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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202887(P2018-202887A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】車両の下部構造体
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20181130BHJP
   B60K 1/04 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B62D25/20 G
   B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-106656(P2017-106656)
(22)【出願日】2017年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】露崎 匠
(72)【発明者】
【氏名】今村 壮吾
(72)【発明者】
【氏名】小澤 裕之
(72)【発明者】
【氏名】新田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】山田 誉
(72)【発明者】
【氏名】吉永 圭太
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203AA31
3D203AA33
3D203BB06
3D203BB20
3D203BB22
3D203CA53
3D203CA58
3D203CA66
3D203CB07
3D203CB19
3D203DA51
3D203DA55
3D203DB05
3D235AA02
3D235BB25
3D235CC15
3D235DD29
3D235EE63
3D235FF07
3D235FF12
3D235FF37
(57)【要約】
【課題】車体側クロスメンバからバッテリクロスメンバへの前後方向の荷重の入力時にバッテリクロスメンバの前後方向の倒れを抑制して、車体側クロスメンバの支持剛性を高く維持することができる車両の下部構造体を提供する。
【解決手段】下部構造体は、一対のサイドシルと、バッテリケース28と、バッテリクロスメンバ45と、車体側クロスメンバと、を備えている。バッテリクロスメンバ45は、上方に起立してその上部が締結部材によって車体側クロスメンバに結合されるメンバ本体部37と、メンバ本体部37の下縁から前方に張り出す前方張り出し座38と、メンバ本体部37の下縁から後方に張り出す後方張り出し座39と、を有する倒立T字状の断面形状に形成されている。前方張り出し座38と後方張り出し座39はバッテリケース28の底壁に結合されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の左右の側部に配置され、車体の前後方向に略沿って延出する一対のサイドシルと、
内部にバッテリが収納されるとともに、左右の端縁が一対の前記サイドシルに架設されたバッテリケースと、
前記バッテリケースに設けられ、車幅方向に略沿って延出するバッテリクロスメンバと、
前記バッテリクロスメンバの上方側で車幅方向に略沿って延出し、両端部が一対の前記サイドシルに架設されるとともに、中間領域が締結部材によって前記バッテリクロスメンバに結合された車体側クロスメンバと、を備え、
前記バッテリクロスメンバは、上方に起立してその上部が前記締結部材によって前記車体側クロスメンバに結合されるメンバ本体部と、前記メンバ本体部の下縁から前方に張り出す前方張り出し座と、前記メンバ本体部の下縁から後方に張り出す後方張り出し座と、を有する倒立T字状の断面形状に形成され、前記前方張り出し座と前記後方張り出し座が前記バッテリケースの底壁に結合されていることを特徴とする車両の下部構造体。
【請求項2】
前記前方張り出し座と前記後方張り出し座は、前記バッテリケースの底壁の上面側に配置され、
前記底壁の下面側には下面補強部材が配置され、
前記前方張り出し座と前記後方張り出し座が前記底壁を間に挟み込んだ状態で前記下面補強部材に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の下部構造体。
【請求項3】
前記下面補強部材は、略波形状の断面が車幅方向に略沿って延出する板状部材によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両の下部構造体。
【請求項4】
前記バッテリケースは、前記底壁の左右の端部から上方に立ち上がるケース側壁を有し、
前記ケース側壁の外側に、車体前後方向に略沿って延出するケースフレームが結合され、
前記ケースフレームは、前記バッテリケースの前記底壁の下面に配置されて前記下面補強部材を構成する延長片を有し、
前記前方張り出し座と前記後方張り出し座は、前記底壁を間に挟み込んだ状態で前記延長片に結合されていることを特徴とする請求項2に記載の車両の下部構造体。
【請求項5】
前記バッテリクロスメンバの前記メンバ本体部は、上壁と、前記上壁の前部から下方に延出する前壁と、前記上壁の後部から下方に延出する後壁と、を有し、
前記メンバ本体部の前記締結部材の固定部の近傍には、前記メンバ本体部の前記上壁と前記前壁と前記後壁の三面を拘束する隔壁部材が結合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の下部構造体。
【請求項6】
前記バッテリケースの上方には、フロアパネルが配置され、
前記車体側クロスメンバは、
前記フロアパネルの上面に接合されて、前記フロアパネルとの間で車幅方向に略沿って延出する閉断面を形成するとともに、車幅方向の両端部が一対の前記サイドシルに架設される断面略ハット状のクロスプレートと、
