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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202912(P2018-202912A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】車両用シート装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20181130BHJP
【FI】
   B60N2/44
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-107173(P2017-107173)
(22)【出願日】2017年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】久保 尚己
(72)【発明者】
【氏名】今村 雅宏
(72)【発明者】
【氏名】梅本 千恵美
(72)【発明者】
【氏名】黒尾 孝幸
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE09
(57)【要約】
【課題】カバー部の剛性を確保することができる車両用シート装置を提供する。
【解決手段】シート装置10は、フットブラケット部26と、該フットブラケット部26に取り付けられた後脚22Lの下端とを覆うカバー部30を有する。カバー部30は、第1カバー部材30aと、該第1カバー部材30aに嵌合する第2カバー部材30bとに分割して構成される。第1カバー部材30a及び第2カバー部材30bの分割位置64は、上方から下方に向かって傾斜している。第1カバー部材30aは、カバー部30の上面部分まで覆い、第2カバー部材30bは、上方から下方に向かうに従って、前後方向に沿った長さが長く設定されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定されたフットブラケット部にシート本体の脚部を取り付けることにより、該シート本体を前記車体に組み付ける車両用シート装置において、
前記フットブラケット部と、該フットブラケット部に取り付けられた前記脚部の下端とを覆うカバー部をさらに有し、
前記カバー部は、第1カバー部材と、該第1カバー部材に嵌合する第2カバー部材とに分割して構成され、
前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材の分割位置は、上方から下方に向かって傾斜しており、
前記第1カバー部材は、前記カバー部の上面部分まで覆い、
前記第2カバー部材は、上方から下方に向かうに従って、前記第2カバー部材から前記第1カバー部材に向かう方向に沿った長さが長くなることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用シート装置において、
前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材のうち、いずれか一方のカバー部材の底部側には、他方のカバー部材に向かって延在する延出部が形成され、
前記分割位置で前記第1カバー部材と前記第2カバー部材とが嵌合した際、前記フットブラケット部の一部、前記延出部、及び、前記他方のカバー部材の底部側が重なり、
これらの重なり部分が締結部材によって共締め固定されることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車両用シート装置において、
前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材のうち、いずれか一方のカバー部材には、前記フットブラケット部に形成された係合孔に係合する係合爪が設けられていることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用シート装置において、
前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材のうち、いずれか一方のカバー部材には、前記フットブラケット部及び前記車体に係合する係合部が設けられていることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用シート装置において、
前記フットブラケット部は、前記脚部が取り付けられるシート本体用ブラケットと、シートベルトを固定するためのバックルが取り付けられるシートベルト用ブラケットとから構成され、
