特開2018-202973(P2018-202973A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-202973(P2018-202973A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】荷台付き車両用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B60P 7/08 20060101AFI20181130BHJP
   B62D 33/04 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B60P7/08
   B62D33/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-109385(P2017-109385)
(22)【出願日】2017年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】藤原 純一
(72)【発明者】
【氏名】蔵本 孝史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 航
(57)【要約】
【課題】ゲートの長手方向での任意の部位に仕様が異なる係止部を安価に形成できる荷台付き車両用アタッチメントを提供する。
【解決手段】荷台におけるゲート10に装着する装着部25は、ゲート10の上縁部10aに被さり、上縁部10aをガイドレールとしてスライドするように、かつ、上縁部10aに締め付け固定されるように構成されている。ゲート10に係止部を形成する係止部形成部材を取り付ける取付け部27が備えられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台におけるゲートの長手方向にスライド調節可能な状態で、かつ、調節位置に固定可能な状態で前記ゲートに装着する装着部が備えられ、かつ、前記ゲートに装着された状態において、前記ゲートに係止部を形成する荷台付き車両用アタッチメントであって、
前記係止部を形成する係止部形成部材を取り付ける取付け部が備えられ、
前記装着部は、前記ゲートの上縁部に被さり、前記上縁部をガイドレールとしてスライドするように、かつ、前記上縁部に締め付け固定されるように構成されている荷台付き車両用アタッチメント。
【請求項2】
前記装着部が前記荷台の内外方向に2つの分割装着部に分割され、
2つの前記分割装着部を連結する連結ボルトが備えられ、
2つの前記分割装着部が前記連結ボルトによって前記上縁部に締め付けられることにより、前記装着部が前記ゲートに締め付け固定されるよう構成されている請求項1に記載の荷台付き車両用アタッチメント。
【請求項3】
前記取付け部は、ネジ穴である請求項1または2に記載の荷台付き車両用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台付き車両用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
荷台付き車両用アタッチメントとして、荷台におけるゲートの長手方向にスライド調節可能な状態で、かつ、調節位置に固定可能な状態でゲートに装着する装着部が備えられ、かつ、ゲートに装着された状態において、ゲートに係止部を形成するものがある。この荷台付き車両用アタッチメントは、荷台におけるゲートの長手方向での任意の部位に装着部によって固定し、固定した部位に係止部を形成することができるものである。
【0003】
この種のアタッチメントとしては、例えば、特許文献1に示されるタイダウン取付部品がある。タイダウン取付部品は、ナット、ワッシャ及び雄ネジアイを備え、荷台の側壁に設けられた軌道部材にナットを嵌め込んで軌道部材に沿って移動させ、取付け目標箇所に位置すると、雄ネジアイをナットに締めつけることにより、軌道部材がワッシャとナットとの間で締めつけられてタイダウン取付部品が軌道部材にロックされる。すると、アイが軌道部材を介して側壁に固定され、側壁にアイによって係止部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−161236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の場合、アタッチメントをゲートに取付ける部材としての軌道部材が必要になる。
また、ゲートに形成される係止部を形状や構造、あるいは機能など、仕様が異なるものに変更するのには、アタッチメントの全体を交換する必要がある。つまり、必要経費が高くなる。
【0006】
本発明は、ゲートの長手方向での任意の箇所に仕様が異なる係止部を安価に形成できる荷台付き車両用アタッチメントを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、荷台におけるゲートの長手方向にスライド調節可能な状態で、かつ、調節位置に固定可能な状態で前記ゲートに装着する装着部が備えられ、かつ、前記ゲートに装着された状態において、前記ゲートに係止部を形成する荷台付き車両用アタッチメントであって、前記係止部を形成する係止部形成部材を取り付ける取付け部が備えられ、前記装着部は、前記ゲートの上縁部に被さり、前記上縁部をガイドレールとしてスライドするように、かつ、前記上縁部に締め付け固定されるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