前記フロアパネルの車幅方向の端部領域の下面と前記サイドシルの側面とに架設され、前記フロアパネルとの間で車幅方向に略沿って延出する閉断面を形成する断面略ハット状のガセットプレートと、を備え、
前記クロスプレートの車幅方向の端部領域と前記ガセットプレートは、車幅方向外側に向かって下方傾斜するように形成され、
前記クロスプレートの車幅方向の中央寄り領域は、断面補強部を兼ねるブラケットが内部に取り付けられ、前記ブラケットが前記締結部材によって前記バッテリクロスメンバの前記メンバ本体部に結合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の下部構造体。
【請求項7】
前記バッテリケースは、前記バッテリと前記バッテリクロスメンバが内部に配置され、上方側が開口するケース本体と、前記ケース本体の開口を閉塞するケースカバーと、を備え、
前記締結部材は、両端部が前記ブラケットと前記バッテリクロスメンバに締結されるスタッドボルトであり、
前記スタッドボルトの胴部は、弾性シール部材を介して前記ケースカバーの貫通孔に保持されていることを特徴とする請求項6に記載の車両の下部構造体。
【請求項8】
前記ケースフレームには、前記ケースフレームを前記サイドシルの下面に連結する取付フレームが結合され、
前記取付フレームには、前記ケースフレームの前記延長片の下面に重ねられるフレーム延長片が延設され、
前記フレーム延長片が前記延長片とともに前記バッテリケースの前記底壁に結合されていることを特徴とする請求項4に記載の車両の下部構造体。
【請求項9】
前記バッテリクロスメンバの前記メンバ本体部は、上壁と、前記上壁の前部から下方に延出する前壁と、前記上壁の後部から下方に延出する後壁と、を有し、
前記メンバ本体部の内部には、前記上壁と前記前壁と前記後壁とに接合される断面略コ字状の補強プレートが配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両の下部構造体。
【請求項10】
前記前方張り出し座と前記後方張り出し座は、上方に隆起し下面が前記メンバ本体部の内部空間と連通するとともに、上面が略平坦な台座部を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両の下部構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の下部構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の下部構造体として、車体左右のサイドシルの間に、複数のバッテリを収容するバッテリケースが架設されたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の車両の下部構造体は、フロアパネルの下方に配置されるバッテリケースが左右のサイドシルに架設されている。バッテリケースの内部には、車幅方向に沿って延出するバッテリクロスメンバが結合されている。バッテリクロスメンバは、縦長の矩形断面が車幅方向に略沿って延出して、バッテリケースの周壁や底壁に結合されている。バッテリクロスメンバは、サイドシルに側方から衝撃荷重が入力されたときに、車幅方向内側に空間部を確保しつつ、入力荷重を車幅方向内側に伝達するように機能する。
【0004】
また、特許文献1に記載の車両の下部構造体は、フロアパネル上で車幅方向に略沿って延出する車体側クロスメンバがバッテリクロスメンバの上方側に配置されている。車体側クロスメンバは、車幅方向の両端部が左右のサイドシルに架設されるとともに、車幅方向の中央領域が締結部材を介して下方のバッテリクロスメンバに連結されている。また、車体側クロスメンバには、シートベルト装置のアンカベルトを支持するためのシートベルトアンカが固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8336658号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の車両の下部構造体は、バッテリクロスメンバが縦長の矩形断面形状に形成され、その下端がバッテリケースの底壁の上面に溶接固定されている。このため、車体側クロスメンバにシートベルアンカを通して前後方向の大きな荷重が入力され、その荷重が締結部材を介してバッテリクロスメンバの上部に伝達されると、バッテリクロスメンバに作用するモーメントによってバッテリクロスメンバが前後に倒れることが懸念される。
【0007】
そこで本発明は、車体側クロスメンバからバッテリクロスメンバへの前後方向の荷重入力時に、バッテリクロスメンバの前後方向の倒れを抑制して、車体側クロスメンバの支持剛性を高く維持することができる車両の下部構造体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車両の下部構造体は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車両の下部構造体は、車体の左右の側部に配置され、車体の前後方向に略沿って延出する一対のサイドシル(例えば、実施形態のサイドシル14)と、内部にバッテリが収納されるとともに、左右の端縁が一対の前記サイドシルに架設されたバッテリケース(例えば、実施形態のバッテリケース28)と、前記バッテリケースに設けられ、車幅方向に略沿って延出するバッテリクロスメンバ(例えば、実施形態のバッテリクロスメンバ45)と、前記バッテリクロスメンバの上方側で車幅方向に略沿って延出し、両端部が一対の前記サイドシルに架設されるとともに、中間領域が締結部材(例えば、実施形態のスタッドボルト46)によって前記バッテリクロスメンバに結合された車体側クロスメンバ(例えば、実施形態のフロアクロスメンバ35)と、を備え、前記バッテリクロスメンバは、上方に起立してその上部が前記締結部材によって前記車体側クロスメンバに結合されるメンバ本体部(例えば、実施形態のメンバ本体部37)と、前記メンバ本体部の下縁から前方に張り出す前方張り出し座(例えば、実施形態の前方張り出し座41)と、前記メンバ本体部の下縁から後方に張り出す後方張り出し座(例えば、実施形態の後方張り出し座42)と、を有する倒立T字状の断面形状に形成され、前記前方張り出し座と前記後方張り出し座が前記バッテリケースの底壁(例えば、実施形態の底壁28Aa)に結合されていることを特徴とする。
