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特開2018-202934パワーユニットの製造方法及びその製造方法に用いる組付け治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202934(P2018-202934A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】パワーユニットの製造方法及びその製造方法に用いる組付け治具
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/40 20071001AFI20181130BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20181130BHJP
   B60K 6/24 20071001ALI20181130BHJP
   B60K 6/26 20071001ALI20181130BHJP
   B60K 6/485 20071001ALI20181130BHJP
   B60K 6/405 20071001ALI20181130BHJP
【FI】
   B60K6/40ZHV
   H02K7/18 B
   B60K6/24
   B60K6/26
   B60K6/485
   B60K6/405
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-107935(P2017-107935)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村木 俊博
(72)【発明者】
【氏名】堀 信介
(72)【発明者】
【氏名】東松 義之
【テーマコード(参考)】
3D202
5H607
【Fターム(参考)】
3D202AA09
3D202EE01
3D202EE02
3D202EE21
3D202EE22
5H607AA14
5H607BB01
5H607BB02
5H607CC09
5H607DD08
5H607FF22
5H607JJ05
(57)【要約】
【課題】回転電機のエンドプレートの組付け不良を抑制する。
【解決手段】エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aに組付け治具50の基準面55aを面当たり状態で着脱可能に取付ける。組付け治具50の基準面57aにオイルパン25のプレート下部取付け面25bを基準面57aよりもはみ出さない状態で、エンジンブロック21にオイルパン25を取付けた後、エンジンブロック21から組付け治具50を取り外す。その後、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aに回転電機のエンドプレートを面当たり状態で取付け、オイルパン25のプレート下部取付け面25bにエンドプレートを取付ける。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと回転電機とを備えるパワーユニットにおいて、
前記エンジンのエンジンブロックにオイルパンを取付けた後、前記エンジンブロックに形成されたプレート上部取付け面に前記回転電機のエンドプレートを面当たり状態で取付け、前記オイルパンに形成されたプレート下部取付け面に前記エンドプレートを取付ける、パワーユニットの製造方法であって、
前記エンジンブロックのプレート上部取付け面に組付け治具の基準面を面当たり状態で着脱可能に取付け、前記組付け治具の基準面に前記オイルパンのプレート下部取付け面を基準面よりもはみ出さない状態で、前記エンジンブロックに前記オイルパンを取付けた後、前記エンジンブロックから前記組付け治具を取り外す、パワーユニットの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のパワーユニットの製造方法に用いる組付け治具であって、
治具本体と、
前記治具本体を前記エンジンブロックに締付け可能な治具取付け用ボルトと、
を備えており、
前記治具本体は、前記エンジンブロックのプレート上部取付け面と面当たり可能な第1基準面と、前記エンジンブロックのプレート上部取付け面と面一をなしかつ前記オイルパンのプレート下部取付け面と面当たり可能な第2基準面と、を有している、組付け治具。
【請求項3】
請求項2に記載の組付け治具であって、
前記エンジンブロックには、前記エンドプレートを取付けるためのプレート取付け用ボルトが締付けられるプレート取付け用ボルト穴が形成されており、
