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特開2018-203068ステアリング装置のライナ組付方法およびライナ組付装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203068(P2018-203068A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】ステアリング装置のライナ組付方法およびライナ組付装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 3/12 20060101AFI20181130BHJP
   F16H 19/04 20060101ALI20181130BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B62D3/12 501Z
   F16H19/04 G
   B23P21/00 303B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-111111(P2017-111111)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 哲志
(72)【発明者】
【氏名】笹内 英弘
(72)【発明者】
【氏名】柴田 光浩
(72)【発明者】
【氏名】宮永 義隆
(72)【発明者】
【氏名】今村 永則
【テーマコード(参考)】
3C030
3J062
【Fターム(参考)】
3C030AA04
3C030AA05
3C030AA11
3C030CC07
3J062AA07
3J062AB05
3J062AC07
3J062BA01
3J062CA15
(57)【要約】
【課題】ラックシャフトの摺動をガイドするライナを効率良く組み付けるステアリング装置のライナ組付方法を提供する。
【解決手段】ラックハウジング20の外部で第2ライナ35が、ライナ装着ガイド50のポケット部51に収容される(準備工程)。ライナ装着ガイド50が、ラックハウジング20の筒状の本体部21の端部開口部を通して、本体部21の内部空間21Sとラックガイド収容穴24とを連通する連通開口部26内に挿入され、第2ライナ35が、連通開口部26の保持凹部27に対向する装着待機位置に移動される(移動工程)。装着待機位置にある第2ライナ35が、ライナ駆動機構80によって移動されて保持凹部27に装着される(装着工程)。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックハウジングの筒状の本体部に軸方向に摺動可能に挿通されたラックシャフトを前記ラックシャフトに噛み合うピニオンシャフト側に押圧するラックガイドが、連通開口部を介して前記本体部の内部空間と連通するラックガイド収容穴に摺動可能に収容されるステアリング装置を組み立てるにあたって、前記連通開口部に設けられた保持凹部に、前記ラックシャフトの摺動をガイドするラックシャフトガイド部を有するライナを組み付ける、ステアリング装置のライナ組付方法であって、
前記ラックハウジングの外部で前記ライナをライナ装着ガイドのポケット部に収容する準備工程と、
前記ライナ装着ガイドを前記本体部の端部開口部または前記ラックガイド収容穴の端部開口部を通して前記連通開口部内に挿入することにより、前記ポケット部に収容された前記ライナを前記保持凹部に対向する装着待機位置に移動させる移動工程と、
前記装着待機位置に移動された前記ライナをライナ駆動機構によって前記ポケット部のライナガイド部に沿って移動させて、前記ライナを前記保持凹部に装着する装着工程と、を含む、ステアリング装置のライナ組付方法。
【請求項2】
前記装着工程では、前記ライナ駆動機構の駆動媒体として前記ポケット部内に供給される圧縮エアが前記ライナの前記ラックシャフトガイド部に吹き付けられることにより、前記ライナが前記保持凹部に装着される、請求項1に記載のステアリング装置のライナ組付方法。
【請求項3】
前記装着工程では、前記ラックシャフトガイド部に対する前記圧縮エアの吹き付け位置が、前記本体部の前記端部開口部側へ偏らせて配置されることにより、前記ラックシャフトガイド部が前記本体部の前記端部開口部側に向かって開くように前記軸方向に対して傾斜する状態で、前記ライナが、前記保持凹部に装着される、請求項2に記載のステアリング装置のライナ組付方法。
【請求項4】
ラックハウジングの筒状の本体部に軸方向に摺動可能に挿通されたラックシャフトを前記ラックシャフトに噛み合うピニオンシャフト側に押圧するラックガイドが、連通開口部を介して前記本体部の内部空間と連通するラックガイド収容穴に摺動可能に収容されるステアリング装置を組み立てるにあたって、前記連通開口部に設けられた保持凹部に、前記ラックシャフトの摺動をガイドするラックシャフトガイド部を有するライナを組み付ける、ステアリング装置のライナ組付装置であって、
前記ライナを収容するポケット部と、前記ポケット部に設けられたライナガイド部とを含み、前記本体部の端部開口部または前記ラックガイド収容穴の端部開口部を通して前記連通開口部内に挿入されることにより、前記ポケット部に保持された前記ライナを前記保持凹部に対向する装着待機位置に移動させるライナ装着ガイドと、
