特開2018-202922(P2018-202922A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202922(P2018-202922A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】クローラ走行装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/088 20060101AFI20181130BHJP
   B62D 55/12 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B62D55/088
   B62D55/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-107623(P2017-107623)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】木曾田 雄星
(57)【要約】
【課題】泥等の異物に起因した部材の損傷を回避できるようにすることが望まれていた。
【解決手段】走行用の回転体7と、回転体7を支持する支持軸10と、支持軸10の外側を覆うとともに支持軸10を回転自在に支持する支持ケース11とが備えられ、回転体7に、支持軸10と一体回転して、支持ケース11における回転体7側の端面11cと回転体7における支持ケース11に対向する対向側面7gとの間に入り込んだ異物を外側に排出する排出部23が備えられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用の回転体と、前記回転体を支持する支持軸と、前記支持軸の外側を覆うとともに前記支持軸を回転自在に支持する支持ケースとが備えられ、
前記支持軸及び前記回転体のいずれか一方又は両方に、前記支持軸と一体回転して、前記支持ケースにおける前記回転体側の端面と前記回転体における前記支持ケースに対向する対向側面との間に入り込んだ異物を外側に排出する排出部が備えられているクローラ走行装置。
【請求項2】
前記排出部は、前記回転体の前記対向側面に備えられている請求項1に記載のクローラ走行装置。
【請求項3】
前記排出部は、前記対向側面から前記支持ケース側に向けて突出する凸部である請求項2に記載のクローラ走行装置。
【請求項4】
前記排出部は、前記対向側面の径方向内側端部から前記支持ケースの外周部に対応する位置まで延びている請求項3に記載のクローラ走行装置。
【請求項5】
前記排出部は周方向に間隔をあけて複数設けられ、周方向に隣り合う前記排出部同士の間に、径方向に沿って外方に開放される入り込み空間が形成されている請求項4に記載のクローラ走行装置。
【請求項6】
前記排出部の外周側部分が外端側ほど幅狭となる先細状に形成されている請求項4又は5に記載のクローラ走行装置。
【請求項7】
前記支持ケースにおける前記回転体側の端部に、径方向内方側に延びるフランジ部が備えられ、
前記フランジ部の前記回転体側の側面が、前記回転体側の端面を構成している請求項1から6のいずれか1項に記載のクローラ走行装置。
【請求項8】
前記フランジ部は、径方向内方側端部が前記支持軸の外周部に近接する箇所まで延設され、
前記フランジ部における前記回転体とは反対側箇所に、前記支持軸と前記支持ケースとの間を封止するシール部材が備えられている請求項7に記載のクローラ走行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバイン等の農作業車やバックホウ等の建設車両に備えられているクローラ走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、支持軸の軸端に走行用の回転体としての駆動スプロケットが備えられ、支持軸の外側を覆う支持ケースと支持軸との間にベアリングが備えられ、ベアリングよりも駆動スプロケット側にシール部材が備えられ、さらに、支持ケースにおける回転軸側の端部に突出形成されたリング状の凸部が、駆動スプロケットと一体回転する回転部分に形成されたリング状の凹部に入り込むようにラビリンス部を備えたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成は、ラビリンス部を備えることで、走行用の回転体(駆動スプロケット)と支持ケースの端部との間から泥等が内部に侵入し難くなるようにしている。しかし、クローラ走行装置は、軟弱な圃場等を走行するときに、泥等の内部への侵入を完全に防止することは難しく、ラビリンス部を通してシール部が存在する箇所に泥が侵入することがある。