前記治具取付け用ボルトは、前記プレート取付け用ボルト穴に締付け可能に設けられている、組付け治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーユニットの製造方法及びその製造方法に用いる組付け治具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、エンジン(内燃機関)と回転電機とを備えるパワーユニットによりオイルポンプを駆動するフォークリフト等の産業車両がある(例えば、特許文献1参照)。その産業車両では、エンジンのクランクシャフト(出力軸)に回転電機のロータが接続されており、回転電機のロータにオイルポンプのポンプ軸が接続されている。オイルポンプは、エンジンあるいは回転電機により駆動され、走行用や荷役用の油圧を発生する。回転電機が発電機として作動する場合には、エンジンが回転電機とオイルポンプの駆動源となる。また、回転電機が電動機として作動する場合には、回転電機がオイルポンプの駆動源となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−001965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンと回転電機とを備えるパワーユニットにおいて、エンジンのエンジンブロックにオイルパンを取付けた後、エンジンブロックに回転電機のエンドプレートを面当たり状態すなわち面接触状態で取付け、オイルパンにエンドプレートを取付ける、パワーユニットの製造方法が採られる場合がある。この場合、図9に示すように、エンドプレート131は、エンジンブロック121に形成されたプレート上部取付け面121aと、オイルパン125に形成されたプレート下部取付け面125bと、のうち、少なくともプレート上部取付け面121aに面当たりする必要がある。図9中、符号、122は、エンジンのクランクシャフトである出力軸を示す。なお、本明細書でいう「エンジンブロック」とは、エンジンのシリンダブロックとクランクケースとを一体化したものをいう。
【0005】
ところで、一般的に、オイルパン125は、エンジンブロック121にボルト締結により取付けられている。このため、寸法誤差や組付け誤差等により、エンジンブロック121のプレート上部取付け面121aとオイルパン125のプレート下部取付け面125bとが面一にならない場合がある。例えば、図10に示すように、エンジンブロック121のプレート上部取付け面121aに対してオイルパン125のプレート下部取付け面125bがはみ出した場合、エンドプレート131は、エンジンブロック121及びオイルパン125に対して面当たりすることができず、傾くことになる。この状態のまま、エンドプレート131がエンジンブロック121及びオイルパン125にボルト締結されると、エンドプレート131の組付け不良が発生する。また、後工程で、エンドプレート131に回転電機のステータ133が同軸状に取付けられる一方、その回転電機のロータ132がエンジンの出力軸122に同軸状に取付けられることを考えると、ロータ132とステータ133との間に軸ずれが生じる。このため、ロータ132とステータ133との間のエアギャップ132Gの精度が低下する。すなわち、エアギャップ132Gの径方向の大きさの最大値又は最小値と平均値との差(偏差)が増大する。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、回転電機のエンドプレートの組付け不良を抑制することのできる、パワーユニットの製造方法及びその製造方法に用いる組付け治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題は、本発明のパワーユニットの製造方法及びその製造方法に用いる組付け治具により解決することができる。
【0008】
第1の発明は、エンジンと回転電機とを備えるパワーユニットにおいて、前記エンジンのエンジンブロックにオイルパンを取付けた後、前記エンジンブロックに形成されたプレート上部取付け面に前記回転電機のエンドプレートを面当たり状態で取付け、前記オイルパンに形成されたプレート下部取付け面に前記エンドプレートを取付ける、パワーユニットの製造方法であって、前記エンジンブロックのプレート上部取付け面に組付け治具の基準面を面当たり状態で着脱可能に取付け、前記組付け治具の基準面に前記オイルパンのプレート下部取付け面を基準面よりもはみ出さない状態で、前記エンジンブロックに前記オイルパンを取付けた後、前記エンジンブロックから前記組付け治具を取り外す、パワーユニットの製造方法である。
【0009】
