特開2018-202897(P2018-202897A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202897(P2018-202897A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】バンパビーム構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/18 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   B60R19/18 Q
   B60R19/18 J
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-106951(P2017-106951)
(22)【出願日】2017年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 光政
(72)【発明者】
【氏名】池田 聡
(72)【発明者】
【氏名】浜▲崎▼ 周太
(57)【要約】
【課題】軽度の衝突及び重度の衝突に対応でき、かつ軽量化を図ることができるバンパビーム構造を提供すること。
【解決手段】バンパビーム構造10は、車幅方向に延びて、外縦壁25、内縦壁26、上面部27及び底面部28により構成された閉断面を有するバンパビーム12と、該バンパビームの車幅方向中央部の閉断面内に取付けられた補強部材16とを備える。補強部材16は、外縦壁25側から内縦壁26側に向かって車幅方向に広がる一対の傾斜部31,32を有し、軽衝突時に、該傾斜部を介して衝突荷重をバンパビーム12の内縦壁26に引張力として作用させる。また、一対の傾斜部31,32は、取付面を介して前記バンパビームの前記底面部にスポット溶接により固定されており、重衝突時に、バンパビーム12を圧潰させてスポット溶接点を破断させることにより、衝突エネルギーを吸収する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のサイドフレーム間を車幅方向に延びており、互いに対向する外縦壁及び内縦壁と、該外縦壁及び内縦壁を繋ぐ上面部及び底面部とにより構成された閉断面を有するバンパビームと、
該バンパビームの車幅方向中央部において前記バンパビームの閉断面内に取付けられた補強部材と、を備えたバンパビーム構造において、
前記補強部材は、前記外縦壁側から前記内縦壁側に移行するにつれて車幅方向に離間する左右一対の傾斜部を有し、
該一対の傾斜部は、一端部及び他端部のそれぞれが前記バンパビームの前記外縦壁及び前記内縦壁のそれぞれに結合されるとともに、取付面を介して前記バンパビームの前記上面部及び/又は前記底面部にスポット溶接により固定されたことを特徴とするバンパビーム構造。
【請求項2】
前記バンパビームは、前記外縦壁及び/又は前記内縦壁に凹凸面を有し、
前記補強部材は、取付状態において前記凹凸面に嵌合する嵌合部を有することを特徴とする請求項1に記載のバンパビーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のバンパを構成するバンパビーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の前部には、車両前方側からの衝突荷重に対して乗員と車体とを保護するために、車幅方向に延びるバンパビームが設けられている。
【0003】
バンパビームは、例えば、車両の高速衝突など、重度の衝突の際には、バンパビームの潰れ残りを抑えて破壊量を増加させることにより、衝突エネルギーを多く吸収することが望まれる。一方、例えば、車両の低速衝突など、軽度の衝突の際には、車体保護の観点から衝突物の車両への侵入を最小限に抑え、車体損傷による部品交換などのリペアコストを抑えることが望まれる。
【0004】
従来、このような高速衝突と低速衝突とに適応させたバンパビーム構造として、バンパビームの閉断面の面積を拡大したり、板厚を増加させたりすることで、バンパビーム自体の耐力を向上させる対策がなされている。
【0005】