【0005】
このように内部に泥が侵入した場合、ラビリンス部が備えられることから、侵入した泥は外方に排出され難くなり、内部に滞留するおそれが大である。そして、内部に滞留して堆積した泥が原因で、シール部材やその他の摺動部分における部材が短期間で損傷する等、耐久性が低下するという不利な面があり、未だ改善の余地があった。
【0006】
そこで、泥等の異物に起因した部材の損傷を回避できるようにすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るクローラ走行装置の特徴構成は、
走行用の回転体と、前記回転体を支持する支持軸と、前記支持軸の外側を覆うとともに前記支持軸を回転自在に支持する支持ケースとが備えられ、
前記支持軸及び前記回転体のいずれか一方又は両方に、前記支持軸と一体回転して、前記支持ケースにおける前記回転体側の端面と前記回転体における前記支持ケースに対向する対向側面との間に入り込んだ異物を外側に排出する排出部が備えられている点にある。
【0008】
湿田において走行しているような場合に、支持ケースの端面と回転体との間から泥等の異物が内部に侵入しようとするが、本発明によれば、このような場合であっても、排出部が支持軸や回転体の回転に伴って一体的に回転して、支持ケースの端面と回転体の対向側面との間に位置する異物を回転動作によって外方に強制的に排出させる。その結果、泥土に埋まった状態で走行しているような場合であっても、支持ケースの端面と回転体との間から内部に侵入しようとする異物だけでなく、既に侵入している異物も、排出部によって排出させることができる。
【0009】
その結果、泥等の異物が侵入して堆積することを抑制して、異物に起因した部材の損傷を回避させることが可能となった。
【0010】
本発明においては、前記排出部は、前記回転体の前記対向側面に備えられていると好適である。
【0011】
本構成によれば、小型の部材である回転体に排出部を備えるので、支持ケース等の大型の部材を対象にするものに比べて、排出部の取付けや加工等の作業が行い易い。
【0012】
本発明においては、前記排出部は、前記対向側面から前記支持ケース側に向けて突出する凸部であると好適である。
【0013】
本構成によれば、対向側面に凸部を形成するだけでよく、作成の手間が少ないものになる。
【0014】
本発明においては、前記排出部は、前記対向側面の径方向内側端部から前記支持ケースの外周部に対応する位置まで延びていると好適である。
【0015】
本構成によれば、排出部は支持ケースの外周部近くにまで異物を寄せる機能があり、異物を確実に外方に排出させることができる。
【0016】
本発明においては、前記排出部は周方向に間隔をあけて複数設けられ、周方向に隣り合う前記排出部同士の間に、径方向に沿って外方に開放される入り込み空間が形成されていると好適である。
【0017】
本構成によれば、異物は、入り込み空間に入り込んだ状態で案内されて径方向外方に向けて排出される。周方向に間隔をあけて設けられた複数の入り込み空間によって能率よく異物を案内して、径方向外方に排出させることができる。
【0018】
本発明においては、前記排出部の外周側部分が外端側ほど幅狭となる先細状に形成されていると好適である。
【0019】
本構成によれば、排出部における回転方向下手側の端縁の外周側部分が、径方向外側へ向かうほど回転方向下手側に向けて傾斜した状態となる。その結果、回転に伴って排出部の端縁によって押し移動案内される異物に対して、斜め外方側に向かう放出力が作用するので、異物の径方向外方への案内作用を良好に行い易い。
【0020】
本発明においては、前記支持ケースにおける前記回転体側の端部に、径方向内方側に延びるフランジ部が備えられ、
前記フランジ部の前記回転体側の側面が、前記回転体側の端面を構成していると好適である。
【0021】
本構成によれば、フランジ部は、支持軸に向かうように径方向内方側に向けて延びている。フランジ部と支持軸との間の隙間を通して異物が内部に侵入しようとするが、フランジ部が回転体に対向しており、それらの対向する箇所に排出部が設けられるので、支持ケースと支持軸との間の隙間を通して侵入しようとする異物を排出部によって外方に排出させることができる。