前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材は、前記シート本体用ブラケット、該シート本体用ブラケットに取り付けられた前記脚部の下端、前記シートベルト用ブラケット、及び、該シートベルト用ブラケットに取り付けられた前記バックルの基端部を覆うことを特徴とする車両用シート装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用シート装置において、
前記脚部は、傾斜した状態で前記フットブラケット部に取り付けられ、
前記フットブラケット部には、傾斜した前記脚部の下端側を前記カバー部の内部で支持する支持部が設けられていることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用シート装置において、
前記第1カバー部材は、車両後方側に配置され、
前記第2カバー部材は、車両前方側に配置されていることを特徴とする車両用シート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に固定されたフットブラケット部にシート本体の脚部を取り付けることにより、該シート本体を車体に組み付ける車両用シート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、シート脚部に上下方向に形成されたケーブル挿通孔に給電ケーブルが挿通され、該給電ケーブルを介してシート本体の電装部品に給電することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−25821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、作業者は、上下方向に形成されたケーブル挿通孔に給電ケーブルを挿通させる必要があるので、シート本体を車体に組み付ける際の作業効率が低下する。
【0005】
一方、車両用シート装置を車体に組み付ける場合、シート本体の脚部をフットブラケット部を介して車体に取り付けることにより該シート本体を車体に固定する。この場合、フットブラケット部と、該フットブラケット部に固定される脚部の下端とは、カバー部で覆うことが望ましい。
【0006】
ところで、シート本体の電装部品に対してハーネスを介して電力を供給する場合、該ハーネスを何らかの手段で保持する必要がある。そこで、カバー部を分割構成とし、ハーネスを脚部に這わせた状態で、該ハーネス、脚部の下端及びフットブラケット部を分割構成のカバー部で覆えば、ハーネスの引き回しが容易になる。一方で、カバー部を分割構成とすれば、該カバー部の剛性が低下する。
【0007】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、カバー部の剛性を確保することができる車両用シート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車体に固定されたフットブラケット部にシート本体の脚部を取り付けることにより、該シート本体を前記車体に組み付ける車両用シート装置であって、該車両用シート装置は、前記フットブラケット部と、該フットブラケット部に取り付けられた前記脚部の下端とを覆うカバー部をさらに有する。前記カバー部は、第1カバー部材と、該第1カバー部材に嵌合する第2カバー部材とに分割して構成され、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材の分割位置は、上方から下方に向かって傾斜している。この場合、前記第1カバー部材は、前記カバー部の上面部分まで覆い、前記第2カバー部材は、上方から下方に向かうに従って、前記第2カバー部材から前記第1カバー部材に向かう方向に沿った長さが長くなる。
【0009】
この構成によれば、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材の分割位置が傾斜し、前記第1カバー部材が前記カバー部の上面部分まで覆うと共に、上方から下方に向かうに従って、前記第2カバー部材における、該第2カバー部材から前記第1カバー部材に向かう方向に沿った長さが長くなるように設定されている。これにより、前記第1カバー部材の剛性が確保される。また、前記分割位置を傾斜させることにより、上下方向に分割位置を設けた場合と比較して、前記第1カバー部材と前記第2カバー部材とが前記分割位置で分離して開くことを防止することが可能となる。この結果、前記カバー部全体の剛性を確保することができる。