前記装着待機位置に移動された前記ライナを前記保持凹部側へ移動させるライナ駆動機構と、を備える、ステアリング装置のライナ組付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリング装置のライナ組付方法およびライナ組付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるラックアンドピニオン式のステアリング装置では、ラックとピニオンの噛合状態を適正に保つために、ラックシャフトをピニオンシャフトに対する噛合部の背後からピニオンシャフト側に押圧するラックガイドが設けられる。ラックガイドは、ラックハウジングに設けられたラックガイド収容穴に収容されて、ラックシャフトの軸方向の摺動をガイドする。
【0003】
ラックガイドは、全体が円柱状に形成された部材で、そのラックシャフト側の端部(先端部)には、ラックシャフトの外周面の略半分に面接触する低摩擦樹脂からなる湾曲状のライナが保持されている。
走行中、ラックシャフトが車輪側からの力を受けたときに、ラックシャフトは、ピニオンシャフトの中心軸に対して平行な方向に逃げる動きを発生する。その場合、ラックガイドの先端部に保持されたライナの縁が、ラックシャフトとの干渉により変形等の不具合を生ずるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−1514号公報参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明者は、ラックハウジングに設けられた保持凹部に保持されるライナを追加し、ライナによって、ラックシャフトの摺動をガイドすることを想定する。
しかしながら、保持凹部は、ラックハウジングの筒状の本体部の内部空間とラックガイド収容穴の内部空間とを連通する連通開口部の内周面に配置されるため、保持凹部に、ライナを手作業で組み付ける作業が困難であるという、新たな問題の発生が懸念される。
【0006】
本発明の目的は、ラックシャフトの摺動をガイドするライナを効率良く組み付けるステアリング装置のライナ組付方法およびライナ組立装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、ラックハウジング(20)の筒状の本体部(21)に軸方向(X)に摺動可能に挿通されたラックシャフト(9)を前記ラックシャフトに噛み合うピニオンシャフト(7)側に押圧するラックガイド(32)が、連通開口部(26)を介して前記本体部の内部空間と連通するラックガイド収容穴(24)に摺動可能に収容されるステアリング装置(1)を組み立てるにあたって、前記連通開口部に設けられた保持凹部(27)に、前記ラックシャフトの摺動をガイドするラックシャフトガイド部(35a)を有するライナ(35)を組み付ける、ステアリング装置のライナ組付方法であって、前記ラックハウジングの外部で前記ライナをライナ装着ガイド(50;50P)のポケット部(51)に収容する準備工程と、前記ライナ装着ガイドを前記本体部の端部開口部(21c)または前記ラックガイド収容穴の端部開口部(28)を通して前記連通開口部内に挿入することにより、前記ポケット部に収容された前記ライナを前記保持凹部に対向する装着待機位置に移動させる移動工程と、前記装着待機位置に移動された前記ライナをライナ駆動機構(80)によって前記ポケット部のライナガイド部(51c,51e)に沿って移動させて、前記ライナを前記保持凹部に装着する装着工程と、を含む、ステアリング装置のライナ組付方法を提供する。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2のように、請求項1において、前記装着工程では、前記ライナ駆動機構の駆動媒体として前記ポケット部内に供給される圧縮エアが前記ライナの前記ラックシャフトガイド部に吹き付けられることにより、前記ライナが前記保持凹部に装着されてもよい。
【0009】
請求項3のように、請求項2において、前記装着工程では、前記ラックシャフトガイド部に対する前記圧縮エアの吹き付け位置が、前記本体部の前記端部開口部側へ偏らせて配置されることにより、前記ラックシャフトガイド部が前記本体部の前記端部開口部側に向かって開くように前記軸方向に対して傾斜する状態で、前記ライナが、前記保持凹部に装着されてもよい。
【0010】
請求項4の発明は、ラックハウジングの筒状の本体部に軸方向に摺動可能に挿通されたラックシャフトを前記ラックシャフトに噛み合うピニオンシャフト側に押圧するラックガイドが、連通開口部を介して前記本体部の内部空間と連通するラックガイド収容穴に摺動可能に収容されるステアリング装置を組み立てるにあたって、前記連通開口部に設けられた保持凹部に、前記ラックシャフトの摺動をガイドするラックシャフトガイド部を有するライナを組み付ける、ステアリング装置のライナ組付装置(40)であって、前記ライナを収容するポケット部(51)と、前記ポケット部に設けられたライナガイド部(51c,51e)とを含み、前記本体部の端部開口部または前記ラックガイド収容穴の端部開口部を通して前記連通開口部内に挿入されることにより、前記ポケット部に保持された前記ライナを前記保持凹部に対向する装着待機位置に移動させるライナ装着ガイド(50;50P)と、前記装着待機位置に移動された前記ライナを前記保持凹部側へ移動させるライナ駆動機構(80)と、を備える、ステアリング装置のライナ組付装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明のステアリング装置のライナ組付方法では、ラックハウジングの外部でライナをライナ装着ガイドのポケット部に収容する(準備工程)。その後、ライナ装着ガイドをラックハウジングの本体部の端部開口部またはラックガイド収容穴の端部開口部を通して、ラックハウジングとラックガイド収容穴とを連通する連通開口部内に挿入し、ポケット部に保持されたライナを前記連通開口部の保持凹部に対向する装着待機位置に移動させる(移動工程)。その後、装着待機位置にあるライナをライナ駆動機構によってライナガイド部に沿って移動させて保持凹部に装着する(装着工程)。このため、ライナを効率良く組み付けることができる。