【0022】
本発明においては、前記フランジ部は、径方向内方側端部が前記支持軸の外周側に位置する回転側部分の近接する箇所まで延設され、
前記フランジ部における前記回転体とは反対側箇所に、前記支持軸と前記支持ケースとの間を封止するシール部材が備えられていると好適である。
【0023】
本構成によれば、フランジ部と回転側部分との間の隙間が狭いので、それらの隙間から異物が侵入し難くなっている。そして、フランジ部における回転体とは反対側箇所にシール部材が備えられるので、フランジ部と支持軸側の回転側部分との間の隙間から異物が侵入することがあっても、シール部材によって侵入することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】クローラ走行装置の側面図である。
図2】駆動スプロケット近傍の縦断正面図である。
図3】シール作用部分の断面図である。
図4】排出部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るクローラ走行装置の実施形態を図面の記載に基づいて説明する。
【0026】
図1は、農作業車である普通型のコンバインに備えられたクローラ走行装置を示している。図1に示すように、クローラ走行装置は、機体フレーム1に支持されたトラックフレーム2、トラックフレーム2に支持された複数の接地転輪3及び緊張輪4、クロ−ラガイド5、機体フレーム1に支持された上部転輪6、機体フレーム1に支持された駆動スプロケット7(回転体に相当)、クローラベルト8等を備えて構成されている。
【0027】
図1及び図2に示すように、機体フレーム1にミッションケース9が支持され、ミッションケース9から右及び左の駆動軸10(支持軸に相当)が横方向に延出されており、ミッションケース9に固定された円筒状の右及び左の車軸ケース11(支持ケースに相当)により、駆動軸10の外側が覆われている。車軸ケース11の中央側よりも大径の円筒状の端部側大径部11aが車軸ケース11に固定されて、駆動軸10と車軸ケース11の端部側大径部11aの内周部との間にベアリング12が備えられており、端部側大径部11aの内周部に備えられたストッパーリング13によってベアリング12が位置保持されている。
【0028】
図2に示すように、駆動スプロケット7は、外側部7a及び内側部7bを備え、外側部7a及び内側部7bがボルト7c及びピン7dにより連結されて構成されている。クローラベルト8に内装された芯金(図示せず)に当たる爪部7eが外側部7aに備えられて、内側部7bの内周部にスプライン部7fが備えられている。
【0029】
駆動軸10の端部にスプライン部10aが備えられて、駆動スプロケット7のスプライン部7fが駆動軸10のスプライン部10aに噛み合う状態で取り付けられている。駆動軸10の外周部において、駆動スプロケット7の内側部7bとベアリング12との間に、リング状のカラー部材14が取り付けられている。カラー部材14の軸芯方向一端側がベアリング12のインナーレースと接触し、カラー部材14の軸芯方向他端側が駆動スプロケット7の内側部7bと接触している。
【0030】
図2,3に示すように、駆動スプロケット7の内側部7bにおける内周部のカラー部材14側の端部に断面L字状の凹入部15が形成されている。凹入部15は、駆動軸10の径方向に沿うリング状の縦面部15aと、駆動軸10の軸芯P1方向に沿った円筒状の内周面部15bとを備えている。
【0031】
図3に示すように、カラー部材14は、駆動スプロケット7側箇所における外周面14aが、駆動スプロケット7に形成された凹入部15の内周面部15bに外嵌装着されるとともに、カラー部材14の駆動スプロケット7側箇所における軸端面14bが、凹入部15の縦面部15aに接当する状態で備えられている。カラー部材14の外周面14aと駆動スプロケット7の凹入部15の内周面部15bとの間に円環状のOリング16が備えられている。
【0032】
図2に示すように、駆動軸10の端部にネジ部10bが形成されており、駆動軸10のネジ部10bの外周部に座金17を介してナット18を取り付け、ナット18を締め込むことにより、駆動軸10に対する駆動スプロケット7の位置が決められて、駆動スプロケット7が駆動軸10の端部に固定される。
