特開2018-202928(P2018-202928A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ紡織株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2018202928-車両天井構造 図000003
  • 特開2018202928-車両天井構造 図000004
  • 特開2018202928-車両天井構造 図000005
  • 特開2018202928-車両天井構造 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202928(P2018-202928A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】車両天井構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   B60R13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-107795(P2017-107795)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村尾 浩二
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BA03
3D023BA05
3D023BB02
3D023BB21
3D023BB30
3D023BD01
3D023BE03
3D023BE05
3D023BE35
(57)【要約】
【課題】剛性に優れつつサービス性にも優れた車両天井構造を提供する。
【解決手段】本発明は、車両天井100の外郭をなすルーフパネル10に対し、車両天井100の内装を施すルーフヘッドライニング40を車室内側から分離可能に組み付けてなる車両天井構造であって、ルーフパネル10とルーフヘッドライニング40との間には、合成樹脂からなる板状のハニカム構造体20と軟質の合成樹脂発泡体30とが介在していることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両天井の外郭をなすルーフパネルに対し、車両天井の内装を施すルーフヘッドライニングを車室内側から分離可能に組み付けてなる車両天井構造であって、
前記ルーフパネルと前記ルーフヘッドライニングとの間には、合成樹脂からなる板状のハニカム構造体と軟質の合成樹脂発泡体とが介在していることを特徴とする車両天井構造。
【請求項2】
前記ハニカム構造体は、前記ルーフパネルの車室内側面にその板面が沿うように貼着され、
前記合成樹脂発泡体は、前記ルーフヘッドライニングの車室外側面に貼着されており、
前記合成樹脂発泡体が前記ハニカム構造体のハニカム構造内に入り込むように、前記ルーフヘッドライニングを前記ルーフパネルに対して組み付けてなることを特徴とする請求項1に記載の車両天井構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両天井構造として下記特許文献1に記載のものが知られている。具体的には、ペーパーハニカムコアが一体発泡成形により半硬質又は硬質ポリウレタンフォーム層の中に含有された天井基材(ルーフヘッドライニング)を用いている。この天井基材を成形した後、その両面に接着剤を用いて表皮材や通気止め層を積層させ、通常は、当該天井基材をルーフパネルに接着剤等により取り付けて車両天井としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−218759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このように予め成形した天井基材をルーフパネルに接着剤等により取り付けると、アフターパーツの取付けや補修作業の際に天井基材の取り外しができず、サービス性が損なわれてしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、剛性に優れつつサービス性にも優れた車両天井構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、車両天井の外郭をなすルーフパネルに対し、車両天井の内装を施すルーフヘッドライニングを車室内側から分離可能に組み付けてなる車両天井構造であって、前記ルーフパネルと前記ルーフヘッドライニングとの間には、合成樹脂からなる板状のハニカム構造体と軟質の合成樹脂発泡体とが介在していることを特徴とする。
【0007】