【0012】
請求項2の発明では、装着工程において、ライナのラックシャフトガイド部に圧縮エアを吹き付けることにより、ライナをポケット部のライナガイド部に沿って移動させて、保持凹部に装着する。圧縮エアを用いて容易にライナを装着することができる。
請求項3の発明では、装着工程において、保持凹部に装着されたライナは、そのラックシャフトガイド部がラックハウジングの本体部の端部開口部側に向かって開くように前記軸方向に対して傾斜する状態にある。このため、ライナの装着後に、ラックシャフトが前記端部開口部側からラックハウジングの本体部内に挿入されるときに、ラックシャフトがライナのラックシャフトガイド部に沿うようにして容易に挿入される。
【0013】
請求項4の発明のライナ組付装置では、ラックハウジングの外部でライナをライナ装着ガイドのポケット部に収容する。その後、ライナ装着ガイドをラックハウジングの本体部の端部開口部またはラックガイド収容穴の端部開口部を通して、前記本体部の内部空間とラックガイド収容穴とを連通する連通開口部内に挿入し、ポケット部に保持されたライナを前記連通開口部の保持凹部に対向する装着待機位置に移動させる。その後、装着待機位置にあるライナを駆動機構によってライナガイド部に沿って移動させて保持凹部に装着する。このため、ライナを効率良く組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1実施形態のライナの組付方法が適用されるステアリング装置の模式図である。
図2図2は、ラックハウジングの概略斜視図である。
図3図3は、ステアリング装置のラックガイド装置の周辺の構造の概略断面図である。
図4図4は、ラックシャフトの摺動をガイドするライナの斜視図である。
図5図5は、第1実施形態のライナ組付方法に用いるライナ組付装置の分解斜視図である。
図6図6(a)および(b)は、第1実施形態におけるライナ装着ガイドのポケット部の正面図であり、図6(a)が、第2ライナが収容される前の状態を示し、図6(b)が、第2ライナが収容された状態を示している。図6(c)は、第1実施形態における、第2ライナが収容されたポケット部の周辺の構造の断面図である。
図7図7は、第1実施形態におけるライナ供給ガイドの断面図であり、ライナ供給ガイドのライナ供給溝にライナが受け入れられた状態を示している。
図8図8は、第1実施形態におけるライナ装着ガイドおよびライナ供給機構の概略断面図である。
図9図9は、第1実施形態におけるライナ装着ガイドおよびライナ供給機構の概略断面図であり、ライナ供給機構のライナ供給ガイドのライナ供給溝内に、ホッパから第2ライナが落下された状態を示している。
図10図10は、第1実施形態におけるライナ装着ガイドおよびライナ供給機構の概略断面図であり、ライナ供給機構によってライナがライナ装着ガイドのポケット部に収容される準備工程を示している。
図11図11は、第1実施形態におけるライナ装着ガイドおよびライナ供給機構の概略断面図であり、準備工程の完了後のライナ供給機構の動作を示している。
図12図12は、第1実施形態におけるライナ装着ガイドおよびラックハウジングの要部の概略図であり、ポケット部に収容されたライナを装着待機位置に移動させる移動工程の初期の状態を示している。
図13図13は、第1実施形態におけるライナ装着ガイドおよびラックハウジングの要部の概略図であり、ライナが装置待機位置に移動された、移動工程の完了状態を示している。
図14図14は、第1実施形態におけるライナ装着ガイドおよびラックハウジングの要部の断面図であって図13とは別角度からの断面図であり、移動工程の完了状態を示している。
図15図15は、第1実施形態におけるライナ装着ガイド、ラックハウジングおよび圧縮エア供給パイプの要部の断面図であり、装着工程の準備段階を示している。
図16図16は、第1実施形態におけるライナ装着ガイド、ラックハウジングおよび圧縮エア供給パイプの要部の断面図であり、ライナがラックハウジングの保持凹部に装着された装着工程を示している。
図17図17は、第1実施形態におけるラックハウジングおよびライナの断面図であり、装着工程が完了して、圧縮エア供給パイプおよびライナ装着ガイドが退避した状態を示している。
図18図18(a)〜(b)は、本発明の第2実施形態におけるライナ組付方法の工程を示す模式的断面図である。