【0009】
上記の構成により、車体側クロスメンバに前後方向の荷重が入力されると、その荷重が締結部材を介してバッテリクロスメンバのメンバ本体部の上部に入力される。これにより、メンバ本体部には前後に傾倒させる方向のモーメントが作用するが、メンバ本体部の前後に前方張り出し座と後方張り出し座が延設され、それらの張り出し座がバッテリケースの底壁に結合されている。このため、メンバ本体の倒れは前方張り出し座と後方張り出し座によって抑制される。この結果、メンバ本体と締結部材を介して車体側クロスメンバが高い剛性をもって支持されることになる。
【0010】
前記前方張り出し座と前記後方張り出し座は、前記バッテリケースの底壁の上面側に配置され、前記底壁の下面側には下面補強部材(例えば、実施形態の下面補強部材61)が配置され、前記前方張り出し座と前記後方張り出し座が前記底壁を間に挟み込んだ状態で前記下面補強部材に結合されるようにしても良い。
【0011】
この場合、バッテリクロスメンバの前方張り出し座と後方張り出し座が、下面補強部材とともにバッテリケースの底壁と一体化されるため、バッテリクロスメンバのメンバ本体部の前後の倒れをより強固に抑制することができる。また、この構成を採用した場合、結合される各部材を低コストでの製造可能なプレス成形品によって構成し、部材相互を溶接固定することが可能になる。
【0012】
前記下面補強部材は、略波形状の断面が車幅方向に略沿って延出する板状部材によって構成されるようにしても良い。
【0013】
この場合、下面補強部材である板状部材の略波形状の断面が、バッテリケースの底壁の下面側で車幅方向に略沿って延出するため、板状の下面補強部材によってバッテリケースの底壁の剛性を効率良く高めることができる。
【0014】
前記バッテリケースは、前記底壁の左右の端部から上方に立ち上がるケース側壁(例えば、実施形態のケース側壁50)を有し、前記ケース側壁の外側に、車体前後方向に略沿って延出するケースフレーム(例えば、実施形態のケースフレーム52)が結合され、前記ケースフレームは、前記バッテリケースの前記底壁の下面に配置されて前記下面補強部材を構成する延長片(例えば、実施形態の延長片52b)を有し、前記前方張り出し座と前記後方張り出し座は、前記底壁を間に挟み込んだ状態で前記延長片に結合されるようにしても良い。
【0015】
この場合、ケースフレームに設けられた延長片がバッテリケースの底壁の下面に配置され、バッテリクロスメンバの前方張り出し座と後方張り出し座が、バッテリケースの底壁及び延長片と一体化されることになる。これにより、バッテリクロスメンバのメンバ本体部の前後の倒れがより強固に抑制される。
【0016】
前記バッテリクロスメンバの前記メンバ本体部は、上壁(例えば、実施形態の上壁37u)と、前記上壁の前部から下方に延出する前壁(例えば、実施形態の前壁37f)と、前記上壁の後部から下方に延出する後壁(例えば、実施形態の後壁37r)と、を有し、前記メンバ本体部の前記締結部材の固定部の近傍には、前記メンバ本体部の前記上壁と前記前壁と前記後壁の三面を拘束する隔壁部材(例えば、実施形態の第1隔壁部材58、第2隔壁部材59)が結合されるようにしても良い。
【0017】
この場合、メンバ本体部の締結部材の固定部の近傍の断面剛性が隔壁部材によって高められるため、締結部材の固定部の近傍の断面変形を効率良く抑制することができる。したがって、軽量化のためにメンバ本体部の肉厚を薄くせざるを得ない場合にも、締結部材の傾動や沈み込みを抑制し、フロアクロスメンバをバッテリクロスメンバによって高い剛性を持って支持することができる。
【0018】
前記バッテリケースの上方には、フロアパネル(例えば、実施形態のフロアパネル16)が配置され、前記車体側クロスメンバは、前記フロアパネルの上面に接合されて、前記フロアパネルとの間で車幅方向に略沿って延出する閉断面を形成するとともに、車幅方向の両端部が一対の前記サイドシルに架設される断面略ハット状のクロスプレート(例えば、実施形態のクロスプレート65)と、前記フロアパネルの車幅方向の端部領域の下面と前記サイドシルの側面とに架設され、前記フロアパネルとの間で車幅方向に略沿って延出する閉断面を形成する断面略ハット状のガセットプレート(例えば、実施形態のガセットプレート66)と、を備え、前記クロスプレートの車幅方向の端部領域と前記ガセットプレートは、車幅方向外側に向かって下方傾斜するように形成され、前記クロスプレートの車幅方向の中央寄り領域は、断面補強部を兼ねるブラケット(例えば、実施形態のブラケット48)が内部に取り付けられ、前記ブラケットが前記締結部材によって前記バッテリクロスメンバの前記メンバ本体部に結合されるようにしても良い。
【0019】