また、他の対策として、バンパビームの閉断面の内部に補強部材を設置したものが知られている。例えば、特許文献1に記載のバンパビーム構造では、バンパビームの車幅方向中央部において、バンパビームの閉断面の内部に水平断面ハット形状の補強部材が設置している。この補強部材は、ハット形状の開口側が車両前後方向において車両外側を向いており、この開口側のフランジ部がバンパビームの閉断面を構成している外縦壁に結合され、ハット形状の頂部がバンパビームの閉断面を構成している内縦壁に結合されることでバンパビーム内に固定されている。また、補強部材は、ハット形状の開口側から頂部側(すなわち、車両外側から内側)に向かって車幅方向の離間距離が狭くなる一対の傾斜部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−260364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、バンパビームの閉断面の面積を拡大したり、板厚を増加させたりするものでは、車体重量が増大してしまうという問題があった。
【0008】
一方、特許文献1に記載のバンパビーム構造では、補強部材をバンパビームの局部(車幅方向中央部)に配置するものであるため、従来の構造に比して軽量化が可能である。また、補強部材によって軽衝突時の車体損傷を抑えることができるとともに、重衝突時に補強部材を破壊させて衝突エネルギーを吸収させることができる。
【0009】
しかしながら、補強部材がバンパビームの局部に配置されていることから、車両の高速衝突時にバンパビームが上下方向において偏った潰れ方をした場合、例えば、バンパビームの上方側又は下方側に潰れが集中した場合には、補強部材の破壊が十分になされず、所望の衝突エネルギー吸収を行うことができないことがある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、軽量化を図ることができ、かつ軽度の衝突及び重度の衝突に対応することが可能なバンパビーム構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のバンパビーム構造は、左右のサイドフレーム間を車幅方向に延びており、互いに対向する外縦壁及び内縦壁と、該外縦壁及び内縦壁を繋ぐ上面部及び底面部とにより構成された閉断面を有するバンパビームと、該バンパビームの車幅方向中央部において前記バンパビームの閉断面内に取付けられた補強部材と、を備えたバンパビーム構造において、前記補強部材は、前記外縦壁側から前記内縦壁側に移行するにつれて車幅方向に離間する左右一対の傾斜部を有し、該一対の傾斜部は、一端部及び他端部のそれぞれが前記バンパビームの前記外縦壁及び前記内縦壁のそれぞれに結合されるとともに、取付面を介して前記バンパビームの前記上面部及び/又は前記底面部にスポット溶接により固定されたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、補強部材をバンパビームの車幅方向中央部に配置しているので、車体重量の軽量化を図ることができる。
【0013】
また、補強部材が、バンパビームの外縦壁側から内縦壁側に移行するにつれて車幅方向に離間する左右一対の傾斜部を有しているので、車両前後方向の衝突において軽度の衝突が発生した場合に、一対の傾斜部を介して、車両外側からの衝撃力をバンパビームの外縦壁から内縦壁へ伝達し、外縦壁と内縦壁とにおいて車幅方向の引張力として作用させることができる。このように、バンパビームの延在方向に引張力を作用させることにより、バンパビームに座屈や曲げが生じるのを抑えて高い反力を発生させることができ、その結果、軽衝突による車体損傷を防止することができる。
【0014】
また、重度の衝突の際には、バンパビームの前後方向の圧潰により、補強部材の取付面のスポット溶接部に上下方向の引張力を作用させることができる。スポット溶接は、溶接面と平行に作用するせん断力に対して高い強度を有する一方、溶接面に垂直に作用する引張力に対して強度が低くなることから、重度の衝突の際に、スポット溶接部に上下方向(すなわち、溶接面の垂直方向)の引張力が作用することにより、溶接点を破断させることができる。車両の高速衝突時にバンパビームが上下方向において偏った潰れ方をした場合であっても、スポット溶接面には上下方向の引張力が作用するので、溶接点を破断させて所望の衝突エネルギー吸収を行うことができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバンパビーム構造において、前記バンパビームは、前記外縦壁及び/又は前記内縦壁に凹凸面を有し、前記補強部材は、取付状態において前記凹凸面に嵌合する嵌合部を有することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、取付状態において補強部材の嵌合部が、バンパビームの凹凸面に嵌合しているので、バンパビームに対して補強部材の位置がずれることを防止することができる。