【0010】
ここで、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材のうち、いずれか一方のカバー部材の底部側には、他方のカバー部材に向かって延在する延出部が形成されている。この場合、前記分割位置で前記第1カバー部材と前記第2カバー部材とが嵌合した際、前記フットブラケット部の一部、前記延出部、及び、前記他方のカバー部材の底部側が重なるので、これらの重なり部分を締結部材によって共締め固定すれば、組み付け剛性を向上させることができる。しかも、前記重なり部分は、前記分割位置の近傍であるため、組み付け剛性を容易に向上させることが可能となる。
【0011】
また、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材のうち、いずれか一方のカバー部材に、前記フットブラケット部に形成された係合孔に係合する係合爪を設けることにより、一方のカバー部材の前記係合爪と前記係合孔とを先に係合させた後に、前記一方のカバー部材と他方のカバー部材とを嵌合させれば、組み付け剛性の向上と、組み付け作業の効率化とを実現することができる。
【0012】
また、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材のうち、いずれか一方のカバー部材に、前記フットブラケット部及び前記車体に係合する係合部を設けることにより、組み付け剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0013】
さらに、前記フットブラケット部は、前記脚部が取り付けられるシート本体用ブラケットと、シートベルトを固定するためのバックルが取り付けられるシートベルト用ブラケットとから構成される。これにより、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材は、前記シート本体用ブラケット、該シート本体用ブラケットに取り付けられた前記脚部の下端、前記シートベルト用ブラケット、及び、該シートベルト用ブラケットに取り付けられた前記バックルの基端部を、まとめて覆うことが可能となる。
【0014】
さらにまた、前記脚部は、傾斜した状態で前記フットブラケット部に取り付けられ、前記フットブラケット部には、傾斜した前記脚部の下端側を前記カバー部の内部で支持する支持部が設けられている。これにより、前記カバー部において、前記脚部が挿入される開口部分の剛性を向上させることができる。
【0015】
また、前記第1カバー部材は、車両後方側に配置され、前記第2カバー部材は、車両前方側に配置されている。このように、第1カバー部材及び第2カバー部材を前記車両の前後に配置することにより、作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1カバー部材及び第2カバー部材の分割位置が傾斜し、第1カバー部材がカバー部の上面部分まで覆うと共に、上方から下方に向かうに従って、第2カバー部材における、該第2カバー部材から第1カバー部材に向かう方向に沿った長さが長くなるように設定されている。これにより、第1カバー部材の剛性が確保される。また、分割位置を傾斜させることにより、上下方向に分割位置を設けた場合と比較して、第1カバー部材と第2カバー部材とが分割位置で分離して開くことを防止することが可能となる。この結果、カバー部全体の剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施の形態に係るシート装置の外観斜視図である。
図2図1のカバー部周辺を拡大して図示した斜視図である。
図3図2のカバー部の分解斜視図である。
図4図3のフットブラケット部の斜視図である。
図5図4のフットブラケット部を後方から見た斜視図である。
図6図2のVI−VI線に沿ったカバー部及びフットブラケット部の断面図である。
図7図2のVII−VII線に沿ったカバー部及びフットブラケット部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る車両用シート装置の実施の形態例を図1図7を参照しながら説明する。
【0019】
[本実施の形態の構成]