第1の発明によると、エンジンブロックのプレート上部取付け面に組付け治具の基準面を面当たり状態で着脱可能に取付ける。そして、組付け治具の基準面にオイルパンのプレート下部取付け面を面当たり又は近接させた状態で、エンジンブロックにオイルパンを取付ける。これにより、エンジンブロックのプレート上部取付け面とオイルパンのプレート下部取付け面とを面一化した状態となるか、少なくともオイルパンのプレート下部取付け面が、エンジンブロックのプレート上部取付面よりもはみ出さない状態で、エンジンブロックにオイルパンを取付けることができる。その後、エンジンブロックから組付け治具を取り外す。次に、エンジンブロックのプレート上部取付け面に回転電機のエンドプレートを取付けた後、オイルパンのプレート下部取付け面にエンドプレートを取付ければよい。したがって、エンドプレートを、エンジンブロックのプレート上部取付け面とオイルパンのプレート下部取付け面とのうち、少なくともプレート上部取付け面に面当たりする状態で傾くことなく組付けることができる。これにより、回転電機のエンドプレートの組付け不良を抑制することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明のパワーユニットの製造方法に用いる組付け治具であって、治具本体と、前記治具本体を前記エンジンブロックに締付け可能な治具取付け用ボルトと、を備えており、前記治具本体は、前記エンジンブロックのプレート上部取付け面と面当たり可能な第1基準面と、前記エンジンブロックのプレート上部取付け面と面一をなしかつ前記オイルパンのプレート下部取付け面と面当たり可能な第2基準面と、を有している、組付け治具である。
【0011】
第2の発明によると、エンジンブロックのプレート上部取付け面に治具本体の第1基準面を面当たりさせた状態で、エンジンブロックに治具本体を治具取付け用ボルトにより締結する。その治具本体の第2基準面にオイルパンのプレート下部取付け面を面当たりさせた状態で、エンジンブロックにオイルパンを取付ける。これにより、エンジンブロックのプレート上部取付け面とオイルパンのプレート下部取付け面とを面一化するか、少なくともオイルパンのプレート下部取付面がエンジンプレート上部取付け面よりもはみ出さないようにすることができる。その後、エンジンブロックから治具取付け用ボルトを取り外すことにより、エンジンブロックから治具本体を取り外すことができる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、前記エンジンブロックには、前記エンドプレートを取付けるためのプレート取付け用ボルトが締付けられるプレート取付け用ボルト穴が形成されており、前記治具取付け用ボルトは、前記プレート取付け用ボルト穴に締付け可能に設けられている、組付け治具である。
【0013】
第3の発明によると、エンジンブロックのプレート取付け用ボルト穴を治具取付け用ボルトのボルト穴として兼用することができる。このため、エンジンブロックに治具取付け用ボルトに対応する専用のボルト穴を形成しなくて済む。
【発明の効果】
【0014】
本発明のパワーユニットの製造方法及びその製造方法に用いる組付け治具によると、回転電機のエンドプレートの組付け不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態にかかるパワーユニットを示す斜視図である。
図2】パワーユニットを分解して示す斜視図である。
図3】回転電機の周辺部を回転軸線を通るXZ平面で切断した断面図である。
図4】エンジンにおけるエンドプレート取付け側を示す正面図である。
図5】エンジンブロックとオイルパンと組付け治具との関係を示す斜視図である。
図6】エンジンにおける組付け治具の取付け状態を示す正面図である。
図7図6のVII−VII線矢視断面図である。
図8】エンドプレートに対するステータ及びロータの組付け工程を示す概略図である。
図9】従来例にかかるエンジンブロック及びオイルパンに対するエンドプレートの組付け状態を示す概略図である。
図10】エンドプレートの組付け不良状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための一実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態では、フォークリフト等の産業車両のオイルポンプを駆動するパワーユニットを例示する。なお、図中にX軸とY軸とZ軸が記載されている場合、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交しており、Z軸方向は鉛直上方を示し、X軸方向とY軸方向は水平方向を示し、X軸はエンジンの出力軸及び回転電機のロータの回転軸線に平行な方向を示している。図1はパワーユニットを示す斜視図、図2はパワーユニットを分解して示す斜視図、図3は回転電機の周辺部を回転軸線を通るXZ平面で切断した断面図である。
【0017】
[パワーユニットの概要]