図19図19(a)は、本発明の第3実施形態におけるライナ装着ガイドおよびラックハウジングの要部の概略断面図であり、装着工程の開始前の状態を示している。図19(b)は、ラックハウジングの要部の概略断面図であり、装着工程が完了して、一対の第2ライナが一対の保持凹部に収容された状態を示している。図19(c)は、装着工程の完了後に、一対の第2ライナ間にラックシャフトが挿入された状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態のライナ組付方法が適用されるステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール2と、ステアリングシャフト3と、転舵機構4と、ラックガイド装置5とを備えている。
【0016】
ステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2に連結されるコラムシャフト6と、ピニオン7aが形成されたピニオンシャフト7と、コラムシャフト6とピニオンシャフト7とを連結するインターミディエイトシャフト8とを含む。転舵機構4は、ラックシャフト9と、ラックハウジング20と、タイロッド10と、転舵輪11とを含む。
ラックハウジング20は、筒状をなし、車体(図示せず)に固定される。ラックシャフト9は、ラックハウジング20内に挿通され、ラックハウジング20によってブッシュ等を介して、軸方向Xに摺動可能に支持されている。ラックシャフト9には、ピニオン7aと噛み合わされるラック9aが形成されている。
【0017】
ラックシャフト9の一対の端部9b,9cが、ラックハウジング20の一対の端部20a,20bからそれぞれ突出している。ラックシャフト9の各端部9b,9cは、それぞれ対応するタイロッド10を介して転舵輪11に接続されている。
運転者の操作によってステアリングホイール2が回転されると、コラムシャフト6およびインターミディエイトシャフト8を介して、ピニオンシャフト7が回転される。ピニオンシャフト7の回転は、ピニオン7aとラック9aとの働きによって、ラックシャフト9の軸方向Xの往復運動に変換される。ラックシャフト9の往復運動により転舵輪11の転舵角が変化する。
【0018】
図2は、ラックハウジング20の概略斜視図である。ラックハウジング20は、筒状の本体部21と、ピニオンシャフト収容穴22を区画する筒状の第1壁部23と、ラックガイド収容穴24を区画する筒状の第2壁部25とを含む。
本体部21は、一対の端部21a,21b(ラックハウジング20の一対の端部20a,20bに相当)を有している。本体部21の一対の端部21a,21bに、外部に開放する端部開口部21c,21dが形成されている。
【0019】
第1壁部23および第2壁部25は、本体部21の一方の端部21aに近い位置に配置されている。第1壁部23および第2壁部25は、本体部21の外周面21eに交差状に連結されている。ラックハウジング20では、本体部21の内部空間21Sとラックガイド収容穴24の内部空間24Sとを連通する連通開口部26が形成されている。ラックガイド収容穴24には、連通開口部26側とは反対側に外部に開放する端部開口部28が形成されている。
【0020】
図3はステアリング装置1のラックガイド装置5の周辺の構造の断面図である。図3に示すように、ピニオンシャフト7は、ピニオンシャフト収容穴22に収容され、第1軸受12および第2軸受13を介して回転可能に支持されている。第1軸受12および第2軸受13は、ピニオンシャフト7の軸方向に関してピニオン7aの両側に配置されている。第2軸受13は、ピニオンシャフト7の先端側に配置されている。第1軸受12は、例えば玉軸受からなる。第2軸受13は、例えば円筒ころ軸受からなる。ピニオンシャフト7のピニオン7aとラックシャフト9のラック9aとが、ラックハウジング20の内部で噛み合わされている。
【0021】
ラックガイド装置5は、プラグ31と、ラックガイド32と、付勢部材33と、第1ライナ34と、一対の第2ライナ35と、第1弾性部材36と、第2弾性部材37とを含む。プラグ31、ラックガイド32、付勢部材33、第1ライナ34および、第1弾性部材36および第2弾性部材37が、ラックガイド収容穴24内に収容されている。
一対の第2ライナ35は、ラックガイド収容穴24の内部空間24Sとラックハウジング20の本体部21の内部空間21Sとを連通する連通開口部26に収容されている。具体的には、連通開口部26の内周面において互いに対向する位置に、一対の保持凹部27が形成されており、これら一対の保持凹部27に、一対の第2ライナ35がそれぞれ収容保持されている。一対の第2ライナ35は、これら第2ライナ35間に介在するラックシャフト9(の外周面)に摺動接触して、ラックシャフト9の軸方向(図3では紙面と直交する方向)の移動をガイドする。
【0022】
端部開口部28におけるラックガイド収容穴24の内周面24aに、雌ねじ部24bが形成されており、雌ねじ部24bに、プラグ31の外周面31aの雄ねじ部31bが螺合されている。
ラックガイド32は、略円柱状に形成されており、ラックシャフト側端面32aと、プラグ側端面32bと、外周面32cと、第1ライナ取付凹部32dと、付勢部材収容凹部32eとを含む。
【0023】
第1ライナ取付凹部32dは、ラックシャフト側端面32aに形成された凹湾曲状の凹部である。第1ライナ34は、低摩擦材料で形成された湾曲板からなり、第1ライナ取付凹部32dに沿うように取り付けられている。ラックガイド32は、ラックシャフト9のラック9aの背面9dを第1ライナ34を介して摺動可能に支持している。
