0063】
さらに、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、スタッドボルト46が、ねじ部46cをバッテリケース28のケースカバー28Bの上方に突出させて、そのねじ部46cでフロアクロスメンバ35と締結固定されており、スタッドボルト46の胴部46aが、弾性シール部材56を介してケースカバー28Bの貫通孔57に保持されている。このため、スタッドボルト46の胴部46aがケースカバー28Bの貫通孔57に弾性シール部材56を介して保持されるので、スタッドボルト46に対するフロアクロスメンバ35の締結作業時に、ケースカバー28Bの上方に突出したねじ部46cの位置や方向を微調整することができる。したがって、この構成を採用した場合には、スタッドボルト46に対するフロアクロスメンバ35の締結作業性が良好になる。
また、本実施形態の下部構造体12においては、ケースカバー28Bの貫通孔57を弾性シール部材56によって閉塞することができるため、ケースカバー28Bの貫通孔57からバッテリケース28内への水の浸入を弾性シール部材56によって抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12においては、左右の側部メンバ45Sの車幅方向内側の端縁と中央メンバ45Cに、側部メンバ45S下面と中央メンバ45Cの上面の間の隙間をほぼ閉塞する補助隔壁部材60が結合されている。このため、左右の側部メンバ45Sの車幅方向内側の端縁の断面の潰れを補助隔壁部材60によって抑制し、バッテリクロスメンバ45の剛性をより高めることができる。また、左右の側部メンバ45Sの車幅方向内側の端縁と中央メンバ45Cの間の隙間が補助隔壁部材60によってほぼ閉塞されるため、左右の各側部メンバ45Sの車幅方向内側の端部から側部メンバ45Sの内部への異物の進入を抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、バッテリクロスメンバ45が、前壁37f,40fの下縁から前方に張り出す前方張り出し座38,41と、後壁37r,40rの下縁から後方に張り出す後方張り出し座39,42と、を備えている。そして、バッテリケース28の底壁28Aaの上面側に前方張り出し座38,41と後方張り出し座39,42が配置され、底壁28Aaの下面側に下面補強部材61が配置され、前方張り出し座38,41と後方張り出し座39,42が底壁28Aaを間に挟み込んだ状態で下面補強部材61に結合されている。
【0066】
本実施形態の下部構造体12は、この構成により、前方張り出し座38,41と後方張り出し座39,42が下面補強部材61とともにバッテリケース28の底壁28Aaと一体化されている。このため、フロアクロスメンバ35側からスタッドボルト46を通してバッテリクロスメンバ45に前後方向の荷重が入力されたときにも、バッテリクロスメンバ45が前後方向に倒れるのを抑制することができる。したがって、この下部構造体12は、バッテリクロスメンバ45の前後の下端を高い剛性を持ってバッテリケース28に支持させることができる。
特に、本実施形態のように、下面補強部材61を、略波形状の断面が車幅方向に略沿って延出する板状部座によって構成した場合には、車両の重量増加を抑制しつつ、バッテリケース28の底壁28Aaの剛性を効率良く高めることができる。
【0067】
さらに、本実施形態に係る車両の下部構造体12においては、バッテリケース28の底壁28Aaの下面に、車幅方向に略沿って延出する下面補強部材61だけでなく、車体の前後方向に略沿って延出する別の下面補強部材62が結合されている。本実施形態の下部構造体12は、これにより、バッテリケース28の底壁28Aa全体の剛性を高めることができる。
【0068】
図11は、他の実施形態に係る車両の下部構造体112を示す断面図である。図11は、バッテリケース28のケース本体28Aとその内部の車体前後方向と直交する断面を示している。なお、図11においては、上記の実施形態と共通部分には同一符号が付されている。
他の実施形態に係る車両の下部構造体112は、基本的な構成は上述した実施形態とほぼ同様であるが、中央メンバ45Cよりも上面高さの高い左右の側部メンバ45Sの上面に荷重伝達プレート63が架設されている。荷重伝達プレート63は、側部メンバ45Sと略同幅の金属プレートによって構成されている。
【0069】
この他の実施形態に係る下部構造体112は、バッテリクロスメンバ45の車幅方向中央領域の屈曲剛性を荷重伝達プレート63によって効率良く高めることができる。また、この下部構造体112は、左右の側部メンバ45Sの上面に荷重伝達プレート63を架け渡すだけで、バッテリクロスメンバ45の屈曲剛性を効率良く高めることができるため、バッテリクロスメンバ45の補強のため製造コストの高騰を抑制することができる。
【0070】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
12,112…下部構造体
14…サイドシル
16…フロアパネル
28…バッテリケース
28A…ケース本体
28Aa…底壁
28B…ケースカバー
35…フロアクロスメンバ
37,40…メンバ本体部
37f…前壁
37u…上壁
37r…後壁
38,41…前方張り出し座
39,42…後方張り出し座
40…メンバ本体部
43…凹部
45…バッテリクロスメンバ
45C…中央メンバ
45S…側部メンバ
46…スタッドボルト
46a…胴部
46c…ねじ部
48…ブラケット
48a…挿通孔
49…ナット
55…作業孔
56…弾性シール部材
57…貫通孔
58…第1隔壁部材(隔壁部材)
59…第2隔壁部材(隔壁部材)
60…補助隔壁部材
61…下面補強部材
62…別の下面補強部材
63…荷重伝達プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11