本実施の形態に係る車両用シート装置10(以下、シート装置10と記す。)は、図1に示すように、シートクッション12、シートバック14及びヘッドレスト16から構成されるシート本体18と、シートクッション12の下部に設けられた左右の2つの前脚20L、20Rと、シートバック14の下部に設けられた左右の2つの後脚22L、22Rとを備えている。
【0020】
シート装置10は、シート本体18が車両の車体であるフロア24の上方に配置されることにより、該車両の内部に組み付けられる。この場合、シートバック14は、シートクッション12の後端に対して回動自在に連結されている。そのため、シート本体18は、左右の2つの前脚20L、20Rと、左右の2つの後脚22L、22Rとによって、フロア24の上方で支持される。なお、図1では、一例として、シート装置10が車両としての四輪車の後部座席用のシートである場合について図示している。
【0021】
ここで、シート装置10を構成する脚部としての前脚20L、20R及び後脚22L、22Rのうち、左側の後脚22L周辺の構成について説明する。
【0022】
後脚22Lは、上下方向に対して斜めに傾斜した状態で、該後脚22Lの下端が、フロア24に固定されたフットブラケット部26に取り付けられることにより、該フロア24に固定される。また、図示しないシートベルトを固定するためのバックル28の基端部も、フットブラケット部26によって回動可能に支持される。フットブラケット部26、後脚22Lの下端及びバックル28の基端部は、外観品質の向上のため、カバー部30で覆われている。
【0023】
フットブラケット部26は、後脚22Lを取り付けるためのシート本体用ブラケット26Lと、バックル28を取り付けるためのシートベルト用ブラケット26Rとから構成される。図3図7に示すように、左側にシート本体用ブラケット26Lが配設され、右側にシートベルト用ブラケット26Rが配設されている。
【0024】
シート本体用ブラケット26Lは、フロア24の上面に載置される底部32と、底部32の左側部から立設する左壁部34と、底部32の右側部から立設する右壁部36と、底部32の前側で立設し、左壁部34及び右壁部36を連結する前壁部38とを具備する。底部32の後側には、貫通孔40が形成されている。
【0025】
左壁部34及び右壁部36は、前方に向かって斜め上方に延在し、その先端部分は、左右方向に延びる軸部42を支持する。また、右壁部36の上端には、左方向に屈曲して延びるフランジ部44が形成されている。この場合、後脚22Lの下端は、軸部42に連結され、後脚22Lは、軸部42から斜め後方に傾斜してシートバック14に向かって上方に延びる。支持部としてのフランジ部44は、斜めに傾斜した後脚22Lの下端側の背面に接触して該後脚22Lを支持する。前壁部38には、前方に開口する係合孔46が形成されている。
【0026】
一方、シートベルト用ブラケット26Rは、フロア24の上面に載置される底部48と、底部48の左側部で前後に立設する2つの左壁部50と、底部48の右側部で前後に立設する2つの右壁部52、54とを具備する。底部48の中央部には、2つの貫通孔56が前後に形成されている。
【0027】
シートベルト用ブラケット26Rの上方には、右方向に延びる軸部58がシート本体用ブラケット26Lの右壁部36に固定されている。軸部58は、バックル28の基端部を回動可能に軸支する。この場合、軸部58は、捻りバネ機構60を具備しており、軸部58を中心に回動したバックル28を所定角度に戻す機能を奏する。また、軸部58から前方に向かって略L字状の支持部材62が斜め下方に延びている。支持部材62の先端部は、左方向に屈曲し、2つの左壁部50で前後方向に支持されつつ、右壁部36を貫通している。
【0028】
カバー部30は、半円状の形状を有し、且つ、可撓性を有する弾性体(例えば、樹脂)からなり、後側の第1カバー部材30aと、前側の第2カバー部材30bとに分割された構成を具備する。第1カバー部材30a及び第2カバー部材30bの分割位置64は、上方から下方に向かって、前後方向に沿って斜めに傾斜している。具体的には、第1カバー部材30aがカバー部30の上面部分まで覆い、且つ、上方から下方に向かうに従って、第2カバー部材30bの前後方向に沿った長さが長くなるように、第1カバー部材30a及び第2カバー部材30bが分割されている。従って、第2カバー部材30bにおいて、前後方向に沿った長さは、底部の長さが最も長くなる。
【0029】