【0033】
図3に示すように、カラー部材14の内周部におけるベアリング12側の端部が切り欠かれて、駆動軸10の軸芯P1に対して斜め姿勢の傾斜面14cが形成されており、駆動軸10の外周面とベアリング12とカラー部材14の傾斜面14cとの間の断面三角形状の空間にOリング19が備えられている。
【0034】
車軸ケース11における端部側大径部11aの駆動スプロケット7側の端部に、径方向内方側に延びるフランジ部20が備えられている。フランジ部20は、径方向内方側の円形状の端部が駆動軸10の外周側に位置する回転側部分に近接する箇所まで延設されている。フランジ部20の駆動スプロケット7側の側面20aが、駆動スプロケット7の側面7gに対向している。
【0035】
フランジ部20における駆動スプロケット7とは反対側箇所において、カラー部材14の外周部に、駆動軸10と車軸ケース11との間を封止するシール部材21が備えられている。説明を加えると、カラー部材14の外周部と車軸ケース11における端部側大径部11aの内周部との間で、ベアリング12よりも駆動スプロケット7側にシール部材21が備えられている。
【0036】
図3に示すように、シール部材21は、金属製の環状部材21a、及び、ゴム等の弾性材からなるシールリップ部材21bを備えて構成されている。シールリップ部材21bの内周側には、複数の接触部21b1が形成され、カラー部材14の外周面14aに接している。複数の接触部21b1のうち駆動スプロケット7側の接触部21b1は、カラー部材14の外周面14aだけでなく、フランジ部の内方側端部とカラー部材14との隙間を塞ぐように備えられている。
【0037】
車軸ケース11における端部側大径部11aの内周部であって且つシール部材21よりもベアリング12側に位置する箇所に段部11bが形成されている。シール部材21は、ベアリング12側端部が車軸ケース11の段部11bに接触し、軸端側がフランジ部20に接触することにより軸芯方向の位置が決められている。駆動スプロケット7の内側部7bと座金17との間にはパッキン22が備えられ、泥や水の侵入を防止している。
【0038】
次に、車軸ケース11と駆動スプロケット7との間に入り込んだ泥や水等の異物を外側に排出する排出部23について説明する。
【0039】
図3に示すように、駆動スプロケット7の内側部7bにおける車軸ケース11に対向する側面7g(対向側面)に、駆動軸10と一体回転して、車軸ケース11における駆動スプロケット7側の端面11cと駆動スプロケット7における対向側面7gとの間に入り込んだ泥水等の異物を外側に排出する排出部23が備えられている。
【0040】
排出部23は、対向側面7gから車軸ケース11側に向けて突出する凸部27にて構成され、周方向に間隔をあけて複数設けられている。周方向に隣り合う排出部23(凸部27)の間に、径方向に沿って外方に開放される入り込み空間24が形成されている。入り込み空間24は、対向側面7gの径方向内側端部から車軸ケース11の外周部に対応する位置まで径方向に延びている。
【0041】
説明を加えると、図3に示すように、駆動スプロケット7の内側部7bにおける車軸ケース11側には、上述したような凹入部15が形成され、その凹入部15の径方向外方側には、カラー部材14の外周側の段差部14dが接当する環状の突条部26が形成されている。この突条部26の外周面26aは、カラー部材14の外周面14aと、径方向に略同じ位置になるように構成されている。
【0042】
フランジ部20は、径方向内方側端部が、軸芯方向に沿ってカラー部材14の外周面14aと突条部26の外周面26aの夫々にわたって位置する状態で設けられている。又、フランジ部20の径方向内方側端部は、径方向に沿って、カラー部材14の外周面14aと突条部26の外周面26aの夫々に近接する状態で設けられている。従って、カラー部材14の外周面14a及び突条部26の外周面26aが、駆動軸10の外周側に位置する回転側部分に対応する。
【0043】
このように駆動スプロケット7と車軸ケース11との隙間を狭くして泥や水等が侵入し難くなるようにしている。フランジ部20は、ベアリング12やシール部材21を装着した後に、車軸ケース11における端部側大径部11aの駆動スプロケット7側の端部に圧入状態で固定取り付けされる。
【0044】