このような車両天井構造によると、車両天井の外郭をなすルーフパネルに対し、車両天井の内装を施すルーフヘッドライニングを車室内側から分離可能に組み付けているため、組み付けて車両天井とした後にルーフヘッドライニングにアフターパーツを取り付ける際や、補修を要する際に、ルーフヘッドライニングを取り外すことができ、サービス性に優れる。また、ルーフヘッドライニングの再利用も可能となる。
【0008】
また、合成樹脂からなる板状のハニカム構造体によりルーフパネルの面剛性が向上するため、通常車両天井に補強材として配されることが多い金属製のリンフォースの数を減らしたり、ルーフパネルの板厚を薄く設定することができ、車両の軽量化に繋がる。また、ルーフヘッドライニングの車室外側に配される合成樹脂発泡体が断熱材としての役割を果たし、車両天井の断熱性が確保される。ここで、軟質の合成樹脂発泡体は、例えば半硬質または硬質の合成樹脂発泡体に比べて熱伝導率が低いため、その断熱効果が高いものとなる。また、この合成樹脂発泡体が断熱材だけでなく吸音材としての役割も果たし、より快適な乗り心地を提供することができる。ここで、合成樹脂発泡体に通気性を有する素材を用いることで、吸音性能が更に向上する。
【0009】
上記車両天井構造において、前記ハニカム構造体は、前記ルーフパネルの車室内側面にその板面が沿うように貼着され、前記合成樹脂発泡体は、前記ルーフヘッドライニングの車室外側面に貼着されており、前記合成樹脂発泡体が前記ハニカム構造体のハニカム構造内に入り込むように、前記ルーフヘッドライニングを前記ルーフパネルに対して組み付けてなるものとすることができる。
【0010】
このような車両天井構造によると、ルーフヘッドライニングをルーフパネルに対して組み付ける際、ルーフヘッドライニングの車室外側面に貼着された合成樹脂発泡体が、ルーフパネルの車室内側面に貼着されたハニカム構造体のハニカム構造(セル)内に入り込むように組み付ける(つまり、軟質の合成樹脂発泡体はハニカム構造体に押し当てられるのみで、ルーフヘッドライニングとルーフパネルの組付けの際には、接着剤等を用いた貼着を行わない)ため、ルーフヘッドライニングの取り外しを容易に行うことができる。また、合成樹脂発泡体がハニカム構造体のハニカム構造内に入り込むように、ルーフヘッドライニングをルーフパネルに対して組み付けることにより、ハニカム構造内の空隙が合成樹脂発泡体によって充填されるため、天井の断熱性がより確保される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、剛性に優れつつサービス性にも優れた車両天井構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る車両天井構造を備えた車両の概略側面図
図2】(A)ルーフパネルに対するルーフヘッドライニングの組付け態様を示す断面図(図1におけるA−A線切断箇所に相当)(B)車両天井を示す断面図(図1におけるA−A線断面図)
図3】ハニカム構造体を示す斜視図
図4図1における車両の概略上面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図1図4を参照しながら詳細に説明する。なお、図1において、FRとは車両前方を、RRとは車両後方を、それぞれ意味し、図2において、INとは車室内側方向を、OUTとは車室外側方向を、それぞれ意味するものである。また、以下の説明において、車室内外、車両前後とは、各部材が車両天井に配された状態における方向をそれぞれ示すものとする。
【0014】
図1は、本発明に係る車両天井構造を備えた車両1の概略側面図である。車両1が備える車両天井100は、その外郭をなす外板であるルーフパネル10と、その車室内側面を内装するルーフヘッドライニング40とで、主に構成されており、ルーフパネル10に対し、ルーフヘッドライニング40が車室内側から分離可能に組み付けられている。ルーフパネル10とルーフヘッドライニング40との間には、合成樹脂からなる板状のハニカム構造体20と、軟質の合成樹脂発泡体30が介在している(図2参照)。
【0015】
ハニカム構造体20は、ポリプロピレンやABS樹脂に代表される合成樹脂を用いた射出成形品である。ハニカム構造体20は、図3に示すように、板面の平面視において六角形状が確認できる向きで正六角柱を隙間なく並べた構造とされている。各ハニカム構造(セル)のサイズは、六角形の対辺寸法L1が50mm前後、柱の高さH2(つまり、ハニカム構造体20の板厚)は、5mm前後であることが好ましい。このハニカム構造体20は、図2に示すように、ルーフパネル10の車室内側面にその板面が沿うように、つまり各正六角柱の柱が車両上下方向に倣って起立する姿勢で、ルーフパネル10に接着剤等を用いて貼着固定されている。
【0016】