第1カバー部材30aは、上側部分から後方に向かって円弧状に湾曲し、背面部が後方に延出する形状を有する。そして、第1カバー部材30aにおいて、左右の側部には、ネジ孔66L、66Rがそれぞれ形成されている。また、第1カバー部材30aの背面部分において、シート本体用ブラケット26Lの貫通孔40に対応する箇所は、下方に凹んでおり、この凹み部分には、係合部としての孔部68が形成されている。さらに、第1カバー部材30aの上側部分のうち、シート本体用ブラケット26Lに対向する箇所と、シートベルト用ブラケット26Rに対向する箇所とには、それぞれ、切欠部70L、70Rが前後方向に形成されている。
【0030】
一方、第2カバー部材30bは、上側部分から前方に向かって円弧状に湾曲する形状を有する。そして、第2カバー部材30bにおいて、左右の側部には、後方に延出する延出部72L、72Rがそれぞれ形成されている。左右の延出部72L、72Rには、ネジ孔74L、74Rがそれぞれ形成されている。また、第2カバー部材30bの前方部分の内側において、シート本体用ブラケット26Lの前壁部38の係合孔46に対向する箇所には、係合爪76が後方に延出している。さらに、第2カバー部材30bの前側部分のうち、シート本体用ブラケット26Lに対向する箇所と、シートベルト用ブラケット26Rに対向する箇所とには、切欠部78L、78Rが前後方向にそれぞれ形成されている。
【0031】
そして、フットブラケット部26に対して前方から第2カバー部材30bを近接させると、シート本体用ブラケット26Lの前壁部38に形成された係合孔46に、第2カバー部材30bの係合爪76が係合する。これにより、第2カバー部材30bの延出部72Lのネジ孔74Lと、シート本体用ブラケット26Lの左壁部34に形成されたネジ孔80Lとが略同軸に位置する。また、第2カバー部材30bの延出部72Rのネジ孔74Rと、シートベルト用ブラケット26Rの右壁部54に形成されたネジ孔80Rとが略同軸に位置する。
【0032】
さらに、フットブラケット部26に対して後方から第1カバー部材30aを近接させると、第1カバー部材30aと第2カバー部材30bとが分割位置64で嵌合する。これにより、第1カバー部材30aのネジ孔66Lと、第2カバー部材30bのネジ孔74Lと、シート本体用ブラケット26Lのネジ孔80Lとが略同軸に位置する。また、第1カバー部材30aのネジ孔66Rと、第2カバー部材30bのネジ孔74Rと、シートベルト用ブラケット26Rのネジ孔80Rとが略同軸に位置する。
【0033】
この場合、左側から締結部材としてのタッピングネジ84Lによって各ネジ孔66L、74L、80Lを螺合させると、第1カバー部材30aの左側部と、第2カバー部材30bの延出部72Lと、シート本体用ブラケット26Lの左壁部34とが共締め固定される。一方、右側から締結部材としてのタッピングネジ84Rによって各ネジ孔66R、74R、80Rを螺合させると、第1カバー部材30aの右側部と、第2カバー部材30bの延出部72Rと、シートベルト用ブラケット26Rの右壁部54とが共締め固定される。
【0034】
このように、第1カバー部材30aと第2カバー部材30bとが分割位置64で嵌合することにより、カバー部30が構成される。これにより、第1カバー部材30aの切欠部70Lと、第2カバー部材30bの切欠部78Lとで、後脚22Lの下端が挿入される開口部86Lが形成される。また、第1カバー部材30aの切欠部70Rと、第2カバー部材30bの切欠部78Rとで、バックル28の基端部が挿入される開口部86Rが形成される。
【0035】
また、第1カバー部材30aと第2カバー部材30bとの嵌合により、第1カバー部材30aの孔部68と、シート本体用ブラケット26Lの貫通孔40とが略同軸に位置する。そこで、孔部68及び貫通孔40にネジ部材88を挿通させ、該ネジ部材88をフロア24に螺合させると、シート本体用ブラケット26L及び第1カバー部材30aを含むカバー部30をフロア24に固定することができる。前述のように、軸部42に後脚22Lの下端が固定されているので、シート本体用ブラケット26Lがフロア24に固定されると、該後脚22Lは、シート本体用ブラケット26Lを介してフロア24に取付固定される。
【0036】
また、カバー部30を構成する第1カバー部材30a及び第2カバー部材30bは、底部がフロア24に接触した状態で固定される。さらに、シートベルト用ブラケット26Rについても、図示しない2つのネジ部材を2つの貫通孔56にそれぞれ挿通させ、フロア24に螺合させることにより、フロア24に固定される。前述のように、軸部58にバックル28の基端部が軸支され、支持部材62が各左壁部50で支持されつつ右壁部36に貫通しているので、シート本体用ブラケット26L及びシートベルト用ブラケット26Rがフロア24に固定されると、該バックル28は、シート本体用ブラケット26L及びシートベルト用ブラケット26Rを介して、回動可能にフロア24に取り付けられる。