図1に示すように、パワーユニット10は、エンジン20と回転電機30とを備えている。エンジン20は、エンジンブロック21、シリンダヘッド23、シリンダヘッドカバー24、オイルパン25等を備えている。エンジンブロック21には、クランクシャフトである出力軸22が回転可能に支持されている。なお、便宜上、エンジン20の出力軸22の回転軸線20xに平行なX軸方向(エンジン20から回転電機30に向かう方向)を「前方」とし、X軸方向と反対の方向を「後方」として説明を行う。
【0018】
シリンダヘッド23は、エンジンブロック21の上側に取付けられている。シリンダヘッドカバー24は、シリンダヘッド23の上側に取付けられている。オイルパン25は、エンジンブロック21の下面側に取付けられている。図3に示すように、出力軸22の一方端部(前端部)は、エンジンブロック21の後壁部に形成された軸孔26を通してエンジンブロック21の前面側から突出されている。軸孔26内には、出力軸22と軸孔26との間をシールするシール部材27が装着されている。
【0019】
図1に示すように、回転電機30は、エンジン20の前側に配置されている。回転電機30は、エンドプレート31、ロータ32、ステータ33及びエンドカバー34等を備えている(図2参照)。図2に示すように、エンドプレート31は、略円環板状に形成されている。エンドプレート31の外周部には、周方向に所定の間隔で径方向外方へ突出する複数(図2では8個を示す)の突片状のステータ取付部31eが形成されている。
【0020】
エンドプレート31は、エンジン20の前面側に同軸状にボルト締結により取付けられている。図3に示すように、エンドプレート31の中空部には、出力軸22の前端部が挿通されている。エンジン20に対するエンドプレート31の取付け構造については後述する。
【0021】
ロータ32は、内外二重筒状をなす内軸部32y及び外軸部32xを一体に有している。内軸部32yは、その後端部が外軸部32xから後方へ突出するように外軸部32xの後端部内に配置されている。外軸部32xの後端部には、径方向外方へ突出するフランジ部32aが形成されている。ロータ32の外軸部32xの外周部には、回転子鉄心(図示省略)、及び、回転子鉄心に埋め込まれた永久磁石32mが設けられている。
【0022】
内軸部32yの後端部は、出力軸22の前端部に嵌合された状態でボルト締結により取付けられている。これにより、ロータ32は、出力軸22と一体で軸回りに回転する。外軸部32xの前端面には、円環板状の異物遮断プレート44が同軸状に設けられている。異物遮断プレート44の外周端には、前方へ突出する短円筒状の周縁筒部44aが形成されている。
【0023】
図2に示すように、ステータ33は、中空円筒状の円筒部33xと、円筒部33xの後端部から径方向外方に突出する後側フランジ部33cと、円筒部33xの前端部から径方向外方に突出する前側フランジ部33dと、を有している。後側フランジ部33cの外周部には、エンドプレート31の各ステータ取付部31eに対応する複数の突片状のプレート取付部33eが形成されている。前側フランジ部33dの外周部には、周方向に所定の間隔で径方向外方へ突出する複数(図2では8個を示す)の突片状のカバー取付部33fが形成されている。図3に示すように、円筒部33xの内周面には、複数の固定子鉄心33vが円周方向に所定の間隔をもって設けられている。固定子鉄心33vには、ステータコイル33aが巻回されている。
【0024】
各カバー取付部33fは、エンドプレート31の各ステータ取付部31eにそれぞれボルト締結により取付けられている(図1参照)。これにより、図3に示すように、ステータ33がエンドプレート31に同軸状に取付けられている。固定子鉄心33vの内周面は、ロータ32の永久磁石32mの外周面に対して微小な間隔いわゆるエアギャップ32Gを介して対向状に配置されている。
【0025】
図2に示すように、エンドカバー34は、略円環板状に形成されている。エンドカバー34の外周部には、ステータ33の前側フランジ部33dの各カバー取付部33fに対応する複数の突片状のステータ取付部34eが形成されている。エンドカバー34の内周端には、環状をなす断面コの字状のラビリンス部34rが形成されている(図3参照)。
【0026】
エンドカバー34の各ステータ取付部34eは、ステータ33の各カバー取付部33fにボルト締結により取付けられている(図1参照)。これにより、図3に示すように、エンドカバー34がステータ33の前側に同軸状に取付けられている。エンドプレート31、ステータ33及びエンドカバー34により形成される内部空間には、ロータ32が収容されている。また、ラビリンス部34rは、異物遮断プレート44の周縁筒部44aに所定の隙間を隔てて嵌合されている。異物遮断プレート44の周縁筒部44aとエンドカバー34のラビリンス部34rとにより、回転電機30内への塵等の異物の侵入を抑制するラビリンス路が形成されている。