図4に示すように、ルーフパネル10の車両前後方向における略中央には、ルーフパネル10の補強材であるリンフォース11がBピラー12から繋がる位置に車幅方向に沿って配されており、ハニカム構造体20は、このリンフォース11の車両前後で分割配置されている。車両前方側に配されているハニカム構造体20を前方側ハニカム構造体20F、車両後方側に配されているハニカム構造体20を後方側ハニカム構造体20Rとし、特に区別しない場合は単にハニカム構造体20として説明する。
【0017】
合成樹脂発泡体30は、スラブウレタンフォームに代表される軟質素材であり、シート状をなすとともにルーフヘッドライニング40の車室外側面に貼着されている(図2参照)。合成樹脂発泡体30は、ハニカム構造体20に対応する位置に設けられている。つまり、前方側ハニカム構造体20Fに対応する位置(車両上下方向において重なる位置)に前方側合成樹脂発泡体30Fが、後方側ハニカム構造体20Rに対応する位置(車両上下方向において重なる位置)に後方側合成樹脂発泡体30Rがそれぞれ配されている。合成樹脂発泡体30についても、特に区別しない場合は単に合成樹脂発泡体30として説明する。なお、本願発明における「軟質」とは、柔らかくて復元性のあるものを意味する。合成樹脂発泡体30の厚みH3は、ハニカム構造体20の板厚H2よりもやや大きく設定されており、約5〜8mmが好ましい。
【0018】
ルーフヘッドライニング40を、ルーフパネル10に対し車室内側から組み付ける際は、まず車両後方に設けられた4つのクリップ50,50,50,50で留め、その後、車両側方においてはアシストグリップ51,51,51,51の各締結部において共締め固定し、車両前方においては、サンバイザー53,53の各締結部において共締め固定する。このとき、ルーフヘッドライニング40の車室外側面に貼着された合成樹脂発泡体30を、ハニカム構造体20に押し当て、そのハニカム構造(セルS)内に入り込むように組み付ける。これにより、図2(B)に示すように、各セルS内に合成樹脂発泡体30が充填される。ここで、合成樹脂発泡体30を構成する軟質のスラブウレタンフォームは、セルS内の空隙形状に追従しやすいだけでなく、クッション性や耐久性に優れる。なお、合成樹脂発泡体30は、ハニカム構造体に押し当てられそのセルS内に入りこむだけで、合成樹脂発泡体30とハニカム構造体20との間に接着性はない。
【0019】
<作用・効果>
以上のような車両天井構造によると、車両天井100の外郭をなすルーフパネル10に対し、車両天井100の内装を施すルーフヘッドライニング40を車室内側から分離可能に組み付けているため、組み付けて車両天井100とした後にルーフヘッドライニング40にアフターパーツを取り付ける際や、補修を要する際に、ルーフヘッドライニング40を取り外すことができ、サービス性に優れる。また、ルーフヘッドライニング40の再利用も可能となる。
【0020】
また、合成樹脂からなる板状のハニカム構造体20によりルーフパネル10の面剛性が向上するため、通常車両天井に補強材として複数本配されることが多い金属製のリンフォースの数を減らしたり、ルーフパネル10の板厚を薄く設定することができ、車両1の軽量化に繋がる。また、ルーフヘッドライニング40の車室外側に配される合成樹脂発泡体30が断熱材としての役割を果たし、車両天井100の断熱性が確保される。ここで、軟質の合成樹脂発泡体30は、例えば半硬質または硬質の合成樹脂発泡体に比べて熱伝導率が低いため、その断熱効果が高いものとなる。また、この合成樹脂発泡体30が断熱材だけでなく吸音材としての役割も果たし、より快適な乗り心地を提供することができる。
【0021】
また、ルーフヘッドライニング40をルーフパネル10に対して組み付ける際、ルーフヘッドライニング40の車室外側面に貼着された合成樹脂発泡体30が、ルーフパネル1の車室内側面に貼着されたハニカム構造体20のハニカム構造(セルS)内に入り込むように組み付ける(つまり、軟質の合成樹脂発泡体30はハニカム構造体20に押し当てられるのみで、ルーフヘッドライニング40とルーフパネル10の組付けの際には、接着剤等を用いた貼着を行わない)ため、ルーフヘッドライニング40の取り外しを容易に行うことができる。また、合成樹脂発泡体30がハニカム構造体20のハニカム構造S内に入り込むように、ルーフヘッドライニング40をルーフパネル10に対して組み付けることにより、ハニカム構造S内の空隙が合成樹脂発泡体30によって充填されるため、天井の断熱性がより確保される。
【符号の説明】
【0022】
1…車両、10…ルーフパネル、20…ハニカム構造体、30…合成樹脂発泡体、40…ルーフヘッドライニング、100…車両天井
図1
図2
図3
図4