【0037】
第2カバー部材30bの前方における車幅方向内側(シート装置10の中央寄り)の位置には、第2カバー部材30bの底部(設置部分)に向かって開口する保持溝90が形成されている。保持溝90は、シート本体18内の図示しない電装部品に対して、電力供給等を行うためのハーネス92を保持する。この場合、保持溝90は、上下方向に形成され、フロア24に向かって開口された溝であり、第2カバー部材30bの底部と、フロア24の上面とが接触することにより、保持溝90内にハーネス92を保持することができる。
【0038】
ハーネス92は、シートベルト用ブラケット26Rの右壁部52に設けられた結束バンド94等によって固定支持され、開口部86Rから引き出されて電装部品にまで引き回される。一方、保持溝90から外部に引き出されたハーネス92の端部は、例えば、図示しないコネクタを介して他のハーネスと接続される。
【0039】
[シート装置10の組付方法]
以上のように構成されるシート装置10をフロア24に組み付ける場合、作業者は、先ず、フロア24上面における前脚20L、20R及び後脚22L、22Rの取付箇所に、前脚20L、20R及び後脚22L、22R用のフットブラケットを取り付ける。この場合、フットブラケット部26については、軸部42が設けられたシート本体用ブラケット26Lと、シートベルト用ブラケット26Rとを、軸部58及び支持部材62で連結させた状態で、図示しないネジ部材を用いてシートベルト用ブラケット26Rをフロア24に固定することにより、フロア24に取り付ける。
【0040】
次に、作業者は、既に取り付けられたフットブラケットに前脚20L、20R及び後脚22L、22Rをそれぞれ取り付ける。この場合、後脚22Lについては、シート本体用ブラケット26Lの軸部42に後脚22Lの下端を傾けた状態で固定し、傾けた後脚22Lの下端側をフランジ部44で後方から支持させる。また、作業者は、シートベルト用ブラケット26R上方の軸部58にバックル28を回動可能に軸支させる。これにより、フットブラケット部26を含む各フットブラケットを介して、シート本体18及びバックル28がフロア24に取り付けられる。
【0041】
なお、上述の取付手順は、(1)フロア24へのフットブラケットの取り付け、(2)フットブラケットへの前脚20L、20R、後脚22L、22R及びバックル28の取り付け、の順となっている。この順番に代えて、作業者は、(1)前脚20L、20R及び後脚22L、22Rへのフットブラケットの取り付け、(2)取り付けられた各フットブラケット(を含むシート本体18)のフロア24への取り付け、及び、フットブラケット部26へのバックル28の取り付け、の順で取付作業を行ってもよい。
【0042】
次に、作業者は、ハーネス92と電装部品とを接続した状態で、ハーネス92を結束バンド94等で右壁部52に固定する。次に、作業者は、第2カバー部材30bの保持溝90にハーネス92を通し、第2カバー部材30bの底部をフロア24の上面に沿わせつつ、係合爪76と係合孔46とを対向させた状態で、該第2カバー部材30bをフットブラケット部26に近接させる。これにより、第2カバー部材30bの左側の切欠部78Lは、後脚22Lの下端側を前方から覆い、右側の切欠部78Rは、バックル28の基端部を前方から覆い、係合爪76は、係合孔46と係合する。この結果、第2カバー部材30bの底部がフロア24の上面に接触した状態で、該第2カバー部材30bがフットブラケット部26に取り付けられる。また、保持溝90の開口部分は、フロア24の上面で閉塞されるので、ハーネス92は、保持溝90内で保持される。
【0043】
次に、作業者は、第1カバー部材30aの底部をフロア24の上面に沿わせつつ、第1カバー部材30aを後方からフットブラケット部26に近接させる。これにより、第1カバー部材30aの左側の切欠部70Lは、後脚22Lの下端側を後方から覆い、右側の切欠部70Rは、バックル28の基端部を後方から覆い、第1カバー部材30aと第2カバー部材30bとは、上下方向に傾斜した分割位置64で前後方向に嵌合する。この結果、左側の2つの切欠部70L、78Lによって開口部86Lが形成され、後脚22Lの下端側がカバー部30で覆われる。また、右側の2つの切欠部70R、78Rによって開口部86Rが形成され、バックル28の基端部がカバー部30で覆われる。この場合、ハーネス92は、バックル28に沿った状態で開口部86Rから引き出される。