これにより、軽衝突時及び重衝突時において、補強部材に衝突荷重をより適切に作用させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るバンパビーム構造によれば、車体の軽量化を図りながら、軽度の衝突の際に車体損傷を抑えることができ、重度の衝突の際に潰れ残りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態であるバンパビーム構造を示す斜視図。
図2図1に示すバンパビーム構造を水平方向に切断した断面図。
図3図1のIII−III線に沿う断面図。
図4】軽衝突時のバンパビーム構造の作用を説明する断面図。
図5】重衝突時のバンパビーム構造の作用を説明する断面図。
図6】重衝突時のバンパビーム構造の作用を説明する図3と同様の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施の形態であるバンパビーム構造10を示す断面図、図2は、バンパビーム構造10を水平方向に切断した断面図、図3は、図1のIII−III線断面図である。本発明に係るバンパビーム構造10は、自動車等の車両に適用されるものであり、車幅方向Xに延びる長尺状のバンパビーム12と、バンパビーム12の両端部に配設されたクラッシュボックス14,15と、バンパビーム12の内部に取付けられた補強部材16とを含む。なお、図3では補強部材16にドットを付している。
【0020】
バンパビーム12は、鋼板等の金属材料や樹脂材料により形成され、車両のフロントバンパを構成する強度部材であり、車両衝突時に衝突エネルギーを吸収するものである。車両設置状態において、バンパビーム12の正面(車両外側の面)は、図示しないバンパフェイスで覆われる。バンパビーム12は閉断面を有し、本実施の形態では、車両前後方向において車両外側に配置される長尺板状の第1部材21と、第1部材21と対向して車両内側に配置され、断面ハット形状に屈曲された長尺板状の第2部材22とを備える。
【0021】
図1及び図3に示すように、第2部材22のハット形状の開口側のフランジ部22a,22bは、第1部材21の内面(車両内側の面)に接合され、これにより、略矩形状の閉断面が形成される。なお、図3では、車両設置状態において、バンパビーム12の車両後方側のエンジン房内に設置されたエンジン構成部品50を記載している。このエンジン構成部材50は、例えば、エンジンのクランクシャフトに取付けられたクランクプーリ等であり、バンパビーム12に比して高い剛性を有する。
【0022】
第1部材21は、閉断面において車両外側に位置する外縦壁25を形成し、第2部材は、閉断面において、外縦壁25と対向する内縦壁26と、外縦壁25及び内縦壁26の上端を繋ぐ上面部27と、外縦壁25及び内縦壁26の下端を繋ぐ底面部28とを形成する。本実施の形態では、上面部27と底面部28とが、外縦壁25から内縦壁26に向かうに連れて離間距離が僅かに狭くなるように形成されているが、上面部27と底面部28とは車幅方向Xに平行に延びる構成であってもよい。
【0023】
外縦壁25及び内縦壁26は、車幅方向X中央部において、閉断面内側に凹凸面25a,26aを有する。凹凸面25a,26aは、第1部材21及び第2部材22のそれぞれを車幅方向Xに延びる折れ線で屈曲して形成されており、本実施の形態の凹凸面25a,26aは、図3に示すように、上下方向の中央部において閉断面内側に向かって凸となる台形状の断面を有する凹凸面となっている。
【0024】
バンパビーム12は、車幅方向Xの両端部がクラッシュボックス14,15を介して、車両前後方向に延びる左右のサイドフレーム18,19(図2参照)の端部に結合される。
【0025】
クラッシュボックス14,15は、設置状態において車両前後方向に延びる筒状の部材であり、鋼板または軽合金板をプレス成形することにより成形される。クラッシュボックス14,15の一端部は、バンパビーム12の第2部材25に接合され、他端部はサイドフレーム18,19に接合される。車両前後方向の衝突荷重を受けた際、クラッシュボックス14,15が座屈変形することにより衝撃力を吸収する。