この場合、クロスプレートの車幅方向の端部領域とガセットプレートが、車幅方向外側に向かって下方傾斜するように形成されているため、フロアパネルとクロスプレートによって形成される中央領域の閉断面と、クロスプレートとガセットプレートによって形成される端部領域の傾斜した閉断面が連続することになる。このため、車体側クロスメンバの中央領域をサイドシルに対して上方に持ち上がった形状としながらも、車体側クロスメンバの略一定の連続した閉断面によって左右のサイドシルを連結することができる。また、この構成を採用した場合、車体側クロスメンバの中央領域がサイドシルに対して上方に持ち上がった形状とされるため、車体側クロスメンバの中央領域の下方に配置されるバッテリケースを上方側に位置させることができる。したがって、バッテリケースの下方の地上高を容易に確保することができる。また、クロスプレートの中央領域は、断面補強部を兼ねるブラケットによって断面を補強され、そのブラケットが締結部材によってバッテリクロスメンバに結合されている。このため、車体側クロスメンバに荷重が入力されたときに、クロスプレートの断面変形を抑制した状態で、その入力荷重をバッテリクロスメンバに支持させることができる。
【0020】
前記バッテリケースは、前記バッテリと前記バッテリクロスメンバが内部に配置され、上方側が開口するケース本体(例えば、実施形態のケース本体28A)と、前記ケース本体の開口を閉塞するケースカバー(例えば、実施形態のケースカバー28B)と、を備え、前記締結部材は、両端部が前記ブラケットと前記バッテリクロスメンバに締結されるスタッドボルト(例えば、実施形態のスタッドボルト46)であり、前記スタッドボルトの胴部(例えば、実施形態の胴部46a)は、弾性シール部材(例えば、実施形態の弾性シール部材56)を介して前記ケースカバーの貫通孔(例えば、実施形態の貫通孔57)に保持されるようにしても良い。
【0021】
この場合、スタッドボルトの胴部がケースカバーの貫通孔に弾性シール部材を介して保持されるため、スタッドボルトと車体側クロスメンバの締結固定時に、ケースカバーの上方に突出したねじ部の位置や方向を微調整することができる。このため、この構成を採用した場合には、スタッドボルトに対する車体側クロスメンバの締結作業性が良好になる。また、ケースカバーの貫通孔が弾性シール部材によって閉塞されているため、貫通孔を通したバッテリケース内への水の浸入を防止することができる。この場合、さらに弾性シール部材によってケースカバーの振動を抑制することができる。
また、弾性シール部材の上面をフロアパネルの貫通孔の周域下面に当接させた場合には、フロアパネルの貫通孔を通した車室内側への水の浸入を防止することもできる。さらに、この場合には、弾性シール部材によってフロアパネルの振動を抑制することができる。
【0022】
前記ケースフレームには、前記ケースフレームを前記サイドシルの下面に連結する取付フレーム(例えば、実施形態の取付フレーム53)が結合され、前記取付フレームには、前記ケースフレームの前記延長片の下面に重ねられるフレーム延長片(例えば、実施形態のフレーム延長片53a)が延設され、前記フレーム延長片が前記延長片とともに前記バッテリケースの前記底壁に結合されるようにしても良い。
【0023】
この場合、取付フレームのフレーム延長片とケースフレームの延長壁がバッテリケースの底壁と三枚重ねで結合されるため、取付フレームとケースフレームの結合をより強固にすることができるうえ、バッテリケースの底壁の剛性も高めることができる。
【0024】
前記バッテリクロスメンバの前記メンバ本体部は、上壁(例えば、実施形態の上壁37u)と、前記上壁の前部から下方に延出する前壁(例えば、実施形態の前壁37f)と、前記上壁の後部から下方に延出する後壁(例えば、実施形態の後壁37r)と、を有し、前記メンバ本体部の内部には、前記上壁と前記前壁と前記後壁とに接合される断面略コ字状の補強プレート(例えば、実施形態の補強プレート20)が配置されるようにしても良い。
【0025】
この場合、締結部材が固定されるメンバ本体部の剛性を簡単な構成によって容易に高めることができる。また、補強プレートは、低コストでの製造が可能なプレス成形品によって形成することができる。このため、製品コストの低減を図ることができる。
【0026】
前記前方張り出し座と前記後方張り出し座は、上方に隆起し下面が前記メンバ本体部の内部空間に連通するとともに、上面が略平坦な台座部(例えば、実施形態の台座部23)を備えるようにしても良い。
【0027】
この場合、前方張り出し座と後方張り出し座に設けられた各台座部の上面をバッテリ支持部等として利用することができる。また、上方に起立した台座部によって前方張り出し座と後方張り出し座の下面側をメンバ本体部の内部空間と広く連通することができるため、製造時に防錆のための電着塗装液をバッテリクロスメンバの内部の隅々に容易に行き渡らせることが可能になる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、バッテリクロスメンバのメンバ本体部の下縁に前方張り出し座と後方張り出し座が延設され、これらの前方張り出し座と後方張り出し座がバッテリケースの底壁に結合されているため、車体側クロスメンバから締結部材を通してバッテリクロスメンバに前後方向の荷重が入力されたときに、バッテリクロスメンバが前後方向に倒れるを抑制することができる。したがって、本発明によれば、車体側クロスメンバに対する支持剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の一部部品を取り去った平面図である。
図3】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図2のIII−III線に沿う断面図である。
図4】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図3のIV−IV線に沿う断面図である。
図5】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図3のV−V線に沿う部分で一部断面にした斜視図である。
図6】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の一部の斜視図である。