【0027】
エンドカバー34の前側には、オイルポンプ(図3ではポンプカバー47のみを示す)が同軸状に設けられている。ポンプカバー47は、円錐筒状に形成されている。ポンプカバー47の大径側端部がエンドカバー34にボルト締結により取付けられている。また、オイルポンプのポンプ軸(詳しくは後端部)は、ロータ32の外軸部32xの前端部に異物遮断プレート44を介して同軸状に連結されている。
【0028】
回転電機30のエンドプレート31とロータ32の内軸部32yとの間には、ロータ32の回転角度(回転位置)を検出するレゾルバと呼ばれる回転センサ36が設けられている。回転センサ36は、エンドプレート31の前面側に同軸状に装着された固定子側回転検出手段37と、内軸部32yの後端外周部に同軸状に装着された回転子側回転検出手段38とからなる。固定子側回転検出手段37と回転子側回転検出手段38との間には、所定の隙間が形成されている。エンドプレート31の前面側には、固定子側回転検出手段37を軸回りに位置調整可能な位置調整手段39が設けられている(図2参照)。
【0029】
前記したパワーユニット10において、エンジン20が駆動されている場合、出力軸22の回転動力は、ロータ32に伝達される。また、回転電機30が駆動された場合、ロータ32の回転動力は出力軸22に伝達される。これにより、オイルポンプは、エンジン20あるいは回転電機30により駆動され、走行用や荷役用の油圧を発生する。回転電機30が発電機として作動する場合には、エンジン20が回転電機30とオイルポンプの駆動源となる。また、回転電機30が電動機として作動する場合には、回転電機30がオイルポンプの駆動源となる。
【0030】
[エンジンブロック21に対するオイルパン25の取付け構造]
図4はエンジンにおけるエンドプレート取付け側を示す正面図、図5はエンジンブロックとオイルパンと組付け治具との関係を示す斜視図である。図5に示すように、エンジンブロック21の下面の外周部には、多数のオイルパン取付け用ボルト穴21dが形成されている。各オイルパン取付け用ボルト穴21dは、周方向に所定の間隔を隔てて配置されている。
【0031】
オイルパン25は、槽状に形成されており、上端周縁部に外側へ張り出する取付けフランジ部25aを有している。取付けフランジ部25aには、エンジンブロック21の各オイルパン取付け用ボルト穴21dに対応(整合)するオイルパン取付け用ボルト挿通孔25dが形成されている。
【0032】
オイルパン25は、エンジンブロック21の下面側にオイルパン取付け用ボルト25eによって締結されている(図4参照)。すなわち、オイルパン取付け用ボルト25eは、各オイルパン取付け用ボルト挿通孔25dを介して各オイルパン取付け用ボルト穴21dにそれぞれ締め付けられている。
【0033】
[エンジン20に対するエンドプレート31の取付け構造]
図4に示すように、エンジンブロック21の前面側には、出力軸22の回転軸線20xを取り囲みかつ下方を開口するC字環状のプレート上部取付け面21aが同軸状に形成されている。プレート上部取付け面21aは、出力軸22の回転軸線20xに直交する平面により形成されている。プレート上部取付け面21aには、複数(図4では6個を示す)のプレート上部取付け用ボルト穴21bが形成されている。各プレート上部取付け用ボルト穴21bは、周方向に所定の間隔を隔てて配置されている。また、最下端の左右の両プレート上部取付け用ボルト穴21bの上方付近には、ピン穴21cがそれぞれ形成されている。
【0034】
オイルパン25の前面側には、左右のプレート下部取付け面25bが形成されている。両プレート下部取付け面25bは、オイルパン25の上端側の左右両端部に配置されている。両プレート下部取付け面25bは、正面視で略四角形状に形成されている。両プレート下部取付け面25bは、同一平面上に配置されている。
【0035】
両プレート下部取付け面25bには、プレート下部取付け用ボルト穴25cが1個ずつ形成されている。両プレート下部取付け用ボルト穴25cは、エンジンブロック21にオイルパン25を取付けた状態において、各プレート上部取付け用ボルト穴21bと共に環状配列をなすように配置されている。
【0036】
エンドプレート31の後側面は、軸線に直交する平面により形成された被取付け面31aとされている(図3参照)。図2に示すように、エンドプレート31には、エンジンブロック21の各プレート上部取付け用ボルト穴21b、及び、オイルパン25の各プレート下部取付け用ボルト穴25cに対応(整合)するプレート取付け用ボルト挿通孔31cが形成されている。エンドプレート31の被取付け面31aには、エンジンブロック21の各ピン穴21cに対応(整合)する位置決めピン(図示省略)が突出されている。