付勢部材収容凹部32eは、プラグ側端面32bに形成された凹部であり、付勢部材33を収容している。付勢部材33は、プラグ31のラックガイド側端面31cとラックガイド32の付勢部材収容凹部32eの底部との間に圧縮状態で介在する例えば圧縮コイルばねである。付勢部材33は、ラックガイド32を介してラックシャフト9をピニオンシャフト7側へ付勢する。プラグ31のラックガイド側端面31cとラックガイド32のプラグ側端面32bとの間には、所定量の隙間Sが形成されている。
【0024】
第1弾性部材36は、プラグ31の外周面31aに形成された外周溝に収容保持された例えばOリングであり、プラグ31の外周面31aとラックガイド収容穴24の内周面24aとの間を封止する。第2弾性部材37は、ラックガイド32の外周面32cに形成された外周溝に収容保持された例えばOリングであり、ラックガイド収容穴24の内周面24aに弾性的に当接して、ラックガイド32の倒れ(ラックガイド収容穴24の中心軸線C1に対するラックガイド32の中心軸線C2の傾斜に相当)を抑制する。
【0025】
図4は、一対の第2ライナ35の斜視図である。一対の第2ライナ35は、共通の部材からなり、互いに対称な位置に配置されて、対向方向Yに対向する。第2ライナ35は、略蒲鉾形形状の部材である。第2ライナ35は、ラックシャフトガイド部35aと、背面部35bと、第1被ガイド部35cが形成されたラックガイド側端面35dと、第2被ガイド部35eが形成されたピニオン側端面35fとを含む。
【0026】
ラックシャフトガイド部35aは、ラックシャフト9の軸方向Xに延びてラックシャフト9の外周面に沿う凹面からなり略矩形状に形成されている。図3に示すように、ラックシャフトガイド部35aは、ラックシャフト9に摺動接触してラックシャフト9の軸方向Xの移動をガイドする。背面部35bは、ラックシャフトガイド部35aの反対側に配置された円弧状面(凸湾曲面)である。
【0027】
図4に示すように、ラックガイド側端面35dとピニオン側端面35fとは互いに平行な平坦面からなる。第1被ガイド部35cは、対向方向Yに延びる断面略矩形の凸条である。第2被ガイド部35eは、対向方向Yに延びる断面略矩形の凹条である。ラックシャフト9の軸方向Xに関して、第1被ガイド部35cの幅と、第2被ガイド部35eの幅とは、第2ライナ35の誤組付防止のために、互いに異ならせてある。
【0028】
図5は、ライナ組付装置40の分解斜視図である。図5に示すように、ライナ組付装置40は、ライナ装着ガイド50と、装着ガイド駆動機構60と、一対のライナ供給機構70と、ライナ駆動機構80とを含む。
装着ガイド駆動機構60は、シリンダ本体61と、シリンダ本体61から伸縮される駆動ロッド62とを含むエアシリンダである。ライナ装着ガイド50は、駆動ロッド62の同軸上に連結された円柱状部材からなる。ライナ装着ガイド50は、先端部50aと、基端部50bと、外周面50cと、一対のポケット部51と、パイプ連結口52と、圧縮エア供給路53とを含む。
【0029】
先端部50aは先細り状に形成される。ライナ装着ガイド50は、先端部50a側からラックハウジング20内に挿入される(図11図12も参照)。図5に示すように、基端部50bは、装着ガイド駆動機構60の駆動ロッド62の先端部62aに固定されている。
図6(a)および(b)は、ライナ装着ガイド50のポケット部51の正面図であり、図6(a)が、第2ライナ35が収容される前の状態を示しし、図6(b)が、第2ライナ35が収容された状態を示している。図6(c)は、第2ライナ35が収容されたポケット部51の周辺の構造の断面図である。図8は、ライナ装着ガイド50および一対のライナ供給機構70の概略断面図である。
【0030】
図5および図8に示すように、一対のポケット部51は、外周面50cの対向位置に形成された一対の凹部である。図6(b),(c)に示すように、各ポケット部51に、対応する第2ライナ35が収容保持される。
図6(a)に示すように、ポケット部51の内部空間51Sは、断面略矩形に形成されている。内部空間51Sは、前記矩形の四辺部となる第1内壁部51a、第2内壁部51b、第3内壁部51dおよび第4内壁部51fと、内奥側の第5内壁部51g[図6(c)を参照]とによって区画されている。
【0031】
図6(a)に示すように、第1内壁部51aおよび第2内壁部51bは、軸方向Xに対向し、第3内壁部51dおよび第4内壁部51fは、軸方向Xと直交する方向に対向している。
第3内壁部51dには、対向方向Y(紙面と直交する方向)に延びる凸条からなる第1ライナガイド部51cが形成されている。第4内壁部51fには、対向方向Y(紙面と直交する方向)に延びる凹条からなる第2ライナガイド部51eが形成されている。
【0032】
図6(b)に示すように、ポケット部51に第2ライナ35が収容されるときに、第3内壁部51dが第2ライナ35のラックガイド側端面35dと対向され、第4内壁部51fが第2ライナ35のピニオン側端面35fと対向される。また、凹条からなる第1ライナガイド部51cが、第2ライナ35の凸条からなる第1被ガイド部35cと嵌合され、且つ、凸条からなる第2ライナガイド部51eが、第2ライナ35の凹条からなる第2被ガイド部35eと嵌合されて、両ライナガイド部51c,51eによって、第2ライナ35の対向方向Yの移動がガイドされる。
【0033】