図7】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図2のVII−VII線に沿う部分で一部断面にした斜視図である。
図8】本発明の一実施形態の車両の下部構造体の図2のVII−VII線に沿う部分で一部断面にした斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図面において、矢印FRは車両の前方、矢印UPは車両の上方、矢印LHは車両の左側方を指すものとする。
【0031】
図1は、本実施形態に係る車両10の骨格部を後部左斜め上方から見た図であり、図2は、車両10の下部構造体12を上方から見た図である。また、図3は、下部構造体12を図2のIII−III線に沿って断面にした図である。
下部構造体12は、車両10の下部側に位置される構造体であり、車体下端側の左右側部に配置されて、車体の略前後方向に沿って延出する一対のサイドシル14を含む構造体である。
下部構造体12は、前記一対のサイドシル14と、車幅方向の両端部が左右のサイドシル14に架設されたフロアパネル16と、フロアパネル16の上面側に配置された複数のフロアクロスメンバ34,35,36(車体側クロスメンバ)と、フロアパネル16の下方側で左右のサイドシル14に架設されたバッテリケース28(図3参照)と、バッテリケース28の内部に設けられた複数のバッテリクロスメンバ45と、を備えている。本実施形態の場合、前2つのフロアクロスメンバ34,35には、車室内に設置されるドライバシート31とパッセンジャシート32の各前後の設置部が取り付けられるようになっている。
【0032】
フロアクロスメンバ34,35,36は、いずれも車幅方向に略沿って延出し、延出方向の両端部が左右のサイドシル14に結合されている。フロアクロスメンバ34,35,36同士は、車体前後方向に離間して配置されている。
【0033】
図7図8は、図2のVII−VII線に沿う部分で一部断面にした斜視図である。図7は、断面部分を後部右斜め上方から見た図であり、図8は、断面部分を後部右斜め下方から見た図である。
図3図7図8に示すように、バッテリケース28は、上方側に開口するケース本体28Aと、ケース本体28Aの上部の開口を閉塞するケースカバー28Bと、を備えている。ケース本体28Aは、平面視が略矩形状の底壁28Aaと、底壁28Aaの周域から上方に立ち上がる周壁28Abと、を備えている。周壁28Abのうちの左右の側端部から上方に立ち上がる部分を、以下ではケース側壁50と呼ぶ。
【0034】
バッテリケース28の内部には、複数のバッテリ51(図4参照)と、バッテリケース28内を前後で仕切るように車幅方向に略沿って延出する複数のバッテリクロスメンバ45が配置されている。本実施形態の場合、バッテリクロスメンバ45は3つ設けられいる。各バッテリクロスメンバ45は、フロアパネル16上のフロアクロスメンバ34,35,36の直下位置に配置されている。3つのフロアクロスメンバ34,35,36とバッテリクロスメンバ45は略平行に配置されている。
各フロアクロスメンバ34,35,36と、それぞれに対応するバッテリクロスメンバ45を含む各断面(車両の前後方向と略直交する断面)は、ほぼ同様の構造とされている。このため、以下では、前後方向の中央のフロアクロスメンバ35とその下方のバッテリクロスメンバ45を含む断面を代表として下部構造体12の断面構造について説明する。
【0035】
ケース本体28Aのケース側壁50の外側面には、図3図7図8に示すように、車体前後方向に略沿って延出する角筒状のケースフレーム52が結合されている。ケースフレーム52は、ケース本体28Aのケース側壁50に接合される内側の側壁52aの下端が車幅方向内側に屈曲し、その屈曲部の先に延長片52bが設けられている。延長片52bは、ケース本体28Aの底壁28Aaの下面に重ねられ、その底壁28Aaの下面に接合されている。
【0036】
また、ケースフレーム52の車幅方向外側には、ケースフレーム52の下部領域から車幅方向外側に膨出する取付フレーム53が結合されている。取付フレーム53は、ケースフレーム52に結合された状態において、ケースフレーム52の外側の側壁とともに横長の矩形断面を形成している。この矩形断面は車体前後方向に略沿って延出している。取付フレーム53は、左右のサイドシル14の内側下面に重ねられ、締結部材54によってサイドシル14の下面に結合されている。
【0037】
また、取付フレーム53の下壁はケースフレーム52の下面に接合されており、その下壁の先端部には、ケース本体28Aの底壁28Aaの下面側に回り込むように延びるフレーム延長片53aが設けられている。フレーム延長片53aは、ケースフレーム52の延長片52bの下面に重ねられ、延長片52bとともにケース本体28Aの底壁28Aaの下面に接合されている。フレーム延長片53aと延長片52bと底壁28Aaとは、例えば、三枚重ねの状態で溶接によって接合されている。
【0038】
図4は、図3のIV−IV線に沿う断面を示す図であり、図5は、図3のV−V線に沿う断面を含む下部構造体12の斜視図である。図6は、下部構造体12のうちのバッテリケース28内の一部を後部右斜め上方側から見た図である。
バッテリクロスメンバ45は、図4図5に示すように、前壁37f、上壁37u、及び、後壁37rを有し上方に起立する断面略コ字状のメンバ本体部37と、前壁37fの下縁から前方に張り出す前方張り出し座38と、後壁37rの下縁から後方に張り出す後方張り出し座39と、を備えている。
【0039】
バッテリクロスメンバ45の上部の車幅方向に離間した複数箇所は、締結部材である複数のスタッドボルト46によって上方の対応するフロアクロスメンバ35に結合されている。具体的には、バッテリクロスメンバ45のメンバ本体部37の上壁37uが4つのスタッドボルト46により、フロアクロスメンバ35の左半部と右半部とに結合されている。