【0037】
図3に示すように、エンドプレート31の被取付け面31aは、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21a、及び、オイルパン25のプレート下部取付け面25bにそれぞれ面当たり(2面当たり)されているか、あるいは、少なくともプレート上部取付け面21aに面当たりされている。また、エンドプレート31の各位置決めピンは、エンジンブロック21の各ピン穴21c(図4参照)に挿入されている。これにより、エンジンブロック21にエンドプレート31が所定の取付け位置に位置決めされている。
【0038】
エンドプレート31は、エンジンブロック21及びオイルパン25を含む前面側にプレート取付け用ボルト40(図2参照)によって締結されている。すなわち、図2に示すプレート取付け用ボルト40は、各プレート取付け用ボルト挿通孔31cを介して、各プレート上部取付け用ボルト穴21b、及び、オイルパン25の各プレート下部取付け用ボルト穴25cにそれぞれ締め付けられている。
【0039】
[パワーユニット10の製造方法に用いる組付け治具]
図5に示されるエンジンブロック21にオイルパン25を組付ける際に用いられる組付け治具50は、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aに対してオイルパン25のプレート下部取付け面25bを同一平面上に配置させるためのものである。
【0040】
図5に示すように、組付け治具50は、その主体をなす治具本体52と、治具本体52をエンジンブロック21に締付け可能な4本の治具取付け用ボルト60と、を備えている。治具取付け用ボルト60は、エンジンブロック21のプレート上部取付け用ボルト穴21bに締付け可能な頭付きボルトからなる。
【0041】
治具本体52は、プレート部材53と上下左右計4個の第1基準部材55と左右一対の第2基準部材57とを有している。プレート部材53は、略V字板状に形成されている。プレート部材53の片面すなわち前側面の上部には、把手54が一体あるいは着脱可能に設けられている。
【0042】
第1基準部材55は、プレート部材53の上端部の左右両端部、及び、その下端部寄りの左右両端部に配置されている。各第1基準部材55は、中空円筒状に形成されている。各第1基準部材55の一端部(前端部)は、プレート部材53の後側面にボルト締結により着脱可能に取付けられている。また、両第2基準部材57は、四角形板状に形成されている。両第2基準部材57の上端部は、プレート部材53の後側面の下端部に左右2本の固定ボルト58の締結によりそれぞれ着脱可能に取付けられている。
【0043】
プレート部材53には、各第1基準部材55の中空部と一連状をなす上下左右計4個のボルト挿通孔50aが形成されている。図6はエンジンにおける組付け治具の取付け状態を示す正面図、図7図6のVII−VII線矢視断面図である。
【0044】
図7に示すように、各第1基準部材55の先端面(後端面)には、ボルト挿通孔50aの軸線に直交する平面からなる第1基準面55aが形成されている。第1基準面55aは、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aに面当たり可能である。第2基準部材57の後側面には、第1基準面55aと同一平面をなす第2基準面57aが形成されている。
【0045】
図5に示すように、各第1基準部材55のうち、上方の左右2個のボルト挿通孔50aは、エンジンブロック21の6個のプレート上部取付け用ボルト穴21bのうちの上方に位置する左右2個のプレート上部取付け用ボルト穴21bと対応(整合)する位置にそれぞれ配置されている。また、下方の左右2個のボルト挿通孔50aは、同じく下方に位置する左右2個のプレート上部取付け用ボルト穴21bと対応(整合)する位置にそれぞれ配置されている。各ボルト挿通孔50aは、治具取付け用ボルト60を挿通可能である。
【0046】
[パワーユニット10の製造方法]
(1)まず、エンジンブロック21に組付け治具50(図7中、二点鎖線50参照)を取付ける。すなわち、出力軸22を跨ぐようにプレート部材53を配置し、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aに治具本体52の各第1基準部材55の第1基準面55aを面当たりさせる。このとき、エンジンブロック21の上方の両プレート上部取付け用ボルト穴21b、及び、その下方の両プレート上部取付け用ボルト穴21bに各第1基準部材55のボルト挿通孔50aを同軸状に整合させる。この状態で、治具取付け用ボルト60を、治具本体52の各ボルト挿通孔50aを介して、エンジンブロック21の当該プレート上部取付け用ボルト穴21bにそれぞれ締め付ける。これにより、エンジンブロック21に治具本体52が取付けられる(図6及び図7中、実線50参照)。