また、図6(c)に示すように、ポケット部51に第2ライナ35が収容されるときに、第2ライナ35のラックシャフトガイド部35aが、ポケット部51の内奥側の第5内壁部35gに当接されて位置決めされる。
図5に示すように、一対のライナ供給機構70(図5では一方のライナ供給機構70のみを示す)は、ホッパ71と、ライナ供給ガイド72と、ライナ供給駆動部73とを含む。図8および図9に示すように、一対のライナ供給機構70は、一対の第2ライナ35をライナ装着ガイド50の一対のポケット部51に同時に供給する機構である。
【0034】
図8に示すように、ホッパ71の内部には、多数の第2ライナ35が積層状態で収容されている。ホッパ71の下端には、ホッパ71の下端の排出口71aを開閉するシャッタが設けられている。前記シャッタが開放された状態で、排出口71aから第2ライナ35が自然落下される(図9も参照)。
図5に示すように、ライナ供給ガイド72は、対向方向Yに長い直方体形状をなし、一端面72aと、他端面72bと、ホッパ側の上面72cと、ライナ供給溝74と、ライナ受容口75とを含む。
【0035】
ライナ供給ガイド72の一端面72aが、ライナ供給駆動部73側に配置され、他端面72bがポケット部51側に配置されている。
ライナ供給溝74は、ホッパ71から落下供給される第2ライナ35を受け入れた後、ライナ装着ガイド50のポケット部51に供給するための溝であり、図7に示すように、第2ライナ35を収容可能な断面形状に形成されている。
【0036】
図5に示すように、ライナ供給溝74は、ライナ供給ガイド72の一端面72aに開口する一端開口74aと、ライナ供給ガイド72の他端面72bに開口するライナ排出口としての他端開口74bと、ライナ供給ガイド72の上面72cに開口する上面開口74cとを含む。
ライナ受容口75は、上面開口74cの一部を拡げて形成されている。ホッパ71から落下された第2ライナ35が、ライナ受容口75を介してライナ供給溝74内に受け入れられる(図8図9を参照)。
【0037】
図5および図7に示すように、上面開口74cは、対向方向Yに平行に延びる一対の縁部からなる第1ライナガイド部74dどうしの間に形成されている。一対の第1ライナガイド部74dどうしの間隔は、第2ライナ35の第1被ガイド部35cの幅と略等しくされている。図7に示すように、一対の第1ライナガイド部74dは、ライナ供給溝74に受け入れられた第2ライナ35の第1被ガイド部35cと嵌合した状態で、第2ライナ35をポケット部51側に向けてガイドする機能を果たす。
【0038】
また、ライナ供給溝74の溝底部には、ライナ供給溝74に受け入れられた第2ライナ35の第2被ガイド部35eと嵌合する凸条からなる第2ライナガイド部74eが形成されている。第2ライナガイド部74eは、ライナ供給溝74に受け入れられた第2ライナ35の凹条からなる第2被ガイド部35eと嵌合した状態で、第2ライナ35をポケット部51側に向けてガイドする機能を果たす。
【0039】
図5に示すように、ライナ供給駆動部73は、押圧部材76と、押圧部材76を駆動するエアシリンダ77とを含む。押圧部材76は、ライナ供給溝74と同じ断面形状に形成されており、ライナ供給溝74の一端開口74aを通してライナ供給溝74内に挿入されている。
押圧部材76は、第2ライナ35の背面部35bに嵌合する凹湾曲面状の押圧部76aと、凹条からなる第1ライナガイド部74dに嵌合する凸条76cと、凸条からなる第2ライナガイド部74eに嵌合する凹条76eとを含む。エアシリンダ77は、シリンダ本体77aと、シリンダ本体77aから伸縮される駆動ロッド77bとを含む。駆動ロッド77bの先端部に押圧部材76が固定されている。
【0040】
図9および図10に示すように、ライナ供給駆動部73は、ライナ受容口75を通してライナ供給溝74内に受け入れられた第2ライナ35を押圧部材76によって押圧移動させることにより、第2ライナ35を他端開口74bを通して排出してポケット部51内に収容させる。
図5および図8に示すように、ライナ装着ガイド50のパイプ連結口52は、ライナ装着ガイド50の外周面50cに開口されている。圧縮エア供給路53は、ライナ装着ガイド50の内部に形成されており、パイプ連結口52と一対のポケット部51の内部空間51Sとを連通する。
【0041】
具体的には、図8に示すように、圧縮エア供給路53は、一対のポケット部51の内部空間51Sどうしを連通する第1連通路53aと、第1連通路53aの途中部とパイプ連結口52とを連通する第2連通路53bとで形成されている。第1連通路53aの一対の端部に、各ポケット部51の第5内壁部51gに開口する圧縮エア吐出口53cが形成されている。
【0042】
図5に示すように、ライナ駆動機構80は、圧縮エア供給源81と、圧縮エア供給源81と接続された圧縮エア供給パイプ82とを含む。圧縮エア供給源81は、駆動媒体として圧縮エアの供給源である。圧縮エア供給パイプ82は、パイプ連結口52に連結されて、圧縮エア供給源81からの圧縮エアをライナ装着ガイド50の圧縮エア供給路53側に供給する(図15も参照)。
【0043】
各圧縮エア吐出口53cから吐出された圧縮エアが、ポケット部51に収容された第2ライナ35のラックシャフトガイド部35aに吹き付けられることで、圧縮エアにより押された第2ライナ35が、対応する保持凹部27側へ移動される。
次いで、図8図17に基づいて、第2ライナを組み付ける組付方法を説明する。