スタッドボルト46は、図4に示すように、略円柱状の中央の胴部46aと、胴部46aの下面から下方に突出する下方側のねじ部46bと、胴部46aの上面から上方に突出する上方側のねじ部46cと、を有している。
【0040】
バッテリクロスメンバ45は、メンバ本体部37の上壁37uにスタッドボルト46の下端が結合されている。スタッドボルト46は、図4に示すように、メンバ本体部37の上壁37uを上方から下方に貫通したねじ部46bにナット47が螺合されてバッテリクロスメンバ45に固定されている。また、各スタッドボルト46は、フロアパネル16を下方から上方に貫通したねじ部46cが、フロアクロスメンバ35のブラケット48をさらに上方に貫通し、そのねじ46c部にナット49が螺合されている。スタッドボルト46の上部は、これによってフロアクロスメンバ35に固定されている。
【0041】
ブラケット48は、フロアクロスメンバ35(後述するクロスプレート65)の断面補強部を兼ねる断面略ハット状の金属部材である。ブラケット48は、ハット形状の鍔部に相当する部分が、フロアクロスメンバ35(クロスプレート65)の上壁の下面に接合され、ハット形状の頂部に相当する部分に、スタッドボルト46のねじ部46cが挿入される挿通孔48aが形成されている。スタッドボルト46は、ハット形状の頂部が下方を向くようにフロアクロスメンバ35の上壁に溶接されている。フロアクロスメンバ35の上壁のブラケット48の挿通孔48aと対向する部位には、挿通孔48aから上方に突出したねじ部46cにナット49を締め込むための作業孔55が形成されている。
【0042】
なお、スタッドボルト46の胴部46aには、図4に示すように、支持フランジ46aAと、支持フランジ46aAから上方に突出する小径の軸部46aBが設けられている。軸部46aBには、肉厚の円筒状の弾性シール部材56が嵌合されている。弾性シール部材56の外周面には、支持溝56aが設けられ、その支持溝56a部分がケースカバー28Bの貫通孔57の周縁部に係止されるようになっている。スタッドボルト46の胴部46aは、弾性シール部材56を介してケースカバー28Bの貫通孔57に保持されている。また、弾性シール部材56の下面は支持フランジ46aAの上面に当接し、弾性シール部材56の上面はフロアパネル16の下面に当接する。
【0043】
また、バッテリクロスメンバ45の内部は、図3図7等に示すように、バッテリクロスメンバ45の延出方向のうちの、各スタッドボルト46の設置部の前後に第1隔壁部材58と第2隔壁部材59が設けられている。第1隔壁部材58と第2隔壁部材59は、いずれも接合用のフランジ58a,59a(図6参照)を有し、バッテリクロスメンバ45の前壁37f、上壁37u、及び、後壁37rの少なくとも三面に溶接等によって固定されている。
【0044】
なお、バッテリクロスメンバ45のメンバ本体部37の内部には、図5に示すように、メンバ本体部37の上壁37uと前壁37fと後壁37rとに接合された断面略コ字状の補強プレート20が配置されている。つまり、メンバ本体部37は、金属製の補強プレート20によって各壁が二重の壁とされ、補強プレート20によって補強された各壁に上述の各部材が結合されている。
【0045】
ところで、バッテリクロスメンバ45は、上述のようにメンバ本体部37の前壁37fの下縁から前方に張り出す前方張り出し座38と、メンバ本体部37の後壁37rの下縁から後方に延出する後方張り出し座39を有している。即ち、側部メンバ45Sと中央メンバ45Cは倒立T字状の断面形状に形成されている。
【0046】
バッテリクロスメンバ45は、前方張り出し座38と後方張り出し座39がバッテリケース28の底壁28Aaの上面に対向して配置されている。これに対し、バッテリケース28の底壁28Aaの下面のうちの、バッテリクロスメンバ45の設置部の直下位置には、下面補強部材61が配置されている。
【0047】
下面補強部材61は、略波形状の断面が車幅方向に略沿って延出する金属製の板状部材によって構成されている。バッテリクロスメンバ45の前方張り出し座38と後方張り出し座39は、バッテリケース28の底壁28Aaを間に挟み込んだ状態で、下面補強部材61に結合されている。例えば、前方張り出し座38、及び、後方張り出し座39の平坦なフランジと、下面補強部材61の平坦なフランジが底壁28Aaの上下の面に重ねられ、その状態で部材相互が三枚重ねで溶接されている。バッテリクロスメンバ45は、これにより、メンバ本体部37から前後に張り出す前方張り出し座38と後方張り出し座39が底壁28Aaを挟んで下面の下面補強部材61と一体化されている。
【0048】
また、バッテリクロスメンバ45の車幅方向の端部領域においては、図7図8に示すように、バッテリケース28の底壁28Aaの下面に、前述したケースフレーム52の延長片52bが接合されている。この延長片52bは、下面補強部材を構成し、上記の下面補強部材61と同様に、前方張り出し座38、及び、後方張り出し座39が底壁28Aaを間に挟み込んだ状態で結合されている。
【0049】
また、図4図5に示すように、バッテリクロスメンバ45の前方張り出し座38と後方張り出し座39の付根部側(メンバ本体部37に連設される側)の一部には、周縁の底壁28Aaとの接合面に対して上方に膨出し、上面が平坦な台座部23が設けられている。台座部23は、図4に示すように、その上面にバッテリ51を載せ置くことができる。また、台座部23の下面側は、メンバ本体部37の内部空間と連通している。
【0050】