【0047】
(2)次に、エンジンブロック21にオイルパン25を取付ける(図7中、実線25参照)。すなわち、オイルパン25の両プレート下部取り付け面25bを治具本体52の両第2基準部材57の第2基準面57aに面当たりさせる。これにより、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aとオイルパン25のプレート下部取付け面25bとが面一化されるか、少なくともオイルパン25のプレート下部取付け面25bがエンジンブロック21のプレート上部取付け面21aよりもはみ出さない状態(引っ込んだ状態)に配置される。
【0048】
(3)続いて、オイルパン取付け用ボルト25e(図5参照)をオイルパン25の各オイルパン取付け用ボルト挿通孔25dを介してエンジンブロック21のオイルパン取付け用ボルト穴21dにそれぞれ締め付ける。これにより、エンジンブロック21にオイルパン25が取付けられる(図6参照)。
【0049】
(4)次に、エンジンブロック21から各治具取付け用ボルト60を取り外すとともに組付け治具50を取り外す。これにより、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21a及びオイルパン25のプレート下部取付け面25bが露出される(図4参照)。
【0050】
(5)次に、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21a及びオイルパン25のプレート下部取付け面25bにエンドプレート31の被取付け面31aを面当たりさせる(図3参照)か、少なくともプレート上部取付け面21aエンドプレート31の被取付け面31aを面当たりさせる。このとき、エンジンブロック21の各ピン穴21c(図4参照)に、エンドプレート31の各位置決めピン(図示省略)を挿入させる。これにより、エンジンブロック21(図2参照)の各プレート上部取付け用ボルト穴21b及びオイルパン25の各プレート下部取付け用ボルト穴25cに、エンドプレート31の各プレート取付け用ボルト挿通孔31cが整合される。
【0051】
(6)続いて、プレート取付け用ボルト40(図2参照)を、エンドプレート31の上部の6個の各プレート取付け用ボルト挿通孔31cを介して、エンジンブロック21の各プレート上部取付け用ボルト穴21bにそれぞれ締め付ける。これにより、エンジンブロック21にエンドプレート31が取付けられる。さらに、プレート取付け用ボルト40を、エンドプレート31の下部の2個の各プレート取付け用ボルト挿通孔31cを介して、オイルパン25の各プレート下部取付け用ボルト穴25cに締め付ける。これにより、オイルパン25にエンドプレート31が取付けられる(図3参照)。
【0052】
(7)その後、エンジンブロック21の出力軸22にロータ32を取付けると共にエンドプレート31にステータ33を取付ける(図3参照)。このとき、ステータ・ロータ組付け治具70(図8参照)を用いることにより、ステータ33とロータ32との間のエアギャップ32Gが確保された状態で、出力軸22に対するロータ32の取付け、及び、エンドプレート31に対するステータ33の取付けを行う。
【0053】
[パワーユニット10の製造方法の作用・効果]
前記したパワーユニット10の製造方法によると、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aに組付け治具50の基準面を面当たり状態で着脱可能に取付ける。そして、組付け治具50の基準面にオイルパン25のプレート下部取付け面25bを面当たり又は近接させた状態で、エンジンブロック21にオイルパン25を取付ける。これにより、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aとオイルパン25のプレート下部取付け面25bとを面一化した状態となるか、少なくともオイルパン25のプレート下部取付け面25bが、エンジンブロック21のプレート上部取付面21aよりもはみ出さない状態に必然的になり、エンジンブロック21にオイルパン25を取付けることができる。その後、エンジンブロック21から組付け治具50を取り外す。次に、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aに回転電機30のエンドプレート31を面当たり状態で取付け、オイルパン25のプレート下部取付け面25bにエンドプレート31を取付ければよい。したがって、エンドプレート31を、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aとオイルパン25のプレート下部取付け面25bとのうち、少なくともプレート上部取付け面21aに面当たりする状態で傾くことなく組付けることができる。これにより、回転電機30のエンドプレート31の組付け不良を抑制することができる。ひいては、エンドプレート31の組付け不良によるロータ32に対するステータ33の傾きによるステータ33とロータ32との間のエアギャップ32Gの減少を抑制することができる。