【0026】
なお、本実施の形態のバンパビーム12は、車幅方向中央部において車両外側に凸となるように湾曲しているが、バンパビーム12は、車幅方向に直線状に延びる構造であってもよい。
【0027】
補強部材16は、金属材料や樹脂材料により形成され、バンパビーム12の車幅方向中央部の閉断面内に配設される。図1及び図2に示すように、補強部材16は、バンパビーム12の外縦壁25と当接する外面部30と、外面部30から車両内側に向かって傾斜して延びる左右一対の傾斜部31,32と、一対の傾斜部31,32のそれぞれの先端部に形成されたフランジ部37,38とを有する。
【0028】
外面部30は、バンパビーム12の外縦壁25の内面と面接触状態で結合される板状の部分である。図3に示すように、外面部30の上端部及び下端部は、バンパビーム12の外縦壁25とフランジ部22a,22bとの間に挟持された状態で、これらに固定される。外面部30には、外縦壁25の凹凸面25aと嵌合する凹凸面状の嵌合部30aが形成されている。
【0029】
一対の傾斜部31,32は、バンパビーム12の外縦壁25側から内縦壁26側に移行するにつれて車幅方向Xに離間するように、外面部30の車幅方向の両外側からハの字状に広がる板状の部分である。図1及び図2に示すように、傾斜部31,32は、それぞれ下端部に、バンパビーム12の底面部28と面接触する取付面を備えた底面取付部33,34を有している。
【0030】
底面取付部33,34は、設置状態においてバンパビーム12の外縦壁25及び内縦壁26と離間しており、取付面において、底面部28とスポット溶接で固定されている。図2及び図3では、底面取付部33,34のスポット溶接部35を黒塗りで示している。スポット溶接の溶接面は上下方向を向いている。なお、図示例では、各取付部33,34に対して二箇所の溶接点を設けているが、スポット溶接による溶接点は一箇所以上あればよい。
【0031】
補強部材16のフランジ部37,38は、傾斜部31,32の先端部において車幅方向外側に屈曲した部位であり、内縦壁26の内面と面接触状態で結合される。図1において破線で示すように、フランジ部37,38は、内縦壁26の凹凸面26aと嵌合する凹凸面状の嵌合部37a,38aを有する。
【0032】
上述のとおり、傾斜部31,32は、一端部が外面部30により外縦壁25に固定され、他端部(先端部)がフランジ部37,38により内縦壁に固定される。また、図1及び図3に示すように、傾斜部31,32は、傾斜方向に沿って延びる複数の折れ線39で屈曲している。この折れ線39は、外縦壁25及び内縦壁26のそれぞれの折れ線を繋ぐように形成されている。
【0033】
次に、上述したバンパビーム構造10の車両衝突時の作用を説明する。
【0034】
図4は、軽衝突時のバンパビーム構造10の作用を説明する図であって、バンパビーム構造10を水平方向に切断した断面図である。
【0035】
車両が低速で衝突(軽衝突)し、車両前方からバンパビーム12に衝突荷重Fが入力されると、バンパビーム12の外縦壁25に引張力(図4の矢印F1参照)が作用するとともに、補強部材16の外面部30を介して伝達された衝突荷重は、左右の傾斜部31,32に分散されて(荷重F2,F3)、バンパビーム12の内縦壁26に伝達される(荷重F4,F5)。これにより、内縦壁26には引張力が作用する。この引張力に対する反力を発生させることで、外縦壁25及び内縦壁26において座屈や曲げを抑制しながら、外縦壁25及び内縦壁26による高い反力でバンパビーム12の車内側への侵入量を抑制することができる。
【0036】
従来の補強部材を備えたバンパビーム構造では、補強部材の一対の傾斜部が、車両外側から内側に向かって車幅方向の離間距離が狭くなるように形成(すなわち、本実施の形態の一対の傾斜部31,32とは逆のハの字状に形成)されており、衝突荷重に対して主に補強部材の剛性で対抗しているため、バンパビームの外縦壁や補強部材に座屈や曲げが生じやすい構造であった。本実施の形態のバンパビーム構造10では、一対の傾斜部31,32によってバンパビーム12の内縦壁26に引張力を作用させることで、座屈や曲げを抑えながら高い反力で侵入量を抑制し、その結果、軽衝突の際の車体損傷を防止することができる。