ここで、フロアクロスメンバ35は、図3に示すように、フロアパネル16の上面に接合されて、フロアパネル16との間で車幅方向に略沿って延出する閉断面を形成するクロスプレート65と、フロアパネル16の車幅方向の端部領域の下面と、サイドシル14の内側面とに架設され、フロアパネル16との間で車幅方向に略沿って延出する閉断面を形成するガセットプレート66と、を備えている。クロスプレート65は、断面が略ハット状に形成され、車幅方向の両端部が左右のサイドシル14の上面に接合されている。ガセットプレート66は、断面が略ハット状に形成され、車幅方向の両端部がフロアパネル16の下面とサイドシル14の内側面に接合されている。なお、本実施形態においては、クロスプレート65は複数のプレート材が接合されて構成されている。
【0051】
クロスプレート65の車幅方向の端部領域の上壁は、車幅方向外側に向かって下方傾斜している。これにより、クロスプレート65とフロアパネル16の上面によって形成される閉断面は、内部の開口面積が車幅方向外側に向かって次第に狭まっている。また、ガセットプレート66の下壁も同様に、車幅方向外側に向かって下方傾斜している。これにより、ガセットプレート66とフロアパネル16の下面によって形成される閉断面は、内部の開口面積が車幅方向外側に向かって次第に拡がっている。
【0052】
フロアクロスメンバ35は、車幅方向の中央領域がサイドシル14に対して上方に持ち上がった形状となっている。しかし、フロアクロスメンバ35は、上記の構成により、フロアパネル16とクロスプレート65によって形成される中央領域の閉断面と、クロスプレート65とガセットプレート66によって形成される端部領域の傾斜した閉断面とがほぼ一定の断面積となって連続している。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、バッテリクロスメンバ45のメンバ本体部37の下縁に前方張り出し座38と後方張り出し座39が延設され、前方張り出し座38と後方張り出し座39がバッテリケース28の底壁28Aaに結合されている。衝撃荷重の入力時等に、例えば、シートベルトから車体側クロスメンバに前後方向の荷重が入力されると、その荷重は締結部材であるスタッドボルト46を介してバッテリクロスメンバ45のメンバ本体部37の上部に入力される。このとき、メンバ本体部37には、スタッドボルト46を通して前後に傾倒させる方向のモーメントが作用するが、そのモーメントはメンバ本体部37の下縁から前後に張り出す前方張り出し座38と後方張り出し座39のバッテリケース28との各結合部によって受け止められる。このため、フロアクロスメンバ35(車体側クロスメンバ)からバッテリクロスメンバ45への前後方向の荷重の入力時には、バッテリクロスメンバ45の前後方向の倒れを高い剛性をもって抑制することができる。
したがって、本実施形態の下部構造体12を採用することにより、フロアクロスメンバ35の支持剛性を高く維持することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、前方張り出し座38と後方張り出し座39が、バッテリケース28の底壁28Aaの上面側に配置され、底壁28Aaの下面側に下面補強部材61が配置され、前方張り出し座38と後方張り出し座39が底壁28Aaを間に挟み込んだ状態で下面補強部材61に結合されている。バッテリクロスメンバ45の前方張り出し座38と後方張り出し座39は、これにより、下面補強部材61とともにバッテリケース28の底壁28Aaと一体化されている。したがって、この構成を採用した場合には、バッテリクロスメンバ45のメンバ本体部37の前後の倒れをより強固に抑制することができる。
また、この構成を採用した場合、バッテリクロスメンバ45と結合される各部材を低コストでの製造可能なプレス成形品によって構成し、部材相互を溶接固定することができる。
【0055】
特に、本実施形態においては、下面補強部材が略波形状の断面が車幅方向に略沿って延出する板状部材によって構成されているため、板状の下面補強部材61によってバッテリケース28の底壁28Aaの剛性を効率良く高めることができる。
【0056】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、バッテリケース28のケース側壁50の外側にケースフレーム52が結合され、ケースフレーム52に延設された延長片52bがバッテリケース28の底壁28Aaの下面に重ねられ、バッテリクロスメンバ45の前方張り出し座38と後方張り出し座39が底壁28Aaを間に挟み込んだ状態で延長片52bに結合されている。このため、バッテリクロスメンバ45の車幅方向の端部領域において、前方張り出し座38と後方張り出し座39が、バッテリケース28の底壁28Aaを挟み込んだ状態で延長片52bと一体化されることになる。したがって、この構成を採用した場合には、バッテリクロスメンバ45のメンバ本体部37の前後の倒れをより強固に規制することができる。
【0057】
さらに、本実施形態に係る車両の下部構造体12においては、バッテリクロスメンバ45のメンバ本体部37のうちの、スタッドボルト46の締結部の近傍に、メンバ本体部37の上壁37uと前壁37fと後壁37rの三面を拘束する第1隔壁部材58と第2隔壁部材59が結合されている。これにより、メンバ本体部のスタッドボルト46の締結部の近傍の断面剛性が第1隔壁部材58と第2隔壁部材59によって高められるため、スタッドボルト46の締結部の近傍の断面変形を効率良く抑制することができる。したがって、この構成を採用した場合には、軽量化のためにメンバ本体部37の肉厚を薄くせざるを得ない場合にも、スタッドボルト46の傾動や沈み込みを抑制し、フロアクロスメンバ35をバッテリクロスメンバ45によって高い剛性を持って支持することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、フロアクロスメンバ35(車体側クロスメンバ)が、車幅方向の両端部がサイドシル14に架設される断面略ハット状のクロスプレート65と、フロアパネル16の車幅方向の端部領域の下面とサイドシル14の側面とに架設される断面略ハット状のガセットプレート66と、を備え、クロスプレート65の車幅方向の端部領域とガセットプレート66が、車幅方向外側に向かって下方傾斜するように形成されている。そして、クロスプレート65の車幅方向の中央寄り領域は、断面補強部を兼ねるブラケット48が内部に取り付けられ、ブラケット48がスタッドボルト46によってバッテリクロスメンバ45のメンバ本体部37に結合されている。このため、フロアクロスメンバ35の中央領域をサイドシル14に対して上方に持ち上がった形状としながらも、フロアクロスメンバ35の略一定の連続した閉断面によって左右のサイドシル14を連結することができる。