【0054】
[パワーユニット10の製造方法に用いる組付け治具50の作用・効果]
前記したパワーユニット10の製造方法に用いる組付け治具50によると、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aに治具本体52の各第1基準面55aを面当たりさせた状態で、エンジンブロック21に治具本体52を治具取付け用ボルト60により締結する。その治具本体52の第2基準面57aよりもオイルパン25のプレート下部取付け面25bがはみ出さない状態で、エンジンブロック21にオイルパン25を取付ける。これにより、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aとオイルパン25のプレート下部取付け面25bとを面一化するか、少なくともオイルパンのプレート下部取付面がエンジンプレート上部取付け面よりもはみ出さないようにすることができる。その後、エンジンブロック21から治具取付け用ボルト60を取り外すことにより、エンジンブロック21から治具本体52を取り外すことができる。
【0055】
また、エンジンブロック21のプレート上部取付け用ボルト穴21bを治具取付け用ボルト60のボルト穴として兼用することができる。このため、エンジンブロック21に治具取付け用ボルト60に対応する専用のボルト穴を形成しなくて済む。
【0056】
また、プレート部材53に各第1基準部材55及び両第2基準部材57が着脱可能に取付けられている。このため、一体成型品の組付け治具と比べて、組付け治具50にかかる加工費、材料費が安く、コストを低減することができる。また、組付け治具50の使用による各第1基準部材55及び/又は両第2基準部材57の摩耗時には、一体成型品の組付け治具では全体交換になるのに対し、各第1基準部材55及び/又は両第2基準部材57の部品毎の交換で済むため、メンテナンスコストを低減することができる。
【0057】
[他の実施形態]本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明の、パワーユニット10の外観、形状、構成、構造等は、本実施の形態で説明した外観、形状、構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。また、パワーユニット10は、産業車両以外の機器に用いてもよい。
【0058】
また、エンジンブロック21のプレート上部取付け用ボルト穴21b、及び/又は、オイルパン25のプレート下部取付け用ボルト穴25cの個数は増減してもよい。また、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21a、及び/又は、オイルパン25のプレート下部取付け面25bの形状は変更してもよい。また、エンジンブロック21のプレート上部取付け面21aは、少なくとも1つのプレート上部取付け用ボルト穴21bを含む複数のプレート上部取付け面で形成してもよい。また、オイルパン25のプレート下部取付け面25bは、少なくとも1つのプレート下部取付け用ボルト穴25cを含む1個又は3個以上のプレート上部取付け面で形成してもよい。
【0059】
また、組付け治具50の第1基準面55a及び/又は第2基準面57aの形状、個数は変更してもよい。また、組付け治具50に、第1基準面55aと第2基準面57aとを兼ねる1つの基準面を形成してもよい。また、組付け治具50の第1基準部材55及び/又は第2基準部材57は、プレート部材53に一体で形成してもよい。また、エンジンブロック21に治具取付け用ボルト60に対応する専用のボルト穴を形成してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 パワーユニット
20 エンジン
21 エンジンブロック
21a プレート上部取付け面
21b プレート上部取付け用ボルト穴
25 オイルパン
25b プレート下部取付け面
30 回転電機
31 エンドプレート
40 プレート取付け用ボルト
50 組付け治具
52 治具本体
55a 第1基準面
57a 第2基準面
60 治具取付け用ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10