フランジ部20の駆動スプロケット7側の端面は平坦面にて形成されている。フランジ部20の側面20aと対向する駆動スプロケット7における対向側面7gは、突条部26よりも径方向外方側に位置しており、フランジ部20の径方向内方側端部から径方向外方側端部(車軸ケース11の外周部)に対応する位置まで延びている。フランジ部20の側面20aは、車軸ケース11の端面11cを構成する。
【0045】
図3に示すように、駆動スプロケット7における対向側面7gには、車軸ケース11側に向けて突出する凸部27が形成され、凸部27により排出部23が構成されている。図4に示すように、この凸部27は、周方向に沿って間隔をあけて3個形成されている。凸部27同士の間には、軸芯方向に凹入する入り込み空間24が形成されている。この入り込み空間24は、径方向に沿って外方に開放される形状となっている。
【0046】
図4に示すように、凸部27は、軸芯方向視で、径方向中間部が幅広となり、径方向内方側及び径方向外方側が共に幅狭となるように、滑らかに中膨らみ状に湾曲する外形形状となっている。従って、凸部27は、外周側部分が外端側ほど幅狭となる先細状に形成されている。このように構成することで、凸部27における回転方向上手側の端縁によって異物が押し移動されながら外方に排出される。凸部27における回転方向上手側の端縁27aは、径方向外方側に向かうほど回転方向下手側に位置する傾斜姿勢となるから、回転に伴って径方向外方に向けて分力が発生して、異物を外方に効率よく排出させることができる。
【0047】
凸部27のフランジ部20に向けて突出する側の突出端部がフランジ部20の駆動スプロケット7側の端面に近接する状態で設けられ、駆動スプロケット7と車軸ケース11との隙間を狭くして泥や水等が侵入し難くなるようにしている。凸部27は駆動スプロケット7と一体的に回転するので、回転に伴って、駆動スプロケット7と車軸ケース11との隙間を通して内部に入り込もうとする泥や水等の異物を掻き出しながら外方に排出させる。
【0048】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、排出部23を構成する凸部27が周方向に沿って間隔をあけて3個形成される構成としたが、この構成に代えて、凸部27が2個形成される構成、凸部27が4個以上形成される構成等であってもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、駆動スプロケット7の対向側面7gに排出部23(凸部27)が備えられる構成としたが、この構成に代えて、車軸ケース11の端面に排出部23を備える構成としてもよく、駆動スプロケット7の対向側面7gと車軸ケース11の端面の夫々に排出部23を備える構成としてもよい。
【0050】
(3)上記実施形態では、排出部23が駆動スプロケット7の対向側面7gから車軸ケース11側に向けて突出する凸部27にて構成するものを示したが、この構成に代えて、排出部23が、例えば、駆動軸10(支持軸)の外周面から径方向外方に向けて突出する状態で設けられる構成としてもよい。そして、その形状としては、中膨らみ状の幅広の形状に限らず、丸棒状の部材、角棒状の部材、その他、種々の形状の部材を用いることができる。
【0051】
(4)上記実施形態では、駆動スプロケット7を外側部7a及び内側部7bの分割構造としたが、この構成に代えて、外側部7a及び内側部7bを一体的に形成して、駆動スプロケット7を構成するものでもよい。
【0052】
(5)上記実施形態では、車軸ケース11の端部側大径部11aを分割構造としたが、この構成に代えて、車軸ケース11に端部側大径部11aを一体形成するものでもよい。
【0053】
(6)上記実施形態では、駆動スプロケット7に排出部23を備える構成を示したが、駆動スプロケット7に限らず、接地転輪3、緊張輪4、上部転輪6に、排出部23を備える構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、コンバイン等の農作業車やバックホウ等の建設車両に備えられているクローラ走行装置に適用できる。
【符号の説明】
【0055】
7 回転体
7g 対向側面
10 支持軸
11 支持ケース
11c 端面
20 フランジ部
20a 側面
21 シール部材
23 排出部
24 入り込み空間
27 凸部
図1
図2
図3
図4