【0059】
上記の構成を採用した場合、フロアクロスメンバ35の中央領域がサイドシル14に対して上方に持ち上がった形状とされるため、フロアクロスメンバ35の中央領域の下方に配置されるバッテリケース28を上方側に位置させることができる。したがって、バッテリケース28の下方の地上高を容易に確保することができる。
また、上記の構成の場合、クロスプレート65の中央領域が、断面補強部を兼ねるブラケット48によって断面を補強され、ブラケット48がスタッドボルト46によってバッテリクロスメンバ45に結合されている。このため、フロアクロスメンバ35に荷重が入力されたときに、クロスプレート65の断面変形を抑制した状態で、その入力荷重をバッテリクロスメンバ45に支持させることができる。
【0060】
さらに、本実施形態の場合、バッテリクロスメンバ45とフロアクロスメンバ35を連結するスタッドボルト46の胴部46aがケースカバー28Bの貫通孔57に、弾性シール部材56を介して保持されている。このため、スタッドボルト46とフロアクロスメンバ35の締結固定時に、ケースカバー28Bの上方に突出したねじ部46cの位置や方向を微調整することができる。したがって、この構成を採用した場合には、スタッドボルト46に対するフロアクロスメンバ35の締結作業性が良好になる。
また、この構成を採用した場合、ケースカバー28Bの貫通孔57が弾性シール部材56によって閉塞されているため、貫通孔57を通したバッテリケース28内への水の浸入を防止することができる。また、本実施形態の場合、スタッドボルト46とケースカバー28Bの間に弾性シール部材56が介在することになるため、ケースカバー28Bの振動を弾性シール部材56によって抑制することができる。
【0061】
また、上記の構成において、弾性シール部材56の上面をフロアパネル16の貫通孔57の周域の下面に当接させた場合には、フロアパネル16の貫通孔57を通して車室内側に水が浸入するのを弾性シール部材56によって防止することができる。さらに、この場合、弾性シール部材56によってフロアパネル16の振動を抑制することもできる。
【0062】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12は、ケースフレーム52に、ケースフレーム52をサイドシル14の下面に連結する取付フレーム53が結合され、取付フレーム53に延設されたフレーム延長片53aがケースフレーム52の延長片52bの下面に重ねられ、フレーム延長片53aが延長片52bとともにバッテリケース28の底壁28Aaに結合されている。このため、取付フレーム53とケースフレーム52の結合をより強固にすることができるうえ、バッテリケース28の底壁28Aaの剛性も高めることができる。
【0063】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12においては、バッテリクロスメンバ45のメンバ本体部37の内部に、メンバ本体部37の上壁37uと前壁37fと後壁37rとに接合される断面略コ字状の補強プレート20が配置されている。このため、スタッドボルト46が締結されるメンバ本体部37の剛性を簡単な構成によって容易に高めることができる。また、補強プレート20を、低コストでの製造が可能なプレス成形品によって形成することができるため、製品コストの低減を図ることができる。
【0064】
また、本実施形態に係る車両の下部構造体12の場合、前方張り出し座38と後方張り出し座39に、上方に隆起し下面がメンバ本体部37の内部空間と連通するとともに、上面が略平坦な台座部23が設けられている。このため、前方張り出し座38と後方張り出し座39に設けられた台座部23の上面をバッテリ支持部等として利用することができる。また、この構成を採用した場合、上方に起立した台座部23によって前方張り出し座38と後方張り出し座39の下面側をメンバ本体部37の内部空間と広い開口面積で連通させることができるため、製造時に防錆のための電着塗装液をバッテリクロスメンバ45の内部の隅々に容易に行き渡らせることができる。
【0065】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
12…下部構造体
14…サイドシル
16…フロアパネル
28…バッテリケース
20…補強プレート
23…台座部
28A…ケース本体
28Aa…底壁
28B…ケースカバー
35…フロアクロスメンバ(車体側クロスメンバ)
37…メンバ本体部
37f…前壁
37u…上壁
37r…後壁
38…前方張り出し座
39…後方張り出し座
45…バッテリクロスメンバ
46…スタッドボルト(締結部材)
46a…胴部
46c…ねじ部
48…ブラケット
48a…挿通孔
50…ケース側壁
52…ケースフレーム52
52b…延長片
53…取付フレーム
53a…フレーム延長片
56…弾性シール部材
57…貫通孔
58…第1隔壁部材(隔壁部材)
59…第2隔壁部材(隔壁部材)
61…下面補強部材
65…クロスプレート
66…ガセットプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8