【0037】
次に、車両が高速で衝突(重衝突)した際の作用について説明する。図5及び図6は重衝突時のバンパビーム構造10の作用を説明する図であって、図5はバンパビーム構造10を水平方向に切断した断面図であり、図6は車幅方向中央位置の縦断面図である。
【0038】
車両が高速で衝突した場合、車両前方からの衝突物の侵入により、バンパビーム12は車内側へ移動して、後方に設置された高剛性のエンジン構成部材50に当接して圧壊する。車両前後方向の圧縮力が加わることで、バンパビーム12は上下方向に膨らむように変形し、補強部材16とバンパビーム12とを結合するスポット溶接部35には、上下方向の引張力が作用する。
【0039】
スポット溶接は、溶接面と平行に作用するせん断力に対しては高い強度を有するが、溶接面に垂直に作用する引張力(すなわち、スポット溶接部35に作用する上下方向の引張力)に対してはせん断力に比して強度が低くなることから、重衝突の際に作用する引張力によりスポット溶接部35が破断し、これにより、確実に衝突エネルギーを吸収させることができる。また、スポット溶接部35が破断することにより、バンパビーム12及び補強部材16がより圧潰されやすくなり、衝突ストロークを確保することができる。また、重衝突の際には、クラッシュボックス14,15が座屈変形することにより衝突エネルギーの吸収性が向上する。
【0040】
なお、図示していないが、エンジン構成部材50が上下方向においてバンパビーム12の下方側やバンパビーム12と同じ高さ位置に配置されている場合であっても、重衝突時にはバンパビーム12が上下方向に膨らむように潰れる。そのため、エンジン構成部材50の上下方向の配置の相違によりバンパビーム12の潰れに偏りが生じた場合であっても、スポット溶接部35を破断させて所望の衝突エネルギー吸収を行うことができる。
【0041】
なお、底面取付部33,34に代えて、又は、底面取付部33,34と共に、傾斜部31,32の上端部にバンパビーム12の上面部26と面接触する上面取付部を設け、この上面取付部とバンパビーム12の上面部26とスポット溶接により固定してもよい。このようなスポット溶接部は、衝突時にバンパビーム12に当接するエンジン構成部材50がバンパビーム12の上方側にある場合には、少なくとも底面部28側に形成され、エンジン構成部材50がバンパビーム12の下方側にある場合には、少なくとも上面部27側に形成されていることが好ましい。
【0042】
上述したように、本実施の形態のバンパビーム構造10は、バンパビーム12の車幅方向中央部に補強部材16を配置することで、バンパビーム自体の閉断面の面積を拡大したり、板厚を増加させたりするものに比べて、車体重量の軽量化を図ることができるとともに、軽度の衝突の際に車体損傷を抑え、重度の衝突の際に部材の潰れ残りをなくすことができる。
【0043】
また、補強部材16の嵌合部30a及び37a,38aのそれぞれが、バンパビーム12の凹凸面25a及び26bのそれぞれに嵌合しているので、バンパビーム12に対して補強部材16の取付位置がずれることを防止される。その結果、軽衝突時及び重衝突時のそれぞれにおいて、補強部材16に衝突荷重をより適切に作用させることができる。なお、凹凸面25a,26b及びこれに嵌合する嵌合部30a,37a,38aは、外縦壁25側及び内縦壁26側のうちのいずれか一方にあればよい。
【0044】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0045】
例えば、補強部材16の一対の傾斜部は一体ではなく、左側傾斜部32と右側傾斜部31とに分割された構造であってもよい。
【0046】
また、上述の実施の形態では、車両前部に配置されるフロントバンパを構成するバンパビーム構造10について記載しているが、本発明に係るバンパビーム構造は、車両後部に配置されるリヤバンパを構成するものであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 バンパビーム構造
12 バンパビーム
16 補強部材
25 外縦壁
26 内縦壁
27 上面部
28 底面部
30 補強部材の外面部
31,32 傾斜部
33,34 底面取付部
37,37 フランジ部
35 スポット溶接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6