【0044】
次に、作業者は、左側から各ネジ孔66L、74L、80Lにタッピングネジ84Lを螺合させ、第1カバー部材30aの左側部と、第2カバー部材30bの延出部72Lと、シート本体用ブラケット26Lの左壁部34とを共締め固定する。また、作業者は、右側から各ネジ孔66R、74R、80Rにタッピングネジ84Rを螺合させ、第1カバー部材30aの右側部と、第2カバー部材30bの延出部72Rと、シートベルト用ブラケット26Rの右壁部54とを共締め固定する。この結果、第1カバー部材30a及び第2カバー部材30bの底部がフロア24の上面に接触した状態で、第1カバー部材30a及び第2カバー部材30bがフットブラケット部26に固定される。
【0045】
次に、作業者は、第1カバー部材30aの孔部68と、シート本体用ブラケット26Lの貫通孔40とにネジ部材88を挿通し、フロア24に螺合させる。これにより、フットブラケット部26及びカバー部30がフロア24に固定される。また、作業者は、カバー部30から引き出されたハーネス92のコネクタと他のハーネスとを接続する。これにより、ハーネス92を介した電装部品への電力供給が可能になる。
【0046】
[本実施の形態の効果]
以上説明したように、本実施の形態に係るシート装置10によれば、第1カバー部材30a及び第2カバー部材30bの分割位置64が傾斜し、第1カバー部材30aがカバー部30の上面部分まで覆うと共に、上方から下方に向かうに従って、第2カバー部材30bにおける、前後方向(第2カバー部材30bから第1カバー部材30aに向かう方向)に沿った長さが長くなるように設定されている。これにより、第1カバー部材30aの剛性が確保される。また、分割位置64を傾斜させることにより、上下方向に分割位置を設けた場合と比較して、第1カバー部材30aと第2カバー部材30bとが分割位置64で分離して開くことを防止することが可能となる。この結果、カバー部30全体の剛性を確保することができる。
【0047】
また、第2カバー部材30bの底部側には、第1カバー部材30aに向かって延在する延出部72L、72Rが形成されている。この場合、分割位置64で第1カバー部材30aと第2カバー部材30bとが嵌合した際、フットブラケット部26の一部(左壁部34、右壁部54)、延出部72L、72R、及び、第1カバー部材30aの底部側(左右の側部の底部側)が重なる。これにより、重なり部分をタッピングネジ84L、84Rによって共締め固定すれば、フットブラケット部26及びカバー部30の組み付け剛性を向上させることができる。しかも、これらの重なり部分は、分割位置64の近傍であるため、該組み付け剛性を容易に向上させることが可能となる。
【0048】
また、シート本体用ブラケット26Lの前壁部38に形成された係合孔46に係合する係合爪76を第2カバー部材30bに設けることにより、係合爪76と係合孔46とを先に係合させた後に、第1カバー部材30aと第2カバー部材30bとを嵌合させれば、フットブラケット部26及びカバー部30の組み付け剛性の向上と、組み付け作業の効率化とを実現することができる。
【0049】
また、シート本体用ブラケット26L及びフロア24に係合する係合部としての孔部68を第1カバー部材30aに設けることにより、該孔部68と、シート本体用ブラケット26Lの貫通孔40とにネジ部材88を挿通させてフロア24に螺合させることが可能となる。これにより、フットブラケット部26、カバー部30及びフロア24の組み付け剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0050】
さらに、フットブラケット部26は、後脚22Lが取り付けられるシート本体用ブラケット26Lと、シートベルトを固定するためのバックル28が取り付けられるシートベルト用ブラケット26Rとから構成されている。これにより、第1カバー部材30a及び第2カバー部材30bは、シート本体用ブラケット26L、該シート本体用ブラケット26Lに取り付けられた後脚22Lの下端、シートベルト用ブラケット26R、及び、該シートベルト用ブラケット26Rに取り付けられたバックル28の基端部を、まとめて覆うことが可能となる。
【0051】