まず、図8図10に基づいて、ライナ装着ガイド50の一対のポケット部51に一対の第2ライナ35を収容する準備工程について説明する。図8に示すように、ホッパ71の下端の排出口71aが図示しないシャッタにより閉じられた状態から、図9に示すように、シャッタが開放されて、ホッパ71内の最下層の第2ライナ35が、排出口71aから自然落下し、ライナ供給ガイド72のライナ受容口75を通して、ライナ供給ガイド72のライナ供給溝74に供給される。
【0044】
次いで、図10に示すように、各ライナ供給駆動部73のエアシリンダ77(図5も参照)によって駆動された押圧部材76の押圧部76bが、対応する第2ライナ35の背面部35bを押し、対応する第2ライナ35をライナ装着ガイド50の対応するポケット部51に収容させる。
準備工程の終了に伴って、ライナ供給機構70は、次の第2ライナ35の組付サイクルの準備状態になる。具体的には、図11に示すように、各ライナ供給駆動部73の押圧部材76が所定量後退することにより、ホッパ71から次の第2ライナ35が、ライナ供給溝74に落下供給される。
【0045】
次いで、図12図14に基づいて、前記準備工程の終了後に行われる移動工程について説明する。移動工程では、一対の第2ライナ35が、一対の保持凹部27に対向する装着待機位置(図14参照)に移動される。
図12図13に示すように、一対の第2ライナ35が保持されたライナ装着ガイド50が、先端部50a側から、ラックハウジング20の本体部21の一方の端部21aの端部開口部21cを通して、本体部21内に挿入され、図14に示すように、本体部21の内部空間21Sとラックガイド収容穴24とを連通する連通開口部26に挿入される。
【0046】
これにより、一対のポケット部51に収容された一対の第2ライナ35が、一対の保持凹部27にそれぞれ対向する装着待機位置に移動される。また、ライナ装着ガイド50のパイプ連結口52は、ラックガイド収容穴24の端部開口部28側に臨む位置に配置される。
次いで、図15および図16に基づいて、前記移動工程の終了後に行われる装着工程について説明する。装着工程では、装着待機位置にある一対の第2ライナ35が、移動されて一対の保持凹部27に装着される。
【0047】
図15に示すように、ラックガイド収容穴24に位置決めガイド83が内嵌された状態で、位置決めガイド83のガイド穴84に挿通された圧縮エア供給パイプ82の先端部82aが、ライナ装着ガイド50のパイプ連結口52に嵌合接続される。
次いで、図16に示すように、圧縮エア供給源81からの圧縮エアが、圧縮エア供給パイプ82の内部空間、およびライナ装着ガイド50の圧縮エア供給路53の各圧縮エア吐出口53cを介して、各ポケット部51内に供給され、各第2ライナ35のラックシャフトガイド部35aに吹き付けられる。圧縮エアにより押されて移動された一対の第2ライナ35が、一対の保持凹部27に装着される。その後、図17に示すように、ライナ装着ガイド50がラックハウジング20の本体部21から抜脱され、第2ライナ35の組付サイクルが終了する。
【0048】
本実施形態のライナ組付方法では、まず、ラックハウジング20の外部で、図9および図10に示す準備工程において、一対の第2ライナ35をライナ装着ガイド50の一対のポケット部51に収容する。
その後、図12および図13に示すように、ライナ装着ガイド50をラックハウジング20の本体部21の端部開口部21cを通して、ラックハウジング20の本体部21の内部空間21Sとラックガイド収容穴24とを連通する連通開口部26内に挿入し(図14を参照)、一対のポケット部51に保持された一対の第2ライナ35を連通開口部26の一対の保持凹部27に対向する装着待機位置に移動させる(移動工程)。
【0049】
その後、図15および図16に示す装着工程において、装着待機位置にある一対の第2ライナ35をライナ駆動機構80によって移動させて一対の保持凹部27に同時に装着する。このため、一対の第2ライナ35を効率良く組み付けることができる。
また、図15および図16に示す装着工程において、各第2ライナ35のラックシャフトガイド部35aに圧縮エアを吹き付けることにより、各第2ライナ35をポケット部51の第1ライナガイド部51cおよび第2ライナガイド部51eに沿って移動させて、対応する保持凹部27に装着する。圧縮エアを用いて容易に第2ライナ35を装着することができる。
【0050】
また、本実施形態のライナ組付装置40では、ラックハウジング20の外部で一対の第2ライナ35をライナ装着ガイド50の一対のポケット部51に収容する(図12図13を参照)。その後、ライナ装着ガイド50をラックハウジング20の本体部21の端部開口部21cを通して、本体部21内(内部空間21S)とラックガイド収容穴24内(内部空間24S)とを連通する連通開口部26内に挿入し、一対のポケット部51に保持された一対の第2ライナ35を連通開口部26の一対の保持凹部27に対向する装着待機位置に移動させる(図14を参照)。その後、装着待機位置にある一対の第2ライナ35をライナ駆動機構80によって両ライナガイド部51c,51eに沿って移動させて一対の保持凹部27に同時に装着する(図16参照)。このため、一対の第2ライナ35を効率良く組み付けることができる。
(第2実施形態)
図18(a)〜(d)は、本発明の第2実施形態におけるライナ組付方法の工程を順次に示す模式的断面図である。