本構成によると、係止部形成部材だけを交換すれば、アタッチメントの全体を交換せずに、係止部の仕様を変更することができる。これに加え、ゲートの上縁部に直接に装着するので、かつ、ゲートの上縁部をガイドレールとして活用するので特別な支持レール部材が不要である。
【0009】
従って、荷台に荷物を積載したり、別のアタッチメントなどの物品を取り付けたりするのに、この荷台付き車両用アタッチメントを使用すれば、ゲートのうち、荷物やアタッチメントなどに対応した適切あるいは所望の部位に、適切な仕様の係止部を安価に形成できる。
【0010】
本発明においては、前記装着部が前記荷台の内外方向に2つの分割装着部に分割され、2つの前記分割装着部を連結する連結ボルトが備えられ、2つの前記分割装着部が前記連結ボルトによって前記上縁部に締め付けられることにより、前記装着部が前記ゲートに締め付け固定されるよう構成されていると好適である。
【0011】
本構成によれば、連結ボルトを締め付けボルトに活用した構造簡単な固定構造によって装着部をゲートに固定できる。
【0012】
本発明においては、前記取付け部は、ネジ穴であると好適である。
【0013】
本構成によれば、ネジ穴に対応したネジ部を備えるだけの簡素な連結手段を係止部形成部材に備えるだけで、係止部形成手部材を取付け部にしっかり連結できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ユーティリティビーグルの全体を示す左側面図である。
図2】荷台付き車両用アタッチメントが取り付けられた状態の荷台を示す斜視図である。
図3】荷台付き車両用アタッチメントを示す縦断正面図である。
図4】荷台付き車両用アタッチメントを示す右側面図である。
図5】荷台付き車両用アタッチメントを示す左側面図である。
図6】荷台付き車両用アタッチメントを示す平面図である。
図7】別のアタッチメントの取付ける係止部の形成状態を示す断面図である。
図8】別のアタッチメントの取付ける係止部の形成状態を示す断面図である。
図9】固縛具を取付ける係止部の形成状態を示す断面図である。
図10】固縛具を取付ける係止部の形成状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、荷台付き車両の一例であるユーティリティビーグル(多目的車両)の全体を示す側面図である。図1に示す[F]の方向が走行車体1の前方向、[B]の方向が走行車体1の後方向、紙面表側の方向が走行車体1の左方向、紙面裏側の方向が走行車体1の右方向と定義する。
【0016】
〔ユーティリティビーグルの構成〕
図1に示すように、ユーティリティビーグルは、左右一対の前車輪2が駆動可能かつ操向操作可能に装備され、左右一対の後車輪3が駆動可能に装備された走行車体1を備えている。走行車体1の前部に運転部4が形成されている。運転部4には、運転座席5、及び、前車輪2を操向操作するステアリングホィール6が設けられている。走行車体1の後部に荷台7が設けられている。荷台7の下方に原動部8が形成されている。原動部8には、前車輪2及び後車輪3に動力を伝達するエンジン9等が設けられている。図1,2に示すように、荷台7の左横側及び右横側のゲート10に荷台付き車両用アタッチメント20(以下、単にアタッチメント20と呼称する。)が装着されている。
【0017】
〔アタッチメント20の構成〕
左横側及び右横側のゲート10に装着されているアタッチメント20は、同じ構成を備えている。各アタッチメント20は、このアタッチメント20とは別のアタッチメント11,12(図7,8参照)を支持する係止部13,14(図7,8参照)、荷台7に荷物を固定するロープ、チェーンなどの固縛具を引っ掛ける係止部15,16(図9,10参照)をゲート10の長手方向での任意の箇所に形成するものである。各アタッチメント20は、次の如く構成されている。
【0018】
図3から6に示すように、アタッチメント20は、アタッチメント20を1つの分割面21で荷台7の内外方向に分割した2つの分割アタッチメント22、1つの連結ボルト23、及び1つのナット24を備えている。本実施形態では、分割アタッチメント22は、アルミ合金材によって構成されているが、アルミ合金材に限らず、樹脂材、鉄材など各種の素材の利用が可能である。
【0019】
両分割アタッチメント22の内側の横側部に分割装着部25aが形成されている。両分割アタッチメント22のうち、分割装着部25aより上端側の部位に、分割アタッチメント22の横幅方向に貫通する連結穴26が設けられている。両分割アタッチメント22の外側の横側部22aにおける4箇所にネジ穴27が形成されている。一方の分割アタッチメント22における分割装着部25aの下側に係止部28が形成されている。2つの分割アタッチメント22のうちの一方の分割アタッチメント22における上面部22bの2箇所にネジ穴27が形成されている。本実施形態では、各ネジ穴27が係止部形成部材の取付け部を構成している。本実施形態では、10個のネジ穴27が形成されているが、9個以下あるいは11個以上のネジ穴を採用してもよい。