さらにまた、後脚22Lは、傾斜した状態でシート本体用ブラケット26Lに取り付けられ、シート本体用ブラケット26Lには、傾斜した後脚22Lの下端側をカバー部30の内部で支持するフランジ部44が設けられている。これにより、カバー部30において、後脚22Lが挿入される開口部86L側の剛性を向上させることができる。
【0052】
また、第1カバー部材30aは、車両後方側に配置され、第2カバー部材30bは、車両前方側に配置されている。このように、第1カバー部材30a及び第2カバー部材30bを車両の前後に配置することにより、作業性を向上させることができる。
【0053】
なお、本発明に係る車両用シート装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
【0054】
上記の説明では、第2カバー部材30bに延出部72L、72Rを設けたが、第1カバー部材30aに延出部72L、72Rを設けてもよい。この場合でも、延出部72L、72Rを設けたことによる上述の効果が得られる。
【0055】
また、第2カバー部材30b内方の左側に係合爪76を設けると共に、前壁部38に係合孔46を形成した場合について説明したが、係合爪76を第2カバー部材30b内方の右側に設けると共に、シートベルト用ブラケット26Rに前壁を設け、該前壁に係合孔46を形成してもよい。あるいは、第1カバー部材30a内方に係合爪76を設けると共に、シート本体用ブラケット26L又はシートベルト用ブラケット26Rに後壁を設け、該後壁に係合孔46を形成してもよい。いずれの場合でも、係合孔46及び係合爪76を設けたことによる上述の効果が得られる。
【0056】
さらに、第1カバー部材30aの孔部68と、シート本体用ブラケット26Lの貫通孔40とにネジ部材88を挿通させて、フロア24に螺合させる場合について説明したが、第1カバー部材30aにおけるシートベルト用ブラケット26R側に孔部68を形成し、該孔部68と、シートベルト用ブラケット26Rの貫通孔56とにネジ部材88を挿通させて、フロア24に螺合させてもよい。あるいは、第2カバー部材30bに孔部を形成すると共に、シート本体用ブラケット26L又はシートベルト用ブラケット26Rに貫通孔を別途形成し、該孔部及び貫通孔にネジ部材88を挿通させて、フロア24に螺合させてもよい。いずれの場合でも、ネジ部材88をフロア24に螺合させたことによる上述の効果が得られる。
【0057】
さらにまた、第2カバー部材30bに保持溝90を形成した場合について説明したが、第1カバー部材30aに保持溝90を設けてもよい。
【0058】
また、後脚22L以外にも、前脚20L、20Rや後脚22Rにフットブラケット部26及びカバー部30を設けることも可能である。いずれの場合でも、フットブラケット部26及びカバー部30を設けたことによる上述の各効果が容易に得られる。この場合、フットブラケット部26及びカバー部30の取付対象となる脚部によっては、バックル28に関わる構成要素(例えば、シートベルト用ブラケット26R)が省略される。
【0059】
また、ハーネス92についても、外部からハーネス92を介して電装部品に制御信号を送信してもよいし、及び/又は、電装部品からハーネス92を介して出力信号を出力させてもよい。
【0060】
さらに、シート装置10についても、四輪車の後部座席用のシートに限定されることはなく、前部座席用のシートであってもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…シート装置 12…シートクッション
14…シートバック 16…ヘッドレスト
18…シート本体 20L、20R…前脚
22L、22R…後脚 24…フロア
26…フットブラケット部 26L…シート本体用ブラケット
26R…シートベルト用ブラケット 28…バックル
30…カバー部 30a…第1カバー部材
30b…第2カバー部材 32、48…底部
34、50…左壁部 36、52、54…右壁部
38…前壁部 40、56…貫通孔
42、58…軸部 44…フランジ部
46…係合孔 60…捻りバネ機構
62…支持部材 64…分割位置
66L、66R、74L、74R、80L、80R…ネジ孔
68…孔部
70L、70R、78L、78R…切欠部 72L、72R…延出部
76…係合爪 84L、84R…タッピングネジ
86L、86R…開口部 88…ネジ部材
90…保持溝 92…ハーネス
94…結束バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7