【0051】
第2実施形態で、第1実施形態と主に異なるのは、図18(c)に示される移動工程において、ライナ装着ガイド50Pが、ラックハウジング20のラックガイド収容穴24の端部開口部28を通して、連通開口部26内に挿入される点である。このため、ライナ装着ガイド50Pは、ラックガイド収容穴24に同心的に挿入可能な円柱状部材からなる。ライナ装着ガイド50Pの外周面50Paにおいて周方向に180度位相が離れた位置に、一対のポケット部51が形成されている。
【0052】
図18(a)に示される準備工程では、一対のホッパ71からライナ供給ガイド72のライナ供給溝74に落下供給された一対の第2ライナ35が、ライナ供給駆動部73のエアシリンダ77によって移動されて、図18(b)に示すように、ライナ装着ガイド50Pの一対のポケット部51に収容される。
次いで、図18(c)に示される移動工程では、ライナ装着ガイド50Pが、ラックガイド収容穴24の端部開口部28を通して、連通開口部26内に挿入され、一対のポケット部51に収容保持された一対の第2ライナ35が、連通開口部26の内周面に設けられた一対の保持凹部27に対向する装着待機位置に移動される。
【0053】
次いで、図18(d)に示される装着工程では、ライナ駆動機構80の圧縮エア供給源81からの圧縮エアが、ライナ装着ガイド50Pの圧縮エア供給路53を介して一対のポケット部51内に供給され、装着待機位置にある一対の第2ライナ35を移動させて一対の保持凹部27に同時に装着する。
第2実施形態においても、一対の第2ライナ35を効率良く組み付けることができる。また、移動工程および装置工程が、ラックガイド収容穴24側からの、すなわち一方向からの動作や操作で実施可能となるため、第2ライナ35の組付をより効率的に行える。
(第3実施形態)
図19(a)は、本発明の第3実施形態に係るライナ組付方法における装着工程の開始前の状態を示す、ライナ装着ガイドおよびラックハウジングの要部の概略図断面である。図19(a)に示すように、ポケット部51の内奥側の第5内壁部51gに開口される圧縮エア吐出口53cの位置が、すなわち、第2ライナ35のラックシャフトガイド部35aに対する圧縮エアの吹き付け位置が、軸方向Xの中央位置Q1から、ラックハウジング20の本体部21の端部開口部21c側に偏らせて配置されている。
【0054】
したがって、圧縮エアの吹き付けによって、図19(b)に示すように、各第2ライナ35のラックシャフトガイド部35aが本体部21の端部開口部21c側に向かって開くように軸方向Xに対して傾斜する状態で、各第2ライナ35が対応する保持凹部27に装着される。換言すると、一対の第2ライナ35は、本体部21の端部開口部21c側(ラックシャフト9の挿入方向Z1の反対方向Z2)に向かって、ラックシャフトガイド部35aどうしの間隔が拡がる状態で、一対の保持凹部27に装着される。
【0055】
このため、一対の第2ライナ35どうしの間に、ラックシャフト9を容易に挿入することができる。なお、図19(c)に示すように、ラックシャフト9の挿入後は、一対の第2ライナ35は、ラックシャフト9の外周面に倣うことになり、そのラックシャフトガイド部35aがラックシャフト9に対して面接触する正規の位置に配置される。
本発明は、各前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、図示していないが、第1実施形態の装着工程において、ライナ装着ガイド50の基端部50bが、ラックハウジング20の本体部21の端部開口部21cから突出された状態で、基端部50bに形成されたパイプ連結口52に連結された圧縮エア供給パイプ82から圧縮エアが供給されてもよい。この場合、移動工程および装置工程が、本体部21の端部開口部2c側からの、すなわち一方向からの動作や操作で実施可能となるため、第2ライナ35の組付をより効率的に行える。
【0056】
また、各前記実施形態の装着工程において、ライナ駆動機構80が、例えばカムまたはリンクを用いて機械的に、一対の第2ライナ35を一対の保持凹部27側へ移動させるようにしてもよい。
また、一対の第2ライナ35は、対向方向Yに垂直な面に対して対称な形状でなく、非対称な形状に形成されてもよい。また、第2ライナ35は一対でなく、単一で設けられてもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0057】
1…ステアリング装置、7…ピニオンシャフト、9…ラックシャフト、20…ラックハウジング、21…本体部、21c…端部開口部、21S…内部空間、23…第1壁部、24…ラックガイド収容穴、24S…内部空間、26…連通開口部、27…保持凹部、28…端部開口部、35…第2ライナ、35a…ラックシャフトガイド部、40…ライナ組付装置、50;50P…ライナ装着ガイド、51…ポケット部、51c…第1ライナガイド部、51e…第2ライナガイド部、52…パイプ連結口、53…圧縮エア供給路、60…装着ガイド駆動機構、70…ライナ供給機構、80…ライナ駆動機構、81…圧縮エア供給源、82…圧縮エア供給パイプ
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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