【0020】
図3に示すように、両分割アタッチメント22を、両分割アタッチメント22の分割装着部25aによってゲート10の上縁部10aを荷台内外方向から挟む状態で上縁部10aに当て付ける。この状態の両分割アタッチメント22の連結穴26に連結ボルト23を装着すると共に連結ボルト23の先端側のネジ部分にナット24を装着して、2つの分割アタッチメント22を連結ボルト23によって連結する。すると、両分割アタッチメント22の分割装着部25aが連結ボルト23によって連結され、2つの分割装着部25aによってアタッチメント全体としての装着部25が構成されると共にこの装着部25が上縁部10aに被さった状態になり、アタッチメント20を上縁部10aに装着できる。このように装着した状態では、係止部28が上縁部10aの下端部に係合し、アタッチメント20がゲート10から上方へ抜け外れることが係止部28によって防止される。本実施形態では、連結ボルト23は、頭部に形成された六角穴23aを備え、六角レンチによって操作するよう構成されているが、六角穴付きボルトに限らず、六角ボルトや蝶ボルトによって構成してもよい。
【0021】
装着部25は、連結ボルト23を強く締め付けない状態にしておくことにより、上縁部10aをガイドレールにしてゲート10の長手方向にスライド調節できる状態になり、アタッチメント20をゲート10の長手方向にスライド調節できる。アタッチメント20をスライド調節し、アタッチメント20がゲート10のうちの係止部形成目標箇所に位置すると、連結ボルト23を強く締め付ける。すると、両分割装着部25aによる上縁部10aの挟持が強くなって装着部25を上縁部10aに固定でき、アタッチメント20がゲート10のうちの係止部形成目標箇所に固定される。
【0022】
図7に示すように、別のアタッチメント11をゲート10に取付ける場合、別のアタッチメント11の連結部11aと、アタッチメント20のネジ穴27とにわたって連結ボルトを装着する。連結ボルトが係止部形成部材となり、係止部13がアタッチメント20に支持されて係止部13がゲート10のうちの係止部形成目標箇所に形成され、別のアタッチメント11をゲート10に取付けることができる。
【0023】
図8に示すように、別のアタッチメント12をゲート10に取付ける場合、別のアタッチメント12の連結部12aと、アタッチメント20のネジ穴27とにわたってネジ軸を装着する。ネジ軸が係止部形成部材となり、係止部14がアタッチメント20に支持されて係止部14がゲート10のうちの係止部形成目標箇所に形成される。係止部14の先端側にナット14aを装着して締め付けることにより、別のアタッチメント12をゲート10に取付けることができる。
【0024】
図9に示すように、ロープ、チェーンなどの固縛具を引っ掛ける係止部15をゲート10に形成する場合、係止部15を形成する係止部形成部材を連結ボルト15aによってアタッチメント20のネジ穴27に連結することにより、係止部15がアタッチメント20に支持され、係止部15がゲート10のうちの係止部形成目標箇所に形成される。
【0025】
図10に示すように、ロープ、チェーンなどの固縛具を引っ掛ける係止部16をゲート10に形成する場合、係止部16のネジ部分16aをアタッチメント20のネジ穴27に装着することにより、係止部16がアタッチメント20に支持され、係止部16がゲート10のうちの係止部形成目標箇所に形成される。
【0026】
〔別実施形態〕
(1)上記した実施形態では、アタッチメント20の両横側部22a及び上面部22bにネジ穴27を設けた例を示したが、両横側部22aのうちのいずれか一方の横側部22aのみに、あるいは、両横側部22aのうちのいずれか一方の横側部22aと、上面部22bとの2つの部位のみに、あるいは、上面部22bのみに設けて実施してもよい。
【0027】
(2)上記した実施形態では、2つの分割アタッチメント22を連結ボルト23によって連結し、2つの分割装着部25aを連結ボルト23によって上縁部10aに締め付けるよう構成した例を示したが、この構成に代え、2つの分割アタッチメント22を両横外側から挟むC字形状の板バネによって2つの分割アタッチメント22を開閉可能に連結し、かつ、この板バネによって2つの分割アタッチメント22を上縁部10aに締め付けるように閉じ付勢する構成を採用して実施してもよい。また、2つの分割アタッチメント22を連結する部材と、2つの分割装着部25aを上縁部10aに締め付ける締め付け部材とを別々に設けてもよい。
【0028】
(3)上記した実施形態では、アタッチメント20を横側のゲート10に装着する例を示したが、横側のゲート10、テールゲート及びフロントゲートのいずれにも装着できるよう構成して実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、ユーティリティビーグルに限らず、ピックアップトラック、運搬車など、各種の荷台付き車両に適用できる。
【符号の説明】
【0030】
7 荷台
10 ゲート
13 係止部
14 係止部
15 係止部
16 係止部
23 連結ボルト
25 装着部
25a 分割装着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10